説明

メダル搬送装置を備えたゲーム機

【課題】
視覚効果に優れ、外径の異なるメダルを使用でき、新たなゲーム性を創出できるゲーム機を提供する。
【解決手段】
メダルを第1位置から第2位置に搬送するメダル搬送装置を備えたゲーム機である。前記メダル搬送装置は、メダルの周面を案内する第1および第2案内面と、メダルの表裏面をそれぞれ案内する第3および第4案内面とを有し、前記第1位置から前記第2位置に向けて延在するメダル案内通路と、前記第1位置から前記第2位置に向かって所定の順に配置されると共に前記第3および第4案内面に略垂直な複数の回転軸線の回りをそれぞれ回転する複数の回転盤と、前記メダル案内通路内に突出し、かつ、前記複数の回転盤上にそれぞれ設けられた、対応する前記回転軸線の回りを周回することによりメダルを押動する複数のメダル押動手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルを用いてゲームが行われるゲーム機に関し、詳しくは、所定通路内においてメダルを移動させることによりメダルを所望の位置に搬送するメダル搬送装置を備えたゲーム機に関する。
なお、本明細書で使用する「メダル」は、ゲーム機のメダルやトークン等の代用貨幣、通貨であるコイン、および、それらと類似のものを包含する。
【背景技術】
【0002】
メダルを使用して行われるゲーム機は従来より多数提案されており、例えば、特許文献1には、第1および第2のゲームフィールドを有するメダルゲーム機が開示されている。特許文献1に開示されたメダルゲーム機では、遊技者によってメダル投入口に投入されたメダルがメダル送出装置のホッパに導かれ、ホッパ内のメダルがメダル送出装置によりメダル移動路を介して第1のゲームフィールドの上部に送り込まれる。第1のゲームフィールドの上部に送り込まれたメダルは重力により下降し、下降中に第1のゲームフィールドに設けられた入賞チャッカを通過するか否かに基づく入賞ゲームが進行すると共に、入賞ゲームと関連付けされた形態で第2のゲームフィールドにおいてプッシャゲームが進行する。
【0003】
上記特許文献1のメダルゲーム機において、メダル移動路内には複数枚のメダルが互いに接触し合うように詰まっており、メダル送出装置から1枚のメダルがメダル移動路内に押し出される毎に、上側のメダルが下側のメダルによって押し上げられることによりメダル通路内のメダルが上方に移動するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−21490号公報(図1、図2、図10、段落番号0014〜0018、0027〜0029、0033〜0037)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されたメダルゲーム機では、メダル移動路は筐体内部に配置されており、メダル移動路内のメダルの移動は遊技者から視認できないようになっている。また、メダル移動路内のメダルの移動は直線的であるため、仮にメダルの移動が視認できたとしても、面白味に欠け視覚効果を高めるものとはなり得ない。したがって、メダルが搬送される様子をゲームの演出に活用できないという問題がある。
【0006】
他方、メダル移動路内のメダルは整列した状態で下側のメダルが上側のメダルを押し出すことにより搬送されるので、外径(すなわち、直径)の異なるメダルには対応できない。すなわち、メダル移動路の内寸法は搬送されるメダルに適合していなければならず、適合するメダルの外径の範囲は小さい。例えば、メダル移動路の内寸法に対して外径の小さいメダルを搬送しようとしても、メダル移動路内にメダルがきちんと整列できずにジグザグ状になってしまい、搬送時の摩擦抵抗が増加するので安定したコインの搬送は困難である。また、外径が同一であっても厚みの異なるメダルが混在する場合、メダル移動路の厚みは最大厚みのメダルに対応して設定されるため、薄いメダルの場合には厚み方向の移動範囲が大きく、下側メダルの上端によって上側メダルの下端部を押し上げることができず、当該上端と下端とが重なってしまい、メダル移動路において移動ができない状態となって、いわゆるメダル詰まりを生じる。したがって、外径や厚みの異なるメダルを混在させて使用することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、メダルが搬送される様子をゲームの演出に活用できるゲーム機を提供することにある。
本発明の他の目的は、メダルの移動において優れた視覚効果を有するゲーム機を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、外径や厚みの異なるメダルを使用できるゲーム機を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、新たなゲーム性を創出できるゲーム機を提供することにある。
【0008】
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明および添付図面から明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、本発明は以下のように構成される。
【0010】
(1)本発明のゲーム機は、メダルを第1位置から第2位置に向けて搬送するメダル搬送装置を備えるゲーム機であって、前記メダル搬送装置が、前記メダルの周面を案内する第1および第2案内面と、前記メダルの表裏面をそれぞれ案内する第3および第4案内面と、を有し、前記第1位置から前記第2位置に向けて延在するメダル案内通路と、前記第1位置から前記第2位置に向かって所定の順に配置されると共に前記第3および第4案内面に略垂直な複数の回転軸線の回りをそれぞれ回転する複数の回転盤と、前記メダル案内通路内に突出し、かつ、前記複数の回転盤上にそれぞれ設けられた、対応する前記回転軸線の回りを周回することにより前記メダルを押動する複数のメダル押動手段と、を有し、前記複数の回転盤のうち隣接する一対の前記回転盤の一方が第1回転方向に回転すると共に他方が前記第1回転方向と相反する第2回転方向に回転し、かつ、前記一方の回転盤の前記メダル押動手段と前記他方の回転盤の前記メダル押動手段とが所定の回転位相差を保ちながら周回するよう前記一方の回転盤および前記他方の回転盤のそれぞれの回転位置が設定されると共に、前記第1および第2案内面が前記複数の回転軸線のそれぞれを中心とする複数の円弧を接続した曲線に沿って形成されるゲーム機である。
【0011】
本発明のゲーム機では、前記メダル搬送装置が前記第1位置から前記第2位置に向けて延在する前記メダル案内通路を有する。前記メダル案内通路は、前記メダルの周面を案内する前記第1および第2案内面と、前記メダルの表裏面をそれぞれ案内する前記第3および第4案内面と、を有する。前記第1および第2案内面は、前記複数の回転軸線のそれぞれを中心とする複数の円弧を接続した曲線に沿って形成される。換言すれば、前記メダル案内通路は、円弧を接続した曲線に沿って蛇行する。そのため、前記メダル案内通路内の前記メダルは、前記メダル案内通路に沿って蛇行しながら前記第1位置から第2位置へ移動する。したがって、前記メダル搬送装置を当該ゲーム機の少なくとも前方から前記メダルの移動が目視可能な部材を用いて構成することにより、前記メダル搬送装置によるメダルの搬送が可視化され、その様子は当該ゲーム機の前方から視認できる。この蛇行しながら移動するメダルの様子は、優れた視覚効果をもたらし、ゲームの演出に活用できる。
【0012】
さらに本発明のゲーム機では、前記メダル搬送装置が、前記第3および第4案内面に略垂直な前記複数の回転軸線の回りをそれぞれ回転する前記複数の回転盤と、前記複数の回転盤上にそれぞれ設けられた前記複数のメダル押動手段と、を有する。前記複数の回転盤は、前記第1位置から前記第2位置に向かって所定の順に配置される。前記複数のメダル押動手段は、前記メダル案内通路内に突出し、対応する前記回転軸線の回りを周回することにより前記メダルを押動する。前記複数の回転盤のうち隣接する一対の前記回転盤の一方は前記第1回転方向に回転し、他方は前記第1回転方向と相反する前記第2回転方向に回転する。前記一方の回転盤および前記他方の回転盤のそれぞれの回転位置は、前記一方の回転盤の前記メダル押動手段と前記他方の回転盤の前記メダル押動手段とが前記所定の回転位相差を保ちながら周回するよう設定される。前記所定の回転位相差は、例えば、前記一方の回転盤の前記メダル押動手段と前記他方の回転盤の前記メダル押動手段とがほぼ相対する回転位置が得られるよう設定される。これにより、前記一方の回転盤の前記メダル押動手段による押動が終了した前記メダルを前記他方の回転盤の前記メダル押動手段により続いて押動することができる。そのため、前記第1位置に位置する前記メダルは、周回する前記複数のコイン押動手段により順次押動され、前記メダル案内通路に沿って前記第2位置へと移動される。
【0013】
このように、前記第1および第2案内面により周面が案内され、かつ、前記第3および第4案内面により表裏面を案内された前記メダルを前記回転軸線の回りを周回する前記メダル押動手段により押動して前記メダルを移動させた場合、搬送可能なメダルの外径(直径)または厚みの範囲が広くなる。すなわち、前記メダル案内通路内に突出した前記メダル押動手段は前記第1および第2案内面の間に配置されるので、前記第1および第2案内面と前記コイン押動手段との間の間隔よりも大きく、かつ、前記第1および第2案内面の間隔よりも小さい範囲の外径(直径)を有するメダルであれば、前記第1および第2案内面のいずれか一方と前記メダル押動手段とにより支えられながら移動されて搬送が可能となる。したがって、搬送可能なメダルの外径範囲が広くなる。他方、前記メダル押動手段のそれぞれにより前記メダルが一つずつ押動されて搬送されるので、前記メダル案内通路内において隣接する前記メダル同士が重なり合うことがない。そのため、前記第3および第4案内面の間隔を広く設定しても、メダル詰まりが生じることがない。したがって、搬送可能なメダルの厚み範囲が広くなる。よって、外径や厚みの異なるメダルを使用できる。
【0014】
本発明のゲーム機では、メダルの移動において優れた視覚効果を有し、メダルが搬送される様子をゲームの演出に活用できると共に、外径や厚みの異なるメダルを使用できるので、それらを利用することにより新たなゲーム性を創出できる。
【0015】
(2)本発明のゲーム機の好ましい例では、前記回転盤および前記押動手段の少なくとも一方に発光手段が設けられる。この場合、前記発光手段が発光しながら回転するので、視覚効果がさらに高まるという利点がある。
【0016】
(3)本発明のゲーム機の他の好ましい例では、上記(2)のゲーム機において、前記メダル搬送装置が、前記発光手段に電気的に接続されると共に前記回転盤と一体で回転する発電コイルと、前記発電コイルに磁束を供給する磁石体と、を有し、前記発電コイルおよび前記磁石体が前記発光素子を駆動する発電手段を構成する。この場合、前記発電手段による発電電力量が前記回転盤の回転速度に対応するので、前記回転盤の回転速度を変化させることにより前記発光手段の輝度が変化して、視覚効果が一層高まるという利点がある。
【0017】
(4)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、前記メダル案内通路が所定面上において一筆書き状の二次元パターンに沿って延在する。換言すれば、前記メダル案内通路は、上下左右に進行方向を変えながら互いに交わることなく連続する一筆書き状の平面パターンを描くように延在する。この場合、ゲーム内容に合わせて前記二次元パターンをデザインすることにより、ゲーム内容に適合した新たな視覚効果を創出できる利点がある。
【0018】
(5)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、前記第1および第2位置が同一であり、前記メダル案内通路が所定面上においてループ状に延在する。この場合、いわゆるエンドレスの状態で前記メダルを移動でき、新たな視覚効果を創出できる利点がある。
【0019】
(6)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、前記メダル搬送装置が、前記複数の回転盤が配置されると共に前記第4案内面を形成するベース体と、前記ベース体上に配置されると共に前記第1〜第3案内面を形成するカバ体と、を含み、前記カバ体が前記ベース体に対してピボット運動可能に支持されている。この場合、前記カバ体をピボット運動させることにより前記カバ体の一部が前記ベース体から離れ、前記メダル案内通路内の前記メダルを下方に落下させることができるので、新たな視覚効果を創出できる利点がある。
【0020】
(7)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、前記メダル案内通路内に液体が充填されている。この場合、前記液体の流体抵抗により前記メダル案内通路内を移動する前記メダルの動きに不規則な変化が生じ、新たな視覚効果を創出できる利点がある。
【0021】
(8)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、前記メダル搬送装置の前方に配置された射撃手段を有し、前記メダル搬送装置の搬送する前記メダルが前記射撃手段を用いて射撃される。この場合、蛇行しながら移動する前記メダルを標的とした、視覚効果の高い新たな射的ゲームが実現できる利点がある。
【0022】
(9)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、前記メダル案内通路(110)が当該ゲーム機の前方から後方または後方から前方に向かって延在する。この場合、前記メダルが3次元で移動する感覚の新たな視覚効果を創出できる利点がある。
