説明

ユニットバスのカウンター設置用枠組構造

【課題】本発明は、カウンターの幅変更があった場合であっても作り直しの部材をできる限り少なくして必要最低限の投資で対応可能であり、作業性と取り付け施工性の面でも優れさせたユニットバスのカウンター設置用枠組構造の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、防水パンと、浴槽と、この防水パン又は、防水パンと浴槽に連続するコーナー部にそれぞれ立設された下段コーナーフレームと、これらの各下段コーナーフレーム上部に防水パンの外方同一方向へ向かって外側に取り付けられ支持片を有するあるステイと、これらのステイ上面の外部に、防水パンの端辺と略平行に締結される外側連結フレームと、ステイの上面に外側連結フレームの内方側で締結される内側連結フレームにて構成され、外側連結フレームに上段コーナーフレームが締結され、外側連結フレームと内側連結フレームに支持されてカウンターが設置されてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットバスのカウンター設置用枠組構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユニットバスにおいて図9に示すように防水パン101の外周上にカウンター102を設ける場合、防水パン101上の両端コーナー部に立設されている下段コーナーフレーム103の上部から外方同一方向へ向かって、カウンター102の全幅と同じ幅のカウンター設置用板状金具104をブラケット105を介して設置し、この板状金具104の上にカウンター102を設置した構造が提供されている。
【0003】
また、ユニットバス用のカウンター部分の他の構造例として、防水パン上に立設される前板部と前板部の上端から外側に向かって水平状をなす天板部で構成されるカウンターであって、前板部の下端両側にブラケットを取り付け、これらブラケットで防水パンに固定してなる構造が知られている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−321285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図9に示す構造の場合、カウンター102の奥行き幅と同じ幅のカウンター設置用板状金具104が用いられているため、カウンター102の奥行き幅の変更があった際は、前記板状金具104をすべて新規に製作し直す必要があり、板状金具104の製品単価も高価になってしまう問題がある。
更に、図9に示すカウンター102の奥行き幅と同じ幅のカウンター設置用板状金具104の場合、使用材料が多くなり重量が重くなることで、設置作業者1名での設置が困難となることが考えられる。
また、特許文献1に記載の構造であっても、カウンターの奥行き幅変更が生じた場合に大幅な作り直しを要する問題が生じ、設置が容易ではなく、製品単価も高額になってしまう問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、カウンターの幅変更があった場合であっても作り直しの部材をできる限り少なくして必要最低限の投資で対応可能であり、作業性と取り付け施工性の面でも優れさせたユニットバスのカウンター設置用枠組構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、次のものに関する。
(1)本発明は、ユニットバスのカウンター設置用枠組構造であって、防水パンと、浴槽と、この防水パン又は、防水パンと浴槽に連続するコーナー部にそれぞれ立設された下段コーナーフレームと、これらの各下段コーナーフレーム上部に前記防水パンの外方同一方向へ向かって外側に取り付けられ支持片を有するステイと、これらのステイ上面の外部に、且つ前記防水パンの端辺と略平行に締結される外側連結フレームと、前記ステイの上面に前記外側連結フレームの内方側で締結される内側連結フレームとを備えて構成され、前記外側連結フレームに上段コーナーフレームが締結され、前記外側連結フレームと前記内側連結フレームに支持されてカウンターが設置されてなることを特徴とする。
【0008】
(2)第2の要旨は、前記ステイ及び前記外側連結フレームの外周より内側に、前記上段コーナーフレームが立設可能に構成されていることを特徴とする。
