説明

メダル処理装置

【課題】 エレベータ式ホッパー等の扁平パイプの排出口からメダルボールの開口に排出される際にメダルが一杯になって詰まり、メダルボールの開口の隙間から溢れ出るのを防止する構造を得る。
【解決手段】 メダルを払い出すメダルゲーム機100において、筐体の底面に配置され、メダル払出し扁平パイプ55が立設され、同パイプの上端から連設された水平通路56の先端にメダルを払い出す払出し口を有するエレベータ式ホッパ50と、該メダル払出し口先端に連接されると共に払出し口周囲を鍔状に覆う鍔部を有し、かつ前記払出し口に連接した排出口が鍔部より突出したガイド部60と、該ガイド部の排出口56aが宛がわれる該ガイド部の排出口56aより多少大きいメダル払出し口21を側面に有すると共にメダル払出し口の両脇に前記ガイド部の鍔部61に当接可能な一対のガイド板22を有するメダルボール20とを備えたメダル処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務用メダルゲーム機や食券販売機等のコイン処理装置を内蔵する筐体の払出口の構造に特徴を有するメダル処置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先に本願出願人は業務用メダルゲーム機におけるエレベータ式コインホッパーから筐体の天板に設けたメダルボールへの排出口の構造を開示した。
これは、メダルボールの奥側壁の左側部に、上下方向へ細長いメダル払出し口が形成され、このメダル払出し口の左右縁に隣接するとともに奥側壁の奥側面に左右一対のガイド板の基片が当接して、基片と奥側壁とがスポット溶接等で一体に結合され、一対のガイド板の間に、メダル払出し装置より、メダル払出し扁平角パイプの先端部が挿入され、奥側壁と仕切壁とで挟まれたメダル払い出し空間に、メダル払い出し装置よりメダル払い出し扁平パイプ及びメダル払出し口を介してメダルが払い出されるようになっている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
さらに自動販売機等において、硬貨処理装置から払い出される硬貨は硬貨払出し口に払い出される。現在の一般的な自動販売機では筐体が塗装鉄板で作られており、硬貨取出口にはプラスチック製の取出口が筐体の外側から硬貨取り出し口に取り付けられている(例えば特許文献2参照。)。
また硬貨入出金機では、硬貨の取出口部分に筐体の内側からプラスチック製の枠体が宛がわれている(例えば特許文献3参照。)。
【0004】
従来からの業務用メダルゲーム装置においては、ゲームの結果メダルを払い出す払出し口や、不良メダルを返却する返却口が筐体の天板や手前に開閉する扉に設けてある。
また、飲食店で用いられる食券販売機は、代金を投入して好みの飲食物のボタンを押すと、食券とお釣りが取出口に排出されるようになっている。
【0005】
図15には従来のメダルゲーム機や食券販売機の扉に設けた返却口の縦断面図を示す。扉01には塗装が施され、方形に開口が開いており、内側に業務用メダルゲーム装置では不良メダルを返却し、または食券販売機では食券やお釣りを排出する排出ボックス02が設けてある。
この排出ボックス02は扉の開口03に合せた方形体の開口を有するステンレス製の箱であり、開口03の縁に合せて外側に向けて折曲片を有し鍔部2aを構成している。排出ボックスの上側に設けた開口04からメダルゲーム装置では不良メダルが落下し、あるいは食券販売機では食券やお釣りが落下してくる。
排出ボックスの底面2bは、取出口となる開口03の下辺から一段低くなっており、該開口03の下辺に向けて登り傾斜を有しており、排出ボックスの上側から落下してくるメダルや、食券、お釣りが外部に弾みで飛び出さないようになっている。
【0006】
扉の外側には取出口の開口03の周囲に沿って、中空のステンレス製の枠体板05が取り付けてある。
該枠体板05には螺子05aが溶接スタッドにより立設されている。扉01には枠体板の螺子位置に対応する部分に丸穴が開けられている。さらに排出ボックスの鍔02aには前記扉の丸穴に対応する位置に丸穴が開いている。
