説明

メディア処理システムおよびメディア処理システムの制御方法

【課題】メディアの劣化状態に基づいて、当該メディアの複製を作成することができるメディア処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】所定のデータが書き込まれている記録済メディアのエラーレートを測定するエラーレート測定部63と、エラーレート測定部63による測定結果が、予め設定された所定の閾値以下か否かを判定するエラーレート判定部25と、エラーレート判定部による判定の結果、測定結果が閾値を超過した場合、記録済メディアに記録されている所定のデータを、他の未使用メディアに書き込むデータ記録部42と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディアに対しデータの書き込み、およびレーベル面の印刷を行なうことが可能なメディア処理システムおよびメディア処理システムの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、CDやDVD等のメディア(光ディスク)に対して、データの書き込みやレーベル印刷を行なうメディア処理装置が知られている。この種のメディア処理装置では、複数枚のブランクメディアがセットされた供給用のスタッカーから、1のブランクメディアをメディアドライブに供給(搬送)してデータを書き込み、データが書き込まれたメディアを、内蔵のプリンターに供給してレーベル面の印刷を行ない、これにより作成(発行)されたメディアを回収スタッカーに排出する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−202379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、書籍等をデジタル化し、デジタル化した電子文書の長期保存を目的として、上記のようなメディア処理装置を用いてCDやDVD等のメディア(光ディスク)に記録することが行なわれている。この記録媒体として用いられるCDやDVD等のメディアは、一定期間(数十年程度)の寿命がありデータの長期保存に適した媒体であるとされているが、現実的には、メディアの品質や保存環境等の様々な要因により劣化が進み、その寿命が変化する。このため、保管していたメディア(データ書き込み済メディア)が経年劣化により寿命に至り、これらメディアに記録されたデータが正しく読み出せなくなり、結果としてデータが消失してしまうという問題がある。しかしながら、上記のメディア処理装置では、メディアの状態(劣化の程度)判定することができないため、上記問題に対応することができなかった。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑み、メディアの劣化状態に基づいて、当該メディアの複製を作成することができるメディア処理システムおよびメディア処理システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のメディア処理システムは、所定のデータが書き込まれている記録済メディアのエラーレートを測定するエラーレート測定部と、エラーレート測定部による測定結果が、予め設定された所定の閾値以下か否かを判定するエラーレート判定部と、エラーレート判定部による判定の結果、測定結果が前記所定の閾値を超過した場合、記録済メディアに記録されている所定のデータを、他のメディアに書き込むデータ書き込み部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のメディア処理システムの制御方法は、所定のデータが書き込まれている記録済メディアのエラーレートを測定するエラーレート測定ステップと、エラーレート測定ステップによる測定結果が、予め設定された所定の閾値以下か否かを判定するエラーレート判定ステップと、エラーレート判定ステップによる判定の結果、測定結果が所定の閾値を超過した場合、記録済メディアに記録されている所定のデータを、他のメディアに書き込むデータ書き込みステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、記録済メディアのエラーレートを測定することにより、当該記録済メディアの品質(劣化程度)を判定することができる。さらに、エラーレートが閾値を超過している場合、即ち、記録済メディアの劣化が進んでいる場合、当該記録済メディアのデータを他のメディア(ブランクディスク)に書き込むことにより、記録済メディアの複製を作成することができる。これにより、データを長期保存する必要がある場合、記録済メディアの劣化によるデータの消失を予防すると共に、容易に、データの長期保存に適した品質を担保した新たなメディアを作成することができる。特に、大量の記録済メディアの状態を定期的に検査(確認)する必要がある場合においては、その検査作業にかかる手間を低減する(省力化する)ことができる。
【0009】
本発明のメディア処理システムにおいて、メディアのレーベル面に印刷を行なうレーベル印刷部と、記録済メディアのレーベル面に印刷されている情報であるレーベル情報を取得するレーベル情報取得部と、をさらに備え、レーベル印刷部は、エラーレート判定部による判定の結果、測定結果が所定の閾値を超過した場合、他のメディアのレーベル面に、レーベル情報に基づく印刷を実行することを特徴とする請求項1に記載のメディア処理システム。
【0010】
この構成によれば、記録済メディアの複製を作成する際に、複製となるメディア(他のメディア)のレーベル面に、記録済メディア(即ち、複製元のメディア)のレーベル面と同様の情報を印刷することができる。これにより、記録面に記録するデータのみならず、レーベル面も同じ内容のメディアの複製を作成することができる。
