説明

ミニモデルセット

【課題】仕上げ内装イメージに表現できるミニモデルセットを用意することで仕上げ材等を容易、的確に決定する。
【解決手段】各内角を直角とする四辺形状をなす底板101、底板101の一つの角を挟む二辺に沿ってそれぞれ起立されている四角形の側板102、102とを備える基体100と、基体100の底板101の上面101aに連続する各側板102の面102aに選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の壁表面材10と、選択的に壁表面材10に添装用いられる着脱可能な複数種の建具用擬似枠11と、建具用擬似枠11内に納め入れられるように壁表面材10に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の擬似建具材12と、壁表面材10の下部側に添わせるように選択的に用いられる複数種の擬似巾木材13と、少なくとも擬似巾木材13に側端面を押しあてるように底板101に選択的に敷設される複数種の床材14とを備えているミニモデルセット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
建物の内装仕上げに際して、比較的困難を極めた内装素材の選択及び空間配色の打ち合わせを、施主、設計者、インテリアコーディネーター等が満足し得るように、的確に、かつ、短時間で、なし得るようにしたミニモデルセットを提供する。
【背景技術】
【0002】
建物の内装仕上げ材を決定する際は、通例、設計者、インテリアコーディネーター等と施主とで、素材の打ち合わせと、空間配色の打ち合わせとを順次に行っており、まず、内装を構成する床、壁、ドア等の小さなカットサンプルを並べおきながら素材を決定し、これらの決定を前提にしてソフト的なイメージ画像や、
パースなどのハードコピーを作成することで、空間配色を決定するようにしていた。
【0003】
しかしながら、呈示されるサンプルは、通例、小型であり、このサンプルから建築物における具体的な内装の空間配色を想定することは、いたって難しいものであった。
【0004】
また、かかる手法にあっては、用いられる素材が本来有している素材特有の雰囲気を表すことができなかった。
【0005】
また、近時における内装仕上げの流れに同色使いという概念が薄れる傾向にあり、より高度な熟練を要する異色使いによる内装の空間仕上げが要請される傾向にある。
【0006】
かかる内装材のインテリアコーディネートのために、種々の工夫が試みられ、例えば、当該建物の内装用のインテリアコーディネートのための見本表示具や見本帳が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0007】
しかしながら、建築物における内装空間は、見本帳などに比較して極端に大きな空間をなしていることから、サンプルや見本帳から作り出された空間配色と異なるケースが多く、内装完工後に、所期イメージと、仕上がり内装空間との差異に戸惑うケースがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−146882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、建物の内装要部を容易に俯瞰できる状態で、しかも、実際に用いられる内装仕上げ材を、極力用いて当該建物における内装仕上げ状態をつくりだしたり、用いられる内装材等を随時、所望の材に交換しながら仕上がり内装を決定し、さらに、建具や巾木等との調和を考慮しながら、これらの各部品を交換しつつ、内装における構成的な調和と、色彩的な調和を考慮しながら内装仕上げを決定する内装仕上げ用のミニモデルは存在していなかった。
【0010】
かかる点から、建物における内装部分の要部を容易に俯瞰できると共に、典型的には、内装施工に用いられる素材を随時交換しながら添装状態にセットして確認し、また、各種の色彩の建具材や巾木等を具体的に随時交換しながらセットすることで、当該建物における内装を確認、決定することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するために、この発明にあっては、建築物の一部の擬似空間を構成する内装仕上げ確認用のミニモデルセットであって、
各内角を直角とする四辺形状をなす底板と、この底板の一つの角を挟む二辺に沿ってそれぞれ起立されている四角形の側板とを備える基体と、
この基体の底板面に連続する各側板の面に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の壁表面材と、
選択的に当該壁表面材に添装用いられる着脱可能な複数種の建具用擬似枠と、
この建具用擬似枠内に納め入れられるように前記壁表面材に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の擬似建具材と、
前記壁表面材の下部側に添わせるように選択的に用いられる複数種の擬似巾木材と、
少なくとも該擬似巾木材に側端面を押しあてるように前記底板に選択的に敷設される複数種の床材とを備えていることを特徴とするミニモデルセットとしてある。
【0012】
かかる内装仕上げ確認用のミニモデルセットを用いて、施主、設計者、コーディネーター等が、実際の内装施工に用いられる壁材、床材等で、当該建築物の空間配色を確認しながら具体的に各内装を決定すると共に、各建具との取り合い等を逐一、確認しながら決定することで、想定された所期のイメージに一致した仕上がり内装とすることができる。
【0013】
特に、内装仕上げの確認を、建築物の一部の擬似空間に、実際に用いる内装材を添装して確認することで、仕上がりの空間配色が把握し易く、また、擬似建具や擬似巾木で、仕上げに用いられる床材や壁表面材等との具体的な色彩感等を確認できることから、内装仕上げの決定時における仕上げイメージに一致した仕上がり内装空間を構成することができる。
【0014】
また、前記課題を解決するために、細長い長方形状の底板と、この底板の一つの短辺に沿って起立されている細長い長方形状をなす側板と、前記底板の上面に連続される該側板の表面から突き出すように前記底板面に起立するように備えられている当該底板の板幅寸法よりも薄い板厚寸法の間仕切り板とを備えている間仕切り基体と、この側板から突き出されている間仕切り板の側端面に前記側板に向き合うように選択的に添装される着脱可能な複数種の擬似開口板と、この間仕切り開口板と前記側板と前記底板上面間とで囲まれた前記間仕切り基体の間仕切り板面に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の壁表面材と、当該壁表面材に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の擬似巾木材とを備えてなる補助ミニモデルセットと、
