説明

メモリ情報記録再生装置及びそのメモリ情報記録再生装置を使用したメモリ情報管理システム

【課題】装置の厚みを格段と小さくした上で、2以上の素材情報の記録もしくは再生を同時に独立して行なえるようにする。
【解決手段】メモリカセット200をメモリ情報記録再生装置本体100Aの挿入口110に収容して、メモリアクセス用の光透過窓とメモリアクセス部とを近接させ、メモリカセット200の半導体メモリ及び電気回路に電源が与えられた時に、メモリアクセス部と電気回路とを光信号によりアクセスさせることにより、半導体メモリに対し非接触で情報書き込み、読み出しを行なう。また、メモリ情報記録再生装置100A内には別のメモリカセット300を内蔵しておき、専用のメモリアクセス部により、半導体メモリに対し非接触で情報書き込み、読み出しを行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メモリカセットに内蔵されたメモリに対して素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なうメモリ情報記録再生装置及びメモリ情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像や音声等を含む素材情報を記録再生する記録再生装置にあっては、例えばVTR(Video Tape Recorder)やDAT(Digital Audio Tape Recorder)等のように、磁気テープを記録媒体として素材情報の記録や再生を行なう装置がある。また、光磁気ディスクを記録媒体として素材情報の記録や再生を行なう装置もある。
【0003】
ところで、磁気テープを記録媒体としたテープ記録再生装置では、1台の装置で2チャンネル以上の素材情報の記録もしくは再生を同時に独立して動作させることができない。また、2チャンネル以上の番組編集に用いる場合に、2台以上の装置を積み重ね配置するようにしてもよいが、1台のテープ記録再生装置において、カセットの引き込みもしく排出動作、カセットとリール軸との係合、離脱のための昇降動作が装置内部で行われるため、装置自体の厚みが大きく、広い配置スペースを確保する必要がある。
【0004】
一方、光磁気ディスクを記録媒体としたディスク記録再生装置では、記録用ヘッド、再生用ヘッド及び消去用ヘッド等を1台の装置に複数実装することで、記録・再生の同時動作を実現しているが、さらに、2以上のチャンネル動作を実現しようとすると機構的に複雑となり、実現するのがかなり困難となる。
【0005】
そこで、従来では、構成上複雑化することなく、また広い配置スペースを必要とせずに、2以上のチャンネルの素材情報に対し記録や再生を同時に独立して動作させるような装置が強く要望されている。
【0006】
なお、最近では、テープやディスクに代わるものとして、音声信号や映像信号などを記録し、かつ記録内容に関するタイトル情報等を記録した半導体メモリと、この半導体メモリに対し情報読み出し、もしくは書込みを行なうための電気回路とを内蔵したメモリカセットが考えられているが、2以上のチャンネルの素材情報に対し記録・再生を同時に独立して動作させるようなものとしてはまだ実現されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、テープ記録再生装置では、1台の装置で記録・再生を同時に独立して動作させることができず、また、2チャンネル以上の番組編集に用いる場合に、2台以上の装置を積み重ね配置するようにしても、1台当たりの装置の厚みが大きいため広い配置スペースが必要となる。さらに、ディスク記録再生装置では、2以上のチャンネル動作に対し、複数ヘッドを実装するために機構的に複雑となるという問題を有している。
【0008】
この発明の第1の目的は、簡単な構成で、かつ装置自体の小型化を図った上で、2以上の素材情報に対して記録または再生を同時にかつ独立して行ない得るメモリ情報記録再生装置を提供することにある。
【0009】
この発明の第2の目的は、多チャンネルの素材情報を同時に取り扱うことが可能で、かつ装置の配置スペースを格段と少なくするように工夫されたメモリ情報管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、メモリカセットに対して情報を読み出しもしくは書き込みを行なうメモリ情報記録再生装置であって、メモリカセットと電気的に接続されるインタフェース手段と、メモリカセットがインタフェース手段に接続された場合に、メモリカセットに対し映像、音声、データのうち少なくとも1つを含む素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なう第1のメモリアクセス手段と、内蔵メモリと、内蔵メモリに対し映像、音声、データのうち少なくとも1つを含む素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なう第2のメモリアクセス手段とを具備し、第1のメモリアクセス手段が、メモリカセットに対し素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なうと同時にかつ独立して、第2のメモリアクセス手段が、内蔵メモリに対し素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なうようにしたものである。
