説明

モノマー及びそのポリマーを調製する方法

【課題】高レベルのアクロレインを含有する低品質のアクリロニトリルから高純度のアクリルアミドやアクリル酸(塩)を調製する方法を提供する。
【解決手段】エチレン性不飽和アミド若しくはエチレン性不飽和カルボン酸又はこれらの塩を対応するエチレン性不飽和ニトリルから調製する方法であって、ニトリルが生体触媒(ロドコッカス属の微生物)の存在下、水性媒体中で水和又は加水分解反応に付され、2ppmより多いアクロレインを含有し、かつアミド若しくはカルボン酸又はこれらの塩は2ppm未満のアクロレインを含むものである方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン性不飽和アミド又はエチレン性不飽和カルボン酸及びその塩を、対応するエチレン性不飽和ニトリルから調製する方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
エチレン性不飽和アミド、例えば、アクリルアミドを対応するニトリルの水和により製造することが知られている。US4820872は、黒色銅触媒を用いるそのような方法を記載する。例えば、EP-A-0330474に記載されているように、濃硫酸とニトリルとの反応により、エチレン性不飽和ニトリルを対応するエチレン性不飽和カルボン酸に転換することが知られている。
【0003】
化学反応の酵素触媒は、文献に十分に記載されている。化学反応を行うために、生体触媒、例えば、酵素を含む微生物を用いることや、微生物を含まない酵素を使用することがよく知られている。種々のエチレン性不飽和モノマーを、生体触媒を使用して、基材出発材料を所望のモノマーに転換することにより調製することができることが知られている。
【0004】
ニトリルヒドラターゼ酵素は、対応するアミドに対して、ニトリルの水和に触媒作用を及ぼすことが知られている。典型的なニトリルヒドラターゼ酵素を、種々の微生物、例えば、バチルス属、バクテリヂウム属、ミクロコッカス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、シュードモナス属、アシネトバクター属、キサントバクター属、ストレプトマイセス属、リゾビウム属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、エルウィニア属、エアロモナス属、シトロバクター属、アクロモバクター属、アグロバクテリウム属、シュードノカルディア属、ロドコッカス属、及びコモモナス属によって合成することができる。
【0005】
ニトリルヒドラターゼとニトリラーゼをそれぞれ触媒として使用して、工業スケールで、アクリルアミドとアクリル酸アンモニウムをアクリロニトリルから製造することが知られている。これらの生成物を生物学的に製造するとき、高濃度でアクリルアミド又はアクリル酸アンモニウムの水溶液を製造することができ、それでいてアクリロニトリル及び高濃度のアクリルアミド又はアクリル酸アンモニウムによって無力化されない酵素を使用することが望まれる。
【0006】
多くの参考文献が、微生物中でのニトリルヒドラターゼの合成を記載している。ArnaudらのAgric. Biol. Chem. 41: (11) 2183-2191 (1977) は、アセトニトリルを、アミド中間体を介して酢酸塩に分解するブレビバクテリウム sp R312中に、「アセトニトリラーゼ」として引用する酵素の特性を記載する。AsanoらのAgric. Biol. Chem. 46: (5) 1183-1189 (1982) は、アクリルアミドへのアクリロニトリルの転換に触媒作用を及ぼし、400g/Lのアクリルアミドを生成するニトリルヒドラターゼを製造したシュードモナス クロロラフィス B23 を単離した。「ニトリルヒドラターゼのシュードモナス クロロラフィス B23による製造のための最適な培養条件」と題するYamadaらのAgric. Biol. Chem. 50: (11) 2859-2865 (1986) による論文は、ニトリルヒドラターゼ合成のために添加される誘導物質を含む成長中間体の中間成分の最適化を考察した。メタクリルアミドは、この生物にとって、最適な誘導物質であると見出された。メタクリルアミドは、成長の出発点で培養中に含有された。
【0007】
「肺炎クレブシエラによるアクリロニトリルの代謝」と題するNawazらのArch. Microbiol. 156: 231-238 (1991) による論文は、バクテリアK.肺炎(K.pneumoniae)の培養及び成長、並びに、続いてアクリロニトリルの迅速な利用及びその上さらにアクリル酸へ加水分解されたアクリルアミドの形成を記載する。その生物は、pH7.5で唯一の窒素源としてアクリロニトリルを用いる濃縮培養技術を用いて単離された。
【0008】
