説明

メタン発酵制御システム

【課題】バイオガス量又は濃度、アンモニア濃度、VFA濃度を同時に測定して、これらのデータからメタン発酵槽内の状態を判断して、メタン発酵槽に導入するバイオマス量を調整することでメタン発酵が適切に行われるよう制御できるメタン発酵制御システムを提供すること。
【解決手段】複数種のバイオマス導入配管1、2、3と、バイオマス原料を混合する混合部7と、混合されたバイオマス原料を導入してバイオガスを生成するメタン発酵システムにおいて、導入するバイオマスの全固形分を測定するTS測定手段と、バイオガスを測定するバイオガス測定手段と、発酵残渣中のアンモニア成分を測定するアンモニア濃度測定手段及び全揮発性脂肪酸を測定するVFA濃度測定手段とを有し、得られた測定データを制御部15に入力し、入力されたデータに応じて制御対象のバイオマス原料を特定し、該特定されたバイオマスの導入量を調節することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糞尿、生ごみや食品加工残渣などの有機性廃棄物を処理するメタン発酵制御システムに関し、詳しくはメタン発酵の状態を適正な状態に制御するメタン発酵制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
有機性廃棄物を微生物によって分解し、最終的にメタンガスを回収するメタン発酵はそれまで埋め立てや焼却によって処分されていた有機性廃棄物からエネルギーを回収することができ、非燃焼式なので処分のために化石燃料の消費量を削減できるといった利点があるため省エネルギーな処理法として研究開発が行われている。
【0003】
ところが、原料となるバイオマスは一般に廃棄物である故に含有される有機物量や固形分濃度が必ずしも一定ではなく、一方、メタン生成も微生物による生物的反応であるが故に発酵槽内に投入されるバイオマスの量や質といった有機物負荷によって効率が左右される。
【0004】
主に固形分(TS)濃度で表される、バイオマスの有機物負荷が高い場合、発酵槽の中で揮発性脂肪酸である酪酸やプロピオン酸が蓄積したり、アンモニアが増加することでメタン生成菌の活性が低くなり、メタンガスの生成が阻害される。結果としてメタン生成量が減りバイオガス中の二酸化炭素含有量が増加し、浮遊物質も増すということも知られている。
【0005】
こういった状態に陥るとメタン発酵が正常に戻るまで長い期間、原料の投入を停止するなどの措置を要するため、正常にメタン発酵が行われるよう制御することは重要な課題である。
【0006】
メタン発酵の制御方法として、特許文献1では発酵残渣(消化液)中の揮発性脂肪酸とアンモニアの濃度を測定し、濃度が高くなった場合に消化液の一部をメタン発酵槽から取り出して膜分離等で揮発性脂肪酸、アンモニアを除去した後メタン発酵槽へ返送し、全固形物濃度(有機物負荷)を調整することでメタン発酵を制御しようとしている。
【0007】
特許文献2ではメタン発酵槽から取り出したバイオガス中のメタン、二酸化炭素を測定してメタン発酵の状態をモニターし、メタン生成細菌の栄養塩の投入量を調節している。
【0008】
特許文献3では、メタン生成速度と揮発性浮遊物質から比メタン生成活性を求めてメタン生成の状態を判断し、水理学的滞留時間を調節することで有機物負荷を低くし、メタン発酵を制御しようとしている。
【特許文献1】特開2000−15231
【特許文献2】特開2006−247568
【特許文献3】特開平11−253149
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1では、消化液の一部を取り出して処理してもメタン発酵槽内のメタンの活性化を維持することは困難であり、特許文献2は、栄養塩の添加ではコスト上昇する割には格別効果が上昇しない。特許文献3は水理学的滞留時間を調節するだけではメタン活性化に寄与することにはならない。
【0010】
そこで、本発明の課題は、バイオガス量又は濃度、アンモニア濃度、及びプロピオン酸を含めプロピオン酸より高級なVFA濃度を同時に測定して、これらのデータから迅速にメタン発酵槽内の状態を判断して、メタン発酵槽に導入するバイオマス量を調整することでメタン発酵が適切に行われるよう制御できるメタン発酵制御システムを提供することにある。
