説明

メダルゲーム機のメダルエントリー機構

【課題】プレイヤーが使用する外部メダルと、プレイフィールド内で使用される内部メダルとを、互いに分離してそれぞれ個別に循環使用、管理する場合においても、プレイヤーが違和感を覚えることなくプレイフィールド内への内部メダルの投入を行い得るメダルエントリー機構を提供することにある。
【解決手段】外部メダル投入部(11)と、当該外部メダル投入部に投入された外部メダル(M1)を外部メダルストッカー(15)へ導く外部メダル回収通路(12)と、投入された外部メダルを検出する外部メダル検出装置(13)と、内部メダルストッカー(27)から供給される内部メダル(M2)を導入する内部メダル供給通路(222)と、当該内部メダル供給通路を通じて導入された内部メダルをプレイフィールド(21)内へ放出する内部メダル放出部(223)と、を1つのケーシング(401)に組み付けて成ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルゲーム機のプレイフィールドにメダルを投入するためのメダルエントリー機構に関し、より具体的には、プレイフィールドが設けられたゲームターミナルと、プレイヤーが操作するゲームプレイ操作部とを備えたメダルゲーム機において、ゲームターミナル内で用いる内部メダルと、ゲームプレイ操作部でプレイヤーが用いる外部メダルとを分離して管理するようにしたメダルゲーム機において好適に利用し得るメダルエントリー機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メダルゲーム機においては、例えば下記特許文献1に記載のもののように、プレイヤーによってゲームフィールド内に投入されるメダルと、プレイヤーに対して払い出されるメダルとが、区別されることなく互いに混合されて循環使用されるようになっていた。
しかし、このタイプのゲーム機では、別のゲームセンター等で使用される規格外のメダルが投入されると、この規格外のメダルは大きさ等が異なるため、メダル搬送部等に詰まったりするなど、ゲーム機の故障原因になるという問題があった。
この問題を解決するため、下記特許文献2に記載のもののように、プレイヤーがゲームプレイのために用いる外部メダルと、プレイフィールド内で実際に使用される内部メダルとを、互いに分離して管理するようにしたメダル払出し型ゲーム機も提案されている。
しかしながら、そのようにプレイヤーが使用する外部メダルと、プレイフィールド内で実際に使用される内部メダルとを分離し、両者をそれぞれ個別に循環させて使用する場合、プレイヤーは、自分がメダルエントリー装置へ差し入れた外部メダルと、実際にプレイフィールド内へ投入される内部メダルとが異なるため、違和感を覚え、ゲームのリアリティーが損なわれるという問題があった。
【0003】
【特許文献1】特開2001−29643号公報
【特許文献2】特開2007−282896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、プレイヤーが使用する外部メダルと、プレイフィールド内で使用される内部メダルとを、互いに分離してそれぞれ個別に循環使用、管理する場合においても、プレイヤーが違和感を覚えることなくプレイフィールド内への内部メダルの投入を行い得るメダルエントリー機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的は、
プレイヤーが使用し且つプレイヤーに対して払い出される複数の外部メダルと、プレイフィールド内で用いられる複数の内部メダルとを互いに分離し、それぞれ個別に循環させて使用するよう構成したメダルゲーム機で用いるためのメダルエントリー機構において、
プレイヤーが外部メダルを投入する外部メダル投入部と、
当該外部メダル投入部に投入された外部メダルを外部メダルストッカーへ導く外部メダル回収通路と、
上記外部メダル投入部に投入された外部メダルを検出する外部メダル検出装置と、
プレイフィールド内で使用される内部メダルを収容する内部メダルストッカーから供給される内部メダルを導入する内部メダル供給通路と、
当該内部メダル供給通路を通じて導入された内部メダルをプレイフィールド内へ放出する内部メダル放出部と、
を1つのケーシングに組み付けて成ることを特徴とする上記のメダルエントリー機構によって達成できる。
【0006】
その場合、内部メダルストッカーから上記内部メダル供給通路への内部メダルの供給が、上記外部メダル検出装置からの出力信号に対応して発せられるメダル制御管理装置からの指令信号に基づいて行われるよう構成することが推奨される。
