説明

ユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布方法、該接着剤塗布方法を使用したユニットタイルの製造方法、並びにユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布装置

【課題】連結ネットにおける接着剤塗着面とは反対側の面に接着剤が残存してしまう。
【解決手段】連結ネットNの厚さtより薄い接着剤層Bを有する接着剤塗布部2にテンションを掛けて張った状態の連結ネットNの片面を接触させた後に剥がすことで、連結ネットNの接触面だけに接着剤を塗着状態とする様にしたことによって、連結ネットNを接着剤塗布部2の表面に接触する様に押し付けたとしても、接着剤層Bが連結ネットNの厚さTより薄く接着剤が連結ネットの接着剤塗着面の反対面にまで回らない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配列状態の複数枚のタイルの裏面を連結ネットに固定したユニットタイルを製造するために、連結ネットの表面に接着剤を塗布するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記ユニットタイルを製造する方法としては、整列配置された複数枚のタイルが、各タイルの裏面に接着されたネットによって連結されてなるタイルユニットを製造する方法であって、ネットに接着剤液を付着させる工程と、このネットを整列配置されたタイルの裏面に重ねて接着する工程とを有するタイルユニットの製造方法において、接着剤液を付着させたネットに向ってエアブローすることにより、ネットの網目内に張った接着剤液膜を除去した後、該ネットをタイルの裏面に重ねて接着することで、接着剤液膜を除去後のネットをタイル裏面に接着することが可能になるため、タイル裏面のネットの網目内への接着剤乾固層の形成を防止でき、よってタイルユニットを壁面等へ接着剤張りする場合、この張り付け用接着剤とタイル裏面との接触面積が大きなものとなり、タイルの張り付け強度が高くなる様にしたものが見受けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−320778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術にあっては、裏返したタイルの上面に上方より連結ネットをセットするため、タイルの表面側の模様、色などを事前に目視出来ず、完成後にしか確認できず、而も例えば割り肌タイルの様な表面を凹凸面にしたタイルの場合、裏返し状態にすると傾いたり段差が生じてしまうため、全てのタイル裏面に接着させることが出来ないことから、接着剤塗着面を上にした連結ネットの上方よりタイルをセットすれば対応することが可能になるが、接着剤塗着面側の接着剤が厚くなってしまうため、タイル接着時にネットをタイルに押し付けた際に網目内に接着剤液膜が再度張ってしまったり、余分な接着剤が接着剤塗着面の反対側に回ってしまい兼ねず、而もエアブローにより連結ネットから余分な接着剤を吹き飛ばしたとしても、接着剤塗着面とは反対側の面に接着剤が残存してしまうことから、タイルセット時に連結ネットがその下方の載置面に接着してしまうため、連結ネットの載置面に剥離容易にすべく表面処理を施す必要があり、例え剥がれたとしても上記載置面に残ってしまった接着剤の除去作業を定期的に行わねばならず、更にユニットタイルの積層保管時に下方のタイルに接着剤が付着してしまうなど、解決せねばならない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記従来技術に基づく、連結ネットにおける接着剤塗着面とは反対側の面に接着剤が残存してしまう課題に鑑み、連結ネットの厚さより薄い接着剤層を有する接着剤塗布部にテンションを掛けて張った状態の連結ネットの片面を接触させた後に剥がすことで、連結ネットの接触面だけに接着剤を塗着状態とする、具体的には上記接着剤塗布部は等速回転駆動する塗布ローラーと、該塗布ローラーに接着剤層の厚さを調節可能なスクレーパーとを有し、該スクレーパーにより連結ネットの厚さより薄い接着剤層を塗布ローラーの表面に形成し、該塗布ローラーの外周速度と同一又は近似する速度で連結ネットを移動させることで、上記塗布ローラーの表面に連結ネットを接触させその直後に離間させて、該連結ネットの接触面だけに接着剤を塗着状態とする様にしたことによって、連結ネットを接着剤塗布部の表面に接触する様に押し付けたとしても、接着剤層が連結ネットの厚さより薄くタイルを接着するのに必要な量しか塗着させない様にコントロールすることで、接着剤が連結ネットの接着剤塗着面の反対面にまで回らない様にして、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0006】
