説明

モップ収納具

【目的】 モップの本体部を収納し、室内の美観を損ねることなくモップを収納して、床材や壁材に油が浸透して染みになることなく、化学的に安定した保管ができる。
【構成】 前後の一側が開口し、その開口の上側の縁部に連続してモップ柄部22の挿通用開口部2aが形成された、モップ本体部21を収納する収納ケース2と、収納ケース2の左右に両先端が回動可能に取付けられ、中央部にモップ柄部22を係止する係合部4を有する柄部支持用アーム3とを具備し、収納ケース2の開口から、モップ本体部21を下にして立てた状態で挿入すると共に、収納ケース2の挿通用開口部2aにモップ柄部22を挿通し、柄部支持用アーム3の中央部に設けられた係合部4でモップ柄部22を係止してモップ20を収納する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モップの本体部を収納すると共に、その柄部を支持してモップを収納するモップ収納具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】床面の塵埃の除去等、室内の簡単な清掃を行う清掃具の一つにモップがある。このモップは、ダストの吸着性を高めるための含油処理を施された布毛を有する本体部に、棒状の柄部が接続されてT字形に形成されており、手軽、かつ、効率的に室内の清掃を行うことができるため、業務用は勿論、家庭用としても使用されている。
【0003】このようなモップの収納には、例えば、清掃具の収納庫を施設し、そこに収納することができる。しかし、一般家庭等の場合、清掃具の収納庫のスペースが取れない可能性が多く、そのため、柄部の先端に紐や針金等でループを形成し、それを壁等に配設された突起に引っ掛けて保管したり、また、室内の壁や家具等に立掛けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、モップを保管する場合、前述したようにモップの布毛には含油処理が施されているため、或いは水濡れしているため、床や壁に長時間接触させると床材や壁材に油或いは水が浸透して染みになる虞れがある。また、室内に保管されたモップは、美観を損ね、更には、汚れた布毛が在室者に不快感を与える。
【0005】そこで、本発明は、モップの本体部を収納し、室内の美観を損ねることなくモップを収納して、床材や壁材に油が浸透して染みになることなく、化学的に安定した保管ができるモップ収納具の提供を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるモップ収納具は、開口の上側の縁部から連続してモップの柄部の挿通用開口部を形成したモップの本体部を収納する収納ケースと、前記収納ケースの左右に両端が回動可能に回動軸で取付けられ、中央部にモップの柄部を挾持する係合部を有する柄部支持用アームからなるものである。
【0007】
【作用】本発明のモップ収納具においては、収納ケースの開口から、モップの本体部を下にして立てた状態で挿入すると共に、収納ケースの挿通用開口部にモップの柄部を挿通し、柄部支持用アームの中央部に設けられた係合部でモップの柄部を係止してモップを収納する。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例におけるモップ収納具について説明する。
【0009】図1は本発明の一実施例のモップ収納具を示す斜視図である。また、図2は図1のA−A切断線による断面を示す断面図、図3は本発明の一実施例のモップ収納具における柄部支持用アームの先端に突設された弾性爪部の構成を示す側面図(a)、正面図(b)である。そして、図4は図1のB−B切断線による断面を示す断面図である。
【0010】図1において、本実施例のモップ収納具1は、収納ケース2と係合部4を有する柄部支持用アーム3とから構成されるものである。
【0011】まず、収納ケース2について説明する。
【0012】本実施例の収納ケース2は、平坦な上下面と外側に膨らんだ側面からなる偏平な中空体として構成され、射出成形等により合成樹脂から形成されている。そして、この収納ケース2は前方が開口しており、この開口からモップ本体部21を下にして立てた状態で、モップ本体部21を挿入できるようになっている。更に、収納ケース2の上側の平坦面には、モップ本体部21を下にして立てた状態でモップ20を収納ケース2に収納できるように、モップ柄部22の挿通用開口部2aが前記開口の上側の縁部と滑らかに連続して形成されており、前記開口の縁部(下側は除く)と挿通用開口部2aの縁部には、強度を向上させるために肉盛り状に厚肉に形成されている。また、収納ケース2はモップ本体部21を収容でき、また、モップ収納具1にモップ20を収納した状態においても、安定に据え置くことができるように十分な大きさを有している。(図1参照)また、収納ケース2の左右の側面には柄部支持用アーム3の両端を回動自在に支持するための取付孔10がそれぞれ形成されている。その詳細については、後述する柄部支持用アーム3と共に説明する。