また、上記内部メダル放出部に、メダル放出検出装置を設けることも推奨される。
【発明の効果】
【0007】
上記の如き構成であると、プレイヤーが上記メダルエントリー機構の外部メダル投入部に外部メダルを投入すると、同じケーシングに設けた内部メダル放出部からプレイフィールド内へ内部メダルが投入されるので、プレイヤーは、あたかも自分が差し入れた外部メダルがプレイフィールド内に投入されたが如くに感じ、従来と同様の操作感覚で違和感なくゲームを行うことが可能となるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に示す実施例を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るメダルエントリー機構を用いるのに適したマルチメダルゲーム機の一例の全体構成を示す外観斜視図、
図2は、図1に示したマルチメダルゲーム機で使用されるメダルの流れを模式的に示す説明図、
図3は、本発明に係るメダルエントリー機構を備えたマルチメダルゲーム機におけるメダルの流通機構の一例を示す断面図、
図4は、本発明に係るメダルエントリー機構の一実施例の外観斜視図、
図5は、図4に示したメダルエントリー機構におけるメダルの流れを説明するための一部破断斜視図、
図6は、図4に示したメダルエントリー機構におけるメダルの流れを説明するための説明図である。
【0009】
まず、本発明に係るメダルエントリー機構を用いるのに適したメダルゲーム機、特に、複数のプレイヤーが同時にプレイできるように構成されたマルチメダルゲーム機であって、外部メダルと内部メダルを分離して管理するように構成されたゲーム機について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
図1に示したマルチメダルゲーム機1は、4人のプレイヤーが同時にプレイできるように、4つのブース1A〜1D(1Dは隠れて見えない)を有し、各ブースには、それぞれゲームプレイ操作部10とゲームターミナル20とが設けられている。
ゲームプレイ操作部10には、プレイヤーがゲームを行うために操作する押ボタンスイッチやメダルエントリー機構(図1では省略)等が設けられ、ゲームターミナル20の内部にはゲームフィールド等が設けられている。
プレイヤーがゲームを行う場合、ゲームプレイ操作部10に設けたメダルエントリー機構にメダルを投入すると、ゲームターミナル20内のゲームフィールドでメダルを用いたゲームが行われ、当該ゲームにおいてプレイヤーがメダルを獲得すると、ゲームプレイ操作部10に設けたメダル受皿にメダルが払い出されるようになっている。
【0010】
而して、このマルチメダルゲーム機1においては、メダルの管理を容易にするため、複数のゲームプレイ操作部において各プレイヤーが使用し、また、各プレイヤーに対して払い出されるメダルは、外部メダルとしてすべてのプレイヤーにより共用されるようにし、各ゲームターミナル内で使用される内部メダルとは完全に分離して管理されるようになっている。
即ち、図2に模式的に示すように、4つのブース1A〜1Dの各ゲームプレイ操作部10において各プレイヤーが投入したメダル(本願において「外部メダル」という。)は、図2中に太く黒い矢印で示すように、外部メダル集中ストッカー15にすべて集められると共に、各プレイヤーに払い出されるメダルも、図2中に白い矢印で示すように、上記外部メダル集中ストッカー15から払い出されるようになっている。
他方、4つのブース1A〜1Dの各ゲームターミナル20において使用されるメダル(本願において「内部メダル」という。)は、各ゲームターミナル内に2個の半円環状の矢印で示すように、前記外部メダルとは完全に分離され、また、他のゲームターミナルの内部メダルとも分離された状態で、各ゲームターミナル毎に個々独立にそれぞれの内部で循環使用されるようになっている。
以下、このようなマルチメダルゲーム機におけるメダルの流れについて、図3を参照しつつ具体的に説明する。
【0011】
図3は、図1に示すような4人型のマルチメダルゲーム機のうちの互いに隣接するブース1A及び1Bの断面図である。
各ブースの構成はいずれも同様であるので、ここでは、主にブース1Aについて説明する。なお、図3中において、ブース1B中の構成要素でブース1Aと同一の参照番号を付したものは、ブース1Aのものと同一の構成要素を示している。