【0011】
本発明のメディア処理システムにおいて、レーベル印刷部は、エラーレート判定部による判定の結果、測定結果が所定の閾値を超過した場合、記録済メディアのレーベル面に、その旨を示す情報を印刷することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、記録済メディアが不良である原因を一目で把握することができる。
【0013】
本発明のメディア処理システムにおいて、レーベル印刷部は、エラーレート判定部による判定の結果、測定結果が所定の閾値以下である場合、記録済メディアのレーベル面に、測定したエラーレートに関するエラーレート情報を印刷することが好ましい。
【0014】
また、本発明のメディア処理システムにおいて、エラーレート情報には、エラーレートの最大値およびエラーレートを示すグラフの内の、少なくとも一方が含まれていることが好ましい。
【0015】
これらの構成によれば、レーベル面にエラーレート情報を印刷することができるため、記録済メディアのエラーレートがどの程度かを容易に認識することができる。また、様々な形式でエラーレート情報を印刷することができるため、その時々の管理基準によって使い分けることができ利便性が良い。例えば、エラーレートの最大値のみが分かれば良い場合は、エラーレートの最大値のみを印刷し、詳細なエラーレート情報が必要な場合は、エラーレートの最大値に加え、エラーレートのグラフを印刷する等、状況に応じて印刷内容を変更することができる。
なお、エラーレート情報としては、上記以外にも、エラーレートの平均値や総エラーレート値を印刷しても良い。
【0016】
本発明のメディア処理システムは、エラーレート測定部、データ書き込み部およびレーベル印刷部を有するメディア処理装置と、エラーレート判定部およびレーベル情報取得部を有する情報処理装置と、から成り、メディア処理装置と情報処理装置とは通信可能に接続されていることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、メディア処理システムの各部(各機能)をメディア処理装置単体で構成する場合に比べ、メディア処理装置の負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るメディア処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】ディスク作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートの処理過程におけるレーベル面への印刷結果の一例を示す図である。
【図4】図2のフローチャートの処理過程におけるレーベル面への印刷結果の一例を示す図である。
【図5】ディスク検査処理およびディスク複製処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートの処理過程におけるレーベル面への印刷結果の一例を示す図である。
【図7】図5のフローチャートの処理過程におけるレーベル面への印刷結果の一例を示す図である。
【図8】レーベル面へ印刷する印刷内容の他の例を示す図である。
【図9】メディア処理システムの変形例の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照し、本発明の一実施形態に係るメディア処理システムおよびメディア処理システムの制御方法について説明する。図1は、本実施形態のメディア処理システムSYの機能構成を示したブロック図である。図示のように、メディア処理システムSYは、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disk(登録商標))等の光ディスク(メディア。以下、単に「ディスクD(図3参照)」と称す)に対する書き込みや読み取りおよびレーベル面L(図3参照)の印刷を行なうメディア処理装置1と、メディア処理装置1と接続され、当該メディア処理装置1を制御する情報処理装置2と、により構成されている。
【0020】
情報処理装置2は、一般的なパーソナルコンピューターやサーバー等により構成され、主要な要素として、ディスク作成用アプリケーション11、データ記憶部12、搬送処理制御部13、記録処理制御部14、および印刷処理制御部15を有している。
【0021】
ディスク作成用アプリケーション11は、ディスクDの記録面に書き込むデータの指定やレーベル面Lに印刷するレーベル画像(レーベル画像データ)の作成(または指定)を行なうアプリケーションである。また、ディスクDを作成するための一連の処理(ディスク作成処理)、またはデータが記録されているディスクD(記録済みメディア)の状態を検査するための一連の処理(ディスク検査処理,詳細は後述する)をスケジューリングし、搬送処理制御部13、記録処理制御部14、および印刷処理制御部15に対して処理実行を指示することで、メディア処理装置1の各部(後述する)の動作を制御する。なお、ディスク作成用アプリケーション11は、情報処理装置2のCPU(図示省略)により実行されるものである。また、上記のディスク検査処理とは、本実施形態のディスク作成処理(または他の装置)により作成されたディスクD(即ち、データの書き込みやレーベル面Lの印刷が完了しているディスクD)を、改めて検査する処理を意味する。
【0022】