(3)第3の要旨は、前記ステイの上面に締結される前記外側連結フレームの上面と、前記外側連結フレームの内方側で締結される内側連結フレームの上面に前記カウンターの裏面と平行な設置面が構成され、前記設置面上にカウンターが設置されてなることを特徴とする。
【0009】
(4)第4の要旨は、前記ステイにおいて前記下段コーナーフレーム取付部分よりも外側に形成された支持片に支持されて前記内側連結フレームと前記外側連結フレームが架設されるとともに、前記内側連結フレームの端部と前記外側連結フレームの端部とが前記ステイに当接されて位置決めされてなることを特徴とする。
(5)第5の要旨は、前記ステイに前記外側連結フレームの端部が当接されて前記ステイと前記外側連結フレームの端部によりコーナー部が形成されるとともに、このコーナ部分に沿って前記上段コーナーフレームが設置されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、防水パンの両端コーナー部に立設される下段コーナーフレームと、この下段コーナーフレーム上部に前記防水パンの外方同一方向へ向かって外側に取り付けられ支持片を有するステイと、前記支持片の上面最外部に、且つ前記防水パンの端辺と略平行に締結される外側連結フレームと、前記支持片の上面に前記外側連結フレームの内方側で締結される内側連結フレームにて構成される枠組構造であって、枠組構造が前記外側連結フレームと前記内側連結フレームによる分割構造になっているため、カウンター奥行き幅が変更になった場合であっても、前記ステイのサイズを外方同一方向へ向かって大きくしたものを用意するか、前記ステイのサイズを外方向一方向へ小さくしたものを用意するかの違いだけで対応可能であり、前記外側連結フレームと内側連結フレームは造り替えしなくても対応可能であるので、新規部品が最小限になり、新規部品の投資額を少なくして製品単価を安価にすることが可能になる。さらに、カウンターを支持するフレームが分割されている為、製品自体の体積減少により輸送効率が向上するとともに、金具重量軽量化により施工性が向上し、使用材料低減により製品単価も安価にすることができる。
【0011】
また、防水パンの端辺と略平行に締結される外側連結フレームと前記ステイを締結する際は、前記ステイと外側連結フレームの外周より内側に前記ステイと外側連結フレームに沿ってこれらに案内されるように上段コーナーフレームを締結し立設することで、上段コーナーフレームを締結し立設すると同時に、前記ステイと外側連結フレームを締結することができる為、前記ステイと外側連結フレームを締結するための別部品が不要になり、安価に製作できるとともに、上段コーナーフレームの位置決めも正確に行うことができる。
【0012】
更に、前記ステイの上面に締結される防水パンの端辺と略平行に締結される外側連結フレームの上面の上と、前記外側連結フレームの内方側で締結される内側連結フレームの上面の上に、カウンター裏面と平行な設置面を構成できるため、設置面上に止水材を設置し易く、止水材でもって設置面とカウンターとの隙間埋めを容易にできるので、止水構造を設けやすく、止水構造を備えた状態でカウンターを設置することができる。
【0013】
前記ステイに前記外側連結フレームの端部と内側連結フレームの端部を当接させる構成とすることで、外側連結フレームの位置決めと、内側連結フレームの位置決めをステイを用いて確実かつ容易になし得る。また、前記ステイと前記外側連結フレームとが形成するコーナー部分に沿って上段コーナーフレームを設置することで、上段コーナーフレームの位置決めも確実かつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】防水パンの外周上に設けられた本発明に係る一実施形態のユニットバスのカウンター設置用枠組構造を示す斜視構造図。
【図2】防水パンと浴槽の外周上に設けられた本発明に係る一実施形態のユニットバスのカウンター設置用枠組構造を示す斜視構造図。
【図3】防水パンの外周上に設けられた本発明に係るユニットバスのカウンター設置用枠組構造の例を示すもので、図3(a)は所定幅のカウンターに対応して設けた第1の例を示す断面構造図、図3(b)は奥行き幅の大きなカウンターに対応して設けた第2の例を示す断面構造図、図3(c)は奥行き幅の小さなカウンターに対応して設けた第3の例を示す断面構造図。