【0011】
この構成によれば、メモリカセットをインタフェース手段に接続し、メモリカセットのメモリ及び情報処理回路に電源が与えられた時に、第1のメモリアクセス部が情報処理回路にアクセスすることで、メモリに対し素材情報の書き込み、読み出しが可能となる。また、装置内には別のメモリが内蔵されており、第2のメモリアクセス部により、内蔵メモリに対し情報書き込み、読み出しが可能であるので、2以上の素材情報をチャンネル別に各メモリに記録または再生を行なうことが可能となる。
【0012】
このため、簡単な構成で、かつ装置自体の小型化を図った上で、2以上の素材情報に対してそれぞれ別々のメモリに記録または再生を同時にかつ独立して行なうことが可能となる。
【0013】
また、この発明は、上記対象において、第1のメモリカセットと電気的に接続される第1のインタフェース手段と、第1のメモリカセットが第1のインタフェース手段に接続された場合に、第1のメモリカセットに対し映像、音声、データのうち少なくとも1つを含む素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なう第1のメモリアクセス手段と、第2のメモリカセットと電気的に接続される第2のインタフェース手段と、第2のメモリカセットが第2のインタフェース手段に接続された場合に、第2のメモリカセットに対し映像、音声、データのうち少なくとも1つを含む素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なう第2のメモリアクセス手段とを具備し、第1のメモリアクセス手段が、第1のメモリカセットに対し素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なうと同時にかつ独立して、第2のメモリアクセス手段が、第2のメモリカセットに対し素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なうようにしたものである。
【0014】
この構成によれば、2つのメモリをそれぞれ第1及び第2のインタフェース手段に接続し、各メモリ及び情報処理回路に電源が与えられた時に、第1及び第2のメモリアクセス部が情報処理回路にアクセスすることで、メモリに対し素材情報の書き込み、読み出しが可能となる。
【0015】
このため、上記と同様の効果が得られ、2以上の素材情報に対してそれぞれ別々のメモリに記録または再生を同時にかつ独立して行なうことが可能となるとともに、第1及び第2のインタフェース手段にそれぞれ接続されたメモリの交換にも有用となる。また、第1のインタフェース手段に接続されたメモリの記録もしくは再生中に、別のメモリの記録情報内容を確認もしくは任意の素材情報を記録したい場合に、第2のインタフェース手段に接続するだけで、簡単に確認できるようになり、また情報記録もできるようになる。
【0016】
また、上記構成において、さらに、第1のメモリアクセス部の第1メモリ記録素材情報と第2のメモリアクセス部の第2メモリ記録素材情報とを組み合わせた情報もしくは別々の情報を外部操作に応じて選択的に外部に提示する情報提示部を備えることを特徴とする。このようにすることで、ユーザは、2つのメモリに記録された情報内容を同時に視聴できるとともに、ユーザの選択により、第1メモリ記録素材情報と第2メモリ記録素材情報とを選択的に表示できるので、ユーザは見やすい画面でそれぞれのメモリの情報内容を確認できるようになる。
【0017】
また、上記構成において、さらに、第1及び第2のメモリアクセス部と外部装置との間で第1メモリ記録素材情報と第2メモリ記録素材情報とを組み合わせた情報もしくは別々の情報の授受を外部操作に応じて選択的に行なう情報通信手段を備えることを特徴とする。このようにすることで、パーソナルコンピュータ等を用いて2つのメモリに対し、素材情報の読出しもしくは書込みを行なうことができるようになり、また、情報内容の管理も行なうことができる。また、第1メモリ記録素材情報及び第2メモリ記録素材情報をテレビジョン受像機に転送して画面表示させることができるようになる。この際、ユーザの選択により、第1メモリ記録素材情報と第2メモリ記録素材情報とを組み合わせた情報もしくは別々の情報を選択的に表示できる。
【0018】
この発明に係るメモリ情報管理システムは、メモリ情報記録再生装置を複数個並設配置したメモリ情報記録再生装置群と、このメモリ情報記録再生装置群の各メモリ情報記録再生装置の第1及び第2のメモリアクセス部に対応する伝送路を有し、これら伝送路を介してメモリ記録素材情報を双方向に伝送させるメモリ情報伝送路と、このメモリ情報伝送路における複数のメモリ情報記録再生装置それぞれの伝送路を接続し、外部からの情報を取り込み、メモリ情報伝送路の対応する伝送路に供給する受信部、及び複数のメモリ情報記録再生装置それぞれの伝送路から出力されるメモリ記録素材情報を外部に送出する送信部を備える情報送受信装置とを備えるようにしたものである。