排出ボックス02を扉の取出口に取り付けるには、枠体板05を扉の外側から螺子05aを扉の丸穴に差しこみ、排出ボックスの鍔部02aの丸穴に挿入して、扉の内側から05bボルトにより締め付けて取り付けるのである。
【0007】
【特許文献1】特願2004−253657号(第9頁、図13)
【特許文献2】特許第2950926号公報(第2頁、図1)
【特許文献3】特許第3138501号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1における、メダルゲーム機におけるエレベータ式コインホッパーから筐体の天板に設けたメダル払出し箱への排出口の構造では、メダル払出し装置からメダル払出し扁平角パイプが上方に立設され先端部が横方向に短通路を形成して、メダル払出し箱の開口の両側に設けた一対のガイド板の間に僅かの隙間を有して挟まれて差し込まれているだけであり固定はしておらず、メダルが満杯になってくると、短通路にメダルが詰まってしまい、払い出されたメダルが開口の隙間から逆行して溢れ筐体の中に落ちる等の不具合が生じるのであった。
これはメダル装置の製造上、エレベータ式ホッパーのメダル払出し扁平パイプが上方でメダルボールの開口に無理無くメダルを排出させるためにはある程度の隙間が必要であり、この隙間の余裕がないと、製品のばらつきによりメダル払い出し扁平パイプに無理な歪が生じる場合があり、その場合にはメダル払出しパイプ内にメダルが詰まるなどの不具合が生じるのを防ぐためである。
【0009】
さらに特許文献2、3では、硬貨取出口のところにプラスチック製の枠体を設けて筐体の鉄板部が露出しないようにしているが、この枠体の製造には、取出し口の大きさや形状に合せてその都度、型を起こす必要があり、少量生産機種では、型代が高くついてしまい装置全体のコストアップとなってしまうのであった。また取出口の枠体がプラスチック製では、コインの取り出し時に傷が付いたり、経年変化で劣化して割れたりしてしまうのであった。
そこで、特許文献3では、取り出し口部分にステンレス製の枠体を用いており、これは型が不要な分、コストが削減されるのであるが、この構造では、取り出し口の開口部分を外側の枠体と排出ボックスの鍔体で挟んだ状態で取り付けてあるので、筐体は塗装が施されているものの鉄板の板金であるために、使用が長期に亘ると、コイン等により、取出口部分の筐体の塗装が剥がれてしまい、錆が出してしまい、見た目にもよくないのであった。
【0010】
本願の第1の目的は、エレベータ式ホッパー等の扁平パイプの排出口からメダルボールの開口に排出される際にメダルが一杯になって詰まり、メダルボールの開口の隙間から溢れ出るのを防止する構造を提供することにある。
さらに、本願の第2の目的は、業務用メダルゲーム機や食券販売機等のコイン排出口を丈夫で、見た目もきれいで、安全にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記第1の目的である課題を解決するために、本願発明では、遊戯者がゲームの勝敗を予測して、メダルを投入し操作部を操作してゲームを予測し、勝敗の結果に応じて、メダルを払い出すメダルゲーム機において、
筐体の底面に配置され、メダル払出し扁平パイプが立設され、同パイプの上端から連設された水平通路の先端にメダルを払い出す払出し口を有するエレベータ式ホッパと、該メダル払出し口先端に連接されると共に払出し口周囲を鍔状に覆う鍔部を有し、かつ前記払出し口に連接した排出口が鍔部より突出したガイド部と、該ガイド部の排出口が宛がわれる該ガイド部の排出口より多少大きいメダル払出し口を側面に有すると共にメダル払出し口の両脇に前記ガイド部の鍔部に当接可能な一対のガイド板を有するメダルボールと、を備えたメダル処理装置とした。
【0012】
上記構成により、メダル払出し扁平パイプの排出口に鍔を有するガイド部の排出口がメダルボールのメダル払出口に宛がわれており、さらにガイド部が一対のガイド板で振れるのを防止し、メダルボールにメダルが充満してきてもメダルボールのメダル払出し口の隙間からメダルが外部に流れ出るのをガイド部の鍔で防止する。
