説明

ユーザに触感フィードバックの印象を与えるためのコンピュータ実装方法およびシステム

【課題】ユーザに触感フィードバックの印象を与えるためのコンピュータ実装方法およびシステムを提供する。
【解決手段】本システムは、所定の主題に関する少なくとも1つの画像の、複数のコンピュータ・アクセス可能な生のムービー・シーケンスを格納したメモリに結合されているコンピュータを備えている。少なくとも1つの画像には器具が関連し、少なくとも1つのデータ入力源が、触感依存信号をコンピュータに入力するために、器具と関連する。触感依存信号にしたがって生のムービー・シーケンスの1つを表示するために、コンピュータにはディスプレイ・デバイスが接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ画像の相互作用型表示および操作に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ画像の相互作用型表示および操作に対する要望には、特許文献において広範囲にわたる取り組みが示されている。米国特許第5,844,547号は、ディスプレイ・デバイスの表示面上に重ね合わせたタッチ・ペイン(touch pane)上で検知した接触感にしたがって、ディスプレイ・デバイス上において物体の表示を操作する処理装置および方法を開示する。表示された物体の動きは、表示された物体の画像に隣接するタッチ・ペイン上における接触感の特性にしたがってシミュレートされている。更に、物体の複数の異なる状態の各々について、物体画像の表示を規定する物体データ、物体の形状および物理的固有性を指定する表示情報、ならびにその現表示位置および格納されているデータに関するファイル情報が格納されており、接触感の特性によって物体をシミュレートする操作を解釈するためにこれらの情報にアクセスし、このように操作された物体画像を対応して操作し表示するようになっている。
【0003】
米国特許第5,739,811号(特許文献1)は、ユーザが操作するインターフェース・デバイスを用いて、力のフィードバックを与える人間−コンピュータ・インターフェース・システムを制御するための方法および装置を開示する。インターフェース・デバイスに対してローカルにマイクロプロセッサが設けられており、センサからのセンサ・データを読み取る。センサ・データは、ジョイスティックのような、ユーザが把持し動かす物体に関する位置および/またはその他の情報を記述する。マイクロプロセッサは、センサ・データをホスト・コンピュータに供給する。ホスト・コンピュータは、好ましくはシリアル・インターフェースを含む通信バスによって、インターフェース・デバイスに結合されている。「ホスト制御」型の実施形態では、ホスト・コンピュータは、センサ・データおよびホスト・アプリケーション・プログラムのその他のパラメータを用いて、力の値を計算し、この力の値をローカル・マイクロプロセッサに送る。マイクロプロセッサは、この力の値を直接アクチュエータに供給し、力をユーザの物体に加える。「反射」(reflex)の実施形態では、ホスト・コンピュータは上位監督コマンド(supervisory command)を内部マイクロプロセッサに送り、マイクロプロセッサは、上位コマンドに基づいてローカル・プロセスを実施して、センサ・データを読み取り、センサ・データおよびその他のパラメータを用いて、力の値をアクチュエータに供給する。
【0004】
米国特許第4,954,697号(特許文献2)は、セルフサービス店のための販売装置を示す。この販売装置は、複数の異なる貯蔵品目に関連する製品データを格納するメモリを備えており、製品データは、ディスプレイ・パネル上に表示するための連続画面画像について更に精細な製品情報の多数の表示を含む。入力手段は、ディスプレイ・パネル上の接触感知入力デバイスを含み、選択した製品を示す選択および指定データを、ユーザから受信することを可能にしている。
【0005】
米国特許第5,844,547号(Minakuchi et al.)(特許文献3)は、物体を操作可能とするように、ディスク上に格納した画像の表示を制御するために用いられるタッチ・スクリーンを開示する。このタッチ・スクリーンは、透明パネルであり、ディスプレイの前面に装着し、操作者の指が、本体の動きを表すタッチ・スクリーン情報を供給し、接触報告をコントローラに伝達し、物体画像の表示を調節する。タッチ・スクリーンは、画像の移動がタッチ・スクリーンを介して行われるという点で、画像と関連する。しかし、タッチ・スクリーンは性的な主題(sexual theme)の描写も示唆も行わない。