要するに本発明は、連結ネットの厚さより薄い接着剤層を有する接着剤塗布部にテンションを掛けて張った状態の連結ネットの片面を接触させた後に剥がすことで、連結ネットの接触面だけに接着剤を塗布状態とする様にしたので、連結ネットの網目内への接着剤液膜の形成を防止することが出来、又接着剤層が連結ネットの厚さより薄いことから、接着剤塗着面における接着剤はタイルを接着するのに必要な量だけにすることが出来るため、タイル接着時の連結ネットの網目内への接着剤液膜の再形成を防止することが出来、加えて接着剤が連結ネットの接着剤塗着面の反対面にまで回らないため、接着剤塗着面を上にして連結ネットを載置してもその載置面への接着を防止することが出来る。
而も、接着剤塗布部は、等速回転駆動する塗布ローラーと、該塗布ローラーに接着剤層の厚さを調節可能なスクレーパーとを有し、該スクレーパーにより連結ネットの厚さより薄い接着剤層を塗布ローラーの表面に形成し、該塗布ローラーの外周速度と同一又は近似する速度で連結ネットを移動させることで、上記塗布ローラーの表面に連結ネットの片面を接触させその直後に離間させて、該連結ネットの接触面だけに接着剤を塗着状態とする様にしたので、スクレーパーにより接着剤層が連結ネットの厚さより薄くタイルを接着するのに必要な量しか塗着させない様に調整、コントロールすることが出来、又前端側より部分的に接触後直ちに離間させることを連続させることで連結ネットに塗布ローラーへの接触側の面の全体に接着剤を塗着させることと同時に、上記従来技術の様なエアブローにより接着剤を吹き飛ばさなくても連結ネットの網目内への接着剤液膜の形成を防止することが出来、更に連結ネットの搬送過程で接着剤を、搬送工程を滞らせずに塗布することが出来る。
そして、塗布ローラーの回転速度と連結ネットの移動速度を、連結ネット側に接着剤が塗着可能な限界速度に設定すれば、塗布ローラーに対する連結ネットの接触時間が極めて短くなることから、例え網目内の前端側に接着剤液膜が張り始めたとしても網目内全体に至らずに消滅してしまうため、網目内への接着剤液膜の形成を更に確実に防止することが出来る。
【0007】
請求項1又は2のいずれか一方に記載のユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布方法により接着剤が塗布された連結ネットを、接着剤塗着面が上方になる様に載置し、該連結ネットの上方に、タイルユニットにおけるタイル配列に準じて形成された開口部を有する目地枠板をセットする様にしたので、上記目地枠板における開口部に裏面を下側にしたタイルを収容すればユニットタイルを製造できるため、表面を目視しながらタイルセット作業することが出来ると共に、表面に凹凸があるか否かに拘らずユニットタイルを製造出来、而も接着剤塗着面を上にして連結ネットを載置してもその載置面への接着を防止することが出来るため、次工程への搬送の容易化及び保守管理の省力化を図ることが出来ると共に、完成したユニットタイルを積層保管しても不具合が生じない。
【0008】
搬入された連結ネットを搬送する連結ネット搬送部と、該連結ネット搬送部に対し連結ネットの搬送方向の下流側にして連結ネットより下方に配設した接着剤塗布部とを有し、上記連結ネット搬送部は、水平方向に往復移動自在な移動体と、該移動体の下方に配設した昇降枠と、該昇降枠の開口部に設けた一対のアームと、該アームの下端内側面に設けた一対のクランプとを有し、該一対のクランプは、挟着状態の連結ネットを180度反転可能に回転自在且つ相互間を拡幅可能にし、上記接着剤塗布部は、等速回転駆動する塗布ローラーと、該塗布ローラーに接着剤層の厚さを調節可能なスクレーパーとを有し、該スクレーパーにより連結ネットの厚さより薄い接着剤層を塗布ローラーの表面に形成する様にしたので、連結ネット搬送部による連結ネットの搬送過程で、接着剤塗布部により連結ネットの裏面に接着剤を塗着することが出来ると共に、該連結ネットを接着剤塗着面を上に向かせる様に反転することが出来るため、その状態で連結ネットを載置してその上に裏面を下方にしたタイルを配列接着することが可能になるため、表面に凹凸があるか否かに拘らずユニットタイルを製造することを実現出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布装置の正面図である。
【図2】連結ネット搬送装置の正面図である。
【図3】図2の右側面の概略図である。
【図4】接着剤塗布部の正面図である。
【図5】連結ネット供給部の側面図である。
【図6】連結ネット供給部及び接着剤塗布部の平面図である。
【図7】目地枠板セット部におけるパレット搬送ライン及び目地枠板搬入ラインの平面図である。
【図8】連結ネットをクランプした状態を示す段階図である。