【0013】
さらに上記第1の目的である課題を解決するために、本願発明では上記発明において、エレベータ式ホッパーのメダル払い出し扁平パイプの上部に天板から開閉可能に設けた蓋体と、メダル払出し扁平パイプの上端後方に蓋体から垂下した係止片と、を備えたメダル処理装置とした。
上記構成により、メダル払出し扁平パイプの後方位置が天板に設けた蓋体の係止片により後方に動くことが静止されるので、振動等により、メダル払出し扁平パイプがメダルボールの払出し口から外れることが制止される。
【0014】
上記第2の目的である課題を解決するために、本願発明では、コイン処理装置を内蔵する筐体のコイン払出口において、筐体を構成する板金加工面に設けた開口部と、該開口部の縁部近傍に設けた複数の穴と、該開口部の縁部近傍に内側に向けて設けた複数の溶接スタッドと、前記開口部の縁部近傍に設けた複数の穴に対応する位置に溶接スタッドを設けると共に前記開口部より小さい中空開口を有する防腐性金属性の枠体板と、前記中空開口に対応する開口を有し、該開口側に同一面に外側に前記筐体の開口部端に接しない範囲に鍔部を設け、さらに鍔部の外側に向け前記筐体の板厚分の段差部を前記筐体の開口部の縁を覆う範囲まで設け、該段差部に前記開口部に設けた溶接スタッドに対応する位置に複数の穴を有する防腐性板金板で構成された排出ボックスと、を備え、前記筐体の開口部の縁部近傍に設けた複数の穴に前記筐体の外側から枠体板の溶接スタッドを取り付け固定し、さらに前記排出ボックスを内側から前記枠体板に鍔部を当接させて鍔部に設けた段差部の穴を開口部に設けた溶接スタッドにて固定するコイン払出し口を有する
メダル処理装置とした。
【0015】
上記構成とすることで、コイン払出し口部分は外側から防腐性板金板で囲われるとともに、内側の排出ボックスの開口部の縁が外側の板金板に当接し、排出ボックスの縁の段差部が筐体の内側の溶接スタッドで固定されるので、払出し口が防腐性板金で覆われ、筐体の開口は露出しないので、錆等の発生が防止される。
【0016】
さらに、上記第2の目的である課題を解決するために、本願発明では、コイン処理装置を内蔵する筐体のコイン払出口において、筐体を構成する板金加工面に設けた開口部と、該開口部の縁部近傍に設けた複数の穴と、
前記開口部の縁部近傍に設けた複数の穴に対応する位置に溶接スタッドを設けると共に前記開口部より小さい中空開口を有する防腐性金属性の枠体板と、前記中空開口に対応する開口を有し、該開口側に同一面に外側に前記筐体の開口部端に接しない範囲に鍔部を設けた防腐性板金板で構成された排出ボックスと、を備え、
前記枠体板に枠体の中空開口に合わせて前記排出ボックスの鍔部を前記枠体板にスポット溶接し、前記筐体の開口部の縁部近傍に設けた複数の穴に前記筐体の外側から枠体板の溶接スタッドを取り付け固定したコイン払出し口を有する、メダル処理装置とした。
【0017】
上記構成とすることで、コイン払出し口部分は排出ボックスの開口部に払出し口部分を覆う防腐性板金の枠体を溶接して一体としてあり、これを筐体の開口部の外側から筐体の開口部を囲み枠体板に設けたスタットにより筐体の開口縁の穴に固定したコイン払出し口としたので、錆等の発生が防止される。
【0018】
さらに上記第2の目的である課題を解決するために、本願発明では、前記防腐性金属板はステンレス板であるメダル払出し口を有するメダル処理装置とした。
これにより、メダル取出し口経年変化による防腐性が向上するのである。
【発明の効果】
【0019】
記の構成によりメダル払出し扁平パイプのガイド部がメダルボールの払出し口に宛がわれ、ガイド部の左右のずれは前記の左右のガイド板により阻止され、メダル払出し扁平パイプの後方へのずれは蓋体の係止片により阻止される。
また、エレベータ式ホッパーが振動等何らかの理由で多少位置がずれてもメダル払出し扁平パイプの排出口がメダルボールの払出し口から外れることがない。
