説明

ユニットルームの上パネル取付構造

【課題】 ドア上パネル取り付けや取り外しを浴室内側からでき、浴室外側に建築の壁が完成した後でも交換や調整が簡易であり、切り欠きが下向きであるため、ドア上パネルを引っ掛けたままにしておくことができ、一人の作業員で上記作業を行うことができるユニットルームのドア上パネル取付構造を提供する。
【解決手段】 ドアと直角をなす壁パネル及びドアと一直線になる壁パネルに、壁パネルの高さと同一の長さのドア横アングルを床面に接するように夫々取り付け、次に、ドア横アングルの上部にドア上固定金具を取り付け、その下にねじを半分程度ねじ込むと共に、ドア上パネルの側面に形成された下向きの切り欠きを上記ねじに係止させ、該ねじを回転軸としてドア上パネルを起こした後、該ドア上パネルの上部をドア上固定金具に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浴室ユニット等、ユニットルームのドア上パネル取付構造に係り、特に、ユニットルームにおける壁パネルで挟まれたドア枠の上方に、ドア上パネルを一人の作業員で簡易に取り付けることができるユニットルームの上パネル取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ユニットルームの出入口であるドア本体の上方には、壁パネルで挟まれたドア枠上にドア上パネルを取り付けている。
【0003】
このドア上パネル取付構造には、例えば、工場出荷時にドア上パネルをドア枠の上面に載置させ、両者をネジで固定した一体構造のものもあるが、一般には、ユニットルーム等を設置する施工現場において、壁パネルに挟まれて設置されたドア枠の上方にドア上パネルを載置して固定される。
【0004】
具体的には、ドア本体がユニットルーム等のコーナー部に設置される場合には、ドア本体に直交して隣接される壁パネルの側端面に断面L形のドアジョイナーを固定しておき、この固定したドアジョイナーにネジを貫通させて、壁パネルとドア枠とを固定連結する。
【0005】
そして、この固定連結されたドア枠の上に、箱状のドア上パネルを載置すると共に、複数のネジを壁パネル裏側からドアジョイナーを通じてドア上パネルの側面に螺着して、ドア上パネルをドアジョイナーに固定した後、ドア上パネルの上端を天井パネルに連結ネジ等で固定して取付ける構造にしているが、この構造では、壁パネル裏側のスペースが狭小な場合には、壁パネル側からネジの締付け作業が難しいだけでなく、例えば、ドア上パネルを設置後、パネル壁裏側に間仕切り壁等が設置された場合には、一担取り付けたドア上パネルを取り外しできないという問題もあった。
【0006】
かかる問題を解決するため、従来のこの種のパネル取付構造の改良案として、例えば、特許文献1に示すものが公知である。この改良取付構造は、壁パネルで挟まれたドア枠の上方に、ドア上小壁を設け、そのドア上小壁の上端と壁パネルの上端とに天井パネルを取付けて構成されたユニットルームにおいて、上記ドア上小壁は、その両側端に、底片と立ち上がり片とで構成された一対のL字型固定具を介在させて上記ドア枠と上記壁パネルで囲まれた空間に設置されるようにした取付構造であって、上記ドア上小壁は、その下端と上記L字型固定具の底片とを、嵌合手段で固定し、かつ上記L字型固定具の上記立ち上がり片を直接上記壁パネルに取り付けるようにしたものである。
【0007】
【特許文献1】特開2006−266001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の改良構造にあっても、ドア上パネルを、横側で固定する構造ではないため、該パネルが前後にぐらつき易く、また、該パネルの取付作業は、比較的高い所で行うため、作業性が非常に悪く、さらに部品点数が多いため、作業が煩雑であり、コスト高となる、という問題を有していた。
【0009】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、ドア上パネル取り付けや取り外しを浴室内側からでき、浴室外側(洗面室側)に建築の壁が完成した後でも、交換や調整が簡易であり、また、L字状の切り欠きが下向きであるため、ドア上パネルを引っ掛けたままにしておくことができ、一人の作業員で上記作業を行うことができるユニットルームのドア上パネル取付構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、この発明に係るユニットルームのドア上パネル取付構造にあっては、壁パネルで挟まれたドア枠の上方に、ドア上パネルを設け、そのドア上パネルの上端と壁パネルの上端に天井パネルを取り付けて構成されたユニットルームの上記ドア枠と上記壁パネルで囲まれた空間に設置されるドア上パネル取付構造であって、上記ドアと直角をなす壁パネル及びドアと一直線になる壁パネルに、壁パネルの高さと同一の長さのドア横アングルを床面に接するように夫々取り付け、次に、ドア横アングルの上部にドア上固定金具を取り付け、その下にパネル下固定ねじを半分程度ねじ込むと共に、ドア上パネルの側面に形成された下向きの切り欠きを上記ねじに係止させ、該ねじをさらにねじ込んだ後、該ねじを回転軸としてドア上パネルを起こした後、該ドア上パネルの上部をドア上固定金具に固定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
それ故、この発明にあっては、ドア上パネル取り付けや取り外しを浴室内側からでき、浴室外側(洗面室側)に建築の壁が完成した後でも、交換や調整が簡易であり、また、切り欠きが下向きであるため、ドア上パネルを引っ掛けたままにしておくことができ、一人の作業員で上記作業を行うことができる等、幾多の優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面に示す発明の一実施形態例に基づき、この発明を詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明の一実施形態例に係るユニットルームのドア上パネル取付部分を示す斜視図を、図2は同取付構造のドア横アングルにドア上固定金具を取り付ける状態を示す分解斜視図を、図3は同取付構造のドア横アングル下部のねじ部にドア上パネルの下部を引っ掛ける状態を示す分解斜視図を、図4は同ドア上パネルの下部に形成された切り欠きを拡大して示す斜視図を、図5は同ドア上パネルの上に持ち上げる状態を示す斜視図を、図6は同ドア上パネル上部をドア上固定金具に固定する状態を示す斜視図を、図7は図6要部拡大斜視図を、図8は天井クリップカバーでドア上パネル上部の固定部を隠した状態を示す部分拡大斜視図を、夫々示している。
