メダルプッシャーゲーム機におけるボーナスストックシステム及びそのシステムを搭載したメダルプッシャーゲーム機
【課題】ゲームに幅をもたせ、娯楽性に富んだボーナスストックシステムを提供する。
【解決手段】メダルの入賞回数を記録するストック数カウンタ(6a)の記録数値が予め定めた上限値に達したとき、その後のオーバー入賞回数を累積記録すると共に、所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典が付与されたときは、当該オーバー入賞特典分に相当するオーバー入賞回数を減算することにより、現時点でストックされているオーバー入賞回数を記録するオーバーストック数カウンタ(6c)と、当該オーバーストック数カウンタ(6c)の記録数値を表示するオーバーストック数表示器(11,511)と、所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典を付与するオーバー入賞特典付与回路(6d)と、を備えたことを特徴とする。
【解決手段】メダルの入賞回数を記録するストック数カウンタ(6a)の記録数値が予め定めた上限値に達したとき、その後のオーバー入賞回数を累積記録すると共に、所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典が付与されたときは、当該オーバー入賞特典分に相当するオーバー入賞回数を減算することにより、現時点でストックされているオーバー入賞回数を記録するオーバーストック数カウンタ(6c)と、当該オーバーストック数カウンタ(6c)の記録数値を表示するオーバーストック数表示器(11,511)と、所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典を付与するオーバー入賞特典付与回路(6d)と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルプッシャーゲーム機におけるボーナスストックシステム及びそのシステムを搭載したメダルプッシャーゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
メダルプッシャーゲーム機のようなメダルゲーム機は、最近、その遊技性を高めるため、ゲームフィールド内の特定位置に入賞部を設けるとともに、投入されたメダル又は押し出されたメダルがこの入賞部に入って入賞した場合には、所定の条件下での賞選出動作を行い、この賞選出動作の結果、特定の賞が選出されると、別途用意されていた多量のメダルをゲームフィールド内に投入する等の懸賞を付与する構成が採用されている。
従来のメダルゲーム機においては、この入賞検出動作の保留回数(ストック数)は、所定回数のみクレジットとして保留可能であって、それ以降の入賞は無効とされていたため、プレイヤー側に不満が生じやすかった。
【0003】
この問題を解決すべく、下記の特許文献1においては、「賞検出動作の保留回数を所定数に限定するともに、保留回数が所定数に達している間にメダルが入賞した場合には、特定の賞が選出された時にゲームフィールド内に投入されるメダル数を増加して遊技者に払い戻されるメダル枚数の期待値を上げることによって、遊技者に対して次々とメダルを投入させることができるメダルゲーム装置」に関する発明が開示されている。即ち、通常の当りが例えば10枚の場合に、保留回数が上限に達している期間中にメダルが入賞した場合、既に入賞しているスロットでの当り枚数が20枚や30枚に増えるようになっている。
また、下記特許文献2においては、「抽選中の入賞に対する保留において、10以上の保留が発生した場合に、再抽選を行う上級保留を設けることで、メダルの投入枚数の多い遊技者に対して抽選の当選確率を大にできる。また、10以下の保留(通常保留)については再抽選を行わずに順次抽選を行うようにすることで、保留を速やかに処理することができ、内部処理の効率化を図ることができる。」ようにした発明が開示されている。
しかし、これら2つの発明は、保留が所定数に達した後、更にメダルが入賞した場合、特定の賞が格上げされたり、当る確率が高くなるように構成したものである。つまり、両方とも当る率や獲得枚数が格上げされるだけであり、当りが100%確定しているわけではない。
その為、プレイヤーに期待だけさせておいて、何の得も与えられないということがしばしば発生する。即ち、当たらなければ、何らプレイヤーの得にはならず、逆にメダルを投入した分だけ損をした気分を生じさせる結果になる。
【特許文献1】特開平10−179926号公報
【特許文献2】特開2006−223594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来公知のメダルゲーム機の上記の如き問題点を解決するためになされたものであり、入賞によるボーナス等の保留回数(ストック回数、クレジット回数)がその上限に達した場合であっても、更にプレイヤーにメダルを投入、入賞させるように促し、ゲームに幅をもたせることで、より一層の娯楽性を提供し得るようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、入賞によるボーナスの保留数(ストック数)が所定値に達した後、更にメダルが入賞した場合、その分を保留とは別のメーターに累積、記録し、これが或る一定の数に達した時に、様々な用途に使用できるようにすることで、ゲームに幅を持たせることができるようにしたものである。
即ち、本発明は、上記の目的を達成するために、
入賞したメダルを検出する入賞メダルセンサと、
当該入賞メダルセンサの出力に基づいて入賞回数を累積記録すると共に、所定の入賞回数に応じた入賞ボーナスが付与されたときは、当該入賞ボーナス分に相当する入賞回数を減算することにより、現時点でストックされている入賞回数を記録するストック数カウンタと、
当該ストック数カウンタの記録数値を表示するストック数表示器と、
所定の入賞回数に応じた入賞ボーナスを付与する入賞ボーナス付与回路と、
上記ストック数カウンタの記録数値が予め定めた上限値に達したときは、その後にオーバー入賞したメダルによる上記入賞メダルセンサの出力に基づいて、そのオーバー入賞回数を累積記録すると共に、所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典が付与されたときは、当該オーバー入賞特典分に相当するオーバー入賞回数を減算することにより、現時点でストックされているオーバー入賞回数を記録するオーバーストック数カウンタと、
当該オーバーストック数カウンタの記録数値を表示するオーバーストック数表示器と、