【0006】
米国特許第5,845,263号(camaisa et al.)(特許文献4)は、フォトリアリズム調画像を用いる、携帯用相互作用型レストラン視覚発注システムを教示している。フォトリアリズム調画像は、データ入力デバイスを有する携帯用コンピュータを用いて表示することができる。ビデオ・モニタがコンピュータに電子的に接続されており、1組のフォトリアリズム調画像がコンピュータにディジタル的にアクセス可能となっている。コンピュータ読み取り可能コードが、コンピュータにディジタル的にアクセス可能であり、データ入力デバイスの操作に応答して、これらの画像の1つ以上、および1つまたは複数の画像に関連する特性の1つ以上をモニタ上に表示する。この場合も、データ入力デバイスは、性的な主題の描写も示唆も行わない。
【0007】
米国特許第5,174,759号(Preston et al.)(特許文献5)は、操作者にスタディ・オブジェクト(study object)を繰り返し接触させて、ビデオ・ディスプレイ上の劇(dramatics)やゲームにしたがって作用を変化させるビデオ・システムを教示する。教育的な実施形態では、その学生が印刷した本のページに接触し、ページ上で学生が選択した多種類のビデオ応答を生み出すことを可能にし、印刷したテキストまたは接触したグラフィックにおける位置(point)の意味を学生に教育する。同様の実施形態では、立体的な物体を提供し、これを学生が接触することにより多数のアニメーションを生み出す。第9欄28ff行に注記されているように、学生は、本のページ上に印刷されているキーボードのキーに接触することにより、システムを動作させることができる。そうする際に、システムは、ディスプレイ上で出された質問に対する応答を入力する。このような手段により、ワークブックで作業している学生は、ペン・インディケータを利用して、モニタの刺激に対して応答する、または学生が示した本の位置の刺激に対するビデオ・モニタの応答を実行することができる。学生の振る舞いの意味が判定され評価されて、その応答の時間を計り、評点を下す。
【0008】
Preston et al.には、性的主題を描写または示唆する信号を入力するための器具を提供する示唆はない。
これらの参考文献は、接触感応センサを用いて画像操作を行わせるシステムの典型である。しかしながら、タッチ・センサは、単に、予め格納されている特性をユーザに選択させるように機能するに過ぎず、実際にユーザに触感フィードバックの印象を与える訳ではない。触感フィードバックは、多くの状況において重要である。例えば、触感フィードバックは、印刷形態またはコンピュータ実装の通信販売カタログからは評価できない、販売可能な製品に関する貴重な情報を提供する。例えば、布地の「手触り」(feel)は、衣服を購入するとき、特に、ランジェリの場合重要である。とは言え、これに限られる訳ではない。
【0009】
また、触感フィードバックは、性的療法の本質的な要素を形成する場合もある。性的機能不全は、心理的な場合が多く、臓器の生理学的な要素ではないことは周知である。これに関して、性的機能不全の治療法は、大抵の場合、性的刺激を誘発する種々の手段を用いて、患者の自信を徐々に回復することに基づいている。極端であり容認できないことが多い手法である、代理の相手(surrogate partner)の使用を除いて、実際の生活におけるその人生に係わる(crucial)重要性にも拘わらず、手触りの感触をシミュレートするために提供されているものは殆どない。
【0010】
2002年4月9日に発行され、"Method and device for intaractive virtual control of sexual aids using digital computer networks"(ディジタル・コンピュータ・ネットワークを用いた性的補助の相互作用型仮想制御のための方法およびデバイス)と題する米国特許第6,368,268号(Sandvick et al.)(特許文献6)は、相互作用型仮想性的刺激システムについて記載している。第1ユーザ・インターフェースのところにいる人が、第2ユーザ・インターフェースに位置するシミュレーション・デバイス(複数のシミュレーション・デバイス)を制御する。第1および第2ユーザ・インターフェースは、例えば、インターネット上のウェブ・サイトを介して接続することができる。別の実施形態では、予め記録されているビデオ・フィードがシミュレーション・デバイス(複数のシミュレーション・デバイス)を制御するように、ユーザ・インターフェースのところにいる人が、予め記録されているビデオ・フィード(video feed)と双方向処理を行うことができる。
