説明

メディア音量制御システム

【課題】ドライバの注意散漫を招かないようにメディア音量を制御する。
【解決手段】メディア音量制御システムは、予測エンジンと、制御モジュールとを含む。予測モジュールは、センサデータと、シーンカテゴリデータとを収集する。シーンカテゴリデータは、メディア音量が制御されている環境を記述したデータを含む。予測エンジンは、少なくとも一部にはシーンカテゴリデータ及びセンサデータに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測し、該予測作業負荷に対応する予測作業負荷値を生成する。制御モジュールは、少なくとも一部には、予測作業負荷値に基づいて、メディア音量を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディア制御システムに関し、特に、車内のメディア音量を制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
よくある現象として、自動車のドライバは、車を運転しながら音楽、ポッドキャスト、ラジオなどのメディアコンテンツを聴く。ドライバは、自動車を運転することではなくメディアコンテンツに注意が集中することが頻繁にある。例えば、ドライバは、メディア音量を手動で調整するために注意散漫になり、それゆえに、動物が突然道路を横切るなどの緊急事態において事故を引き起こすことがある。したがって、メディア音量を自動的に制御してドライバの注意散漫を低減する音量制御システムを実現することが望まれている。しかしながら、音量制御のための既存のシステムは、不十分であることが証明されており、多くの問題を有する。
【0003】
第1に、既存の自動車ベースの音量制御システムは、車内のメディア音量をコントロールするときに、1つの要因のみを考慮している。例えば、既存の自動車ベースの音量制御システムは、車の速度を考慮し、その速度に基づいてメディア音量を制御する。これらの既存のシステムは、その他の要因を無視している。例えば、これらのシステムは、ドライバが自身の注意を自動車の運転に集中させるために手動でメディア音量を下げようとするかもしれない環境的要因(例えば、霧がかかった天候や道路の交通条件など)を無視している。
【0004】
第2に、既存の自動車ベースの音量制御システムは、ドライバの注意散漫を抑制するための機能を提供していない。例えば、既存の自動車ベースの音量制御システムは、車の速度に基づいてメディア音量を調整するので、メディア音量のレベルとノイズレベルとの比は一定である。ノイズレベルは、速度に比例するので、既存の自動車ベースの音量制御システムは、速度が上昇するときはメディア音量のレベルを上げ、速度が減少するときはメディア音量のレベルを下げる。しかしながらこれらの既存のシステムは、メディア音量のレベルを上げる又は下げる決断を下すときにドライバの注意散漫を低減することを考慮することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−220266号公報
【特許文献2】特開2010−089617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ドライバの注意散漫を招かないようにメディア音量を制御可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、先行技術の欠点及び限界を、少なくとも一部には、メディア音量を制御するためのシステム及び方法を提供することによって、克服する。システムは、予測エンジンと、制御モジュールとを含む。予測モジュールは、センサデータと、シーンカテゴリデータとを収集する。シーンカテゴリデータは、メディア音量が制御されている環境を記述したデータを含む。予測エンジンは、少なくとも一部にはシーンカテゴリデータ及びセンサ
データに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測し、該予測作業負荷に対応する予測作業負荷値を生成する。制御モジュールは、少なくとも一部には、予測作業負荷値に基づいて、メディア音量を調整する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドライバの注意散漫を招かないようにメディア音量を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態にしたがった、メディア音量を制御するためのシステムを示したハイレベルブロック図である。
【図2】一実施形態にしたがった、音量制御モジュールを示したブロック図である。
【図3】一実施形態にしたがった、記憶装置を示したブロック図である。
【図4】一実施形態にしたがった、予測特徴ベクトルを示したブロック図である。
【図5】一実施形態にしたがった、メディア音量を制御するための方法を示したフローチャートである。
【図6】別の実施形態にしたがった、メディア音量を制御するための方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、図面においては、類似の要素に言及するために同様の参照符号を使用されている。実施形態および図面による説明は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0011】
メディア音量を制御するためのシステム及び方法が、以下で説明される。以下の説明では、解説を目的として、本発明の完全な理解を可能にするために多くの詳細が特定されている。しかしながら、当業者にならば明らかなように、実施形態は、これらの詳細を伴わずとも実践することができる。また、構造及び装置は、本発明を不明瞭にしないために、ブロック図の形式で示されている。例えば、以下の1つの実施形態では、ユーザインターフェース及び特定のハードウェアを参照にして説明されている。しかしながら、本発明は、データ及びコマンドを受信することができるあらゆるタイプの計算装置、並びにサービスを提供するあらゆる周辺装置に適用する。
【0012】
本明細書において言及される「1つの実施形態」又は「一実施形態」は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。本明細書の随所に見られる「1つの実施形態では」という言い回しは、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているとは限らない。
【0013】
以下に続く詳細な説明の一部は、コンピュータメモリ内の、データビットに対する動作のアルゴリズム及び記号的表現として提示される。これらのアルゴリズム的な記述及び表現は、データ処理分野の当業者が自身の作業内容を最も効果的にその他の当業者に伝えるために使用する手段である。アルゴリズムは、ここでは、そして一般的には、所望の結果をもたらす自己矛盾のない一連のステップであると考えられる。これらのステップは、物理量の物理的操作を必要とするステップである。必ずではないが、これらの量は、通常は、格納、転送、結合、比較、及びその他の操作が可能な電気信号又は磁気信号の形態をとる。これらの信号は、ときには、主に共通使用を理由として、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数などとして言及されると好都合であることが証明されている。
【0014】
しかしながら、これらの及び類似の用語は、全て、適切な物理量に関連付けられるものであること、及びこれらの量に適用される好都合なラベルに過ぎないことを、心に留めておくべきである。以下の議論から明らかなように、その他の形で具体的に明記されない限
り、「処理する」又は「計算する」又は「算出する」又は「決定する」又は「表示する」などの用語を用いる議論は、説明全体を通して、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリにおいて物理(電子)量として表わされるデータを操作して、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ、又はその他の同様の情報記憶装置、情報伝送装置、若しくは情報画像表示装置において物理量として同様に表わされるその他のデータに変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の行為及び処理に言及していることがわかる。
【0015】