図3中、1はマルチメダルゲーム機、1A,1Bはブース、10はゲームプレイ操作部、11は外部メダル投入部、12は外部メダル回収通路、13は外部メダル検出装置、14は外部メダル払出し機構、141は外部メダル払出し用個別ホッパ、142は外部メダル分配駆動部、143は外部メダル分配通路、144は外部メダル払出し駆動部、145は外部メダル払出し通路、146は払出しメダル受皿、15は外部メダル集中ストッカー、20はゲームターミナル、21はプレイフィールド、22は内部メダル供給機構、221は内部メダル供給駆動部、222は内部メダル供給通路、223は内部メダル放出部、23は内部メダル搬送機構(プッシャー台)、231は上部固定テーブル、232は往復テーブル、233は下部固定テーブル、234はプッシャー駆動部、24は内部メダル獲得部(メダル獲得孔)、25は内部メダル帰還通路、26は内部メダル獲得検出装置、27は内部メダル個別ストッカー、28は透明仕切板、30はメダル制御管理装置、40はメダルエントリー機構、M1は外部メダル、M2は内部メダルである。
【0012】
図3に示すように、ゲーム機1は、大別して、外部メダルM1の投入と払出しを行うためのゲームプレイ操作部10及び外部メダル集中ストッカー15と、内部メダルM2を循環させて使用しゲームを展開させるためのゲームターミナル20と、メダル制御管理装置30とを備えている。
各ブース1A、1Bのゲームターミナル20は、その内部に、実際にゲームが行われ、多数の内部メダルM2が配置され、移動せしめられるプレイフィールド21を有している。
透明仕切板28は、プレイフィールド21と外部とを仕切るための部材であり、プレイヤーがゲーム機1の外部からプレイフィールド21を視認できるように、透明なアクリル板等から形成される。
【0013】
ゲームプレイ操作部10は、外部メダル投入部11と、外部メダル回収通路12と、外部メダル検出装置13と、外部メダル払出し機構14とを備えている。
外部メダル投入部11は、プレイヤーがプレイをするために、外部メダルM1を投入するための投入口であり、ここに投入された外部メダルM1は、外部メダル回収通路12を通って、外部メダル集中ストッカー15へ導かれる。
外部メダル集中ストッカー15は、各ブース1A〜1Dで共用されるものであり、ゲーム機1に1箇所にだけ設けられ、各ブースの外部メダル投入部11に投入された外部メダルは、すべてこの外部メダル集中ストッカー15に集めて回収される。
外部メダル回収通路12は、外部メダル投入部11と外部メダル集中ストッカー15とを接続し、外部メダル投入部11に投入された外部メダルM1を、外部メダル集中ストッカー15に導くための管状の通路である。
【0014】
外部メダル検出装置13は、外部メダル投入部11に投入された外部メダルM1を検出するために、外部メダル回収通路12に設けられた検出部である。外部メダル検出装置13は、例えば、発光部と受光部とが対向するよう配置された光学センサであり、受光部への光が遮られることにより、外部メダルM1の投入を検出するようになっている。
なお、この外部メダル検出装置13は、外部メダル投入部11に投入された外部メダルM1を早期に検出できるように、外部メダル投入部11になるべく近い位置に設けることが推奨される。
【0015】
外部メダル集中ストッカー15は、各ブースの外部メダル回収通路12を通じて送られてくる外部メダルM1を受け入れ、ストックするための上部が開口した容器である。
外部メダル分配駆動部142は、外部メダル集中ストッカー15内に収容された外部メダルM1を、各ブースに設けられた外部メダル払出し用個別ホッパ141に送り出すための駆動部である。当該外部メダル分配駆動部142は、例えば、外部メダル集中ストッカー15の底部を開閉し、そこから所定数の外部メダルを取り出すためのローラやこれを駆動するためのDCモータ等を備えており、その送出し動作により、外部メダル集中ストッカー15内の外部メダルM1を、外部メダル分配通路143に送り出すようになっている。
外部メダル分配通路143は、外部メダル集中ストッカー15と外部メダル払出し用個別ホッパ141とを接続するための管状の通路である。
【0016】
外部メダル払出し用個別ホッパ141は、外部メダル集中ストッカー15から外部メダル分配通路143を通じて送られてくる外部メダルM1を受容し、ストックするための上部が開口した容器である。
外部メダル払い出し駆動部144は、外部メダル払出し用個別ホッパ141内に収容された外部メダルM1を、払出しメダル受皿146へ払い出すための駆動部である。外部メダル払い出し駆動部144は、例えば、外部メダル払出し用個別ホッパ141の底部を開閉するためのDCモータ等を備えており、この開閉動作により外部メダルM1が、外部メダル払出し通路145に送り出される。