所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典を付与するオーバー入賞特典付与回路と、
を備えたことを特徴とするメダルプッシャーゲーム機におけるボーナスストックシステムを提供するものである。
また本発明は、上記の如き構成を有するボーナスストックシステムを備えたことを特徴とするメダルプッシャーゲーム機をも提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
上記の如き構成であると、ストック数カウンタにストックされる入賞回数がその上限値に達した場合には、その後の入賞はオーバー入賞回数としてオーバーストック数カウンタに累積記録され、その記録数に応じたオーバー入賞特典が付与されるので、プレイヤーはストック数カウンタが上限値に達した後も、オーバー入賞特典を狙って、メダルの投入と入賞にトライすることができ、ゲームの興趣が低下することなく、従来の如くプレイヤーが失望感を味わうこともない、娯楽性に富んだボーナスストックシステム、及び、これを備えたメダルプッシャーゲーム機を提供し得るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に示す実施例を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るボーナスストックシステムを備えた本発明に係るメダルプッシャーゲーム機のメダルプッシャーユニットフレームの一実施例の要部を示す正面斜視図、
図2は、本発明に係るメダルプッシャーゲーム機の回路構成の一実施例を示すブロック図、
図3は、本発明に係るボーナスストックシステムにおいて、ディスプレイ装置の画面上にその画面の一部としてストック数表示器及びオーバーストック数表示器を設けた例を示す説明図、
図4〜図12は、それぞれ、オーバー入賞特典として様々な形態のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【0008】
図1〜図3中、1はゲーム機の筐体に取り付けられるメダルプッシャーユニットフレーム、1Aはゲームフィールド構築部分、10はストック数表示器、11はオーバーストック数表示器、2はメダルプッシャー(図2参照)、3はメダルエントリー装置、4は入賞メダルセンサ、5はディスプレイ装置、6はゲーム演算制御装置、6aはストック数カウンタ、6bは入賞ボーナス付与回路、6cはオーバーストック数カウンタ、6dはオーバー入賞特典付与回路、61はCPU、62はプログラムメモリ(記憶装置)、63はワークRAM、64はROM、65はクロック回路、66は画像処理回路、67はサウンド回路、68はデータバス、69はI/Oポート、7はスピーカー、8はメダル供給装置、9は料金徴収装置である。
【0009】
本発明に係るメダルプッシャーゲーム機は、1人用のゲーム機の場合には、図1に示したようなメダルプッシャーユニットフレーム1を、図では省略したゲーム基台に1台取り付け、これにプッシャー機構その他必要な各種機構や電気部品、デコレーション部品等々を取り付けて構成される。
また、複数のプレイヤーが同時にプレイ可能なマルチゲーム機の場合には、図1に示したようなメダルプッシャーユニットフレーム1を、図では省略した大型のゲーム基台に複数台取り付け、それぞれにプッシャー機構その他必要な各種機構や電気部品、デコレーション部品等々を取り付けて構成される。
【0010】
メダルプッシャーユニットフレーム1のゲームフィールド構築部分1Aには、上記メダルプッシャー機構等が設けられたゲームフィールドが形成され、その手前側の前面とプレイヤーとの間は、透明アクリル板で遮蔽される。
ゲームフィールド上には多数のメダルが撒かれ、前後方向へ往復移動するメダルプッシャー2(図2)によってそれらのメダルが押し動かされ、その多くは手前のメダル落下口内へ落下して機械内部へ回収されるが、一部のメダルはメダル払出口に通じるシュート内へ落下し、機台内部のメダル案内通路を通じてメダル払出口に払い出されるようになっている。
ゲームフィールド上の多数のメダルは、プレイヤーがメダルエントリー装置3(図2参照)を用いて投入したもののほか、ゲームフィールド上に一定量以上のメダルが常時存在するように、機械内部に設けたメダル供給装置8(図2参照)から適時に自動的に補給されるようになっている。
更にまた、ゲームフィールド内の例えばメダルプッシャーの上部等にはチェッカー(図示せず)が設けられ、当該チェッカーに入ったメダルは入賞メダルセンサ4(図2)により検出され、その入賞メダル数(入賞回数)はストック数カウンタ6aに記録されると共に、そのストック数がストック数表示器10(図1及び図2参照)に表示されるようになっている。そしてこのストック数が所定値以上存在するときは、プレイヤーの要求により入賞ボーナス付与回路6bを作動させ、図示した実施例においては、ディスプレイ装置5上でボーナスゲームとしてのスロットゲームを行うことができるようになっている。
これらの構成は、従来公知のメダルプッシャーゲーム機と特に変わるところはないが、本発明においては、上記ストック数カウンタ6a、入賞ボーナス付与回路6b及びストック数表示器10に加えて、オーバーストック数カウンタ6c、オーバー入賞特典付与回路6d及びオーバーストック数表示器11を設けた点が、従来公知のメダルプッシャーゲーム機とは相違している。
【0011】
即ち、従来のメダルゲーム機においては、上記ストック数カウンタ6aに記録されるストック数が予め定めた上限値に達した後は、前記の如く、それ以降の入賞は無効とされたり、単にそれ以降の入賞確率を増大させたりするだけであった。
これに対して、本発明においては、上記ストック数カウンタ6aの記録数値が予め定めた上限値に達したときは、その後の入賞(「オーバー入賞」という。)の回数を、ストック数カウンタ6aとは別に設けたオーバーストック数カウンタ6cに累積記録するようになっている。即ち、前記入賞メダルセンサ4の出力に基づいて、そのオーバー入賞回数をオーバーストック数カウンタ6cに累積記録するようになっている。当該オーバーストック数カウンタ6cの記録数値は、前記ストック数表示器10とは別に設けたオーバーストック数表示器11に表示するようにする。
オーバー入賞回数が所定数(1回以上、任意に設定可能。)に達したときは、オーバー入賞特典付与回路6dによりオーバー入賞回数に応じてオーバー入賞特典が付与されるようになっており、オーバー入賞特典が付与されたときは、当該オーバー入賞特典分に相当するオーバー入賞回数をオーバーストック数カウンタ6cの記録値から減算することにより、オーバーストック数カウンタ6cには現時点でストックされているオーバー入賞回数がリアルタイムに記録されるようになっている。