本発明は、本明細書において開示される動作を実施するための装置にも関する。この装置は、所要の目的のために特別に構築されてもよいし、又はコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に作動若しくは再構成される汎用コンピュータを含むものであってもよい。このようなコンピュータプログラムは、フロッピディスク、光ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、及び磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能・プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能・プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気カード若しくは光カード、不揮発性メモリとのユニバーサルシリアルバス(USB)キーを含むフラッシュメモリ、又は電子命令を格納するのに適した任意のタイプの媒体などを非限定例として含み、それぞれがコンピュータシステムバスにつながれた、コンピュータ可読ストレージ媒体に格納されてよい。
【0016】
一部の実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又はハードウェアの要素とソフトウェアの要素とを両方含む実施形態の形をとることができる。好ましい実施形態は、ソフトウェアの形で実現され、非限定例として、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどがある。
【0017】
更に、一部の実施形態は、コンピュータ可用媒体又はコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態をとって、コンピュータ若しくは任意の命令実行システムによって又はコンピュータ若しくは任意の命令実行システムに関連して使用されるプログラムコードを提供することができる。この説明を目的として、コンピュータ可用媒体又はコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって又は命令実行システム、装置、若しくはデバイスに関連して使用されるプログラムコードを内包、格納、通信、伝搬、又は運搬することができる任意の装置であることが可能である。
【0018】
プログラムコードの格納及び/又は実行に適したデータ処理システムは、システムバスを通じてメモリエレメントに直接的に又は間接的につながれた少なくとも1つのプロセッサを含む。メモリエレメントは、プログラムコードの実際の実行時に用いられるローカルメモリ、バルクストレージ、及び実行時にバルクストレージからコードを取り出さなければならない回数を減らすために少なくとも一部のプログラムコードの一時的な保存を可能にするキャッシュメモリを含むことができる。
【0019】
入出力装置すなわちI/O装置(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイスなどを非限定例として含む)は、直接的に又は介在するI/Oコントローラを通じてシステムにつなぐことができる。
【0020】
介在するプライベートネットワーク又はパブリックネットワークを通じてデータ処理システムがその他のデータ処理システム又はリモートプリンタ又は記憶装置につながることを可能にするために、ネットワークアダプタがシステムにつながれてもよい。モデム、ケーブルモデム、及びイーサネット(登録商標)カードは、現在入手可能なネットワークア
ダプタのほんの幾つかのタイプ例である。
【0021】
最後に、ここで提示されるアルゴリズム及び表示は、元来どれか特定のコンピュータ又はその他の装置に関係しているものではない。各種の汎用システムが、ここでの教示内容にしたがったプログラムと併用されてよい。或いは、所要の方法ステップを実施するにはより専用の装置を構築すると好都合であることが、証明されるかもしれない。これらの様々なシステムに必要とされる構造は、以下の説明から見えてくる。また、本明細書は、いかなる特定のプログラミング言語にも言及することなく説明される。ここで説明される各種の実施形態の教示内容の遂行には、様々なプログラミング言語が使用されてよいことがわかる。
【0022】
<システム概要>
図1は、1つの実施形態にしたがった、メディア音量制御システム100のブロック図を示している。図に示されたシステム100は、制御部102と、カメラ108と、センサ110a及び110n(個別に又はまとめてセンサ110として言及される)と、インターフェース112と、ユーザ125と、記憶装置140とを含む。2つのセンサ110a及び110nのみが示されているが、当業者ならば、任意の数のセンサ110が利用可能であることがわかる。更に、図1では、制御部102、カメラ108、インターフェース112、ユーザ125、記憶装置140はいずれも1つのみが描かれているが、システム100はこれらの要素を複数含むことも可能である。当業者ならば、システム100が、スピーカ、画像表示装置、入力装置などの、図1に示されていないその他の実態を含んでよいこともわかる。
【0023】
図に示された実施形態では、カメラ108は、信号線109を介して制御部102と通信可能に接続されている。センサ110aは、信号線111を介して制御部102と通信可能に接続されている。センサ110nは、信号線113を介して制御部102と通信可能に接続されている。ユーザ125は、信号線117を介してインターフェース112とやり取りする。インターフェース112は、信号線115を介して制御部102と通信可能に接続されている。記憶装置140は、信号線141を介して制御部102と通信可能に接続されている。
【0024】
図に示された実施形態では、システム100は、更に、ネットワーク105と、統合クラウドデータベース150とを含む。ネットワーク105及び統合クラウドデータベース150は、それらがシステム100の省略可能な特徴であることを示すために、破線で描かれている。制御部102は、信号線119を介してネットワーク105と通信可能に接続されている。統合クラウドデータベース150は、信号線151を介してネットワーク105と通信可能に接続されている。
【0025】
制御部102は、プロセッサベースの任意の計算装置であってよい。例えば、制御部102は、車に実装された電子制御ユニット(ECU)である。1つの実施形態では、制御部102は、システムオンチップ(SOC)などの単一の集積回路を使用して実装される。1つの実施形態では、制御部102は、カメラ108からの1つ又は2つ以上の画像、及びセンサ110からの1つ又は2つ以上のセンサ信号を受信する。制御部102は、1つ又は2つ以上の画像及び1つ又は2つ以上のセンサ信号を処理する。制御部102は、少なくとも一部には1つ又は2つ以上の処理結果に基づいて、車内のメディア音量を制御する。制御部102は、とりわけ、プロセッサ104と、音量制御モジュール106とを含む。1つの実施形態では、制御部102は、メモリ(不図示)及びI/Oインターフェース(不図示)などの、従来のその他の制御用の要素を含む。
【0026】
プロセッサ104は、計算を実施するために、及び記憶装置140に保存されたデータ
を取り出すなどのために、算術論理演算ユニット、マイクロプロセッサ、汎用コントローラ、又はその他の何らかのプロセッサアレイを含む。プロセッサ104は、データ信号を処理し、複合命令セットコンピュータ(CISC)アーキテクチャ、縮小命令デットコンピュータ(RISC)アーキテクチャ、又は命令セットの組み合わせを実行するアーキテクチャなどの、様々な計算アーキテクチャを含んでよい。図1には1つのプロセッサのみが示されているが、複数のプロセッサが含まれてよい。処理能力は、画像の表示、並びに画像の取り込み及び送信をサポートすることに限られてよい。処理能力は、様々なタイプの特徴抽出及びサンプリングなどの、より複雑なタスクを実施するのに十分であってもよい。当業者ならば、その他のプロセッサ、オペレーティングシステム、センサ、ディスプレイ、及び物理的構成も可能であることが明らかである。
【0027】
音量制御モジュール106は、メディア音量を制御(調整)するためのコード及びルーチンである。例えば、音量制御モジュール106は、車内のメディア音量を制御するボリュームコントローラである。メディア音量は、メディアコンテンツが再生される音量(ボリューム)である。実施形態において使用されるメディアコンテンツとは、任意のタイプのコンテンツを含むものである。1つの実施形態では、メディアコンテンツは、音声コンテンツ(歌など)である。別の実施形態では、メディアコンテンツは、映像・音声コンテンツ(映画など)である。例えば、メディアコンテンツは、音楽、ポッドキャスト、音声ニュース番組、オーディオブック、映画、テレビ番組、アマチュアが作成し映像提供サイトによって提供される映像のようなユーザ作成コンテンツなどのうちの、1つ又は2つ以上を含む。
