説明

ミラーキャビネット

【課題】 鏡扉の裏面と物品の落下防止バーとの間のデッドスペースを有効に活用し、このスペースにへアピンのような細長い小物の収納を可能にして収納機能の向上、収納スペースの拡大を図り、使い勝手が良くなるようにする。
【解決手段】 物品1の収納部2の前側を、枠3にミラー4を取り付けてなる鏡扉5で塞ぎ、この鏡扉5の裏側にあたる収納部2内の前側位置に、物品1の落下を防止するためのバー6を設ける。そして本発明は、上記の枠3の横枠部3a、3bに、奥行きDがバー6までの長さの小物入れ部7を設ける。この場合本発明は、小物入れ部7を樋状に形成し、下側の横枠部3aに、その長手方向に沿って設けるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面室等に設置して使用するミラーキャビネットに関し、更に詳しくは収納部の前側が鏡扉で塞がれ、収納部内に物品の落下防止バーが設けられているミラーキャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種のキャビネットとしては、鏡扉の裏面に、小物を収納するためのポケットやタオル等を吊るすためのバーが設けられているものや、棚板が起伏動作自在に設けられているものがある(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
ところでこの種のキャビネットは、収納する化粧品等の物品の落下を防止するため、収納部の前側に、落下防止用のバーが設けられていることが多い。
而してこの種のバーは、収納部内の両側面に横に渡して取り付ける必要性から、収納部の前面ぎりぎりに設けることができず、前面より少し奥側の位置に設けられるのが通例である。
従って従来品の場合は、鏡扉を閉めたとき、鏡扉の裏面と、この種のバーまでの間が、デッドスペース化するのを避けられなかった。
また従来品は、通常、ヘアピン等の細長い収納物を鏡の近くに効率良く収納する機能を持っていなかった。
【特許文献1】実開平5−20635号公報
【特許文献2】特開2006−55405号公報
【特許文献3】特開2006−255130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来の実情に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、鏡扉の裏面と物品の落下防止バーとの間のデッドスペースを有効に活用し、このスペースにへアピンのような細長い小物の収納を可能にして収納機能の向上、収納スペースの拡大を図り、使い勝手が良くなるよう形成したミラーキャビネットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明は、図1等に示されるように、物品1の収納部2の前側が、枠3にミラー4が取り付けられてなる鏡扉5で塞がれ、この鏡扉5の裏側にあたる収納部2内の前側位置に、物品1の落下を防止するためのバー6が設けられているミラーキャビネットであって、上記の枠3の横枠部3a、3bに、奥行きDがバー6までの長さの小物入れ部7が設けられていることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
本発明の場合、小物入れ部7の深さ、長さ、形状等は任意である。また本発明の場合、小物入れ部7は、横枠部3a、3bの両方に設けられる必要はなく、何れか一方の側だけに設けられるので良い。
またここで、奥行きDがバー6までの長さとは、奥行きDの最大は鏡扉5の裏面からバー6までの距離であり、奥行きDはこの距離内に納まる長さである、ということを意味する。従って奥行きDは、本発明が鏡扉5の裏面とバー6との間のデッドスペースを有効に活用する趣旨からすれば、バー6の手前ぎりぎりの位置までに選定されるのが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
また本発明の場合、上記の小物入れ部7の形成の仕方は任意である。即ち、小物入れ部7は、横枠部3a、3bと一体状に成形されるのでも、或いは接着やネジ止め等の手段で後付けされるのでも良い。立水栓の化粧部材
【0007】
また本発明の場合は、小物入れ部7が樋状に形成され、下側の横枠部3aに、その長手方向に沿って設けられているのが好ましい(請求項2)。
なぜならこれによると、へアピンのような細長い小物13を、指先で取り出し易くなるからである。
【0008】
またこの場合本発明は、図3、図4等に示されるように、小物入れ部7が横枠部3aの上端に、横枠部3aと一体状に成形されているのが好ましい(請求項3)。
なぜならこれによると、例えば横枠部3aの途中の高さに形成する場合より、小物入れ部7の深さを横枠部3aの高さの範囲で柔軟に設定でき、より使い勝手の良い小物入れ部7を形成できるからである。またこの場合は、横枠部3aと一体状に成形されているため、後付加工より、小物入れ部7の形成に係る手間暇を軽減でき、強度を高くできるからである。
【0009】
また本発明は、図5〜図9に示されるように、小物入れ部7に代え、タオル9を掛けるための棒状部10aを有し、奥行きDがバー6までの長さのタオル掛け10が、上側の横枠部3bに設けられているのでも良い(請求項4)。
この場合も、上記のデッドスペースを有効に活用できるからである。奥行きDがバー6までの長さの意味は、上例と同様である。なおここで、タオル9には、手拭い等の、通常、洗面室等で使用するシート状製品も含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、このようにミラーの取付枠の横枠部に、奥行きが物品落下防止バーまでの長さの小物入れ部が設けられているものである。