さらに、メダルボール内にメダルが充満してきて、メダル払出し口まで埋まっても、メダル払出し口にはメダル払出し扁平パイプの先端に鍔を有するガイド部が宛がわれており、メダル払い出し口からメダルがメダルボールの外部に流出することがないのである。
【0020】
上記構成とすることで、返却口の縁部分には扉の板金部分が露出することなく、枠体板(上挟板)と排出ボックスが当接することになり、見た目もきれいに仕上がり、しかも返却口は全てステンレス等の防腐性金属板となるので、経年変化に対し、変色したり、錆びたりすることがなく、耐久性もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以上説明したような本発明によるメダルゲーム機用や食券販売機等のメダル装置の複数の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。なおここではメダル、あるいはコインとは金属性の円板であり硬貨も含む用語として用いる。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態として、業務用メダルゲーム機に本発明を適用したメダル処理装置を示す概略斜視図である。図2は同内部を示す正面図である。図3は同内部を示す右側面図である。図4はメダル装置部分の正面分解斜視図であり、図5は同背面分解斜視図を示す。
メダルゲーム機としては、スロットマシン、カードゲーム、ルーレット、競馬ゲーム、ビンゴゲームなどのジャンルが一般的である。遊戯者は図示しないメイン筐体で行われる上述の各種ゲームに対し、遊戯者個々人がゲームの勝敗を予測して、メダルを投入し操作部を操作してゲームを予測し、勝敗の結果に応じて、メダルを払い出すサテライト筐体について以下に述べる。
【0023】
まず、図1に示すように、サテライトの筐体100の天板1には、左側にモニタ2や操作部3、およびモニタの上に点灯表示部4、天板1の右側にメダル処理装置10を構成するメダルボール20およびメダル投入口30が設けられている。ここで、メダルボール20は、複数枚のメダルを一括的に取り出し可能な開口面積を有し、ゲームプレイによって獲得され、払い出されたメダルを取り出すメダル取出口である。また、メダル投入口30は、1枚以上かつ2枚未満のメダル厚さ寸法に等しい開口幅を有し手前側から略U字溝31を有し、該U字溝31に複数枚のメダルを並べてメダル投入口30に向けて複数枚に並べたメダルを手で押すことで、メダル投入口30にメダルを連続的に投入することが可能である。メダル投入口30の下にはコインセレクタ32があり、該コインセレクタ32はメダル投入口30から落下してくる正規のメダルと、不良メダル(異種メダル)を選別し、正規メダルであればコインスイッチ32aにより投入枚数を逐次カウントする機能を有している。
コインセレクタ32で不良メダルと判定されたメダルは、排出樋33を通して筐体の正面の扉5の返却口6に設けた排出ボックス40に落下させ、返却口6から手で取り出すことができる。
また、筐体100内部の床の手前中央には払出用のエスカレータ式ホッパ50があり、コインセレクタ32で正規のメダルと判定されたメダルは回収樋34を通して、ホッパー51の上に取り付けた、ホッパー51の水平間口より広い漏斗状受部35に滑り落ちる。
【0024】
そして、前記漏斗状受部35に滑り落ちたメダルは漏斗状受部の背面斜面を滑り落ちてホッパー51に落下する。
前記漏斗状受部35には蓋体35aが取り付けてあり、係止部35bにより漏斗状受部35に取り付けられている。
そしてエスカレータ式ホッパ50において、適正なメダルの量を超えた場合には漏斗状受部35から設けられた流し樋36を通じて左側のメダル回収ボックス37に溢れたメダルを流す。
ここで、エスカレータ式ホッパ50はホッパ51から設定された枚数のメダルを払い出すと共に、払出枚数を「ペイアウト数」としてカウントする機能を有する一般的なコインの払出用のエスカレータホッパであり、そのメダル払出扁平パイプ55はメダル払出し装置52から緩やかなカーブを形成してキリンの首状に上に伸びた立設通路55aとキリンの顔状に立設通路の上端から手前に向けて短い水平通路56が連接し、水平通路の先端は排出口56aとなっている。