【0011】
また本発明の他の課題は以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は以下の記載によって明らかになる。
【0013】
(請求項1)
TS含量を異にする複数種のバイオマス原料を導入する複数のバイオマス導入配管と、該複数のバイオマス導入配管の各々に有する調節バルブと、複数のバイオマス導入配管から導入されたバイオマス原料を混合する混合部と、該混合部で混合されたバイオマス原料を導入してメタン発酵によりバイオガスを生成するメタン発酵槽を有するメタン発酵システムにおいて、
前記メタン発酵槽へ導入するバイオマスの全固形分を測定するTS測定手段と、前記メタン発酵槽で得られたバイオガスを測定するバイオガス測定手段と、前記メタン発酵槽から排出される発酵残渣中のアンモニア成分を測定するアンモニア濃度測定手段及び揮発性脂肪酸を測定するプロピオン酸を含めプロピオン酸より高級なVFA濃度測定手段とを有し、
前記バイオガス測定手段、アンモニア濃度測定手段及びプロピオン酸を含めプロピオン酸より高級なVFA濃度測定手段で得られた測定データを制御部に入力し、該制御部は入力されたデータに応じて制御テーブルに基づき制御対象のバイオマス原料を特定し、該特定されたバイオマス導入管の調節バルブを調節して導入量を調節することを特徴とするメタン発酵制御システム。
【0014】
(請求項2)
前記制御部は、前記バイオガス測定手段、アンモニア濃度測定手段及びプロピオン酸を含めプロピオン酸より高級なVFA濃度測定手段で得られた測定データを入力し、各測定データが所定範囲にあるか否か判断し、所定範囲に入る場合は「良好」と判断し、所定範囲に入らない場合は「不良」と判断し、この判断結果に基づき、前記「良好」又は「不良」と診断結果のグレードの関係を示す制御テーブルIと対比して診断結果のグレードを決定し、該診断結果のグレードに基づき、診断結果のグレードと前記複数の調節バルブの操作の関係を示す制御テーブルIIと対比して制御対象のバイオマス原料を特定し、該特定されたバイオマス導入管の調節バルブを調節して導入量を調節することを特徴とする請求項1記載のメタン発酵制御システム。
【0015】
(請求項3)
前記バイオガス測定手段は、バイオガスのガス量又はメタンガス濃度を測定することを特徴とする請求項1又は2記載のメタン発酵制御システム。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、バイオガス量又は濃度、アンモニア濃度、及びプロピオン酸を含めプロピオン酸より高級なVFA濃度を同時に測定して、これらのデータから迅速にメタン発酵槽内の状態を判断して、メタン発酵槽に導入するバイオマス量を調整することでメタン発酵が適切に行われるよう制御できるメタン発酵制御システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1において、1、2、3はバイオマス導入管である。バイオマス導入管は受け入れるバイオマスの種類に応じて複数本設けることができ、本態様としては、図示のような3つの種類のバイオマス原料を導入するバイオマス導入管1、2、3を設けた例について説明する。
【0019】
本態様では、バイオマス導入管1は、例えば、導入されるバイオマスの種類は、炭化水素の多いバイオマス、窒素成分の多いバイオマス、TS量が多いバイオマス、あるいは炭化水素の多いバイオマス、窒素成分の多いバイオマス、TS量が少ないバイオマスのように、各種の組成の異なったバイオマスを各々導入できる。具体的には、生ごみ、下水処理汚泥、し尿汚泥を各々の導入管から導入する。
【0020】
3本のバイオマス導入管1、2、3は、それぞれ調節バルブ4、5、6を有しており、メタン発酵槽に導入する各バイオマスの量を調節することができる。
【0021】
7はバイオマスの混合部である。混合部7はバイオマス導入管1、2、3から導入された3種のバイオマスを均等に混合する。
【0022】
混合部7で混合されたバイオマスはメタン発酵槽9に送られるが、混合部7とメタン発酵槽9の間には、TS(全固形分)測定手段であるモニター8が設けられ、メタン発酵槽9に導入するバイオマスの全固形分を常時または間欠的に測定する。