種々のロドコッカス ロドクロウス種の株は、ニトリルヒドラターゼ酵素を著しく効果的に製造することが見出されている。EP-0307926 は、ロドコッカス ロドクロウス、特にコバルトイオンを含む培養媒体中のJ1株の培養を記載する。このニトリルヒドラターゼは、ニトリルをアミドに水和するため、特に3-シアノピリジンのニコチンアミドへの転換に、使用することができる。この生物は、さらにEP-0362829で記載され、その文献は、ニトリルヒドラターゼ活性を有するロドコッカス ロドクロウスの細胞を調製するために、少なくとも一つの尿素及びコバルトイオンを含むロドコッカス ロドクロウス種のバクテリアを培養するための方法を記載する。特に記載されているのは、ロドコッカス ロドクロウスJ1である。
【0009】
ロドコッカス ロドクロウスJ1は、アクリルアミドモノマーをアクリロニトリルから工業的に製造されるために用いられ、このプロセスは、Nagasawa 及び YamadaのPure Appl. Chem. 67: 1241-1256 (1995) に記載されている。
【0010】
Yamada 及び KobayashiのBiosci. Biotech. Biochem 60: 1391-1400 (1996) による総説論文は、50%の濃度までのアクリルアミドモノマーの製造に関する生体触媒プロセスの発展を図にする。この総説は、アクリルアミドのアクリロニトリルからの形成に触媒作用を及ぼすニトリルヒドラターゼ酵素の部分として、コバルトを要求するバクテリア、ロドコッカス ロドクロウスJ1となるアクリルアミドの工業的製造のために発展した触媒の3つの世代を記載する。このニトリルヒドラターゼは、培養基体中で誘発剤としての尿素の存在によりバクテリア中で非常に高レベルで合成される。
【0011】
「ロドコッカスのニトリルヒドラターゼ」と題するLeonovaらの Appl. Biochem. Biotechnol. 88: 231-241 (2000)は、ロドコッカス ロドクロウスM8中のニトリルヒドロターゼの成長と合成を記載する。この株のNH合成は、この生物による成長の窒素源としても使用される、媒体中の尿素によって誘導される。コバルトは、高ニトリルヒドラターゼ活性のためにも要求される。この文献は、主に誘導及び代謝効果を調査する。
【0012】
LeonovaらのAppl. Biochem. Biotechnol. 88: 231-241 (2000) は、アクリルアミドがロドコッカス ロドクロウスM8を用いて、ロシアで工業的に生産されていることを述べる。ロシア特許1731814号は、ロドコッカス ロドクロウスM8株を記載する。
【0013】
ニトラーゼ酵素の反応によって、アクリル酸アンモニウムをアクリロニトリルから直接生成することも知られている(Hughesらの (1998) Antonie van Leeuwenhoek v 74 p107-118)。この文献は、30℃で、47日を越える半減期を有する触媒を固定化したロドコッカス ルバーを用い、連続的に1.3Mのアクリル酸アンモニウムを生成することを記載する。ニトラーゼは、アクリロニトリルについて30マイクロモルの非常に低いKm値を有し、従って最終的なアクリル酸アンモニウム生成物中のアクリロニトリルの濃度がゼロであった。
【0014】
NagasawaらのAppl. Microbiol. Biotechnol. 34: 322-324 (1990)はまた、アクリル酸及びメタクリル酸の合成のためのロドコッカス ロドクロウスJ1へのニトラーゼの使用を記載する。彼らは、反応に及ぼす、温度、アクリロニトリル濃度及びpH条件の影響を検討した。
【0015】
国際出願番号 PCT/EP04/013252(件名参照 BT/3-22351)は、本出願の出願日では未公開であるが、ロドコッカス ロドクロウス株2368(NCIMB41164)又はその変異株である新微生物を記載する。この微生物は、アクリロニトリルをアクリルアミドに転換するために適したニトリルヒドラターゼ酵素を生成することができる。
【0016】
国際出願番号 PCT/EP04/013251(件名参照 BT/3-22348)もまた本出願の出願日では未公開であるが、ディエツジア ナトロノリムナイオス(natronolimnnaios) NCIMB 41165又はその変異株である新微生物を記載する。この微生物は、アクリロニトリルを、アクリルアミド又はニトリルヒドラターゼと、アクリル酸若しくはこれらの塩、例えばアクリル酸アンモニウムを調製するのに適したアミダーゼ酵素との両方への転換に適したニトリルヒドラターゼ酵素を生成することができる。
【0017】
生成されたままの、すなわちプロピレンのアンモ酸化によるアクリロニトリルは、高濃度の不純物、例えばアクロレインを通常含む。アクロレインは、副生成物として、アクリロニトリルの製造中に通常発生する。しばしば、アクリロニトリル中に存在するアクロレインの量は、2ppmより多く、しばしばこれより著しく多く、例えば20ppm、及び時には50若しくは100ppm程度、若しくはより多くなる。
【0018】