前記立設通路の上端隅にはコインセンサ57が設けてあり、メダル払出し通路内のコインの通過を検出して、検出しない場合は図示しないホッパーモータを停止させ、それ以上の払出し通路内でのコイン詰まりを防止することができる。
【0025】
図5に示す如く、前記水平通路56の先端部の左右にL字のブラケット58を水平通路56に対し直角に取り付け、排出口56aに硬質樹脂製のガイド部60をガイド部側から前記ブラケット58に螺着してある。
図6はメダル払出し扁平パイプとメダルボールとの接続部分の拡大側面図である。
ガイド部60は水平通路の排出口56aを鍔状に覆う鍔部61と共に排出口56aに連接する縦長の開口部62を有し、該開口部の肉厚部は鍔部より突出しており、メダルボールのメダル払出し口21に宛がわれ、鍔部61はメダル払出し口21の周囲に当接する。この場合において、メダル払出し口21は縦長方形であり、ガイド部の開口部62の肉厚部はメダル払出し口21より一回り小さくなっており、ガイド部60がメダル払出し口21内で多少、左右上下に位置を変えることが可能となっている。
【0026】
前記メダル払出し口21はメダルボールの奥側壁の左側部に、上下方向へ細長く開口が形成され、このメダル払出し口21に前記ガイド部の開口部60が位置する。そしてガイド部60の左右側に隣接するとともに奥側壁の奥側面に左右一対のガイド板22の基片22aが当接して、基片と奥側壁とのがスポット溶接等で一体に結合され、一対のガイド板22の間に、メダル払出し扁平角パイプ55に取り付けたガイド部60が挿入され、奥側壁と仕切壁とで挟まれたメダル払い出し空間に、メダル払い出し装置52よりメダル払い出し扁平パイプ55及ガイド部60、メダル払出し口21を介してメダルMが払い出されるようになっている。左右一対のガイド板22とガイド部の鍔部61との間には多少の隙間が存在しており、ガイド部60がメダルボールのメダル排出口内21で多少、左右に移動するのを許容する。
【0027】
メダルボール20の後方の天板1には横幅がメダルボール20より広く縦幅がエレベータ式ホッパーの後方位置の倍程度ある略台形状の点検用の蓋体70が鍵71により天板1から上側に取り外して開閉可能に取り付けられている。該蓋体70には手前端上側にメダル投入口30が取り付けられ、その蓋体の下側にはメダル投入口30から投入されたメダルを正規メダルと不良メダルとに選別するコインセレクタ32が設けられている。コインセレクタ32の左隣にはエレベータ式ホッパーのメダル払出し扁平パイプ55が位置している。該蓋体70には該メダル払出し扁平パイプ55の上端後縁に当接あるいは僅かな隙間を有する係止片72が垂下され、該係止片72は下側が後方に傾斜した傾斜部72aを有している。これにより、蓋体70を筐体の天板1に取り付ける際に、係止片72がメダル払い出し扁平パイプ55の後方に僅かな隙間を有して垂下しており、蓋体70が天板1に取り付けられた後は、メダル払出し扁平パイプ55が後方に大きくズレルのを防ぐ。メダル払出し扁平パイプ55は排出口58に取り付けたガイド部60が前述したメダルボールの払出し口21に宛がわれており、さらにガイド部60は図5に示すメダルボールの払出し口21の左右に設けた一対のガイド板により、左右にズレルのを防いでいる。
【0028】
上記の構成によりメダル払出し扁平パイプのガイド部60がメダルボールの払出し口21に宛がわれ、ガイド部60の左右のずれは前記の左右のガイド板22により阻止され、メダル払出し扁平パイプ55の後方へのずれは蓋体の係止片72により阻止され、エレベータ式ホッパーが振動等何らかの理由で多少位置がずれてもメダル払出し扁平パイプの排出口56aがメダルボールの払出し口21から外れることがない。
さらに、メダルボール20内にメダルが充満してきて、メダル払出し口21まで埋まっても、メダル払出し口21にはメダル払出し扁平パイプの先端に鍔を有するガイド部60が宛がわれており、メダル払い出し口21からメダルがメダルボール20の外部に流出することがないのである。