【0023】
TSモニター8は内部に回転粘度計を備えており、混合されたバイオマスの粘度を測定する。回転粘度計は回転に必要な出力強度から粘度を算出するものであるが、さらに出力強度とTS濃度との関係をあらかじめ明らかにしておくことによってTS濃度を測定することができる。TSモニター8は、比重計、電解方式を採用することもできる。
【0024】
TS濃度としては、ウエットタイプ(高含水率)では5〜15wt%、一般的には10wt%程度、液状リアクターのUASBでは1〜5wt%、一般的には1〜2wt%程度、ドライタイプ(低含水率)では15〜40wt%、一般的には25〜40wt%程度である。最適なTS濃度はそれぞれのタイプのメタン発酵プロセス、リアクターによって決まっていて、本発明ではその濃度を維持するように調節することが一つの重要な要件となる。
【0025】
メタン発酵槽9で発生したバイオガスは、バイオガス排出管10から次の精製過程に送られる。11はバイオガスモニターである。バイオガスモニター11はバイオガス排出管10を通るバイオガス中の流量、ガス成分であるメタンまたは二酸化炭素、またはその両方の濃度を、常時または間欠的に測定する。
【0026】
バイオガス流量の測定方法としては、各種ガスフローメーター(乾式ないし湿式)、もしくはガスフローメーターが用いられ、メタン濃度の測定にはメタン濃度計、可燃ガス濃度計(半導体検出型、吸光度式、プロセスガスクロマトグラフ式など)が用いられる。二酸化炭素の測定方法としては光学式の二酸化炭素濃度計などが挙げられる。
【0027】
一般的なバイオガス中のメタン濃度は35〜85vol%、大半は45〜75vol%であり、二酸化炭素の濃度は15〜65vol%、大半は25〜55vol%である。
【0028】
12はメタン発酵槽9から消化液(発酵残渣)を外部に排出する排出管であり、排出管12には、アンモニア測定手段であるアンモニアモニター13が設けられ、また揮発性脂肪酸(VFA)測定手段であるVFAモニター14が設けられる。アンモニアモニター13、VFAモニター14によって、排出管12から排出された消化液(発酵残渣)中のアンモニア濃度と揮発性脂肪酸(VFA)を常時または間欠的に測定する。
【0029】
アンモニアモニター13におけるアンモニアの測定は、メタン発酵槽9から排出直後の消化液(発酵残渣)のpH値と、温度を外気温と同じ温度まで下げてさらに曝気した後のpH値を測定し、上昇したpH値からアンモニア濃度を測定する方法、気液接触させて放散したアンモニアをpH電極で測定し、検量線からアンモニア濃度を測定する方法がある。
【0030】
好ましいアンモニア性窒素濃度は、高温発酵(55℃)において3000ppm以下であり、より好ましくは2000ppm以下である。
【0031】
VFAモニター14は揮発性脂肪酸として、特にプロピオン酸を測定する。測定装置として、分散型の赤外線ガス分析計、プロセスガスクロマトグラフ、酢酸と分離した後のガスに対する自動滴定装置がある。液側でVFA濃度をモニタリングする場合は、液体クロマトグラフ、イオンクロマトグラフなどの装置が挙げられる。
【0032】
VFA濃度としては酢酸が大半の成分のときは、pHが所定範囲内にあれば濃度に制約は特にない。しかし、プロピオン酸の濃度に関しては5000ppm以下が好ましく、より好ましくは2500ppm以下である。
【0033】
15は制御部であり、TSモニター8、バイオガスモニター11、アンモニアモニター13、VFAモニター14の測定データが入力される。
【0034】
制御部15は入力されたデータに応じて制御テーブルに基づき制御対象のバイオマス原料を特定し、該特定されたバイオマス導入管の調節バルブを調節して導入量を調節する。
【0035】
以下に、本発明の好ましい制御部の態様を図2、3に基づいて説明する。
【0036】
制御部15は、入力(S1)された各測定データが所定範囲にあるか否か判断する(S2)。
【0037】