【図4】本発明に適用されるステイを示すもので、図4(a)は第1実施形態のステイの加工前の状態を示す斜視図、図4(b)は同ステイの加工後の状態を示す斜視図、図4(c)は同ステイを下段コーナーフレームに取り付けるとともに外側連結フレームと内側連結フレームを取り付けた状態を示す斜視図。
【図5】本発明に適用されるステイと外側連結フレームと内側連結フレームを示すもので、図5(a)は同ステイと外側連結フレーム及び内側連結フレームの全体構造を示す斜視図、図5(b)は同ステイと外側連結フレーム及び内側連結フレームに上段コーナーフレームの一例を取り付けた状態を示す斜視図、図5(c)は同ステイと外側連結フレーム及び内側連結フレームに壁パネルを取り付ける状態を示す斜視図。
【図6】支持片を有するステイに防水パンの端辺と略平行に締結される外側連結フレームを締結した状態を示すもので、図6(a)は斜視図、図6(b)は上段コーナーフレームを締結した状態を示す斜視図。
【図7】支持片を有するステイに防水パンの端辺と略平行に締結される外側連結フレームと内側連結フレームを締結した状態を示すもので、図7(a)はカウンターを設置する前の状態を示す斜視図、図7(b)はカウンターを設置した状態を示す斜視図。
【図8】下段コーナーフレームの下部と防水パンを締結させる支え金具の一例を示すもので、図8(a)は防水パンコーナー部の内側から見た斜視図、図8(b)は防水パンコーナー部の外側から見た斜視図。
【図9】従来のユニットバスのカウンター設置用枠組構造の一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明を図面に基づいて説明する。
図1は、ユニットバスの床面を構成する防水パン1の一側端辺にカウンター2の設置用枠組構造を適用した一例を示す斜視構造図である。
図1に示すカウンター設置用枠組構造は、矩形状の防水パン1と、この防水パン1の両端コーナー部に各々立設された下段コーナーフレーム3と、これらの下段コーナーフレーム3の上部に前記防水パン1の外方同一方向へ向かって外側に取り付けられ、水平に配置される支持片5iを有したステイ5と、このステイ5に形成された支持片5iの上面の外部に、且つ前記防水パン1の端辺と略平行に締結された外側連結フレーム6と、前記ステイ5に形成された支持片5iの上面に前記外側連結フレーム6の内方側で締結された内側連結フレーム7と、これら外側連結フレーム6と内側連結フレーム7の上に設置されたカウンター2から概略構成されており、前記外側連結フレーム6の上に上段コーナーフレーム9が締結されて立設されている。
【0016】
図2は、防水パン1と浴槽14とが設けられたユニットバスに対してカウンター2の設置用枠組構造が適用された状態を表した斜視構造図である。
図2は、矩形状の防水パン1と、そのコーナー部分に沿って設けられた浴槽14と、防水パン1と浴槽14の両端コーナー部に各々立設された下段コーナーフレーム3と、これらの下段コーナーフレーム3の上部に前記防水パン1の外方同一方向へ向かって外側に取り付けられ支持片5iを有するステイ5と、このステイ5に設けられた支持片5iの上面の外部に、且つ前記防水パン1の端辺と略平行に締結された外側連結フレーム6と、前記ステイ5に設けられた支持片5bの上面に前記外側連結フレーム6の内方側で締結された内側連結フレーム7と、これら外側連結フレーム6と内側連結フレーム7の上に設置されたカウンター2から概略構成されており、前記外側連結フレーム6に上段コーナーフレーム9が締結されて立設されている。
【0017】
また、図1と図2に示す構造においては、いずれにおいても、外側連結フレーム6と内側連結フレーム7の上面側に設置面10が形成され、これらの設置面10上にカウンター2が設置されている。
これらの構造により、カウンター2を支持する部材が、防水パン1の端辺と概略平行に設置されている外側連結フレーム6と内側連結フレーム7に分割されていて、外側連結フレーム6と内側連結フレーム7の奥行き幅を合計した奥行き幅は、カウンター2の奥行き幅よりも小さくされているので、カウンター2の奥行き方向の幅と同等の大きさのフレームを設けていた図9に示す従来構造の板状金具104に比べて製品重量を軽量化することができる。従って本実施形態の外側連結フレーム6と内側連結フレーム7を用いることで製品としての輸送効率が向上し、施工性が向上する。