各内角を直角とする四辺形状をなす底板と、この底板の一つの辺に沿って起立されている四角形をなす側板とを備える延設基体と、この延設基体における側板の前記底板面に連続する面に選択的に添装される着脱可能な複数種の壁表面材と、当該壁表面材に添わせるように選択的に用いられる複数種の擬似巾木材とを備え、かつ、少なくとも該擬似巾木材に側端面を押しあてるように前記底板に選択的に敷設される複数種の床材とを備えてなる補助ミニモデルセットと、
各内角を直角とする四辺形状をなす底板と、この底板の一つの角を挟む二辺に沿ってそれぞれ起立されている四角形の側板とを備える組み付け基体と、この組み付け基体の底板面に連続する各側板の面に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の壁表面材と、前記壁表面材の下部側に添わせるように選択的に用いられる複数種の擬似巾木材と、少なくとも該擬似巾木材に側端面を押しあてるように前記底板に選択的に敷設される複数種の床材とを備えてなる補助ミニモデルセットの、
うちから選ばれる一種以上の補助ミニモデルセットと、前記ミニモデルセットとで、更に個別のミニモデルセットを構成することによって、各種のニーズに対応した内装仕上げ確認用のミニモデルセットを用意することができ、各種のニーズに対応した内装仕上げの確認に用いることができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、内装に用いられる素材からなる壁表面材や、床材等を容易に着脱可能に添装し得ると共に、当該壁表面材に添装して用いられる建具用擬似枠や当該建具用擬似枠内に納め入れ得るように前記壁表面材に添装して用いられる擬似建具材や、擬似巾木材を用意し、これらを、建築物の一部の擬似空間を構成する基体に、適宜、取り替えながら添装、確認して、仕上げ内装材を決定することによって、イメージされた内装仕上げ状態の内装をなし得るものであって、例えば、建物の内装仕上げ材を決定する際に、各決定内装材によって立体模型を逐一作成する等の、作成手間と作成費用の嵩張りを解消でき、また、コンピューターグラフィックス等の煩雑な処理を必要とすることもなく、コンピューターグラフィックス等における表示画像と仕上がり内装の不一致等の不具合を生ずることもなく、イメージされた仕上がりの内装状態となるように各内装材を確実に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、典型的なミニモデルセットAを構成する典型的な各構成部材を分離した状態を斜め上方から示したものであって、当該ミニモデルセットAの基本的な構成要素を備えて構成されているミニモデルセットA’の各構成要素を分離して斜め上方から見て示している。
【図2】図2は、この典型的なミニモデルセットAであって、特に、基本的な各構成要素を備えて構成されているミニモデルセットA’の組み付けの一例を、斜め上方から見て示している。
【図3】図3は、かかる典型的なミニモデルセットAを構成する基本的な各構成要素を備えて構成されるミニモデルセットA’の各構成要素を組み付けて前方から見て示している。
【図4】図4は、かかる典型的なミニモデルセットAを構成する基本的な各構成要素を備えて構成されているミニモデルセットA’の各構成要素を組み付けて、上方から見て示している。
【図5】図5は、図4において構成される典型的なミニモデルセットAをF−Fで、縦向きに断面して側方から見て示している。
【図6】図6は、かかる典型的な図4において構成される典型的なミニモデルセットAをK−Kで、縦向きに断面して側方から見て示している。
【図7】図7は、前記の典型的な基本的な各構成要素を備えて構成されているミニモデルセットA’に、各種の典型的な補助ミニモデルセットAa、補助ミニモデルセットAb、補助ミニモデルセットAc等を組み付けて構成されるミニモデルセットAを上方から見て示したものである。
【図8】図8は、かかる典型的なミニモデルセットAを正面側から見て示したものである。
【図9】図9は、典型的な補助ミニモデルセットAaを構成する各部材を分離して斜め上方から見て示している。
【図10】図10は、典型的な補助ミニモデルセットAbを構成する各部材を分離して斜め上方から見て示している。
【図11】図11は、典型的な補助ミニモデルセットAcを構成する各部材を分離して斜め上方から見て示している。
【図12】図12は、基本的な各構成要素を備えて構成されるミニモデルセットA’に各種の補助ミニモデルセットAa、Ab、Ac、階段セット140等を上方から見て、横方向に並設して示している。
【図13】図13は、前記ミニモデルセットAに適宜組み付けて用いられる階段セットであって、各部品を分離して斜め上方から見て示している。
【図14】図14は、かかる階段セット140を備えた典型的なミニモデルセットAを上方から見て示している。
【図15】図15は、かかる階段セット140を備える典型的なミニモデルセットAを正面側から見て示している。
【図16】図16は、かかる階段セット140を備える典型的な補助ミニモデルセットAcを側方から見て示している。
【図17】図17は、基本的な各構成要素を備えて構成されているミニモデルセットA’で下階を構成し、当該ミニモデルセットA’上に、前記補助ミニモデルセットAb及び補助ミニモデルセットAcとを組み付けて、上階を備えるミニモデルセットAを構成し、これを正面側から見て示している。
【図18】図18は、図17に示されるミニモデルセットAを上方から見て示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明に係る典型的なミニモデルセットAは、建築物の一部の擬似空間を構成する内装仕上げ確認用のミニモデルセットであって、
各内角を直角とする四辺形状をなす底板101、この底板101の一つの角を挟む二辺に沿ってそれぞれ起立されている四角形の側板102、102とを備える基体100と、
この基体100の底板101の上面101aに連続する各側板102の面102aに選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の壁表面材10と、
選択的に当該壁表面材10に添装用いられる着脱可能な複数種の建具用擬似枠11と、
この建具用擬似枠11内に納め入れられるように前記壁表面材10に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の擬似建具材12と、
前記壁表面材10の下部側に添わせるように選択的に用いられる複数種の擬似巾木材13と、
