説明

メタルケースライニング

【課題】廃棄物の焼却炉等の焼却炉や金属溶解炉等の炉の内壁、あるいは煙道などの内壁に取り付けられ、溶融飛灰の付着、堆積を効果的に防止でき、また、溶融飛灰の付着、堆積が生じた場合でも、除去作業を容易に行なうことのできる、炉や、煙道などの内壁用ライニングを提供する。
【解決手段】炉や煙道の内壁に取り付けられるライニングであって、中空で金属製の四角柱状体と、前記四角柱状体内部の一方の側に配備されている断熱材層と、前記四角柱状体内部の他方の側に配備されているSiCを成分に含む耐火材層とからなり、前記四角柱状体の内部が前記断熱材層と耐火材層との二層構造によって充填されていることを特徴とするメタルケースライニング。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、廃棄物の焼却炉等の焼却炉や金属溶解炉等の炉の内壁、あるいは煙道などの内壁に取り付けられるライニングに関し、特に、炉あるいは煙道の内側に向かう面及び、炉あるいは煙道の外側に向かう面を除く4面が金属板で囲まれているメタルケースライニングに関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物の焼却炉等の焼却炉や金属溶解炉等の炉の内壁、あるいは煙道などの内壁には排ガス中に含まれる飛散灰や低融点のガス状物質(以下、本発明において、これらなどを総称して「溶融飛灰」ということがある)が付着、堆積する。これを放置すると煙道が閉鎖してしまう等の問題がある。
【0003】
例えば、図5に例示するように800℃〜900℃程度の高温になるキルン30を備えた溶解炉の場合、垂直方向の煙道31の内壁や、これから水平方向に分岐して左右のサイクロン33a、33bに通じる水平方向の煙道32の内壁、また水平方向の煙道32の天井面32aなどに溶融飛灰が付着する。例えば、アルミニュームを加熱溶解している金属溶解炉ではアルミニュームが大量に付着する。
【0004】
そこで、煙道31の上下左右方向に多数形成されている作業口兼覗き窓34a、34bを所定の期間ごとに開け、煙道31等の内壁に高圧水を吹き付けて溶融飛灰を除去する作業が行なわれている。この作業は非常に危険であり、また非常に効率の悪いものであった。
【0005】
一方、SiOとSiCとを成分に含む煙道の内張り耐火物によって、溶融飛灰が炉の内壁や煙道内壁に付着することを抑制する提案も行われている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−265258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、廃棄物の焼却炉等の焼却炉や金属溶解炉等の炉の内壁、あるいは煙道などの内壁に取り付けられ、溶融飛灰の付着、堆積を効果的に防止でき、また、溶融飛灰の付着、堆積が生じた場合でも、除去作業を容易に行なうことができる、炉や、煙道などの内壁用ライニングを提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、
炉や煙道の内壁に取り付けられるライニングであって、
中空で金属製の四角柱状体と、
前記四角柱状体内部の一方の側に配備されている断熱材層と、
前記四角柱状体内部の他方の側に配備されているSiCを成分に含む耐火材層と
からなり、
前記四角柱状体の内部が前記断熱材層と耐火材層との二層構造によって充填されている
ことを特徴とするメタルケースライニング
である。
【0009】
請求項2記載の発明は、
前記断熱材層及び前記耐火材層は、
水分を添加して混練した不定形断熱材を前記四角柱状体内に流し込んで成形した断熱材層及び、
水分を添加して混練したSiCを成分に含む不定形耐火材を前記四角柱状体内に流し込んで成形したSiCを成分に含む耐火材層
であることを特徴とする請求項1記載のメタルケースライニング
である。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、廃棄物の焼却炉等の焼却炉や金属溶解炉等の炉の内壁、あるいは煙道などの内壁に取り付けられ、溶融飛灰の付着、堆積を効果的に防止でき、また、溶融飛灰の付着、堆積が生じた場合でも、除去作業を容易に行なうことのできる、炉や、煙道などの内壁用ライニングを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)本発明のメタルケースライニングを構成する中空で金属製の四角柱状体の一例を表わす斜視図、(b)本発明のメタルケースライニングの一例の内部構造を説明する断面図。