排水流からアクロレインを含む不純物を除去するための微生物の能力が、WyattとKnowlesのInternational Biodeterioration and Biodegradation (1995) p227-248 に記載されている。彼らは、活発成長媒体の形態で微生物の混合媒体の使用し、混合された排水流を無毒にすることが記載された。アクロレインを含む低レベルのアクリル種を分解する生存する混合媒体が容易に発生することが予測される。
【0019】
ニトリルの混合物を無毒にする又はニトリルをアミド混合物から除去する微生物の使用が、WO98/27016に記載されている。ニトリルはアクリロニトリル、アセトニトリル及びアクロレインシアノヒドリンを含み、アクロレインはアクロレインシアノヒドリンの形態で存在することが示唆されるので、アクロレインシアノヒドリンを酸に転換する微生物の能力が記載されている。ニトリル、特に排水流に存在し、アミドに対するアクロレインシアノヒドリン及び酸のカウンターパートを含むニトリルの無毒化が記載されている。さらに記載されているのは、ニトリルをアミド調製体、例えばアクリルアミドから除去するための無毒処理法の使用である。微生物は、排水流中で多数の異なるニトリルの多くの転換を可能にするために多様に導入される。しかしながら、その記載は、主に、排水流の無毒化又はppmレベルのニトリルを含む調製アミド溶液からのニトリルの除去に言及する。アクリルアミドの高レベルのアクロレインを含むであろうアクリロニトリル基質からの調製、又はアクロレインが高グレードアクリルアミドポリマーの調製にとって既知の問題であり、それゆえにその除去が必須であるという事実の記載はない。ニトリル又はニトリル/アミドの混合物に主に関心がある。
【0020】
アクリルアミド又はアクリル酸を生成するために用いられるアクリロニトリルは、本質的に純粋で、及び不純物、例えばアクロレインを含まないことが必要である。アクリルアミドモノマー、又はアクリルアミド及び/又はアクリル酸を含むモノマー混合物中のアクロレインの存在は、通常、ポリマーの好ましくない架橋結合を生じる。このような架橋結合は好ましくないので、水溶性ポリマーの調製中に、好ましくない架橋結合は、少なくとも部分的に不溶性ポリマーを形成するであろう。アクロレインは、制御されない架橋結合を導くので、意図的に架橋結合ポリマー生成物を形成するために使用される添加物を含むモノマー混合物中での存在も好ましくない、なぜならば、このような生成物は、特定の用途にとって架橋結合しすぎているかもしれないからである。
【0021】
従って、不純物、例えばアクロレインをアクリロニトリルから除去し、アクリルアミドかアクリル酸のいずれか、及びその塩に転換することは標準的な実施である。典型的に、これは、適した重合抑制剤、例えばパラ−メトキシフェノールの存在下で蒸留することにより行われる。通常は、この目的に使用されるアクリロニトリル中のアクロレインのレベルは、常に2ppm未満、及びしばしば1ppm未満でなければならない。
【0022】
GB-A-2114118は、アクリロニトリル及びアクリルアミド中のアルデヒド不純物の除去方法を記載する。その方法は、アクリロニトリル及びアクリルアミド中のアルデヒド不純物、例えばアクリロレインを、スチレン−ジビニルベンゼンマトリックス及び第1級及び/又は第2級官能基を有する弱塩基ゲル型ポリスチレン−ポリアミン型アニオン交換樹脂との接触により除去できることを記載する。アクリルアミドの質は、水処理や他の用途での凝集剤としての使用に良好な分子量のポリマーの生産を可能なものに改良される。
【0023】
EP-A-0110861は、アクロレインのアクリロニトリル生成物流からの除去方法に関連する。アクロレインは、回収カラムの最大アクロレイン濃度帯でpHを5.25〜7に維持することにより、回収カラム中の未精製のアクリロニトリル生成物流から除去される。大部分のアクロレインは、底層流を通ってカラムを出る。高純度のアクリロニトリルは、上層流から回収される。
【0024】
EP-A-0999207は、蒸留精製方法を使用して、化学製造精製物流からアルデヒドの除去方法を明らかにする。この方法は、アルデヒド、例えばアクロレインを化学製造工程中に、蒸留カラムの前に置換した芳香族アミン(2−アミノアニリン、3,4−ジメチルアニリン、及び4−エチルアニリン)を添加することにより、蒸留して取り除くときの精製効率を改良することを記載する。
【0025】
US5606094は、化学捕捉剤、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン、尿素、チオ尿素、及び硫酸水素ナトリウムとの反応により、アクロレインをガス状又は液状混合物から除去する方法を記載する。この方法は、アクロレインを、アクリロニトリルをも含むガス状又は液状混合物から選択的に除去する、ことに特に関連する。
【0026】
アクロレインを除去するためのこのような付加的な方法は、高価である上に、かつ時間がかかる。従って、アクロレインをエチレン性不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリルから別個に除去する必要性を回避する方法を供給することが望ましい。