【0012】
図1及び図2に示した実施例においては、ディスプレイ装置5とは別個に、ストック数表示器10とオーバーストック数表示器11とが設けられている。
ストック数表示器10には、10個のランプが順次点灯することにより上限値10回までの入賞回数が表示されるようになっているが、この上限値は任意に設定可能である。
また、オーバーストック数表示器11には、2桁の数字でオーバー入賞回数が表示されるようになっているが、その表示形態も任意に選択可能であり、ドットでの数字表示、7セグメントでの数字表示、液晶ディスプレイでの数字表示のほか、数字以外での表示も可能である。
更にまた、図3に示すように、ディスプレイ装置5の画面の一部を、ストック数表示器510とオーバーストック数表示器511として構成し、ここへそれぞれの表示を行うように構成してもよい。図3において、ストック数表示器510は、下側の4つのランプ状の表示が点灯しているように示され、ストック数が4であることを表している。また、オーバーストック数表示器511は、オーバーストック数が25であることを示している。
【0013】
オーバー入賞回数に応じて付与されるオーバー入賞特典としては、さまざまなタイプのものが可能であるので、その数例を図4〜図12を参照しつつ説明する。
その第1例のものにおいては、図4に示すように、メダル入賞が発生したときは、ストック数カウンタがその上限値に達していない場合にはストック数カウンタが加算されるが、ストック数カウンタが既にその上限値に達している場合には、オーバーストック数カウンタの方に、メダルが入賞するつど1づつ加算が行われるようにする。
これにより、オーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達したときには、自動的に又はプレイヤーの操作により前記オーバー入賞得点付与回路6dを作動させて、オーバー入賞特典として多量のボーナスメダルを払い出すように構成する。このボーナスメダルは、プレイヤーへのメダル払出し口に直接払い出してもよいし、或いはまた、ゲームフィールド内へ払い出し、その後のゲーム展開を有利にするようにしてもよい。
なお、図4中の記載において、「SC」とは「ストック数カウンタ」を指し、「OSC」とは「オーバーストック数カウンタ」を指すものとする(以下同様)。
【0014】
第2例としては、図5に示すように、前記と同様にオーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達したときに、自動的に又はプレイヤーの操作によりオーバー入賞得点付与回路を作動させて、オーバー入賞特典として通常のゲーム上では発生しない特別なボーナスゲームを発生させるように構成することができる。
【0015】
第3例としては、図6に示すように、オーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達している場合に、そのストック分を使用して、プレイヤーの選択操作により、オーバー入賞特典として当たり枚数を増加させるように構成することができる。
或いはまた、第4例として、図7に示すように、オーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達している場合に、そのストック分を使用して、プレイヤーの選択操作により、オーバー入賞特典としてハズレを当りにできるように構成することができる。
【0016】
第5例としては、図8に示すように、前記と同様にオーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達している状態において、通常のゲーム中にボーナスゲームに移行したときに、プレイヤーの操作により、オーバー入賞特典として、オーバーストック数カウンタのストック分を利用してポイントアップを実現できるように構成することができる。
また、ポイントアップに限らず、他のプレイヤーよりも有利な立場になれるようなものであれば任意の特典を採用できる。
【0017】
第6例としては、図9に示すように、全員参加型ゲームにおいて、オーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達している状態においては、プレイヤーの選択により、オーバー入賞特典として、オーバーストック数カウンタのストック分を参加料として使用することができる。
予め定められた参加料に足りなければ、参加できなかったり、第7例の図10に示すように、参加料が多ければ多いほど、有利になるように構成することも可能である。
【0018】
第8例としては、図11に示すように、オーバーストック数カウンタのカウント値はストック数が所定数に達した時にしか増えないが、ミニゲームやボーナスゲームが行われ、それらのゲームの成果として、オーバーストック数カウンタのカウント値が増えるようにしてもよい。
【0019】
第9例としては、図12に示すように、第8例と同様の内容において、オーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達した時、プレイヤーに判断をさせ、必ずしもそのストック値を使用する必要はなく、多く溜まっただけ、有利になるように使用できるようにしてもよい。例えば、ストック数が50の場合は、当り枚数は20枚だが、ストック数が100になると当り枚数は50枚になるように構成してもよい。
【0020】
次に、図2を参照しつつ、本発明に係るメダルプッシャーゲーム機の回路構成の一実施例について説明する。
図2中、図1及び図3中の参照番号と同一の番号のものは、図1及び図3で説明した構成要素と同一の構成要素を示している。これまでに説明した構成要素についての重複した説明は省略する。
ゲーム演算制御装置6は、メダルプッシャーゲーム機全体の作動の制御を行うプログラムを実行するものであり、本発明におけるストック数カウンタ6a、入賞ボーナス付与回路6b、オーバーストック数カウンタ6c、オーバー入賞特典付与回路6dも、このゲーム演算制御装置6により実現される機能の一部を構成する回路としてゲーム演算制御装置6に含まれる。
【0021】
ゲーム演算制御装置6中のCPU61は、ハードディスクドライブ等のプログラムメモリ62に記録されたゲームプログラムを実行し、当該プログラムに従って、ゲームを進行させるために必要な演算処理を行う。
ワークRAM63は、CPU61の作動に必要なデータの授受と一時的なデータの記録、保持を行なう。