【0023】
(10)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、前記第2位置において前記メダルの進行方向を振り分けるメダル振分手段が配置され、前記メダル振分手段が互いに払出方向の異なる第1および第2払出口へ前記メダルを払い出す。この場合、例えば、ゲーム内容に応じて払い出し位置を適宜変更することが可能となり、ゲーム性を高めることができる利点がある。
【0024】
(11)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、上記(10)のゲーム機において、前記メダル搬送装置が前記メダルの種類を識別するメダル識別手段を有し、前記メダル識別手段の識別結果に応じて前記第1および第2払出口のいずれか一方が選択されて前記メダルが払い出される。この場合、複数種類のメダルを使用したゲームに適用することにより、メダル種類に応じて払い出し位置を変更する新たなゲーム性を実現できる利点がある。
【0025】
(12)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、上記(11)のゲーム機において、前記メダル識別手段が、外径検出手段、模様検出手段、色検出手段および材質検出手段の少なくとも一つを有している。この場合、前記メダルの外径、凹凸模様、色、材質のうちの少なくとも一つが異なる複数種類のメダルを使用し、メダル種類に応じて払い出し位置を変更する新たなゲーム性を実現できる利点がある。
【0026】
(13)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、上記(11)のゲーム機において、前記メダル識別手段が、ICメダルと通信可能な通信手段を有している。この場合、通常メダルおよびICメダルを使用し、ICメダルの場合に通常メダルと異なる払い出し位置に払い出す新たなゲーム性を実現できる利点がある。
【0027】
(14)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、入口および複数の出口を有し、かつ、前記入口に導入された前記コインを前記複数の出口に選択的に送り出すメダル振分手段と、前記メダル振分手段の前記入口および前記複数の出口のそれぞれに接続された複数の前記メダル搬送装置と、を含む。この場合、前記メダル振分手段の前記入口に接続された前記メダル搬送装置で前記メダルを搬送した後、前記メダル振分手段の前記出口に接続された複数の前記メダル搬送装置のいずれか一つを用いて前記メダルをさらに搬送できる。換言すれば、前記メダルの搬送経路を選択することが可能となり、ゲーム性を高めることができる利点がある。また、前記メダルの移動距離が長く設定される場合であっても、前記メダル搬送装置のそれぞれに前記回転盤を回転駆動する駆動手段を設けることにより、各駆動手段の負荷を軽減できる利点がある。
【0028】
(15)本発明のゲーム機のさらに他の好ましい例では、付加価値に対応した異なる外径を有する複数種類のメダルを前記メダル搬送装置により搬送する。この場合、例えば、付加価値の高いメダルほど外径を大きくすることにより、遊技者に対する視覚効果が増大して遊技者の期待感が高まり、新たなゲーム性を実現できる利点がある。
【発明の効果】
【0029】
本発明のゲーム機では、(a)メダルが搬送される様子をゲームの演出に活用できる、(b)優れた視覚効果を有する、(c)外径の異なるメダルを使用できる、(d)新たなゲーム性を創出できる、といった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例1のゲーム機示す要部正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図1のゲーム機を構成するメダル搬送装置を示す要部斜視図である。
【図5】図4のメダル搬送装置を正面側から見た要部分解斜視図である。
【図6】図4のメダル搬送装置を背面側から見た要部分解斜視図である。
【図7】図4のメダル搬送装置を構成するカバ体の背面側から見た平面図である。
【図8】図4のメダル搬送装置を構成するベース体の正面図である。
【図9】図4のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】図4のメダル搬送装置の動作を説明するためのカバ体を取り除いた状態の正面図である。
【図11】図4のメダル搬送装置の動作を説明するためのカバ体を取り除いた状態の正面図で、図10の続きである。
【図12】図4のメダル搬送装置の動作を説明するためのカバ体を取り除いた状態の正面図で、図11の続きである。
【図13】図4のメダル搬送装置の動作を説明するためのカバ体を取り除いた状態の正面図で、図12の続きである。
【図14】図4のメダル搬送装置の動作を説明するためのカバ体を取り除いた状態の正面図で、図13の続きである。
【図15】図4のメダル搬送装置の動作を説明するためのカバ体を取り除いた状態の正面図で、図14の続きである。
【図16】図4のメダル搬送装置の動作を説明するためのカバ体を取り除いた状態の正面図で、図15の続きである。
【図17】図4のメダル搬送装置の動作を説明するためのカバ体を取り除いた状態の正面図で、図16の続きである。
【図18】本発明の実施例2のゲーム機を構成するメダル搬送装置を示す図で、ベース体の正面図である。
【図19】図18のXIX−XIX線に沿った断面図である。
【図20】本発明の実施例3のゲーム機を構成するメダル搬送装置を示す断面図である。
【図21】本発明の実施例4のゲーム機を示す正面図である。
【図22】本発明の実施例5のゲーム機を示す図で、(A)は正面図、(B)はXXII−XXII線に沿った断面図である。
【図23】本発明の実施例6のゲーム機を示す図で、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図24】本発明の実施例7のゲーム機を示す図で、(A)は正面図、(B)はXXIV−XXIV線に沿った断面図である。
【図25】本発明の実施例8のゲーム機を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図26】図25のゲーム機を構成するメダル搬送装置を示す図で、カバ体を取り除いた状態の正面図である。
【図27】図25のゲーム機のメダル識別装置を示すブロック図である。
【図28】図25のゲーム機の構成を示すブロック図である。
【図29】本発明の実施例9のゲーム機を構成するメダル識別装置を示すブロック図である。
【図30】本発明の実施例10のゲーム機を構成するメダル識別装置を示すブロック図である。
【図31】本発明の実施例11のゲーム機を示す正面図である。
【図32】本発明の実施例12のゲーム機を示す図で、(A)は正面図、(B)はメダル搬送装置を示す要部拡大図である。
【図33】本発明の実施例15のゲーム機を構成するメダル搬送装置を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0032】
(ゲーム機の構成)
図1および図2は、本発明の実施例1のメダルゲーム機GM1を示す。メダルゲーム機GM1は、いわゆるアーケード型であり、図示しない筐体の上部内に起立して配置されたゲーム盤1と、ゲーム盤1の下部手前側に配置されたプッシャゲーム機構2と、プッシャゲーム機構2の両側方に配置された2つのメダル搬送装置5A、5Bと、メダル搬送装置5A、5Bにメダルを一枚ずつ送り出すメダルホッパ装置6A、6Bと、を備えている。このメダルゲーム機GM1は、第1ゲーム領域GF1と第2ゲーム領域GF2とを有している。第1ゲーム領域GF1は、ゲーム盤1により形成されており、メダルをゲーム盤1の盤面に沿わせて下降させるための領域である。第2ゲーム領域GF2は、プッシャゲーム機構2を用いることによりプッシャゲームを行うための領域である。
【0033】
ゲーム盤1は、起立した本体ボード10と、本体ボード10の前面側に所定間隔を隔てて配置された合成樹脂製の透明板11と、を有している。本体ボード10と透明板11との間に形成された空間が第1ゲーム領域である。メダルホッパ装置6A、6Bは保留ボウル8A、8Bに貯留された外径の異なる2種類のメダルM(すなわち、通常メダルNMおよび特別メダルSM)を一枚ずつ分離してメダル搬送装置5A、5Bに送り出し、メダル搬送装置5A、5Bは送り出されたメダルNM、SMを上方に搬送しメダルシュート7A、7Bを介して第1ゲーム領域GF1の最上部に放出する。放出されたメダルNM、SMは第1ゲーム領域GF1内を自重により下降し、第1ゲーム領域GF1の最下部に到達したメダルNM、SMはプッシャゲーム機構2上に供給されるようになっている。
【0034】
ゲーム盤1は、第1ゲーム領域GF1の上部において所定の角度範囲で常時揺動する複数の揺動アーム12と、メダルNM、SMの下降において動きに変化を与えるための複数の固定ピン13と、第1ゲーム領域GF1の所定位置に配置された複数のスルーチャッカ14A〜14Dと、第1ゲーム領域GF1のほぼ中央に配置された画像表示器15と、画像表示器15の下方において水平方向に所定間隔を隔てて配置された一対のメダルガイド4と、を有している。本体ボード10の背面側には、スルーチャッカ14A〜14Dに対応する位置にメダルNM、SMの通過を検知する通過センサS1が配置されている。通過センサS1は、例えば、反射式の光学センサからなり、対応するスルーチャッカ14A〜14DをメダルNM、SMが通過した場合に入賞信号CPSをゲーム制御回路9に出力する。ゲーム制御回路9は、入力された入賞信号CPSに基づいて予め定められたゲーム処理を実行するよう構成されている。スルーチャッカ14Aを通過したメダルNM、SMは下降を続け、スルーチャッカ14C、14Dを通過したメダルNM、SMはプッシャゲーム機構2上に供給される。スルーチャッカ14Bを通過したメダルNM、SMはスルーチャッカ14Bの下方に設けられたガイド板18によってメダル貯留払出装置3上に導かれる。
【0035】
メダル貯留払出装置3は、プッシャゲーム機構2の側方に配置され、メダル受け部材3a、一対の支持フレーム3b、および往復動作体3cを有している。メダル受け部材3aは、比較的多数枚のメダルNM、SMを載置可能な受け皿状であり、一対の支持フレーム3bに軸3dを介して支持されると共に、軸3dを中心として矢印N1で示す上下方向に揺動可能である。スルーチャッカ14Bのガイド板18により案内されたメダルNM、SMは、メダル受け部材3a上に供給されて保持される。往復動作体3cは、リニアモータ、電磁ソレノイド、空気圧式シリンダなどを用いて構成される揺動機構であり、メダル受け部材3aを水平な姿勢と前下がりに傾いた姿勢とに切り替え自在とするための機構である。メダル受け部材3aが傾いた姿勢にされると、メダル受け部材3a上に保持されたメダルNM、SMの全てがプッシャゲーム機構2上に落下するようになっている。
【0036】
メダルガイド4は、2つの回転盤4a、4bとガイド本体4cとにより構成される。回転盤4aは透明な合成樹脂製の正面視円形の板状体であり、回転盤4bは回転盤4aと同一形状の板状体である。ガイド本体4cは矩形断面を有する棒状体からなり、回転盤4a、4bの間に配置されると共に、接着やネジ止めなどの手段を用いて回転盤4a、4bのそれぞれに対し固定されている。換言すれば、回転盤4aは、ガイド本体4cを介して回転盤4bの前面側に取り付けられている。回転盤4a、4bの間に形成される隙間は、メダルNM、SMが進入可能な通路として機能し、第1ゲーム領域GF1の一部をなしている。ゲーム盤1の本体ボード10および透明板11には円形孔10a、11a(図示せず)がそれぞれ形成され、これらの円形孔10a、11a内に回転盤4a、4bがそれぞれ配置されている。
【0037】
回転盤4bには軸4dが設けられ、軸4dは複数のベアリング4iにより回転可能に支持されている。軸4dには、電気モータ4hにより回転駆動可能な歯車4fと噛み合う歯車4gが取り付けられている。このため、回転盤4a、4bおよびガイド本体4cは、電気モータ4hの駆動力により軸4dを中心として回転する。回転盤4bの背面には複数のマーク4eが設けられており、回転盤4bの背面側近傍にはマーク4eを検出する複数の反射型光学センサS2が配置されている。マーク4eおよび光学センサS2は、メダルガイド4の回転を所定の姿勢で停止するためのものである。
【0038】
ゲームが行われている期間中の通常時において、メダルガイド4は連続して回転する。ゲームが所定の進行状態となった場合には、ゲーム制御回路9の制御によりメダルガイド4が回転を停止する。メダルガイド4の回転が停止される姿勢は、図1に示すように、ガイド本体4cが斜めに傾き、かつ、ガイド本体4cの延長線付近にスルーチャッカ14Bの入口が位置する姿勢である。また、メダルガイド4の回転が停止される他の姿勢は、ガイド本体4cの傾きが図1に示す場合と90度異なる姿勢である。この姿勢では、ガイド本体4cの延長線付近にスルーチャッカ14Dの入口が位置する。
【0039】
プッシャゲーム機構2は、固定テーブル20と、固定テーブル20上に配置されたスライドテーブル21と、を有している。スライドテーブル21は、図1および図2に示す矢印N2の方向に一定のストロークで往復動自在であり、ゲーム期間中は常時往復動を繰り返している。プッシャゲーム機構2において、メダルNM、SMが固定テーブル20の前縁部からその手前側に落下すると、落下したメダルNM、SMが図示しないメダル払出口に導かれて遊技者に払い出されるよう構成されている。