【0018】
図3(a)は、防水パン1にカウンター2設置用枠組の構造を適用した状態の一例を表した断面構造図である。
図3(a)においては、カウンター2を支持する部材が、下段コーナーフレーム3の上部に前記防水パン1の外方同一方向へ向かって外側に取り付けられる支持片5iを有するステイ5の上面に締結された前記外側連結フレーム6と、前記内側連結フレーム7に分割されて構成されている。
【0019】
図3(b)は、図3(a)の構造に対し、カウンター2Aの幅が奥行き方向に拡大された際のカウンター設置用枠組構造の一例を表した断面構造図である。
カウンター2Aの幅が図3(b)に示す如く奥行き方向に拡大された場合であっても、前記外側連結フレーム6と内側連結フレーム7は形状変更せずに、ステイ5Aのみをステイ5に対して外方同一方向へ向かって外側に拡大する形状に変更しただけなので、カウンター2Aの奥行き幅が変更となった場合であっても新規部品が最小限になり、対応が容易にできる。
【0020】
図3(c)は、図3(a)の構造に対し、カウンター2の幅が奥行き方向に縮小された際のカウンター設置用枠組の構造の一例を表した断面構造図である。
カウンター2Bの幅が図3(c)に示す如く奥行き方向に縮小された場合であっても、前記外側連結フレーム6と内側連結フレーム7は形状変更せずに、ステイ5Bをステイ5に対して外方同一方向へ向かって内側に縮小する形状としただけなので、カウンター2Bの奥行き幅が変更となった場合であっても新たに必要な新規部品が最小限になり、対応が容易にできる。
【0021】
図4は、支持片5iを有するステイ5を説明するための斜視構造図である。
本実施形態のステイ5は、5角形状の金属板の本体部5Aからなり、本体部5Aの外周縁を構成する第1の縁部5a、第2の縁部5b、第3の縁部5c、第4の縁部5d、第5の縁部5eのうち、第2の縁部5bにおいて本体部5Aからほぼ直角に延出するように矩形板状の取付片5fが立設され、第5の縁部5eにおいてその半分程度の長さの部分を所定幅切り起こして前記取付片5fと平行に矩形板状の取付片5gが立設されている。また、本体部5Aの中央上部側にコノ字形状の抜き箇所5hを設けて、その内側の部分を切り起こしてなる矩形板状の支持片5iが形成されている。この支持片5iは本体部5Aに対し直角に立設されるとともに前記取付片5fと直交する向きに配置されている。
【0022】
また、本体部5Aを図4(b)に示す如く支持片5iを水平にして起立配置した状態において、第1の縁部5aの近くであって取付片5fを形成したコーナー部分側に小孔5jが形成され、取付片5fの上部側に小孔5jが形成され、支持片5iの付け根の部分両側に小孔5jが形成され、取付片5gの切り起こし部分の上下両側にも小孔5jが形成されている。
これらの小孔5jは、ステイ5と下段コーナーフレーム3をビスあるいはボルトなどの締結具により締結するため、ステイ5と外側連結フレーム6をビスあるいはボルトなどの締結具により締結するため、あるいは、ステイ5と内側連結フレーム7をビスあるいはボルトなどの締結具で締結するために設けられている。
【0023】
前記ステイ5と前記ステイ5の上面に締結される外側連結フレーム6と内側連結フレーム7を取り付ける際は、まず、鉛直に設置されている4角柱状の下段コーナーフレーム3の上端部に対し図4(b)に示す状態に起立させたステイ5を近接させ、下段コーナーフレーム3の上端部の外側の側面に対しステイ5の取付片5gを沿わせるとともに、取付片5gの上下に位置する第5の縁部5eを下段コーナーフレーム3の他の側面に沿わせて当接させる。この状態においてステイ5は支持片5iを水平として取付片5f側を下段コーナーフレーム3の外側に向けた状態で下段コーナーフレーム3に沿って位置決めされる。
【0024】