データ記憶部12は、ディスクDの記録面に書き込むための各種データ、ディスクDのレーベル面Lに印刷する各種レーベル画像(本実施形態では、サンプルとして予め用意されたレーベル画像や、ディスク作成用アプリケーション11で作成されたレーベル画像等を意味する)、およびレーベル面Lに印刷する各種エラー情報を記憶する。また、ディスクDから読み取ったデータを一時的に記憶する記憶領域としても用いられる。また、データ記憶部12は、ディスクDのエラーレートと当該ディスクDを識別するための識別情報と、を関連付けたディスク情報を記憶する(詳細は後述する)。なお、エラー情報とは、予めシステムの開発者等により作成された文字情報であり、ディスク作成処理およびディスク検査処理時に発生する可能性のあるエラーに関する情報を意味する。
【0023】
搬送処理制御部13は、ディスク作成用アプリケーション11のスケジューリングに則って、メディア処理装置1のディスク搬送機構45を制御するためのディスク搬送命令を生成し、これをメディア処理装置1に送信する。
【0024】
記録処理制御部14は、ディスク作成用アプリケーション11のスケジューリングに則って、メディア処理装置1におけるディスクDに対するデータの書き込み/読み取り、およびディスクDの検査に関する命令を生成・発行するものであり、書き込み/読み取り命令発行部21、コンペア命令発行部22、ウィルスチェック部23、エラーレート測定命令発行部24およびエラーレート判定部25を有している。
【0025】
書き込み/読み取り命令発行部21は、データ記憶部12から指定されたデータあるいは既にディスクDに記録されているデータを、未使用のディスクDに書き込むための命令(書き込み命令)をメディア処理装置1に送信する。なお、この書き込み時のデータには、記録対象となるファイルの一覧やディレクトリ構成を示す情報(ファイル情報)、およびレーベル面Lに印刷するレーベル画像の情報(レーベル情報)が含まれる。また、ディスクDに記録されているデータを読み取るための命令(読み取り命令)をメディア処理装置1に送信する。
【0026】
コンペア命令発行部22は、ディスクDに正常にデータが書き込まれたかどうかをチェックするコンペア処理を実行するための命令(コンペア処理命令)をメディア処理装置1に送信する。ウィルスチェック部23は、ディスクDに書き込まれているデータのウィルスチェックを実行する。
【0027】
エラーレート測定命令発行部24は、ディスクDのエラーレートを測定するための命令(エラーレート測定命令)をメディア処理装置1に送信する。エラーレート判定部25は、予め設定されたエラーレートの閾値と、メディア処理装置1で測定したエラーレートの測定結果(エラーレートの最大値)を比較し、測定結果が閾値以下か、閾値を超過したかを判定する。
【0028】
印刷処理制御部15は、ディスク作成用アプリケーション11のスケジューリングに則って、メディア処理装置1におけるレーベル面Lの印刷処理に関する命令を生成・発行するものであり、印刷データ生成部31、印刷命令発行部32およびレーベル情報取得部33を有している。レーベル情報取得部33は、データが記録されたディスクDのレーベル情報を取得する。
【0029】
印刷データ生成部31は、レーベル面Lに印刷するための印刷データを生成する。この印刷データとしては、ディスク作成処理が成功した場合(ディスク作成時におけるコンペア処理、ウィルスチェックおよびエラーレート判定処理で問題がなかった場合)、ユーザーにより作成された(あるいは指定された)レーベル画像と、メディア処理装置1で測定したエラーレートに関する情報(以下、「エラーレート情報」と称す)と、に基づいて、ディスクDのレーベル面Lに印刷する印刷データ(後述のレーベル印刷部43で処理可能な形式の印刷データ)を生成する。
【0030】
また、既にデータが記録されているディスクDに対して、その状態を検査するディスク検査処理(ウィルスチェックおよびエラーレート判定処理)が成功した場合、当該検査におけるエラーレート情報に基づいて、ディスクDのレーベル面Lに印刷(追記)するための印刷データを生成する。また、ディスク作成処理時、またはディスク検査処理時にエラーが発生した場合(コンペア処理、ウィルスチェックおよびエラーレート判定処理のいずれかで問題があった場合)、当該エラーの内容を示すエラー情報(データ記憶部12に記憶されているエラー情報)に基づいた印刷データを生成する。さらに、ディスク検査処理時にエラーが発生した場合、レーベル情報取得部33により当該エラーが発生したディスクDのレーベル情報(レーベル面Lの印刷内容を示す情報)を取得し、これに基づいた印刷データを生成する。なお、この印刷データは、後述するディスク複製処理において、複製先となるディスクDのレーベル面Lの印刷に用いられる(詳細は後述する)。印刷命令発行部32は、印刷データ生成部31によって生成した印刷データおよび当該印刷を実行するための命令(印刷命令)をメディア処理装置1に送信する。
【0031】
一方、メディア処理装置1は、制御部41、データ記録部42、レーベル印刷部43、ディスク収容部44およびディスク搬送機構45を備えている。データ記録部42は、ディスクDの記録面に対するデータの書き込み、またはディスクDの記録面からデータの読み出しを行なうディスクドライブである。レーベル印刷部43は、ディスクDのレーベル面Lに対して印刷処理を行うプリンターである。なお、本実施形態のレーベル印刷部43は、インクジェットヘッドを備え、インクジェット方式でレーベル面Lの印刷を行う。
【0032】
ディスク収容部44は、ディスクDを収容するものであり、数十枚程度のディスクDを積載状態で収容する円筒形状の収容ケースで形成されている。本実施形態では、未使用のディスクDまたは既にデータが記録されているディスクDをデータ記録部42に供給するための2つの供給用スタッカー(第1供給用スタッカー44aおよび第2供給用スタッカー44b)と、ディスク作成処理またはディスク検査処理が正常に完了したディスクD(成功ディスク)を保管するための第1保管用スタッカー44cと、ディスク作成処理またはディスク検査処理でエラーが発生したディスクD(エラーディスク)を保管するための第2保管用スタッカー44dと、を有している。なお、これら各スタッカーの構成は一例であり、適宜変更することが可能である。