【図2】本発明のメタルケースライニングが炉の内壁に取り付けられてライニングが形成された状態の一例を説明する側面図。
【図3】(a)本発明のメタルケースライニングを構成する中空で金属製の四角柱状体の他の例を表わす斜視図、(b)本発明のメタルケースライニングを構成する中空で金属製の四角柱状体の更に他の例を表わす斜視図。
【図4】図3(a)、(b)の異なる形状・大きさの四角柱状体を用いて調製した異なる形状・大きさの本発明のメタルケースライニングを複数個用い、炉の内壁の上下左右方向に隣接させて取り付けて、本発明による炉及び煙道の内壁用ライニングを形成した状態の一例を説明する正面図。
【図5】炉や煙道の内壁の一例を説明する概念図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0013】
本発明のメタルケースライニング1は、廃棄物の焼却炉等の焼却炉や金属溶解炉等の炉の内壁、あるいは煙道などの内壁に取り付けられ、溶融飛灰の付着・堆積防止に用いられる。
【0014】
メタルケースライニング1は中空で金属製の四角柱状体2と、当該四角柱状体2の内部に二層構造で充填されている耐火材層10と断熱材層11とからなる。
【0015】
断熱材層11は四角柱状体2の内部の一方の側に配備されている。また、耐火材層10はSiCを成分に含むものであって、四角柱状体2の内部の他方の側に配備されている。
【0016】
中空で金属製の四角柱状体2は、例えば、薄い鉄製(厚さ:0.5〜4.0mm)で、長さ(L):220〜240mm、高さ(H):120〜140mm、幅(W):120〜140mm程度の大きさを有する。
【0017】
本発明のメタルケースライニング1において、耐火材層10は、水分を添加して混練したSiCを成分に含む不定形耐火材を四角柱状体2内に流し込んで成形している。また、断熱材層11は、水分を添加して混練した不定形断熱材を四角柱状体2内に流し込んで成形している。
【0018】
耐火物を鉄板で囲んだメタルケースライニングは、不焼成煉瓦、結合煉瓦では従来から存在していた。しかし、本願発明のように、不定形断熱材や不定形耐火材を鉄板で囲んだものはあまり例が無かった。
【0019】
本発明によれば、中空で金属製の四角柱状体2が型材の役割を果たし、前述したように、水分を添加して混練した不定形断熱材および、水分を添加して混練したSiCを成分に含む不定形耐火材をそれぞれ四角柱状体2内に流し込み、成形することにより、四角柱状体2の内部を、断熱材層11と耐火材層10という二層構造で簡単に充填することができる。
【0020】
本発明のメタルケースライニング1は、炉や、煙道などの内壁に配置されているプレヒーター鉄板、等の鉄板20に、四角柱状体2の一方の端を点溶接して取り付けることができる。例えば、内部に断熱材層11が充填されている側の端部4a、6aを図2に符号22で示すように点溶接して取り付ける。
【0021】
これによって、炉や煙道の内壁を構築した際にメタルケースライニング1が脱落することを効果的に防止できる。
【0022】
このようにして、本発明のメタルケースライニング1を、図4に示すように、炉や煙道の内壁の上下左右方向に隣接させて複数個取り付け、炉や煙道の内壁用ライニングを形成することができる。
【0023】
この場合、図3(a)、(b)図示のように、異なる形状・大きさの四角柱状体12a、12bを用いて異なる形状・大きさのメタルケースライニングを調製し、これを種々に組み合わせ、図4図示のように、炉などの内壁の上下左右方向に隣接させて取り付け、本発明による炉及び煙道の内壁用ライニングを形成することができる。
【0024】
四角柱状体2を鉄製にした場合、炉の使用時に炉や煙道の内壁面温度が900℃程度にまで上昇すると、鉄製の上下の壁6、4、左右の壁3、5がそれぞれ隣接するメタルケースライニング1の下側の壁4、上側の壁6、右側の壁5、左側の壁3と溶着し、隣接する複数のメタルケースライニング1が一体化されて、図4図示のように炉や煙道の内壁全面に形成された本発明の内壁用ライニング全体としての強度を高めることができる。
【0025】
