説明

モニタスタンド

【課題】モニタスタンドにおいて、モニタスタンドが凹部からずれないようにすることにある。
【解決手段】このモニタスタンド90では、ロッドホルダ100、101の凹部100a、101aの内径に合致するように第1部材73及び第2部材74を移動させることによって、凹部100a、101aの内径にスタンドの直径を一致させることができるとともに、凹部100a、101aの開口部100b、101bに筒状部材72の円筒部72aまたはテーパ部72bを接触させることによって、凹部100a、101aの開口部100b、101bに隙間が生成されないようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタスタンド、特に、モニタを凹部に取り付けるためのモニタスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、釣り用リールは、リール本体と、リール本体に装着されたスプールと、スプールを回転させるハンドルと、リール本体の上部に装着されるカウンタケースと、カウンタケースの上面に設けられ水深表示用の表示部を有する表示装置とを備えている。表示部は、たとえば液晶ディスプレイであり、棚位置や現在の仕掛けの水深等のリールに関する情報を表示することができる。
【0003】
この種の表示装置を有する釣り用リールでは、カウンタケースの表示部にはリールに関する情報が表示される。しかし、近年、リールに関する情報が増加し、表示部に全ての情報を表示することが困難になりつつある。そこで、リールに関する情報を表示可能な表示部を有するモニタをリールの外部に設け、釣り船の船縁にクランプ台座によって着脱自在に装着したものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。このモニタは、リールに関する情報を表示させるだけでなく、魚群探知機や全地球測位システム(GPS)等からの釣りに関する情報を表示させることができる。
【0004】
このようなモニタは、釣り船の船縁にクランプ付き台座によって装着されているが、モニタの下部に円柱状のモニタスタンドを取り付け、モニタスタンドを釣り船に取り付けられた釣竿装着用のロッドホルダに装着することによってモニタを釣り船に装着することが考えられる。この種のロッドホルダは、上部が開口した凹部を有する円筒状の部材であって、釣り船の壁面に固定されている(たとえば、特許文献2参照)。ここでは、従来からあるロッドホルダの凹部にモニタスタンドを装着することによってモニタを釣り船に装着しているので、クランプ付き台座を別途設ける必要がなくなる。
【0005】
また、従来のロッドホルダは、メーカや装着する釣竿の種類によって、凹部の直径が異なっている。そこで、スタンドの直径に比して大径の凹部にスタンドを接触可能に装着するために、スタンドの直径を変更できるようにしたものが知られている(たとえば、特許文献3参照)。このスタンドは、ロッド部材と、ロッド部材が貫通しロッド部材が交差する方向に移動可能な第1貫通孔と下部が斜め方向に切り欠かれた第1傾斜面とを有する第1部材と、ロッド部材が貫通しロッド部材の下端が軸方向に移動不能に固定されかつロッド部材が交差する方向に移動可能な第2貫通孔と上部が斜め方向に切り欠かれ第1傾斜面と接触する第2傾斜面とを有する第2部材と、第1部材の上部に接触するように配置され第1部材及び第2部材の最大外径が凹部の内径に合致するように第1傾斜面及び第2傾斜面を接触させた状態で第1部材を第2部材とで挟持して第1部材及び第2部材をロッド部材に固定するためのナット部材とを有している。ここでは、ロッドホルダの凹部の内径に合致するように第1部材及び第2部材を移動させることによって、ロッドホルダの凹部の内径にスタンドの直径を一致させることができるので、スタンドの直径に比して大径の凹部にスタンドを接触可能に装着できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4221281号公報
【特許文献2】実用新案登録第3157968号公報