【0028】
1つの実施形態では、音量制御モジュール106は、プロセッサ104のオンチップストレージに保存されたコード及びルーチンを含む。別の実施形態では、音量制御モジュール106は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特殊用途向け集積回路(ASIC)などのハードウェアを使用して実装される。更に別の実施形態では、音量制御モジュール106は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用して実装される。
【0029】
1つの実施形態では、音量制御モジュール106は、カメラ108から1つ又は2つ以上の画像を受信する。音量制御モジュール106は、1つ又は2つ以上の画像を処理し、少なくとも一部には該1つ又は2つ以上の画像に基づいて、シーンカテゴリデータを生成する。シーンカテゴリデータは、メディア音量制御が実行されている場所(すなわち制御部102が現在存在する場所)の環境を記述したデータである。例えば、メディア音量をコントロールされる車を取り巻くシーンを記述したデータを含む。シーンは、車外の環境である。例えば、シーンは、森林シーン、郊外シーン、都市シーン、及び高速道路シーンなどのうちの1つである。シーンカテゴリデータは、図2を参照にして、以下で更に詳しく説明される。
【0030】
別の実施形態では、音量制御モジュール106は、1つ又は2つ以上のセンサ110から1つ又は2つ以上のセンサ信号を受信する。音量制御モジュール106は、1つ又は2つ以上のセンサ信号を処理し、少なくとも一部には該1つ又は2つ以上の信号に基づいて、センサデータを生成する。センサデータは、1つ又は2つ以上のセンサ110に関連付けられたデータである。例えば、センサデータは、温度感知センサ110(例えば、温度計又はサーモスタット)によって測定される温度を記述したデータを含む。センサデータは、図2を参照にして、以下で更に詳しく説明される。
【0031】
音量制御モジュール106は、少なくとも一部にはシーンカテゴリデータ及びセンサデータに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測し、該予測作業負荷に対応する予測作業負荷値を生成する。作業負荷は、タスクを実施するために必要とされる作業の量である。
例えば、作業負荷は、或る環境において車を運転するために必要とされる作業の量である。音量制御モジュール106は、少なくとも一部には予測作業負荷値に基づいて、メディア音量を調整する。音量制御モジュール106は、図2を参照にして、以下で更に詳しく説明される。
【0032】
カメラ108は、画像を記録するための光学デバイスである。例えば、カメラ108は、車が道路を走行するのに伴って、道路、信号機、車、道路を横断する歩行者などの車外の写真を撮影する。1つの実施形態では、カメラ108は、画像を捕えてそれらの画像を記憶装置140に保存する。1つの実施形態では、カメラ108は、車の前部に搭載される。その他の実施形態では、カメラ108は、車のその他の部分に搭載される。1つの実施形態では、カメラ108は、ドライバが道路で車を運転しているときに道路を取り巻いている環境を記述した、連続フレームを含む映像を捕えるように構成される。カメラ108は、画像を音量制御モジュール106に送信する。
【0033】
センサ110は、任意のタイプのデータを収集するように構成された任意のタイプの従来センサである。例えば、センサ110は、光検出と測距(LIDAR)センサ、赤外線検出器、動作検出器、サーモスタット、及び音声検出器などのうちの1つである。当業者ならば、その他のタイプのセンサも可能であることがわかる。1つの実施形態では、センサ110は、車に関係した条件を測定し、その条件を記述したセンサ信号を生成する。例えば、センサ110は、車のステアリング角、ブレーキ角、速度、加速及び/又は減速、車内温度、フォグランプが点灯しているかどうか、並びに風よけワイパが作動しているかどうかなどのうちの1つを測定する。センサ110は、測定結果を記述したセンサ信号を生成する。別の実施形態では、センサ110は、車外の環境における条件を測定し、その測定結果を記述したセンサ信号を生成する。例えば、センサ110は、環境における湿度の割合を測定し、その測定結果を記述したセンサ信号を生成する。センサ110は、センサ信号を音量制御モジュール106に送信する。
【0034】
1つの実施形態では、システム100は、異なるタイプのセンサ110の組み合わせを含む。例えば、システム100は、車のステアリング装置のステアリング角を監視するための第1のセンサ110と、車の速度を監視するための第2のセンサ110と、車のブレーキ装置のブレーキ角を監視するための第3のセンサ110とを含む。
【0035】
インターフェース112は、ユーザ125と制御部102との間における通信を扱うように構成される。例えばインターフェース112は、ユーザ125からの入力を受信するための車載タッチスクリーン及びユーザ125からの音声入力を拾うためのマイクのうちの、1つ又は2つ以上を含む。インターフェース112は、ユーザ125からの入力を制御部102に送信する。1つの実施形態では、インターフェース112は、制御部102からの出力をユーザ125に通信するように構成される。例えば、インターフェース112は、ユーザ125に対してメディアコンテンツを再生するためのオーディオシステム及び/又はユーザ125に対してメディア音量のレベルを表示するための画像表示装置を含む。当業者ならば、インターフェース112が、本明細書で説明される機能性を提供するためにその他のタイプのデバイスを含んでもよいことがわかる。
【0036】
ユーザ125は、人間のユーザである。1つの実施形態では、ユーザ125は、道路で車を運転しているドライバである。ユーザ125は、インターフェース112とやり取りする又はそれ以外の形でインターフェース112に入力を提供し、インターフェース112は、制御部102との間において様々なタイプのデータの送信及び受信を行う。例えば、インターフェース112は、タッチスクリーンであり、ユーザ125は、指又はスタイラスペンでタッチスクリーンの一部分をタッチして入力を提供する。
【0037】
記憶装置140は、データを保存する非一時的(non-transitory)なメモリである。例えば、記憶装置140は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリ、又は当該分野において知られたその他の何らかのメモリデバイスである。1つの実施形態では、記憶装置140は、ハードディスクドライブ、フロッピィディスクドライブ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)デバイス、デジタル多用途ディスク読み出し専用メモリ(DVD−ROM)デバイス、デジタル多用途ディスクランダムアクセスメモリ(DVD−RAM)、書き換え可能デジタル多用途ディスク(DVD−RW)デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は当該分野において知られたその他の何らかの不揮発性記憶装置などの、不揮発性メモリ又は同様の永久記憶装置及び媒体も含む。記憶装置140は、図3を参照にして、以下で更に詳しく説明される。
【0038】
ネットワーク105は省略可能であるが、有線又は無線の従来のタイプのネットワークであり、スター型構成、トークンリング構成、又は当業者に知られたその他の構成などの任意の数の構成を含んでよい。1つの実施形態では、ネットワーク105は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)(例えばインターネット)、及び/又は複数のデバイスがそれを通して通信し合うその他の任意の相互接続データ経路のうちの、1つ又は2つを含む。別の実施形態では、ネットワーク105は、ピアツーピアネットワークである。ネットワーク105は、データを種々様々な通信プロトコルで送信するために、電気通信ネットワークにつながれる又は電気通信ネットワークの部分を含む。例えば、ネットワークは、3Gネットワーク又は4Gネットワークである。更に別の実施形態では、ネットワーク105は、ショートメッセージングサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接データ接続、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)、eメールなどを介してデータを送受信するために、ブルートゥース通信ネットワーク又はセルラ式通信ネットワークを含む。更に別の実施形態では、ネットワーク105のなかのリンクの全部又は一部が、セキュアソケットレイヤ(SSL)、セキュアHTTP、及び/又は仮想プライベートネットワーク(VPN)などの、従来の暗号化技術を使用して暗号化される。