【0011】
2004年2月24日に発行され、"Simulated human interaction systems" (人間相互作用シミュレーション・システム)と題する米国特許第6,695,770号(Choy et al.)(特許文献7)は、仮想現実性的経験を提供する装置を開示する。この装置は、オーディオ再生手段と、ビジュアル再生手段と、性的刺激用接触手段とを含む。更に、この装置は、オーディオ手段、ビジュアル手段、および接触手段を相関付け、互いに関係付け合って、性的体験をシミュレートする制御システムも備えている。この装置は、オーディオおよびビジュアル出力の場面を供給する。これは、データベースから選択され、ユーザの動きに対応するように、そして接触システムと結びついて進んで行く。ユーザは、センサを有する人形で性的遭遇をシミュレートし、センサが制御信号を制御システムに供給して、ユーザの人形の一部との物理的相互作用に対応するオーディオおよびビジュアル出力を変化させる。
【0012】
表示される画像は、ユーザの人形との行為を擬態化する性的活動に関与することによって触感フィードバックを与え、更にユーザを刺激する。画像は、コンピュータが発生する動画化したアバター(avatar)であり、四肢追跡デバイス(limb-tracking device)を用いたユーザ(複数のユーザ)から受信する入力に基づいて、ソフトウェアで制御され、各ユーザが行っていることを正確に把握し、生活的属性(life-like attribute)を、コンピュータが発生するアバターに添付するためにモーション・キャプチャを用いる。
【0013】
このようなシステムは、性的刺激の必須要素である触感フィードバックの印象を与える。しかしながら、表示される画像は、コンピュータが発生するアニメーションである。刺激の度合いは、実際の映画俳優を用いれば、明らかに高まるであろう。
【特許文献1】米国特許第5,739,811号
【特許文献2】米国特許第4,954,697号
【特許文献3】米国特許第5,844,547号
【特許文献4】米国特許第5,845,263号
【特許文献5】米国特許第5,174,759号
【特許文献6】米国特許第6,368,268号
【特許文献7】米国特許第6,695,770号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、触感フィードバックの印象をユーザに与え、ユーザが1つ以上の接触感応スイッチに触れるあり型にしたがって、視覚画像を操作することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の広義の態様によれば、ユーザに触感フィードバックの印象を与えるためのコンピュータ実装方法を提供する。この方法は、
触感依存信号をコンピュータに入力するために、人間の身体部分に類似する形状とした器具を用いるステップと、
器具に関連するまたはこれが示唆する所定の主題に関する少なくとも1つの画像の、複数のコンピュータ・アクセス可能な生のムービー・シーケンスにアクセスするステップと、
触感依存信号にしたがって、コンピュータに接続されているディスプレイ・デバイス上に、生のムービー・シーケンスの1つを表示するステップと、
を備えている。
【0016】
従来技術とは異なり、触感依存信号は、予め格納されている画像および/またはコンピュータ動画画像を1枚ずつ選択するためには用いられず、むしろ一連の接触センサに接触する順番、速さおよび/または圧力にしたがって、予め格納されている画像の選択を可能にする。更に、従来技術では、表示する非動画画像に器具を関連させて、器具が触感依存信号のコンピュータへの伝達を可能とし、コンピュータがこの画像を処理するというような示唆はないように思われる。本発明は、所望の感覚を示唆する物理的遭遇に関与する生の芸術家(live artists)を表示することによって、例えば、特定の表面模様に関連する実際の手触りの感触を補強する触感フィードバックを与える。更に具体的には、性的補助として用いる場合、1つ以上の性的器具との使用によって行われる行動にしたがって異なる性的行為を表示するように前処理されている正規のDVDまたは相当の媒体を用いて、このフィードバックを達成する。
