ミゾ(溝)を入れた維持装置
【課題】歯牙の最大豊隆部を頂点とする断面が、“く”の字型が補強の形でありながら、主として弾性の働きを強く求められていたので、製造や調整に高度の技術が要求された又、増歯を伴う修理などのメンテナンスは、構造上困難の極みであり、簡素化と技術的軽減が望まれていた。
【解決手段】維持装置の両端に歯牙に接する接触面を形成して、その両端をプレートで連結し歯牙の隣接面を包み込み、接触面以外のところからミゾ(溝)を入れた維持装置にしたことである。
【解決手段】維持装置の両端に歯牙に接する接触面を形成して、その両端をプレートで連結し歯牙の隣接面を包み込み、接触面以外のところからミゾ(溝)を入れた維持装置にしたことである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、維持装置の両端に歯牙に接する接触面を形成して、その両端をプレートで連結して、接触面以外のところから、ミゾ(溝)を入れた維持装置についてである。
【背景技術】
【0002】
従来の維持装置の要となる弾性体に用いられている形状は、図11に示すように歯牙の最大豊隆部を頂点とする断面が、“く”の字型である。また、歯牙の隣接面を包み込み、ミゾ(溝)を入れた局部床義歯維持装置はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2005−334419
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、以上の技術によれば、歯牙の最大豊隆部を頂点とする断面が、“く”の字型が補強の形でありながら、主として弾性の働きを強く求められていたので、製造や調整に高度の技術が要求された又、増歯を伴う修理などのメンテナンスは、構造上困難の極みであり、簡素化と技術的軽減が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、維持装置の両端に歯牙に接する接触面を形成して、その両端をプレートで連結し歯牙の隣接面を包み込み、接触面以外のところからミゾ(溝)を入れた維持装置にしたことである。
【発明の効果】
【0006】
このようにすれば、歯牙の最大豊隆部を頂点とする断面が、“く”の字型から板状の弾性体となり、金属本来の特性を十分に発揮出来るものとなる。これは両端の接触面が、把持や拮抗の機能を一層強めることなり、義歯の着脱時の可動域を広めることとなる。それにより義歯の口腔内の安定や調整、メンテナンスなどの修理を可能にして、一躍初心者にも出来る技術となり、簡素化と技術的軽減をもたらした。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 維持装置装着図
【図2】 維持装置(床や脚に相当するところも含む)
【図3】 [図1]における14の側断面
【図4】 [図1]における15の側断面
【図5】 [図1]における16の側断面
【図6】 [図1]における17の側断面
【図7】 [図1]における18の側断面
【図8】 [図1]における18の側断面(図9のミゾCODの時の床への補足を表示)
【図9】 [図1]における接触点以外のミゾの設定例
【図10】 両翼鉤の基礎
【図11】 従来法の弾性翼とその着脱方向
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明を図面について説明すると図1に示すように、維持装置(2)の両端に維持歯(1)となる歯牙の隣接面や舌側を含むアンダーカット領域(11)に接するよう接触面(4)を形成した。接触面を持つ弾性翼(図3)や接触面のみ(図4)の一端と、着脱方向(7)における最大豊隆線(6)より歯冠側を上縁として、頬側隅角部を包み込む(19)プレート(3)で連結して、接触面以外の弾性を阻害しない位置からミゾ(溝)(5)を入れた維持装置である。
【0009】
この装置は、歯科業界で広く使われている両翼鉤(図10)の働きを、踏襲したものです。通常維持歯の近心側や、遠心側から用いるのが通例であるが、それを舌側から設定したものである。両翼鉤は、把持腕(10)、拮抗腕(9)、支持部(8)、包み込み部(19)のからなり、3面4隅角を基本としている。
【0010】
この装置の把持腕(10)は、接触面(14、15)の側断面の、(図3、図4)の顕すアンダーカットの量(12)の多少により、微調整するものあり、(図3、図4)の把持部は症例や部位によって使い分けるものとする。
この装置の拮抗腕(9)は、接触面(18)の側断面の、(図7、図8)、の顕すアンダーカットの量(12)の多少により、微調整するものあり、図8の拮抗腕(9)は、図9ミゾの入り方がCODの時の床への補足したものである。
この装置の支持部(8)は、着脱方向か、咬合圧のかかる方向からの最大豊隆線(サベーライン)より歯冠側に、プレートの上縁を置くことにより成り立つ。
この装置の包み込み部(19)は、図10の頬側隅角部の包み込み(19)を顕すものに該当します。
【0011】
(図9)の(図1)における接触点以外のミゾの設定例を表し、基準点0を通る溝は、AOB,AOC、AOD、CODが考えられる。しかしそのミゾの入れ方はなんら限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0012】
なお、本発明によって簡素化と技術的軽減をもたらした維持装置によれば、唇側や頬側にクラスプのない審美義歯の一般化や、口腔内で動揺しない、噛める義歯が完成する。
また、この技術が保険に導入されれば、医院でのステップの大幅な軽減により、自己負担はもとより医療費抑制等、医療分野にもたらす影響は大きい
【符号の説明】
【0013】
1 維持歯 11 アンダーカット領域
2 維持装置 12 アンダーカットの量
3 プレート 13 弾性翼
4 接触面 14 図3を表示する部位
5 ミゾ(溝) 15 図4を表示する部位
6 最大豊隆線 (サベーライン) 16 図5を表示する部位
7 着脱方向 17 図6を表示する部位
8 支持部 18 図7を表示する部位
9 拮抗腕 19 頬側隅角部を包み込む部位
10 把持腕 A.B.C.D.O ミゾの基準点の例
【技術分野】
【0001】
この発明は、維持装置の両端に歯牙に接する接触面を形成して、その両端をプレートで連結して、接触面以外のところから、ミゾ(溝)を入れた維持装置についてである。
【背景技術】
【0002】