【0040】
メダル搬送装置5A、5Bおよびメダルホッパ装置6A、6Bは、遊技者がメダル投入口(図示せず)に投入したメダルNM、SMを第1ゲーム領域GF1の上部に導くためのものである。上述したように、実施例1のメダルゲーム機GM1では外径の異なる2種類のメダルNM、SMが使用されるため、メダルホッパ装置6A、6Bとして外径の異なるメダルを取り扱うことのできる、所謂サイズフリー対応のホッパ装置が必要となる。サイズフリー対応のホッパ装置は従来より提案されており、例えば、本願出願人は特開2008−97322号公報で公開された装置を既に提案している。実施例1のメダルゲーム機GM1では上記公報に開示された装置が使用されている。よって、ここでは、メダルホッパ装置6A、6Bの構成についての説明を省略する。メダルホッパ装置6A、6Bのメダル送出口6aはメダル搬送装置5A、5Bにそれぞれ接続されており、メダルホッパ装置6A、6Bの保留ボウル8A、8Bに貯留された2種類のメダルNM、SMはメダルホッパ装置6A、6Bにより一枚ずつ分離されてメダル搬送装置5A、5Bのメダル受入口102にそれぞれ送り出される。
【0041】
メダル搬送装置5A、5Bは、メダルホッパ装置6A、6Bから送り出されたメダルNM、SMをメダル受入口102(換言すれば、第1位置P1)からメダル払出口104(換言すれば、第2位置P2)へ移動させる機能を有する。メダル搬送装置5A、5Bは、メダルNM、SMの移動する様子を遊技者により目視可能に構成されている。メダル搬送装置5A、5Bによりメダル払出口104に移動されたメダルNM、SMは、メダル払出口104に接続されたメダルシュート7A、7Bを介して第1ゲーム領域GF1の上部に放出される。メダル搬送装置5A、5Bについても、メダルホッパ装置6A、6Bと同様に、サイズフリー対応とする必要がある。そのため、実施例1では図4〜図9に示すメダル搬送装置が使用される。メダル搬送装置5A、5Bの詳細については後述する。
【0042】
(ゲーム機の動作)
メダル投入口(図示せず)へメダルNM、SMが投入されると、公知のメダルシュート(図示せず)を介してメダルホッパ装置6A、6Bの保留ボウル8A、8B内にメダルNM、SMが供給される。遊技者により操作スイッチ(図示せず)が操作されると、メダルホッパ装置6A、6Bおよびメダル搬送装置5A、5Bが駆動され、保留ボウル8A、8B内のメダルNM、SMが第1ゲーム領域GF1の上部に供給される。第1ゲーム領域GF1に供給されたメダルNM、SMは、複数の揺動アーム12や複数の固定ピン13に衝突することにより、不可測的に進路を変化させながら第1ゲーム領域GF1を下降する。メダルガイド4の回転盤4a、4b間に進入したメダルNM、SMは、ガイド本体4cに当たると、このガイド本体4cの長手方向に進行するよう案内される。一対のメダルガイド4は、常時、互いに反対方向または同一方向に一定の速度で回転しており、各ガイド本体4cの姿勢が変化することによって、メダルNM、SMの案内される方向に変化が与えられるため、遊技者にとっては面白いものとなる。各メダルガイド4が、例えば、図1に示すような回転角度にある場合、メダルガイド4に進行したメダルNM、SMはスルーチャッカ14B上に導かれる。その結果、スルーチャッカ14Bに向けて進行していなかったメダルNM、SMであっても、メダルガイド4に案内されることによってスルーチャッカ14Bに入る場合があり、より一層面白いものとなる。上述の通り、スルーチャッカ14Bを通過したメダルNM、SMは、ガイド板18によりメダル貯留払出装置3のメダル受け部材3a上に導かれて貯留される。
【0043】
ゲーム制御回路9は、メダルゲームが開始された後、例えば、アニメキャラクタなどを画像表示器15に表示させながら所定のゲームを進める電子ゲームを実行する。この電子ゲームにおいて所定の結果が生じると、ゲーム制御回路9は、メダルガイド4のガイド本体4cが図1に示す角度で傾斜するように、メダルガイド4の回転を一定時間停止させる。これにより、スルーチャッカ14BにメダルNM、SMが入り易くなり、遊技者の興味をそそる。また、メダル受け部材3a上には、短時間で多数枚のメダルが貯留されることとなる。
【0044】
電子ゲームにおいて「当たり」が発生すると、ゲーム制御回路9はメダル貯留払出装置3の往復動作体3cを作動させる。これにより、メダル受け部材3aが傾斜し、メダル受け部材3aに貯留されていた複数枚のメダルNM、SMがプッシャゲーム機構2上に投入される。その際のメダルNM、SMの枚数が多い程、プッシャゲーム機構2上のメダルNM、SMの移動量が大きく、固定テーブル20の前縁部から多数枚のメダルNM、SMが落下することになるので、遊技者に対するメダルNM、SMの払い出し枚数が多くなる。ただし、メダル受け部材3a上に貯留されるメダルNM、SMの枚数は一定ではなく、メダル受け部材3aが傾斜するタイミングによっては、メダル受け部材3aからプッシャゲーム機構2上に供給されるメダルNM、SMの枚数がかなり少ない場合もある。したがって、こうした枚数の差が生じることもゲームの面白さを高めることとなる。
【0045】
ゲーム制御回路9は、電子ゲームにおいて、上記とは別の「当たり」となったときには、メダルガイド4のガイド本体4cが図1に示す場合と90度異なる角度で傾斜するように、その回転を一定時間停止させる。これにより、スルーチャッカ14BにはメダルNM、SMが入り難くなる一方、スルーチャッカ14DにはメダルNM、SMが入り易くなる。この場合、スルーチャッカ14DにメダルNM、SMが入る入賞回数を非常に多くし、このことによって遊技者の興味を大きくそそることができる。スルーチャッカ14Dを開閉式としておき、このスルーチャッカ14Dが開いているときのみ、メダルガイド4を図1に示す場合と90度異なる姿勢で停止させるようにすれば、ゲームとしてより面白いものとなる。ゲーム制御回路9は、スルーチャッカ14Dに所定枚数のメダルNM、SMが入ったときに、例えば、メダルホッパ装置6A、6Bおよびメダル搬送装置5A、5Bを駆動させて多数枚のメダルNM、SMを第1ゲーム領域GF1に供給するといった制御を行なう。
【0046】
メダルゲーム機GM1では、通常メダルNMと、通常メダルNMに対して大径、かつ、高価値の特別メダルSMとが使用可能である。特別メダルSMは、例えば、通常メダルNMの約1.2倍の外径を有し、通常メダル10枚分の価値を有する。大径の特別メダルSMは、プッシャゲーム機構2上において占有面積が大きく、プッシャゲーム機構2上の移動量も大きくなる。そのため、固定テーブル20の前縁部からより多くのメダルNM、SMが落下することになるので、遊技者に対するメダルNM、SMの払い出し枚数が多くなる。しかも、特別メダルSMが払い出された場合、1枚で10枚分の価値が得られるので、遊技者の期待感をそそることとなる。
(メダル搬送装置の構成)
【0047】
次に、図4〜図9を参照しながら、メダル搬送装置5A、5Bについて説明する。メダル搬送装置5A、5Bはメダルゲーム機GM1の鉛直方向の中心軸線に対して左右対称(換言すれば、線対称)となるよう構成されている。よって、ここではメダル搬送装置5Aについてのみ説明し、メダル搬送装置5Bについてはその説明を省略する。
【0048】
メダル搬送装置5Aは、図4〜6に示すように、メダル受入口102からメダル払出口104に向かって延在するメダル案内通路110を有するメダル案内部100と、第1メダル押動体411a〜418aおよび第2メダル押動体411b〜418bがそれぞれ設けられた第1〜第8回転盤401〜408を有するメダル押動機構400と、メダル押動機構400を回転駆動するための回転駆動装置500とを含んでいる。なお、実際にはメダル押動機構400はメダル搬送距離に応じたさらに多数個の回転盤を有しているが、ここでは説明を簡略化するため8個の回転盤401〜408を有する場合について説明する。
【0049】
まず、メダル案内部100について説明する。図4および図5に示すように、メダル案内部100は、ベース体200と、ベース体200の上に設けられたカバ体300とで構成される。ベース体200は平板状の第1部材206の上に第2部材208を積み重ねた構造体からなり、第2部材208には貫通孔215が形成されている。貫通孔215は8つの円形孔がジグザグ状に接続された平面形状を有し、ベース体200の表面202の側にメダル押動機構400を収納可能な凹部216を形成している。凹部216の底面218には、ベース体200の表面202に対してほぼ直角な第1〜第8回転軸線221〜228を有する第1〜第8回転軸231〜238が設けられている。第1〜第8回転軸231〜238は、図6および図9に示すように、ベース体200の裏面204の側から第1部材206を介してネジ穴240に挿入された固定ネジ210により、ベース体200に固定されている。
【0050】
図6、図7および図9に示すように、カバ体300は、互いに平行な表面302および裏面304を有しており、裏面304がベース体200の表面202に重ねられた状態でベース体200に固定されている。カバ体300の表面302および裏面304は、第1〜第8回転軸線221〜228に対してほぼ直角である。カバ体300の裏面304の側には、メダル受入口102からメダル払出口104に向けて延在するメダル案内溝306が形成されている。メダル案内溝306は底面310と第1および第2側面312、314とを有しており、底面310は第1〜第8回転軸線221〜228に対してほぼ直角である。
【0051】
メダル案内溝306の幅wgおよび深さdgは搬送対象のメダルの外径および厚さより僅かに大きくなるように設定されている。換言すれば、搬送対象のメダルが、底面310と第1および第2側面312、314とによって案内されながら、メダル案内溝306の内部を通過可能となるように、メダル案内溝306の幅wgおよび深さdgが設定される。なお、直径および厚さの異なる複数金種のメダルを搬送する場合、メダル案内溝306の幅wgおよび深さdgはメダルの最大径および最大厚に応じて設定される。
【0052】
第1側面312は、第2、第4、第6および第8回転軸線222、224、226、228を中心とする複数の円弧が接続されてなる曲線318に沿って形成されている。第2側面314は、第1、第3、第5および第7回転軸線221、223、225、227を中心とする複数の円弧が接続されてなる曲線316に沿って形成されている。さらに、カバ体300の裏面304には、後述する第1メダル押動体411a〜418aおよび第2メダル押動体411b〜418bが周回する際に、カバ体300への接触を防止する円環状の溝322が第1〜第8回転軸線221〜228のそれぞれに対応して形成されている。
【0053】
ベース体200の表面202と、カバ体300のメダル案内溝306の底面310と、第1および第2側面312、314とにより、メダル案内通路110が構成される。換言すれば、ベース体200の表面202がメダル案内通路110の裏の案内面(第4案内面に相当)118として機能し、カバ体300のメダル案内溝306の底面310がメダル案内通路110の表の案内面(第3案内面に相当)116として機能し、カバ体300のメダル案内溝306の第1および第2側面312、314がメダル案内通路110の左右の案内面(第1および第2案内面に相当)112、114として機能する。そして、メダル案内通路110において、メダル受入口102から導入されたメダルの周面は、メダル案内通路110の左右の案内面112、114(すなわち、メダル案内溝306の第1および第2側面312、314)により案内される。また、メダルの表面および裏面は、メダル案内通路110の表裏の案内面116、118(すなわち、メダル案内溝306の底面310およびベース体200の表面202)により案内される。これにより、メダルNM、SMがメダル案内通路110内を搬送される場合、メダルNM、SMは曲線316、318に沿って蛇行しながら移動する。
【0054】
カバ体300は、光透過性を有する材料を用いて形成される。光透過性を有する材料としては、例えば、アクリル樹脂などの透明または半透明の熱可塑性樹脂を使用する。これにより、カバ体300を介してメダル案内通路110の内部を目視することができ、メダル案内通路110内をメダルNM、SMが蛇行しながら移動する様子をメダル搬送装置5Aの前面側から視認することが可能となる。
【0055】
次に、メダル押動機構400について説明する。図5、図6、図8および図9に示すように、メダル押動機構400は、第1〜第8回転軸231〜238のそれぞれが挿入された第1〜第8回転盤401〜408を有している。第1〜第8回転盤401〜408は、平面視略円形の外形状を有しており、対応する第1〜第8回転軸231〜238において、正逆両方向に回転自在に支持されている。換言すれば、第1〜第8回転盤401〜408は、対応する第1〜第8回転軸線221〜228の回りを回転可能である。
【0056】