【実施例2】
【0029】
以下に本発明の第2の目的である、業務用メダルゲーム機や食券販売機等のコイン排出口を丈夫で、見た目もきれいで、安全にする構造について述べる。以下の構造は上述したメダルボールを天板に取り付ける構造も同一に適用される。
【0030】
図7には扉の正面図を示す。扉5は筐体100の下側の正面にあり、冷間圧延板を板金加工し塗装が施されている。扉5の右上にコインの返却口6があり、扉5の右側中央部に鍵穴7が設けてある。扉5は鍵穴7に鍵を差しこんで鍵を解除することで、左側片のヒンジ8を軸に手前側に開けることができる。返却口6には、中央に返却口6の大きさに合せた中空部を有する枠体にした防腐性金属、例えばステンレス製の上挟板9が返却口6の周辺を囲んで取り付けてある。
【0031】
図8は扉を内側から見た分解斜視図を示す。右上に四隅の角が取れた略方形の開口6aを有しており、四隅には丸穴6bが開いている。前記上挟板9の四隅には接スタッドにより螺子9aが立設されており、前記丸穴9bに螺子9aを扉の外側から挿入して、扉の内側からナット9cにより扉に固定される。
さらに開口6aの左右の辺には各2本の螺子6cが溶接スタッドにより立設され、排出ボックス40を固着する。該開口6aは返却口6の内縁(幅10cm、高さ8.5cm)より一回りほど大きい。
【0032】
図9は排出ボックスを示す図であり、(A)は正面斜視図であり、(B)は平面断面図であり、(C)は側面図である。
排出ボックス40は、ステンレス板で上面41、奥面42、底面43を折り曲げ構成して、それに左右の側面44、45を前記各面の折曲片41a、42a、43aにスポット溶接Sにより取り付けて構成される。そして排出ボックス40は、前記開口6aより小さい縦横寸法の略方形体の一面が開放された箱体であり、排出ボックスの上側に設けた開口46には受樋46aが取り付けられ、コインセレクタから落下してくる不良メダルを排出ボックス40に導く。
【0033】
排出ボックス40の底面43は、返却口6の下辺から一段低くなっており、底面の手前側は該返却口6の下辺に向けて登り傾斜43bを有している。この登り傾斜43bにより、排出ボックスの上側から落下してくるメダルが落下の弾みで外部に飛び出さないようになっている。
【0034】
この排出ボックス40は扉の開口6aより一回り小さい方形体の開口(幅10cm、高さ8.1cm)を有するステンレス製の箱であり、開口6aの縁に向けて左右の折曲片44f、45f、上側の折曲片41f、下側の折曲片43fを有しており、いずれも同一平面上にある。該上側及び左右の折曲片41f、44f、45fには開口6aの縁の手前で扉5の厚み分tに奥方向に段差が設けられた段差部41g、44g、45gを構成し、各段差部41g、44g、45gは前記開口6aの内側の周辺に当接する。段差部44g、45gには前記螺子6cに対応する位置に丸穴44h、45hが開いている。
【0035】
図10は図7の扉の正面図のうち、返却口の部分A−Aの平面断面図を示し、図11は図10の返却口の左側部の円内の部分拡大図である。
扉の開口6aには外側から上挟板9が固着され、開口6aの内縁を覆い隠す。さらに排出ボックスの段差部の丸穴44h、45hが扉の内側に立設された螺子6cを挿通してナット6dで扉に固着されることで、各折曲片41f、43f、44f、45fが上挟板9に当接する。
これにより、返却口6は、扉の板金に触れることなく、ステンレス製の上挟板9が、スレンレス製の排出ボックスに接しており、見た目もきれいで、しかも経年変化にも錆びない返却口6となる。これによりメダルの取出し時にメダルで返却口を引っかいても、傷が付かず丈夫であり、耐久性が向上する。
【実施例3】
【0036】
次に本発明の第2の目的の他の実施例を示す。図7の扉の正面図は共通であり、図12は正面の扉を外側から見た分解斜視図を示す。扉5は右上に返却口6を取り付ける開口6aがある。