【特許文献3】米国特許第6045109号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来のスタンドは、ロッドホルダの凹部の内径に合致するように第1部材及び第2部材を移動させることによって、スタンドの直径に比して大径の凹部にスタンドを接触可能に装着できる。しかし、スタンドの直径に比して大径の凹部にスタンドを装着するときは、凹部の一端側に第1部材が接触し、凹部の他端側に第2部材が接触しているので、凹部の開口部の一端側のみに第1部材が接触し、凹部の開口部の他端側に隙間が生成されている。このように凹部の開口部の一端側のみに第1部材が接触し、凹部の開口部の他端側に隙間が生成されていると、釣り船の振動等によって、スタンドがロッドホルダからずれてしまうおそれがある。スタンドがロッドホルダからずれてしまうと、特に、モニタスタンドの場合には、モニタが転倒し、モニタが破損するおそれが生じる。
【0008】
本発明の課題は、モニタスタンドにおいて、モニタスタンドが凹部からずれないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明1に係るモニタスタンドは、モニタを凹部に取り付けるためのモニタスタンドであって、支持部と、軸部材と、取付部とを備えている。支持部は、モニタを支持する。軸部材は、上端が支持部に固定される。取付部は、軸部材が貫通し軸部材の下端が固定され、凹部に装着される。取付部は、第1部材と、第2部材と、筒状部材と、押圧部材とを有している。第1部材は、軸部材が貫通し軸部材が交差する方向に移動可能な第1貫通孔と、下部が斜め方向に切り欠かれた第1傾斜面とを有する。第2部材は、軸部材が貫通し軸部材の下端が軸方向に移動不能に固定されかつ軸部材が交差する方向に移動可能な第2貫通孔と、上部が斜め方向に切り欠かれ第1傾斜面と接触する第2傾斜面とを有する。筒状部材は、第1部材の上部に接触するように配置される略円筒状の円筒部と、円筒部の上部に設けられ円筒部から上方に向けて拡径する略円錐台筒状のテーパ部とを有する。押圧部材は、筒状部材の上部に接触するように配置され、第1部材及び第2部材の最大外径が凹部の内径に合致するように第1傾斜面及び第2傾斜面を接触させた状態で筒状部材及び第1部材を第2部材とで挟持して、筒状部材、第1部材及び第2部材を軸部材に固定するための筒状の部材である。
【0010】
このモニタスタンドでは、ロッドホルダ等の凹部の内径に合致するように第1部材及び第2部材を移動させることによって、凹部の内径にスタンドの直径を一致させることができるとともに、凹部の開口部に筒状部材の円筒部またはテーパ部を接触させることによって、凹部の開口部に隙間が生成されないようになっている。ここでは、凹部の開口部に隙間が生成されないので、釣り船が振動した場合でも、モニタスタンドが凹部からずれにくくなる。さらに、ここでは、筒状部材は、略円筒状の円筒部と、円筒部から上方に向けて拡径する略円錐台筒状のテーパ部とを有しているので、凹部が円筒部と同径であるときには凹部の開口部に円筒部が接触し、凹部が円筒部より大径であるときには凹部の開口部にテーパ部が接触するために、凹部の開口部に筒状部材を確実に接触させることができ、このため、モニタスタンドが凹部から確実にずれにくくなる。
【0011】
発明2に係るモニタスタンドは、発明1のモニタスタンドにおいて、軸部材は、外周部に雄ねじが形成されたねじ部材である。押圧部材は、雄ねじに螺合する雌ねじが形成ざれた筒状部材である。この場合、押圧部材を回転させるだけで押圧部材を下方向に押圧できるので、筒状部材、第1部材及び第2部材を軸部材に容易に固定できる。
【0012】
発明3に係るモニタスタンドは、発明1又は2のモニタスタンドにおいて、軸部材は、上端部が支持部にナット部材によってねじ止め固定される。この場合、ナット部材によって、軸部材を支持部に簡単に固定できる。
【0013】
発明4に係るモニタスタンドは、発明1から3のいずれかのモニタスタンドにおいて、軸部材及び第2部材は、下端部が軸部材が交差する方向に貫通するピン部材によって軸方向に移動不能に固定される。この場合、ピン部材によって、軸部材の第2部材に対する横方向(軸部材が交差する方向)の移動を許可しながら、軸部材の第2部材に対する上下方向(軸方向)の移動を規制できる。
【0014】
発明5に係るモニタスタンドは、発明1から4のいずれかのモニタスタンドにおいて、第1部材及び第2部材は、上下反転させて配置した同一形状の部材である。この場合、第1部材及び第2部材を同一形状の部材で構成することにより、たとえば、第1部材及び第2部材を成形するときの金型の製作コストを削減できる。
【0015】