第1〜第8回転盤401〜408には、円柱状の外形状をそれぞれ有する一対の第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bがそれぞれ設けられている。すなわち、第1回転盤401の周辺部424において、回転盤401の表面422から突出する第1および第2メダル押動体411a、411bが設けられている。第1および第2メダル押動体411a、411bは第1回転軸231を挟んで対向して配置されており、換言すれば、第1および第2メダル押動体411a、411bは、第1回転盤401において第1回転軸線221を通る直線上に配置されている。第2〜第8回転盤402〜408についても、第1回転盤401と同様に、第2〜第8回転盤402〜408の周辺部424において、第2〜第8回転盤402〜408の表面422から突出する第1および第2メダル押動体412a〜418a、412b〜418bがそれぞれ設けられている。第1および第2メダル押動体412a〜418a、412b〜418bは第2〜第8回転軸222〜228を挟んで対向して配置されており、換言すれば、第1および第2メダル押動体412a〜418a、412b〜418bは、第2〜第8回転盤402〜408において第1〜第8回転軸線222〜228を通る直線上に配置されている。そして、第1〜第8回転盤401〜408が回転すると、第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bが第1〜第8回転軸線221〜228の回りを周回する。
【0057】
図8に示すように、第1、第3、第5および第7回転軸線221、223、225、227は、第1の軸配列線212の上に、所定の間隔dを置いて一列に配置される。第2、第4、第6および第8回転軸線222、224、226、228は、第1の軸配列線212に平行で、かつ、所定の間隔wを置いて位置する第2の軸配列線214の上に、所定の間隔dを置いて一列に配置される。そして、第2、第4、第6および第8回転軸線222、224、226、228は、第1、第3、第5および第7回転軸線221、223、225、227に対して、所定の距離sだけオフセットしている。換言すれば、第1〜第8回転軸線221〜228は、メダル案内通路110の延在方向に沿ってジグザク状(すなわち、千鳥状)に配置される。
【0058】
第1〜第8回転盤401〜408の裏面には、第1〜第8歯車431〜438がそれぞれ設けられている。第1〜第8歯車431〜438の軸挿入孔(図示せず)には、第1〜第8回転軸231〜238がそれぞれ挿入されている。第1〜第8歯車431〜438は第1〜第8回転盤401〜408に対して固定されており、第1〜第8歯車431〜438は対応する第1〜第8回転盤401〜408と共に回転する。
【0059】
この実施例においては、メダル押動機構400の作製コストを低減するために、第1〜第8回転盤401〜408に対して、対応する第1〜第8歯車431〜438と対応する第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bとが一体で形成されている。しかしながら、第1〜第8回転盤401〜408と、第1〜第8歯車431〜438と、第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bとを別に作製し、それらを適宜の方法でアセンブリしたものを使用することも可能である。
【0060】
第1〜第8歯車431〜438は、互いに隣接するもの同士が噛み合っている。すなわち、第2歯車432は第1および第3歯車431、433と噛み合っている。同様に、第4歯車434は第3および第5歯車433、435と噛み合い、第6歯車436は第5および第7歯車435、437と噛み合っている。第8歯車408は第7歯車437と噛み合っている。そのため、第1、第3、第5および第7回転盤401、403、405、407と、第2、第4、第6および第8回転盤402、404、406、408とが、図8の矢印R1、R2に示すように、互いに相反する方向に回転する。換言すれば、第1および第2メダル押動体411a、411b、413a、413b、415a、415b、417a、417bと、第1および第2メダル押動体412a、412b、414a、414b、416a、416b、418a、418bとが互いに相反する方向R1、R2に周回する。
【0061】
第1〜第8回転盤401〜408のうちの隣接する一対において、第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bが所定の回転位相差を保つように配置される。例えば、隣接する第1および第2回転盤401、402において、第1メダル押動体411aと412aおよび第2メダル押動体411bと412bとが所定の回転位相差を保つように配置される。具体的には、周回する第1メダル押動体411aが第1および第2回転軸線221、222を含む平面Pに到達した際に、周回する第1メダル押動体412aが平面Pに対して歯車ピッチの1/2だけ手前の位置に到達するように、第1メダル押動体411aと412aとが配置される。換言すれば、第1回転盤401の第1および第2メダル押動体411a、411bと第2回転盤402の第1および第2メダル押動体412a、412bとがほぼ相対する回転位置が得られるよう設定される。同様に、周回する第2メダル押動体411bが第1および第2回転軸線221、222を含む平面Pに到達した際に、周回する第2メダル押動体412bが平面Pに対して歯車ピッチの1/2だけ手前の位置に到達するように、第2メダル押動体411bと412bとが配置される。第2および第3回転盤402、403、第3および第4回転盤403、404、第4および第5回転盤404、405、第5および第6回転盤405、406、第6および第7回転盤406、407、第7および第8回転盤407、408のそれぞれにおいても同様である。
【0062】
上記の構成を有するメダル押動機構400は、ベース体200の凹部216の内部に収納される。すなわち、第1〜第8回転盤401〜408および第1〜第8歯車431〜438が凹部216に収納される。第1および第8回転盤401〜408のそれぞれの表面422は、ベース体200の表面202とほぼ面一になるよう配置される。そのため、第1〜第8回転盤401〜408のそれぞれの表面422に設けられた第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bは、ベース体200の表面202からの上方に向けて突出する。換言すれば、第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bは、メダル案内通路110内にそれぞれ突出する。したがって、第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bが周回すると、メダル案内通路110において、第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bがメダルの周面に接触しながら回転方向に沿って移動し、それによりメダルが押し動かされる。
【0063】
なお、上述したように、第1および第8回転盤401〜408のそれぞれの表面422がベース体200の表面202とほぼ面一になるよう配置されるので、表面422がメダル案内通路110の裏の案内面118と協働してメダルを案内するので、より円滑にメダルを搬送できる。
【0064】
次に、回転駆動装置500について説明する。回転駆動装置500は、電気モータ502と、電気モータ502の駆動軸(図示せず)が接続された減速機構504とを有している。減速機構504の出力軸(図示せず)は、第1回転軸231に接続されている。第1回転盤401および第1歯車431は、第1回転軸231を介して減速機構504の出力軸に接続されている。
【0065】
第1歯車431を駆動歯車として機能させるため、第1回転盤401および第1歯車431は第1回転軸231に固定されている。そのため、電気モータ502が作動すると、電気モータ502の駆動軸の回転が減速機構504を介して第1回転軸231に伝達され、第1回転盤401および第1歯車431が回転する。第1〜第8歯車431〜438は隣接するもの同士が噛み合っているので、第1歯車431の回転が第2〜第8歯車432〜438に順次伝達される。すなわち、第2〜第8歯車432〜438が従動歯車として機能する。こうして、メダル押動機構400が駆動され、第1〜第8回転盤401〜408が回転すると共に、第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bが周回する。
【0066】
なお、メダルホッパ装置6A(および6B)の駆動力を他の歯車を介して第1歯車431に伝達することにより、メダル搬送装置5A(および5B)のメダル押動機構400を駆動してもよい。その場合、回転駆動装置500を省略できるので、製造コストを低減することが可能となる。
【0067】
(メダル搬送装置の動作)
次に、図10〜図17を参照して、メダル搬送装置5Aの動作について説明する。図10は、電気モータ502が作動し、メダル押動機構400が駆動された状態で、メダル受入口102からメダル案内通路110内にメダルM1が導入された状態を示す。図10において、第1回転盤401が半時計方向(すなわち、R1方向)に回転し、第2回転盤402が時計方向(すなわち、R2方向)に回転する。第1回転盤401の回転に伴って、第1メダル押動体411aがR1方向に周回し、メダルM1の周面に接触する。第1メダル押動体411aがR1方向にさらに移動すると、メダルM1が第1メダル押動体411aに図10の右上方向に押動され、メダルM1の周面がメダル案内通路110の右の案内面114に押し付けられる。
【0068】
さらに、第1メダル押動体411aがメダルM1を押動し続けると、図11に示すように、メダルM1は右の案内面114に周面を案内されて、メダル案内通路110の延在方向(すなわち、図9の上側方向)に移動する。
【0069】
第1メダル押動体411aが時計の3時の位置を過ぎると、図12に示すように、メダルM1は第1メダル押動体411aに左上方向に押動され、メダルM1の周面がメダル案内通路110の左の案内面112に押し付けられる。そして、メダルM1は左の案内面112に周面を案内されて、メダル案内通路110を上側方向に移動する。また、第2回転盤402のR2方向への回転に伴って、第1メダル押動体412aがメダルM1に接近する。
【0070】
次に、図13に示すように、第1回転盤401の第1メダル押動体411aがメダルM1の周面に接触したまま、さらに第2回転盤402の第1メダル押動体412aがメダルM1の周面に接触する。この状態では、第1メダル押動体411a、412aの双方が左上方向にメダルM1を押動するので、メダルM1は左の案内面112に周面を案内されて、メダル案内通路110を上側方向に移動する。また、メダル受入口102からは次のメダルM2がメダル案内通路110に導入される。
【0071】
次に、図14に示すように、第1回転盤401のさらなる回転によって、第1メダル押動体411aのメダルM1の周面への接触が解除されると共に、第2メダル押動体411bがメダルM2の周面に接触する。そのため、メダルM1は第2回転盤402の第1メダル押動体412aによって押動され、メダルM2は第1回転盤401の第2メダル押動体411bにより押動される。メダルM2はメダルM1の場合と同様に、メダル案内通路110の右の案内面114に案内されて上側方向に移動する。
【0072】
さらに、図15に示すように、第3回転盤403の第1メダル押動体413aがメダルM1の周面と接触し、第1メダル押動体412a、413aの双方がメダルM1を右上方向に押動する。メダルM1は、メダル案内通路110の右の案内面114に周面を案内されて上側方向へ移動する。また、メダルM2は第1回転盤401の第2メダル押動体411bに押動され、メダル案内通路110の右の案内面114に周面を案内されて上側方向へ移動する。
【0073】
次に、図16に示すように、第2回転盤402のさらなる回転によって、第1メダル押動体412aのメダルM1の周面への接触が解除される。そのため、メダルM1は第3回転盤403の第1メダル押動体413aによって押動され、メダル案内通路110の右の案内面114に周面を案内されて上側方向へ移動する。また、メダルM2は第1回転盤401の第2メダル押動体411bにより押動され、メダル案内通路110の左の案内面112に周面を案内されて上側方向へ移動する。さらに、メダル受入口102からは次のメダルM3がメダル案内通路110に導入される。
【0074】
上記のメダル押動機構400の動作が繰り返されることにより、図17に示すように、メダルM1、M2、M3はメダル案内通路110内をメダル受入口102からメダル払出口104に向けて搬送される。そして、メダル払出口104からメダルM1、M2、M3が順次排出される。なお、メダルM1、M2、M3の排出時において、排出されたメダル数がメダル払出口104の近傍に設けられたメダル数計数器120により計数される。
【0075】
上述した通り、実施例1のメダルゲーム機GM1では、メダル搬送装置5A、5Bがメダル受入口102(すなわち、第1位置P1)からメダル払出口104(すなわち、第2位置P2)に向けて延在するメダル案内通路110を有する。メダル案内通路110は、メダルの周面を案内する左右の案内面(すなわち、第1および第2案内面)112、114と、メダルの表裏面をそれぞれ案内する表裏の案内面(すなわち、第3および第4案内面)116、118と、を有し、メダルゲーム機GM1の少なくとも前方からメダルの移動が目視可能に構成される。第1および第2案内面112、114は、複数の回転軸線221〜228のそれぞれを中心とする複数の円弧を接続した曲線316、318に沿って形成される。換言すれば、メダル案内通路110は、円弧を接続した曲線316、318に沿って蛇行する。そのため、メダル案内通路110内のメダルは、メダル案内通路110に沿って蛇行しながらメダル受入口102(すなわち、第1位置P1)からメダル払出口104(すなわち、第2位置P2)へ移動する。しかも、その様子はメダルゲーム機の前方から視認できる。この蛇行しながら移動するメダルの様子は、優れた視覚効果をもたらし、ゲームの演出性が高められる。