【0033】
ディスク搬送機構45は、データ記録部42、レーベル印刷部43およびディスク収容部44の間でディスクDを搬送する機構であり、ディスクDを把持して水平方向(X軸方向)に移動させるアーム部と、アーム部を垂直方向(Y軸方向)に移動させるガイドと、ガイドの軸方向に沿って摺動可能でありガイドの軸を中心に回動する駆動部(いずれも図示省略)とを有し、駆動部の駆動に伴ってディスクDを各部に搬送する。
【0034】
制御部41は、情報処理装置2からの各種命令に基づいて、メディア処理装置1の各部を制御するためのものであり、搬送制御部51、記録制御部52および印刷制御部53を有している。搬送制御部51は、情報処理装置2(搬送処理制御部13)からのディスク搬送命令に基づいて、ディスク搬送機構45の動作を制御する。印刷制御部53は、情報処理装置2(印刷処理制御部15)からの印刷命令により、レーベル印刷部43の動作を制御する。
【0035】
記録制御部52は、情報処理装置2(記録処理制御部14)からの各種命令によりデータ記録部42の動作を制御するものであり、書き込み/読み取り処理部61、コンペア処理部62およびエラーレート測定部63を有している。書き込み/読み取り処理部61は、情報処理装置2から送信された書き込み命令に基づいて、対象となるデータをディスクDへ書き込む処理を制御する。また、情報処理装置2から送信された読み取り命令に基づいて、ディスクDに記録されているデータの読み取り処理を制御する。
【0036】
コンペア処理部62は、情報処理装置2から送信されたコンペア命令に基づいて、ディスクDに書き込んだデータと、その元となる情報処理装置2に記憶されているデータ(実データ)とを比較することにより、ディスクDに正常にデータが書き込まれたかどうかを判定する。エラーレート測定部63は、情報処理装置2から送信されたエラーレート測定命令に基づいて、データ書き込み済みのディスクDのエラーレートを測定し、測定結果を情報処理装置2に送信する。なお、「データ書き込み部」は、記録制御部52(書き込み処理部61)およびデータ記録部42を主要部として構成される。
【0037】
次に、図2ないし図4を参照して、メディア処理システムSYにおけるディスク作成処理について説明する。図2は、ディスク作成処理の処理手順を示すフローチャートであり、図3および図4は、図2のフローチャートの処理過程におけるレーベル面Lへの印刷結果を示す図である。なお、ここでは、ディスクDに記録するデータおよびレーベル画像は指定されているものとする。また、エラーレートに対する閾値は予め設定されているものとする。また、本フローチャートでは、便宜上、データを書き込むための未使用のディスクDは、第2供給用スタッカー44bにセットされているものとする(もちろん、未使用のディスクDを第1供給用スタッカー44aにセットする場合、あるいは両スタッカー44aおよび44bに未使用のディスクDをセットする場合も、同様のディスク作成処理を実行できることは言うまでもない)。
【0038】
まず、ユーザー操作により、情報処理装置2がディスク作成処理の開始指示を受けると(S01)、情報処理装置2はメディア処理装置1に対してディスク搬送命令を送信し、メディア処理装置1は、当該命令に基づいて第2供給用スタッカー44bに収容されている未使用のディスクD(ブランクディスク)をデータ記録部42に搬送する(S02)。次に、情報処理装置2は、メディア処理装置1に対して書き込み命令(書き込み対象となるデータを含む)を送信し、メディア処理装置1は、当該命令に基づいてデータ記録部42を制御し、ディスクDに対してデータの書き込みを実行する(S03)。
【0039】
次に、書き込み処理終了後、情報処理装置2は、メディア処理装置1に対してコンペア命令を送信し、メディア処理装置1は、当該命令に基づいてコンペア処理を実行する(S04)。このコンペア処理において、ディスクDに書き込まれたデータと、この元となるデータ(情報処理装置2に記憶されているデータ)とが一致しない場合、即ち、コンペアが失敗した場合(S05;No)、情報処理装置2は、コンペア失敗を示す印刷データをメディア処理装置1に送信し、メディア処理装置1はレーベル印刷部43を制御して受信した印刷データに基づいてレーベル面Lに印刷を行なう(S06)。即ち、この場合、レーベル面Lには、図3(a)に示すように、「コンペア処理が失敗した」旨を示すエラー情報(コンペアエラー情報71)が印刷される。そして、メディア処理装置1は、情報処理装置2から送信されるディスク搬送指令に基づいて、当該ディスクDをエラーディスクの保管場所である第2保管用スタッカー44dへ搬送する(S07)。その後、S03で書き込み対象となったデータを用いてディスクDの再作成処理(ディスク再作成処理)を実行する(S01)。即ち、S03で書き込み対象となったデータを、再度、他の未使用ディスクに書き込む処理を実行する。この場合、S01の処理は、ユーザーからのディスク作成処理の開始指示を受ける(取得する)のではなく、自動的にディスクDの再作成を実行する(以下で説明するディスク再作成処理においても同様である)。
【0040】