発明6に係るモニタスタンドは、発明1から5のいずれかのモニタスタンドにおいて、支持部は、下面に装着される板状の板状部材をさらに有している。この場合、たとえば板状の支持部の下面に板状部材を取り付けることによって、支持部の変形を防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、モニタスタンドにおいて、ロッドホルダ等の凹部の内径に合致するように第1部材及び第2部材を移動させることによって、凹部の内径にスタンドの直径を一致させることができるとともに、凹部の開口部の全体に筒状部材の円筒部またはテーパ部を接触させることによって、凹部の開口部に隙間が生成されないようになっているので、凹部の開口部に隙間が生成されず、釣り船が振動した場合でも、モニタスタンドが凹部からずれにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】釣り情報表示装置及びモニタスタンドの平面図。
【図2】前記モニタスタンドの分解斜視図。
【図3】前記モニタスタンドの拡大平面図。
【図4】前記モニタスタンドの円筒部と同径のロッドホルダの凹部に前記モニタスタンドを装着したときの前記モニタスタンドの拡大平面図。
【図5】前記円筒部より大径の前記凹部に前記モニタスタンドを装着したときの前記モニタスタンドの拡大平面図。
【図6】釣り用リールの斜視図。
【図7】前記釣り用リールの断面図。
【図8】前記釣り用リール及び前記釣り情報表示装置の制御ブロック図。
【図9】前記釣り情報表示装置の表示部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態が採用された釣り情報表示装置80(本願発明のモニタの一例)は、図1及び図6から図8に示すように、トローリングに用いられる大型の両軸受リールである釣り用リール200から得られる水深情報、釣り糸に作用する張力、仕掛けの繰り出し速度等を表示するためのものである。
【0019】
釣り用リール200は、図6及び図7に示すように、トローリングに用いられる大型の両軸受リールである。釣り用リール200は、筒状のリール本体1と、リール本体1の中心部に回転自在に装着されたスプール軸2と、スプール軸2に回転自在かつ軸方向移動不能に支持されたスプール3と、リール本体1の側方に配置されたハンドル4とを備えている。また、釣り用リール200は、ハンドル4の回転をスプール3に伝達する回転伝達機構6と、スプール3の糸繰り出し方向の回転を制動するレバードラグ機構7と、スプール3の糸繰り出し方向の回転を規制する逆転防止機構9とをリール本体1の内部に備えている。
【0020】
リール本体1は、図6及び図7に示すように、金属製の左右1対の有底筒状の第1側板10(ハンドル4装着側と逆側の側板)及び第2側板11(ハンドル4装着側の側板)と、第1側板10及び第2側板11が両端に印籠結合により同芯に結合され、複数本の固定ねじにより固定された金属製の孔あき筒状のリールボディ12とを有している。第1側板10及び第2側板11は、その略中心部で回動自在にスプール軸2の両端を支持する。
【0021】
リールボディ12と第1側板10及び第2側板11との間の上部にはリールハーネスに装着するためのハーネスラグ13が間隔を隔てて装着されている。リールボディ12の下部にはリールを釣竿に装着するための竿取付部14が設けられている。第1側板10は、図6に示すように、内部に形成され各種の機構が装着される取付基板10aを有し両側部が開口する筒状の筒状部10bと、筒状部10bから前部下方に一体的に突出する突出部10cとを有している。
【0022】
リール本体1の第1側板10の内部には、図8に示すように、各種の制御を行う制御部53(図8参照)が取り付けられる取付基板10aが装着固定されている。制御部53は、図8に示すように、電源部48、基板温度センサ49、スプールセンサ51、スプールカウンタ52、トルクセンサ55、温度センサ56、通信部54、操作部57、記憶部58、表示部59及び他の入出力部が電気的に接続されている。
【0023】
制御部53は、取付基板10aに配置されたCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを含んでいる。制御部53は、記憶部58に予め記憶された制御プログラムにしたがって、通信部54の通信制御処理や、表示部59の表示制御処理や、スプールセンサ51、スプールカウンタ52から検出されたデータに基づいて仕掛けの水深情報(糸長)、仕掛けの繰り出し速度を算出する制御処理や、トルクセンサ55から検出されたトルクデータと温度センサ56及び基板温度センサ49から検出された温度データとに基づいて検出トルクを補正して補正トルクを算出する制御処理等の各種の制御動作を実行する。記憶部58は、たとえばEEPROM等の不揮発メモリからなり、糸長算出時に使用するマップデータ等の各種のデータが記憶されている。