【0017】
本記載および添付した特許請求の範囲の文脈において、「コンピュータ」という用語は、ムービー・シーケンスを表示するように構成され、触感依存信号をコンピュータに入力するための器具の接続が可能なプロセッサを有するあらゆるデバイスを包含することは言うまでもない。つまり、一般に受け入れられている意味におけるコンピュータ以外にも、コンピュータとは、器具を接続するのに適したインターフェースを有する携帯電話機とすることもできる。勿論、このようなインターフェースは直接的な結合を必要とせず、今日高級市場向けセルラ電話機において標準で装備されているIRインターフェースを利用することができる。
【0018】
同様に、本記載および添付した特許請求の範囲の文脈において、「生の」という用語は、ムービーに適用される場合、当該ムービーがコンピュータによって発生または動画化されたのではなく、生きている男優および女優を用いて、器具に関連するテーマを行動で表現することを暗示することは言うまでもない。このことを述べるに際し、このようなムービー、またはそれに加えて提供されるムービーに重ね合わされるアニメーション効果を、特許請求の範囲が除外することは意味しないこととする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を理解するため、そして実際にそれをどのように実施するとよいか確認するために、これよりいくつかの好適な実施形態について、非限定的な一例として、添付図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1および図2は、ユーザ11に感触フィードバックの印象を与えるためのコンピュータ実装システムを示し、このシステム全体を10で示している。システム10は、通信回線13を経由しインターネットを通じてサーバ14に結合されているコンピュータ12を備えている。サーバ14は、メモリ15を有し、その中に、所定の主題に関する少なくとも1つの画像の複数のコンピュータ・アクセス可能なムービー・シーケンス(movie sequence)16を格納している。明確化のために、衣服製造業者または供給業者がその商品をインターネットを通じて販売しようとしていると仮定する。この目的のため、サイトを設定し、衣服の特定品目に関する少なくとも1つの画像を格納する。更に典型的には、種々の角度から観察者が見た場合の、衣服製品着用の模様をできれば示したいと考え、このために複数の画像を格納する。これらが素早く連続的に表示されると、モデル即ちマネキンが衣服品目を着用して、移動または爪先旋回(pirouette)している、ムービー・シーケンスの印象を与える。
【0021】
ユーザ、この場合、潜在的顧客には器具20が供給され、ムービー・シーケンスが描く衣服品目の画像が、この器具20に関連する。本発明の第1実施形態によれば、器具20は、対応する衣服品目またはムービー・シーケンスの図式表現22を貼り付けたカード21(実質的に平面のメンブレーンから成る)である。このような場合、ユーザ11は、このようなカード21の集合を取得する。各カードは、例えば、製造業者または供給業者のカタログにおける異なる衣服品目を描く。
【0022】
キーボード23がコンピュータ12に結合されており、触感依存信号をコンピュータ12に入力するデータ入力源を構成する。ディスプレイ・デバイス24がコンピュータ12に接続されており、触感依存信号にしたがってムービー・シーケンスの1つを表示する。器具20は、少なくとも1つの可撓性エリア25を内部に含み、コンピュータ12に接続されているキーボード23の所定の連続するキー26の上に載っている。例えば、ユーザ11が可撓性エリア25内でその外面を横切って指でかすめることによって器具20に圧力をかけると、ユーザの指が器具の外面を横切ってかすめる方向に応じた順序で、所定の連続するキー26が連続的に押下する。コンピュータは、前記所定の連続キーの押下に応答して、ムービー・シーケンスの1つを抽出し、連続画像を表示して、所望の動きの印象を与えるように構成されている。異なるカード21における可撓性エリア25を連続する別のキー26の上に位置するように配置することによって、可撓性エリアの場所が、それぞれのカードをエンコードするように機能し、コンピュータ12にどのムービー・シーケンスを表示するか通知する。選択されたムービー・シーケンスの内どの画像を実際に表示するか、そしてこれらを表示する順序は、キーが押下された順序、そして可能性としては、押下速度にも応じて決定される。
