説明

メガネ、特にリムレスメガネ

【課題】 メガネ、特にリムレスメガネ1であって、その際、メガネのレンズ2が、外側縁部側の貫通孔3を、合成物質糸6用いてのメガネのつる4の固定のために有している様式の上記メガネの場合、合成物質糸を用いてのメガネ要素の固定の維持の際に、メガネのヒンジを全く必要としないべきである。
【解決手段】 上記の課題は、それぞれのメガネのつる4が、回転軸5を装備しており、および、それぞれのメガネのレンズ2が、外側縁部側の貫通孔の二重対体3a、3b、3a′、3b′を装備しており、その際、それぞれの回転軸5が、合成物質糸6および貫通孔3を用いて相応するメガネのレンズ2に固定されていることによって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念内において記載された様式のメガネ、特に(縁無しの)リムレスメガネに関する。
【背景技術】
【0002】
出願人の特許文献1から、上記様式のメガネが公知であり、このメガネの場合、それぞれのメガネのつる、およびノーズブリッジのそれぞれの端部において、直角曲げ部が、一方の内側に位置する貫通孔を通って差し込まれ、これに対して、他方の貫通孔が、これらメガネのつる、もしくはこのノーズブリッジを保持する、合成物質糸の収容および固定のために使用される。上記固定領域内において、これらメガネのつるが、独自の運動を実施可能でないので、メガネのレンズの外側縁部の近傍において、これらメガネのつるは、ヒンジ要素を備えている。
【0003】
メガネのつるの糸固定は、一連の利点を有している。従って、特に美的な利点を与えられる。何故ならば、このメガネのつるの固定部は、これらメガネのレンズにおいて、ほとんど目視可能でなく、実際上は、メガネのヒンジが、ある種のメガネの構成において、わずかに視覚的にある程度の障害物であるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第1 512 040 B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、本発明の課題は、合成物質糸を用いてのメガネ要素の固定の維持の際に、メガネのヒンジを全く必要としないことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
冒頭に記載した様式のメガネにおいて、この課題は、本発明に従い、
それぞれのメガネのつるが、回転軸を装備しており、および、
それぞれのメガネのレンズが、外側縁部側の貫通孔の二重対体を装備しており、
その際、それぞれの回転軸が、合成物質糸および貫通孔を用いて相応するメガネのレンズに固定されていることによって解決される。
【発明の効果】
【0007】
それぞれのメガネのつるが、このメガネのつるが回転軸を配設するように形成されているので、これら回転軸は、直接的に、メガネのレンズに沿って位置決めされ、且つ、合成物質糸によって固定され、その際、
この固定の様式によって、メガネのつるの回転可能性が維持された状態に留まっている。
【0008】
本発明の実施形態は、従属請求項から与えられる。その際、回転軸が、引き通された糸二重端部を有する糸のループによって囲繞されており、その際、これら二重端部が、一方の隣接する貫通孔を通って案内され、且つ、引き続いて、他方の隣接する貫通孔を通って戻し案内されていることは可能である。
【0009】
簡単な固定および保持は、本発明に従い、それぞれの糸の戻し案内された二重端部が、メガネのレンズに沿っての結び目を介して固定されていることにある。
【0010】
そのことが本発明で行われているように、それぞれの内側に位置する貫通孔が、互いに、ほぼ、メガネのつるの回転軸長さに相応する間隔を有している場合、合目的である。
【0011】
本発明の合目的な更なる実施形態において、それぞれのメガネのつるは、メガネのつる用線材から成っており、その際、
メガネのつるの回転軸が、このメガネのつる用線材の屈曲によって形成されている。
【0012】
更に、メガネのつるは、上記回転軸の形成の後、曲げ戻され、且つ、このメガネのつるの自由な端部がメガネのつる用線材において固定されていることは可能である。
従って、メガネのつる用線材は、回転軸をも含めて、専ら1つの線材だけから形成されており、このメガネのつる用線材が、適当な屈曲によって、この場合に必要な要素を形成し、その際、例えば、このメガネのつる用線材の自由な、曲げ戻された端部が、このメガネのつるの主領域において、例えばはんだ付けによって、固定され得る。
【0013】
選択的に、それぞれのメガネのつるが、合成物質及び/または金属から成る全表面的な要素から成っており、その際、
メガネのつるの回転軸が、逆コの字形の形状([ 形状)のウェブとして形成されており、このウェブの自由な端部が、上記全表面的な要素と結合されていることは可能である。