少なくとも該擬似巾木材13に側端面を押しあてるように前記底板101に選択的に敷設される複数種の床材14とを備えていることを特徴とするミニモデルセットAとして構成してある。
【0018】
なお、この図示例に係る基体100は、床板101と、この床板101の一つの角を挟む二辺に平面視でく字状をなすように一対の側板102、102を連続して立設して構成してあるが、前記底板101の二辺に起立されている側板102の一方から、更に当該底板101の他の一辺の途中まで前記側板102、102に連続する側板102を設けるようにしてあってもよい。また、建築物の内装仕上げを確認し得る擬似空間が構成されているものであれば、必ずしも、底板101の二辺に沿った全幅に渡るように側板102を設ける必要はない。
【0019】
また、この基体100は、この基体100における底板101、側板102等が、この基体100の底板101の上面101aに連続する各側板102の面102aに選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の壁表面材10と、選択的に当該壁表面材10に添装用いられる着脱可能な複数種の建具用擬似枠11と、この建具用擬似枠11内に納め入れられるように前記壁表面材10に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の擬似建具材12と、前記壁表面材10の下部側に選択的に添装用いられる複数種の擬似巾木材13と、少なくとも該擬似巾木材13に側端面を押しあてるように前記底板101に選択的に敷設される複数種の床材14とを備えて構成し得るようにしてあれば、いかなる態様に構成してあっても、また、いかなる素材によって構成してあってもよい。
【0020】
また、前記壁表面材10は、内装施工に際して実際に用いられる素材であれば、いかなる素材によって構成してあっても、また、側板102の表側の面102aに着脱可能に仮留め状態に添装し得る構成を備えたものであれば、各種の仮留め手段17等の、いかなる着脱手段を備えて構成してあってもよく、取り換え可能な複数種の壁表面材10として用意される。かかる壁表面材10の面102aに対する着脱可能な装着は、例えば、壁表面材10を両面粘着シート17a等で側板102に着脱可能に添装状態に着装させ得るようにしてあっても、当該壁表面材10と側板102とに永久磁石と当該永久磁石に吸着される鉄板等の磁性材を備え付けて構成してあっても、更に、例えば、護謨磁石やプラスチック磁石等のボンド磁石を側板102や、壁表面材10に貼り付け用いて構成してあっても、当該側板102と壁表面材10の接する面に雌雄をなす面状ファスナーを備え付けて構成してあってもよく、当該壁表面材10を側板102に対して着脱可能に当該仮留め手段17を用いて添装状態に着装させることができる。
【0021】
また、前記壁表面材10に対して、添装状態に仮留め手段17等で着脱可能に着装して用いられる建具用擬似枠11は、取り換え可能な複数種の建具用擬似枠11として用意される。かかる建具用擬似枠11は、内装施工に際して実際に用いられる素材、又は、同種の色調の素材によって構成されており、構成される壁表面材10の面10aや床材14の構成する床面や擬似建具材12の面12a等との取り合わせの確認がし易い素材で構成してあれば、いかなる素材で構成してあってもよい。この図示例にあっては下方から面状をなす擬似建具材12を都合良く嵌め入れ得るように下方を解放した門状をなす構成としてある。また、当該擬似建具枠11を着脱可能に壁表面材10に着装する仮留め手段17は、例えば、当該擬似建具材12を両面粘着シート等で壁表面材10に着脱可能に添装状態に着装させ得るようにしてあっても、当該壁表面材10と擬似建具材12とに永久磁石と当該永久磁石に吸着される鉄板等の磁性材を備え付けて構成してあっても、更に、例えば、護謨磁石やプラスチック磁石等のボンド磁石を擬似建具材12や、壁表面材10に貼り付け用いるようにしてあっても、当該擬似建具材12と壁表面材10の互いに接する面に雌雄をなす面状ファスナーを備え付けて構成するなど、当該壁表面材10に対して擬似建具枠11を着脱可能に添装状態に着装させ得るものであれば、いかなるものであってもよい。
【0022】
また、この擬似建具枠11内に納め入れられるように用意される擬似建具材12は、典型的には取り換え可能な複数種の擬似建具材10として用意される。かかる擬似建具材12は、前記底板101に起立状態に備えられる擬似建具枠11の枠内を覆う形状としてあり、壁表面材10に対して、添装状態に仮留め手段17で着脱可能に着装して用いられものであって、例えば、内装仕上げに際して用いられる実際の素材で構成し、壁、床、建具の組み付け枠等との取りあいを都合よく観察し得るように壁表面材10の表側の面10aに取り換え可能に仮留め手段17で添装着装し得るように構成してある。かかる仮留め手段17は、例えば、当該擬似建具材12を両面粘着シート等で壁表面材10に着脱可能に添装状態に着装させ得るようにしてあっても、当該壁表面材10と擬似建具材12とに永久磁石と当該永久磁石に吸着される鉄板等の磁性材を備え付けて構成してあっても、更に、例えば、護謨磁石やプラスチック磁石等のボンド磁石を擬似建具材12や、壁表面材10に貼り付け用いるようにしてあっても、当該擬似建具材12と壁表面材10の互いに接する面に雌雄をなす面状ファスナーを備え付けて構成するなど、当該壁表面材10に対して擬似建具材12を着脱可能に添装状態に着装させ得るものであれば、いかなるものであってもよい。
【0023】
また、ここで用いられる擬似巾木材13は、前記壁表面材10に添って基体100の底板101に起立させて、床材14を敷設した際に、当該床材14の上面から、ミニモデルセットAに相応しい巾木を構成し得るように所定寸法突きだして側板102に備えられる壁表面材10の下部側を当該床材14に沿って覆うものであれば、内装仕上げに実際に用いるものであっても、また、色あわせに用いられる同種の素材からなるものであってもよく、前記壁表面材10に添わせるように前記の各種の仮留め手段17で添装状態に着装しうるものであっても、床材14によって壁表面材10に押しつけられて当該壁表面材10に添わせるように起立状態に設けられていてもよい。
【0024】
また、ここで用いられる床材14は、実際の内装仕上げに用いられる床材であれば、いかなる形態に構成してあってもよく、この図示例では、比較的厚めのベース部14bに、実際の内装仕上げに用いる床本体部14aを貼り込んだ床材14を用いている。このように、床本体部14aに所定厚さを備えるベース部14bを備えさせることによって、上階と下階を備えるミニモデルセットAを構成した際に、下階と上階との間にもたらされる天井裏空間を具体的に把握することができる。特に、この図示例にあっては、実際に建設される建物の所定縮尺寸法のミニモデルとして当該ミニモデルセットAを構成してあり、各階の天井高さなどを具体的に当該ミニモデルセットAによって想定することができる。