従って本発明の場合は、鏡扉の裏面と物品の落下防止バーとの間のデッドスペースに、へアピンのような細長い小物の収納が可能になるから、これによると鏡扉の裏側のデッドスペースを有効に活用でき、収納機能の向上、収納スペースの拡大を図ることができ、使い勝手が良くなるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明は、図1等に示されるように、物品1の収納部2の前側が、枠3にミラー4が取り付けられてなる鏡扉5で塞がれ、この鏡扉5の裏側にあたる収納部2内の前側位置に、物品1の落下を防止するためのバー6が設けられているミラーキャビネットである。鏡扉5は、この実施形態では左右方向に計3個設けられ、三面鏡状に形成されている。
なお、鏡扉5の上方の半円筒状の部分は、照明器具を内蔵した照明カバーである。
【0012】
而して本発明は、上記の枠3の下側の横枠部3aに、奥行きDがバー6までの長さの小物入れ部7が、横枠部3aの長手方向に沿って設けられている。この小物入れ部7の奥行きDは、この実施形態ではデッドスペースを最大限活用できるよう、バー6の手前ぎりぎりの位置までの長さに選定されている。
また小物入れ部7は、この実施形態では樋状に形成され、押し出し法等の成形法で横枠部3aの上端に、横枠部3aと一体状に成形されている。
【0013】
なお、枠3は、この実施形態では図1Aに示されるように、上下一対状の横枠部3a、3bで形成されている。そしてミラー4は、横枠部3a、3bに溝状に形成されている差込部8に差し込まれて取り付けられている。
本発明は、このように形成されているから、ユーザーは、図1B、図2等に示されるように、ヘアピン等の小物13を、鏡扉5の裏側の小物入れ部7に収納して使用することができる。
【0014】
以上の処において、本発明は、例えば図5〜図9に示されるように形成されているのでも良い。上例と同一部材、同一箇所には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0015】
この本発明は、上例の小物入れ部7に代え、タオル9を掛けるための棒状部10aを有し、奥行きDがバー6までの長さのタオル掛け10が、上側の横枠部3bに設けられているものである。なお図5において、中央の鏡扉5の上方の半円筒状の部分は、照明器具を内蔵した照明カバーである。
【0016】
タオル掛け10は、この実施形態では棒状部10aの両端が湾曲されて上側の横枠部3bの裏面に接続されている。ミラー4は、上例と同様、横枠部3bの前側に溝状に形成されている差込部8に差し込まれて取り付けられている。
【0017】
またこの実施形態の場合、鏡扉5は、基枠11を介して収納部2の前側に設けられている。基枠11は、図9に示されるように、収納部2の前側の適宜位置に設けられているヒンジ12で収納部2に開閉可能に取り付けられている。また鏡扉5は、この基枠11にヒンジ(図示せず)で開閉可能に設けられている。従って鏡扉5は、基枠11と一体で開閉することも、基枠11とは別個に開閉することも可能であり、正面側から見て左右両側への開閉が可能となっている。
【0018】
なお上記のタオル掛け10の奥行きDは、この実施形態では図6Aに示されるように、上記の基枠11の厚みと同一に選定されている。この場合は、例えば運搬時、保管時等に扉を積層しても、タオル掛け10が突き出さないため、支障なく積層できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のキャビネットの好適な一実施形態を示し、Aは斜視図、BはAのB−B線断面図である。
【図2】同上キャビネットの要部斜視図である。
【図3】下側の横枠部と小物入れ部を示す要部断面図である。
【図4】下側の横枠部と小物入れ部を示す要部斜視図である。
【図5】同上キャビネットの他の実施形態を示す斜視図である。
【図6】Aは図5のA−A線における要部断面図、Bは図5のB−B線における要部断面図である。
【図7】上側の横枠部とタオル掛けを示す要部断面図である。
【図8】上側の横枠部とタオル掛けを示す要部斜視図である。
【図9】図5の実施形態に係る本発明品の要部斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1 物品
2 収納部
3 枠
3a 下側の横枠部
3b 上側の横枠部
4 ミラー
5 鏡扉
6 バー
7 小物入れ部
D 奥行き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の収納部の前側が、枠にミラーが取り付けられてなる鏡扉で塞がれ、この鏡扉の裏側にあたる収納部内の前側位置に、物品の落下を防止するためのバーが設けられているミラーキャビネットであって、上記の枠の横枠部に、奥行きがバーまでの長さの小物入れ部が設けられていることを特徴とするミラーキャビネット立水栓の化粧部材。
【請求項2】
請求項1記載のミラーキャビネットであって、小物入れ部が樋状に形成され、下側の横枠部に、その長手方向に沿って設けられていることを特徴とするミラーキャビネット。
【請求項3】
請求項2記載のミラーキャビネットであって、小物入れ部が横枠部の上端に、横枠部と一体状に成形されていることを特徴とするミラーキャビネット。
【請求項4】
請求項1記載のミラーキャビネットであって、小物入れ部に代え、タオルを掛けるための棒状部を有し、奥行きがバーまでの長さのタオル掛けが、上側の横枠部に設けられていることを特徴とするミラーキャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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