【0014】
図1乃至図8に示すように、この実施形態例に係るユニットバスルームにおけるコーナー部のドア本体を包囲するドア枠1の上部にドア上パネル3を取り付ける構造を示しており、このドア上パネル3の上端と壁パネル9,11の上端とに天井パネル(図示せず)を取付けてユニットルームは構成されている。尚、ユニットルームの各壁パネル同士の固定や天井パネルの固定は、公知の取付構造を適用することができるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0015】
即ち、上記ドア枠1と上記壁パネル9,11で囲まれた空間に設置されるドア上パネル3は、上記ドアと直角をなす壁パネル9及びドアと一直線になる壁パネル11に、壁パネル9,11の高さと同一の長さのドア横アングル20を床面4に接するように夫々取り付けられる。
【0016】
上記壁パネル9の固定された上記ドア横アングル20の上部には、ドア上固定金具21をねじ22で取り付け、また、同アングル20の下部にはパネル下固定パネル下固定ねじ23のみが取り付けられる。
【0017】
また、上記壁パネル11に固定された上記ドア横アングル20の上部には、U字溝を有するスペーサ24を介してドア上固定金具25がねじ26で取り付けられ、同アングル20の下部にはパネル下固定ねじ27が取り付けられる。尚、上記パネル下固定ねじ23,27は、半分程度ねじ込まれている。
【0018】
そして、ドア上パネル3は、板金を折曲加工して形成され、該ドア上パネル3の両端部には、図3に示すように、ドア上パネル3と略同一高さの補強材としてのジョイナ30,30がそれぞれ固定されており、該ジョイナ30,30には、略L字状の下向きの切り欠き31,32が形成されている。
【0019】
このように構成されたドア上パネル3を取り付ける場合には、図3乃至図5に示すように、ドア上パネル3の側面に形成された下向きの切り欠き31,32を上記パネル下固定ねじ23,27に係止させ、該パネル下固定ねじ23,27をさらにねじ込んだ後、該パネル下固定ねじ23,27を回転軸として、図5に示すように、ドア上パネル3を起こした後、該ドア上パネル3の上部を、図6及び図7に示すように、ドア上固定金具21,25にねじ33,34で固定する。
【0020】
そして、上記ねじ33,34は、図8に示すように、天井クリップカバー35で隠される。尚、図中符号36は天井固定用クリップである。
【0021】
このように、本実施形態例に係るドア上パネル3の取付構造にあっては、ドア上パネル3の取り付けや取り外しを浴室内側からでき、浴室外側(洗面室側)に建築の壁が完成した後でも、交換や調整が簡易であり、また、L字状の切り欠きが下向きであるため、ドア上パネルを引っ掛けたままにしておくことができ、一人の作業員で上記作業を行うことができると共に、ドアの上方は天井があるので、該取り付け部のねじ33,34を露呈させたくない、という要望にも応えることもできる。
【0022】
尚、上記実施形態例では、この発明を、例えば、浴室ユニットルームを想定し説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、各種組み立て式ユニットルームのドア上パネル取り付けにも適用できること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の一実施形態例に係るユニットルームのドア上パネル取付部分を示す斜視図である。
【図2】同同取付構造のドア横アングルにドア上固定金具を取り付ける状態を示す分解斜視図である。
【図3】同同取付構造のドア横アングル下部のねじ部にドア上パネルの下部を引っ掛ける状態を示す分解斜視図である。
【図4】同ドア上パネルの下部に形成された切り欠きを拡大して示す斜視図である。
【図5】同ドア上パネルの上に持ち上げる状態を示す斜視図である。
【図6】同ドア上パネル上部をドア上固定金具に固定する状態を示す斜視図である。
【図7】図6要部拡大斜視図である。
【図8】天井クリップカバーでドア上パネル上部の固定部を隠した状態を示す部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ドア枠
3 ドア上パネル
4 床面
9 ドアと直角をなす壁パネル
11 ドアと一直線になる壁パネル
20 ドア横アングル
21,25 ドア上固定金具
23,27 パネル下固定ねじ
30 ジョイナー
31,32 切り欠き
33,34 ねじ
35 天井クリップカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁パネルで挟まれたドア枠の上方に、ドア上パネルを設け、そのドア上パネルの上端と壁パネルの上端に天井パネルを取り付けて構成されたユニットルームの上記ドア枠と上記壁パネルで囲まれた空間に設置されるドア上パネル取付構造であって、上記ドアと直角をなす壁パネル及びドアと一直線になる壁パネルに、壁パネルの高さと同一の長さのドア横アングルを床面に接するように夫々取り付け、次に、ドア横アングルの上部にドア上固定金具を取り付け、その下にパネル下固定ねじを半分程度ねじ込むと共に、ドア上パネルの側面に形成された下向きの切り欠きを上記ねじに係止させ、該ねじをさらにねじ込んだ後、該ねじを回転軸としてドア上パネルを起こした後、該ドア上パネルの上部をドア上固定金具に固定することを特徴とするユニットルームの上パネル取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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