【0076】
また、メダル搬送装置5A、5Bが、表裏の案内面(すなわち、第3および第4案内面)116、118に略垂直な複数の回転軸線221〜228の回りをそれぞれ回転する複数の回転盤401〜408と、複数の回転盤401〜408上にそれぞれ設けられた複数のメダル押動体411a〜418a、411b〜418bと、を有する。複数の回転盤401〜408は、メダル受入口102(すなわち、第1位置P1)からメダル払出口104(すなわち、第2位置P2)に向かって所定の順に配置される。複数のメダル押動体411a〜418a、411b〜418bは、メダル案内通路110内に突出し、対応する回転軸線221〜228の回りを周回することによりメダルを押動する。複数の回転盤401〜408のうち隣接する一対において、一方の回転盤401、403、405、407は第1回転方向R1に回転し、他方の回転盤402、404、406、408は第1回転方向R1と相反する第2回転方向R2に回転する。一方の回転盤401、403、405、407および他方の回転盤402、404、406、408のそれぞれの回転位置は、一方の回転盤401、403、405、407のメダル押動体411a、413a、415a、417a、411b、413b、415b、417bと他方の回転盤402、404、406、408のメダル押動体412a、414a、416a、418a、412b、414b、416b、418bとが所定の回転位相差を保ちながら周回するよう設定される。所定の回転位相差は、例えば、一方の回転盤401、403、405、407のメダル押動体411a、413a、415a、417a、411b、413b、415b、417bと他方の回転盤402、404、406、408のメダル押動体412a、414a、416a、418a、412b、414b、416b、418bとがほぼ相対する回転位置が得られるよう設定される。これにより、一方の回転盤401、403、405、407のメダル押動体411a、413a、415a、417a、411b、413b、415b、417bによる押動が終了したメダルを他方の回転盤402、404、406、408のメダル押動体412a、414a、416a、418a、412b、414b、416b、418bにより続いて押動することができる。そのため、メダル受入口102(すなわち、第1位置P1)に位置するメダルは、周回する複数のメダル押動体411a〜418a、411b〜418bにより順次押動され、メダル案内通路110に沿ってメダル払出口104(すなわち、第2位置P2)へと移動される。
【0077】
このように、左右の案内面(すなわち、第1および第2案内面)112、114により周面が案内され、かつ、表裏の案内面(すなわち、第3および第4案内面)116、118により表裏面を案内されたメダルを第1〜第8回転軸線221〜228の回りを周回するメダル押動体411a〜418a、411b〜418bにより押動してメダルを移動させた場合、搬送可能なメダルの外径(直径)または厚みの範囲が広くなる。すなわち、メダル案内通路110内に突出したメダル押動体411a〜418a、411b〜418bは左右の案内面(すなわち、第1および第2案内面)112、114の間に配置されるので、左右の案内面(すなわち、第1および第2案内面)112、114とメダル押動体411a〜418a、411b〜418bとの間の間隔よりも大きく、かつ、左右の案内面(すなわち、第1および第2案内面)の間隔よりも小さい範囲の外径(直径)を有するメダルであれば、左右の案内面(すなわち、第1および第2案内面)のいずれか一方とメダル押動体411a〜418a、411b〜418bとにより支えられながら移動されて搬送が可能となる。したがって、搬送可能なメダルの外径範囲が広くなる。他方、メダル押動体411a〜418a、411b〜418bのそれぞれによりメダルが一つずつ押動されて搬送されるので、メダル案内通路110内において隣接するメダル同士が重なり合うことがない。そのため、表裏の案内面(すなわち、第3および第4案内面)116、118の間隔を広く設定しても、メダル詰まりが生じることがない。したがって、搬送可能なメダルの厚み範囲が広くなる。よって、外径や厚みの異なるメダル(すなわち、通常メダルNMおよび特別メダルSM)を使用できる。
【0078】
このように、通常メダルNMおよび特別メダルSMが混在して使用されることにより、遊技者は高価値の特別メダルSMが払い出されることを期待してゲームに一層熱中するようになる。よって、メダルゲーム機GM1において、新たなゲーム性が創出されることとなる。
【実施例2】
【0079】
図18および図19は、本発明の実施例2のメダルゲーム機を構成するメダル搬送装置5AAのベース体200Aを示す。この実施例2のメダル搬送装置5AAは、ベース体200Aの第1〜第8回転盤401A〜408Aがそれぞれ複数の発光手段601を有する点において、実施例1のメダル搬送装置5Aと相違する。それ以外は、実施例1のメダル搬送装置5Aとほぼ同じ構成を有しているので、図18および図19において、実施例1のメダル搬送装置5Aと同じ要素には同一の符号を付してその説明を省略する。なお、実施例1のメダル搬送装置5Bに対応するメダル搬送装置5ABにおいても、メダル搬送装置5AAと同一の構成を有しており、ここではメダル搬送装置5AAについてのみ説明し、メダル搬送装置5ABについての説明を省略する。
【0080】
図18および図19に示すように、メダル搬送装置5AAにおいて、第1〜第8回転盤401A〜408Aのそれぞれが有する発光手段601は、第1〜第8回転軸線221〜228を中心とする配列円440上に等間隔で配置されている。発光手段601は、発光素子602およびカバーレンズ603を含んで構成されている。発光素子602は、例えば、発光ダイオードである。第1〜第8回転盤401A〜408Aおよび第1〜第8歯車431〜438には発光手段601の配置される位置に平面視円形の収納孔606が形成され、発光手段601は対応する収納孔606内に配置される。カバーレンズ603は、収納孔606とほぼ同一の直径を有する円板状で、その表面が第1〜第8回転盤401A〜408Aの表面と面一になるよう配置され、収納孔606を閉塞している。発光素子602は、カバーレンズ603よりも収納孔606内に後退した位置に配置され、その全体が収納孔606内に収納されている。第1〜第8歯車431〜438の裏面側には、収納孔606よりも径大の円柱状であり、かつ、収納孔606に連通する開口607が形成されている。開口607内にはバネ性を有する一対の接触子604が配置され、一対の接触子604が発光素子602の正および負の入力端子(図示せず)にそれぞれ電気的に接続されている。ベース体200Aの凹部216内において、ベース体200Aの第1部材206には、発光素子602に電力を供給するための配線パターン605が形成されている。接触子604が配線パターン605に接触することにより、配線パターン605が接触子604を介して発光素子602に電気的に接続される。配線パターン605は第1〜第8回転軸線221〜228を中心とする円形パターン部(図示せず)を有しており、第1〜第8回転盤401A〜408Aが回転されても、接触子604が円形パターン部上を摺動することにより接触子604と配線パターン605との接触状態が維持され、発光素子602に電力が供給できるようになっている。
【0081】
実施例2のメダルゲーム機では、メダル搬送装置5AA、5ABがメダルNM、SMを搬送する際に発光手段601を発光させる。これにより、メダルNM、SMの搬送時には第1〜第8回転盤401A〜408Aの回転に伴って発光手段601が第1〜第8回転軸線221〜228の回りを周回しながら発光する。そのため、視覚効果が一層高まり、独特の演出効果が得られる。
【0082】
なお、上記実施例2では、第1〜第8回転盤401A〜408Aのそれぞれに8つの発光手段601を設けているが、発光手段601の個数は適宜変更が可能である。また、発光手段601は、第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bに設けることもできるし、第1〜第8回転盤401A〜408Aと第1および第2メダル押動体411a〜418a、411b〜418bの両方に設けることも可能である。
【実施例3】
【0083】
図20は、本発明の実施例3のメダルゲーム機を構成するメダル搬送装置5BAのベース体200Bを示す。この実施例3のメダル搬送装置5BAは、ベース体200Bの第1〜第8回転盤401B〜408Bが発光手段601のそれぞれに対応する発電手段611を有する点において、実施例2のメダル搬送装置5AAと相違する。それ以外は、実施例2のメダル搬送装置5AAとほぼ同じ構成を有しているので、図20において、実施例2のメダル搬送装置5AAと同じ要素には同一の符号を付してその説明を省略する。なお、実施例1のメダル搬送装置5Bに対応するメダル搬送装置5BBにおいても、メダル搬送装置5BAと同一の構成を有しており、ここではメダル搬送装置5BAについてのみ説明し、メダル搬送装置5BBについての説明を省略する。
【0084】
図20に示すように、第2回転盤406Bが有する発電手段611は、発電コイル612および磁石体613により構成される。第2歯車432の裏面側には開口614が形成され、その開口614内に発電コイル612および磁石体613が配置される。発電コイル612は、発光手段601のそれぞれに対応して配置される。磁石体613は、開口614内においてベース体200Bの第1部材206に固定されると共に、第2回転軸線222に直角な方向にN極およびS極が配置される。発電コイル612は、磁石体613のN極およびS極間に配置されると共に、開口614内において第2歯車432に固定される。換言すれば、発電コイル612は、第2歯車432および第2回転盤402Bの回転に伴って、第2回転軸線222の回りを周回可能である。発電コイル612の一対の出力端子(図示せず)は、整流回路615を介して、対応する発光素子602の正および負の入力端子に電気的に接続されている。磁石体613のN極およびS極間に形成される磁束は、発電コイル612に供給され、この状態で発電コイル612が第2回転軸線222の回りを周回すると、発電コイル612に電力が発生する。発生した電力は、整流回路615により交流−直流変換されて、対応する発光素子602に供給される。それにより、発光素子602が発光する。第1回転盤401Bおよび第3〜第8回転盤403B〜408Bにおいても、第2回転盤402Bと同様に構成され、それぞれに設けられた発電手段611により対応する発光措置602が発光する。
【0085】
実施例3のメダルゲーム機では、発電手段611による発電電力量が第1〜第8回転盤401B〜408Bの回転速度に対応するので、第1〜第8回転盤401B〜408Bの回転速度を変化させることにより発光手段601の輝度が変化して、視覚効果が一層高まる。
【実施例4】
【0086】
図21は、本発明の実施例4のメダルゲーム機GM4を示す。この第4実施例のメダルゲーム機GM4は、図1のメダル搬送装置5Aを線搬送部分621、622および面搬送部分623を含んで構成されたメダル搬送装置5CAに置換すると共に、図1のメダル搬送装置5Bを省略したものに相当する。それ以外は、実施例1のメダルゲーム機GM1とほぼ同じ構成を有しているので、図21において、実施例1のメダルゲーム機GM1と同じ要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
図21に示すように、メダルゲーム機GM4のメダル搬送装置5CAは、メダルNM、SMを一方向に向けて搬送する線搬送部分621、622と、搬送方向を変更しながら一筆書き状の二次元パターンを描くようにメダルNM、SMを搬送する面搬送部分623とを含んで構成される。線搬送部分621は、図1のメダル搬送装置5Aと同様に、鉛直方向に延在するメダル案内通路110を有し、メダルホッパ装置6Aから送り出されたメダルNM、SMを鉛直上方に向けて搬送する。線搬送部分622は、線搬送部分621に接続されると共に右方向に延在するメダル案内通路110を有し、線搬送部分621により搬送されたメダルNM、SMを水平方向に搬送する。面搬送部分623は、線搬送部分622に接続されると共に、鉛直または水平に方向を変更しながら延在するメダル案内通路110を有する。面搬送部分623のメダル案内通路110は、所定面上において互いに交わることなく連続する一筆書き状の二次元パターンを形成している。面搬送部分623により搬送されたメダルNM、SMは、メダル払出口104から第1ゲーム領域GF1に放出される。
【0088】
実施例4のメダルゲーム機GM4では、メダル搬送装置5CAの面搬送部分623におけるメダル案内通路110が二次元パターンを形成するので、その二次元パターンをゲーム内容に合わせて適宜にデザインすることにより、ゲーム内容に適合した新たな視覚効果を創出できる。
【実施例5】
【0089】
図22は、本発明の実施例5のメダルゲーム機GM5を示す。この実施例5のメダルゲーム機GM5は、図21のメダル搬送装置5CAをメダル解放機構631を有するメダル搬送装置5DAに置換したものである。それ以外は、実施例4のメダルゲーム機GM4とほぼ同じ構成を有しているので、図22において、実施例4のメダルゲーム機GM4と同じ要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0090】