【0025】
なお、ここで、床本体部14aは、内装に用いられる素材で構成される。例えば、各種のフローリング材、カーペット等、各種の敷き込み床材が用いられる。
【0026】
また、この図示例にあっては、壁表面材10で覆われた一方の側板102に窓を設けることが予定されており、当該窓又は窓部覆い部材16を壁表面材10に対して両面粘着テープ17a等の適宜の仮留め手段17で着脱可能に添装状態に装着し得るようにしてある。かかる窓又は窓覆い部材16は、窓材や当該窓覆い部材等と壁表面材10等との意匠等の確認に重要であり、実際に用いられるカーテン生地等で構成されることが好ましく、前記仮留め手段17等で、取り換え用いられる複数種のものとして用意される。
【0027】
このように用意されたミニモデルセットAを前提に、当該ミニモデルセットAを構成する複数種の壁表面材10、複数種の建具用擬似枠11、複数種の擬似建具材12、複数種の擬似巾木材13、複数種の床材14等の各セットを、内装の仕上げりを想定しながら交換することで、施主と各内装材を順次に確定する。例えば、主たる壁表面材10と床材14との調和、各居住空間の出入り位置や建具と壁表面材10や床材14との調和、巾木や回り縁、窓の開口位置やカーテン等の窓覆い部材との調和等を勘案しながら、当該ミニモデルセットAに含まれているセット部材を置き換え確認して、各素材を、容易に、しかも、確実に特定することができる。
【0028】
かかる典型的なミニモデルセットAのみで、建物の建築内装を特定することも可能であるが、さらに、より各種構成の建築物における仔細な内装仕上げの確認を可能として、内装材を逐一決定することで、内装施工後の仕上がりイメージを事前に特定し、より施主の期待する仕上がり空間を構成するために、前記ミニモデルセットAを基本ミニモデルセットA’とし、これに、以下の構成からなる補助ミニモデルセットAa、補助ミニモデルセットAb、補助ミニモデルセットAcの一種以上の補助ミニモデルセットを組み合わせてミニモデルセットAを構成し、構成されるミニモデルセットAに対して、各壁表面材10、床材14、建具用擬似枠11、擬似建具材12、擬似巾木材13、窓又は窓部覆い部材16等を前記手法で組み付けて、建築物における各内装の仕上がりを想定しながら仕上げ内装材を特定するようにしてあってもよい。また、さらに、かかる構成からなるミニモデルセットAに対して階段セット140等の適宜のミニモデルセットを組み合わせてミニモデルセットAを構成し、構成されるミニモデルセットAに対して各壁表面材10、床材14、建具用擬似枠11、擬似建具材12、擬似巾木材13、窓又は窓部覆い部材16等を前記手法で組み付けて、建築物における各内装の仕上がりを想定しながら仕上げ内装材を特定するようにしてあってもよい。
【0029】
次いで、図示例に基づき、より具体的にミニモデルセットAを、説明する。まず、図1〜図6に示されるミニモデルセットAを説明する。
【0030】
このミニモデルセットAは、基体100を所定の縮尺寸法のものとして構成用意する。ここで用意される基体100は、各内角を直角とする四辺形状をなす底板101と、この底板101の一つの角を挟む二辺に沿って起立するように備えられた四角形の側板102、102とで構成してあり、底板101の奥側に位置して当該ミニモデルセットAを観る際に側板102”が正面に位置されるように当該底板101の奥側の辺と、これに連続されている辺(図4では左側の辺)に沿って側板102’を、当該側板102’、102”が一連に連続して一体をなすように構成してある。
【0031】
この図示例では、仮想線で示すように、概ね、四畳半相当の居住空間を所定の縮尺状態で構成したものであって、この図示例では、正面側に位置する側板102”に扉等の建具を、建具用擬似枠11と擬似建具材12とで設け、図1において、左側に位置している側板102’に窓又は窓部覆い部材16をなすカーテン16’を設けた態様を示している。
【0032】
まず、この図示例にあっては、表面10aを化粧面とすると共に、両面粘着テープ17aを仮留め手段17として裏面10bに設けた壁表面材10を用意し、この壁表面材10を前記側板102に対して着脱可能に添装状態に装着させる。かかる壁表面材10は、実際の内装に用いられる化粧クロス、化粧ボード等の壁材を、前記各側板102の表面102aを覆う形状に構成したものであって、各種色彩の各種壁材からなる複数の壁表面材10として用意され、当該側板102に対して、取り換え装着しながら、内装仕上げ材の決定をするものであって、その表面10aで、内装の仕上がりを直接確認することができる。
【0033】
このように、正面に位置している側板102”を覆った壁表面材10の表面10a所定箇所に対して、表面11aを化粧面とされ、しかも、下方が解放されている門状をなす建具用擬似枠11を立設状態にして着脱可能に添装状態に装着する。この建具用擬似枠11は、いわゆる建具を納める開口枠であって、建具と壁や床等との意匠性の確認や開口位置の確認等に必要であって、前記壁表面材10と同様に両面粘着テープ17a等の仮留め手段17を裏面11bに設けて当該壁表面材10の表面10aに着脱可能に装着し、表面11aの色調等を参考にして、内装仕上げ面の構成や仕上げ材の決定を行う。
【0034】
また、この建具用擬似枠11の枠内を塞ぐように表面12aを化粧面とする擬似建具材12を、この擬似建具材12の裏面12bに設けた両面粘着テープ17a等の仮留め手段17で、壁表面材10の表面10aに着脱可能に装着し、建具の仕上げ素材や色調等を決定する。この擬似建具材12は、実際に用いられる素材で構成してあってもよく、この図示例では、前記建具用擬似枠11内を覆うように、前記底板101に立設状態に設けられている面状をなす板材として用意されている。
【0035】
また、表面13aを化粧面とする擬似巾木材13を、底板101上に立設状態に設け、当該底板101に敷き込まれる床材14から、いわゆる巾木相当の幅分が上方に突き出すように、前記建具用擬似枠11を除いた壁表面材10に添わせるように設ける。かかる擬似巾木材13は、その裏面13bを壁表面材10に接触させた状態で底板101に敷き込まれる床材14で当該壁表面材10に押しつけ、起立状態に維持するようにしてあっても、また、前記両面粘着テープ17a等の仮留め手段17等で、当該壁表面材10の下部側に添うように設けてあってもよい。
【0036】
また、この図示例にあっては、左側に位置している外壁をなす側板102’にカーテン16’を両面粘着テープ17a等の仮留め手段17で、着脱可能に設けてあり、仕上がり内装の状態を確実に確認し得るようにしてある。
【0037】