次に、ステイ5の小孔5jを介し下段コーナーフレーム3に予め形成されている締結孔にビスあるいはボルトなどの締結具を螺合することでステイ5を下段コーナーフレーム3の上端部分に締結する。この締結状態でステイ5の支持片5iは下段コーナーフレーム3の外側に向いて水平に延出するように位置決めされる。なお、防水パン1の両側の下段コーナーフレーム3にはそれぞれステイ5をビスあるいはボルトなどの締結具により締結するが、対向する両側のステイ5の支持片5iが互いに向き合うように(防水パン1の端辺の中央側に各ステイ5の支持片5iが向くように)下段コーナーフレーム3にステイ5を締結する。
【0025】
防水パン1のコーナー部分両側のステイ5を締結したならば、両側のステイ5の間に位置するように、外側連結フレーム6と内側連結フレーム7を水平配置する。
次いで、両側のステイ5の支持片5iの上に外側連結フレーム6と内側連結フレーム7をビスやボルト等の緊結具を用いて締結し、固定する。本実施形態の構造では、ステイ5に対しコの字形状の抜き部分箇所5hを形成し、その内側を折り曲げることで前記支持片5iを形成することができ、支持面を新たに設ける為の別部品を取り付ける必要が無く、前記ステイ5の材料歩留まりを向上することができる。
締結部分についてより具体的には、外側連結フレーム6と内側連結フレーム7の両端部側に形成されている小孔6j、7jとステイ5の支持片5iに形成されている小孔5jを利用してビスあるいはボルトなどの締結具によりこれらを締結することで取り付けることができる。
【0026】
図5(a)〜(c)は、防水パン1の端辺と略平行に締結されている外側連結フレーム6の斜視構造図である。
前記外側連結フレーム6には、ステイ5に締結して水平配置した状態において防水パン1の端辺と略平行方向の端部に下方向に折り曲げたフランジ面6aが段部6bを介し設けられている。前記段部6bにおいて水平となる部分が前記ステイ5の支持片5i上に設置されて緊結されるようになっているが、外側連結フレーム6の両端部分においてフランジ面6aには切欠部6gが形成されていて、この切欠部6gが形成されていることによって、ステイ5の支持片5iに対し外側連結フレーム6を緊結して取り付ける場合、フランジ面6aが支持片51に干渉しないようになっている。即ち、外側連結フレーム6はその両端に形成されている切欠部6gの部分を介して両側のステイ5の支持片5i上に外側連結フレーム6の両端を載置できるように構成されている。
【0027】
このように下方向に折り曲げたフランジ面6aを設けることで、外側連結フレーム6は座屈強度が向上されているので、外側連結フレーム6の上部に図5(c)に示す如く壁パネル8が設置された際に、壁パネル8の荷重で前記外側連結フレーム6自体が変形することを防止することができる。なお、外側連結フレーム6においてフランジ面6aを設けた側と反対側には、設置面10から更に上方に立ち上がる形の外端縁6cが形成されている。
前記内側連結フレーム7は横断面L字型の型材からなり、ステイ5の支持片5iにおいて下段コーナーフレーム3に近い側の端部を内側連結フレーム7で覆うように両側のステイ5、5間に配置され、前述の如く締結具により支持片5iに取り付けられている。
【0028】
図6は、支持片5iを有するステイ5と防水パン1の端辺と略平行に締結される外側連結フレーム6との締結状態を示す斜視構造図である。
前記ステイ5と前記外側連結フレーム6を締結する際は、前記ステイ5と前記外側連結フレーム6の外端縁6cが形成するコーナー部6dの内側に、図6(b)に示す如く上段コーナーフレーム9を締結し、立設することで、上段コーナーフレーム9を立設すると同時に前記ステイ5と前記外側連結フレーム6が締結された状態とされている。
【0029】
図7は、支持片5iを有するステイ5に外側連結フレーム6と内側連結フレーム7を締結し、それらの上にカウンター2が設置された状態を説明するための斜視構造図である。
前記ステイ5の上面に締結された外側連結フレーム6の上面と、前記内側連結フレーム7の上面にカウンター2を図7(b)に示す如く設置することができる。
その際に、前記外側連結フレーム6の上面と、前記内側連結フレーム7の上面に加え、前記ステイ5の支持片5iの上面によりカウンター2の裏面と平行な設置面10が構成されるので、これらの設置面10に渡るように止水材11を貼付けることで、カウンター2の外周側から浸入してきた水を、防水パン1の外側に位置する建築躯体12側に漏水しないよう止水することができる。なお、図7(a)に示す例においては、止水材11を内側連結フレーム7の前面及び上面とステイ5の支持片5i上面と外側連結フレーム6の上面を通過するとともに外側連結フレーム6の上に設置した壁パネル8の下縁に沿って配置した例を示している。