【0039】
統合クラウドデータベース150は省略可能であるが、ネットワーク105からアクセス可能なオンラインデータベースである。例えば、統合クラウドデータベース150は、複数の企業によって提供された複数の仮想サーバ上にデータを保存されるデータベースである。1つの実施形態では、統合クラウドデータベース150は、システム100の機能性を提供するために、任意のデータを保存する。別の実施形態では、統合クラウドデータベース150は、複数の車に組み込まれた複数の制御部102から受信されるデータを保存する。
【0040】
システム100は、少なくとも一部にはユーザにかかる予測作業負荷に基づいて、車内のメディア音量を動的に調整するための枠組みを提供する。このメディア音量の動的調整は、なかでも、ドライバの注意を自動車の運転から逸らすことなく少なくとも一部には予測作業負荷に基づいてリアルタイムでメディア音量を自動的に変更するゆえに、特に有利である。例えば、システム100は、ドライバにかかる予測作業負荷を表す予測作業負荷値に少なくとも一部には基づいてメディア音量を自動的に変更するので、ドライバは、メディア音量を手動で調整するために運転任務から注意を逸らすことはない。また、システム100は、後述されるように、環境的要因(例えば、天候条件や道路条件など)及び車両条件的要因(例えば、車の速度、加速、減速、ブレーキ角、ステアリング角など)などの様々な要因を作業負荷の予測に組み入れており、これは、作業負荷の予測の正確さを高め、したがって、自動的なメディア音量制御におけるユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0041】
<音量制御モジュール>
次に、図2を参照すると、より詳しく音量制御モジュール106が示されている。図2は、1つの実施形態にしたがった、音量制御モジュール106を示したブロック図である。音量制御モジュール106は、通信モジュール201と、シーンモジュール203と、センサモジュール205と、予測エンジン207と、調整モジュール209と、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)モジュール211とを含む。音量制御モジュール106のこれらのコンポーネントは、互いとの通信のために、可通信式にバス220につながれている。図に示された実施形態では、プロセッサ104は、信号線236を介してバス220と通信可能に接続されている。記憶装置140は、信号線141を介してバス220と通信可能に接続されている。
【0042】
通信モジュール201は、音量制御モジュール106のコンポーネントとシステム100のその他のコンポーネントとの間における通信を扱うためのコード及びルーチンである。例えば、通信モジュール201は、1つ又は2つ以上のセンサ110から1つ又は2つ以上のセンサ信号を受信し、該1つ又は2つ以上のセンサ信号をセンサモジュール205に送信する。通信モジュール201は、信号線222を介してバス220と通信可能に接続されている。
【0043】
1つの実施形態では、通信モジュール201は、カメラ108から1つ又は2つ以上の画像を受信し、該1つ又は2つ以上の画像をシーンモジュール203に送信する。別の実施形態では、通信モジュール201は、GUIモジュール211からグラフィカルデータを受信し、該グラフィカルデータを、ユーザに対してユーザインターフェースを表示するためのインターフェース112に送信する。更に別の実施形態では、通信モジュール201は、音量制御モジュール106のその他のコンポーネントからデータを受信し、該データを、バス220を介して記憶装置140に保存する。例えば、通信モジュール201は、センサモジュール205からセンサデータを受信し、該センサデータを記憶装置140に保存する。
【0044】
1つの実施形態では、通信モジュール201は、記憶装置140からデータを取り出し、該データを音量制御モジュール106のその他のコンポーネントに送信する。例えば、通信モジュール201は、記憶装置140からセンサデータを取り出し、該センサデータを予測エンジン207に送信する。別の実施形態では、通信モジュール201は、音量制御モジュール106のコンポーネント間における内部通信を扱う。例えば、通信モジュール201は、シーンモジュール203及び予測エンジン207と通信し、シーンモジュール203によって生成されたシーンカテゴリデータを予測エンジン207に送信する。
【0045】
シーンモジュール203は、シーンカテゴリデータを生成するためのコード及びルーチンである。例えば、シーンモジュール203は、通信モジュール201を介してカメラ108から1つ又は2つ以上の画像を受信し、該1つ又は2つ以上の画像を処理し、該1つ又は2つ以上の画像から、車外のシーンに関連付けられたシーンカテゴリデータを生成する。1つの実施形態では、1つ又は2つ以上の画像は、そのシーンにおいて捕えられた映像からの1つ又は2つ以上の連続フレームである。シーンモジュール203は、1つ又は2つ以上の画像を画像データとして記憶装置140に保存する。シーンモジュール203は、信号線224を介してバス220と通信可能に接続されている。
【0046】
シーンカテゴリデータは、シーンに関連付けられた1つ又は2つ以上のカテゴリのデータを含む。例えば、シーンカテゴリデータは、天候カテゴリの天候データ(例えば、晴天、雨天、曇天、霧のかかった天候、風の強い天候など)、道路カテゴリの道路タイプデータ(例えば、広い道路若しくは狭い道路など)、交通カテゴリの交通データ(例えば、渋
滞した交通、非常に混雑した交通、混雑した交通、普通の交通、往来がない交通、高速道路に合流する交通、歩行者が道路を横断するなど)、及びシーンタイプカテゴリのシーンタイプデータ(例えば、森林シーン、郊外シーン、都市シーン、若しくは高速道路シーンなど)のうちの、1つ又は2つ以上を含む。1つの実施形態では、シーンモジュール203は、シーンカテゴリデータを予測エンジン207に送信する。別の実施形態では、シーンモジュール203は、シーンカテゴリデータを記憶装置140に保存する。
【0047】
1つの実施形態では、シーンモジュール203は、画像処理技術を適用して1つ又は2つ以上の画像を処理し、シーンカテゴリデータを生成する。例えば、シーンモジュール203は、1つ又は2つ以上の画像を二次元信号であると見なし、該1つ又は2つ以上の画像を信号フィルタリングやパターン認識などの標準的な信号処理技術を使用して処理する。別の実施形態では、シーンモジュール203は、モデル(例えば、ベイジアンネットワーク及び/又はフィードフォワードニューラルネットワークなど)を確立し、1つ又は2つ以上の画像を該モデルへの入力として適用し、該モデルからの出力としてシーンカテゴリデータ(例えば、シーンタイプデータや天候データなど)を生成する。当業者ならば、シーンモジュール203は、1つ又は2つ以上の画像からシーンカテゴリデータを生成するために任意の画像処理技術を実施してよいことがわかる。
【0048】
センサモジュール205は、センサデータを生成するためのコード及びルーチンである。例えば、センサモジュール205は、車両に組み込まれた温度感知センサ110(例えば、サーモスタット)からセンサ信号を受信し、該センサ信号を処理し、該センサ信号から温度を記述したセンサデータを生成する。センサモジュール205は、信号線226を介してバス220と通信可能に接続されている。
【0049】
1つの実施形態では、センサモジュール205は、1つ又は2つ以上のセンサ110から1つ又は2つ以上のセンサ信号を受信する。例えば、センサモジュール205は、車のブレーキ装置のブレーキ角を監視するための第1のセンサ110から第1のセンサ信号を、車の速度を監視するための第2のセンサ110から第2のセンサ信号を、車のステアリング装置のステアリング角を監視するための第3のセンサ110から第3のセンサ信号を受信するなどする。センサモジュール205は、1つ又は2つ以上のセンサ信号からセンサデータを生成する。センサデータは、ブレーキデータ、速度データ、ステアリングデータ、ワイパデータ、ライトデータ、及び温度データなどのうちの、1つ又は2つ以上を含む。1つの実施形態では、センサモジュール205は、センサデータを予測エンジン207に送信する。別の実施形態では、センサモジュール205は、センサデータを記憶装置140に保存する。