かかる基体100の床面を確実に確認するために、少なくとも上面側を、フローリング、絨毯等の実際の仕上げ床材で構成した床材14を用意し、この床材14で前記底板101の上面101aを覆うようにしてある。なお、この図示例に係る床材14では、当該ミニモデルセットAを上階と下階を備えるように構成した際に、前記縮尺と同一縮尺で下階と上階とが連結され、天井懐の確認や、下階、上階における各天井高さ等を確認し得るように、このミニモデルセットAを構成する底板101の下面101bから当該底板101に敷き込まれる床材14の上面との間の寸法が、前記縮尺と同一の縮尺寸法となるように、床材14を内装仕上げに用いられる床本体部15aとベース部15bとで構成してある。
【0038】
また、この底板101の上面101aに敷き込んで床部を構成する床材14は、前記底板101の上面101aに適宜の仮留め手段17によって着脱可能に装着してあっても、当該床材14の自重で敷き込むようにしてあってもよい。また、この床材14の床本体部14aをベース部14bに対して適宜の前記仮留め手段17等を用いて着脱可能に装着するようにしてあっても、当該ベース部14b上に自重で敷き込むようにしてあっても、さらには、当該ベース部14bに一体に設けてあってもよい。
【0039】
なお、この図示例では、側板102’の備えられている辺の反対側にあって当該辺に平行な底板101の辺にある側端面101cと、側板102”の前記側板102’に連接されていない側の側端面102d(図4における右側に構成される側端面101c、102d)部分に横方向への接続手段18’が設けてあり、側板102’及び側板102”の上端面102b部分と下端面102c部分とに上下方向への接続手段18”が、接続手段18として設けてある。
【0040】
かかる構成からなるミニモデルセットAを用いて、各種の内装の仕上がり具合を想定しながら各内装材を決定するようにしてあってもよいが、このミニモデルセットAを基本ミニモデルセットA’として、この基本ミニモデルセットA’に各種の補助ミニモデルセットや階段セット等を組み付けて各種形態のミニモデルセットAを構成し、この組み付け構成されるミニモデルセットAを用いて内装仕上がりを想定しながら各内装材を決定するようにしてあってもよい。
【0041】
かかる基本ミニモデルセットA’と各種の補助ミニモデルセットの接続手段18は、基本ミニモデルセットA’を基本にして各種の、例えば、適宜選択される補助ミニモデルセットAa、補助ミニモデルセットAb、補助ミニモデルセットAc等を横方向や上下方向に接続する手段や、適宜選択される補助ミニモデルセットAa、補助ミニモデルセットAb、補助ミニモデルセットAc相互の接続手段として用いられるものであって、例えば、雌雄をなす面状ファスナー、永久磁石と当該永久磁石に吸着される鉄板等の磁性材、両面粘着テープ、各種のだぼ等、いかなる接続手段であってもよく、この図示例では、典型的な永久磁石18aと細長い鉄板等の磁性板18bを示している。
【0042】
かかる典型的な基本ミニモデルセットA’に対して選択的に組み付けられてミニモデルセットAを構成する補助ミニモデルセットは、例えば、間仕切り基体110を備える補助ミニモデルセットAa、延設基体120を備える補助ミニモデルセットAb、組み付け基体130を備える補助ミニモデルセットAc等があり、さらに、これらに併せて、又は、別段に用意される階段セット140等がある。
【0043】
かかる典型的な基本ミニモデルセットA’に組み付け用いられる補助ミニモデルセットは、例えば、各内角を直角とする細長い四辺形、すなわち、細長い長方形状の底板111と、この底板111の一つの短辺に沿って起立されている細長い長方形状をなす側板112と、前記底板111の上面111aに連続される該側板112の表面112aから突き出すように前記底板面111aに起立するように備えられている当該底板111の板幅寸法よりも薄い板厚寸法の間仕切り板113とを備えている間仕切り基体110と、この側板112から突き出されている間仕切り板113の側端面113aに前記側板112に向き合うように複数種用意されて、選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の擬似開口板19と、この間仕切り開口板19と前記側板112と前記底板111の上面111a間とで囲まれた前記間仕切り基体110の間仕切り板113面に、複数種用意されて選択的に添装用いられる着脱可能な壁表面材10と、当該壁表面材10に、複数種用意されて選択的に添装用いられる着脱可能な擬似巾木材13とを備えた補助ミニセットAaがある。
【0044】
この補助ミニモデルセットAaは、前述の壁表面材10を、当該側板112、擬似開口板19及び底板111の上面111aで囲まれた当該間仕切り板113の両面のそれぞれに対して、両面粘着テープ17a等の仮留め手段17で着脱可能に添装状態に装着し得るようにしてあり、しかも、この着脱可能に添装状態に装着される壁表面材10の下部に沿って、当該側板112、擬似開口板19及び底板111の上面111aで囲まれた壁表面材10に対して、両面粘着テープ17a等の仮留め手段17で擬似巾木材13を着脱可能に添装状態に装着し得るようにしてあって、この添装される擬似巾木材13の面13aが、当該側板112、擬似開口板19及び底板111の上面111aで囲まれた凹部内に納まるように構成してある。
【0045】
なお、前記間仕切り基体110は、底板111と側板112及び間仕切り板113を一体のものとして構成してあっても、また、これらを組み付け、組み外し可能に設けてあってもよい。また、前記底板111と側板112とを一体に構成し、これに対して、間仕切り板113とを組み付け、組み外し可能に構成してあってもよい。
【0046】
かかる補助ミニモデルセットAaは、より具体的には、前記基本ミニモデルセットA’の縮尺比率と同一の縮尺比率で構成したものであって、底板111の短手側の寸法及び当該底板111の一方の短辺から起立されている側板112の横巾を、いわゆる間仕切り壁の実寸法を前記縮尺比率で縮尺した構成とし、各居住空間の間仕切部分における内装の仕上がりを確認するために用いるものであって、前記側板102”の側端面102dに密着して連続される側端面112dと、更に必要に応じて他の補助ミニモデルセットに密着して連続される側端面112dを該側板112の両側に縦向きに備えており、この各側端面112dに横方向への接続手段18’を、前記基本ミニモデルセットA’や、必要に応じて更に他の補助ミニモデルセットの側端面に備えられる接続手段18’に接続可能に設けてある。また、底板111の長手に沿った両側端面111cにも、横方向への接続手段18’を、前記基本ミニモデルセットA’や、更に、必要に応じて他の補助ミニモデルセットの側端面に備えられる接続手段18’に接続可能に設けてある。