【0019】
この構成によれば、複数個のメモリ情報記録再生装置を積み重ねて配置するようにして配置スペースを格段と少なくして、1台のパーソナルコンピュータ等の操作で複数個のメモリ情報記録再生装置を用いた多チャンネルの素材情報の編集を行なうことができ、また、多数のメモリの情報管理も行なうことができる。
【発明の効果】
【0020】
以上詳述したようにこの発明によれば、簡単な構成で、かつ装置自体の小型化を図った上で、2以上の素材情報に対して記録または再生を同時にかつ独立して行ない得るメモリ情報記録再生装置を提供することができる。
【0021】
また、メモリ情報記録再生装置を複数個積み重ね配置することで、多チャンネルの素材情報を同時に取り扱うことが可能で、かつ1個当たりの装置の厚みを最小に設計して配置スペースを格段と少なくしたメモリ情報管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係るメモリ情報記録再生装置の一実施形態を示す斜視図。
【図2】同実施形態における要部の平面図。
【図3】同実施形態で取り扱うメモリカセットの斜視図。
【図4】同実施形態におけるメモリカセット及びメモリ情報記録再生装置本体内部の処理構造を説明するために示す回路ブロック図。
【図5】この発明に係るメモリ情報記録再生装置の第2の実施形態を示す斜視図。
【図6】この発明の第3の実施形態としてメモリ情報管理システムの構成を示すブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係るメモリ情報記録再生装置の一実施形態における斜視図である。また、図2は、一実施形態における要部の平面図であり、メモリカセットが挿入される様子を示している。さらに、図3は、この一実施形態で取り扱うメモリカセットの斜視図である。
なお、図2(a)はメモリカセットの挿入状態を正面から見て示した図であり、図2(b)はメモリカセットの挿入状態を上から見て示した断面図である。
【0024】
図1において、図中符号100Aはメモリ情報記録再生装置本体で、その正面にメモリカセット200の一部を挿入するための挿入口110と、本体の電源投入のためのボタン120と、メモリカセット200に記録された情報表示のための表示部130と、メモリカセット200に対し情報書込みのためのキーボード140とを備えている。このうち、挿入口110には、その内部の左右壁面にガイドレール111,112と、奥にメモリアクセス部113(図2で図示)とが設けられている。
【0025】
また、メモリカセット200は、その内部に図示しない半導体メモリと、この半導体メモリに対し情報読み出しもしくは書き込みを行なうための電気回路とが内蔵されている。そして、形状が直方体で、外側が直方形状の6つの壁から構成されており、ほこりやごみなどが外部から入らないように、全体が密閉された構造になっている。また、メモリカセット200は、その左右側面にガイド溝211,212をカセット挿入方向に沿って形成しており、背面にメモリアクセス用の光透過窓220(図3で図示)を設けている。
【0026】
また、メモリ情報記録再生装置本体100A内には、メモリカセット200と同じメモリカセット300が内蔵されている。
【0027】
このような構成により、メモリカセット200は、その光透過窓220形成面からメモリ情報記録再生装置本体100Aの挿入口110に図1及び図3中矢印Z方向に挿入されると、まずその左右のガイド溝211,212がガイドレール111,112に係合する。そして、図2(b)に示すように、メモリカセット200が挿入口110内に深く挿入されていくにつれて、ガイドレール111,112により、メモリカセット200の光透過窓220がメモリアクセス部113に近接する位置に案内される。
【0028】
なお、メモリカセット300は、その光透過窓がメモリアクセス部に近接している。
【0029】
次に、メモリカセット200,300の半導体メモリに対する情報書き込みを行なう構成及びその構成による動作について図4を参照して説明する。ここでは、メモリカセット200を代表して説明する。
メモリアクセス部113は、メモリカセット200が挿入口110に挿入され、半導体メモリ及び電気回路に電源が供給された状態で、光透過窓220に対し光信号を用いて電気回路にアクセスし、情報の書込みを行なう。すなわち、キーボード140により入力されたタイトル、記録年月日等の文字情報は、メモリアクセス部113を構成する情報処理部150でメモリカセット200に記録すべき情報であるか否かを判断され、記録すべき情報である場合に、同じくメモリアクセス部113を構成するインタフェース部160で光信号に変換され、電気回路を構成するインタフェース部201で文字情報に変換され、情報処理部202で半導体メモリ203に書き込まれる。また、半導体メモリ203に記録された情報は、キーボード140で読み出し指令が出されると、情報処理部202により読み出され、インタフェース160,201を介して情報処理部150にて表示部130に表示される。この表示部130に表示される情報としては、映像、音声、データ等を含む素材情報であってもよいし、また、タイトル情報であってもよい。