【0023】
更に、カード21の異なる場所が特定のキー26の上に位置することが分かると、コンピュータ12は、ユーザ11によるカード21の離散点との接触に応答して、ムービー・シーケンスのそれぞれの画像を表示する。更に具体的には、コンピュータ12は、ユーザによる図式表現上における連続点の接触に応答して、選択したムービー・シーケンスの連続画像をそれぞれ表示し、それぞれの連続画像の各々は、それぞれの接触点における図式表現との接触を描くことができる。このようにして、ムービー・シーケンスは、ユーザの図式表現との接触を正確に模倣する。例えば、カード21には、テディ・ベアの人形の図式表現を描くことができる。子供が、図式表現に描かれているテディ・ベアの頭部を叩くと、特定のキー26が順次活性化される。コンピュータ12は、このようにして順次活性化された特定のキー26に応答して、「仮想的な」子供がテディ・ベアの同じ場所を叩く一連の画像を表示することにより、子供の行動を正確に模倣する。望ましければ、可撓性エリア25内にあるカード21の一部に輪郭を付けて、その上に描かれているテディ・ベア(またはその他の画像)の容貌に一層緊密に類似させることもできる。更に、ウェブ・サイトまたはCD−ROMからサウンド・ファイルをコンピュータ12にダウンロードし、結合されているラウドスピーカ27から発声するようにしてもよい。このように、本発明は、触感フィードバックを与え、例えば、特定の表面模様に関連する手触りの実際の感覚を一層高めることができる。何故なら、子供は、彼が実際に本物のテディ・ベアの毛皮コートを叩いている印象を得るからである。
【0024】
同様にして、図式表現およびムービー・シーケンスは、色情的画像を描くこともできる。この場合、例えば、カード21は、女体の一部を描くことができ、ユーザ11がこれをなでると画像のムービー・シーケンスが表示され、彼女自体の身体上における同様の動きを行うモデルを示す。望ましければ、可撓性エリア25内にあるカード21の一部に輪郭を付けて、その上に描かれている女体の一部を一層密接に似せることもできる。ここでも、ラウドスピーカ27による発声のために、サウンド・データをダウンロードすることもできる。図式表現のきわどいエリアには、シフォンまたは絹のような色情的含蓄を有しユーザの意識の中でランジェリを連想させる繊維で覆うとよい。このように、これらのエリアを擦った結果得られるムービー・シーケンスにより、表示されているモデルが着用しているランジェリの感触をユーザが実際に得ている印象をユーザに与える感触フィードバックが得られる。
【0025】
図3aから図3cは、図2に示すキー26の代わりに、またはこれに加えて用いることができる、代替データ入力源を絵画的に示す。データ入力源は、容量性センサ30を備えており、容量性センサ30は、ベース・プレート32と、これからずらした(displace)非平行タブレット33とを有し、双方共金属で形成され、各々、互いに別々の区画34に分割されている。区画毎のベース・プレート32とタブレット33との間の容量は、それら同士の間隔の関数であり、したがって区画に沿った位置にしたがって変化する。非線形誘電体で分離した平行プレートを採用することによっても、同じ効果を得ることができる。
【0026】
使用時には、ユーザが彼の指35でセンサ30に接触し、弱い圧力をタブレット33に加えることによって、区画34の1つが多少ベース・プレート32に向かって変位する。センサ30は、容量計36の一方のアームに接続されており、こうして生成される出力信号の大きさは、ベース・プレート32と押下された区画34のタブレット33との間の容量の関数となる。これは、ユーザの指35のタブレット33に沿った変位の関数であり、したがってタブレットの原点に対するタブレットの一方の軸に沿った変位の関数であり、2つの間にあるほぼ線形な関係に基づく。どの区画34を押下したかが分かれば、タブレットの直交軸に沿った変位の尺度が得られるので、双方の座標を判定することができる。
【0027】