【0050】
ブレーキデータは、ブレーキ装置に関連付けられたデータである。例えば、ブレーキデータは、車のブレーキ装置の角度を記述したデータを含む。速度データは、車の速度を記述したデータである。例えば、速度データは、車が時速65マイル(約時速105キロ)の速さで移動していることを記述している。ステアリングデータは、車のステアリング装置に関連付けられたデータである。例えば、ステアリングデータは、ステアリング装置の角度を記述したデータを含む。ワイパデータは、フロントガラスワイパーの状態を記述したデータである。例えば、ワイパデータは、フロントガラスワイパーが作動していることを記述している。ライトデータは、車のライトの状態を記述したデータである。例えば、ライトデータは、車のロービームヘッドライトがオンにされていることを記述したデータを含む。温度データは、温度を記述したデータである。例えば、温度データは、車内が華氏90度(約摂氏32度)であることを示す。
【0051】
予測エンジン207は、ユーザにかかる作業負荷を予測するためのコード及びルーチンである。例えば、予測エンジン207は、ドライバが或るシーン(例えば、高速道路シー
ン)で車を運転しているときにドライバにかかる作業負荷を予測する作業負荷予測器である。予測エンジン207は、信号線228を介してバス220と通信可能に接続されている。予測エンジン207は、ユーザにかかる作業負荷を予測するためのデータを収集する。1つの実施形態では、予測エンジン207は、シーンモジュール203からシーンカテゴリデータを、センサモジュール205からセンサデータを受信する。別の実施形態では、予測エンジン207は、シーンカテゴリデータ及びセンサデータを記憶装置140から取り出す。
【0052】
1つの実施形態では、予測エンジン207は、シーンカテゴリデータとセンサデータとを集約させて、予測特徴ベクトルを形成する。予測特徴ベクトルは、ユーザにかかる作業負荷を予測するために使用されるデータ群を含むベクトルである。例えば、予測特徴ベクトルは、シーンカテゴリデータ及びセンサデータを含む。予測特徴ベクトルは、図4を参照にして、以下で更に説明される。
【0053】
1つの実施形態では、予測エンジン207は、少なくとも一部にはシーンカテゴリデータ及びセンサデータに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測する。予測エンジン207によって予測される作業負荷は、「予測作業負荷」として言及される。例えば、予測エンジン207は、記憶装置140からモデルデータを取り出し、少なくとも一部には該モデルデータに基づいて、予測モデルを確立する。モデルデータは、予測モデルを確立するためのデータである。予測モデルは、ユーザにかかる作業負荷を予測するために使用されるモデルである。例えば、予測モデルは、ユーザにかかる作業負荷を予測する統計モデルである。予測エンジン207は、シーンカテゴリデータ及びセンサデータを予測モデルへの入力として適用し、該予測モデルからの出力として予測作業負荷を生成する。別の実施形態では、予測エンジン207は、少なくとも一部には予測特徴ベクトルに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測する。例えば、予測エンジン207は、予測特徴ベクトルを予測モデルへの入力として適用し、該予測モデルからの出力として予測作業負荷を生成する。
【0054】
1つの実施形態では、予測エンジン207は、ユーザにかかる作業負荷を表す作業負荷値を生成する。例えば、予測エンジン207は、予測モデルからの出力として、ユーザにかかる予測作業負荷を示す作業負荷値を生成する。予測作業負荷を表す作業負荷値は、以下では「予測作業負荷値」と称する。1つの実施形態では、予測エンジン207は、大きい予測作業負荷値ほど高い作業負荷を表すように、作業負荷と作業負荷値との間に1対1の関係を確立する。例えば、第1の作業負荷値(例えば0.7)が、第2の作業負荷値(例えば0.4)よりも大きいということは、第1の作業負荷値によって表される第1の作業負荷が、第2の作業負荷値によって表される第2の作業負荷よりも高いことを示す。
【0055】
1つの実施形態では、作業負荷値は、「0」などの最小値と「1」などの最大値との間の値を有する。最大作業負荷値は、予測エンジン207が、ユーザに最大作業負荷がかかると予測していることを示す。例えば、交通が非常に混雑している凍った高速道路に車が合流するときは、予測エンジン207は、その車を運転しているドライバに最大作業負荷がかかると予測し、ドライバがその全注意を運転任務に払う必要があることを示すために最大作業負荷に対応する最大作業負荷値を生成する。或いは、最小作業負荷値は、予測エンジン207が、ユーザに最小作業負荷がかかると予測していることを示す。例えば、車が一時的に路上に停止しているときは、予測エンジン207は、その車を運転しているドライバに最小作業負荷がかかると予測し、ドライバが運転に注意を払う必要がないことを示すために最小作業負荷に対応する最小作業負荷値を生成する。
【0056】
1つの実施形態では、予測エンジン207は、作業負荷値を調整モジュール209に送信する。別の実施形態では、予測エンジン207は、作業負荷値を予測データ307の一
部分として記憶装置140に保存する。予測データ307は、図3を参照にして、以下で説明される。
【0057】
調整モジュール209は、メディア音量を調整するためのコード及びルーチンである。例えば、調整モジュール209は、車載オーディオシステムのメディア音量を自動的に調整する音声制御器である。調整モジュール209は、信号線230を介してバス220と通信可能に接続されている。1つの実施形態では、調整モジュール209は、予測作業負荷を表す作業負荷値を予測エンジン207から受信する。別の実施形態では、調整モジュール209は、予測作業負荷を表す予測エンジン207からの作業負荷値を記憶装置140から取り出す。
【0058】
1つの実施形態では、調整モジュール209は、作業負荷値とメディア音量のレベルとの間に変換を確立する。例えば、調整モジュール209は、各作業負荷値がそれぞれ異なるレベルのメディア音量に関連付けられるように、作業負荷値とメディア音量のレベルとの間に1対1の関係を確立する。1つの実施形態では、大きい作業負荷値ほど低いレベルのメディア音量に関連付けられるように、作業負荷値と該作業負荷値に関連付けられたメディア音量のレベルとが逆相関を有する。例えば、最小作業負荷値は最高レベルのメディア音量に関連付けられ、最大作業負荷値は最低レベルのメディア音量に関連付けられる。作業負荷値とメディア音量のレベルとの間に逆相関を実装する理由は、大きい作業負荷値ほどユーザにかかる作業負荷が高いことを示すからである。ユーザが運転に注意を集中させることを要するより高い作業負荷の状況下では、メディア音量をより低いレベルに下げることがユーザの注意散漫を低減するための1つのアプローチ例である。
【0059】
1つの実施形態では、作業負荷値とメディア音量のレベルとの間における逆相関は、ユーザによって決定される。別の実施形態では、作業負荷値とメディア音量のレベルとの間における逆相関は、システム100の管理者によって設定される。
【0060】
1つの実施形態では、調整モジュール209は、予測作業負荷値を受信し、少なくとも一部には上記の変換に基づいて、該予測作業負荷値に関連付けられたメディア音量のレベルを決定する。予測作業負荷値に関連付けられたメディア音量のレベルは、「メディア音量の予測レベル」として言及される。別の実施形態では、調整モジュール209は、メディアコンテンツが現時点で再生されているメディア音量のレベルを決定する。メディアコンテンツが現時点で再生されているメディア音量のレベルは、「メディア音量の現行レベル」として言及される。例えば、調整モジュール209は、車載オーディオシステムの設定をチェックし、該設定からメディア音量の現行レベルを取得する。調整モジュール209は、少なくとも一部には上記の変換に基づいて、メディア音量の現行レベルに関連付けられた作業負荷値を決定する。メディア音量の現行レベルに関連付けられた作業負荷値は、「現行作業負荷値」として言及される。現行作業負荷値は、現時点での作業負荷を、すなわち、例えば或る環境において現時点で車を運転するために必要とされる作業負荷を表す。