【0030】
なお、情報処理部150は、半導体メモリ203に記録された情報を、インタフェース部170を介して外部装置に転送を行なっており、また、外部装置から転送された情報をメモリ203に書き込むことも行なっている。このようにすれば、パーソナルコンピュータ等を用いてメモリカセット200の半導体メモリ203に対し、情報の読出しもしくは書込みを行なうことができるようになり、また、情報内容の管理も行なうことができる。なお、外部装置との間で転送が行なわれる情報は、例えば映像,音声,データ等を含む素材情報が挙げられる。
【0031】
また、情報処理部150は、メモリカセット300の半導体メモリに記録された情報を、インタフェース部170を介して外部装置に転送を行なっており、また、外部装置から転送された情報をメモリカセット300の半導体メモリに書き込むことも行なっている。なお、情報処理部150は、外部操作に応じて、外部装置との間で、メモリカセット200,300それぞれのメモリ記録素材情報を組み合わせた情報もしくは別々の情報の転送を行なうようにしている。これにより、テレビジョン受像機に転送して画面表示させることができるようになる。この際、ユーザの選択により、メモリカセット200,300それぞれのメモリ記録素材情報を組み合わせた情報もしくは別々の情報をテレビジョン画面に選択的に表示できる。
【0032】
以上のようにこの第1の実施形態によれば、メモリカセット200を単にメモリ情報記録再生装置本体100Aの挿入口110に収容することで、メモリアクセス用の光透過窓220とメモリアクセス部113とが近接し、メモリカセット200の半導体メモリ203、及びインタフェース部201及び情報処理部202を含む電気回路に電源が与えられた時に、メモリアクセス部113がインタフェース部201にアクセスすることで、半導体メモリ203に対し非接触で素材情報の書き込み、読み出しが可能となる。また、メモリ情報記録再生装置100A内には別のメモリカセット300が内蔵されており、専用のメモリアクセス部により、半導体メモリに対し非接触で素材情報の書き込み、読み出しが可能であるので、2チャンネルの素材情報をチャンネル別に各メモリカセット200,300に記録または再生を行なうことが可能となる。すなわち、メモリ情報記録再生装置100Aにおける内蔵用のメモリカセット300の配置場所は、VTR等のテープ記録再生装置におけるカセットローディング動作のためのデッドスペースに当たり、記録再生のための複数のヘッドを実装する必要もなくこれらヘッドと記録媒体との接触状態に応じた設計も必要としないので、2つのメモリカセット200,300を取り扱う上でメモリ情報記録再生装置100Aの厚みを決める場合に、メモリカセット200,300の収容状態に基づいて、最小の厚みに設計することができ、かつ簡単な構成とすることが可能となる。
【0033】
このため、簡単な構成で、かつメモリ情報記録再生装置100A自体の小型化を図った上で、2以上の素材情報信号に対してそれぞれ別々のメモリカセット200,300に記録または再生を同時にかつ独立して行なうことが可能となる。また、メモリ情報記録再生装置100Aの挿入口110に収容するメモリカセット200の故障時もしくは紛失時に、内蔵用のメモリカセット300に素材情報信号の記録や再生を行なうようにすれば、信頼性が高いものとなり得る。
【0034】
また、メモリカセット200,300それぞれの記録内容を表示部130に同時もしくは別々に表示することにより、ユーザはメモリカセット200,300それぞれの記録内容を簡単に認識することができるようになる。
【0035】
さらに、メモリアクセス部113と外部装置との間でメモリカセット200,300それぞれのメモリ記録素材情報を転送する機能、つまりインタフェース部170を設けておくことで、パーソナルコンピュータ等を用いてメモリカセット200,300それぞれの半導体メモリに対し、メモリ記録素材情報の書き込みを行なうことができるようになり、また、メモリカセット200,300の情報内容の管理も行なうことができる。また、メモリカセット200,300それぞれのメモリ記録素材情報をテレビジョン受像機に転送して画面表示させることができるようになる。この際、ユーザの選択により、メモリカセット200,300それぞれのメモリ記録素材情報を組み合わせた情報もしくは別々の情報を選択的に表示できる。
【0036】
なお、上記インタフェース部170としては、予め接続可能とする複数の通信機器の信号形式に対応させておき、接続される通信機器に応じて選択設定できるようにしておくと、汎用性があり、便利である。
【0037】
(第2の実施形態)
図5は、この発明に係るメモリ情報記録再生装置の第2の実施形態における斜視図である。なお、図5において、上記図1と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】
メモリ情報記録再生装置100Bには、その前面に挿入口110とは別の挿入口190が設けられている。挿入口190には、上記挿入口110と同様に、その内部の左右壁面にガイドレール(図示せず)と、奥にメモリアクセス部(図示せず)とが設けられている。