【0027】
〔発明の開示〕
従って、本発明によって、エチレン性不飽和アミド若しくはエチレン性不飽和カルボン酸又はこれらの塩を、対応するエチレン性不飽和ニトリル、ここで、ニトリルは、生体触媒の存在下、水性媒体中で水和及び/又は加水分解反応を受け、ニトリルは2ppmより多いアクロレインを含有し、アミド若しくはカルボン酸は2ppm未満のアクロレインを含有する、から調製する方法を供給する。
【0028】
〔発明の詳細な説明〕
生体触媒は、エチレン性不飽和ニトリルを対応するアミド若しくはカルボン酸、又はこれらの塩に転換可能な酵素を含む、微生物細胞全体若しくは断片化した微生物細胞という形態で微生物であってよい。その酵素は、例えば、ニトリルヒドラターゼ、ニトリルヒドラターゼ及びアミダーゼ、又はニトリラーゼであってもよい。生物触媒を細胞物質を含有する発酵ブロス;細胞、若しくは遠心分離によって回収した断片化した細胞物質;任意の適した懸濁媒体、例えば、水、若しくは生理学的に適合性の緩衝液を用いて調製した水性懸濁液として用いてもよい。あるいは、生物触媒は、精製した酵素、又は微生物から抽出した酵素の混合物であり得る。
【0029】
アクロレインを含有するニトリルを、対応するアミド又はカルボン酸に転換する生物触媒を使用すると、アクロレインの濃度を著しく減少させることを見出した。典型的に、アクロレインのレベルを2ppm以下に、通常は1ppm以下に、しばしば検出レベル以下に減少することを見出した。従って、ニトリル生産者による付加的な工程を必要としない、エチレン性不飽和ニトリルを使用して、アクロレインのレベルを2ppm未満に減少することができる。
【0030】
本発明の一面では、方法は、エチレン性不飽和アミドの対応するニトリルからの生産、特に(メタ)アクリロニトリルから(メタ)アクリルアミドの生産に関する。好ましくは、生物触媒は、ニトリルヒドラターゼの生成を可能にする微生物である。
【0031】
あるいは、本発明の他の形態では、方法は、エチレン性不飽和カルボン酸の対応するニトリルからの生産、特に(メタ)アクリル酸(又はこれらの塩)の(メタ)アクリロニトリルからの生産に関連する。好ましくは、生物触媒はニトリルヒドラターゼとアミダーゼとの両方を生産することができる微生物である。
【0032】
本発明のさらなる形態では、方法は、エチレン性不飽和カルボン酸の対応するニトリルからの生産、特に(メタ)アクリル酸(又はこれらの塩)の(メタ)アクリロニトリルからの生産に関連する。好ましくは、生物触媒は、ニトリラーゼの生成を可能にする微生物である。
【0033】
生物触媒は、例えば、バチルス属、バクテリヂウム属、ミクロコッカス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、シュードモナス属、アシネトバクター属、キサントバクター属、ストレプトマイセス属、リゾビウム属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、エルウィニア属、エアロモナス属、シトロバクター属、アクロモバクター属、アグロバクテリウム属、シュードノカルディア属、ディエツジア属、及びロドコッカス属から選択される微生物であってよい。生物触媒は特にロドコッカス属の微生物であり、ロドコッカス ロドクロウス種であってもよい。一つの適した微生物株は、EP-A-0307926に記載されているような、ロドコッカス ロドクロウスJ1である。特に適した生物触媒は、出願中の国際出願PCT/EP04/013252(配分された件名参照番号 BT/3-22351)に記載して、請求しているロドコッカス ロドクロウス菌株 2368(NCIMB 41164)である。生物触媒は、ロドコッカス ロドクロウス菌2368、又はロドコッカス ロドクロウス菌 2368若しくはこれらの変異株から得られる変異株又はニトリルヒドラターゼであってもよい。エチレン性不飽和アミド若しくはこれらの酸及び塩を調製するために適したさらなる微生物は、ディエツジア ナトロノリムナイオス NCIMB 41165であり 、さらなる例はロドコッカス ルバーNCIMB 40833、さらにロドコッカス ルバー NCIMB40757 である。
【0034】
生体触媒は、細胞全体若しくは破砕細胞という形態で細胞材料を含んでよいし、場合により発酵ブロスを含む。細胞材料は、微生物細胞の構成成分、例えば、細胞壁材料、細胞核酸材料(例えばDNAあるいはRNA)、原形質、又はたんぱく質のいずれを含んでもよい。
【0035】
方法を実施する一つの好ましい方法では、微生物を含む生物触媒を、微生物の培養の実施に適した水性媒体に導入する。典型的に、生物触媒、例えば、微生物の細胞全体の懸濁液を形成してもよい。ニトリル、例えばアクリロニトリルやメタクリルニトリルを生体触媒を含む水溶性媒体に、生成媒体中の(メタ)アクリロニトリルの濃度を重量で最大6%に維持するような方法で供給する。ニトリル、例えばアクリロニトリル又はメタクリロニトリルは、反応媒体中に導入され、より好ましく、エチレン性不飽和モノマーの濃度、アミド、例えばアクリルアミド、若しくはメタクリルアミド、又はカルボン酸、例えばアクリル酸(若しくは塩)若しくはメタクリル酸(若しくは塩)のどちらかが所望のレベル、特に重量で30〜55%、に達するまで反応を続ける。最も好ましい濃度は、重量で約35〜50%である。