【0024】
制御部53は、表示部59や通信部54等の各種の制御を行うとともに、仕掛けの水深情報を演算する水深演算処理を行う。水深演算処理は、スプールカウンタ52により計数されたスプール3の回転数と、記憶部58に保持されたマップデータとを対応させることにより、スプール3の回転数を仕掛けの水深情報に変換する。このようにして得られた仕掛けの水深情報は、数値情報として表示部59や通信部54に送られる。
【0025】
また、制御部53は、スプール3の回転速度を演算する回転速度演算処理を行う。回転速度演算処理は、スプールカウンタ52により計数されたスプール3の回転数と、制御部53の内部クロックから得られる時間情報とに基づいて、スプール3の単位時間当たりの回転速度を算出する。このようにして得られたスプール3の回転速度情報は、数値情報として表示部59や通信部54に送られる。
【0026】
通信部54は、図8に示すように、釣り用リール200の外部に設けられた釣り情報表示装置80の通信部86と各種の情報を送受信可能である。通信部54は、仕掛けの水深情報や、スプール3の回転速度情報や、釣り糸に作用する張力情報を釣り情報表示装置80の通信部86に送信可能である。通信部54は、1つのZigBee(登録商標)モジュールにより構成されており、釣り情報表示装置80の通信部86のZigBee(登録商標)モジュールと無線通信可能である。ZigBee(登録商標)は、IEEE802.15.4として規格化された短距離無線通信規格の一つであって、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.15.4として規格化されており、たとえば、2.4GHzの無線周波数帯を使用する。釣り用リール200の通信部54のZigBee(登録商標)モジュールは、マルチポイントネットワークに対応したモジュールであり、複数の釣り情報表示装置80の通信部86のZigBee(登録商標)モジュールと通信可能であるが、本実施形態では1つの釣り情報表示装置80の通信部86のZigBee(登録商標)モジュールと通信可能である。
【0027】
釣り情報表示装置80は、図1に示すように、略直方体形状の横型の本体部材81と、本体部材81の内部に配置された制御部83(図8参照)と、本体部材81の内部に配置された通信部86(図8参照)と、本体部材81の表面中央部に配置されたタッチパネル式の液晶ディスプレイからなる表示部85と、表示部85の表面に配置されたタッチパネル84aと表示部85の側部に配置された押圧式の電源スイッチ84bとからなる操作部84とを有している。タッチパネル84aは、複数の釣り用リール200の表示部59の表示設定を切り替える操作を行うことが可能である。電源スイッチ84bは表示部85の表示をオンオフ操作することが可能である。釣り情報表示装置80は、図示しない全地球測位システム(GPS)モジュールが内蔵されており、タッチパネル84aの切替操作によって、表示部85にGPSからの各種情報を表示することが可能である。また、釣り情報表示装置80は、図示しないパーソナルコンピュータの情報入出力端子に接続可能な情報入出力端子(たとえば、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)入出力端子)を有しており、たとえば、釣り情報表示装置80の記憶部に記憶された釣り用リール200に関する仕掛けの水深情報(糸長)、釣り糸に作用する張力(補正トルク)、仕掛けの繰り出し速度の各種ログ情報を、USBメモリを介してパーソナルコンピュータのUSB入出力端子からパーソナルコンピュータの記憶部に入力し、パーソナルコンピュータの表示部に釣り用リール200に関する仕掛けの水深情報(糸長)、釣り糸に作用する張力(補正トルク)、仕掛けの繰り出し速度の各種ログ情報を表示させることが可能である。
【0028】