この実施形態の一応用によれば、映像37をタブレット33上に装着し、ユーザの指35の映像に沿った移動が可変信号に変換されてコンピュータ12に供給するようにすることができる。映像37にはバーコード38が関連しており、バーコード・リーダ39がこれを読み取ると、映像37を識別する識別信号を生成する。コンピュータ12は、識別信号に応答して、映像37に対応する、予め格納されている画像のライブラリにアクセスし、変わっていくセンサ信号にしたがって、格納画像の1つを表示するようにプログラムされている。図3a、図3b、および図3cは、ユーザの指35のテディ・ベアの映像37を横切る移動が、どのように、ディスプレイ・デバイス24上の歩行するテディ・ベアのムービー・シーケンスの異なるフレームの表示に変換するかを描画で示している。つまり、図3aは、ユーザがテディ・ベアの頭部に向かって映像37に触れて、ディスプレイ・デバイス24a上には、同じ点においてテディ・ベアをさする手を示す第1フレームが示されているという、第1の状況を示す。図3bでは、ユーザの指35はテディ・ベアの中央部に既に移っており、同様にディスプレイ・デバイス24上には後続のフレームが表示されており、手がテディ・ベアの同じ点まで移動している。図3cでは、ユーザの指35は、テディ・ベアの脚部に既に移っており、ディスプレイ・デバイス24上には後続のフレームが表示されており、手はテディ・ベアの脚部に触れている。
【0028】
更に別の例として、映像37は、ウェブ・サイトを有する会社が供給するカレンダまたはその他の販売促進材料でもよい。ウェブ・サイトにおいて、カレンダ画像の移動を描写した複数のムービー・シーケンスを格納しておく。ユーザは、タブレット33上にカレンダ画像を装着し、会社のウェブ・サイトに接続すると、カレンダ上に示されている同じ画像が、ディスプレイ・デバイス24上に表示される。ユーザが彼または彼女の指35をタブレット33に沿って移動させると、表示画像が変化して、ムービー・シーケンスの印象を与える。即ち、カレンダ画像の特定の場所におけるユーザの指の動きを描写した画像を表示することができる。例えば、カレンダ画像は、ヘア・コンディショナを広告するモデルを示すことができる。ユーザの指35がモデルの頭部のエリアにおいて移動すると、モデルの髪の毛がなびく動きをディスプレイ・デバイス24上に示すことができる。他の応用によれば、モデルの色情的画像を表示し、カレンダ画像上におけるユーザの指35の位置にしたがって、彼女の体の内所望のエリアを示すことができる。
【0029】
更に別の応用によれば、カード上にスポーツ有名人を示すこともできる。選択した有名人上に指で圧力をかけると、ムービー・シーケンスが表示され、選択した有名人が関与するスポーツをプレイしている場面が描写される。これには、教育的補助という用途もある。例えば、タブレット上に装着されている図式表現の中に描かれている数人の音楽家の一人に触れることによって、選択した音楽家が音楽を演奏しているムービー映像が得られ、ラウドスピーカ27を通じて聞くことができる。
【0030】
また、タブレット33は、他のセンサと合わせて用い、ユーザの感情的応答のフィードバックを与えるようにすることもできる。例えば、心臓の画像をタブレット上に装着し、脈拍計(図示せず)をユーザの手首に取り付けることができる。ユーザの心拍が変動すると、変動する信号が脈拍計からコンピュータに供給され、例えば、脈打つ心臓が表示され、その拍動数がユーザの心拍数を正確に模倣するようにプログラムする。望ましければ、ディスプレイ・デバイス上に示されるフィードバック・ムービー・シーケンスは、ユーザに鎮静効果をもたらすように特別に選択することもできる。
【0031】
容量性センサ30を、交差スイッチの行列を有する従来のパッドと置き換えることができ、これによって、パッドのいずれかの点を押下することによりスイッチの1つを閉鎖して、x−およびy−座標を判定することが可能となる。
【0032】
別の応用によれば、Pegasus Technologies Ltd.がFreeDという商品名で提供し、彼らのウェブ・サイトhttp://www.netvision.net.il/~pegに記載されているような、三次元トラッカ(tracker)を採用することができる。本質的に、L字状ブラケットが、ディスプレイ・モニタ24の隣接する側縁の周囲に取り付けられており、各アームの縁端には超音波変換器を有する。第3の超音波変換器が、ブラケットの角に取り付けられている。ユーザは彼または彼女の中手指節関節に移動トラッカ・ユニットを装着する。これは、従来の左および右のマウス型プッシュボタン・スイッチを有する。移動トラッカ・ユニットの位置は、三角測量法を用いることによって、リアル・タイムで約0.2mmの精度で判定される。移動ユニットからのボタン情報は、赤外線信号を介して転送され、移動トラッカ・ユニットを完全にワイヤレスにすることが可能である。このようなトラッカにより、ユーザは三次元物体を把握することが可能となり、その寸法(dimension)を示す信号を得ることができる。このような手段によって、コンピュータは、選択した物体の寸法、またはその選択した点間の物体の範囲に応答して、対応するムービー・シーケンスを表示することができる。三次元物体は、鳥のような生体であってもよく、その翼の範囲をリングによって検知し、飛んでいる鳥のムービー・シーケンスをディスプレイ上に示すことができる。その特性は、検出した翼の範囲、またはその他のいずれかの所望の測定値によって異なってくる。