【0036】
本発明の工程で用いられるニトリルは、2ppm以上のアクロレイン(ニトリルの全重量に基づいて重量で計算する)を含有し、これよりしばしば著しく高い、例えば20ppm、及び50又は100ppm程度、若しくはそれ以上、だろう。
【0037】
別の面では、本発明は、エチレン性不飽和モノマー中のアクロレインを減少させる目的での生物触媒の使用も含む。生物触媒を、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸(若しくは塩)、及び(メタ)アクリロニトリルからなる群から選択されるエチレン性不飽和モノマー中のアクロレインのレベルを減少させるために使用できることがわかった。発明のこの面では、生物触媒は、上記に記載した任意の好ましい形態を含んでもよい。
【0038】
本発明の特別な優位性は、(メタ)アクリロニトリルから得られたモノマーを、アクロレインの除去を必要としないで好都合に調製することができることである。従って、アクリルアミド及びアクリル酸モノマーを生成する工程を合理化することができる。さらに、これらのモノマーを高レベル、2ppmより多い、例えば、少なくとも5ppm、及び少なくとも10ppmでさえ、のアクロレインを含有する低純度のアクリロニトリルから直接生成することが現在可能である。この工程によって生成されたモノマーは高純度であり、2ppm未満、通常検出不可能なレベルのアクロレインを含有し、若しくはアクロレインを含有しない。それ故、アクロレインの有害な影響がないポリマーを、高レベルのアクロレインを含有するアクリロニトリルから直接得られた(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリル酸(又は塩)を含有するモノマー若しくはモノマー混合物から好都合に生成することができる。
【0039】
本発明のさらなる面では、エチレン性不飽和モノマーを含むエチレン性不飽和モノマー若しくは混合物のポリマーを調製する方法を提供する。ここで、モノマーはエチレン性不飽和ニトリルから形成されていて、次の工程:
(i)エチレン性不飽和ニトリルを生物触媒と接触させエチレン性不飽和モノマーを形成する工程、
(ii)場合により、エチレン性不飽和モノマーを他のモノマーと混合し、混合物を形成する工程、及び
(iii)エチレン性不飽和モノマー若しくは混合物を重合状態に処理して、それによりポリマーを形成する工程、
を含む。
ここで、エチレン性不飽和ニトリルは2ppmより多いアクロレインを含有し、エチレン性不飽和アミド若しくはカルボン酸モノマーは2ppm未満のアクロレインを含有する。
【0040】
好ましくは、エチレン性不飽和モノマーは、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリル酸(又は塩)からなる群から選択される。
【0041】
本発明のこの面では、生物触媒は上記に記載した好ましい特徴のいずれかを含み得る。通常、ニトリル中に存在するアクロレインの量は、上記に記載したとおりである。
【0042】
エチレン性不飽和モノマーを、ホモポリマーを形成するために工程中、単独で使用することができ、又はエチレン性不飽和モノマーのコポリマーを形成するために、重合するモノマー混合物を形成するエチレン性不飽和モノマー等の他の重合可能な化合物と混合することができる。いかなる適したコモノマーをこの目的のために使用してもよい、好ましくは、エチレン性不飽和モノマーは水溶性である。そのコモノマーは、好ましくは水溶性又は潜在的に水溶性、例えば無水物であるべきである。典型的なコモノマーは、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸(若しくは塩)、イタコン酸(若しくは塩)、マレイン酸(若しくは塩)、無水マレイン酸、ビニルスルホン酸(若しくは塩)、アリルスルホン酸(若しくは塩)、2−アクリルアミドー2−メチルプロパンスルホン酸(若しくは塩)、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸(若しくは第4級アンモニウム塩)、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド(若しくは第4級アンモニウム塩)、N―ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、C1−30アルコールの(メタ)アクリル酸エステルを含む。以上に記載した酸モノマーの塩は、任意の適した陽イオンのものであってもよいが、好ましくは、アルカリ金属又はアンモニウム塩である。
【0043】