また、前述したように、内部に断熱材層11が充填されている側の端部4a、6aを炉や煙道などの内壁に配置されている鉄板20に点溶接により取り付けるので、断熱材層11と耐火材層10という二層構造における断熱材層11が炉の外側に配備される。そこで、焼却炉や金属溶解炉等の炉の熱効率を高めることができる。
【0026】
一方、炉や煙道の内側に向かう側にはSiCを成分に含む耐火材層10が配備されている。SiCは濡れにくく、溶融飛灰の付着、堆積を抑制することができる。
【0027】
前記のように、本発明のメタルケースライニング1では、炉の外側に向かう側に断熱材層11、炉の内側に向かう側に耐火材層10という二層構造が採用されているが、この二層構造は、中空で金属製の四角柱状体2の内部に充填されている。そして、四角柱状体2は、内部に断熱材層11が充填されている側の端部4a、6aを符号22で示すように点溶接することによって炉や煙道などの内壁に配置されている鉄板20に取り付けられている。
【0028】
そこで、例えば、図2図示のように、本発明のメタルケースライニング1が取り付けられている鉄板20の炉の外側に向かう側の面にバイブレーター21を配備し、振動を与えると、その振動を減衰させることなしに耐火材層10の内側面に伝えることができる。
【0029】
これにより、本発明のメタルケースライニング1における耐火材層10の内側面に溶融飛灰23が付着した場合であっても、バイブレーター21によって振動を付与することにより、簡単に付着物を除供することができる。
【0030】
なお、前述したように、廃棄物の焼却炉等の焼却炉や金属溶解炉等の炉などにおいては、煙道などの内壁に高圧水を吹き付けて溶融飛灰を除去することが行われている。本発明のメタルケースライニング1を用いて前述したように炉や煙道の内壁全面にライニングを形成した場合、従来と同じように高圧水を吹き付けて溶融飛灰の除去を行うことも可能である。
【0031】
この場合、炉の内側に向かう側の耐火材層10と、炉の外側に向かう側で炉の熱効率を高める役割を果たしている断熱材層11との境界に、高圧水を吹き付けて溶融飛灰の除去を行う際の衝撃で、亀裂が入るおそれがある。本発明のメタルケースライニング1では、水分を添加して混練したSiCを成分に含む不定形耐火材および、水分を添加して混練した不定形断熱材を中空で金属製の四角柱状体2の中に流し込んで耐火材層10と断熱材層11とを成形し、金属製の四角柱状体2の中に耐火材層10と断熱材層11との二層構造が充填される構造になっており、金属製の四角柱状体2で耐火材層10と断熱材層11とを囲んでいる。そこで、高圧水を吹き付けて溶融飛灰の除去を行う際の衝撃で耐火材層10と断熱材層11との境界に亀裂が入ることを抑制できる構造になっている。
【実施例1】
【0032】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を説明する。
【0033】
(四角柱状体の作製)
薄い鉄製(厚さ:1.6mm)を用いて、下側の壁4、右側の壁5、上側の壁6、左側の壁3を備えている中空の四角柱状体2を準備した(図1(a))。サイズは、長さ(L):230mm、高さ(H):130mm、幅(W):130mmとした。
【0034】
なお、水分を添加して混練した不定形断熱材や、水分を添加して混練したSiCを成分に含む不定形耐火物を内部に流し込んで成形する断熱材層11、耐火材層10が炉の内側に向けて抜け出すことがないように、耐火材層10が形成される側の内壁面に、ストッパー用の突起7a、7bを形成した。
【0035】
(断熱材層の形成)
四角柱状体2の開口9を下側にし、開口8が上側に向いた状態にする。
【0036】
不定形断熱材としてCA−13S(AGCセラミックス(株)製)を用い、これに添加水量14%(質量)で水分を添加し、ミキサーにて混練した(混練時間3分)。これを開口8から四角柱状体2の半分程度が埋まるまで四角柱状体2内に充填し、振動を加えながら成形した。
【0037】
(耐火材層の形成)
水分を添加して混練した不定形断熱材が上記のように一方の側の内部に流し込まれた状態の四角柱状体2を、引き続き開口8側を上に向かせて立たせておいた。
【0038】
50kgのDRYSIC−85(AGCセラミックス(株)製)に対し、主成分にSiCを50%以上含み、長さ20mm、繊維直径14μmのSiC系無機繊維500本からなる繊維束を有機系結合剤(エポキシ樹脂)を用いて束ねたSiC繊維チョップを、外掛けで1質量%配合した。