表示部85は、図9に示すように、2行3列の各領域に6つの釣り用リール200に関する6つの仕掛けの水深情報(糸長)、6つの釣り糸に作用する張力(補正トルク)、6つの仕掛けの繰り出し速度を1つの釣り情報表示装置80の表示部85に表示させるようになっており、図9では、3つの釣り用リール200が1つの釣り情報表示装置80に接続されており、3つの釣り用リール200に関する3つの仕掛けの水深情報(糸長)、3つの釣り糸に作用する張力(補正トルク)、複数の仕掛けの繰り出し速度を1つの釣り情報表示装置80の表示部85に表示させるようになっている。
【0029】
表示部85の2行3列の各領域(左上から第1領域、右下に向かって第6領域)は、図9に示すように、上側から下側の順に、仕掛けの水深情報(糸長)を表示する糸長表示領域85aと、釣り糸に作用する張力(補正トルク)を表示するトルク表示領域85bと、仕掛けの繰り出し速度等を表示する速度表示領域85cとを有するドットマトリックス液晶である。第1領域の糸長表示領域85aは、仕掛けの水深情報(糸長)を表示するための領域であって、「DISTANCE」の文字と、たとえば糸長が120.0mであることを示す「120.0m」とが表示されている。第1領域のトルク表示領域85bは、釣り糸に作用する張力(補正トルク)を表示するための領域であって、「LINE TENSION」の文字と、たとえば補正トルクが15.0kgであることを示す「15.0kg」とが表示されている。第1領域の速度表示領域85cは、仕掛けの繰り出し速度(スプール3の回転速度)を表示するための領域であって、「LINE SPEED」の文字と、たとえば速度が10.0km/hであることを示す「10.0km/h」とが表示されている。
【0030】
通信部86は、図8に示すように、釣り用リール200の通信部54と各種の情報を無線にて送受信可能である。通信部86は、釣り用リール200の通信部54から仕掛けの水深データや、スプール3の回転速度情報や、釣り糸に作用する張力情報等の情報を受信し、釣り用リール200の通信部54へ各種の指令情報を送信する。通信部86は、釣り用リール200の通信部54と同様に、1つのZigBee(登録商標)モジュールにより構成されており、釣り用リール200の通信部54のZigBee(登録商標)モジュールと無線通信可能である。通信部86のZigBee(登録商標)モジュールは、マルチポイントネットワークに対応したモジュールであり、複数の釣り用リール200の通信部54のZigBee(登録商標)モジュールと通信可能であり、本実施形態では、6つの釣り用リール200の通信部54のZigBee(登録商標)モジュールと通信可能である。
【0031】
釣り情報表示装置80には、図1から図5に示すように、釣り情報表示装置80をロッドホルダ100、101の凹部100a、101aに取り付けるためのモニタスタンド90が装着されている。
【0032】
モニタスタンド90は、図1から図5に示すように、釣り情報表示装置80の本体部材81両側部を支持する支持部91と、上端が支持部91に固定される軸部材70と、軸部材70が貫通し軸部材70の下端が固定されロッドホルダ100、101(図3〜図5参照)の凹部100a、101a(図3〜図5参照)に装着される取付部92とを備えている。
【0033】
支持部91は、図1から図3に示すように、釣り情報表示装置80の本体部材81両側部を支持する略U字状のハンガー部材93と、ハンガー部材93の両腕部93bと本体部材81両側部とをそれぞれねじ固定するためのつまみ部材である固定部材95とを有している。
【0034】
ハンガー部材93は、図2及び図3に示すように、金属製の板状部材を折り曲げて一体形成したものであって、釣り情報表示装置80の本体部材81両側部を支持する2つの腕部93bと、2つの腕部93bの下端を連結する連結部93aと、連結部93aの略中央部に形成され軸部材70の上端が相対回転不能に挿通される非円形孔93cとを有している。軸部材70の上端は、後述する第1雄ねじ部70aより小径かつ外形が一部切り欠かれ非円形孔93cに相対回転不能に挿通される第2雄ねじ部70bが形成されており、連結部93aの上部において非円形孔93cから突出した第2雄ねじ部70bに第1ナット部材75を螺合し、この第1ナット部材75と、連結部93aの下部において軸部材70の第1雄ねじ部70aに予め螺合させた第2ナット部材76とでハンガー部材93の連結部93aを挟持することによって、支持部91を軸部材70に固定している。また、ハンガー部材93の2つの腕部93bの内側には、合成樹脂製の板状の介装部材94がねじ止め固定されており、本体部材81の両側部に金属製の2つの腕部93bを直接接触させないようにするための緩衝部材である。また、ハンガー部材93の連結部93aの下面には、補強用の板状部材96がねじ止めされている。板状部材96の略中央部には、非円形孔93cと連通し非円形孔93cより大径の貫通孔96aが形成されており、貫通孔96aには軸部材70が挿通可能である。