これらメガネのつるの回転軸は、その場合に、留め環形状にメガネのつるから外へ向かって突出しており、且つ、それぞれの糸の貫通案内を可能にする。
【0014】
次に、本発明を、図に基づいて、例示的に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】メガネの上面図である。
【図2】メガネの前面図である。
【図3】メガネの側面図である。
【図4】メガネのつるの、個別の固定ステップの図である。
【図5】拡大された断面図における、最終的に固定されたメガネのつるの図である。
【図6a】本発明に従う、メガネのつるのバリエーションの図である。
【図6b】本発明に従う、メガネのつるのバリエーションの図である。
【図6c】本発明に従う、メガネのつるのバリエーションの図である。
【図6d】本発明に従う、メガネのつるのバリエーションの図である。
【図6e】本発明に従う、メガネのつるのバリエーションの図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
全般的に、参照符号1でもって指示されたメガネは、縁無しレンズメガネとして形成されており、即ち、参照符号2でもって指示されたレンズが、如何なる独自の枠縁も有してなく、むしろ、それぞれのメガネのレンズが、
参照符号3でもって指示された貫通孔から成る二重対体を、メガネのつるの固定のために、および、
更に別の、内側に位置決めされた貫通孔を、ノーズブリッジの固定のために装備されており、その際、ここで、後者のこのノーズブリッジは、更には重要ではない。
【0017】
それぞれのメガネのつる4は、例えば、線材から一体的に形成されており、その際、それぞれのメガネのつる4が、先ず第一に、図3内において参照符号4aでもって指示された、上側の領域を有しており、この上側の領域が、基本的に、垂直方向に屈曲され、且つ、次いで、再び、戻し屈曲されている。
メガネのつるの回転軸4bを形成するこの領域は、図3内において参照符号4bでもって指示されており、その際、更に別の領域4cおよび4dを介して、この線材が、再び、最初の上側の領域4aへと戻し案内され、その結果としてこの上側の領域と、例えばはんだ付け、またはその種の他の方法によって結合される。
【0018】
より簡単な説明のために、メガネの線材4の軸領域4bは、基本的に、参照符号5でもって指示されており、その際、回転軸線が、自体、図6a内において、破線で書かれて示唆されている。
【0019】
メガネのつる4は、このメガネのつるの回転軸5を用いて、それぞれのメガネのレンズ2に固定されており、その際、個別の固定ステップが図4内において描写されている。
回転軸5の固定のために、それぞれのメガネのレンズは、狭小に隣接して、これら貫通孔が参照符号3a、もしくは3bでもって指示されている貫通孔の第1の対体と、および、参照符号3a′、もしくは3b′でもって指示されている貫通孔の第2の対体とを有しており、その際、両方の内側に位置する貫通孔3bと貫通孔3b′との間の間隔が、図1から5内において図示された実施例の場合に、ほぼ、回転軸5の長さに相応している。
【0020】
メガネのつる4の組み付けは、それぞれのメガネのレンズ2において、以下のように行われる。
【0021】
ループの形成のもとで、2つの合成物質糸、例えば、透明なペルロン糸(登録商標)6は、回転軸5と結合され、その際、自由な端部が、内側に位置する貫通孔3bと貫通孔3b′を通って案内される。更なるステップにおいて、それぞれのペルロン糸のこれら自由な端部は、貫通孔3aもしくは貫通孔3a′を通って戻し案内され、且つ、引き続いて、簡単な結び目によって、そのことが図4の下側の付図内において示されているように固定される。この結び目は、その際、参照符号7でもって指示されている。
【0022】
認識できるように、この組み付けによって、縁無しレンズメガネのこの記載された固定方法が他のシステムよりも明確に優れていることは達成され、その際、この固定方法が、比較的にコストが安く、且つ、これらレンズにおけるメガネのつるの固定のために、単に市販のナイロン糸を必要とするだけである。
【0023】
メガネのつるの固定の上記の様式は、同様に、メガネの、耳掛けつると中間部材との間の関節運動可能な結合を形成する。従来のヒンジシステムとは対照的に、上記結合は、視覚的に、ほとんど認知可能ではない。メガネのレンズの裏側のすぐ傍におけるヒンジ軸の位置によって、メガネのつるの領域の全体を超えて、最大の形状自由性が開ける。
この観点は、メガネのデザインのために特別な意義がある。何故ならば、通常は、縁無しメガネの場合に視覚的に特に重要な、レンズへの固定部と耳掛けつるの領域(Backe-Buegelbereich)が、このヒンジによって、多数のハンディキャップおよび制限を義務付けられているからである。
【0024】
上記メガネのつるの固定が、回転関節部を既に備えているので、通常は必要なヒンジ部材、または手間暇のかかる構造は、設けなくて良い。ナイロン糸のループは、この糸端部のぴんと張った結び合わせによって、常に恒久的な張力のもとにある。このことによって、永続的に精密なヒンジ動作が、信頼できる状態で保証される。