【0039】
ここで用いたDRYSIC−85(AGCセラミックス(株)製)は以下の組成を有するもので、少なくともSiCを含む不定形耐火調合物である。
【0040】
(DRYSIC−85の組成)
SiC:83%
SiO:6%
Al:9%
Fe:0.5%
その他:1.5%
【0041】
前記のSiC繊維チョップには、日本カーボン(株)製の商品名「ニカロン」を用いた。「ニカロン」は、成分:SiC:56質量%、C:32.0質量%、O:12.0質量%、長さ20mm、繊維直径14μmのSiC系無機繊維500本からなる繊維束を有機系結合剤(エポキシ樹脂)を用いて束ねたものである。
【0042】
これを添加水量5%(質量)でミキサーにて混練した(混練時間:4分)。
【0043】
こうして準備したSiC繊維分散不定形耐火組成物を、前記四角柱状体2の開口8から四角柱状体2内に充填し、振動を加えながら成形した。
【0044】
その後、700℃で4時間、乾燥炉で乾燥させた。
【0045】
こうして、四角柱状体2の内部の一方の側に断熱材層11、他方の側に耐火材層10という二層構造が充填されている本発明のメタルケースライニング1を準備した。
【0046】
なお、図1(b)図示の形態では、四角柱状体2の長手方向の長さLの半分程度の部分にまで断熱材層11を形成しているが、四角柱状体2内において断熱材層11を形成する領域の大きさは、本発明のメタルケースライニングが使用される焼却炉や金属溶解炉等の炉の熱効率を考慮して種々に定めることができる。例えば、四角柱状体2の長手方向の長さLの3/4の領域に断熱材層11が形成され、残りの1/4の領域に耐火材層10が形成されるようにすることもできる。
【0047】
前記で調製したSiC繊維分散不定形耐火組成物は、前述したDRYSIC−85(AGCセラミックス(株)製)のように、少なくともSiCを含む不定形耐火調合物に、主成分にSiCを50%以上含み、長さ10mm〜100mm、繊維直径5μm〜25μmのSiC系無機繊維複数本からなる繊維束を有機系結合剤(例えば、エポキシ樹脂)を用いて束ねたSiC繊維チョップを、当該不定形耐火調合物の0.1乃至3質量%混合し、水を加えて混練して準備することができる。
【0048】
これを乾燥、固化させて成形してなる耐火材層10は、主成分にSiCを50%以上含み、繊維直径5μm〜25μm、繊維長50μm〜2,000μm、アスペクト比5乃至200であるSiC系無機繊維からなるモノフィラメントが、水和反応によって構成された結合部(マトリックス)に分散されているものになっている。耐火材層10は、このようにSiC系無機繊維からなるモノフィラメントで分散強化された素材であるので、弾塑性破壊靱性が大幅に改良されており、耐熱衝撃性に優れた繊維強化複合不定形耐火物成形体である。
【0049】
ここで、前記のDRYSIC−85(AGCセラミックス(株)製)に例示される、少なくともSiCを含む不定形耐火調合物は、SiCの他に、この技術分野で公知の不定形耐火物を調合したものにすることができる。例えば、SiCの他に、SiO、Al、Fe、ムライト、マイクロシリカ、アルミナセメントなどが混合されているものとすることができる。
【0050】
なお、前記で不定形耐火調合物が少なくともSiCを含むものとしたのは、不定形耐火調合物とSiC繊維チョップとを混ぜ、水を加えて混練した際に、SiC系無機繊維が、不定形耐火調合物中のSiC粒子により破断され、繊維長が短くなり、1本ずつのモノフィラメントとなって、結合部(マトリックス)に分散することを考慮したものである。
【0051】
更に、耐火材層10の骨材部に少なくともSiCが含有されていることによって、SiCの優れた耐熱性を発揮させるという観点からである。また、濡れにくいSiCを使用することによって、溶融飛灰の付着、堆積を抑制するという観点からである。
【0052】
なお、不定形耐火調合物にSiCが含まれている割合は、耐火材層10における骨材部全体に対して、SiCが少なくとも15質量%を下回らないようにすることが好ましい。SiC繊維チョップとを混ぜ、水を加えて混練した際、繊維が所要の長さに破断されるために好適であるという理由からである。
【0053】
このようにして成形した耐火材層10は、優れた弾塑性破壊靱性と、耐熱衝撃性を発揮できる。