図22に示すように、メダルゲーム機GM5のメダル搬送装置5DAは、面搬送部分623においてメダル案内通路110内のメダルNM、SMを第1ゲーム領域GF1に一斉に放出するメダル解放機構631を有している。面搬送部分623は、メダルNM、SMを放出しない第1領域623aと、メダルNM、SMを放出可能な第2領域623bとを有している。面搬送部分623のカバ体300Dは、第1領域623aに対応する第1カバ体部分300Daと、第2領域623bに対応する第2カバ体部分300Dbとにより構成される。第1カバ体部分300Daは、ベース体200Dに固定されている。第2カバ体部分300Dbは、その上端がベース体200Dの表面に設けられた支軸632に回動自在に支持されることにより、ベース体200Dに対してピボット運動可能である。第2カバ体部分300Dbは付勢手段637によりベース体200Dに向かう方向(図22(B)の半時計方向)に付勢され、搬送時には第2カバ体部分300Dbがベース体200D上に密着された状態が維持される。メダル解放機構631は、第2カバ体部分300Dbと、第2カバ体部分300Dbをピボット運動させる駆動装置633とを含んで構成される。
【0091】
第2領域623bの右下部において、ベース体200Dの裏面側には、駆動装置633が配置されている。駆動装置633は、アーマチャ635を有するソレノイド634である。ベース体200Dのアーマチャ635に対応する位置には、ベース体200Dの表面から裏面に向かう貫通孔636が形成されている。アーマチャ635は貫通孔636内に挿入され、その先端が第2カバ体部分300Dbの裏面に接触している。ソレノイド634が消磁された状態では、付勢手段637の付勢力により第2カバ体部分300Dbを介してアーマチャ635が押し戻され、第2カバ体部分300Dbがベース体200D上に密着する。これにより、第2領域623bにおいてメダル案内通路110が形成され、メダル案内通路110内におけるメダルNM、SMの移動が可能となる。ソレノイド634が励磁された状態では、付勢手段37の付勢力に抗してアーマチャ635が突出し、第2カバ体部分300Dbが図22(B)の時計方向にピボット運動する。これにより、第2カバ体部分300Dbがベース体200Dから離れた状態となり、第2領域623bにおいてメダル案内通路110内のメダルNM、SMが第1ゲーム領域GF1に放出される。
【0092】
実施例5のメダルゲーム機GM5では、電子ゲームにおいて所定の「当たり」が発生すると、メダル解放機構631により面搬送部分623の第2領域623bからメダルNM、SMを一斉に解放して第1ゲーム領域GF1に放出するようにする。これにより、第1ゲーム領域GF1の上方から瀑布のようにメダルNM、SMが降り注がれるので、新たな視覚効果が得られると共に、新たなゲーム性が創出されることとなる。
【実施例6】
【0093】
図23は、本発明の実施例6の射的ゲーム機GM6を示す。この実施例6の射的ゲーム機GM6は、図4のメダル搬送装置を射的ゲームに応用したもので、移動するメダルを標的として射的を行うゲーム機である。射的ゲーム機GM6は、筐体701の上部内に起立して配置された的領域703と、的領域703の標的に向けて弾丸を発射する射的銃702と、筐体701の下部内に配置されたメダルホッパ装置6Eと、メダルホッパ装置6Eから送り出されたメダルを的領域703に搬送するメダル搬送装置5Eと、撃ち落されたメダルを受け入れるメダル受け容器705と、メダル受け容器705内のメダルを払出口707へ導くメダルシュート706と、を備えている。
【0094】
的領域703は、筐体701の前面に形成された開口701aにより画定される領域であり、平面視矩形の形状を有している。射的銃702は、筐体701のテーブル701bから上方に延びる支持アーム704上に設置され、上下左右に銃口の向きを変更可能に支持されている。メダルホッパ装置6Eは、図1のメダルホッパ装置6Aと同一であり、外径の異なる2種類のメダルM(すなわち、通常メダルNMおよび特別メダルSM)を一枚ずつ分離してメダル搬送装置5Eへ送り出す。
【0095】
メダル搬送装置5Eは、図1のメダル搬送装置5Aとほぼ同じ構成を有し、メダルホッパ装置6Eから送り出されたメダルNM、SMを鉛直上方に搬送した後、搬送方向を水平方向に変え、的領域703内においてメダルNM、SMを横方向に移動させる。そのため、メダル搬送装置5Eのメダル案内通路110は、逆L字形状を有している。メダル搬送装置5Eのメダル払出口104は、搬送されたメダルNM、SMをメダル貯留容器708に放出するメダルシュート709に接続されている。
【0096】
的領域703において、メダル搬送装置5Eのカバ体300Eの一部分は取り除かれている。すなわち、メダル案内溝(図示せず)の第2側面314Eに沿って形成される曲線CLより上方の部分が削除されている。換言すれば、メダル案内溝の底面310Eのうち、曲線CLより下方の僅かな領域のみが残存する。これにより、的領域703を移動するメダルNM、SMの一面は残存する僅かな底面310Eにより案内されることになり、弾丸が命中した場合にはその衝撃力で前方に投げ出される。
【0097】
メダル受け容器705は、矩形の開口705aを上方に向け、的領域703の前方下方に配置された漏斗状の容器で、側部に傾斜面705bを有すると共に、底部にメダル落下口705cが形成されている。メダルシュート706は、メダル受け容器705と払出口707との間に配置されると共に、メダル落下口705cを介してメダル受け容器705に連通している。メダル受け容器705に受け入れられたメダルNM、SMは、メダル受け容器705の傾斜面を滑落してメダル落下口705cに移動し、メダルシュート706を通って払出口707に導かれる。
【0098】
次に、射的ゲーム機GM6の動作について説明する。メダルホッパ装置6Eには、予め、通常メダルNMと、通常メダルNMに対して小径、かつ、高価値の特別メダルSMとが貯留されている。ゲームが開始されると、貯留されたメダルNM、SMメダルはホッパ装置6Eによりメダル搬送装置5Eに送り出され、メダル搬送装置5Eが的領域703にメダルNM、SMメダルを搬送する。的領域703において、メダルNM、SMはメダル搬送装置5Eにより上下に蛇行しながら移動される。遊技者は、射的銃702の銃口を上下左右に移動させながら、狙ったメダルNM、SMに対し弾丸を発射する。弾丸がメダルNM、SMに命中すると、そのメダルNM、SMが弾丸の衝撃力で前方に投げ出され、メダル受け容器705に落下する。落下したメダルNM、SMは、メダルシュート706を介して払出口707に払い出される。弾丸が命中しなかったメダルはメダル搬送装置5Eにより的領域703外に移動され、メダル払出口104から下方に落下し、メダルシュート709を介してメダル貯留容器708に放出される。
【0099】
実施例6の射的ゲーム機GM6では、通常メダルNMと、通常メダルNMに対して小径、かつ、高価値の特別メダルSMとが標的として使用される。そのため、遊技者が高価値の特別メダルSMを撃ち落そうとしても、小径の特別メダルSMに弾丸を命中させることは困難である。しかも、メダル搬送装置5EによりメダルNM、SMが上下方向に蛇行しながら移動されるため、小径の特別メダルSMに弾丸を命中させることは一層困難となる。それゆえ、高価値の特別メダルSMを狙って撃ち落したときの満足感は大きくなる。したがって、メダルの移動において高い視覚効果が得られると共に、新たなゲーム性が創出される。
【実施例7】
【0100】
図24は、本発明の実施例7の射的ゲーム機GM7を示す。この射的ゲーム機GM7は、メダル搬送装置5Fが的領域703を左右に横切ると共に前方から後方に向かうように配置される点において、図23の射的ゲーム機GM6と相違する。それ以外は、実施例6の射的ゲーム機GM6と同じ構成を有しているので、図24において、実施例6の射的ゲーム機GM6と同じ要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0101】
図24に示すように、実施例7の射的ゲーム機GM7は、平面視斜めに配置されたメダル搬送装置5Fを備えている。すなわち、筐体701内の左方においてメダル搬送装置5Fは相対的に前方に位置し、筐体701内の右方においてメダル搬送装置5Fは相対的に後方に位置する。そのため、メダル搬送装置5Fにより搬送されるメダルNM、SMは、的領域703の左端703aに出現したときには前方に位置し、右方への移動に伴い後方に遠ざかりながら的領域703の右端703bに達する。換言すれば、メダル搬送装置5Fにより搬送されるメダルNM、SMは、的領域703において左右に移動されるだけでなく、前後にも移動される。
【0102】
実施例7の射的ゲーム機GM7では、メダルNM、SMの移動に奥行き感が付加され、三次元の視覚効果が得られる。なお、メダル搬送装置5Fは、的領域703を左右に横切ると共に後方から前方に向かうように配置しても良い。その場合にも、同様の三次元の視覚効果を得ることができる。
【実施例8】
【0103】
図25は、本発明の実施例8のメダルゲーム機GM8を示す。この実施例8のメダルゲーム機GM8は、複数のメダルゲーム台GMS1〜GMS6の集合体からなり、メダルゲーム台GMS1〜GMS6のそれぞれにおいて遊技者がゲームを行うことができる。メダルゲーム機GM8は、複数のメダル搬送装置801〜802と、メダル搬送装置801〜806のそれぞれに対応して設けられた複数のメダル振分装置810およびメダル識別装置820と、を備えている。複数のメダル搬送装置801〜806は、隣接するメダルゲーム台GMS1〜GMS6の間に配置されている。すなわち、メダルゲーム台GMS1、GMS6の間にはメダル搬送装置801が配置され、メダルゲーム台GMS1、GMS2の間にはメダル搬送装置802が配置されている。メダルゲーム台GMS3、GMS2の間にはメダル搬送装置803が配置され、メダルゲーム台GMS3、GMS4の間にはメダル搬送装置804が配置されている。メダルゲーム台GMS5、GMS4の間にはメダル搬送装置805が配置され、メダルゲーム台GMS5、GMS6の間にはメダル搬送装置806が配置されている。
【0104】
メダル搬送装置801〜806は、同じ構成を有しており、ここではメダル搬送装置801についてのみ説明し、メダル搬送装置802〜806の説明を省略する。また、メダル搬送装置801は、図26に示すように、図4のメダル搬送装置5Aとほぼ同様の構成を有している。そのため、図26において、図4のメダル搬送装置5Aと同じ要素には同一の符号を付してその説明を省略する。メダル搬送装置801の上部において、メダル案内通路110は上方に直線的に延在している。メダル搬送装置801のメダル払出口104は、メダル振分装置810の振分通路818に連通している。
【0105】
メダル振分装置810はメダルを左右に振り分ける機能を有するものであり、ここでは特許第3994132号公報に開示された振分装置が用いられている。しかし、同様な機能を有するものであれば、その構成は特に限定されない。図26に示すように、メダル振分装置810は、メダル搬送装置801のメダル案内通路110の延長線上に配置された移動ローラ815および偏向ピン813を有している。偏向ピン813は、ベース体200に穿孔されたガイド孔813aにスライド可能に挿入され、メダル案内通路110の延長線上において中心線CLに対し左側位置に配置されている。偏向ピン813は、位置変更装置817により、振分通路818内に突出する位置と振分通路818から退出する位置との間を移動可能である。移動ローラ815は、メダル案内通路110の中心線CLに対し右側位置に配置された移動シャフト814に回転自在に支持されている。移動シャフト814は、ベース体200に穿孔された長孔816に挿入され、長孔816に沿って移動可能である。移動シャフト814は、付勢手段(図示せず)によりメダル案内通路110に近づくよう付勢されている。
【0106】
位置変更装置817により偏向ピン813が振分通路818内に突出されると、メダル払出口104から送り出されたメダルは振分通路818内において偏向ピン813により左側通路819aへの進入を阻止される。そのため、振分通路818内のメダルは、移動ローラ815を押し上げながら右側通路819bへ進入し、右払出口812から放出される。他方、位置変更装置817により偏向ピン813が振分通路818内から退出されると、振分通路818内のメダルは左側通路819aへの進入が可能となる。右側通路819bへ進入するには移動ローラ815の付勢力に抗する必要があり、メダルは左側通路819aへ導かれて左払出口811から放出される。
【0107】
メダル識別装置820は、メダル搬送装置801〜806のメダル払出口104近傍に配置され、それぞれのメダル払出口104を通過するメダルの種類を識別する。識別は、メダルの外径(直径)、一面に形成された模様、色、材質などの識別対象項目に基づいて行われる。メダル識別装置820の構成は識別対象項目に応じて設定され、ここではメダルの外径を識別対象項目としている。そのため、図28に示すように、メダル識別装置820は、メダルの直径を検出する直径検出装置821と、直径検出装置821の検出結果からメダルの種類を識別するメダル識別制御装置822とを含んで構成される。直径検出装置821としては、撮像装置による画像処理型、コイル電流の変化を検出するコイル型、接触子の変位量を検出する接触子型などが使用可能である。ここでは、画像処理により直径を検出している。直径検出装置821は検出された直径値に対応する直径識別信号DSをメダル識別制御装置822に出力する。メダル識別制御装置822は、供給された直径識別信号DSに基づいてメダルの種類を識別し、メダル識別信号MDSを出力する。
【0108】