【0013】次に、柄部支持用アーム3について図2乃至図4を用いて説明する。
【0014】図において、柄部支持用アーム3は全体として略逆Y字状に形成され、収納ケース2と同様、合成樹脂から形成されている。そして、その中央部にはモップ柄部22を係止する係合部4と、その両先端には柄部支持用アーム3を回動可能に支持するための突出部を有する弾性爪部9とが形成されている。
【0015】ここで、係合部4の構成を図2を用いて説明する。
【0016】係合部4は一対の挾持壁5を有するU字形断面形状に形成されている。そして、図2に示すように、挾持壁5の内側には突起6がそれぞれ形成されており、開口に対向する背面には押込み嵌合されたモップ柄部22を弾接して支える弾接片部7と、弾接片部7と近接して設けられた吊下げ孔8とを備えている。なお、この係合部4は柄部支持用アーム3と一体に、合成樹脂から成形されているため、挾持壁5はその厚さ方向に弾性を有している。
【0017】次いで、図3を用いて本実施例の弾性爪部9の構成を説明する。
【0018】弾性爪部9は柄部支持用アーム3の両先端の内側にそれぞれ設けられており、これは先端に係合突起を有する4つの爪状部分が略円筒状に組合わされて構成されている。したがって、弾性爪部9は柄部支持用アーム3と一体に、合成樹脂から成形されたものであり、かつ、4つの部分が略円筒状に組合わされてなるものであるから、図3(b)中の矢印に示す方向に適度な弾性を有しており、この弾性により収納ケース2の側面に形成された取付孔10とのスナップ係合が可能となる。
【0019】収納ケース2及び柄部支持用アーム3は前述したように形成されており、柄部支持用アーム3の収納ケース2への取付けは、図4に示すように、収納ケース2の左右の側面にそれぞれ設けられた取付孔10に柄部支持用アーム3の両先端に形成された弾性爪部9を押込み嵌合することによるスナップ作用で、柄部支持用アーム3が収納ケース2に回動可能に支持されている。
【0020】なお、この取付孔10は、押込み嵌合後の弾性爪部9の突出部とスナップ係合するように、また、外部からの力を加えない限り柄部支持用アーム3が動かないような適度な摩擦力を以て収納ケース2に支持されるようにその孔径が設定されている。これら取付孔10と弾性爪部9のスナップ係合状態は、収納ケース2の両側に柄部支持用アーム3の両端が回動自在に取付けられた回動軸を構成する。
【0021】次に、このモップ収納具1にモップ20を収納する場合について説明する。
【0022】モップ20を収納するには、まず、モップ本体部21を下にして立てた状態のまま、そのモップ本体部21の長い方の面を収納ケース2の開口に挿入する。このとき、モップ本体部21の上面に接続されたモップ柄部22も、収納ケース2の上側の平坦面に設けられた挿通用開口部2aに挿通される。次いで、モップ柄部22を柄部支持用アーム3の中央部に設けられた係合部4の内部に押込み嵌合すると、係合部4の挾持壁5の、内側には一対の突起6、底面には弾接片部7がそれぞれ設けられているため、押込み嵌合されたモップ柄部22はこの両者と弾接して係止され、これによりモップ柄部22は柄部支持用アーム3にガタツキなく支持される。
【0023】こうしてモップ20は、図1の二点鎖線に示されるようにモップ本体部21が収納ケース2内で適度に把持されて直立した状態で収納されると共に、モップ柄部22が柄部支持用アーム3に支持される。そして、このようにしてモップ収納具1に収納されたモップ20は、部屋の隅などに据え置いて保管される。
【0024】また、このように収納されたモップ20は、係合部4の背面に設られた吊下げ孔8を壁等に配設された突起に引っ掛けることにより、図5のモップ収納具の他の収容状態を示す斜視図に示すように、吊下げた状態で保管することもできる。この場合、収納ケース2の面が吊下げ面に接合する形状に変化する。即ち、柄部支持用アーム3と収納ケース2とが直線上になり、モップ柄部22の挿通用開口部2aが上向となり、この状態で壁等に吊下げることができ、これにより布毛が見えにくく、かつ、安定な状態でモップ20を保管することができる。
【0025】このように、本実施例のモップ収納具は、前後の一側が開口し、その開口の上側の縁部に連続してモップ柄部22の挿通用開口部2aが形成されたモップ本体部21を収納する収納ケース2と、収納ケース2の左右に両先端が回動可能に取付けられ、中央部にモップ柄部22を係止する係合部4を有する柄部支持用アーム3とを具備し、収納ケース2の開口から、モップ本体部21を下にして立てた状態で挿入すると共に、収納ケース2の挿通用開口部2aにモップ柄部22を挿通し、柄部支持用アーム3の中央部に設けられた係合部4でモップ柄部22を係止してモップ20を収納するようにしたものである。