外部メダル払出し通路145は、外部メダル払出し用個別ホッパ141と払出しメダル受皿146とを接続するための管状の通路である。
払出しメダル受皿146は、プレイヤーが外部メダルM1を取り出しやすいように、ゲームプレイ操作部10の前側側面に設けられている。
図3に示したメダルゲーム機では、払出しメダル受皿146をゲームプレイ操作部10の下半部に設けてあるが、プレイヤーがゲームをしながらメダルを取り出しやすいようにするために、払出しメダル受皿146をゲームプレイ操作部10の上半部に設けるようにすることも推奨される。
【0017】
次に、ゲームターミナル20について説明する。
内部メダルM2が循環、使用されるゲームターミナル20は、内部メダル供給駆動機構22と、内部メダル搬送機構23(この実施例の場合、プッシャー台)と、内部メダル獲得部24(この実施例の場合、メダル獲得孔)と、内部メダル帰還通路25と、内部メダル獲得検出装置26と、内部メダル個別ストッカー27とを備えている。
そのうち、内部メダル供給駆動機構22は、内部メダル供給駆動部221と、内部メダル供給通路222と、内部メダル放出部223とから構成される。
内部メダル供給駆動部221は、内部メダル個別ストッカー27内の内部メダルM2を、1枚ずつ内部メダル供給通路222を通じてプレイフィールド21に供給するための装置であり、内部メダル個別ストッカー27内の内部メダルM2を、内部メダル供給通路222に送り出すためのDCモータやローラー等を備えている。
内部メダル供給通路222は、内部メダル個別ストッカー27から鉛直に上方向に向けて配置され、上記内部メダル供給駆動ブース221によって送り出される内部メダルM2を、内部メダル放出部223まで持ち上げる管状の通路である。
内部メダル放出部223は、その先端へ向けて下側に傾斜するように設けられ、これにより、内部メダル供給通路222の最上部まで持ち上げられた内部メダルM2は、放出部223内を転がり、プレイフィールド21内に配置されたプッシャー台23に向けて放出されるようになっている。
【0018】
プッシャー台(内部メダル搬送機構)23は、プレイフィールド21内の内部メダルM2を、メダル獲得孔(内部メダル獲得部)24の側へ押し出して搬送するための装置である。プッシャー台23は、最上段に配置された上部固定テーブル231と、上部固定テーブル231の下側に配置され前後方向に往復移動する往復テーブル232と、最下段に配置された下部固定テーブル233と、往復テーブル232を駆動するDCモータ等を有するプッシャー駆動部234とを備えている。
往復テーブル232及び下部固定テーブル233上には、予め多数の内部メダルM2が供給されており、これらの内部メダルが前記内部メダル供給機構22により循環使用されるようになっている。
【0019】
即ち、前記内部メダル放出部223から放出された内部メダルM2が往復テーブル232又は下部固定テーブル233上に落下すると、往復テーブル232の往復移動により、前側に向けて徐々に押し出され、メダル獲得孔24へ落下する。
メダル獲得孔24は、プッシャー台23によって押し出された内部メダルM2を、内部メダル個別ストッカー27へと落下させるために、下部固定テーブル233よりも前側に設けられた開口孔である。メダル獲得孔24に達した内部メダルM2は、内部メダル帰還通路25を通って、内部メダル個別ストッカー27へと落下する。
内部メダル帰還通路25は、メダル獲得孔24と内部メダル個別ストッカー27とを接続し、メダル獲得孔24へと押し出された内部メダルM2を、内部メダル個別ストッカー27へ導くための管状の通路である。
【0020】
内部メダル獲得検出装置26は、内部メダル帰還通路25上に設けられ、プッシャー台23によってメダル獲得孔24内へ落とされた内部メダルM2を検出するためのものであり、その構成は、前記外部メダル検出装置13と同様である。
内部メダル個別ストッカー27は、メダル獲得孔24から落下した内部メダルM2を受容するための上部が開口した容器である。
【0021】
メダル制御管理装置30は、CPU(中央処理装置)や記憶装置等を備え、ゲームプレイ操作部10における外部メダルの循環と、ゲームターミナル20おける内部メダルの循環とを互いに連関させて管理、制御する制御装置である。
具体的には、各ゲームプレイ操作部10に設けた前記外部メダル検出装置13が外部メダルM1が投入されたことを検出すると、その出力に応じて、メダル制御管理装置30は、外部メダルM1が投入された当該ゲームプレイ操作部10に対応するゲームターミナル20の内部メダル供給機構22を駆動して内部メダルM2をそのゲームターミナルのプレイフィールド21に放出するよう作動する。