所定範囲に入る場合は「良好」と判断し、所定範囲に入らない場合は「不良」と判断し、この判断結果に基づき、前記「良好」又は「不良」と診断結果のグレードの関係を示す制御テーブルI(図3参照)と対比する(S3)。その対比によって診断結果のグレードを決定する(S4)。図示の例では、グレードはI、II、III、IVの4段階に決定される。
【0038】
診断結果のグレードに基づき、診断結果のグレードと前記複数の調節バルブの操作の関係を示す制御テーブルIIと対比する(S5)。
【0039】
次いで対比の結果、制御対象のバイオマス原料を特定し、該特定されたバイオマス導入管の調節バルブを調節して導入量を調節する(S6)。
【0040】
次に制御部15におけるTSモニター4の測定結果に基づく制御について図5に基づいて説明する。
【0041】
TSモニター4の測定データを入力し(S10)、TS値が所定範囲にあるか否か判断する(S11)。所定範囲にあれば終了する。
【0042】
所定範囲になければ、所定範囲の上限下限のいずれを超えているか判断する(S12)。上限を超えている場合は、TS含量の高いバイオマスの導入バルブの開度を減少する(S13)。反対に下限を超えている場合はTS含量の高いバイオマスの導入バルブの開度を増加する(S14)。
【0043】
このようにして調節バルブの開度調整により適正範囲のTS量が保たれるようにする。
【0044】
以下に、導入されるバイオマスの種類が導入管1からは炭化水素の多いバイオマス、導入管2からは窒素成分の多いバイオマス、導入管3からはTS量が少ないバイオマスである場合について制御について図4に基づいて説明する。
【0045】
第1に、メタン濃度が低下し、発酵残渣中のVFA濃度が上昇し、アンモニア濃度に大きな変化がない場合、診断結果は制御テーブルIから、診断結果のグレードは「II」と判断される。
【0046】
この結果から、制御テーブルIIに基づくと、調節バルブ4を20%絞り、炭化水素の多いバイオマスの導入量を減らす。
【0047】
VFA濃度が上昇したということは、発酵槽に導入されるバイオマス中の炭化水素が過多になり、利用しきれない状態で発酵残渣中に残留することで発酵を阻害しはじめたと考えられるからである。炭化水素の多いバイオマス導入量を減らすことでメタン発酵を維持することができる。
【0048】
第2に、メタン濃度が低下し、アンモニア濃度が上昇し、VFA濃度に大きな変化がない場合、診断結果は制御テーブルIから、診断結果のグレードは「III」と判断される。
【0049】
この結果から、制御テーブルIIに基づくと、調節バルブ5を20%絞り、窒素成分の多いバイオマスの導入量を減らす。
【0050】
アンモニア濃度が上昇したということは、発酵槽に導入されるバイオマス中のアンモニア性窒素が過多になり、アンモニア量が増加して発酵残渣中に存在していると考えられる。窒素成分の多いバイオマス導入量を減らすことでメタン発酵を維持することができる。
【0051】
このように、メタン発酵槽9から排出されるバイオガスと、発酵残渣の状態をモニターすることでメタン発酵槽内の状態を判断し、メタン発酵槽9に導入する前にバイオマスの質と量を調節することでメタン発酵が最適な状態に維持できる。
【0052】
この他に、図示しないが、メタン発酵槽9へ導入前の混合バイオマスにTSモニターのほかに、重金属のモニターを設置することもできる。コバルト、鉄イオンが数十ppm存在すると発酵を促進し、マンガン、クロム、水銀は発酵阻害を起こすほか、重金属のモニターは安全性を確保する上で重要である。重金属濃度は非常に微量であるので電着・溶出法(アノーデックストリッピング)で測定する。
【実施例】
【0053】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0054】
4t/日 完全混合型(CSRT)発酵槽に、表1のようなバイオマスの種類を受け入れ、各バイオマスの定格投入量比を1:1:1として運転を行い、定格(定常)運転時の各モニター適正範囲を以下のように定めた。
【0055】
TS濃度:8〜13%
バイオガス:800〜1000mバイオガス/t−バイオマス
アンモニア濃度:800〜1500ppm
プロピオン酸濃度:1500〜2500ppm
【0056】
【表1】

【0057】
実施例1