ROM64には、前記ボーナスゲーム等のためディスプレイ装置5に表示する文字データ、画像データや音声データ等のほか、CPU61の作動をバックアップするために必要な比較的小サイズの各種データやプログラムが記録されている。文字データや画像データ等は、前記プログラムメモリ62がハードディスクドライブ等の大容量の記憶装置である場合には、そちらに記録するようにしてもよい。
クロック回路65は、装置全体の作動に必要なクロックパルスを発振すると共に、ゲーム開始からゲームオーバーまでの時間管理や、ゲーム進行上必要なその他の時間管理等を行う。
【0022】
プログラムメモリ62には、メインゲームとしてのメダルプッシャーゲーム用のプログラムのほか、ボーナスゲームとしてのスロットゲーム等のゲームプログラムがインストールされている。
CPU61は、上記メインゲーム及びボーナスゲーム用のゲームプログラムを、プログラムメモリ62及びワークRAM63の協働下において演算実行し、その演算結果を上記画像処理回路67を介してディスプレイ装置5にゲーム画像として表示しつつ、ゲームを進行させるように構成されている。
即ち、本発明においては、CPU61が上記ゲームプログラムをプログラムメモリ62及びワークRAM63の協働下において演算実行することにより、ストック数カウンタ6a、入賞ボーナス付与回路6b、オーバーストック数カウンタ6c、オーバー入賞特典付与回路6d等が構築され、これらにより本発明のボーナスストックシステムが構築されるようになっている。
ゲーム演算制御装置6は、I/Oポート69を通じて入力される各種構成要素からの出力信号に基づいて、ゲームプログラムを実行し、その演算結果に基づいて、前記ボーナスゲームのゲーム内容をディスプレイ装置5に表示したり、メダル供給装置8、メダルプッシャー2、等々の作動を制御するものである。
【0023】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、その目的の範囲内において、上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は上記の如く構成されるので、本発明によるときは、ストック数カウンタにストックされる入賞回数がその上限値に達した場合には、その後の入賞はオーバー入賞回数としてオーバーストック数カウンタに累積記録され、その記録数に応じたオーバー入賞特典が付与されるので、プレイヤーにとって有利なさまざまな用途に利用でき、そのため、プレイヤーはストック数カウンタが上限値に達した後も、オーバー入賞特典を狙って、メダルの投入と入賞にトライすることができ、ゲームの興趣が低下することなく、従来の如くプレイヤーが失望感を味わうこともない、娯楽性に富んだボーナスストックシステム、及び、これを備えたメダルプッシャーゲーム機を提供し得るものであり、従って、本発明は産業上多大の利用価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るボーナスストックシステムを備えた本発明に係るメダルプッシャーゲーム機のメダルプッシャーユニットフレームの一実施例の要部を示す正面斜視図である。
【図2】本発明に係るメダルプッシャーゲーム機の回路構成の一実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るボーナスストックシステムにおいて、ディスプレイ装置の画面上にその画面の一部としてストック数表示器及びオーバーストック数表示器を設けた例を示す説明図である。
【図4】オーバー入賞特典としての第1例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】オーバー入賞特典としての第2例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】オーバー入賞特典としての第3例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】オーバー入賞特典としての第4例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】オーバー入賞特典としての第5例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】オーバー入賞特典としての第6例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】オーバー入賞特典としての第7例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】オーバー入賞特典としての第8例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】オーバー入賞特典としての第9例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
1 メダルプッシャーユニットフレーム
1A ゲームフィールド構築部分
10 ストック数表示器
11 オーバーストック数表示器
2 メダルプッシャー
3 メダルエントリー装置
4 入賞メダルセンサ
5 ディスプレイ装置
6 ゲーム演算制御装置
6a ストック数カウンタ
6b 入賞ボーナス付与回路
6c オーバーストック数カウンタ
6d オーバー入賞特典付与回路
61 CPU
62 プログラムメモリ(記憶装置)
63 ワークRAM
64 ROM
65 クロック回路
66 画像処理回路
67 サウンド回路
68 データバス
69 I/Oポート
7 スピーカー
8 メダル供給装置
9 料金徴収装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルプッシャーゲーム機におけるボーナスストックシステム及びそのシステムを搭載したメダルプッシャーゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
メダルプッシャーゲーム機のようなメダルゲーム機は、最近、その遊技性を高めるため、ゲームフィールド内の特定位置に入賞部を設けるとともに、投入されたメダル又は押し出されたメダルがこの入賞部に入って入賞した場合には、所定の条件下での賞選出動作を行い、この賞選出動作の結果、特定の賞が選出されると、別途用意されていた多量のメダルをゲームフィールド内に投入する等の懸賞を付与する構成が採用されている。
従来のメダルゲーム機においては、この入賞検出動作の保留回数(ストック数)は、所定回数のみクレジットとして保留可能であって、それ以降の入賞は無効とされていたため、プレイヤー側に不満が生じやすかった。
【0003】
