説明

モータの駆動装置およびモータの駆動制御方法

【課題】複数のモータによる駆動力を合成して駆動するモータの停止に際し、バックラッシによる出力軸の角度割り出し精度の低下を抑制することが可能となるモータの駆動装置およびモータの駆動制御方法を提供する。
【解決手段】複数のモータによる駆動力を合成して被駆動部材を駆動するモータの駆動装置であって、
前記複数のモータによる合成された駆動力を被駆動部材に伝達する動力伝達手段と、
前記モータの駆動を制御する制御手段と、
を備え、前記制御手段は、前記複数のモータに対して、互いに異なるタイミングで前記複数のモータの回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させ、互いに異なるタイミングでモータの駆動を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のモータによる駆動力を合成して被駆動部材を駆動するモータの駆動装置およびモータの駆動方法に関し、特に振動波モータの駆動に適したモータの駆動装置およびモータの駆動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の振動波モータの回転軸に設けられたギアを1つの出力ギアに連結し、複数の振動波モータによる駆動力を合成して、被駆動部材を駆動する駆動装置が提案されている(特許文献1)。
さらに、振動波モータに設けられたギアとこれらと噛み合う出力ギアとの間に生ずるバックラッシ(Backlash:バックラッシュともいう)のために生ずる角度精度の低下を回避する駆動装置および制御方法が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−205190号公報
【特許文献2】特開2006−211813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例の特許文献2のものにおいては、つぎのような課題を有している。
すなわち、上記従来例においては、3つ以上の振動波モータを用いた場合についても、2つで構成される場合と同様の構成が採られる。
要するに、先に停止されるグループと後に停止されるグループに分け、それぞれの停止タイミングのずれによりモータの動力を伝達するギア等の間のバックラッシによって生じる角度精度の低下を抑制できる構成が採られる。
ここで、バックラッシとは、機械に用いられるギアなどの互いに嵌合して運動する機械要素において、運動方向に意図して設けられた隙間(歯面間の遊び)のことを意味する。そしてバックラッシがあると、ある方向に回転していたものを逆の方向に回転させたとき、寸法のずれや衝撃が生じる場合がある。本発明では、このようなバックラッシに起因する問題についても便宜的にバックラッシとして説明する。
これにより、確かに一旦はバックラッシは回避されるが、各モータは製造上の誤差に起因する入力ギアと出力ギア間のガタによる速度差が生じることが避けられない。そのため、モータ停止の際にグループを構成するすべてのモータのギア歯面が同時に所定の出力ギア歯面に接触するとは限らない。すなわち、停止時に各ギアが互いに突き当たった状態で停止するとは限らない。
このとき、出力ギアは一部のモータのみにより支えられている状態である。
従って、出力ギアに外部負荷が作用した場合、外部負荷が本来期待されるモータ保持トルクの合算値より小さな値だったとしても、外部負荷の作用する方向にモータが上記ガタによるすべり回転を生ずることになる。
そして、さらにすべりが進み、やがてグループのすべてのモータギア歯面が出力ギア歯面に接するに至る。
この段階において、はじめて期待する合算トルクが機能することになるが、この時点ではすべりを生じた分だけバックラッシが発生し角度精度が低下することになる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、複数のモータによる駆動力を合成して駆動するモータの停止に際し、バックラッシによる出力軸の角度割り出し精度の低下を抑制することが可能となるモータの駆動装置およびモータの駆動制御方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータの駆動装置は、複数のモータによる駆動力を合成して被駆動部材を駆動するモータの駆動装置であって、
前記複数のモータによる合成された駆動力を被駆動部材に伝達する動力伝達手段と、
前記モータの駆動を制御する制御手段と、
を備え、前記制御手段は、前記複数のモータに対して、互いに異なるタイミングで前記複数のモータの回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させ、互いに異なるタイミングでモータの駆動を停止させることを特徴とする。