アンモニア濃度が2000ppmに達し、VFA濃度に大きな変化はなく、バイオガス量が800m/t以下になったので、生ごみ系バイオマスの割合を1から0.8に低下させた。
【0058】
バイオガス発生量が回復し、アンモニア濃度が1500ppm以下に戻り、メタン発酵が正常に行われるようになった。
【0059】
実施例2
プロピオン酸濃度が3000ppmを越え、バイオガス量が800m/t以下になったので、生ごみ系バイオマスの割合を1から0.7に低下させた。
【0060】
バイオガス発生量が回復し、VFAが2500ppm以下に落ち、メタン発酵が正常に行われるようになった。
【0061】
実施例3
TS濃度が13%を超えたので、生ごみ系バイオマスの割合を0.8程度に低下させた。
【0062】
TS濃度が13%を下回り、負荷量を調整することができた。
【0063】
このような制御により、バイオマスの発生量を800〜1000m/tに維持することができた。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のメタン発酵制御システムを実施する装置の一例を示す図
【図2】本発明のメタン発酵制御システムに採用できる処理フローを示す図
【図3】制御テーブルIを示す図
【図4】制御テーブルIIを示す図
【図5】処理フローを示す図
【符号の説明】
【0065】
1、2、3:バイオマス導入管
4、5、6:調節バルブ
7:混合部
8:TSモニター
9:メタン発酵槽
10:バイオガス排出管
11:バイオガスモニター
12:排出管
13:アンモニアモニター
14:VFAモニター
15:制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TS含量を異にする複数種のバイオマス原料を導入する複数のバイオマス導入配管と、該複数のバイオマス導入配管の各々に有する調節バルブと、複数のバイオマス導入配管から導入されたバイオマス原料を混合する混合部と、該混合部で混合されたバイオマス原料を導入してメタン発酵によりバイオガスを生成するメタン発酵槽を有するメタン発酵システムにおいて、
前記メタン発酵槽へ導入するバイオマスの全固形分を測定するTS測定手段と、前記メタン発酵槽で得られたバイオガスを測定するバイオガス測定手段と、前記メタン発酵槽から排出される発酵残渣中のアンモニア成分を測定するアンモニア濃度測定手段及び揮発性脂肪酸を測定するプロピオン酸を含めプロピオン酸より高級なVFA濃度測定手段とを有し、
前記バイオガス測定手段、アンモニア濃度測定手段及びVFA濃度測定手段で得られた測定データを制御部に入力し、該制御部は入力されたデータに応じて制御テーブルに基づき制御対象のバイオマス原料を特定し、該特定されたバイオマス導入管の調節バルブを調節して導入量を調節することを特徴とするメタン発酵制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記バイオガス測定手段、アンモニア濃度測定手段及びプロピオン酸を含めプロピオン酸より高級なVFA濃度測定手段で得られた測定データを入力し、各測定データが所定範囲にあるか否か判断し、所定範囲に入る場合は「良好」と判断し、所定範囲に入らない場合は「不良」と判断し、この判断結果に基づき、前記「良好」又は「不良」と診断結果のグレードの関係を示す制御テーブルIと対比して診断結果のグレードを決定し、該診断結果のグレードに基づき、診断結果のグレードと前記複数の調節バルブの操作の関係を示す制御テーブルIIと対比して制御対象のバイオマス原料を特定し、該特定されたバイオマス導入管の調節バルブを調節して導入量を調節することを特徴とする請求項1記載のメタン発酵制御システム。
【請求項3】
前記バイオガス測定手段は、バイオガスのガス量又はメタンガス濃度を測定することを特徴とする請求項1又は2記載のメタン発酵制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−253870(P2008−253870A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95724(P2007−95724)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】