また、各ゲームターミナル20のプッシャー台23の作動により内部メダルM2がメダル獲得孔24中に落下し、その内部メダルが内部メダル獲得検出装置26により検出されると、その出力に応じて、メダル制御管理装置30は、当該ゲームターミナル20に対応するゲームプレイ操作部10の前記外部メダル払出し機構14を駆動して、前記外部メダル払出し用個別ホッパ141からその外部メダルM1をメダル受皿146に払い出すよう、その指令信号を発信する。
【0022】
而して、上記マルチメダルゲーム機において、ゲームプレイ操作部10に設けた本発明に係るメダルエントリー機構40の外部メダル投入部11に外部メダルM1が投入されると、内部メダル放出部223から内部メダルM2がプレイフィールド21内に供給されるようになっている。
また、プレイフィールド21内の内部メダルM2がプッシャー台(メダル搬送機構)23によってメダル獲得孔(内部メダル獲得部)24に落下した場合には、内部メダル獲得検出装置26によってこれが検出され、その検出信号に応動して、メダル制御管理装置30からの指令により外部メダル払出し機構14が作動して、メダル受皿146に外部メダルM1が払い出されるようになっている。
従って、上記ゲーム機1においては、外部メダルM1と内部メダルM2とは互いに分離して管理され、両者が混合されることはない。
即ち、外部メダルM1は、各プレイヤーにより各ブースのゲームプレイ操作部10に設けたメダルエントリー機構40の外部メダル投入部11に投入されるが、実際にはプレイフィールド21内に投入されることはなく、すべて外部メダル集中ストッカー15に回収され、各プレイヤーに払いだすメダルとして利用される。
他方、内部メダルM2は、ゲームターミナル20内でゲーム進行の媒体として循環して利用され、外部に払い出されることはない。
なお、メダル制御管理装置30は、プレイヤーにより投入された外部メダルの数(即ち、外部メダル検出装置13による外部メダルの検出数)と、払い出した外部メダルの数(即ち、内部メダル獲得検出装置26による内部メダルの検出数)とを集計、記録し、外部メダル集中ストッカー15内の外部メダル数や各ブースの外部メダル払出し用個別ホッパ141内の外部メダル数を把握した上で、払出しメダルに不足が生じないよう各外部メダル払出し用個別ホッパ141へのメダルの分配の制御、管理を行う。
【0023】
次に、図4〜図6を参照しつつ、上記の如きメダルゲーム機において好適に使用される本発明に係るメダルエントリー機構40の一実施例について説明する。
図4〜図6に示すメダルエントリー機構40は、図3に示したメダルエントリー機構40に相当するものであり、上記ゲームプレイ操作部10の外部メダル投入部11、外部メダル回収通路12及び外部メダル検出装置13と、上記ゲームターミナル20の内部メダル供給機構22と、を組み合わせて成るものである。
より具体的には、プレイヤーが外部メダルM1を差し入れる外部メダル投入部11と、投入された外部メダルM1を外部メダル集中ストッカー15(図4では省略)へ導く外部メダル回収通路12と、外部メダルM1が投入されたことを検出する外部メダル検出装置13と、内部メダルM2をプレイフィールド内へ放出するための内部メダル放出部223と、内部メダル個別ストッカー27内の内部メダルを上記放出部223まで導く内部メダル供給通路222と、内部メダル放出部223を通じて内部メダルが放出されたことを検出するメダル放出検出装置223a(図5参照)等々を備え、これらをケーシング401に一緒に組み付けて、外観的に機関銃等を模したメダルエントリー機構40が構成されるようにしたものである。即ち、図6中、一点鎖線で囲い、斜線を施した範囲40が、上記説明におけるメダルエントリー機構40を示す。
図4中に示す402はエラーメダル排出口である。
プレイヤーが上記の如き構成のメダルエントリー機構40の外部メダル投入部11に外部メダルM2を投入すると、そのことが外部メダル検出装置13によって検出され、その検出信号に基づき前記の如くメダル制御管理装置30が内部メダル供給機構22を作動させて、タイミングよく内部メダルM2を内部メダル放出部223からプレイフィールド21内へ放出させるものである。
メダル放出検出装置223aは、内部メダル放出部223を通じて内部メダルが放出されたことを検出するものであり、その出力データを内部メダル獲得検出装置26の出力データと共にメダル制御管理装置30に記録しておき、各ブースの内部メダル個別ストッカー27中のメダル数やプレイフィールド21内に存在するメダル数を管理するのに利用することができる。