返却口6には、中央に返却口6の大きさに合せた中空部を有する枠体のステンレス製の上挟板9が返却口6の周辺を囲んで取り付けられる。
【0037】
扉5は冷間圧延板を板金加工して塗装が施され、右上に四隅の角が取れた略方形の開口6aを有しており、四隅には丸穴6bが開いている。前記上挟板9の四隅には溶接スタッドにより螺子9aが立設されており、前記丸穴6bに螺子9aを扉の外側から挿入して、扉の内側からナット9cにより扉に固定されるようになっている。
【0038】
図13は排出ボックスを示す図であり、(A)は正面斜視図であり、(B)は平面断面図であり、(C)は側面図である。
排出ボックス60は、実施例1同様にステンレス板で上面61、奥面62、底面63を折り曲げ構成して、それに左右の側面64、65を前記各面の折曲片にスポット溶接Sにより取り付けて構成される。そして排出ボックス60は、扉の開口6aより小さい縦横寸法の略方形体の一面が開放された箱体である。
【0039】
排出ボックス60の底面63は、返却口6の下辺から一段低くなっており、底面の手前側は該返却口6の下辺に向けて登り傾斜63bを有している。この登り傾斜により、排出ボックスの上側から落下してくるメダルが落下の弾みで外部に飛び出さないようになっている。
【0040】
図14は扉の返却口の左側部分の拡大平面断面図を示し、図10の円内の拡大図に対応している。
この排出ボックス60は扉の開口6aより一回り小さい方形体の開口を有するステンレス製の箱であり、開口6aの縁に向けて左右の折曲片64f、65f、上側の折曲片61f、下側の折曲片63fを有しており、その折曲片の外形は開口6aよりも小いさく、いずれも同一面上にある。従って排出ボックス60は開口6aを挿通することができる。
前記折曲片61f、63f、64f、65fは前記上挟板9の開口に合せて各折曲片に2箇所ずつスポット溶接Spにより上挟板9に固着される。
そして、上挟板を取り付けた排出ボックス60は扉の外側から開口6aにあてがい、上挟板9に立設された螺子9aを扉の丸穴6bに挿通させ、排出ボックス60を扉5に取り付けて、扉の内側からナット9cにより螺子9aを固着する。これに中空部を有するステンレス製の上挟板9が扉の開口6aの周辺を囲んで取り付られる。
【0041】
上記構成とすることで、返却口6の縁部分には扉5の板金部分が露出することなく、上挟板9と排出ボックス40または60が当接することになり、見た目もきれいに仕上がり、しかも返却口は全てステンレスとなるので、経年変化にステンレスであるので、変色したり、錆びたりすることがなく、耐久性もある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】業務用メダルゲーム機に本発明を適用したメダル処理装置を示す概略斜視図である。
【図2】同メダル処理装置ノ内部を示す正面図である。
【図3】同内部を示す右側面図である。
【図4】メダル装置部分の正面分解斜視図である。
【図5】同背面分解斜視図である。
【図6】メダル払出し扁平パイプとメダルボールとの接続部分の拡大側面図である。
【図7】正面の扉の正面図である。
【図8】扉を内側から見た分解斜視図を示す
【図9】排出ボックスの図である。
【図10】図9の扉の正面図のうち、返却口の部分の平面断面図である。
【図11】図10の返却口の左側の円内n部分拡大図である。
【図12】正面の扉を外側から見た分解斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊戯者がゲームの勝敗を予測して、メダルを投入し操作部を操作してゲームを予測し、勝敗の結果に応じて、メダルを払い出すメダルゲーム機において、
筐体の底面に配置され、メダル払出し扁平パイプが立設され、同パイプの上端から連設された水平通路の先端にメダルを払い出す払出し口を有するエレベータ式ホッパと、
該メダル払出し口先端に連接されると共に払出し口周囲を鍔状に覆う鍔部を有し、かつ前記払出し口に連接した排出口が鍔部より突出したガイド部と、