【0030】
図8は、下段コーナーフレーム3の下部と防水パン1を締結させる部分に設けられる支え金具13の一例を示す斜視構造図である。
この支え金具13は、L型の本体部13Aとこの本体部13Aの下辺側に複数突出形成された支持片13Bからなり、本体部13Aの折り曲げ部分の内側に下段コーナーフレーム3の下端部を沿わせて両者をビスあるいはボルトなどの締結具15により締結するとともに、支持片13Bの先端部を防水パン1の外周立ち上げ部1aの内側に突き当て、支持片13Bと外周立ち上げ部1aを貫通するビスやボルトなどの締結具16により締結することで固定されている。
【0031】
下段コーナーフレーム3の下端部と防水パン1を締結させる支え金具13を取り付けることで、下段コーナーフレーム3の倒れを防止できる効果がある。
また、前記支え金具13の支持片13Bの裏面側(ユニットバスの外側)に折り曲げ片13aを直角に立設し、図8(b)に示す如くその折り曲げ片13aを防水パンの外周立ち面1aに突き当てることで、下段コーナーフレーム3の上下方向設置精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0032】
1…防水パン、2…カウンター、3…下段コーナーフレーム、5…ステイ、5A…本体部、5a、5b、5c、5d、5e…縁部、5f、5g…取付片、5i…支持片、6…外側連結フレーム、6a…フランジ面、6b…段部、6c…外縁端、7…内側連結フレーム、8…壁パネル、9…上段コーナーフレーム、10…設置面、14…浴槽。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニットバスのカウンター設置用枠組構造であって、防水パンと、浴槽と、この防水パン又は、防水パンと浴槽に連続するコーナー部にそれぞれ立設された下段コーナーフレームと、これらの各下段コーナーフレーム上部に前記防水パンの外方同一方向へ向かって外側に取り付けられ支持片を有するステイと、これらのステイ上面の外部に、且つ前記防水パンの端辺と略平行に締結される外側連結フレームと、前記ステイの上面に前記外側連結フレームの内方側で締結される内側連結フレームとを備えて構成され、前記外側連結フレームに上段コーナーフレームが締結され、前記外側連結フレームと前記内側連結フレームに支持されてカウンターが設置されてなることを特徴とするカウンター設置用枠組構造。
【請求項2】
前記ステイ及び前記外側連結フレームの外周より内側に、前記上段コーナーフレームが立設可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカウンター設置用枠組構造。
【請求項3】
前記ステイの上面に締結される前記外側連結フレームの上面と、前記外側連結フレームの内方側で締結される内側連結フレームの上面に前記カウンターの裏面と平行な設置面が構成され、前記設置面上にカウンターが設置されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のカウンター設置用枠組構造。
【請求項4】
前記ステイにおいて前記下段コーナーフレーム取付部分よりも外側に形成された支持片に支持されて前記内側連結フレームと前記外側連結フレームが架設されるとともに、前記内側連結フレームの端部と前記外側連結フレームの端部とが前記ステイに当接されて位置決めされてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカウンター設置用枠組構造。
【請求項5】
前記ステイに前記外側連結フレームの端部が当接されて前記ステイと前記外側連結フレームの端部によりコーナー部が形成されるとともに、このコーナ部分に沿って前記上段コーナーフレームが設置されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカウンター設置用枠組構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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