この問題を解決すべく、下記の特許文献1においては、「賞検出動作の保留回数を所定数に限定するともに、保留回数が所定数に達している間にメダルが入賞した場合には、特定の賞が選出された時にゲームフィールド内に投入されるメダル数を増加して遊技者に払い戻されるメダル枚数の期待値を上げることによって、遊技者に対して次々とメダルを投入させることができるメダルゲーム装置」に関する発明が開示されている。即ち、通常の当りが例えば10枚の場合に、保留回数が上限に達している期間中にメダルが入賞した場合、既に入賞しているスロットでの当り枚数が20枚や30枚に増えるようになっている。
また、下記特許文献2においては、「抽選中の入賞に対する保留において、10以上の保留が発生した場合に、再抽選を行う上級保留を設けることで、メダルの投入枚数の多い遊技者に対して抽選の当選確率を大にできる。また、10以下の保留(通常保留)については再抽選を行わずに順次抽選を行うようにすることで、保留を速やかに処理することができ、内部処理の効率化を図ることができる。」ようにした発明が開示されている。
しかし、これら2つの発明は、保留が所定数に達した後、更にメダルが入賞した場合、特定の賞が格上げされたり、当る確率が高くなるように構成したものである。つまり、両方とも当る率や獲得枚数が格上げされるだけであり、当りが100%確定しているわけではない。
その為、プレイヤーに期待だけさせておいて、何の得も与えられないということがしばしば発生する。即ち、当たらなければ、何らプレイヤーの得にはならず、逆にメダルを投入した分だけ損をした気分を生じさせる結果になる。
【特許文献1】特開平10−179926号公報
【特許文献2】特開2006−223594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来公知のメダルゲーム機の上記の如き問題点を解決するためになされたものであり、入賞によるボーナス等の保留回数(ストック回数、クレジット回数)がその上限に達した場合であっても、更にプレイヤーにメダルを投入、入賞させるように促し、ゲームに幅をもたせることで、より一層の娯楽性を提供し得るようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、入賞によるボーナスの保留数(ストック数)が所定値に達した後、更にメダルが入賞した場合、その分を保留とは別のメーターに累積、記録し、これが或る一定の数に達した時に、様々な用途に使用できるようにすることで、ゲームに幅を持たせることができるようにしたものである。
即ち、本発明は、上記の目的を達成するために、
入賞したメダルを検出する入賞メダルセンサと、
当該入賞メダルセンサの出力に基づいて入賞回数を累積記録すると共に、所定の入賞回数に応じた入賞ボーナスが付与されたときは、当該入賞ボーナス分に相当する入賞回数を減算することにより、現時点でストックされている入賞回数を記録するストック数カウンタと、
当該ストック数カウンタの記録数値を表示するストック数表示器と、
所定の入賞回数に応じた入賞ボーナスを付与する入賞ボーナス付与回路と、
上記ストック数カウンタの記録数値が予め定めた上限値に達したときは、その後にオーバー入賞したメダルによる上記入賞メダルセンサの出力に基づいて、そのオーバー入賞回数を累積記録すると共に、所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典が付与されたときは、当該オーバー入賞特典分に相当するオーバー入賞回数を減算することにより、現時点でストックされているオーバー入賞回数を記録するオーバーストック数カウンタと、
当該オーバーストック数カウンタの記録数値を表示するオーバーストック数表示器と、
所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典を付与するオーバー入賞特典付与回路と、
を備えたことを特徴とするメダルプッシャーゲーム機におけるボーナスストックシステムを提供するものである。
また本発明は、上記の如き構成を有するボーナスストックシステムを備えたことを特徴とするメダルプッシャーゲーム機をも提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
上記の如き構成であると、ストック数カウンタにストックされる入賞回数がその上限値に達した場合には、その後の入賞はオーバー入賞回数としてオーバーストック数カウンタに累積記録され、その記録数に応じたオーバー入賞特典が付与されるので、プレイヤーはストック数カウンタが上限値に達した後も、オーバー入賞特典を狙って、メダルの投入と入賞にトライすることができ、ゲームの興趣が低下することなく、従来の如くプレイヤーが失望感を味わうこともない、娯楽性に富んだボーナスストックシステム、及び、これを備えたメダルプッシャーゲーム機を提供し得るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に示す実施例を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るボーナスストックシステムを備えた本発明に係るメダルプッシャーゲーム機のメダルプッシャーユニットフレームの一実施例の要部を示す正面斜視図、
図2は、本発明に係るメダルプッシャーゲーム機の回路構成の一実施例を示すブロック図、
図3は、本発明に係るボーナスストックシステムにおいて、ディスプレイ装置の画面上にその画面の一部としてストック数表示器及びオーバーストック数表示器を設けた例を示す説明図、
図4〜図12は、それぞれ、オーバー入賞特典として様々な形態のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【0008】
図1〜図3中、1はゲーム機の筐体に取り付けられるメダルプッシャーユニットフレーム、1Aはゲームフィールド構築部分、10はストック数表示器、11はオーバーストック数表示器、2はメダルプッシャー(図2参照)、3はメダルエントリー装置、4は入賞メダルセンサ、5はディスプレイ装置、6はゲーム演算制御装置、6aはストック数カウンタ、6bは入賞ボーナス付与回路、6cはオーバーストック数カウンタ、6dはオーバー入賞特典付与回路、61はCPU、62はプログラムメモリ(記憶装置)、63はワークRAM、64はROM、65はクロック回路、66は画像処理回路、67はサウンド回路、68はデータバス、69はI/Oポート、7はスピーカー、8はメダル供給装置、9は料金徴収装置である。
【0009】