【0035】
軸部材70は、図1から図3に示すように、上端部が支持部91に第1ナット部材75及び第2ナット部材76によってねじ止め固定される。軸部材70は、図2に示すように、外周部に形成された第1雄ねじ部70aと、第1雄ねじ部70aの先端外周部に形成された第1雄ねじ部70aより小径かつ外形が一部切り欠かれ非円形孔93cに相対回転不能に挿通される第2雄ねじ部70bと、第1雄ねじ部70aの基端部に第1雄ねじ部70aと交差する方向(横方向)に貫通して形成されピン部材77が挿通される貫通孔70cとを有するねじ部材である。
【0036】
取付部92は、図1から図5に示すように、軸部材70が貫通し、軸部材70の下端が固定され、上から押圧部材71、筒状部材72、第1部材73と、第2部材74の順に配置された4つの部材で構成され、ロッドホルダ100、101(図3〜図5参照)の凹部100a、101a(図3〜図5参照)に装着される部材である。
【0037】
第1部材73は、図2、図4及び図5に示すように、軸部材70が貫通し、軸部材70が交差する方向に移動可能な第1貫通孔73aと、下部が斜め方向に切り欠かれた第1傾斜面73bとを有している。第2部材74は、図2、図4及び図5に示すように、軸部材70が貫通し軸部材70の下端が軸方向に移動不能に固定され、かつ軸部材70が交差する方向(横方向)に移動可能な第2貫通孔74aと、上部が斜め方向に切り欠かれ第1傾斜面73bと接触する第2傾斜面74bと、下側部が貫通して形成され軸部材70の貫通孔70cと連通しピン部材77が挿通固定される貫通孔74cとを有している。第1部材73及び第2部材74は、上下反転させて配置した同一形状の部材である。第1部材73及び第2部材74は、第1傾斜面73b及び第2傾斜面74bが接触する範囲で上下方向移動自在に設けられており、第1傾斜面73b及び第2傾斜面74bの全部が接触しているとき(第1部材73及び第2部材74がずれていないとき)は、図4に示すように、小径のロッドホルダ100の凹部100aの内周部に第1部材73及び第2部材74の全体が接触し、第1傾斜面73b及び第2傾斜面74bの一部が接触しているとき(第1部材73が下方に移動し、第2部材74が上方に移動して、第1部材73及び第2部材74がずれているとき)は、図5に示すように、大径のロッドホルダ101の凹部101aの内周部に第1部材73及び第2部材74の一部が接触している。
【0038】
筒状部材72は、図2、図4及び図5に示すように、第1部材73の上部に接触するように配置される略円筒状の円筒部72aと、円筒部72aの上部に一体で設けられ円筒部72aから上方に向けて拡径する略円錐台筒状のテーパ部72bと、円筒部72a及びテーパ部72bを貫通し軸部材70が挿通される貫通孔72cとを有している。筒状部材72は、図4及び図5に示すように、テーパ部72bの軸方向(上下)長さが円筒部72aの軸方向(上下)長さより長くなるように形成されている。テーパ部72bのテーパ角は、図4及び図5に示すように、テーパ部72bの最大外径が、押圧部材71の外径より小径である。テーパ部72bの最小外径は、円筒部72aの外径(すなわち、第1部材73の最大外径)と略同一になるように形成される。第1部材73及び第2部材74の第1傾斜面73b及び第2傾斜面74bの全部が接触しているとき(第1部材73及び第2部材74がずれていないとき)は、図4に示すように、小径の凹部100aの開口部100bに筒状部材72の円筒部72aが接触し、第1部材73及び第2部材74の第1傾斜面73b及び第2傾斜面74bの一部が接触しているとき(第1部材73が下方に移動し、第2部材74が上方に移動して、第1部材73及び第2部材74がずれているとき)は、図5に示すように、大径の凹部101aの開口部101bに筒状部材72のテーパ部72bが接触している。
【0039】