従来の維持装置の要となる弾性体に用いられている形状は、図11に示すように歯牙の最大豊隆部を頂点とする断面が、“く”の字型である。また、歯牙の隣接面を包み込み、ミゾ(溝)を入れた局部床義歯維持装置はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2005−334419
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、以上の技術によれば、歯牙の最大豊隆部を頂点とする断面が、“く”の字型が補強の形でありながら、主として弾性の働きを強く求められていたので、製造や調整に高度の技術が要求された又、増歯を伴う修理などのメンテナンスは、構造上困難の極みであり、簡素化と技術的軽減が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、維持装置の両端に歯牙に接する接触面を形成して、その両端をプレートで連結し歯牙の隣接面を包み込み、接触面以外のところからミゾ(溝)を入れた維持装置にしたことである。
【発明の効果】
【0006】
このようにすれば、歯牙の最大豊隆部を頂点とする断面が、“く”の字型から板状の弾性体となり、金属本来の特性を十分に発揮出来るものとなる。これは両端の接触面が、把持や拮抗の機能を一層強めることなり、義歯の着脱時の可動域を広めることとなる。それにより義歯の口腔内の安定や調整、メンテナンスなどの修理を可能にして、一躍初心者にも出来る技術となり、簡素化と技術的軽減をもたらした。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 維持装置装着図
【図2】 維持装置(床や脚に相当するところも含む)
【図3】 [図1]における14の側断面
【図4】 [図1]における15の側断面
【図5】 [図1]における16の側断面
【図6】 [図1]における17の側断面
【図7】 [図1]における18の側断面
【図8】 [図1]における18の側断面(図9のミゾCODの時の床への補足を表示)
【図9】 [図1]における接触点以外のミゾの設定例
【図10】 両翼鉤の基礎
【図11】 従来法の弾性翼とその着脱方向
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明を図面について説明すると図1に示すように、維持装置(2)の両端に維持歯(1)となる歯牙の隣接面や舌側を含むアンダーカット領域(11)に接するよう接触面(4)を形成した。接触面を持つ弾性翼(図3)や接触面のみ(図4)の一端と、着脱方向(7)における最大豊隆線(6)より歯冠側を上縁として、頬側隅角部を包み込む(19)プレート(3)で連結して、接触面以外の弾性を阻害しない位置からミゾ(溝)(5)を入れた維持装置である。
【0009】
この装置は、歯科業界で広く使われている両翼鉤(図10)の働きを、踏襲したものです。通常維持歯の近心側や、遠心側から用いるのが通例であるが、それを舌側から設定したものである。両翼鉤は、把持腕(10)、拮抗腕(9)、支持部(8)、包み込み部(19)のからなり、3面4隅角を基本としている。
【0010】
この装置の把持腕(10)は、接触面(14、15)の側断面の、(図3、図4)の顕すアンダーカットの量(12)の多少により、微調整するものあり、(図3、図4)の把持部は症例や部位によって使い分けるものとする。
この装置の拮抗腕(9)は、接触面(18)の側断面の、(図7、図8)、の顕すアンダーカットの量(12)の多少により、微調整するものあり、図8の拮抗腕(9)は、図9ミゾの入り方がCODの時の床への補足したものである。
この装置の支持部(8)は、着脱方向か、咬合圧のかかる方向からの最大豊隆線(サベーライン)より歯冠側に、プレートの上縁を置くことにより成り立つ。
この装置の包み込み部(19)は、図10の頬側隅角部の包み込み(19)を顕すものに該当します。
【0011】
(図9)の(図1)における接触点以外のミゾの設定例を表し、基準点0を通る溝は、AOB,AOC、AOD、CODが考えられる。しかしそのミゾの入れ方はなんら限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0012】
なお、本発明によって簡素化と技術的軽減をもたらした維持装置によれば、唇側や頬側にクラスプのない審美義歯の一般化や、口腔内で動揺しない、噛める義歯が完成する。
また、この技術が保険に導入されれば、医院でのステップの大幅な軽減により、自己負担はもとより医療費抑制等、医療分野にもたらす影響は大きい
【符号の説明】
【0013】
1 維持歯 11 アンダーカット領域
2 維持装置 12 アンダーカットの量
3 プレート 13 弾性翼
4 接触面 14 図3を表示する部位
5 ミゾ(溝) 15 図4を表示する部位
6 最大豊隆線 (サベーライン) 16 図5を表示する部位
7 着脱方向 17 図6を表示する部位
8 支持部 18 図7を表示する部位
9 拮抗腕 19 頬側隅角部を包み込む部位
10 把持腕 A.B.C.D.O ミゾの基準点の例
【特許請求の範囲】
【請求項1】
維持装置の両端に維持歯となる歯牙の隣接面や舌側を含むアンダーカット領域に接するよう接触面を形成した。接触面を持つ弾性翼や接触面のみの一端と、着脱方向における最大豊隆線より歯冠側を上縁として、頬側隅角部を包み込むプレートで連結して、接触面以外の弾性を阻害しない位置からミゾ(溝)を入れた維持装置である。
【請求項1】
維持装置の両端に維持歯となる歯牙の隣接面や舌側を含むアンダーカット領域に接するよう接触面を形成した。接触面を持つ弾性翼や接触面のみの一端と、着脱方向における最大豊隆線より歯冠側を上縁として、頬側隅角部を包み込むプレートで連結して、接触面以外の弾性を阻害しない位置からミゾ(溝)を入れた維持装置である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−31012(P2011−31012A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196013(P2009−196013)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(597131772)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(597131772)
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