本発明の工程は、高分子量の水溶性、又は水に膨潤可能なポリマーを調製するために特に適している。ポリマーは、例えば、鎖状、分岐状、又は架橋結合していてもよい。好ましくは、ポリマーは、少なくとも3dl/g(1M塩化ナトリウム中、25℃でサスペンデッドレベル粘度計を用いて測定する)の固有粘度(IV)を示す高分子量で実質的に水溶性である。通常、ポリマーは少なくとも4dl/g、及び一般には著しく高い、例えば少なくとも7若しくは8dl/gの固有粘度を持つ。多くの場合では、ポリマーは、少なくとも10又は12dl/gのIVを有し、そして、20若しくは30dl/gくらい高くてもよい。
【0044】
本発明の工程によって調製される水溶性、又は水で膨潤可能なポリマーは、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性、両性であってもよい。実質的に鎖状であってもよいし、又は分枝、又は架橋結合されていてもよい。架橋結合又は分枝ポリマーは、分枝剤、又は架橋剤をモノマー混合物に混合することによって調製される。架橋剤又は分枝剤は、例えば、ポリマー鎖上のペンダント官能基と反応するジ−若しくは多官能基材料、例えば、ペンダントカルボン酸基と反応することが可能な多価金属イオン若しくはアミン化合物であってもよい。しかしながら、好ましくは、架橋剤若しくは分枝剤は、2若しくはそれ以上のポリマー鎖に重合されるポリ−エチレン性不飽和化合物である。典型的に、そのような架橋剤は、メチレン−ビス−アクリルアミド、塩化テトラアリルアンモニウム、トリアリルアミン、及びジアクリル酸エチレングリコールを含む。ポリマーは、高度に架橋結合されていて、従って水に不溶性であるが水に膨潤可能であってもよい。あるいは、ポリマーは、水溶性、及び実質的に鎖状、若しくはわずかに分枝(例えば10ppm未満の架橋/分枝モノマーを用いて調製される)であってもよい。架橋結合されたポリマー、分枝水溶性ポリマー、又は鎖状水溶性ポリマーの調製では、モノマーがアクロレインを含まないことが重要である。なぜなら、これは、ポリマーの特性に有害な影響を持つ予測不可能なレベルの架橋結合若しくは分枝を導くからである。
【0045】
発明の工程によって作られる、特に好ましいポリマーは、アクリルアミド若しくはメタクリルアミドのホモポリマー若しくはコポリマーを含む。望ましくは、コポリマーは、上に記載した任意のポリマーを含むが、好ましくは、アクリルアミドと、アクリル酸ナトリウムのコポリマー若しくはアクリルアミドとジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの第4級アンモニウム及び酸塩、とのコポリマーである。特に好ましいアクリルアミドのホモ、若しくはコポリマーは、高分子量であり、上で定義したような高固有粘度を示す。
【0046】
エチレン性不飽和モノマー若しくはエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を重合状態に処理することにより、ポリマーを通常形成する。加熱、又は照射、例えば、紫外光を用いて、これを実施できる。好ましくは、重合開始剤を、重合を開始するためにモノマー若しくはモノマー混合物に導入する。望ましくは、酸化還元開始剤、及び/又は熱開始剤の使用によって、これを行ってもよい。典型的な酸化還元開始剤は、還元剤、例えば、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、及び酸化化合物(例えば、過硫酸アンモニウム、若しくは適したペルオキシ化合物、例えば、第3級ブチルヒドロペルオキシドなど)を含む。酸化還元の開始は、10,000ppm(モノマーの重量に基づいて)までの酸化還元対の各成分を用いる。だが、好ましくは、酸化還元対の各要素は、しばしば1000ppm未満、典型的に1〜100ppmの範囲で、通常は4〜50ppmの範囲である。還元剤と酸化剤との比は、10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5の範囲で、さらに好ましくは2:1〜1:2で、例えば約1:1であってもよい。
【0047】
重合は、熱開始剤単独、又は他の開始剤系、例えば、酸化還元開始剤との組み合わせを使用することによって行い得る。熱開始剤は、高温でラジカルを放出する任意の適した開始剤化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AZDN)、4,4−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)(ACVA)を含む。典型的に熱開始剤は、モノマー重量に基づいて、10,000ppmまでの量で用いられる。しかしながら、多くの場合では、熱開始剤は、100〜5,000ppm、好ましくは200〜2、000ppmの範囲で、通常は約1,000ppmで用いられる。
【0048】