【0039】
また、この挿入口190には、上記メモリカセット200と同じメモリカセット400が挿入されることになる。
【0040】
すなわち、この第2の実施形態によれば、2つのメモリカセット200,400をそれぞれメモリ情報記録再生装置本体100Bの挿入口110,190に収容することで、各メモリアクセス用の光透過窓と対応するメモリアクセス部とが近接し、各メモリカセット200,400の半導体メモリ及び電気回路に電源が与えられた時に、各メモリアクセス部が電気回路にアクセスすることで、半導体メモリに対し非接触で情報書き込み、読み出しが可能となる。
【0041】
このため、上記第1の実施形態と同様の効果が得られ、2以上の素材情報に対してそれぞれ別々のメモリカセット200,400に記録または再生を同時にかつ独立して行なうことが可能となるとともに、挿入口110,190にそれぞれ収容されたメモリカセット200,400の交換にも有用となる。また、メモリ情報記録再生装置100Bの挿入口110に収容されたメモリカセット200の記録もしくは再生中に、メモリカセット400の記録情報内容を確認もしくは任意の素材情報を記録したい場合に、挿入口190に収容するだけで、簡単に確認できるようになる。
【0042】
(第3の実施形態)
図6は、この発明の第3の実施形態として、メモリ情報管理システムの構成を示すブロック構成図である。
【0043】
図6において、図中符号500はメモリ情報記録再生装置群で、メモリ情報記録再生装置600を水平方向にM(Mは2以上の自然数)個、垂直方向にN(Nは2以上の自然数)個並設配置したものである。なお、メモリ情報記録再生装置600は、上記第1及び第2の実施形態と同様に、2つのメモリカセットに対し、映像、音声、データの少なくとも一方を含む素材情報の記録もしくは再生を行なうものである。また、メモリ情報記録再生装置600は、2つのメモリカセットにそれぞれ対応する第1及び第2のメモリアクセス部を備えている。
【0044】
さらに、このシステムでは、メモリ情報伝送部700と、情報送受信装置800とを備えている。メモリ情報伝送部700は、メモリ情報記録再生装置群500の各メモリ情報記録再生装置600の第1及び第2のメモリアクセス部にそれぞれ対応する伝送路を有し、これら伝送路を介して素材情報を双方向に伝送させる。すなわち、メモリ情報伝送部700は、合計(M×N)本の伝送路を有している。
【0045】
情報送受信装置800は、メモリ情報伝送部700における複数のメモリ情報記録再生装置600それぞれの伝送路を接続し、外部からの情報を取り込み、メモリ情報伝送部700の対応する伝送路に供給する受信部801、及び複数のメモリ情報記録再生装置600それぞれの伝送路から出力される素材情報を外部に送出する送信部802を備えている。
【0046】
上記構成において、例えば放送局における多チャンネルの素材情報の編集を行なう編集室に適用した場合を例にして、その動作を説明する。
【0047】
まず、メモリ情報記録再生装置群500は、編集室内の適当な箇所に配置される。そして、編集室内のユーザは、1台の通信機器による遠隔操作で、各メモリ情報記録再生装置600を制御して、任意の素材情報をメモリカセットに記録または再生させるようにしている。
【0048】
このような環境において、最小厚みに設計された複数個のメモリ情報記録再生装置600を積み重ねて配置することにより、1台のパーソナルコンピュータ等の通信機器による操作で複数個のメモリ情報記録再生装置600を用いた多チャンネルの素材情報の編集を1度に行なうことができ、また、多数のメモリカセットの情報管理も行なうことができる。すなわち、1つの編集室で、メモリ情報記録再生装置600を複数個配置するスペースを少なくした上で、多チャンネルの素材情報の編集を行なうことができ、従って、狭い編集室にも好適したものとなり、設備費も格段と安くて済む。
【0049】
(その他の実施形態)
この発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、メモリカセットに半導体メモリ以外のメモリを内蔵するようにしてもよい。また、上記各実施形態では、1個のメモリ情報記録再生装置で2つのメモリカセットを取り扱う例について説明したが、3個以上のメモリカセットを取り扱えるように構成してもよい。
【0050】
その他、メモリ情報記録再生装置本体の構成、メモリカセットの構成、メモリアクセス方法、メモリ情報伝送部の伝送路の種類、情報送受信装置の各送信部及び受信部の構成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【符号の説明】
【0051】
100A,100B…メモリ情報記録再生装置本体、110…挿入口、111,112…ガイドレール、113…メモリアクセス部、120…ボタン、130…表示部、140…キーボード、150,202…情報処理部、160,170,201…インタフェース部、200,300,400…メモリカセット、211,212…ガイド溝、220…光透過窓、500…メモリ情報記録再生装置群、600…メモリ情報記録再生装置、700…メモリ情報伝送部、800…情報送受信装置、801…受信部、802…送信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリカセットに対して情報を読み出しもしくは書き込みを行なうメモリ情報記録再生装置であって、