【0061】
1つの実施形態では、調整モジュール209は、少なくとも一部には予測作業負荷値に基づいて、メディア音量を調整する。例えば、調整モジュール209は、予測作業負荷値を現行作業負荷値と比較する。もし予測作業負荷値が現行作業負荷値よりも大きく、予測作業負荷が現行作業負荷よりも大きいことを示す場合は、調整モジュール209は、ユーザの注意散漫を低減するために、メディア音量を現行レベルから予測レベルまで引き下げる。もし予測作業負荷値が現行作業負荷値よりも小さく、予測作業負荷が現行作業負荷よりも小さいことを示す場合は、調整モジュール209は、メディア音量を現行レベルから予測レベルまで引き上げる。もし予測作業負荷値が現行作業負荷値に等しく、予測作業負荷が現行作業負荷に等しいことを示す場合は、調整モジュール209は、メディア音量を
変更しない。
【0062】
1つの実施形態では、調整モジュール209は、メディア音量が変更されたことをユーザに通知するために、音声メッセージを送信する。別の実施形態では、調整モジュール209は、メディア音量が変更されたことをユーザに通知するためのユーザインターフェースを生成するように、GUIモジュール211に指示する。
【0063】
GUIモジュール211は、ユーザにユーザインターフェースを提供するためのグラフィカルデータを生成するためのコード及びルーチンである。GUIモジュール211は、信号線232を介してバス220と通信可能に接続されている。1つの実施形態では、GUIモジュール211は、メディア音量が調整されたことをユーザに通知するためのユーザインターフェースを描くためのグラフィカルデータを生成する。別の実施形態では、GUIモジュール211は、その他のメッセージ(例えば、お勧めの音楽)をユーザに送達するためのユーザインターフェースを描くためのグラフィカルデータを生成する。その他の実施形態では、GUIモジュール211は、ユーザがそれを通じてシステム100に情報を入力するためのユーザインターフェースを描くためのグラフィカルデータを生成する。GUIモジュール211は、生成されたグラフィカルデータをインターフェース112に送信し、インターフェース112にユーザに対してユーザインターフェースを提示させる。
【0064】
<記憶装置>
図3は、1つの実施形態にしたがった記憶装置140を示したブロック図である。記憶装置140は、画像データ301と、シーンカテゴリデータ303と、センサデータ305と、予測データ307とを含む。当業者ならば、記憶装置140が、本明細書で説明される機能性を提供するためにその他のデータも含んでよいことがわかる。
【0065】
画像データ301は、1つ又は2つ以上の画像を記述したデータである。1つの実施形態では、シーンモジュール203は、通信モジュール201を通じてカメラ108から1つ又は2つ以上の画像を受信し、該1つ又は2つ以上の画像を画像データ301の一部分として記憶装置140に保存する。
【0066】
シーンカテゴリデータ303は、ユーザにかかる作業負荷に関連付けられた1つ又は2つ以上の環境的要因を記述したデータを含む。例えば、シーンカテゴリデータ303は、或る環境においてドライバが車を運転しているときにそのドライバにかかる作業負荷に影響を及ぼす天候データ、道路タイプデータ、交通データ、及びシーンタイプデータなどのうちの、1つ又は2つ以上を含む。
【0067】
センサデータ305は、センサモジュール205によって生成されたデータを含む。例えば、センサデータ305は、ブレーキデータ、速度データ、ステアリングデータ、ワイパデータ、ライトデータ、及び温度データのうちの、1つ又は2つ以上を含む。
【0068】
予測データ307は、作業負荷の予測に関連付けられたデータを含む。例えば、予測データ307は、作業負荷を予測するための予測モデルを確立するためのモデルデータを含む。1つの実施形態では、予測データ307は、1つ又は2つ以上の予測作業負荷を生成するために使用される1つ又は2つ以上の予測特徴ベクトルを含む。別の実施形態では、予測エンジン307は、1つ又は2つ以上の予測作業負荷に対応する1つ又は2つ以上の作業負荷値を含む。
【0069】
<予測特徴ベクトル>
図4は、1つの実施形態にしたがった、予測特徴ベクトル401を示したブロック図で
ある。図に示された実施形態では、予測特徴ベクトル401は、ブレーキデータ403、速度データ405、ステアリングデータ407、ワイパデータ409、及びライトデータ411などのセンサデータを含む。予測特徴ベクトル401は、更に、天候データ413、道路タイプデータ415、交通データ417、及びシーンタイプデータ419などのシーンカテゴリデータを含む。当業者ならば、予測特徴ベクトル401が、その他のセンサデータ(例えば、温度データ)及びその他のシーンカテゴリデータ(例えば、或る環境において日中か又は夜間かを示す時刻印)を追加で含んでもよいことは明らかであろう。
【0070】
ブレーキデータ403は、車のブレーキ装置の角度を記述したデータを含む。例えば、ゼロ度の値を有するブレーキデータ403は、ブレーキ装置がドライバによって踏み込まれていないことを示す。
【0071】
速度データ405は、車の速度を記述したデータを含む。例えば、速度データ405は、車が時速30マイル(約時速48キロ)の速さで移動していることを示す。
【0072】
ステアリングデータ407は、車のステアリング装置の角度を記述したデータを含む。例えば、ゼロ度の値を有するステアリングデータ407は、車が直進していることを示す。
【0073】
ワイパデータ409は、フロントガラスワイパーの状態を記述したデータを含む。例えば、1の値を有するワイパデータ409は、フロントガラスワイパーが作動していることを示す。或いは、ゼロの値を有するワイパデータ409は、フロントガラスワイパーが作動していないことを示す。
【0074】
ライトデータ411は、車のライトの状態を記述したデータを含む。例えば、ゼロの値を有するライトデータ411が、オンにされているライトがないことを示す一方で、1の値を有するライトデータ411は、ロービームヘッドライトがオンにされていることを示す。当業者ならば、ライトビーム411が、ハイビームライトなどのその他のライトがオンにされていることを示すためのその他の値も有してよいことがわかる。
【0075】
天候データ413は、或る環境における天候条件を記述したデータである。天候条件は、晴天、雨天、曇天、霧がかかった天候、風の強い天候、及び不確かな天候などのうちの1つである。例えば、1の値を有する天候データ413が、天候条件が晴天であることを示す一方で、2の値を有する天候データ413は、天候条件が雨天であることを示す。
【0076】
道路タイプデータ415は、道路の条件を記述したデータである。例えば、ゼロの値を有する道路タイプデータ415が、道路が狭いことを示す一方で、1の値を有する道路タイプデータ415は、道路が広いことを示す。
【0077】
交通データ417は、道路上における交通条件を記述したデータである。例えば、交通データ417は、渋滞した交通、非常に混雑した交通、混雑した交通、普通の交通、及び道路に往来がない交通のうちの1つを記述したデータを含む。1つの実施形態では、交通データ417は、高速道路に合流する、高速道路から出る、歩行者が道路を横断するなどのその他の交通条件を記述したその他のデータも含む。
【0078】
シーンタイプデータ419は、シーンのタイプを記述したデータである。例えば、シーンタイプデータ419は、シーンが森林シーン、郊外シーン、都市シーン、及び高速道路シーンなどのうちの1つであることを記述したデータを含む。
【0079】
<方法>
次に、図5〜6Bを参照にして、本発明にかかる方法の様々な実施形態が説明される。図5は、1つの実施形態にしたがった、車内のメディア音量を調整するための方法500を示したフローチャートである。予測エンジン207は、シーンカテゴリデータを収集する(502)。シーンカテゴリデータは、天候データ、道路タイプデータ、交通データ、及びシーンタイプデータなどのうちの、1つ又は2つ以上を含む。1つの実施形態では、予測エンジン207は、シーンカテゴリデータをシーンモジュール203から受信する。別の実施形態では、予測エンジン207は、シーンカテゴリデータを記憶装置140から取り出す。予測エンジン207は、センサデータを収集する(504)。センサデータは、ブレーキデータ、速度データ、ステアリングデータ、ワイパデータ、ライトデータ、及び温度データのうちの、1つ又は2つ以上を含む。1つの実施形態では、予測エンジン207は、センサデータをセンサモジュール205から受信する。別の実施形態では、予測エンジン207は、センサデータを記憶装置140から取り出す。