典型的に水溶性モノマーの水溶液を、溶液重合、又はバルク重合により重合して、溶液又はゲルを得るか、又はモノマーの水溶液を水が混和しない液体中に懸濁し、重合する逆相重合によりポリマービーズを形成するか、若しくは水溶性モノマーを有機液体中に乳化してから重合してもよい。逆相重合の例は、EP-A-150933、EP-A-102760、又はEP-A-126528に示されている。
【0049】
次の実施例は、いかなる限定をしているものではなく、発明を例証するために意図する。
【0050】
〔実施例1〕
アクリルアミドの調製
ロドコッカス ロドクロウス株2368(0.11gの乾燥細胞)と、含まれているニトリルヒドラターゼとに、水(625g)を加える。この反応混合物を撹拌しながら25℃まで加熱する。
【0051】
50ppmのアクロレインを含有するアクリロニトリルを、アクリロニトリルの濃度を最大3%に維持する速度で、反応器中に供給する。300分後、アクリロニトリルは、最終濃度が約50%w/wのアクリルアミドに十分に転換される。アクリルアミドの分析は、検出限界以下でアクロレインが存在しないことを示す。
【0052】
低レベル(5ppm以下)のアクロレインに使用した分析方法はGC−MSであり、これ以上のレベルのアクロレインには、GC−FIDを使用することができる。
【0053】
〔実施例2〕
アクロレインの減少は、500ppmレベルのアクロレインを含有するアクリロニトリル溶液を用いて試験した。
ロドコッカス ロドクロウス2368(0.01gの乾燥細胞)を、25ml瓶中の、アクリロニトリル(1グラム)と水(19.0グラム)とアクロレインの混合物に加える。この瓶を連続撹拌しながら15℃で培養した。試料を定期的に吸引し、遠心分離し、アクロレイン濃度をGC−FIDで分析した。10分後、混合物中のアクロレインのレベルは500ppmから検出限界以下に減少した。
【0054】
〔実施例3〕
アクロレインの減少は、500ppmレベルのアクロレインを含有するアクリロニトリル溶液を用いて試験した。ロドコッカス ロドクロウスJ1(0.01gの乾燥細胞)を、25ml瓶中の、アクリロニトリル(1グラム)と水(19.0グラム)とアクロレインの混合物に加える。この瓶を連続撹拌しながら15℃で培養した。試料を定期的に吸引し、遠心分離し、アクロレイン濃度をGC−FIDで分析した。10分後、混合物中のアクロレインのレベルは500ppmから検出限界以下に減少した。
【0055】
〔実施例4〕
2ppm未満のレベルのアクロレインを含有するアクリロニトリルを用い、実施例1を繰り返す。アクリルアミドの分析は、アクロレインが存在しないことを示す。
【0056】
実施例1との比較により、アクリロニトリルをアクリルアミドに転換する反応速度は、アクロレインの存在を伴うか又は伴わないアクリロニトリルを用いるとき、ほぼ同じであることがわかった。
【0057】
実施例1から、50ppmのアクロレインを含有するアクリロニトリルから生成するアクリルアミドを用いて調製した高分子重量ポリマーは、2ppm未満のアクロレインを含有するアクリロニトリルから調製するアクリルアミドを使用する高分子量ポリマーと同品質のものである。廃水処理の用途で凝集剤としてのポリマーの性能は、アクリロニトリル中のアクロレインのレベルの変化によって相違しないことを示す。生成したポリマーの溶解度と分子量は、製紙用途の使用にも適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン性不飽和アミド若しくはエチレン性不飽和カルボン酸又はこれらの塩を、対応するエチレン性不飽和ニトリルから調製する方法であって、
ニトリルが、水生媒体中、生物触媒の存在下で、水和若しくは加水分解反応で処理され、2ppmより多いアクロレインを含み、かつアミド若しくはカルボン酸又はこれらの塩が、2ppm未満のアクロレインを含むものである方法。
【請求項2】
生物触媒が、ニトリルヒドラターゼを製造することができる微生物である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
生物触媒が、ニトリルヒドラターゼ及びアミダーゼを製造することができる微生物である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
生物触媒が、ニトリラーゼを製造することができる微生物である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
生物触媒が、ロドコッカス属の微生物である、請求項1〜4のいずれか記載の方法。
【請求項6】
生物触媒が、ロドコッカス ロドクロウス属の微生物である、請求項1〜5のいずれか記載の方法。
【請求項7】
生物触媒が、ロドコッカス ロドクロウス株2368(NCIMB 41164)、その変異株及びロドコッカス ロドクロウス株2368又はその変異株から得られるニトリルヒドラターゼである微生物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか記載の方法。
【請求項8】