一方、コンペア処理において、ディスクDに書き込まれたデータと、この元となるデータ(情報処理装置2に記憶されているデータ)とが一致した場合、即ち、コンペアが成功した場合(S05;Yes)、情報処理装置2は、ディスクDのウィルスチェックを実行する(S08)。ウィルスチェックにおいて、ウィルスが検出された場合(S09;No)、情報処理装置2は、ウィルス検出結果を示す印刷データをメディア処理装置1に送信し、メディア処理装置1はレーベル印刷部43を制御して受信した印刷データに基づいてレーベル面Lに印刷を行なう(S10)。即ち、この場合、レーベル面Lには、図3(b)に示すように、「ウィルスが検出された」旨を示すエラー情報(ウィルス検出情報72)が印刷される。そして、メディア処理装置1は、情報処理装置2から送信されるディスク搬送指令に基づいて、当該ディスクDをエラーディスクの保管場所である第2保管用スタッカー44dへ搬送する(S07)。その後、S03で書き込み対象となったデータを用いてディスクDの再作成処理(ディスク再作成処理)を実行する(S01)。なお、図3(b)において、ウィルス感染したファイル名等を印刷するようにしても良い。
【0041】
一方、ウィルスチェックにおいてウィルスが検出されなかった場合(S09;Yes)、情報処理装置2は、メディア処理装置1に対してエラーレート測定命令を送信し、メディア処理装置1は当該命令に基づいてディスクDのエラーレートを測定する(S11)。この測定結果は情報処理装置2に送信される。情報処理装置2は、メディア処理装置1からエラーレートの測定結果を受信すると、当該エラーレート(エラーレートの最大値)が閾値以下か否かを判定する。
【0042】
エラーレートが閾値を超過している場合(S12;No)、情報処理装置2は、エラーレート異常を示す印刷データをメディア処理装置1に送信し、メディア処理装置1は、レーベル印刷部43を制御して受信した印刷データに基づいてレーベル面Lに印刷を行なう(S13)。即ち、この場合、レーベル面Lには、図3(c)に示すように、「エラーレートが異常である(エラーレートの最大値が閾値を超えた)」旨を示すエラー情報(エラーレート異常情報73)が印刷される。そして、メディア処理装置1は、情報処理装置2から送信されるディスク搬送指令に基づいて、当該ディスクDをエラーディスクの保管場所である第2保管用スタッカー44dへ搬送する(S07)。その後、S03で書き込み対象となったデータを用いてディスクDの再作成処理(ディスク再作成処理)を実行する(S01)。
【0043】
一方、エラーレートが閾値以下の場合(S12;Yes)、情報処理装置2は、メディア処理装置1から受信したエラーレートの測定結果に基づくエラーレート情報と、ユーザーにより作成(または指定)されたレーベル画像とをマージした印刷データを生成し、これをメディア処理装置1に送信し、メディア処理装置1は、レーベル印刷部43を制御して受信した印刷データに基づいてレーベル面Lに印刷を行なう(S14)。即ち、この場合、レーベル面Lには、図4に示すように、レーベル画像(同図では、タイトル81、保存データ形式82、管理番号83、作成年月日84(Create Date)および所有者名85(作成者名)に相当)に加え、エラーレート情報(同図では、エラーレート測定年月日86(Error Rate Check Date)およびエラーレート最大値87(MAX Error Rate,一例として、DVDのエラーレート最大値を示す))が印刷される。
【0044】
また、この時、情報処理装置2はエラーレートの測定結果と、当該エラーレートを測定したディスクDの識別情報とを関連付けたディスク情報を、データ記憶部12に記憶してもよい。なお、ここで言う識別情報とは、ディスクDを特定するための情報であり、上記S14でレーベル面Lに印刷した内容(即ち、参照番号:81〜85の内容)と同じ情報(レーベル情報)である。このディスク情報を用いることで、大量のディスクDを管理する場合に、作成したディスクDのエラーレートを容易に把握することができ、ディスク管理を簡単に行なうことができる。
【0045】
そして、メディア処理装置1は、情報処理装置2から送信されるディスク搬送指令に基づいて、当該ディスクDを成功ディスクの保管場所である第1保管用スタッカー44cへ搬送し(S15)、その後、次のディスクDの作成処理(次の書き込み対象となるデータを用いたディスク作成処理)を実行する(S01)。
【0046】
なお、上述のコンペア処理、ウィルスチェックおよびエラーレート判定のいずれかの処理で異常となったディスクDの再作成処理(ディスク再作成処理)は、予め設定された所定の回数(例えば、3回や5回等)だけ繰り返し行なわれ、ディスク再作成の回数が、設定された回数に達した場合は、ディスク再作成処理を停止し、次のディスク作成処理、即ち、次の書き込み対象となるデータを用いたディスク作成処理に移行する。
【0047】
次に、図5および図7を参照して、メディア処理システムSYにおけるディスク検査処理およびこれに関連するディスク複製処理について説明する。図5は、ディスク検査処理およびディスク複製処理の処理手順を示すフローチャートであり、図6および図7は、図5のフローチャートの処理過程におけるレーベル面Lへの印刷結果を示す図である。上述のように、このディスク検査処理は、既にデータの書き込みやレーベル印刷が行なわれているディスクD(記録済メディア)を、その作成時期から所定期間経過後(例えば、ディスクDを作成してから3年後など)に改めて検査する場合の処理である。
【0048】
なお、本フローチャートでは、図2のディスク作成処理で作成された1枚以上のディスクD(レーベル面Lには、図4に示す情報が印刷されている)を、検査対象となるディスクD(以下、「マスターディスク」と称す)として使用するものとする。また、本フローチャートでは、マスターディスクが第1供給用スタッカー44aにセットされ、未使用のディスクD(ブランクディスク)が第2供給用スタッカー44bにセットされているものとする。また、エラーレートの閾値は予め設定されているものとする。