【図9】連結ネットを反転した状態を示す段階図である。
【図10】連結ネットをパレット上に移載した状態を示す段階図である。
【図11】パレット上に目地枠板を移載した状態を示す段階図である。
【図12(a)】連結ネットをクランプする前のクランプの斜視図である。
【図12(b)】連結ネットをクランプした状態のクランプの斜視図である。
【図13(a)】連結ネットを反転した状態のクランプの斜視図である。
【図13(b)】連結ネットのパレット上への移載時のクランプの斜視図である。
【図14】連結ネットの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布装置の一実施例を図面に基づき説明する。
本発明に係るユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布装置にあっては、図1に示す様に、主に連結ネット搬送部1び接着剤塗布部2を有し、連結ネット搬送部1の上流側に連結ネット供給部3が、接着剤塗布部2の下流側に目地枠板セット部4が夫々配備されている。
【0011】
連結ネット搬送部1にあっては、図2、3に示す様に、クランプ位置Aの上方で待機し該クランプ位置Aに移送されてきた矩形状の連結ネットNの両端部をクランプして、後述するパレットP上に移載し、且つその過程で連結ネットNの裏面に接着剤塗布後に該連結ネットNを表裏反転させるもので、水平方向に往復自在な移動部5の下方に昇降枠6を配設すると共に、該昇降枠6の下部に一対のアーム7、7aを並設し、該アーム7、7aの下端の内側面にクランプ8、8aを、挟持状態の連結ネットNを180度反転させる様に回動可能にして相互間隔を拡縮可能に配設している。
具体的には、各アーム7、7aの下端内側面に設けた、水平軸を中心とする回転板9の内側面に進退シリンダー10を、一対のアーム7、7aの並列方向に対し平行に内方突設し、該進退シリンダー10のロッド10a の先端に上記各クランプ8、8aが固設され、該各クランプ8、8aは、上記ロッド10a の先端に固設された垂直板11と、該垂直板11の内側面に倒立固設した、上記進退シリンダー10に対し直角なクランプシリンダー12と、上記垂直板11の上端内側面に水平突設した一方の挟着板13と、上記クランプシリンダー12の上方のロッド12a の先端に固設した、上記一方の挟着板13の対向下方位置に配置した他方の挟着板13a とを有し、上記回転板9の回転軸14の外端を各アーム7、7aを貫通させると共に、その突端部に下方プーリー15を装着し、一対のアーム7、7aの上端部を貫通状態の駆動軸16の突出両端部の夫々に上方プーリー15a を装着し、上下方プーリー15、15a に無端ベルト17を懸巻して、駆動軸16の回転により両方のクランプ8、8aを同期回転させる様にしている。
又、上記一対の挟着板13、13a は、上記回転軸14より上方に位置させ、該回転軸14を180度回転させると、回転軸14より下方に位置する様に成っている。
上記駆動軸16の回転駆動手段は、上記移動部5に搭載され、具体的には駆動軸16の中間部より斜め下方に突出した梃杆18の下端に、上記移動部5の下部に上下揺動可能に設けたシリンダー19のロッド19a の先端を軸着し、該ロッド19a の進退により駆動軸16を正逆回転させて、上方プーリー15a 、無端ベルト17及び下方プーリー15を介してクランプ8、8aを同期正逆回転させる様にし、クランプシリンダー12のロッド12a を伸長させ他方の挟着板13a を上動させて、上下挟着板13、13a で連結ネットNの端部を挟着した後、進退シリンダー10のロッド10a を収縮させてクランプ8、8aで両端部を挟着状態の連結ネットNにテンションを掛ける、所謂ピンと張った状態にする様にしている。
上記昇降枠6にあっては、その上面に、移動部5に倒立配設したシリンダーのロッド下端を固設することで昇降自在とし、上記移動部5における上記シリンダーの両側部に設けたガイドブッシュに挿設したガイドシャフトの下端を昇降枠6の上面に固設して該昇降枠6をスムーズに昇降させる様にしている。
【0012】
上記接着剤塗布部2にあっては、図4、6に示す様に、クランプ位置Aに対し連結ネットNの搬送方向の下流側に配置して、連結ネットNの裏面に接着剤を塗布するものであって、塗布ローラー20と、該塗布ローラー20の下方に配設した接着剤槽21と、塗布ローラー20の表面に形成される接着剤層Bの厚さtを均一化するスクレーパー22とを有し、上記塗布ローラー20の回転速度を、塗布ローラー20の外周速度が連結ネット搬送部1における移動部5と同速又は近似速度となる様に設定し、上記スクレーパー22は、その先端と塗布ローラー20の表面との間隔を調整可能にしている。