【0080】
予測エンジン207は、ユーザにかかる作業負荷を予測する(506)。例えば、予測エンジン207は、少なくとも一部にはシーンカテゴリデータ及びセンサデータに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測する。予測エンジン207は、該予測作業負荷に対応する予測作業負荷値を生成し、該予測作業負荷値を調整モジュール209に送信する。
【0081】
調整モジュール209は、少なくとも一部には予測作業負荷値に基づいて、メディア音量を調整する(508)。例えば、調整モジュール209は、メディアコンテンツが再生されているメディア音量の現行レベルを決定する。調整モジュール209は、メディア音量の現行レベルに関連付けられた現行作業負荷値を決定する。調整モジュール209は、また、予測作業負荷値に関連付けられたメディア音量の予測レベルを決定する。調整モジュール209は、現行作業負荷値を予測作業負荷値と比較する。もし予測作業負荷値が現行作業負荷値よりも大きく、予測作業負荷が現行作業負荷よりも高いことを示す場合は、調整モジュール209は、メディア音量を現行レベルから予測レベルまで引き下げる。もし予測作業負荷値が現行作業負荷値よりも小さく、予測作業負荷が現行作業負荷よりも低いことを示す場合は、調整モジュール209は、メディア音量を現行レベルから予測レベルまで引き上げる。もし予測作業負荷値が現行作業負荷値に等しいならば、調整モジュール209は、メディア音量を変更しない。
【0082】
図6は、別の実施形態にしたがった、車内のメディア音量を調整するための方法600を示したフローチャートである。図6を参照すると、通信モジュール201は、1つ又は2つ以上の画像をカメラ108から受信する(602)。1つの実施形態では、1つ又は2つ以上の画像は、カメラ108によって捕えられた映像からの1つ又は2つ以上のフレームである。通信モジュール201は、1つ又は2つ以上の画像をシーンモジュール203に送信する。シーンモジュール203は、1つ又は2つ以上の画像を処理し(604)、少なくとも一部には該1つ又は2つ以上の画像に基づいて、シーンカテゴリデータを生成する(606)。例えば、シーンモジュール203は、画像処理技術(例えば、フィルタリングやパターン認識など)を1つ又は2つ以上の画像に適用し、画像処理からの出力としてシーンカテゴリデータを生成する。シーンカテゴリデータは、天候データ、道路タイプデータ、交通データ、及びシーンタイプデータなどのうちの、1つ又は2つ以上を含む。1つの実施形態では、シーンモジュール203は、シーンカテゴリデータを予測エンジン207に送信する。別の実施形態では、シーンモジュール203は、シーンカテゴリデータを記憶装置140に保存する。
【0083】
通信モジュール201は、1つ又は2つ以上のセンサ信号を1つ又は2つ以上のセンサ110から受信し(608)、該1つ又は2つ以上のセンサ信号をセンサモジュール205に送信する。センサモジュール205は、1つ又は2つ以上のセンサ信号を処理し(610)、該1つ又は2つ以上のセンサ信号からセンサデータを生成する(612)。セン
サデータは、ブレーキデータ、速度データ、ステアリングデータ、ワイパデータ、ライトデータ、及び温度データのうちの、1つ又は2つ以上を含む。1つの実施形態では、センサモジュール205は、センサデータを予測エンジン207に送信する。別の実施形態では、センサモジュール205は、センサデータを記憶装置140に保存する。
【0084】
予測エンジン207は、ユーザにかかる作業負荷を予測するためのデータを収集する(614)。例えば、予測エンジン207は、ユーザにかかる作業負荷を予測するためのシーンカテゴリデータ及びセンサデータを収集する。1つの実施形態では、予測エンジン207は、シーンモジュール203からシーンカテゴリデータを、センサモジュール205からセンサデータを受信する。別の実施形態では、予測エンジン207は、シーンカテゴリデータ及びセンサデータを記憶装置140から取り出す。予測エンジン207は、予測特徴ベクトルを形成するために、収集されたデータを集約させる(616)。例えば、予測エンジン207は、予測特徴ベクトルを形成するために、シーンカテゴリデータ及びセンサデータを集約させる。ステップ616は、それが方法600の省略可能な特徴であることを示すために、破線を使用して描かれている。
【0085】
予測エンジン207は、ユーザにかかる作業負荷を予測する(618)。例えば、予測エンジン207は、少なくとも一部にはシーンカテゴリデータ及びセンサデータに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測する。1つの実施形態では、予測エンジン207は、少なくとも一部には予測特徴ベクトルに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測する。予測エンジン207は、予測作業負荷に対応する予測作業負荷値を生成し(620)、その予測作業負荷値を調整モジュール209に送信する。
【0086】
調整モジュール209は、少なくとも一部には予測作業負荷値に基づいて、メディア音量を調整する(622)。例えば、調整モジュール209は、メディアコンテンツが再生されているメディア音量の現行レベルを決定する。調整モジュール209は、メディア音量の現行レベルに関連付けられた現行作業負荷値を決定する。調整モジュール209は、また、予測作業負荷値に関連付けられたメディア音量の予測レベルを決定する。調整モジュール209は、現行作業負荷値を予測作業負荷値と比較する。もし予測作業負荷値が現行作業負荷値よりも大きく、予測作業負荷が現行作業負荷よりも高いことを示す場合は、調整モジュール209は、メディア音量を予測レベルまで引き下げる。もし予測作業負荷値が現行作業負荷値よりも小さく、予測作業負荷が現行作業負荷よりも低いことを示す場合は、調整モジュール209は、メディア音量を予測レベルまで引き上げる。もし予測作業負荷値が現行作業負荷値に等しいならば、調整モジュール209は、メディア音量を変更しない。
【0087】
実施形態の以上の説明は、例示及び説明を目的として提示されたものであり、包括的であることも、開示された形態そのものに本発明を限定することも意図していない。上記の教示内容に照らして、多くの変更形態及びバリエーションが可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、特許請求の範囲によって限定されることを意図している。当業者にならば理解されるように、実施例は、その趣旨又は基本的特性から逸脱することなくその他の特定の形態で具現化することが可能である。同様に、モジュール、ルーチン、特徴、属性、技法、及びその他の態様の、具体的な命名及び区別は、強制的でも重大でもなく、本説明又はその特徴を実現するメカニズムは、異なる呼び名、区別、及び/又は形式を有することが可能である。更に、関連分野の当業者にならば明らかなように、本発明のモジュール、ルーチン、特徴、属性、技法、及びその他の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれら3つの任意の組み合わせとして実装することができる。また、本発明の、例えばモジュールを一例とするコンポーネントが、どこであれソフトウェアとして実装されたとすると、そのコンポーネントは、独立したプログラムとして、より大きなプログラムの一部として、複数の個別のプログラムとして、静的
に若しくは動的にリンクされたライブラリとして、カーネルローダブルモジュールとして、デバイスドライバとして、並びに/又はコンピュータプログラミングの分野の当業者に現在若しくは将来知られるあらゆる及び任意のその他の形で実装することができる。また、本発明は、いかなる特定のプログラミング言語での実装にも、又はいかなる特定のオペレーティングシステム若しくは環境のための実装にも、決して限定されない。したがって、本開示内容は、添付の特許請求の範囲に定められた本発明の範囲を限定するのでなく、例示的であることを意図している。
【符号の説明】
【0088】
100 メディア音量制御システム
102 制御部
106 音量制御モジュール
201 通信モジュール
203 シーンモジュール
205 センサモジュール
207 予測エンジン
209 調整モジュール