【0047】
また、側板112と、これに連続して備えられている間仕切り板113の上端面が面一となるように構成してあり、この間仕切り板113の側端面113aに前記側板112とほぼ同幅の、縦向きに長方形状をなす擬似開口板19を、その上端が該間仕切り板113の上端面に揃うように前記側板112に平行にして、両面粘着シート17a等の仮留め手段17で着脱可能に備え付けてある。
【0048】
そして、この側板112における表面112aと、擬似開口板19と、底板111の上面111aで間仕切り板113の面に凹部を構成し当該凹部内に前記壁表面材10と擬似巾木材13とが納まるようにしてあって、いわゆる間仕切り壁の形態を整えるように構成してある。
【0049】
かかる構成からなる間仕切り基体110は、これを前記基本ミニモデルセットA’に接続した際に、底板111の下面111bが基本ミニモデルセットA’の底板101の下面101bに一連に連続され、かつ、上端面112bが基本ミニモデルセットA’の側板102”の上端面102bに面一の状態になるように構成してある。なお、この側板112の上端面112bと下端面112cとには、必要に応じて上下方向への接続手段を設けておく。
【0050】
また、前記基本ミニモデルセットA’や、更に必要に応じて他の補助ミニモデルセットとの接続使用を考慮して、間仕切り板113及び擬似開口板19を備えていない底板111部分に、前記基本ミニモデルセットA’における床材14と同一厚さを備え、かつ、底板111と同一の巾寸法の仕切床材15を着脱可能に備え付け得るようにしてある。この仕切床材15は、例えば、敷居等の内装化粧の仕上がりを検討する手段として用いられるものであって、端面を前記擬似開口板19に押し当てるように仮留め手段17等の適宜の手段で底板111に装着される。また、前記床材14と同様に、当該間仕切り床材15に所要の厚さをもたらすために、ベース材15bを用意し、このベース材15bに間仕切り床本体部15aを仮留め手段17等で適宜、着脱可能に装着し、内装材の仕上げ確認作業に際して当該間仕切り床本体部15aを取り替えて、施主との内装材の確認作業をなすことができるようにしてあってもよく、また、当該ベース仕切り床材15b上に仕切り床本体部15aを取り換え可能に載せ置くようにしてあっても、更に、当該床15を一本の角材として構成してあってもよい。なお、この図示例では、仕切床本体部15aとベース仕切り床材15bを一体に構成して、底板111に対して両面粘着テープ17a等の仮留め手段17で、取り替え可能に着装し得るように構成してある。
【0051】
このように構成される補助ミニモデルセットAaは、前記仕切床材15と擬似開口板19とを適宜、取り替えながら間仕切り部分における開口枠等の仕上がり内装具合を確認したり、当該開口部分に組み込まれる建具等との内装仕上がり状態を確認しながら、当該各素材を決定することができる。
【0052】
また、前記基本ミニモデルセットA’や、必要に応じて更に他の補助ミニモデルセットと共に用いられる補助ミニモデルセットとして構成される補助ミニモデルセットAbは、各内角を直角とする四辺形状をなす底板121と、この底板121の一つの辺に沿って起立されている四角形をなす側板122とを備えた延設基体120と、この延設基体120における側板122の前記底板121の面121aに連続する面122aに選択的に添装される複数種の着脱可能な壁表面材10と、当該壁表面材10に添わせるように選択的に用いられる複数種の擬似巾木材13とを備え、かつ、少なくとも該擬似巾木材13に側端面を押しあてるように前記底板131に選択的に敷設される複数種の床材14とを備えた構成としてある。
【0053】
かかる補助ミニモデルセットAbは、より具体的には、前記基本ミニモデルセットA’の縮尺比率と同一の縮尺比率で構成したものであって、追って説明する補助ミニモデルセットAcと共に所定の居室空間を構成し得る手段や、前記基本ミニモデルセットA’に連続される居室の仕上がり状態を確認する手段等として用いられる。この補助ミニモデルセットAbの延設基体120を構成する底板121の両側の長手向きにある側端面121cと、側板122の両側の縦向きの側端面122dを前記基本ミニモデルセットA’の各側端面101c、102dや、更に、必要に応じて組み付け用いられる補助ミニモデルセットの各底板の各側端面や、各側板の各側端面に接した状態で接続し得る横方向への接続手段18’を当該基本ミニモデルセットA’や接続される補助ミニモデルセットの接続手段18’に対応する位置に備えており、底板121の下面121bを前記基本ミニモデルセットA’の底板101の下面101bと面一になるようにしてある。また、この延設基体120を構成する側板122の上端面122bと下端面122cとに、前記基本ミニモデルセットA’におけると同様に上下方向への接続手段18”を設けてある。
【0054】
かかる延設基体120の側板122の表面122aに、前記基本ミニモデルセットA’におけると同様に表面10aを実際の化粧クロス、化粧ボード等の壁材としてあり、かつ、裏面10bに両面粘着テープ17a等の仮留め手段17を設けた壁表面材10を着脱可能に添装状態に装着してあり、さらに、当該壁表面材10の表面10aの下部側に表面13aを化粧面とした擬似巾木材13の裏面13bを添わせるようにして、起立状態に維持する。かかる擬似巾木材13の起立での維持は、当該底板121に起立させて壁表面材10に添わせた擬似巾木材13を床材14の側端面で該壁表面材10に押しつけてなすようにしてあっても、適宜の仮留め手段17で当該壁表面材10に添わせるように着脱可能に着装してあってもよく、床材14から所定幅分を上方に突き出すように備えられる。また、この延設基体120の底板121の上面121aに敷き込んで床部を構成する床材14は、前記基本ミニモデルセットA’に備えられる床材14と同様の厚さ寸法を備える床材14として用意される。また、前記基本ミニモデルセットA’で用いた床材14と同様にベース部14b上に、フローリング材や絨毯等の床素材からなる床本体部14aを備えたものを用いることができる。なお、この床材14は前記底板121の上面121aに適宜の仮留め手段17によって着脱可能に装着してあっても、当該床材14の自重で敷き込むようにしてあってもよい。また、この床材14の床本体部14aをベース部14bに対して適宜の前記仮留め手段17等を用いて着脱可能に装着するようにしてあっても、当該ベース部14b上に自重で敷き込むようにしてあっても、さらには、当該ベース部14bに一体に設けてあってもよい。
【0055】