【0049】
まず、ユーザー操作により、情報処理装置2がディスク検査処理の開始指示を受けると(S21)、情報処理装置2はメディア処理装置1に対してディスク搬送命令を送信し、メディア処理装置1は、当該命令に基づいて第1供給用スタッカー44aに収容されているマスターディスクをデータ記録部42に搬送する(S22)。
【0050】
次に、情報処理装置2は、当該マスターディスクに対してウィルスチェックを実行する(S23)。ウィルスチェックにおいて、ウィルスが検出された場合(S24;No)、情報処理装置2は、ウィルス検出結果を示す印刷データをメディア処理装置1に送信し、メディア処理装置1はレーベル印刷部43を制御して、マスターディスクのレーベル面Lに、受信した印刷データに基づく印刷を行なう(S25)。即ち、この場合、レーベル面Lには、図6(a)に示すように、「ウィルスが検出された」旨を示すエラー情報(ウィルス検出情報72)が追記(印刷)される。
【0051】
そして、メディア処理装置1は、情報処理装置2から送信されるディスク搬送指令に基づいて、当該マスターディスクをエラーディスクの保管場所である第2保管用スタッカー44dへ搬送し(S26)、その後、検査処理を中断する(S27)。即ち、マスターディスクに記録されているデータ自体がウィルス感染しているため(マスターディスクのデータが利用できない状態であるため)、ユーザーによる対処待ちの状態になる。なお、図6(a)において、ウィルス感染しているファイル名等を印刷しても良い。
【0052】
一方、ウィルスチェックにおいてウィルスが検出されなかった場合(S24;Yes)、情報処理装置2は、メディア処理装置1に対してエラーレート測定命令を送信し、メディア処理装置1は当該命令に基づいてマスターディスクのエラーレートを測定する(S28,エラーレート測定ステップ)。この測定結果は情報処理装置2に送信される。情報処理装置2は、メディア処理装置1からエラーレートの測定結果を受信すると、当該エラーレート(エラーレートの最大値)が閾値以下か否かを判定する(エラーレート判定ステップ)。
【0053】
エラーレートが閾値以下の場合(S29;Yes)、情報処理装置2は、メディア処理装置1から受信したエラーレートの測定結果に基づいてエラーレート情報を示す印刷データを生成し、これをメディア処理装置1に送信し、メディア処理装置1は、レーベル印刷部43を制御して、マスターディスクのレーベル面Lに、受信した印刷データに基づく印刷を行なう(S30)。即ち、この場合、レーベル面Lには、図7に示すように既にマスターディスクの作成時に印刷されているレーベル画像(タイトル81、保存データ形式82、管理番号83、作成年月日84(Create Date)、所有者名85(作成者名))およびエラーレート情報(ディスク作成時のエラーレート測定年月日86(Error Rate Check Date)およびエラーレート最大値87(MAX Error Rate))に加え、今回のディスク検査処理におけるエラーレート情報(ディスク検査時のエラーレート測定年月日91(Error Rate Check Date)およびエラーレート最大値92(MAX Error Rate))が追記(印刷)されることになる。そして、メディア処理装置1は、情報処理装置2から送信されるディスク搬送指令に基づいて、当該マスターディスクを成功ディスクの保管場所である第1保管用スタッカー44cへ搬送し(S31)、その後、次のマスターディスクのディスク検査処理を実行する(S01)。
【0054】
一方、エラーレートが閾値を超過している場合(S29;No)、情報処理装置2は、メディア処理装置1に対してマスターディスクの読み取り命令を送信し、当該命令により読み取ったマスターディスクのデータを、自身のデータ記憶部12に保存(退避)する(S32)。このデータの保存処理が成功しなかった場合、即ち、マスターディスクのデータが完全に読み取れなかった場合(S33;No)、メディア処理装置1および情報処理装置2は、処理を中断する(S34)。即ち、マスターディスクに記録されているデータが利用できない状態(データ消失と同様の状態)になっているため、ユーザーによる対処待ちの状態になる。
【0055】
一方、データの保存処理が成功した場合、即ち、マスターディスクのデータが完全に読み取れた場合(S33;Yes)、情報処理装置2は、エラーレート異常を示す印刷データをメディア処理装置1に送信し、メディア処理装置1は、レーベル印刷部43を制御して、マスターディスクのレーベル面Lに、受信した印刷データに基づく印刷を行なう(S35)。即ち、この場合、レーベル面Lには、図6(b)に示すように、「エラーレートが異常である(エラーレートの最大値が閾値を超えた)」旨を示すエラー情報(エラーレート異常情報73)が追記(印刷)される。そして、メディア処理装置1は、情報処理装置2から送信されるディスク搬送指令に基づいて、当該マスターディスクをエラーディスクの保管場所である第2保管用スタッカー44dへ搬送する(S36)。次に、情報処理装置2は、マスターディスクのレーベル情報を取得する。即ち、S32で保存したマスターディスクのデータからレーベル情報を取得する(S37)。その後、マスターディスクの複製(コピー)を作成する処理(ディスク複製処理)を実行する(S38,データ書き込みステップ)。
【0056】
このディスク複製処理では、上述の図2に示すディスク作成処理のS01〜S14と同様の処理を実行する。但し、未使用のディスクD(ブランクディスク)には、本フローのS32の処理でデータ記憶部12に保存したマスターディスクのデータを書き込むことになる。また、未使用のディスクDのレーベル面Lに印刷する印刷データは、ユーザーにより作成(または指定)されたレーベル画像(図2のS14参照)の代わりに、上記S37で取得したレーベル情報に基づいて生成された印刷データ(詳しくは、S37で取得したレーベル情報およびS28で測定したエラーレート情報をマージした印刷データ)を用いることになる。これ以外の点については同様であるため、説明を省略する。