【0026】したがって、モップ20はモップ本体部21が収納ケース2の内部に収納されているから、布毛が床や壁に直接接触することがなく、また、布毛を覆い隠すことができる。更に、モップ20を直立した状態で保管することができ、また、壁等に吊下げて保管することもできる。
【0027】ところで、本実施例において、モップ柄部22を係止する係合部4は一対の挾持壁5を有するU字形断面のチャンネル形状に形成され、挾持壁5の内側に突起6及び底面に弾接片部7を設けたものであるとしたが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、モップ柄部22を係止することができる適宜のものであることができる。
【0028】そして、本実施例において、収納ケース2の左右の側面に両先端が取付けられた柄部支持用アーム3はその両先端に突出部を有する弾性爪部9を突設し、この弾性爪部9を収納ケースの左右の側面に形成された取付孔に押込み嵌合することによるスナップ作用で回動可能に支持するものとしたが、本発明を実施する場合には、柄部支持用アーム3を収納ケース2の左右の側面に回動可能に取付けることができるものであればよく、例えば、ネジやボルトで螺着することによるものであってもよい。
【0029】また、本実施例のモップ収納具において、収納ケース2及び柄部支持用アーム3は合成樹脂から成形されたものとしたが、その他の材料、例えば、金属、木材等を用いて形成したものであってもよい。
【0030】更に、本実施例のモップ収納具においては、係合部4、そして、係合部4を構成する挾持壁5、突起6及び弾接片部7、及び弾性爪部9は、いずれも柄部支持用アーム3と一体に合成樹脂で形成したが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、各機能を個々に形成したものを柄部支持用アーム3に配設してもよく、この場合それらを形成する材料は合成樹脂に限定されるものではなく、適宜な材料を用いることができる。弾接片部7については、図2に示すように屈曲部を有し、その屈曲部でストッパー作用を持たせたものであるが、本発明を実施する場合には、全体に弾性を持たせるように直線的とすることができる。
【0031】更にまた、本実施例のモップホルダにおいて、収納ケース2の左右にその両先端が回動可能に支持された柄部支持用アーム3は略逆Y字状のものとしたが、取付孔10を軸とした回動が可能な形状であればよく、逆U字形状、逆V字形状、コ字形状等の他、任意の形状とすることができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のモップ収納具は、収納ケースの開口から、モップ本体部を下にして立てた状態で挿入すると共に、収納ケースの挿通用開口部にモップ柄部を挿通し、略逆Y字状に形成した柄部支持用アームの中央部に設けられた係合部でモップ柄部を挾持してモップを収納するようにしたものであり、布毛が床材、壁材等と直接接触することがなくなるため、それらを染み等で汚すことがなく、また、汚れた布毛は収納ケースで覆い隠されるため、美観を損ねることなくモップを収納することができる。そして、収納されたモップは部屋の隅等に据え置いた状態、または、壁等に吊下げた状態で安定に保管される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例のモップ収納具を示す斜視図である。
【図2】図2は図1のA−A切断線による断面を示す断面図である。
【図3】図3は本発明の一実施例のモップ収納具における柄部支持用アームの先端に突設された弾性爪部の構成を示す側面図(a)、正面図(b)である。
【図4】図4は図1のB−B切断線による断面を示す断面図である。
【図1】図5は図1の実施例のモップ収納具の他の収容状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 モップ収納具
2 収納ケース
2a 挿通用開口部
3 柄部支持用アーム
4 係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 モップの本体部を収納する開口の縁部から連続してモップの柄部の挿通用開口部を形成した前記モップの本体部を収納する収納ケースと、中央部に前記モップの柄部を挾持する係合部を有する柄部支持用アームと、前記収納ケースの両側に柄部支持用アームの両端が回動自在に取付けられた回動軸とを具備することを特徴とするモップ収納具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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