押圧部材71は、図2、図4及び図5に示すように、筒状部材72の上部に接触するように配置され、第1部材73及び第2部材74の最大外径がロッドホルダ100、101の凹部100a、101aの内径に合致するように第1傾斜面73b及び第2傾斜面74bを接触させた状態で筒状部材72及び第1部材73を第2部材74とで挟持して、筒状部材72、第1部材73及び第2部材74を軸部材70に固定するための筒状の部材である。押圧部材71は、図2に示すように、第1雄ねじ部70aに螺合する雌ねじ部71aが形成ざれた筒状部材である。
【0040】
ピン部材77は、図2に示すように、軸部材70の貫通孔70c及び第2部材74の貫通孔74cに挿通され、軸部材70の下端部が第2部材74に軸方向(上下方向)に移動不能に固定されている。ここでは、ピン部材77によって、軸部材70の第2部材74に対する横方向(軸部材が交差する方向)の移動を許可しながら、軸部材70の第2部材74に対する上下方向(軸方向)の移動を規制できる。
【0041】
ロッドホルダ100、101は、図4及び図5に示すように、開口部100b、101bが斜め上方に向くように傾斜して配置された筒状の部材であって、凹部100a、101aを有している。ロッドホルダ100の凹部100aは、ロッドホルダ101の凹部101aより小径の凹部であって、円筒部72aの外径(すなわち、第1部材73の最大外径、第2部材74の最大外径)と略同一になるように形成されている。ロッドホルダ101の凹部101aは、円筒部72aの外径(すなわち、第1部材73の最大外径、第2部材74の最大外径)より大径かつテーパ部72bの最大外径より小径になるように形成されている。
【0042】
このモニタスタンド90では、ロッドホルダ100、101の凹部100a、101aの内径に合致するように第1部材73及び第2部材74を移動させることによって、凹部100a、101aの内径にスタンドの直径を一致させることができるとともに、凹部100a、101aの開口部100b、101bに筒状部材72の円筒部72aまたはテーパ部72bを接触させることによって、凹部100a、101aの開口部100b、101bに隙間が生成されないようになっている。ここでは、凹部100a、101aの開口部100b、101bに隙間が生成されないので、釣り船が振動した場合でも、モニタスタンド90がロッドホルダ100、101の凹部100a、101aからずれにくくなる。さらに、ここでは、筒状部材72は、略円筒状の円筒部72aと、円筒部72aから上方に向けて拡径する略円錐台筒状のテーパ部72bとを有しているので、図4に示すように、ロッドホルダ100の凹部100aが円筒部72aと同径であるときには凹部100aの開口部100bに円筒部72aが接触し、図5に示すように、ロッドホルダ101の凹部101aが円筒部72aより大径であるときには凹部101aの開口部101bにテーパ部72bが接触するために、凹部100a、101aの開口部100b、101bに筒状部材72を確実に接触させることができる。したがって、モニタスタンド90がロッドホルダ100、101の凹部100a、101aから確実にずれにくくなる。
【0043】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、釣り情報表示装置80は、外部に設けられた釣り用リール200から得られる情報を表示していたが、これに限定されるものではなく、魚群探知機から得られる漁場の底の水深や魚群の位置を示す棚位置をエコー表示するモニタであってもよい。
【0044】
(b) 前記実施形態では、モニタスタンド90は、釣り情報表示装置80をロッドホルダ100、101に取り付けていたが、ロッドホルダ100、101に限定されるものではなく、他の凹部であってもよい。
【0045】
(c) 前記実施形態では、ロッドホルダ100、101は、開口部100b、101bが斜め上方に向くように傾斜して配置されていたが、開口部100b、101bが上方に向くように、ロッドホルダ100、101を垂直に配置してもよい。
【0046】
(d) 前記実施形態では、筒状部材72は、テーパ部72bの軸方向(上下)長さが円筒部72aの軸方向(上下)長さより長くなるように形成されていたが、これに限定されるものではない。また、テーパ部72bのテーパ角は、テーパ部72bの最大外径が、押圧部材71の外径より小径であれば、任意のテーパ角に設定できる。なお、この場合においても、テーパ部72bの最小外径は、円筒部72aの外径(すなわち、第1部材73の最大外径)と略同一になるように形成される。
【0047】