【0057】
そして、S37のディスク複製処理で、マスターディスクの複製が正常に作成されると(図2におけるS14までの処理が完了すると)、メディア処理装置1は、情報処理装置2から送信されるディスク搬送指令に基づいて、当該ディスクD(マスターディスクの複製)を成功ディスクの保管場所である第1保管用スタッカー44cへ搬送し(S39)、その後、次のマスターディスクの検査処理を実行する(S21)。
【0058】
なお、本フローでは、マスターディスクに異常があった場合、処理を中断しているが(S27およびS34)、当該処理の中断をユーザーに通知した後(例えば、情報処理装置2のディスプレイ(図示省略)などでメッセージ表示)、次のマスターディスクの検査処理を開始しても良い。即ち、S27およびS34の処理後、S01以降の処理を継続しても良い。
【0059】
以上のように、本実施形態によれば、既にデータが書き込まれているディスクD(記録済メディア,図7のマスターディスクに相当)のエラーレートを測定することにより、当該ディスクDの品質(劣化程度)を判定することができる。さらに、エラーレートが閾値を超過している場合、即ち、ディスクDの劣化が進んでいる場合、当該ディスクDのデータを他の未使用ディスクに書き込むことにより、元のディスクDの複製(コピー)を作成することができる。これにより、データを長期保存する必要がある場合、保存対象となるディスクDの劣化によるデータ消失を予防すると共に、容易に、データの長期保存に適した品質を担保した新たなディスクD(ディスクDの複製)を作成することができる。特に、大量のディスクDの状態を定期的に検査(確認)する必要がある場合においては、その検査作業にかかる手間を低減する(省力化する)ことができる。
【0060】
なお、本実施形態では、ディスク検査処理において検査対象のディスクD(マスターディスク)として、ディスク作成処理で作成されたディスクDを例示しているが、これに限るものではない。例えば、他の装置(例えば、本システムSY以外のパーソナルコンピューターやシステム)で作成されたディスクDを検査対象とすることも可能である。
【0061】
また、本実施形態では、ディスク作成処理時およびディスク検査処理時においてエラーレート情報として、エラーレート測定年月日86、91およびエラーレート最大値87、92(いずれも図4および図7参照)をレーベル面Lに印刷しているが、これに限るものではなく、例えば、図8(a)および図8(b)に示すように、エラーレートのグラフGを印刷しても良い。また、エラーレート情報として、エラーレートの平均値や総エラーレート値、あるいはエラーレートの閾値を合わせて印刷しても良い。
【0062】
また、本実施形態におけるレーベル面Lに対する各種情報(レーベル画像、エラーレート情報およびエラー情報)の印刷位置は、あくまでも一例であり、これに限るものではない。特に、ディスク検査処理(図5のS30)において、レーベル面Lにエラーレート情報を追記(印刷)する場合、既にレーベル面Lに印刷されている情報と重畳する場合が考えられる。これを回避するために、例えば、メディア処理装置1にカメラ(図示省略)を配置し、当該カメラによりレーベル面Lの空き位置(情報が印刷されていない位置)を検出して、当該検出位置にエラーレート情報を追記しても良い。また、重畳しても判別できるように、追記するエラーレート情報の文字色を、既に印刷されているレーベル面Lの情報とは異なる文字色で印刷しても良い。
【0063】
また、本実施形態におけるレーベル画像を構成する情報(参照番号81〜85)は一例であり、これに限るものではない。これらは、ディスク作成時の仕様に基づいて、適宜変更することが可能である。
【0064】
また、本実施形態では、ディスク作成処理時およびディスク検査処理時において、成功ディスクおよびエラーディスクを、それぞれ第1保管用スタッカー44cおよび第2保管用スタッカー44dに分散して保管(搬送)する構成としているが、これに限るものではない。例えば、保管用スタッカーを1つにし、これに成功ディスクとエラーディスクの両方を保管(搬送)する構成としても良い。
【0065】
また、本実施形態では、ディスクDに対して、コンペア、ウィルスチェック、およびエラーレート測定(ディスク検査処理においては、ウィルスチェック、エラーレート測定)を行なっているが、この処理の順番は一例であり、任意に変更することも可能である。
【0066】
また、本実施形態では、ディスク情報を情報処理装置2のデータ記憶部12に保存しているが、これに限るものではなく、例えば、情報処理装置2と接続される外部機器(図示省略)に保存しても良い。
【0067】
また、本実施形態では、ディスク複製処理において、複製元のディスクD(マスターディスク)のデータからレーベル情報を取得し、このレーベル情報を用いて複製先のディスクDのレーベル面Lに印刷する印刷データを生成しているが、これに限るものではない。例えば、ディスク作成処理においてデータ記憶部12に保存するディスク情報として(または上記外部機器に保存するディスク情報として)、エラーレートの測定結果および識別情報(レーベル情報)に加え、ディスクDのボリュームラベルを関連付けて保存しておき、このディスク情報から複製元のディスクD(マスターディスク)のボリュームラベルと関連付けられた識別情報(レーベル情報)を取得し、これを用いて印刷データを生成しても良い。