211 GUIモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行されるメディア音量制御方法であって、
センサデータと、メディア音量制御が実行されている場所の環境を記述したデータを含むシーンカテゴリデータとを収集する収集ステップと、
少なくとも一部には前記シーンカテゴリデータ及び前記センサデータに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測する予測ステップと、
前記予測作業負荷に対応する予測作業負荷値を生成する生成ステップと、
少なくとも一部には前記予測作業負荷値に基づいて、前記メディア音量を調整する調整ステップと、
を含むメディア音量制御方法。
【請求項2】
前記予測ステップは、
前記シーンカテゴリデータと前記センサデータとを集約させて予測特徴ベクトルを形成するステップと、
少なくとも一部には前記予測特徴ベクトルに基づいて、前記ユーザにかかる作業負荷を予測するステップと、
を含む、請求項1に記載のメディア音量制御方法。
【請求項3】
前記収集ステップにおけるセンサデータの収集は、
1つ又は2つ以上のセンサから1つ又は2つ以上のセンサ信号を受信するステップと、
少なくとも一部には前記1つ又は2つ以上のセンサ信号に基づいて、前記センサデータを生成するステップと、
によって行われる請求項1または2に記載のメディア音量制御方法。
【請求項4】
前記収集ステップにおけるシーンカテゴリデータの収集は、
カメラから1つ又は2つ以上の画像を受信するステップと、
前記1つ又は2つ以上の画像を処理し、前記シーンカテゴリデータを生成するステップと、
によって行われる請求項1〜3のいずれかに記載のメディア音量制御方法。
【請求項5】
前記シーンカテゴリデータは、天候データ、道路タイプデータ、交通データ、及びシーンタイプデータのうちの、1つ又は2つ以上を含む、
請求項1〜4のいずれかに記載のメディア音量制御方法。
【請求項6】
前記センサデータは、ブレーキデータ、速度データ、ステアリングデータ、ワイパデータ、ライトデータ、及び温度データのうちの、1つ又は2つ以上を含む、
請求項1〜5のいずれかに記載のメディア音量制御方法。
【請求項7】
前記調整ステップは、
メディアコンテンツが再生されているメディア音量の現行レベルを決定するステップと、
前記メディア音量の現行レベルに関連付けられた現行作業負荷値を決定するステップと、
前記予測作業負荷値に関連付けられたメディア音量の予測レベルを決定するステップと、
前記予測作業負荷値を前記現行作業負荷値と比較するステップと、
前記予測作業負荷値が前記現行作業負荷値よりも大きい場合に、前記メディア音量を前記現行レベルから前記予測レベルまで引き下げるステップと、
を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のメディア音量制御方法。
【請求項8】
センサデータと、シーンカテゴリデータとを収集する予測エンジンと、
前記予測エンジンと通信可能に接続された制御モジュールと、
を備えるメディア音量を制御するためのメディア音量制御システムであって、
前記シーンカテゴリデータは、メディア音量制御が実行されている場所の環境を記述したデータを含み、
前記予測エンジンは、少なくとも一部には前記シーンカテゴリデータ及び前記センサデータに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測し、
前記予測エンジンは、前記予測作業負荷に対応する予測作業負荷値を生成し、
前記制御モジュールは、少なくとも一部には前記予測作業負荷値に基づいて、前記メディア音量を調整する、
メディア音量制御システム。
【請求項9】
前記予測エンジンは、
前記シーンカテゴリデータと前記センサデータとを集約させて予測特徴ベクトルを形成し、
少なくとも一部には前記予測特徴ベクトルに基づいて、前記ユーザにかかる作業負荷を予測する、
ように構成される、請求項8に記載のメディア音量制御システム。
【請求項10】
1つ又は2つ以上のセンサから1つ又は2つ以上のセンサ信号を受信する通信モジュールと、
前記通信モジュール及び前記予測エンジンと通信可能に接続され、少なくとも一部には前記1つ又は2つ以上のセンサ信号に基づいて前記センサデータを生成し、前記センサデータを前記予測エンジンに送信するセンサモジュールと、
を更に備える請求項8または9に記載のメディア音量制御システム。
【請求項11】
カメラから1つ又は2つ以上のセンサ信号を受信する通信モジュールと、
前記通信モジュール及び前記予測エンジンと通信可能に接続され、前記1つ又は2つ以上の画像を処理して前記シーンカテゴリデータを生成し、前記シーンカテゴリデータを前記予測エンジンに送信するセンサモジュールと、
を更に備える請求項8〜10のいずれかに記載のメディア音量制御システム。
【請求項12】
前記シーンカテゴリデータは、天候データ、道路タイプデータ、交通データ、及びシーンタイプデータのうちの、1つ又は2つ以上を含む、
請求項8〜11のいずれかに記載のメディア音量制御システム。
【請求項13】
前記センサデータは、ブレーキデータ、速度データ、ステアリングデータ、ワイパデータ、ライトデータ、及び温度データのうちの、1つ又は2つ以上を含む、
請求項8〜12のいずれかに記載のメディア音量制御システム。
【請求項14】
前記制御モジュールは、
メディアコンテンツが再生されているメディア音量の現行レベルを決定し、
前記メディア音量の現行レベルに関連付けられた現行作業負荷値を決定し、
前記予測作業負荷値に関連付けられたメディア音量の予測レベルを決定し、
前記予測作業負荷値を前記現行作業負荷値と比較し、
前記予測作業負荷値が前記現行作業負荷値よりも大きい場合に、前記メディア音量を前記現行レベルから前記予測レベルまで引き下げる、
ように構成される、請求項8〜13のいずれかに記載のメディア音量制御システム。
【請求項15】
コンピュータに、
センサデータと、メディア音量が制御されている環境を記述したデータを含むシーンカテゴリデータとを収集する収集ステップと、
少なくとも一部には前記シーンカテゴリデータ及び前記センサデータに基づいて、ユーザにかかる作業負荷を予測する予測ステップと、
前記予測作業負荷に対応する予測作業負荷値を生成する生成ステップと、
少なくとも一部には前記予測作業負荷値に基づいて、前記メディア音量を調整する調整ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記予測ステップは、
前記シーンカテゴリデータと、前記センサデータとを集約させて予測特徴ベクトルを形成するステップと、
少なくとも一部には前記予測特徴ベクトルに基づいて、前記ユーザにかかる作業負荷を予測するステップと、
を含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記収集ステップにおけるセンサデータの収集を、
1つ又は2つ以上のセンサから1つ又は2つ以上のセンサ信号を受信するステップと、
少なくとも一部には前記1つ又は2つ以上のセンサ信号に基づいて、前記センサデータを生成するステップと、
によってコンピュータに行わせる請求項15または16に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記収集ステップにおけるシーンカテゴリデータの収集を、
カメラから1つ又は2つ以上の画像を受信するステップと、
前記1つ又は2つ以上の画像を処理し、前記シーンカテゴリデータを生成するステップと、
によってコンピュータに行わせる請求項15〜17のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記シーンカテゴリデータは、天候データ、道路タイプデータ、交通データ、及びシーンタイプデータのうちの、1つ又は2つ以上を含む、
請求項15〜18のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記センサデータは、ブレーキデータ、速度データ、ステアリングデータ、ワイパデータ、ライトデータ、及び温度データのうちの、1つ又は2つ以上を含む、
請求項15〜19のいずれかに記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−83926(P2013−83926A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156701(P2012−156701)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】