【0024】
このようなメダルエントリー機構40であると、プレイヤーがメダルエントリー機構40の外部メダル投入部11に投入するメダルM1(外部メダル)と、内部メダル放出部223からプレイフィールド21内へ実際に放出されるメダルM2(内部メダル)とが全く別のメダルであっても、外部メダルM1の投入後にタイミングよく内部メダルM2を放出することにより、プレイヤーは自分が投入したメダルがプレイフィールド内へ実際に放出されたような感覚を得、従来のメダルエントリー機構と同様の操作感覚でメダルゲームを楽しむことができるものである。
従って、外部メダルM1と内部メダルM2を完全に分離して管理するメダルゲーム機においても、本発明に係るメダルエントリー機構40を用いることにより、プレイヤーに対して違和感を与えることがない。
【0025】
以上説明した構成を有するマルチメダルゲーム機1の動作について説明する。
最初にゲーム機1の電源がONとされることにより、メダル制御管理装置30は、一連の処理をスタートする。
プレイヤーによって外部メダル投入部11に外部メダルM1が投入されると、本発明に係るメダルエントリー機構40の外部メダル検出装置13は、この外部メダルM1を検出し、その検出信号をメダル制御管理装置30に出力する。この出力に基づいて、メダル制御管理装置30は、外部メダルM1が投入されたと判断し、内部メダル供給駆動部221を駆動する。
内部メダル供給駆動部221は、内部メダル個別ストッカー27内の内部メダルM2のうち1枚を、本発明に係るメダルエントリー機構40内部メダル供給通路222に送り出し、これに応じて、内部メダル供給通路222の最上部の内部メダルM2が押し上げられ、内部メダル放出部223を通じてプレイフィールド21内に放出される。
内部メダル放出部223から放出された内部メダルM2は、プッシャー台23の往復テーブル232又は下部固定テーブル233上に落下し、往復テーブル232及び下部固定テーブル233上の内部メダルM2は、前側に向けて徐々に押し出される。
【0026】
このように外部メダルM1の投入に応じて内部メダルM2がプレイフィールド21内に放出されるので、プレイヤーは、自分が投入した外部メダルM1がプレイフィールド21内に放出されるような感覚でプレイすることができる。
【0027】
プッシャー台23によって押し出された内部メダルM2が、メダル獲得孔24に落下すると、内部メダル獲得検出装置26は、この内部メダルM2を検出し、その検出信号をメダル制御管理装置30に出力する。
この出力に基づいて、メダル制御管理装置30は、内部メダルM2が落下したと判断する。なお、落下した内部メダルM2が複数枚の場合、メダル制御管理装置30は、内部メダル獲得検出装置26の出力から、この枚数を判定することができる。
内部メダルM2がメダル獲得孔24に落下したことを知らせる信号を受けたメダル制御管理装置30は、外部メダル払出し機構14の外部メダル払出し駆動部144を作動させ、外部メダル払出し用個別ホッパ141内の外部メダルM1を、外部メダル払出し通路145に送り出し、払出しメダル受皿146へと払い出す。
落下した内部メダルM2が複数枚の場合、メダル制御管理装置30は、この枚数と同じ枚数の外部メダルM1を払い出す。
【0028】
このように、内部メダルM2の獲得に応じて外部メダルM1が払い出されるので、プレイヤーは、自分がプレイフィールド21で獲得したメダルが払い出されるような感覚でプレイすることができる。
【0029】
なお、これまでの説明においては、ゲーム機1がメダルプッシャーゲーム機を構成するよう、上記各ゲームターミナル20に設けられる内部メダル搬送機構23がメダルプッシャー機構として構成された実施例を示したが、本発明に係るメダルエントリー機構はメダルプッシャーゲーム機以外の各種のメダルゲーム機で利用できるものである。
また、本発明に係るメダルエントリー機構は、上記の如きマルチメダルゲーム機に限らず、外部メダルと内部メダルを分離して管理するメダルゲーム機であれば単独プレイヤー用のメダルゲーム機にも利用可能であり、その場合、上記外部メダル集中ストッカー15は、単なる外部メダルストッカーとなり、内部メダル個別ストッカー27は、単なる内部メダルストッカーとなるものである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明においては、上記の如く、プレイヤーは、あたかも自分がメダルエントリー機構に差し入れた外部メダルがプレイフィールド内に投入されたが如くに感じることができるので、外部メダルと内部メダルを完全に分離して管理するメダルゲーム機においても、従来と同様の操作感覚でゲームを行うことができるものであるから、本発明は産業上多大の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係るメダルエントリー機構を用いるのに適したマルチメダルゲーム機の一例の全体構成を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示したマルチメダルゲーム機で使用されるメダルの流れを模式的に示す説明図である。