前記メモリカセットと電気的に接続されるインタフェース手段と、
前記メモリカセットが前記インタフェース手段に接続された場合に、前記メモリカセットに対し映像、音声、データのうち少なくとも1つを含む素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なう第1のメモリアクセス手段と、
内蔵メモリと、
前記内蔵メモリに対し映像、音声、データのうち少なくとも1つを含む素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なう第2のメモリアクセス手段とを具備し、
前記第1のメモリアクセス手段が、前記メモリカセットに対し素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なうと同時にかつ独立して、前記第2のメモリアクセス手段が、前記内蔵メモリに対し素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なうことを特徴とするメモリ情報記録再生装置。
【請求項2】
メモリカセットに対して情報を読み出しもしくは書き込みを行なうメモリ情報記録再生装置であって、
第1のメモリカセットと電気的に接続される第1のインタフェース手段と、
前記第1のメモリカセットが前記第1のインタフェース手段に接続された場合に、前記第1のメモリカセットに対し映像、音声、データのうち少なくとも1つを含む素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なう第1のメモリアクセス手段と、
第2のメモリカセットと電気的に接続される第2のインタフェース手段と、
前記第2のメモリカセットが前記第2のインタフェース手段に接続された場合に、前記第2のメモリカセットに対し映像、音声、データのうち少なくとも1つを含む素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なう第2のメモリアクセス手段とを具備し、
前記第1のメモリアクセス手段が、前記第1のメモリカセットに対し素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なうと同時にかつ独立して、前記第2のメモリアクセス手段が、前記第2のメモリカセットに対し素材情報の読み出し、書き込みの少なくとも一方を行なうことを特徴とするメモリ情報記録再生装置。
【請求項3】
さらに、前記第1のメモリアクセス手段の第1メモリ記録素材情報と前記第2のメモリアクセス手段の第2メモリ記録素材情報とを組み合わせた情報もしくは別々の情報を外部操作に応じて選択的に外部に提示する情報提示手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載のメモリ情報記録再生装置。
【請求項4】
さらに、前記第1及び第2のメモリアクセス手段と外部装置との間で第1メモリ記録素材情報と第2メモリ記録素材情報とを組み合わせた情報もしくは別々の情報の授受を外部操作に応じて選択的に行なう情報通信手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載のメモリ情報記録再生装置。
【請求項5】
前記情報通信手段は、接続可能とする複数の外部装置の信号形式に対応し、接続される外部装置に応じて選択設定する機能を有することを特徴とする請求項4記載のメモリ情報記録再生装置。
【請求項6】
前記請求項1または2記載のメモリ情報記録再生装置を複数個並設配置したメモリ情報記録再生装置群と、
このメモリ情報記録再生装置群の各メモリ情報記録再生装置の第1及び第2のメモリアクセス手段に対応する伝送路を有し、これら伝送路を介してメモリ情報を双方向に伝送させるメモリ情報伝送路と、
このメモリ情報伝送路における複数のメモリ情報記録再生装置それぞれの伝送路を接続し、外部からの情報を取り込み、前記メモリ情報伝送路の対応する伝送路に供給する受信手段、及び前記複数のメモリ情報記録再生装置それぞれの伝送路から出力される情報を外部に送出する送信手段を備える情報送受信装置とを具備してなることを特徴とするメモリ情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−283012(P2009−283012A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200994(P2009−200994)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【分割の表示】特願平11−257276の分割
【原出願日】平成11年9月10日(1999.9.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】