該ガイド部の排出口が宛がわれる該ガイド部の排出口より多少大きいメダル払出し口を側面に有すると共にメダル払出し口の両脇に前記ガイド部の鍔部に当接可能な一対のガイド板を有するメダルボールと、
を備えたことを特徴とするメダル処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
エレベータ式ホッパーのメダル払い出し扁平パイプの上部に天板から開閉可能に設けた蓋体と、
メダル払出し扁平パイプの上端後方に蓋体から垂下した係止片と、
を備えたことを特徴とするメダル処理装置。
【請求項3】
コイン処理装置を内蔵する筐体のコイン払出口において、
筐体を構成する板金加工面に設けた開口部と、
該開口部の縁部近傍に設けた複数の穴と、
該開口部の縁部近傍に内側に向けて設けた複数の溶接スタッドと、
前記開口部の縁部近傍に設けた複数の穴に対応する位置に溶接スタッドを設けると共に前記開口部より小さい中空開口を有する防腐性金属性の枠体板と、
前記中空開口に対応する開口を有し、該開口側に同一面に外側に前記筐体の開口部端に接しない範囲に鍔部を設け、さらに鍔部の外側に向け前記筐体の板厚分の段差部を前記筐体の開口部の縁を覆う範囲まで設け、該段差部に前記開口部に設けた溶接スタッドに対応する位置に複数の穴を有する防腐性板金板で構成された排出ボックスと、
を備え、
前記筐体の開口部の縁部近傍に設けた複数の穴に前記筐体の外側から枠体板の溶接スタッドを取り付け固定し、さらに前記排出ボックスを内側から前記枠体板に鍔部を当接させて鍔部に設けた段差部の穴を開口部に設けた溶接スタッドにて固定するコイン払出し口を有する、
ことを特徴とするメダル処理装置。
【請求項4】
コイン処理装置を内蔵する筐体のコイン払出口において、
筐体を構成する板金加工面に設けた開口部と、
該開口部の縁部近傍に設けた複数の穴と、
前記開口部の縁部近傍に設けた複数の穴に対応する位置に溶接スタッドを設けると共に前記開口部より小さい中空開口を有する防腐性金属性の枠体板と、
前記中空開口に対応する開口を有し、該開口側に同一面に外側に前記筐体の開口部端に接しない範囲に鍔部を設けた防腐性板金板で構成された排出ボックスと、
を備え、
前記枠体板に枠体の中空開口に合わせて前記排出ボックスの鍔部を前記枠体板にスポット溶接し、
前記筐体の開口部の縁部近傍に設けた複数の穴に前記筐体の外側から枠体板の溶接スタッドを取り付け固定したコイン払出し口を有する、
ことを特徴とするメダル処理装置。
【請求項5】
請求項3または4において、前記防腐性金属板はステンレス板であることを特徴とするメダル払出し口を有する、
ことを特徴とするメダル処理装置。



【図12】図9は扉の返却口の部分の平面断面図を示し、
【図13】図10は図9の部分拡大図を示している。
【図14】扉の返却口の左側部分の拡大平面断面図を示し、図10の円内の拡大図に対応している。
【図15】従来技術のコインの返却口の縦断断面図である。
【符号の説明】
【0043】
100 筐体
1 天板
2 モニタ
3 操作部
4 点灯表示部
5 扉
6 返却口
7 鍵
8 ヒンジ
9 上挟板
10 メダル処理装置
20 メダルボール
21 メダル払出し口
22ガイド板
30 メダル投入口
31 略U字溝
32 コインセレクタ
33 排出樋
34 回収樋
35 漏斗状受部
36 流し樋
40 排出ボックス
41 上面
42 下面
43 底面
44 左側面
45 右側面
46 開口
50 エスカレータ式ホッパー
51 ホッパー
52 メダル払出し部
55 メダル払出し扁平パイプ
56 水平通路
57 コインセンサ
60 ガイド部
【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−158795(P2006−158795A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−357466(P2004−357466)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】