【0025】
図5および図6a内において示されているような、メガネのつるの構成の代わりに、線材フレームが、同様に異なって、図6bおよび6cが示しているように、メガネのつるの固定のための役目を果たす、単に回転軸要素5aおよび5bだけが形成されているように構成することは可能である。
【0026】
選択的に、図6dおよび6eに従い、同様に、それぞれのメガネのつる4が、合成物質及び/または金属から成る全表面的な要素から成ることも可能であり、その際、それぞれのメガネのつるの回転軸5が、逆コの字形の形状([ 形状)のウェブとして形成されており、このウェブが、適当に、メガネのつる4と結合されている。このウェブは、留め環形状に構成されており、且つ、糸6の貫通案内を可能にする。
【符号の説明】
【0027】
1 メガネ
2 レンズ、メガネのレンズ
3、3a、3b、3a′、3b′ 貫通孔
4 メガネのつる、メガネの線材
4a 上側の領域
4b 回転軸、メガネのつるの回転軸、軸領域
4c、4d 更に別の領域
5 回転軸、メガネのつるの回転軸
6 糸、合成物質糸、ペルロン糸(登録商標)
7 結び目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メガネ、特にリムレスメガネ(1)であって、
その際、メガネのレンズ(2)が、外側縁部側の貫通孔(3)を、
合成物質糸(6)用いてのメガネのつる(4)の固定のために有している様式の上記メガネにおいて、
それぞれのメガネのつる(4)が、回転軸(5)を装備しており、および、
それぞれのメガネのレンズ(2)が、外側縁部側の貫通孔の二重対体(3a、3b、および3a′、3b′)を装備しており、
その際、それぞれの回転軸(5)が、合成物質糸(6)および貫通孔(3)を用いて相応するメガネのレンズ(2)に固定されていることを特徴とするメガネ。
【請求項2】
回転軸(5)が、
引き通された糸二重端部を有する糸のループによって囲繞されており、その際、
これら二重端部が、一方の隣接する貫通孔(3b、もしくは3b′)を通って案内され、且つ、引き続いて、他方の隣接する貫通孔(3a、もしくは3a′)を通って戻し案内されていることを特徴とする請求項1に記載のメガネ。
【請求項3】
それぞれの糸(6)の戻し案内された二重端部は、メガネのレンズ(2)に沿っての結び目(7)を介して固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のメガネ。
【請求項4】
それぞれの内側に位置する貫通孔(3b、3b′)は、互いに、ほぼ、メガネのつる(4)の回転軸長さに相応する間隔を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のメガネ。
【請求項5】
それぞれのメガネのつる(4)は、メガネのつる用線材から成っており、その際、
メガネのつるの回転軸(5)が、このメガネのつる用線材の屈曲によって形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のメガネ。
【請求項6】
メガネのつる(4)は、上記回転軸(4b、もしくは5)の形成の後、曲げ戻され、且つ、このメガネのつるの自由な端部(4d)がメガネのつる用線材(4a)において固定されていることを特徴とする請求項5に記載のメガネ。
【請求項7】
それぞれのメガネのつる(4)は、合成物質及び/または金属から成る全表面的な要素から成っており、その際、
メガネのつるの回転軸(5)が、逆コの字形の形状のウェブとして形成されており、このウェブの自由な端部が、上記全表面的な要素と結合されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のメガネ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図6c】
image rotate

【図6d】
image rotate

【図6e】
image rotate


【公表番号】特表2013−506879(P2013−506879A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532468(P2012−532468)
【出願日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002629
【国際公開番号】WO2011/042069
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(504041871)ドクトル・オイゲン・ベック・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー (1)
【Fターム(参考)】