【図3】本発明に係るメダルエントリー機構を備えたマルチメダルゲーム機におけるメダルの流通機構の一例を示す断面図である。
【図4】本発明に係るメダルエントリー機構の一実施例の外観斜視図である。
【図5】図4に示したメダルエントリー機構におけるメダルの流れを説明するための一部破断斜視図である。
【図6】図4に示したメダルエントリー機構におけるメダルの流れを説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 マルチメダルゲーム機
1A〜1D ブース
10 ゲームプレイ操作部
11 外部メダル投入部
12 外部メダル回収通路
13 外部メダル検出装置
14 外部メダル払出し機構
141 外部メダル払出し用個別ホッパ
142 外部メダル分配駆動部
143 外部メダル分配通路
144 外部メダル払出し駆動部
145 外部メダル払出し通路
146 払出しメダル受皿
15 外部メダル集中ストッカー
20 ゲームターミナル
21 プレイフィールド
22 内部メダル供給機構
221 内部メダル供給駆動部
222 内部メダル供給通路
223 内部メダル放出部
223a メダル放出検出装置
23 内部メダル搬送機構(プッシャー台)
231 上部固定テーブル
232 往復テーブル
233 下部固定テーブル
234 プッシャー駆動部
24 内部メダル獲得部(メダル獲得孔)
25 内部メダル帰還通路
26 内部メダル獲得検出装置
27 内部メダル個別ストッカー
28 透明仕切板
30 メダル制御管理装置
40 メダルエントリー機構
401 ケーシング
402 エラーメダル排出口
M1 外部メダル
M2 内部メダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーが使用し且つプレイヤーに対して払い出される複数の外部メダル(M1)と、プレイフィールド(21)内で用いられる複数の内部メダル(M2)とを互いに分離し、それぞれ個別に循環させて使用するよう構成したメダルゲーム機で用いるためのメダルエントリー機構(40)において、
プレイヤーが外部メダル(M1)を投入する外部メダル投入部(11)と、
当該外部メダル投入部(11)に投入された外部メダル(M1)を外部メダルストッカー(15)へ導く外部メダル回収通路(12)と、
上記外部メダル投入部(11)に投入された外部メダル(M1)を検出する外部メダル検出装置(13)と、
プレイフィールド(21)内で使用される内部メダル(M2)を収容する内部メダルストッカー(27)から供給される内部メダルを導入する内部メダル供給通路(222)と、
当該内部メダル供給通路(222)を通じて導入された内部メダル(M2)をプレイフィールド(21)内へ放出する内部メダル放出部(223)と、
を1つのケーシング(401)に組み付けて成ることを特徴とする上記のメダルエントリー機構(40)。
【請求項2】
内部メダルストッカー(27)から上記内部メダル供給通路(222)への内部メダル(M2)の供給が、上記外部メダル検出装置(13)からの出力信号に対応して発せられるメダル制御管理装置(30)からの指令信号に基づいて行われるよう構成したことを特徴とする請求項1に記載のメダルエントリー機構(40)。
【請求項3】
上記内部メダル放出部(223)に、メダル放出検出装置(223a)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のメダルエントリー機構(40)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−68831(P2010−68831A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235960(P2008−235960)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)