(e) 前記実施形態では、第1部材73及び第2部材74は、上下反転させて配置した同一形状の部材であったが、第1部材73及び第2部材74を異なる形状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 リール本体
2 スプール軸
3 スプール
4 ハンドル
6 回転伝達機構
7 レバードラグ機構
9 逆転防止機構
10 第1側板
10a 取付基板
10b 筒状部
10c 突出部
11 第2側板
12 リールボディ
13 ハーネスラグ
14 竿取付部
48 電源部
49 基板温度センサ
51 スプールセンサ
52 スプールカウンタ
53 制御部
54 通信部
55 トルクセンサ
56 温度センサ
57 操作部
58 記憶部
59 表示部
70 軸部材
70a 第1雄ねじ部
70b 第2雄ねじ部
70c 貫通孔
71 押圧部材
71a 雌ねじ部
72 筒状部材
72a 円筒部
72b テーパ部
72c 貫通孔
73 第1部材
73a 第1貫通孔
73b 第1傾斜面
74 第2部材
74a 第2貫通孔
74b 第2傾斜面
74c 貫通孔
75 第1ナット部材
76 第2ナット部材
77 ピン部材
80 釣り情報表示装置
81 本体部材
83 制御部
84 操作部
84a タッチパネル
84b 電源スイッチ
85 表示部
85a 糸長表示領域
85b トルク表示領域
85c 速度表示領域
86 通信部
90 モニタスタンド
91 支持部
92 取付部
93 ハンガー部材
93a 連結部
93b 腕部
93c 非円形孔
94 介装部材
95 固定部材
96 板状部材
96a 貫通孔
100、101 ロッドホルダ
100a、101a 凹部
100b、101b 開口部
200 釣り用リール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタを凹部に取り付けるためのモニタスタンドであって、
前記モニタを支持する支持部と、
上端が前記支持部に固定される軸部材と、
前記軸部材が貫通し前記軸部材の下端が固定され、前記凹部に装着される取付部とを備え、
前記取付部は、
前記軸部材が貫通し前記軸部材が交差する方向に移動可能な第1貫通孔と、下部が斜め方向に切り欠かれた第1傾斜面とを有する第1部材と、
前記軸部材が貫通し前記軸部材の下端が軸方向に移動不能に固定されかつ前記軸部材が交差する方向に移動可能な第2貫通孔と、上部が斜め方向に切り欠かれ前記第1傾斜面と接触する第2傾斜面とを有する第2部材と、
前記第1部材の上部に接触するように配置される略円筒状の円筒部と、前記円筒部の上部に設けられ前記円筒部から上方に向けて拡径する略円錐台筒状のテーパ部とを有する筒状部材と、
前記筒状部材の上部に接触するように配置され、前記第1部材及び前記第2部材の最大外径が前記凹部の内径に合致するように前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面を接触させた状態で前記筒状部材及び前記第1部材を前記第2部材とで挟持して、前記筒状部材、前記第1部材及び前記第2部材を前記軸部材に固定するための筒状の押圧部材と、
を有している、モニタスタンド。
【請求項2】
前記軸部材は、外周部に雄ねじが形成されたねじ部材であり、
前記押圧部材は、前記雄ねじに螺合する雌ねじが形成ざれた筒状部材である、請求項1に記載のモニタスタンド。
【請求項3】
前記軸部材は、上端部が前記支持部にナット部材によってねじ止め固定される、請求項1又は2に記載のモニタスタンド。
【請求項4】
前記軸部材及び前記第2部材は、下端部が前記軸部材が交差する方向に貫通するピン部材によって軸方向に移動不能に固定される、請求項1から3のいずれか1項に記載のモニタスタンド。
【請求項5】
前記第1部材及び前記第2部材は、上下反転させて配置した同一形状の部材である、請求項1から4のいずれか1項に記載のモニタスタンド。
【請求項6】
前記支持部は、下面に装着される板状の板状部材をさらに有している、請求項1から5のいずれか1項に記載のモニタスタンド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−115152(P2012−115152A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265081(P2010−265081)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】