また、本発明のモータの駆動制御方法は、複数のモータによる合成された駆動力を被駆動部材に伝達する動力伝達手段を有するモータの駆動を制御するモータの駆動制御方法であって、
前記複数のモータに対して、互いに異なるタイミングで前記複数のモータの回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させ、互いに異なるタイミングでモータの駆動を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数のモータによる駆動力を合成して駆動するモータの停止に際し、バックラッシによる出力軸の角度割り出し精度の低下を抑制することが可能となるモータの駆動装置およびモータの駆動制御方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の本実施例におけるモータの駆動装置の構成例を説明する図。
【図2】本発明の実施例の加速動作中におけるギアの係合状態を示す図である。
【図3】本発明の実施例におけるギアバックラッシ除去動作の初期段階におけるギア係合状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例におけるギアバックラッシ除去動作の終了後におけるギア係合状態を示す図である。
【図5】本発明の実施例における振動波モータに入力する駆動信号と振動波モータの回転速度および発生トルクの関係を示す図である。
【図6】本発明の実施例における振動波モータの駆動停止方法を行う際のギア隙間の除去動作シーケンスを示す図である。
【図7】本発明の実施例における振動波モータ駆動停止方法を行う際のフローチャートである。
【図8】従来における駆動停止直後のギア係合状態を示す図である。
【図9】従来例において出力軸に対して外部よりトルクが働いた場合のギア係合状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態を、以下の実施例により説明する。
なお、以下の実施例の説明では、振動波モータの駆動装置とその駆動制御方法の構成例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明は電磁モータの駆動装置とその駆動制御方法、等にも適用可能である。
【実施例】
【0010】
本発明の実施例における振動波モータの駆動装置とその駆動制御方法の構成例について説明する。
本実施例の振動波モータの駆動装置は、電気−機械エネルギ変換素子への周波信号の印加によって振動を発生する振動体と、該振動体に接触する接触体と、を備えた複数の振動波モータを備えている。
具体的には、本発明の実施例における振動波モータの駆動装置は、図1に示すように4つの振動波モータを有しており、これらの振動波モータの駆動力を合成して被駆動部材を駆動するものである。
第1の振動波モータ1−11の回転軸にはギア2−11および回転検出手段であるロータリエンコーダ5が取り付けられている。
ロータリエンコーダ5は、振動波モータ1−11の回転軸の回転に応じたパルス信号を出力する。
第2の振動波モータ1−12回転軸には、ギア2−12が、第3の振動波モータ1−21の回転軸にはギア2−21が、第4の振動波モータ1−22の回転軸にはギア2−22が、それぞれ取り付けられている。
【0011】
上記第1から第4の各振動波モータ1−11、1−12、1−21、1−22は、圧電素子および弾性体からなる振動体と加圧機構からの加圧力を受けて振動体に圧接される接触体を有している。
ここで、圧電素子に対して位相の異なる周波信号を印加すると、振動体には進行性の振動波が発生し、振動体と接触体間の摩擦力によって接触体とともに回転軸が回転する。
なお、振動波モータとしては、いわゆる円環タイプや棒状タイプといった、いかなるタイプのものであってもよい。
ギア2−11、2−12、2−21、2−22はギア3と噛み合っており、ギア3には出力軸4が設けられている。各振動波モータの回転力はそれぞれの回転軸に取り付けられたギアを介して、ギア3に伝達され、ギア3において回転力が合成される。
このように、振動波モータ1−11、1−12、1−21、1−22に取りつけられたギア2−11、2−12、2−21、2−22と、ギア3とによって構成される動力伝達手段を介して合成された回転力は出力軸4から出力される。
このため、被駆動部材9は上記第1から第4の各振動波モータ1−11、1−12、1−21、1−22からの合成された駆動力を受けることによって動作する。
【0012】
被駆動部材9としては、搭載されたTVカメラ等を旋回させる電動雲台装置、半導体製造装置において直線動作を行なわせる電動ステージがある。
パルス計数判別回路7は、ロータリエンコーダ5の出力に基づいてパルス数をカウントし、この情報を駆動コントロール回路(制御手段)8に出力する。