本発明に係るメダルプッシャーゲーム機は、1人用のゲーム機の場合には、図1に示したようなメダルプッシャーユニットフレーム1を、図では省略したゲーム基台に1台取り付け、これにプッシャー機構その他必要な各種機構や電気部品、デコレーション部品等々を取り付けて構成される。
また、複数のプレイヤーが同時にプレイ可能なマルチゲーム機の場合には、図1に示したようなメダルプッシャーユニットフレーム1を、図では省略した大型のゲーム基台に複数台取り付け、それぞれにプッシャー機構その他必要な各種機構や電気部品、デコレーション部品等々を取り付けて構成される。
【0010】
メダルプッシャーユニットフレーム1のゲームフィールド構築部分1Aには、上記メダルプッシャー機構等が設けられたゲームフィールドが形成され、その手前側の前面とプレイヤーとの間は、透明アクリル板で遮蔽される。
ゲームフィールド上には多数のメダルが撒かれ、前後方向へ往復移動するメダルプッシャー2(図2)によってそれらのメダルが押し動かされ、その多くは手前のメダル落下口内へ落下して機械内部へ回収されるが、一部のメダルはメダル払出口に通じるシュート内へ落下し、機台内部のメダル案内通路を通じてメダル払出口に払い出されるようになっている。
ゲームフィールド上の多数のメダルは、プレイヤーがメダルエントリー装置3(図2参照)を用いて投入したもののほか、ゲームフィールド上に一定量以上のメダルが常時存在するように、機械内部に設けたメダル供給装置8(図2参照)から適時に自動的に補給されるようになっている。
更にまた、ゲームフィールド内の例えばメダルプッシャーの上部等にはチェッカー(図示せず)が設けられ、当該チェッカーに入ったメダルは入賞メダルセンサ4(図2)により検出され、その入賞メダル数(入賞回数)はストック数カウンタ6aに記録されると共に、そのストック数がストック数表示器10(図1及び図2参照)に表示されるようになっている。そしてこのストック数が所定値以上存在するときは、プレイヤーの要求により入賞ボーナス付与回路6bを作動させ、図示した実施例においては、ディスプレイ装置5上でボーナスゲームとしてのスロットゲームを行うことができるようになっている。
これらの構成は、従来公知のメダルプッシャーゲーム機と特に変わるところはないが、本発明においては、上記ストック数カウンタ6a、入賞ボーナス付与回路6b及びストック数表示器10に加えて、オーバーストック数カウンタ6c、オーバー入賞特典付与回路6d及びオーバーストック数表示器11を設けた点が、従来公知のメダルプッシャーゲーム機とは相違している。
【0011】
即ち、従来のメダルゲーム機においては、上記ストック数カウンタ6aに記録されるストック数が予め定めた上限値に達した後は、前記の如く、それ以降の入賞は無効とされたり、単にそれ以降の入賞確率を増大させたりするだけであった。
これに対して、本発明においては、上記ストック数カウンタ6aの記録数値が予め定めた上限値に達したときは、その後の入賞(「オーバー入賞」という。)の回数を、ストック数カウンタ6aとは別に設けたオーバーストック数カウンタ6cに累積記録するようになっている。即ち、前記入賞メダルセンサ4の出力に基づいて、そのオーバー入賞回数をオーバーストック数カウンタ6cに累積記録するようになっている。当該オーバーストック数カウンタ6cの記録数値は、前記ストック数表示器10とは別に設けたオーバーストック数表示器11に表示するようにする。
オーバー入賞回数が所定数(1回以上、任意に設定可能。)に達したときは、オーバー入賞特典付与回路6dによりオーバー入賞回数に応じてオーバー入賞特典が付与されるようになっており、オーバー入賞特典が付与されたときは、当該オーバー入賞特典分に相当するオーバー入賞回数をオーバーストック数カウンタ6cの記録値から減算することにより、オーバーストック数カウンタ6cには現時点でストックされているオーバー入賞回数がリアルタイムに記録されるようになっている。
【0012】
図1及び図2に示した実施例においては、ディスプレイ装置5とは別個に、ストック数表示器10とオーバーストック数表示器11とが設けられている。
ストック数表示器10には、10個のランプが順次点灯することにより上限値10回までの入賞回数が表示されるようになっているが、この上限値は任意に設定可能である。
また、オーバーストック数表示器11には、2桁の数字でオーバー入賞回数が表示されるようになっているが、その表示形態も任意に選択可能であり、ドットでの数字表示、7セグメントでの数字表示、液晶ディスプレイでの数字表示のほか、数字以外での表示も可能である。
更にまた、図3に示すように、ディスプレイ装置5の画面の一部を、ストック数表示器510とオーバーストック数表示器511として構成し、ここへそれぞれの表示を行うように構成してもよい。図3において、ストック数表示器510は、下側の4つのランプ状の表示が点灯しているように示され、ストック数が4であることを表している。また、オーバーストック数表示器511は、オーバーストック数が25であることを示している。
【0013】
オーバー入賞回数に応じて付与されるオーバー入賞特典としては、さまざまなタイプのものが可能であるので、その数例を図4〜図12を参照しつつ説明する。
その第1例のものにおいては、図4に示すように、メダル入賞が発生したときは、ストック数カウンタがその上限値に達していない場合にはストック数カウンタが加算されるが、ストック数カウンタが既にその上限値に達している場合には、オーバーストック数カウンタの方に、メダルが入賞するつど1づつ加算が行われるようにする。
これにより、オーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達したときには、自動的に又はプレイヤーの操作により前記オーバー入賞得点付与回路6dを作動させて、オーバー入賞特典として多量のボーナスメダルを払い出すように構成する。このボーナスメダルは、プレイヤーへのメダル払出し口に直接払い出してもよいし、或いはまた、ゲームフィールド内へ払い出し、その後のゲーム展開を有利にするようにしてもよい。
なお、図4中の記載において、「SC」とは「ストック数カウンタ」を指し、「OSC」とは「オーバーストック数カウンタ」を指すものとする(以下同様)。
【0014】
第2例としては、図5に示すように、前記と同様にオーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達したときに、自動的に又はプレイヤーの操作によりオーバー入賞得点付与回路を作動させて、オーバー入賞特典として通常のゲーム上では発生しない特別なボーナスゲームを発生させるように構成することができる。
【0015】