生物触媒が、ロドコッカス ロドクロウスJ1、その変異株及びロドコッカス ロドクロウスJ1又はその変異株から得られるニトリルヒドラターゼである微生物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか記載の方法。
【請求項9】
生物触媒が、ロドコッカス ルバー種の微生物である、請求項1〜5のいずれか記載の方法。
【請求項10】
生物触媒が、ロドコッカス ルバーNCIMB 40833、その変異株、及びロドコッカス ルバー株NCIMB 40833又はその変異株から得られるニトリラーゼである微生物からなる群から選択される、請求項1〜5又は請求項9のいずれか記載の方法。
【請求項11】
生物触媒が、ロドコッカス ルバーNCIMB 40757、その変異株、及びロドコッカス ルバー株NCIMB 40757又はその変異株から得られるニトリラーゼである微生物からなる群から選択される、請求項1〜5又は請求項9のいずれか記載の方法。
【請求項12】
生物触媒が、ディエツジア ナトロノリムナイオス NCIMB 41165、その変異株及びディエツジア ナトロノリムナイオス NCIMB 41165又はその変異株から得られるニトリルヒドラターゼ及びアミダーゼである微生物からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか記載の方法。
【請求項13】
生物触媒が細胞全体を含む、請求項1〜12のいずれか記載の方法。
【請求項14】
生物触媒が断片化した細胞を含む、請求項1〜13のいずれか記載の方法。
【請求項15】
アミドが(メタ)アクリルアミドである、請求項1〜14のいずれか記載の方法。
【請求項16】
カルボン酸が(メタ)アクリル酸(塩)である、請求項1〜15のいずれか記載の方法。
【請求項17】
ニトリルが少なくとも10ppmのアクロレインを含む、請求項1〜16のいずれか記載の方法。
【請求項18】
ニトリルが少なくとも20ppmのアクロレインを含む、請求項1〜17のいずれか記載の方法。
【請求項19】
ニトリルが500ppmまでのアクロレインを含む、請求項1〜18のいずれか記載の方法。
【請求項20】
エチレン性不飽和モノマー中でアクロレインを還元する目的での生物触媒の使用。
【請求項21】
エチレン性不飽和モノマーが、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸(又は塩)、及び(メタ)アクリロニトリルからなる群から選択される、請求項20記載の使用。
【請求項22】
生物触媒が、請求項2〜19で定義される特徴のいずれかを有する、請求項20又は請求項21に記載の使用。
【請求項23】
エチレン性不飽和モノマー又はエチレン性不飽和モノマーを含む混合物のポリマーを調製する方法であって、
モノマーが、エチレン性不飽和ニトリルから形成され、
(i)エチレン性不飽和モノマーを形成するためにエチレン性不飽和ニトリルを生物触媒と接触させる工程、
(ii)場合により、エチレン性不飽和モノマーと他のモノマーを混合して、混合物を形成する工程、及び
(iii)エチレン性不飽和モノマー又は混合物を重合条件に付して、それよりポリマーを形成する工程、を含み、
エチレン性不飽和ニトリルが2ppmより多いアクロレインを含み、及びエチレン性不飽和モノマーが2ppmより少ないアクロレインを含む、
方法。
【請求項24】
エチレン性不飽和モノマーが、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリル酸(又は塩)からなる群から選択される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
生物触媒が、請求項2〜8で定義される特徴のいずれかを有する、請求項23又は請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ニトリルが少なくとも10ppmのアクロレインを含む、請求項23〜25のいずれか記載の方法。
【請求項27】
ニトリルが、少なくとも20ppmのアクロレインを含む、請求項23〜26のいずれか記載の方法。
【請求項28】
ニトリルが、500ppmまでのアクロレインを含む、請求項23〜27のいずれか記載の方法。

【公開番号】特開2012−139233(P2012−139233A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−59147(P2012−59147)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【分割の表示】特願2007−521827(P2007−521827)の分割
【原出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(592006855)チバ スペシャルティ ケミカルズ ウォーター トリートメント リミテッド (19)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Water Treatments Limited
【Fターム(参考)】