具体的には、塗布ローラー20の中心より下方且つ塗布ローラー20に対し連結ネットNの搬送方向の上流側に配置した横長状の取付棒23に、上方且つ下流側に傾斜する長さが塗布ローラー20の幅より長く上記取付棒23より短いスクレーパー22を固設し、上記取付棒23の両端部をブロック24、24a の上面中央に形成した、取付棒23の幅より広い切欠部25、25a に嵌め込むと共に、かかる取付棒23の嵌込み部位の前後面に当接する調整ボルト26、26a を各ブロック24、24a に設け、該前後調整ボルト26、26a を締め付けて固定すると共に、前後調整ボルト26、26a の各切欠部25、25a への突出量によりスクレーパー22の位置を調整可能にしている。
【0013】
上記連結ネット供給部3にあっては、図5、6に示す様に、ロールネットRから引き出してカッター27により所定寸法に切断された連結ネットNをクランプ位置Aまで搬送するもので、連結ネットNの搬入コンベヤ28の終点に、クランプ位置Aに配置したセット板30上に連結ネットNを移載する手段29を配設すると共に、セット板30における移載手段29の反対側にストッパー31を配設して、所定位置に連結ネットNを移載可能にしている。
【0014】
上記目地枠板セット部4にあっては、図1、7に示す様に、接着剤が塗布された連結ネットNをセットするパレットPの供給手段と、連結ネットNがセットされたパレットP上に、タイル(図示せず)を収容する開口部S、Sa…を形成した目地枠板Mをセットする手段と、連結ネットN及び目地枠板MがセットされたパレットPをタイルセット工程に搬出する手段とを有し、上記パレット供給手段及びパレット搬出手段を、上記連結ネット搬送部における移動部5の往復動方向に対し直交する1本のパレット搬送ライン32とし、上記目地枠板セット手段は、上記パレット搬送ライン32に並設する目地枠板搬入ライン33と、該目地枠板搬入ライン33の上の目地枠板Mをパレット搬送ライン32の連結ネットNがセットされたパレットP上に移載する目地枠板移載装置34とを有し、上記パレット搬送ライン32及び目地枠板搬入ライン33には、パレットP及び目地枠板Mの位置決め手段を備え、特にパレット搬送2イン32における位置決め手段には、搬送面に対し出没可能なストッパー35を有している。
つまり、パレット搬送ライン32の一側方に接着剤塗布部2が、他側方に目地枠板搬入ライン33が夫々配設され、パレット搬送ライン32におけるストッパー35より上流側がパレット供給手段で、下流側がパレット搬出手段となる。
【0015】
上記目地枠板移載装置34にあっては、パレット搬送ライン32及び目地枠板搬入ライン33の上方に配設した、上記連結ネット搬送部1における移動部5の往復動方向と反対方向に往復移動自在な移動部37と、該移動部37の下方に昇降自在に配置した吸着部38とを有し、具体的には移動部37の下部に設けた垂下枠の連結ネット供給部3側の面に倒立状態のシリンダーを固設し、該シリンダーのロッドの下端部に上記吸着部38を設けている。
又、上記目地枠板移載装置34における移動部37の駆動手段は、移動部37より後退方向側に設けたモーターと、該モーターの駆動軸に装着したアームと、一端を該アームの先端に、他端を移動部37に夫々軸着した連動杆とを有し、モーターの駆動軸を1回転させるか所定角度正逆回転させることで移動部37を往復動させる様にしている。
【0016】
尚、連結ネットNは、例えば図14に示す様な、経糸D、Da…とX状に交差させた緯糸E、Ea…とで構成されたものとしているが、かかる構成に限定せず、連結ネットNの縦横方向のどちらか一方に平行な糸を有していれば良く、この糸の両端側となる連結ネットNの両側部を連結ネット搬送部1におけるクランプ8、8aにより挟着する様にしている。
【0017】
次に、本発明に係るユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布方法及び接着剤塗布装置の作用について説明する。
先ず、図8、図12(b)に示す様に、連結ネット供給部3によりクランプ位置Aのセット板30上に搬入された連結ネットNの両端部を、クランプ位置Aの上方で待機中の連結ネット搬送部1におけるクランプ8、8aで挟着しクランプ8、8aを外方へ僅かに移動させて連結ネットNを張る様にテンションを掛けた後に前進させ、その過程で連結ネットNの裏面を接着剤塗布部2における塗布ローラー20の接着剤層Bが形成された表面に接触させて、連結ネットNの裏面に接着剤を塗布する。
よって、接着剤層Bの厚さtは連結ネットNの厚さTより薄いことから、接着剤が連結ネットNの表面側に回らず、而も連結ネットNは塗布ローラー20に対し接触した直後に離間するため、網目Y、Ya…内に接着剤液膜が形成されず、その傾向は塗布ローラー20の回転速度と連結ネットNの移動速度を、連結ネットN側に接着剤が塗着可能な限界速度に近づけるほど確実になる。
【0018】