第3例としては、図6に示すように、オーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達している場合に、そのストック分を使用して、プレイヤーの選択操作により、オーバー入賞特典として当たり枚数を増加させるように構成することができる。
或いはまた、第4例として、図7に示すように、オーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達している場合に、そのストック分を使用して、プレイヤーの選択操作により、オーバー入賞特典としてハズレを当りにできるように構成することができる。
【0016】
第5例としては、図8に示すように、前記と同様にオーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達している状態において、通常のゲーム中にボーナスゲームに移行したときに、プレイヤーの操作により、オーバー入賞特典として、オーバーストック数カウンタのストック分を利用してポイントアップを実現できるように構成することができる。
また、ポイントアップに限らず、他のプレイヤーよりも有利な立場になれるようなものであれば任意の特典を採用できる。
【0017】
第6例としては、図9に示すように、全員参加型ゲームにおいて、オーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達している状態においては、プレイヤーの選択により、オーバー入賞特典として、オーバーストック数カウンタのストック分を参加料として使用することができる。
予め定められた参加料に足りなければ、参加できなかったり、第7例の図10に示すように、参加料が多ければ多いほど、有利になるように構成することも可能である。
【0018】
第8例としては、図11に示すように、オーバーストック数カウンタのカウント値はストック数が所定数に達した時にしか増えないが、ミニゲームやボーナスゲームが行われ、それらのゲームの成果として、オーバーストック数カウンタのカウント値が増えるようにしてもよい。
【0019】
第9例としては、図12に示すように、第8例と同様の内容において、オーバーストック数カウンタのストック数が所定数に達した時、プレイヤーに判断をさせ、必ずしもそのストック値を使用する必要はなく、多く溜まっただけ、有利になるように使用できるようにしてもよい。例えば、ストック数が50の場合は、当り枚数は20枚だが、ストック数が100になると当り枚数は50枚になるように構成してもよい。
【0020】
次に、図2を参照しつつ、本発明に係るメダルプッシャーゲーム機の回路構成の一実施例について説明する。
図2中、図1及び図3中の参照番号と同一の番号のものは、図1及び図3で説明した構成要素と同一の構成要素を示している。これまでに説明した構成要素についての重複した説明は省略する。
ゲーム演算制御装置6は、メダルプッシャーゲーム機全体の作動の制御を行うプログラムを実行するものであり、本発明におけるストック数カウンタ6a、入賞ボーナス付与回路6b、オーバーストック数カウンタ6c、オーバー入賞特典付与回路6dも、このゲーム演算制御装置6により実現される機能の一部を構成する回路としてゲーム演算制御装置6に含まれる。
【0021】
ゲーム演算制御装置6中のCPU61は、ハードディスクドライブ等のプログラムメモリ62に記録されたゲームプログラムを実行し、当該プログラムに従って、ゲームを進行させるために必要な演算処理を行う。
ワークRAM63は、CPU61の作動に必要なデータの授受と一時的なデータの記録、保持を行なう。
ROM64には、前記ボーナスゲーム等のためディスプレイ装置5に表示する文字データ、画像データや音声データ等のほか、CPU61の作動をバックアップするために必要な比較的小サイズの各種データやプログラムが記録されている。文字データや画像データ等は、前記プログラムメモリ62がハードディスクドライブ等の大容量の記憶装置である場合には、そちらに記録するようにしてもよい。
クロック回路65は、装置全体の作動に必要なクロックパルスを発振すると共に、ゲーム開始からゲームオーバーまでの時間管理や、ゲーム進行上必要なその他の時間管理等を行う。
【0022】
プログラムメモリ62には、メインゲームとしてのメダルプッシャーゲーム用のプログラムのほか、ボーナスゲームとしてのスロットゲーム等のゲームプログラムがインストールされている。
CPU61は、上記メインゲーム及びボーナスゲーム用のゲームプログラムを、プログラムメモリ62及びワークRAM63の協働下において演算実行し、その演算結果を上記画像処理回路67を介してディスプレイ装置5にゲーム画像として表示しつつ、ゲームを進行させるように構成されている。
即ち、本発明においては、CPU61が上記ゲームプログラムをプログラムメモリ62及びワークRAM63の協働下において演算実行することにより、ストック数カウンタ6a、入賞ボーナス付与回路6b、オーバーストック数カウンタ6c、オーバー入賞特典付与回路6d等が構築され、これらにより本発明のボーナスストックシステムが構築されるようになっている。
ゲーム演算制御装置6は、I/Oポート69を通じて入力される各種構成要素からの出力信号に基づいて、ゲームプログラムを実行し、その演算結果に基づいて、前記ボーナスゲームのゲーム内容をディスプレイ装置5に表示したり、メダル供給装置8、メダルプッシャー2、等々の作動を制御するものである。
【0023】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、その目的の範囲内において、上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は上記の如く構成されるので、本発明によるときは、ストック数カウンタにストックされる入賞回数がその上限値に達した場合には、その後の入賞はオーバー入賞回数としてオーバーストック数カウンタに累積記録され、その記録数に応じたオーバー入賞特典が付与されるので、プレイヤーにとって有利なさまざまな用途に利用でき、そのため、プレイヤーはストック数カウンタが上限値に達した後も、オーバー入賞特典を狙って、メダルの投入と入賞にトライすることができ、ゲームの興趣が低下することなく、従来の如くプレイヤーが失望感を味わうこともない、娯楽性に富んだボーナスストックシステム、及び、これを備えたメダルプッシャーゲーム機を提供し得るものであり、従って、本発明は産業上多大の利用価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るボーナスストックシステムを備えた本発明に係るメダルプッシャーゲーム機のメダルプッシャーユニットフレームの一実施例の要部を示す正面斜視図である。