図28に示すように、メダル搬送装置801〜806のそれぞれにおいて、メダル識別装置820から出力されたメダル識別信号MDSは、ゲーム機制御装置807に供給される。ゲーム機制御装置807は、供給されたメダル識別信号MDSに基づいて対応するメダル振分装置810に振分制御信号SCSを出力する。メダル振分装置810は、供給された振分制御信号SCSに基づいてメダルを左払出口811および右払出口812のいずれか一方から放出する。
【0109】
実施例8のメダルゲーム機GM8では、隣接するメダルゲーム台GMS1〜GMS6の間にメダル搬送装置801〜806が配置され、メダル振分装置810によりメダルを左払出口811および右払出口812のいずれか一方から放出する。そのため、メダル搬送装置801により搬送されるメダルは、隣接するメダルゲーム台GMS1、GMS6のいずれかに供給される。同様に、メダル搬送装置802〜806により搬送されるメダルは、隣接するメダルゲーム台GMS1〜GMS6のいずれかに供給される。そして、メダルの移動する様子を遊技者が視認することができる。したがって、遊技者に対し、自己が対面するゲーム台にメダルが供給されるか否かの期待感を持たせながら、ゲームが進行することになる。メダル搬送装置801〜806により通常メダルNMと特別メダルSMとが混在する状態であれば、遊技者の期待感は一層高められる。したがって、メダルの移動において高い視覚効果が得られると共に、新たなゲーム性が創出される。
【実施例9】
【0110】
図29は、本発明の実施例9のメダルゲーム機を構成するメダル識別装置820Aを示す。この実施例9のメダル識別装置820Aは、図27のメダル識別装置820の直径検出装置821に加え、模様検出装置823、材質検出装置824および色検出装置825を追加したものである。それ以外は、実施例8のメダルゲーム機GM8と同じ構成を有している。
【0111】
実施例9のメダルゲーム機では、直径検出装置821が、図27のメダル識別装置820の場合と同様に、検出された直径値に対応する直径識別信号DSをメダル識別制御装置822に出力する。模様検出装置823がメダルの一面に形成された模様を検出し、検出された模様に対応する模様識別信号PSをメダル識別制御装置822Aに出力する。模様検出装置823としては、撮像装置による画像処理型が一般的に使用される。材質検出装置824がメダルの材質を検出し、検知された材質に対応する材質識別信号MSをメダル識別制御装置822Aに出力する。また、色検出装置825がメダル表面の色を検出し、検出された色に対応する色識別信号CSをメダル識別制御装置822Aに出力する。メダル識別制御装置822Aは、供給された直径識別信号DS、模様識別信号PS、材質識別信号MSおよび色識別信号CSに基づいてメダルの種類を識別し、メダル識別信号MDSを出力する。すなわち、直径、模様、材質および色の違いでメダルを識別することができる。このように、直径、模様、材質および色の異なる多種のメダルを混在させた状態でゲームを行うことができるので、メダルの移動において実施例8のメダルゲーム機GM8よりもさらに高い視覚効果が得られると共に、新たなゲーム性が創出される。
【実施例10】
【0112】
図30は、本発明の実施例10のメダルゲーム機を構成するメダル識別装置820Bを示す。この実施例10のメダル識別装置820Bは、図27のメダル識別装置820の直径検出装置821および模様検出装置823をICメダル通信装置826に置換したものである。それ以外は、実施例8のメダルゲーム機GM8と同じ構成を有している。
【0113】
実施例10のメダルゲーム機では、ICメダル通信装置826がICメダルと通信し、ICメダルに記憶された情報を受信可能である。ICメダル通信装置826は、通信可能の場合にICメダルと判定すると共に、通信不可の場合に通常メダルと判定し、判定結果およびICメダルから受信した情報を通信結果信号CRSとしてメダル識別制御装置822Bに出力する。メダル識別制御装置822Bは、供給された通信結果信号CRSに基づいてメダルの種類を識別し、メダル識別信号MDSを出力する。すなわち、通信結果から通常メダルNMおよびICメダルを識別することができる。このように、特別メダルとしてのICメダルと通常メダルとを混在させた状態でゲームを行うことができるので、実施例8のメダルゲーム機GM8と同様に、メダルの移動において高い視覚効果が得られると共に、新たなゲーム性が創出される。さらに、ICメダルに価値情報を記憶することにより、各ICメダルを価値の異なる特別メダルとして機能させることも可能となり、遊技者の期待感をより一層高めることができる。
【実施例11】
【0114】
図31は、本発明の実施例11のメダルゲーム機GM11を示す。この実施例11のメダルゲーム機GM11は、図1のメダル搬送装置5Aを二分岐型のメダル搬送装置5Kに置換したものである。それ以外は、実施例1のメダルゲーム機GM1とほぼ同じ構成を有しているので、図31において、実施例1のメダルゲーム機GM1と同じ要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0115】
図31に示すように、メダルゲーム機GM11のメダル搬送装置5Kは、メダル振分装置810を有するメダル搬送装置5KAと、メダル振分装置810の左払出口811にメダル受入口102が接続されたメダル搬送装置5KBと、メダル振分装置810の右払出口812にメダル受入口102が接続されたメダル搬送装置5KCとを含んで構成される。メダル搬送装置5KA、5KB、5KCは、図1のメダル搬送装置5Aと同様に、メダル案内通路110内をメダルNM、SMが移動する様子を目視可能に構成されている。
【0116】
メダル搬送装置5KAのメダル受入口102は、図1のメダル搬送装置5Aと同様に、メダルホッパ装置6Aのメダル送出口(図示せず)に接続されている。メダル搬送装置5KAは、メダルホッパ装置6Aから送り出されたメダルNM、SMをメダル受入口102からメダル振分装置810へ移動させる機能を有する。メダル振分装置810は、図26に示す実施例8のメダルゲーム機GM8におけるメダル振分装置810が使用される。メダル振分装置810の近傍には図27に示すメダル識別装置820が配置され、メダル識別装置820によりメダルの種類(すなわち、通常メダルNMおよび特別メダルSM)が識別される。そして、メダル振分装置810により、メダル種類毎に予め定められた確率で、左払出口811および右払出口812のいずれか一方に振り分けられる。右払出口812に振り分けられる確率は、特別メダルSMの場合に通常メダルNMに対して高確率(例えば、1.5倍の確率)とされる。
【0117】
メダル搬送装置5KBは、メダル振分装置810の左払出口811から放出されたメダルNM、SMをメダル搬送装置5KBのメダル受入口102からメダル払出口104に移動させる機能を有する。メダル搬送装置5KBのメダル払出口104に移動されたメダルNM、SMは、そのメダル払出口104に接続されたメダルシュート7KBを介して第1ゲーム領域GF1の上部に放出される。メダル搬送装置5KBのメダル受入口102の近傍には、メダルセンサ120が配置されている。メダルセンサ120によりメダルNM、SMが検出された場合、メダル搬送装置5KBの電気モータ502(図4)が作動する。メダルセンサ120によるメダルNM、SMの検出が所定時間ない場合、メダル搬送装置5KBの電気モータ502の作動が停止される。これにより、電力消費量を抑制できる。また、それぞれに回転駆動装置を有する2つのメダル搬送装置5KA、5KBによりメダルNM、SMが搬送されるため、図1のメダル搬送装置5Aに比べて駆動負荷が軽減される利点もある。
【0118】
メダル搬送装置5KCは、メダル振分装置810の右払出口812から放出されたメダルNM、SMをメダル搬送装置5KCのメダル受入口102からメダル払出口104に移動させる機能を有する。メダル搬送装置5KCのメダル払出口104に移動されたメダルNM、SMは、そのメダル払出口104に接続されたメダルシュート7KBを介して第1ゲーム領域GF1においてスルーチャッカ14Bの近傍に放出される。メダル搬送装置5KBと同様に、メダル搬送装置5KCのメダル受入口102の近傍には、メダルセンサ120が配置されている。メダルセンサ120によりメダルNM、SMが検出された場合、メダル搬送装置5KCの電気モータ502(図4)が作動する。メダルセンサ120によるメダルNM、SMの検出が所定時間ない場合、メダル搬送装置5KCの電気モータ502の作動が停止される。
【0119】
実施例11のメダルゲーム機GM11では、メダルホッパ装置6Aから送り出されたメダルNM、SMが、メダル搬送装置5KAによりメダル振分装置810に移動され、メダル振分装置810により振り分けられて、メダル搬送装置5KB、5KCのいずれか一方により搬送される。そして、メダル搬送装置5KBにより搬送されたメダルNM、SMは、第1ゲーム領域GF1の上部に放出される。メダル搬送装置5KCにより搬送されたメダルNM、SMは、スルーチャッカ14Bの近傍に放出される。そのため、メダル搬送装置5KCにより搬送されるメダルNM、SMは、メダル搬送装置5KBにより搬送されるメダルNM、SMに対し、スルーチャッカ14Bに入り易くなる。換言すれば、メダル搬送装置5KCにより搬送される方が、メダル搬送装置5KBにより搬送されるよりも、遊技者にとって有利となる。しかも、メダル搬送装置5KCにより搬送される確率は、特別メダルSMの方が通常メダルNMよりも高く設定される。したがって、特別メダルSMを使用することによりメダルを獲得し易くなるという、新たなゲーム性が創出される。さらに、二分岐型のメダル搬送装置5Kによりメダルの移動がより複雑になるので、視覚効果がより一層高められる。
【実施例12】
【0120】
図32は、本発明の実施例12のメダルゲーム機GM12を示す。このメダルゲーム機GM12は、メダル案内通路110をループ状に形成したメダル搬送装置910を使用し、ルーレットゲーム機を構成したものである。メダルゲーム機GM12は、筐体901の上部内に起立して配置されたルーレット領域902と、遊技者によりメダルが投入されるメダル投入口903と、遊技者に対し配当メダルを払い出すメダル払出口904と、メダル払出口904に配当メダルを供給するメダル払出装置905、906と、ルーレット領域902およびメダル払出装置905、906を制御するゲーム機制御装置907と、を備えている。
【0121】
ルーレット領域902は、トラック形状のメダル移動領域911に沿って形成されたメダル案内通路110を有するメダル搬送装置910と、当たり判定領域912に停止したメダルを識別するメダル識別装置913とを含んでいる。メダル搬送装置910は、図4のメダル搬送装置5Aにおいて第1位置P1と第2位置P2とが同一位置に配置され、メダル案内通路110によりループ状のパターンが形成される点を除き、図4のメダル搬送装置5Aとほぼ同一の構成を有する。メダル案内通路110内には複数の通常メダルNMおよび特別メダルSMが存在し、メダルNM、SMがメダル案内通路110内を図32(B)の矢印方向に移動される。メダル搬送装置910においても、メダルNM、SMがメダル案内通路110内を移動する様子が視認可能に構成される。ルーレット領域902の下部においてメダル案内通路110上には当たり判定領域912が画定され、メダル識別装置913は当たり判定領域912に対応する位置に配置されている。メダル識別装置913は、図27のメダル識別装置820と同様の構成を有し、メダルの外径を識別対象項目としている。すなわち、メダル識別装置913は、当たり判定領域912に停止したメダルの直径値に応じて通常メダルNMおよび特別メダルSMを識別する機能を有している。なお、図32(B)においてメダル案内通路110内の点線で示した円は、本来メダルが存在する位置にメダルが存在しないことを示し、当たり判定領域912にメダルが存在しない状態で停止した場合は「ハズレ」となり、直径値が零となる。
【0122】
メダル払出装置905は、例えば、特開平5−94575に開示されたエスカレータ付きホッパ装置908とメダルシュート909とからなり、通常メダルNMをメダル払出口904に供給する。メダル払出装置906は、メダル払出装置905と同じ構成を有し、特別メダルSMをメダル払出口904に供給する。
【0123】
ゲーム機制御装置907は、メダル投入口903にメダルが投入された場合にルーレット領域902のメダル搬送装置910およびメダル識別装置913を制御してルーレットゲームを実行し、ゲーム結果に応じた配当メダルがメダル払出口904に供給されるようメダル払出装置905、906を制御する。すなわち、当たり判定領域912に通常メダルNMが停止した場合、メダル払出装置905により通常メダルNMがメダル払出口904に供給される。当たり判定領域912に特別メダルSMが停止した場合、メダル払出装置906により特別メダルSMがメダル払出口904に供給される。「はずれ」の場合、メダル払出装置905、906からメダル払出口904にメダルNM、SMが供給されない。
【0124】
実施例12のメダルゲーム機GM12では、メダル搬送装置910により搬送されるメダルNM、SMは、ルーレット領域902において蛇行しながら移動される。そのため、メダルの移動において高い視覚効果が得られる。また、遊技者は高価値の特別メダルSMの払い出しを期待しながら、特別メダルSMが当たり判定領域912に停止するのを見守ることになり、新たなゲーム性が創出される。
【実施例13】
【0125】