また、前記基本ミニモデルセットA’や、必要に応じて更に他の補助ミニモデルセットと共に用いられる補助ミニモデルセットとして構成される補助ミニモデルセットAcは、各内角を直角とする四辺形状をなす底板131と、この底板131の一つの角を挟む二辺に沿ってそれぞれ起立されている四角形の側板132とを備える組み付け基体130と、この組み付け基体130の底板131の面131aに連続する各側板132の面132aに選択的に添装用いられる複数種の着脱可能な壁表面材10と、前記壁表面材10の下部側に添わせるように選択的に用いられる複数種の擬似巾木材14と、少なくとも該擬似巾木材14に側端面を押しあてるように前記底板131に選択的に敷設される複数種の床材14とを備えた構成としてある。
【0056】
かかる補助ミニモデルセットAcは、より具体的には、前記基本ミニモデルセットA’の縮尺比率と同一の縮尺比率で構成したものであって、前記補助ミニモデルセットAbと共に所定の居室空間を構成し得る手段や、階段室を構成する手段等として、適宜の補助ミニモデルセットと併用し、又は、併用しないで、前記基本ミニモデルセットA’に連続される居室の仕上がり状態を確認する手段等として用いられる。また、当該補助ミニモデルセットAcを構成する組み付け基体130は、底板131の奥側の辺に沿って備えられる側板132”が、前記基本ミニモデルセットA’の側板102”や当該側板102”に連続される各種補助ミニモデルセット等の側板と同一線上に位置される側板とされており、この側板132”に屈曲しながら連続して備えられている側板132’が、前記基本ミニモデルセットA’における側板102’の面102aに面132aを向き合わせて当該側板102’に平行となるように備えられている。
【0057】
なお、この図示例では、側板132’の備えられている辺の反対側にあって当該辺に平行な底板131の辺にある側端面131cと、側板132”の前記側板132’に連続されていない側の側端面132d(図12における左側に構成される側端面131c、132d)部分に横方向への接続手段18’が設けてあり、側板132’及び側板132”の上端面132b部分と下端面132c部分とに上下方向への接続手段18”が、接続手段18として設けてある。
【0058】
かかる構成からなる組み付け基体130各側板132’、132”の表面132aに対して、前記基本ミニモデルセットA’におけると同様にして表面10aが仕上げ壁材とされている壁表面材10、例えば、化粧クロス、化粧ボード等の壁表面材10を当該壁表面材10の裏面10bに設けた仮留め手段17等で着脱可能に添装状態に装着する。また、表面13aを化粧面とした擬似巾木材13を当該壁表面材10の下部側に裏面13bを添わせるように設ける。この擬似巾木材13は、底板131に起立状態にして床材14の側端面で当該壁表面材10の表面10aに押しつけるようにして当該床材14から上方に突き出すように当該壁表面材10に添わせるように設けてあっても、また、適宜の仮留め手段17を用いて当該壁表面材10に着脱可能に添わせるように設けてあってもよい。
【0059】
また、この組み付け基体130の底板131は、その下面131bが前記基本ミニモデルセットA’の底板101の下面101bと面一となるように構成してあり、底板131の上面131aに敷き込んで床部を構成する床材14は、前記基本ミニモデルセットA’に備えられる床材14と同様の厚さ寸法を備える床材14として用意され、当該底板131の上面131aに載せ置くように敷き込まれていても、仮留め手段で着脱可能に装着されていてもよい。また、前記基本ミニモデルセットA’で用いた床材14と同様にベース部14b上に床本体部14aを備えた構成としてあってもよい。かかる床材14の床本体部14aは、フローリング材や絨毯等の実際に床材として用いられる素材で構成され、ベース部14b上に取り換え可能に載せ置かれていても、適宜の仮留め手段17等で着脱可能にベース部14bに装着されていても、当該ベース部14bに一体に設けてあってもよい。
【0060】
なお、この図示例に係る補助ミニモデルセットAbに補助ミニモデルセットAcを接続した際に、前記基本ミニモデルセットA’とほぼ同一大きさの、いわゆる、四畳半相当の大きさのミニモデルセットを構成するようにしてある。
【0061】
また、図示例に係る階段セット140は、回り階段状に構成される階段の下側部分をなす階段本体141と、当該階段本体141を組み付けた際に階段側面の雑巾ずり等の化粧手段とされる側板142と、同様に雑巾ずり等の化粧手段とされる背板143とを備えた構成としてあり、前記基本ミニモデルセットA’の縮尺比率とほぼ同一の縮尺比率で構成してある。かかる階段本体141を納め入れる空間を構成する壁表面材10に前記背板143を添わせるように設けると共に、擬似巾木材13をカットした部分の当該壁表面材10に前記側板142、142を添わせるように設け、この各背板143、側板142を当該階段本体141で各壁表面材10に押しつけるようにして、階段部分を適宜構成する。かかる階段セット140は、必ずしも、回り階段である必要は無く、各種の階段のミニモデルとして用意されていてもよい。また、前記側板142、背板143の全てを備えている必要は無い。また、当該側板142、背板143を備えることなく構成してあってもよい。また、これに、側板142を備え付ける際は、当該側板142の備え付け部分には巾木材13を設けないで壁面を構成する。また、かかる側板142及び背板143は、これを壁表面材10に対して適宜の仮留め手段17等で着脱可能に装着してあっても、当該仮留め手段17によって階段本体141に対して着脱可能に装着してあってもよい。
【0062】
なお、図7及び図8では、基本ミニモデルセットA’に連続するように補助ミニモデルセットAa、補助ミニモデルセットAb、補助ミニモデルセットAcを(図の右方向に)順次に接続して典型的なミニモデルセットAを構成した事例を示している。
【0063】
図14〜図16では、基本ミニモデルセットA’に補助ミニモデルセットAa及び補助ミニモデルセットAcを(図の右方向に)順次に備えつけ、当該補助ミニモデルセットAcに対して階段セット140を備えたミニモデルセットAを示したものであるが、基本ミニモデルセットA’の内部に当該階段セット140を備え付けるようにして用いても、また、当該基本ミニモデルセットA’の外側に接続させるように階段セット140を備え付けて用いたり、更に、他の補助ミニモデルセットに組み付けて当該階段セット140を用いるなど、階段まわりにおける仕上がり空間の確認や各種使用素材の確認をなすために種々の態様において当該階段セット140を用いることができる。
【0064】