【0033】
ユーザの脈拍を測定するための脈拍計の使用について記載した。しかしながら、体温、皮膚の抵抗などのような他の生理的変数を検知するために、他のセンサも等しく用いることもできる。これらは、同様に用いて、測定したパラメータにしたがって画像表示またはサウンド・シーケンスを制御することにより、バイオフィードバックを提供することができる。
【0034】
図4aおよび図4bは、「感覚」記録簿(feeling book)40に関する、本発明の更に別の応用を示す。「感覚」記録簿40の各ページには、それぞれのインターネット・アドレスが、サウンドおよび画像ファイルと共に格納されている。使用する際、ユーザは記録簿のウェブ・サイトにアクセスし、紹介用ホーム・ページを受信する。図4aに描くような一実施形態によれば、ページは取り外し可能であり、各ページを取り外し、次いで図3bを参照して前述したような種類のタブレット上に装着することができる。こうして、図4bに示すように、記録簿のページ41を記録簿40から取り外し、容量性センサ30の上に装着する。記録簿のウェブ・サイトにおいて対応するハイパーリンクを有する新たなページ番号を示す信号が得られ、こうしてしかるべきサウンドおよび画像ファイルをダウンロードすることが可能となる。現在のページ数を識別するために、各ページにバーコード42を印刷しておけば、微小バーコード・リーダ43によって読み取ることができる。バーコード・リーダ43は、現ページ41の近くに並べて取り付け、コンピュータ12に接続することにより、現ページ番号を示すデータをこれに供給することができる。
【0035】
リーダが彼または彼女の指で映像をかすめると、ページ上に描かれている図式表現は、それに関連するムービー・シーケンスを表示することができる。これによって、リーダとの相互作用型アニメーション効果をプレイすることができ、図式表現の外部繊維に関連する手触りの感覚をリーダにフィードバックすることができる。このように、リーダは、ムービー・シーケンスにおいて示されるキャラクタとの本当の接触が行われているように感じる。
【0036】
図5は、花46を描いたカード45の更に別の実施形態を示す。花56の花弁は、密閉した香水莢(pod)47を内包しており、指の圧力に応答してここから香水が放出する。カード45の使用は、図面の図3を参照して先に説明したものと同様であり、開花のビデオ・シーケンスを表示することができる。指の圧力を花弁にかけると、香水が放出する。ここでも、花弁は、指が本当の花と接触している感覚をユーザに与える材料で形成されている。
【0037】
これまで、本発明の説明は、とりわけ、物体または人あるいはその容貌を図式表現を貼り付けたカードに関して行ってきた。更に、このようなカード上に描かれている画像の一部は、必要であれば、人の身体の一部を似せた形状とすることもできることも注記した。しかしながら、本発明の更に別の実施形態によれば、器具20の全体を、人の身体の一部に似せた形状としてもよい。
【0038】
図6は、透明な材料で形成し内孔51を有する貫入センサ50を絵画的に示す。内孔51内には、指、舌、または陰茎のような身体部材(body member)を挿入することができる。センサ50は、その外面に沿ってセンサ対54、55が配置されており、その中に挿入された部材の貫入の深さを示すようになっている。各センサ対は、LEDのような赤外線光源54と、対応する1対の赤外線検出器55とを備えることができる。赤外線検出器55は、互い違いにセンサ50の対向する面に実装されており、赤外線光源54の内いずれか1つの放出光が2つの赤外線センサ55に衝突するようにしている。このような貫入センサ50は、代用膣として機能し、ユーザが身体部材を挿入して、可変の速さおよび圧力でセンサを活性化することができる。このため、ユーザの部材を更に孔51内に向かって貫入すると、連続センサ信号が生成する。コンピュータは、貫入が進むに連れて、それに応答して色情的内容を強めた画像を表示するようにプログラムすることができる。構成全体を、包囲型筐体56内に入れることもできる。