駆動コントロール回路8は、パルス計数判別回路7からの出力に基づいて、第1の振動波モータ1−11の回転速度を検知する。
そして、駆動コントロール回路8は、検出された回転速度と目標速度を比較し、検出速度が目標速度に到達するように、第1の振動波モータ1−11の駆動を制御する。
すなわち、駆動コントロール回路8は、第1駆動電圧発生回路6−1を介して、印加する周波信号の周波数もしくは印加電圧の大きさを変更することにより第1の振動波モータ1−11の駆動を制御する。
また、同時に駆動コントロール回路8は第1駆動電圧発生回路6−1を介して、第2の振動波モータ1−12の回転速度を制御する。
また、駆動コントロール回路8は、パルス計数判別回路7からの出力に基づき、第2駆動電圧発生回路6−2を介して、印加する周波信号の周波数もしくは印加電圧の大きさを変更する。これにより第3の振動波モータ1−21、第4の振動波モータ1−22の回転速度を制御する。
【0013】
ここで、上記第1から第4の各振動波モータ1−11、1−12、1−21、1−22は、印加する周波信号の周波数および電圧値に対して、図5に示す回転速度特性とトルク特性を有する。
周波信号の周波数が、各振動体の共振周波数(図中Fr)のときに最大の回転速度とトルクが得られ、共振周波数よりも高周波側へ遠ざけるほど回転速度とトルクが低下する特性を有する。
そして、上記第1から第4の各振動波モータ1−11、1−12、1−21、1−22の駆動制御を行なう場合には、共振周波数よりも高周波側の範囲内で周波数を変化させている。
第1駆動電圧発生回路6−1および第2駆動電圧発生回路6−2は駆動コントロール回路8からの制御信号を受けることにより、上記第1から第4の各振動波モータ1−11、1−12、1−21、1−22に印加する周波数もしくは電圧値を変化させている。
また、駆動コントロール回路8は、ロータリエンコーダ5の出力信号に基づくロータリエンコーダ5のパルスカウント値により第1の振動波モータ1−11の回転角度をモニタしている。
そして、本実施例の振動波モータの駆動装置では、所定の角度回転されたときに、周波数もしくは電圧値を変更することにより、回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させモータを停止させるように構成されている。
【0014】
これに対して、従来の装置では、ギアのバックラッシによる精度低下を回避する方法として、前述したようにロータリエンコーダのパルス計数値が所定の値に達した時点で回転軸にロータリエンコーダが取り付けられた振動波モータのみを停止させる。そして、他方の振動波モータは、その回転角度がギアバックラッシ量に相当する時間だけ、さらに回転を継続する手法が採られている。
この方法によれば、2台のモータによる構成の場合においては、動作完了後にはバックラッシが回避されて精度の低下はないと思われる。
しかしながら、本実施例で示したように、モータの合成トルクを増加させるため振動波モータ4台で構成する場合には、従来例の方法では以下に説明するようにバックラッシによる精度低下を回避できない状況が生じることがある。
【0015】
まず、振動波モータ4台の構成で従来の方法による駆動動作を以下に示す。
図8は、従来の方法による制御動作を完了した時点での、ギア2−11、2−12、2−21、2−22とギア3の係合を表したものである。
第1の振動波モータ1−11、第2の振動波モータ1−12が停止した後に、第3の振動波モータ1−21、第4の振動波モータ1−22が所定の時間だけ継続回転を行なった結果、ギア2−11、2−12とギア3の間の隙間は生じておらず、目的を満たしている。
ギアを2−22とギア3の間にも隙間は生じておらず、目的を満たしている。
但し、ギアを2−21とギア3の間に隙間が生じている。
これは、第3の振動波モータ1−21と第4の振動波モータ1−22のとの間に所定の周波数で回転させた際に生じる回転速度の個体特性差があるために、規定の時間に回転する角度に差が生じたことに起因する。
この状態では、上述の通り、ギア2−11、2−12とギア2−22はギア3を挟んで互いに逆回転方向にギア3に当接しているので、この時点ではバックラッシによる精度低下が回避されたということができる。
しかしながら、図9に示すように出力軸に対して、矢印図示方向に外部負荷が加わったとき、その外部負荷の大きさが振動波モータ1台分の保持トルクを超過した場合は、振動波モータ1−22は1台分の保持トルクでは支えきれず、すべりが生じる。そのため、ギア2−21に当接し、2台分の保持トルクが発生するに至って初めて外部負荷を支えることができるようになる。
この時点では、すべりにより生じた回転角度変位のために、ギア2−11、2−12とギア3の間に隙間を生じることとなり、結局バックラッシによる精度低下が発生することになる。