なお、前記横方向への接続手段18’は、図7及び図8、図14及び図16に示されるように、基本ミニモデルセットA’と当該基本ミニモデルセットA’に接続される各種補助ミニモデルセット等における互いに接し合う側端面の一方側、例えば、前記図における左側に位置される側端面部分に永久磁石18aを、右側に位置される側端面部分に鉄板等の磁性板18bを互いに吸着し得るように設けるようにすることができる。また、また、上下方向への接続手段18”は、互いに接し合う各側板の上端面と下端面の一方側に、例えば、上端面部分に永久磁石18aを、下端面部分に当該下端面の長さ方向にわたるように細長い鉄板等の磁性板18bを、相互に吸着し得るように設けて構成することができる。なお、かかる永久磁石による吸着力を用いることなく、面状ファスナーの雄側を一方側に、雌側を他方側に設けるようにしてあってもよい。また、一方側にダボを他方側にダボ穴を設けるようにしてあってもよく、前記基本ミニモデルセットA’に対して、他の補助ミニモデルセット等を都合良く接続し得る手段であれば、いかなる接続手段18であってもよい。
【0065】
かかる構成からなるミニモデルセットAは、例えば、図2〜図4のようにして用いたり、図7及び図8や、図14〜図16のように、横方向に接続して用いたり、図17及び図18のように上下方向に接続して用いたり、更に、図示されていない各種の態様で用いることができ、内装仕上げ空間や使用素材の選択などに幅広く用いることができる。
【0066】
図17及び図18は、上下方向への接続手段18”によって接続して、下階と上階の存在するミニモデルセットAを構成したものであって、この図示例では、前記基本ミニモデルセットA’の上に、当該基本ミニモデルセットA’の側板102”の上端面102b上に側板132’を、側板102’の上端面102b上に側板132”を位置づけるように補助ミニモデルセットAcを接続手段18”で接続すると共に、当該補助ミニモデルセットAcの手前側に、補助ミニモデルセットAbを、その側板122を基本ミニモデルセットA’の側板102’の上端面102b上に接続手段18”で接続し、かつ、その底板121の側端面121cを補助ミニモデルセットAcの底板131の側端面131cに接すると共に側板122の側端面122dを補助ミニモデルセットAcの側板132の側端面132dに接した状態で、当該補助ミニモデルセットAcに組み付けてあり、上階と下階とが、ほぼ同一大きさの空間を構成するようにしてミニモデルセットAを構成したものであって、かくして構成されるミニモデルセットAを活用することで、上階と下階の居住空間の構成具合の確認や、当該ミニモデルセットAの各内装材を適宜変更しながら、上階と下階における内装の仕上がり具合を、確認しながら決定することができる。
【0067】
なお、前記ミニモデルセットAを、実寸法のほぼ九分の一の大きさで構成することによって、現在、用いられている床材のカットサンプル等を、そのまま用いることができる。また、同様に、12mm程度の床材サンプルを3枚重ねて床材14を構成することで、天井ふところ厚をイメージすることができる効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0068】
A ミニモデルセット
10 壁表面材
11 建具用擬似枠
12 擬似建具材
13 擬似巾木材
14 床材
100 基体
101 底板
102 側板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の一部の擬似空間を構成する内装仕上げ確認用のミニモデルセットであって、
各内角を直角とする四辺形状をなす底板と、この底板の一つの角を挟む二辺に沿ってそれぞれ起立されている四角形の側板とを備える基体と、
この基体の底板面に連続する各側板の面に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の壁表面材と、
選択的に当該壁表面材に添装用いられる着脱可能な複数種の建具用擬似枠と、
この建具用擬似枠内に納め入れられるように前記壁表面材に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の擬似建具材と、
前記壁表面材の下部側に添わせるように選択的に用いられる複数種の擬似巾木材と、
少なくとも該擬似巾木材に側端面を押しあてるように前記底板に選択的に敷設される複数種の床材とを備えていることを特徴とするミニモデルセット。
【請求項2】
細長い長方形状の底板と、この底板の一つの短辺に沿って起立されている細長い長方形状をなす側板と、前記底板の上面に連続される該側板の表面から突き出すように前記底板面に起立するように備えられている当該底板の板幅寸法よりも薄い板厚寸法の間仕切り板とを備えている間仕切り基体と、この側板から突き出されている間仕切り板の側端面に前記側板に向き合うように選択的に添装される着脱可能な複数種の擬似開口板と、この間仕切り開口板と前記側板と前記底板上面間とで囲まれた前記間仕切り基体の間仕切り板面に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の壁表面材と、当該壁表面材に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の擬似巾木材とを備えてなる補助ミニモデルセットと、
各内角を直角とする四辺形状をなす底板と、この底板の一つの辺に沿って起立されている四角形をなす側板とを備える延設基体と、この延設基体における側板の前記底板面に連続する面に選択的に添装される着脱可能な複数種の壁表面材と、当該壁表面材に添わせるように選択的に用いられる複数種の擬似巾木材とを備え、かつ、少なくとも該擬似巾木材に側端面を押しあてるように前記底板に選択的に敷設される複数種の床材とを備えてなる補助ミニモデルセットと、
各内角を直角とする四辺形状をなす底板と、この底板の一つの角を挟む二辺に沿ってそれぞれ起立されている四角形の側板とを備える組み付け基体と、この組み付け基体の底板面に連続する各側板の面に選択的に添装用いられる着脱可能な複数種の壁表面材と、前記壁表面材の下部側に添わせるように選択的に用いられる複数種の擬似巾木材と、少なくとも該擬似巾木材に側端面を押しあてるように前記底板に選択的に敷設される複数種の床材とを備えてなる補助ミニモデルセットの、
うちから選ばれる一種以上の補助ミニモデルセットと請求項1に記載のミニモデルセットとからなることを特徴とするミニモデルセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−271485(P2010−271485A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122354(P2009−122354)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【出願人】(501195625)住友林業クレスト株式会社 (43)
【Fターム(参考)】