接着剤塗布後にクランプ8、8aを、図9、図13(a)に示す様に、連結ネットNの接着剤塗着面が上になる様に180度回転させ、連結ネットNがパレット搬送ライン32の上方に到達した時点で連結ネット供給部3が停止し、昇降枠6を下降させ、図10、図13(b)に示す様に、クランプ8、8aの挟着を解除すると共に外方移動させて、連結ネットNを位置決め済みのパレットP上に移載する。
よって、連結ネットNの接着剤塗着面とは反対側の面がパレットPに接触するが、当該面に接着剤が回っていないため、連結ネットNがパレットPに接着しない。
【0019】
そして、図11に示す様に、連結ネット搬送部1を初期位置まで後退させ、上記目地枠板移載装置34における移動部37を前進させ吸着部38を下降させて目地枠板Mを連結ネットNが載置されたパレットP上に載置すると共に、吸着部38による吸着解除後に吸着部38を上昇させ移動部37を後退させて、目地枠板MをパレットP上に移載し、次工程で目地枠板Mにおける開口部S、Sa…内にタイル(図示せず)を裏面を下側にして収容し該裏面を連結ネットNに接着させてユニットタイル(図示せず)とする。
【符号の説明】
【0020】
1 連結ネット搬送部
2 接着剤塗布部
5 移動体
6 昇降枠
7、7a アーム
8、8a クランプ
20 塗布ローラー
22 スクレーパー
B 接着剤層
M 目地枠板
N 連結ネット
S、Sa… 開口部
T 連結ネットの厚さ
t 接着剤層の厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結ネットの厚さより薄い接着剤層を有する接着剤塗布部にテンションを掛けて張った状態の連結ネットの片面を接触させた後に剥がすことで、連結ネットの接触面だけに接着剤を塗着状態とする様にしたことを特徴とするユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布方法。
【請求項2】
接着剤塗布部は、等速回転駆動する塗布ローラーと、該塗布ローラーに接着剤層の厚さを調節可能なスクレーパーとを有し、該スクレーパーにより連結ネットの厚さより薄い接着剤層を塗布ローラーの表面に形成し、該塗布ローラーの外周速度と同一又は近似する速度で連結ネットを移動させることで、上記塗布ローラーの表面に連結ネットを接触させその直後に離間させて、該連結ネットの接触面だけに接着剤を塗布状態とする様にしたことを特徴とする請求項1記載のユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布方法。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか一方に記載のユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布方法により接着剤が塗布された連結ネットを、接着剤塗着面が上方になる様に載置し、該連結ネットの上方に、形成するタイルユニットにおけるタイルの配列に準じて形成された開口部を有する目地枠板をセットして、該開口部に裏面を下側にしたタイルを収容する様にしたことを特徴とするユニットタイルの製造方法。
【請求項4】
搬入された連結ネットを搬送する連結ネット搬送部と、該連結ネット搬送部に対し連結ネットの搬送方向の下流側にして連結ネットより下方に配設した接着剤塗布部とを有し、上記連結ネット搬送部は、水平方向に往復移動自在な移動体と、該移動体の下方に配設した昇降枠と、該昇降枠の開口部に設けた一対のアームと、該アームの下端内側面に設けた一対のクランプとを有し、該一対のクランプは、挟着状態の連結ネットを180度反転可能に回転自在且つ相互間を拡幅可能にし、上記接着剤塗布部は、等速回転駆動する塗布ローラーと、該塗布ローラーに接着剤層の厚さを調節可能なスクレーパーとを有し、該スクレーパーにより連結ネットの厚さより薄い接着剤層を塗布ローラーの表面に形成する様にしたことを特徴とするユニットタイル用連結ネットへの接着剤塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12(a)】
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【図12(b)】
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【図13(a)】
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【図13(b)】
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【図14】
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