【0016】
これらに対処するため、本実施例では、動作完了時にバックラッシによる精度低下がない状態を実現し、さらに、動作完了後の外部負荷印加に対しても、期待されるモータの最大の合成力で精度の維持が可能となるように構成される。
以下に、このようなバックラッシによる精度低下の発生の抑制が可能となる本実施例の構成について説明する。
図2は、本実施例で動作開始後の加速時のギア係合を示している。4つのギアのすべてが同一の回転方向に当接しており、4台の振動波モータのすべてのトルクが加速トルクとして寄与していることがわかる。
図6は、本実施例におけるギア隙間の除去動作シーケンスを示す図である。
また、図7に、本実施例における上記動力伝達手段を構成するギア間のガタによるギア隙間の除去動作の流れをフローチャートの形で示した。
以下に、制御手段(駆動コントロール回路8)によって、複数のモータに対して、互いに異なるタイミングで複数のモータの回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させ、互いに異なるタイミングでモータの駆動を停止させる例について説明する。
時刻t1において、ロータリエンコーダ5のパルスカウント値が目標値に対し規定の量だけ少ない角度に達したことを検知(角度検出)すると、
駆動コントロール回路8は、第1の振動波モータ1−11および第2の振動波モータ1−12に印加する周波信号の周波数をF10からF20へ変化させる。
【0017】
周波数を高周波側へ変化させると、図5に示すように第1の振動波モータ1−11および第2の振動波モータ1−12の回転速度は減少するように変化する。ギア3も、また同時にトルクも減少するように変化する。
この結果、第1の振動波モータ1−11および第2の振動波モータ1−22は、ギアを介して速度の大きい第3の振動波モータ1−21および第4の振動波モータ1−22に引きずられる形で反進行方向のギアに当接した状態を維持しながら、滑りを伴いつつ回転することになる。
その後、エンコーダパルスカウント値が目標値に到達した時点で、第1の振動波モータ1−11および第2の振動波モータ1−12を停止させる。そのときのギア係合を示したのが図3である。
それと同時に、今度は第3の振動波モータ1−21および第4の振動波モータ1−22の周波信号の周波数を高周波側へ変化させる。
第1の振動波モータ1−11および第2の振動波モータ1−12の給電信号を遮断した停止時の静止トルクは、回転速度とトルクを減少させた第3の振動波モータ1−21および第4の振動波モータ1−22の回転トルクを上回る。
これにより、第3の振動波モータ1−21および第4の振動波モータ1−22を上記静止トルクにせき止められる形で、ギア間のガタ量(最大の機械的不感帯量)に相当する駆動量だけ駆動され、回転方向のギアの隙間がなくなる状態にすることができる。
その際、エンコーダのパルスカウント値が目標値に到達した時点で、第3の振動波モータ1−21および第4の振動波モータ1−22を停止させる。
そのときのギア係合を示したのが図4である。
ギア2−11および2−12とギア2−21及び2−22がギア3を介して、ギア隙間ゼロの状態で突っ張り合っている様子がわかる。
このようにして、各ギアが互いに突き当たった状態で停止させることができる。両方向にそれぞれ2台の振動波モータの静止トルクで当接していることから、2台の振動波モータの静止トルクの合算値を超えない外部トルクに対しては、すべりを生じることはなく、従来例の課題であったバックラッシによる精度低下を抑制することが可能となる。
【0018】
本実施例では、周波信号の周波数を変化させる構成例について説明したが、振動波モータに印加する2相の周波信号の位相差や駆動電圧値を減少させることによっても、回転速度とトルクを減少させることができ同様の効果を得ることが可能である。
また、本実施例においては、4台の振動波モータを2台ずつ同数を2つのグループに分け、両方向の静止トルクが略同一となるようにした構成例について説明したが、これらの個数は必ずしも同数である必要はない。
例えば、外力の加わり方が非対称である場合は、意図的に配分を変更することにより、負荷状況に対応した柔軟な機能を実現することが可能となる。
これらは、例えば、上記互いに異なるタイミングで前記複数のモータの回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させるに当たり、駆動コントローラの指令方法を変えるのみで変更可能に構成することができる。
具体的には、第1のタイミングで駆動を停止させるモータの個数と、第2のタイミングで駆動を停止させるモータの個数を、駆動コントローラの指令方法を変えるのみで変更可能に構成することができ、これにより動的に変化する状況にも対応することができる。