【図2】本発明に係るメダルプッシャーゲーム機の回路構成の一実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るボーナスストックシステムにおいて、ディスプレイ装置の画面上にその画面の一部としてストック数表示器及びオーバーストック数表示器を設けた例を示す説明図である。
【図4】オーバー入賞特典としての第1例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】オーバー入賞特典としての第2例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】オーバー入賞特典としての第3例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】オーバー入賞特典としての第4例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】オーバー入賞特典としての第5例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】オーバー入賞特典としての第6例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】オーバー入賞特典としての第7例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】オーバー入賞特典としての第8例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】オーバー入賞特典としての第9例のものを採用した場合におけるゲーム機の動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
1 メダルプッシャーユニットフレーム
1A ゲームフィールド構築部分
10 ストック数表示器
11 オーバーストック数表示器
2 メダルプッシャー
3 メダルエントリー装置
4 入賞メダルセンサ
5 ディスプレイ装置
6 ゲーム演算制御装置
6a ストック数カウンタ
6b 入賞ボーナス付与回路
6c オーバーストック数カウンタ
6d オーバー入賞特典付与回路
61 CPU
62 プログラムメモリ(記憶装置)
63 ワークRAM
64 ROM
65 クロック回路
66 画像処理回路
67 サウンド回路
68 データバス
69 I/Oポート
7 スピーカー
8 メダル供給装置
9 料金徴収装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入賞したメダルを検出する入賞メダルセンサ(4)と、
当該入賞メダルセンサ(4)の出力に基づいて入賞回数を累積記録すると共に、所定の入賞回数に応じた入賞ボーナスが付与されたときは、当該入賞ボーナス分に相当する入賞回数を減算することにより、現時点でストックされている入賞回数を記録するストック数カウンタ(6a)と、
当該ストック数カウンタ(6a)の記録数値を表示するストック数表示器(10,510)と、
所定の入賞回数に応じた入賞ボーナスを付与する入賞ボーナス付与回路(6b)と、
上記ストック数カウンタ(6a)の記録数値が予め定めた上限値に達したときは、その後にオーバー入賞したメダルによる上記入賞メダルセンサ(4)の出力に基づいて、そのオーバー入賞回数を累積記録すると共に、所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典が付与されたときは、当該オーバー入賞特典分に相当するオーバー入賞回数を減算することにより、現時点でストックされているオーバー入賞回数を記録するオーバーストック数カウンタ(6c)と、
当該オーバーストック数カウンタ(6c)の記録数値を表示するオーバーストック数表示器(11,511)と、
所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典を付与するオーバー入賞特典付与回路(6d)と、
を備えたことを特徴とするメダルプッシャーゲーム機におけるボーナスストックシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のボーナスストックシステムを備えたことを特徴とするメダルプッシャーゲーム機。
【請求項1】
入賞したメダルを検出する入賞メダルセンサ(4)と、
当該入賞メダルセンサ(4)の出力に基づいて入賞回数を累積記録すると共に、所定の入賞回数に応じた入賞ボーナスが付与されたときは、当該入賞ボーナス分に相当する入賞回数を減算することにより、現時点でストックされている入賞回数を記録するストック数カウンタ(6a)と、
当該ストック数カウンタ(6a)の記録数値を表示するストック数表示器(10,510)と、
所定の入賞回数に応じた入賞ボーナスを付与する入賞ボーナス付与回路(6b)と、
上記ストック数カウンタ(6a)の記録数値が予め定めた上限値に達したときは、その後にオーバー入賞したメダルによる上記入賞メダルセンサ(4)の出力に基づいて、そのオーバー入賞回数を累積記録すると共に、所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典が付与されたときは、当該オーバー入賞特典分に相当するオーバー入賞回数を減算することにより、現時点でストックされているオーバー入賞回数を記録するオーバーストック数カウンタ(6c)と、
当該オーバーストック数カウンタ(6c)の記録数値を表示するオーバーストック数表示器(11,511)と、
所定のオーバー入賞回数に応じたオーバー入賞特典を付与するオーバー入賞特典付与回路(6d)と、
を備えたことを特徴とするメダルプッシャーゲーム機におけるボーナスストックシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のボーナスストックシステムを備えたことを特徴とするメダルプッシャーゲーム機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−82388(P2010−82388A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−257928(P2008−257928)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
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