【0068】
また、本実施形態のメディア処理システムSYの変形例として、図9に示すように、情報処理装置2に、2台のメディア処理装置101および102を接続する構成としても良い。この2台のメディア処理装置101および102の基本的な構成は、図1のメディア処理装置1と同様であるが、両メディア処理装置101および102には、供給用スタッカー103が1つずつしかない点で異なっている(情報処理装置2の構成は図1と同様である)。この場合、一方のメディア処理装置101がディスク検査処理用として機能し、他方のメディア処理装置102がディスク作成処理用として機能し、情報処理装置2はこれらメディア処理装置101および102に対して各種命令を切り分けて発行する。
【0069】
即ち、メディア処理装置101の供給用スタッカー103にマスターディスクをセットし、メディア処理装置102の供給用スタッカー103に未使用のディスクD(ブランクディスク)をセットしておき、情報処理装置2による各種処理制御の元、図5のフローチャートにおけるS21〜S36の処理(ディスク検査処理)をメディア処理装置101で実行し、S37およびS38の処理(ディスク複製処理)をメディア処理装置102で実行する。このように、メディア処理装置を2台構成にすることにより、ディスクDの検査処理と、ディスクDの複製処理(作成処理)とを、並列で行なうことができるため、処理時間の短縮を図ることができる。なお、変形例においても、成功ディスクおよびエラーディスクを、同一の保管用スタッカーに保管(搬送)しても良い。
【0070】
また、本発明のメディア処理システムSYをメディア処理装置1のみで実現しても良い。
【0071】
また、上記した、メディア処理システムSY(変形例も含む)の各構成要素をプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを記憶媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
【0072】
また、上述した実施例および変形例によらず、メディア処理システムSYの装置構成や処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
【符号の説明】
【0073】
1…メディア処理装置 2…情報処理装置 25…エラーレート判定部 42…データ記録部 43…レーベル印刷部 63…エラーレート測定部 73…エラーレート異常情報 86…エラーレート測定年月日 87…エラーレート最大値 SY…メディア処理システム D…ディスク L…レーベル面 G…グラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデータが書き込まれている記録済メディアのエラーレートを測定するエラーレート測定部と、
前記エラーレート測定部による測定結果が、予め設定された所定の閾値以下か否かを判定するエラーレート判定部と、
前記エラーレート判定部による判定の結果、前記測定結果が前記所定の閾値を超過した場合、前記記録済メディアに記録されている前記所定のデータを、他のメディアに書き込むデータ書き込み部と、を備えたことを特徴とするメディア処理システム。
【請求項2】
メディアのレーベル面に印刷を行なうレーベル印刷部と、
前記記録済メディアのレーベル面に印刷されている情報であるレーベル情報を取得するレーベル情報取得部と、をさらに備え、
前記レーベル印刷部は、
前記エラーレート判定部による判定の結果、前記測定結果が前記所定の閾値を超過した場合、前記他のメディアのレーベル面に、前記レーベル情報に基づく印刷を実行することを特徴とする請求項1に記載のメディア処理システム。
【請求項3】
前記レーベル印刷部は、
前記エラーレート判定部による判定の結果、前記測定結果が前記所定の閾値を超過した場合、前記記録済メディアのレーベル面に、その旨を示す情報を印刷することを特徴とする請求項2に記載のメディア処理システム。
【請求項4】
前記レーベル印刷部は、
前記エラーレート判定部による判定の結果、前記測定結果が前記所定の閾値以下である場合、前記記録済メディアのレーベル面に、測定した前記エラーレートに関するエラーレート情報を印刷することを特徴とする請求項2または3に記載のメディア処理システム。
【請求項5】
前記エラーレート情報には、
前記エラーレートの最大値および前記エラーレートを示すグラフの内の、少なくとも一方が含まれていることを特徴とする請求項4に記載のメディア処理システム。
【請求項6】
前記エラーレート測定部、前記データ書き込み部および前記レーベル印刷部を有するメディア処理装置と、前記エラーレート判定部および前記レーベル情報取得部を有する情報処理装置と、から成り、前記メディア処理装置と前記情報処理装置とは通信可能に接続されていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに1項に記載のメディア処理システム。
【請求項7】
所定のデータが書き込まれている記録済メディアのエラーレートを測定するエラーレート測定ステップと、
前記エラーレート測定ステップによる測定結果が、予め設定された所定の閾値以下か否かを判定するエラーレート判定ステップと、
前記エラーレート判定ステップによる判定の結果、前記測定結果が前記所定の閾値を超過した場合、前記記録済メディアに記録されている前記所定のデータを、他のメディアに書き込むデータ書き込みステップと、を実行することを特徴とするメディア処理システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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