【0054】
また、濡れにくいSiCを含んでいることにより、溶融飛灰の付着、堆積を抑制することができる。
【0055】
(炉の内壁への取り付け)
図2図示のように、炉の内壁に配置されている鉄板20(プレヒーター鉄板)の内壁面に、メタルケースライニング1の断熱材層11が充填されている側の端部4a、6aを点溶接22により取り付けた。
【0056】
複数個のメタルケースライニング1を図2図示のように、上下に隣接させ、また、図4図示のように、上下左右に隣接させて取り付けた。これによって、炉の内壁全面に、各メタルケースライニング1の耐火材層10が炉の内側に向かっているライニングを形成した。
【0057】
図4は、図3(a)、(b)のように、大きさ、形状が異なる中空で鉄製の四角柱状体12a、12bを準備し、これを用いて上記のようにして調製した大きさ、形状が異なる本発明のメタルケースライニングを複数個用い、炉などの内壁の上下左右方向に隣接させて取り付け、本発明による炉及び煙の内壁用ライニングを形成した状態を説明する正面図である。
【0058】
大きさ、形状が異なる複数のメタルケースライニングを適宜に配置することにより、炉や煙道の内壁全面を覆うことができる。なお、図4中、符号14で示している部分はキャスタブル耐火物で被覆した部分である。
【0059】
なお、図3(a)図示の四角柱状体12aでは、右側の壁5、左側の壁3の内壁面にもストッパー用の突起13a、13bが形成されている。
【0060】
このようなストッパー用の突起は、中空の四角柱状体2、12a、12b内の耐火材層10が形成される部分だけでなく、断熱材層11が形成される部分にも設けることができる。
【0061】
前記のようにして図4図示の如くに構成した本発明のメタルケースライニング1を用いたライニングによれば、各メタルケースライニング1内に充填されているSiCを含んでいる耐火材層10が炉の内側に向かっているため、図2に符号23で示す溶融飛灰の付着、堆積が少なくてすんだ。
【0062】
また、鉄板20(プレヒーター鉄板)外側面に取り付けておいたバイブレータ21を作動させて各メタルケースライニング1に振動を与えることにより、メタルケースライニング1の炉内側の面に付着、堆積していた溶融飛灰23を安全、かつ簡単に除去することができた。
【0063】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態、実施例を説明したが、本発明はこれらに限られるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 メタルケースライニング
2 四角柱状体
4a、6a メタルケースライニングの端部
10 耐火材層
11 断熱材層
20 鉄板(炉の内壁に配置されているプレヒーター鉄板)
21 バイブレーター
22 点溶接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉や煙道の内壁に取り付けられるライニングであって、
中空で金属製の四角柱状体と、
前記四角柱状体内部の一方の側に配備されている断熱材層と、
前記四角柱状体内部の他方の側に配備されているSiCを成分に含む耐火材層と
からなり、
前記四角柱状体の内部が前記断熱材層と耐火材層との二層構造によって充填されている
ことを特徴とするメタルケースライニング。
【請求項2】
前記断熱材層及び前記耐火材層は、
水分を添加して混練した不定形断熱材を前記四角柱状体内に流し込んで成形した断熱材層及び、
水分を添加して混練したSiCを成分に含む不定形耐火物を前記四角柱状体内に流し込んで成形したSiCを成分に含む耐火材層
であることを特徴とする請求項1記載のメタルケースライニング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−38721(P2011−38721A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187197(P2009−187197)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(591140824)有明セラコ株式会社 (14)
【出願人】(391040711)AGCセラミックス株式会社 (23)
【Fターム(参考)】