そして、以上のような本実施例の構成によれば、駆動動作終了後に出力軸に対して外部からトルクが加わった際に、その外部トルクが本来期待されるモータの保持力の合算値以下であれば、動作完了時に達成していたバックラッシの回避状態を維持することができる。これにより、出力軸の角度割り出し精度の低下の抑制が可能となる。
【符号の説明】
【0019】
1−11:第1の振動波モータ
1−12:第2の振動波モータ
1−21:第3の振動波モータ
1−22:第4の振動波モータ
2−11、2−12、2−21、2−22:ギア
3:ギア
4:出力軸
5:ロータリエンコーダ
6−1:第1駆動電圧発生回路
6−2:第2駆動電圧発生回路
7:パルス計数判別回路
8:駆動コントロール回路
9:被駆動部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモータによる駆動力を合成して被駆動部材を駆動するモータの駆動装置であって、
前記複数のモータによる合成された駆動力を被駆動部材に伝達する動力伝達手段と、
前記モータの駆動を制御する制御手段と、
を備え、前記制御手段は、前記複数のモータに対して、互いに異なるタイミングで前記複数のモータの回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させ、互いに異なるタイミングでモータの駆動を停止させることを特徴とするモータの駆動装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数のモータの回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させることによって、前記複数のモータのうちの少なくとも一つのモータを所定の角度回転させた後、該モータの駆動を停止させ、
少なくとも前記動力伝達手段における最大の機械的不感帯量に相当する駆動量だけ、他方のモータを駆動することを特徴とする請求項1に記載のモータの駆動装置。
【請求項3】
前記複数のモータにおける回転角度を検出する角度検出手段を有することを特徴とする請求項2に記載のモータの駆動装置。
【請求項4】
前記制御手段は、互いに異なるタイミングで前記複数のモータの回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させるに当たり、
前記互いに異なるタイミングのうち、第1のタイミングで駆動を停止させるモータの個数と、第2のタイミングで駆動を停止させるモータの個数を変更することが可能に構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のモータの駆動装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の駆動装置における複数のモータが、
電気−機械エネルギ変換素子への周波信号の印加によって振動を発生する振動体と、該振動体に接触する接触体と、を備えた複数の振動波モータによって構成されていることを特徴とするモータの駆動装置。
【請求項6】
複数のモータによる合成された駆動力を被駆動部材に伝達する動力伝達手段を有するモータの駆動を制御するモータの駆動制御方法であって、
前記複数のモータに対して、互いに異なるタイミングで前記複数のモータの回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させ、互いに異なるタイミングでモータの駆動を停止させることを特徴とするモータの駆動制御方法。
【請求項7】
前記複数のモータの回転速度またはトルクのうちの少なくとも一つを変更させることによって、前記複数のモータのうちの少なくとも一つのモータを所定の角度回転させた後、該モータの駆動を停止させる第1のステップと、
前記第1ステップの後、少なくとも前記動力伝達手段における最大の機械的不感帯量に相当する駆動量だけ、他方のモータを駆動する第2のステップと、
を有することを特徴とする請求項6に記載のモータの駆動制御方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の駆動装置における複数のモータとして、
電気−機械エネルギ変換素子への周波信号の印加によって振動を発生する振動体と、該振動体に接触する接触体と、を備えた複数の振動波モータが用いられることを特徴とするモータの駆動制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−231621(P2012−231621A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99062(P2011−99062)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】