図33は、本発明の実施例13のメダルゲーム機を構成するメダル搬送装置910Aを示す。この実施例13のメダル搬送装置910Aは、メダル移動領域911に液体920が充填されると共に、メダルの直径および模様を検出するメダル識別装置913Aを有する点において、図32のメダル搬送装置910と相違する。それ以外は、実施例12のメダルゲーム機GM12と同じ構成を有しているので、図33において、実施例12のメダルゲーム機GM12と同じ要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0126】
実施例13のメダルゲーム機では、図33に示すように、メダル搬送装置910Aのメダル移動領域911に液体920が充填される。これにより、メダル案内通路110内を移動されるメダルは、液体920により流体抵抗を受けて不規則に揺動しながら移動する。
【0127】
また、メダル案内通路110内には、通常メダルNM、特別メダルSMに加えて、特別メダルSMよりもさらに高価値のプレミアムメダルPMが存在する。プレミアムメダルPMは、特別メダルSMと同一の外径を有し、一面に魚の模様FPが形成されている。そのため、メダル識別装置913Aは、メダルの外径のみならず模様FPを検出する機能を有している。これにより、メダル識別装置913Aは、メダルの直径値から通常メダルNMと特別メダルSMおよびプレミアムメダルPMとを識別すると共に、模様の有無から特別メダルSMとプレミアムメダルPMとを識別する。
【0128】
ゲーム機制御装置907は、メダル投入口903にメダルが投入された場合にルーレット領域902においてルーレットゲームを実行し、ゲーム結果に応じた配当メダルがメダル払出口904に供給されるよう制御する。すなわち、当たり判定領域912に通常メダルNMが停止した場合、メダル払出装置905により通常メダルNMがメダル払出口904に供給される。当たり判定領域912に特別メダルSMが停止した場合、メダル払出装置906により特別メダルSMがメダル払出口904に供給される。当たり判定領域912にプレミアムメダルPMが停止した場合、メダル払出装置906により2枚の特別メダルSMがメダル払出口904に供給される。「はずれ」の場合、メダル払出装置905、906からメダル払出口904にメダルNM、SMが供給されない。
【0129】
実施例13のメダルゲーム機では、液体920により流体抵抗を受けるメダルが不規則に揺動しながら移動する。しかも、プレミアムメダルPMには魚の模様が形成されているので、あたかも魚が泳いでいるかのような視覚効果が生じる。そのため、メダルの移動において実施例12のメダルゲーム機GM12よりも高い視覚効果が得られる。また、それぞれ配当の異なる通常メダルNM、特別メダルSMおよびプレミアムメダルPMの3種類の当たりがあるため、一層高いゲーム性が創出される。
【0130】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、メダルは外径の異なる3種類以上を使用することも可能であり、模様だけでなく色や材質の異なるメダルを混在させることもできる。その場合、他の新たなゲーム性を創出することが可能となる。また、プッシャゲーム、射的ゲーム、ルーレットゲーム以外のゲーム機への応用も勿論可能である。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、メダルやコインを使用するゲーム機に好適に利用でき、特に、メダルやコインを移動させる機能を有するゲーム機に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0132】
1 ゲーム盤
2 プッシャゲーム機構
3 メダル貯留払出装置
3a メダル受け部材
3b 支持フレーム
3c 往復動作体
3d 軸
4 メダルガイド
4A、4B メダル搬送装置
4a、4b 回転盤
4c ガイド本体
4d 軸
4e マーク
4f 歯車
4g 歯車
4h 電気モータ
4i ベアリング
5A、5B、5AA、5AB、5BA、5BB メダル搬送装置
5CA、5DA メダル搬送装置
5E、5F メダル搬送装置
5K、5KA、5KB、5KC メダル搬送装置
6a メダル送出口
6A、6B、6E メダルホッパ装置
7A、7B、7KB メダルシュート
8A、8B 保留ボウル
9 ゲーム制御回路
10 本体ボード
10a、11a 円形孔
11 透明板
12 揺動アーム
13 固定ピン
14A、14B、14C、14D スルーチャッカ
15 画像表示器
18 ガイド板
20 固定テーブル
21 スライドテーブル
37 付勢手段
100 メダル案内部
102 メダル受入口
104 メダル払出口
110 メダル案内通路
112、114 左右の案内面
116、118 表裏の案内面
120 メダル数計数器
121 メダルセンサ
200、200A、200B、200D ベース体
202 表面
204 裏面
206 第1部材
208 第2部材
210 固定ネジ
212 第1の軸配列線
214 第2の軸配列線
215 貫通孔
216 凹部
218 底面
221〜228 第1〜第8回転軸線
240 ネジ穴
300、300D、300E カバ体
300Da 第1カバ体部分
300Db 第2カバ体部分
302 表面
304 裏面
306 メダル案内溝
310、310E 底面
312 第1側面
314、314E 第2側面
316、318 曲線
322 溝
400 メダル押動機構
401〜408 第1〜第8回転盤
411a〜418a 第1メダル押動体
411b〜418b 第2メダル押動体
422 表面
424 周辺部
431〜438 第1〜第8歯車
440 配列円
500 回転駆動装置
502 電気モータ
504 減速機構
601 発光手段
602 発光素子
603 カバーレンズ
604 接触子
605 配線パターン
606 収納孔
607 開口
611 発電手段
612 発電コイル
613 磁石体
614 開口
615 整流回路
621、622 線搬送部分
623 面搬送部分
623a 第1領域
623b 第2領域
631 メダル解放機構
632 支軸
633 駆動装置
634 ソレノイド
635 アーマチャ
636 貫通孔
637 付勢手段
701 筐体
701a 開口
701b テーブル
702 射的銃
703 的領域
703a 左端
703b 右端
704 支持アーム
705 メダル受け容器
705a 開口
705b 傾斜面
705c メダル落下口
706 メダルシュート
707 払出口
708 メダル貯留容器
709 メダルシュート
801〜806 メダル搬送装置
807 ゲーム機制御装置
810 メダル振分装置
811 左払出口
812 右払出口
813 偏向ピン
813a ガイド孔
814 移動シャフト
815 移動ローラ
816 長孔
817 位置変更装置
818 振分通路
819a 左側通路
819b 右側通路
820、820A、820B メダル識別装置
821 直径検出装置
822、822A、822B メダル識別制御装置
823 模様検出装置
824 材質検出装置
825 色検出装置
826 メダル通信装置
901 筐体
902 ルーレット領域
903 メダル投入口
904 メダル払出口
905、906 メダル払出装置
907 ゲーム機制御装置
908 エスカレータ付きホッパ装置
909 メダルシュート
910、910A メダル搬送装置
911 メダル移動領域
912 判定領域
913、913A メダル識別装置
920 液体
GF1 第1ゲーム領域
GF2 第2ゲーム領域
GM1、GM4、GM5、GM6、GM8、GM11、GM12 メダルゲーム機
GM6、GM7 射的ゲーム機
GMS1〜GMS6 メダルゲーム台
P1 第1位置
P2 第2位置
S1 通過センサ
S2 光学センサ
M、M1、M2、M3 メダル
NM 通常メダル
PM プレミアムメダル
SM 特別メダル
FP 模様
CPS 入賞信号
CRS 通信結果信号
CS 色識別信号
DS 直径識別信号
MDS メダル識別信号
MS 材質識別信号
PS 模様識別信号
SCS 振分制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダルを第1位置(P1)から第2位置(P2)に向けて搬送するメダル搬送装置を備えるゲーム機であって、
前記メダル搬送装置が、
前記メダルの周面を案内する第1および第2案内面(112、114)と、前記メダルの表裏面をそれぞれ案内する第3および第4案内面(116、118)と、を有し、前記第1位置(P1)から前記第2位置(P2)に向けて延在するメダル案内通路(110)と、
前記第1位置(P1)から前記第2位置(P2)に向かって所定の順に配置されると共に前記第3および第4案内面(116、118)に略垂直な複数の回転軸線(221〜228)の回りをそれぞれ回転する複数の回転盤(401〜408)と、
前記メダル案内通路(110)内に突出し、かつ、前記複数の回転盤(401〜408)上にそれぞれ設けられた、対応する前記回転軸線(221〜228)の回りを周回することにより前記メダルを押動する複数のメダル押動手段(411a〜418a、411b〜418b)と、を有し、
前記複数の回転盤(401〜408)のうち隣接する一対の前記回転盤の一方が第1回転方向(R1)に回転すると共に他方が前記第1回転方向(R1)と相反する第2回転方向(R2)に回転し、かつ、前記一方の回転盤の前記メダル押動手段と前記他方の回転盤の前記メダル押動手段とが所定の回転位相差を保ちながら周回するよう前記一方の回転盤および前記他方の回転盤のそれぞれの回転位置が設定されると共に、前記第1および第2案内面(112、114)が前記複数の回転軸線のそれぞれを中心とする複数の円弧を接続した曲線(316、318)に沿って形成されるゲーム機。
【請求項2】
前記回転盤(401〜408)および前記メダル押動手段(411a〜418a、411b〜418b)の少なくとも一方に発光手段(601)が設けられる請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記メダル搬送装置が、前記発光手段(601)に電気的に接続されると共に前記回転盤(401〜408)と一体で回転する発電コイル(612)と、前記発電コイル(612)に磁束を供給する磁石体(613)と、を有し、前記発電コイル(612)および前記磁石体(613)が前記発光素子(612)を駆動する発電手段(611)を構成する請求項2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記メダル案内通路(110)が所定面上において一筆書き状の二次元パターンに沿って延在する請求項1に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記第1および第2位置(P1、P2)が同一であり、前記メダル案内通路(110)が所定面上においてループ状に延在する請求項1に記載のゲーム機。
【請求項6】
前記メダル搬送装置が、前記複数の回転盤(401〜408)が配置されると共に前記第4案内面(118)を形成するベース体(200)と、前記ベース体(200)上に配置されると共に前記第1〜第3案内面(112、114、116)を形成するカバ体(300)と、を含み、前記カバ体(300)が前記ベース体(200)に対してピボット運動可能に支持されている請求項1に記載のゲーム機。
【請求項7】
前記メダル案内通路(110)内に液体(920)が充填されている請求項1に記載のゲーム機。
【請求項8】
前記メダル搬送装置の前方に配置された射撃手段(702)を有し、前記メダル搬送装置の搬送する前記メダルが前記射撃手段(702)を用いて射撃される請求項1に記載のゲーム機。
【請求項9】
前記メダル案内通路(110)が当該ゲーム機の前方から後方または後方から前方に向かって延在する請求項1に記載のゲーム機。
【請求項10】
前記第2位置(P2)において前記メダルの進行方向を振り分けるメダル振分手段(810)が配置され、前記メダル振分手段(810)が互いに払出方向の異なる第1および第2払出口(811、812)へ前記メダルを払い出す請求項1に記載のゲーム機。
【請求項11】
前記メダル搬送装置が前記メダルの種類を識別するメダル識別手段(820)を有し、前記メダル識別手段(820)の識別結果に応じて前記第1および第2払出口(811、812)のいずれか一方が選択されて前記メダルが払い出される請求項10に記載のゲーム機。
【請求項12】
前記メダル識別手段(820)が、外径検出手段(821)、模様検出手段(823)、色検出手段(825)および材質検出手段(824)の少なくとも一つを有している請求項11に記載のゲーム機。
【請求項13】
前記メダル識別手段(820)が、ICメダルと通信可能な通信手段(826)を有している請求項11に記載のゲーム機。
【請求項14】
入口および複数の出口を有し、かつ、前記入口に導入された前記メダルを前記複数の出口に選択的に送り出すメダル振分手段(810)と、前記メダル振分手段(810)の前記入口および前記複数の出口のそれぞれに接続された複数の前記メダル搬送装置(5KA、5KB、5KC)と、を含む請求項1に記載のゲーム機。
【請求項15】
付加価値に対応した異なる外径を有する複数種類のメダル(NM、SM)を前記メダル搬送装置により搬送する請求項1に記載のゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2013−31602(P2013−31602A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170003(P2011−170003)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)