【0039】
図7は、貫入センサ50の詳細を平面図で示す。赤外線光源54および赤外線検出器55と隣接するセンサ50の外面は、内孔51に平坦な側面を予め形成することにより、または側壁を切り詰めることにより、または包囲型筐体56に平坦な側面を形成することのいずれかにより平面化し、内孔51を中に挿入したときに、赤外線光源および検出器に近接するその材料が押しつぶされることにより、所望の平面化効果を得るようにする。
【0040】
光源および検出器に隣接する内孔51の側壁を平面化することにより、赤外線光源54が放出する光が直進し、貫入センサ貫入センサ50の側壁を直接貫通し、対向する側面に出射して、互い違いになった検出器55の対に衝突することが確実に行われる。完全に円筒状断面を用いると、赤外線光源54が放出する光の少なくとも一部が散乱し、検出器55に到達しない。この場合、どうしても検出器55が受信する信号の強度が低下し、不十分となる。
【0041】
図8は、貫入センサ50の模式図であり、その動作モードを示す。つまり、ユーザが身体部材またはその他の物体をセンサの内孔51に挿入すると、赤外線光源54からの光が交差し、対応する検出器対55が信号の受信を停止する。同じ対の第2検出器は、ユーザの、例えば、指が第2検出器を妨害するまで、信号の受信を停止しない。このように、第1検出器への信号が少なくとも部分的に中断されてから、同じ対における第2検出器への光が中断されるまでに要する時間は、ユーザが指を貫入センサ50に挿入する速さの関数となる。
【0042】
図9は、赤外線光源54の1つが放出し、それぞれの検出器55に衝突した赤外線光56のビームを模式的に示す。2つの検出器55が対応するセンサ54に対して互い違いにずれているために、光ビーム56の断面が、細長く、即ち、楕円形になっているのが分かる。その結果、物体を貫入センサ50に挿入すると、物体は光ビーム57を鈍く遮断し、光が完全に検出器55に達するのを遮断される前に物体が横断しなければならない光ビーム56の断面の幅は、単一の検出器55を直接光源54に対向して配置した場合よりも大きくなる。これによって、判別がし易くなり、実際には、物体が第1検出器へのビームを遮断し始めてから、第2検出器へのビームを完全に遮断するまでの間にカウントできる離散二進レベルの数を増加させることができる。こうして分解能を高めた信号により、物体が隣接する検出器の間を貫通する間に経過する時間間隔において表示できるビデオ・シーケンスの離散フレーム数が増加することができる。
【0043】
好ましくは、内孔51の内面を弾性材料で形成すれば、その中に挿入する身体部材の全幅にしたがって半径方向に拡大および縮小することが可能となる。このような場合、センサ対54、55の一部または全部を圧力センサとするとよく、これらの圧力センサは、身体部材によって作動させられると、信号を生成する。例えば、性的不能に悩む男性ユーザが、彼の陰茎を孔に挿入すると、孔51の内面に対して圧力を加える。その大きさは彼の陰茎幅の関数となる。一方、これを彼の勃起強度と明確に相関付ければ、生成されるセンサ信号は、「ポンピング」レート(pumping rate)および勃起強度を特徴付けることになる。陰茎は極快感の後縮小するので、貫入深度を監視することにより、極快感の瞬間を判定することができる。コンピュータ12は、色情的画像を描写したムービー・シーケンスを表示するようにプログラムされており、これらの画像は、例えば、器具の触感的刺激に応答して、患者の行為を正確に模倣することができる。このような画像は患者に更に刺激を与え、彼の勃起力が高まり、このため圧力センサ54、55上の圧力が更に上昇することがわかっている。コンピュータは、一層刺激が強い色情的内容を有する画像を表示するようにプログラムしてもよく、これによって更に一層の刺激を誘発し、患者の不安を減少するのを助け、このような手段によって、彼の性的不能を克服する。
【0044】
図10は、器具60を示す代替実施形態を絵画的に示す。器具60は、全体的に円筒状の陰茎に似た形状を有し、その外面に沿ってセンサ62が配置されており、女性患者が同様に用いるためのものである。つまり、器具60をユーザの膣に奥深く挿入すると、センサ62は貫入の深さを示す連続信号を生成する。コンピュータは、センサの信号に応答して、一層刺激が強い色情的内容を有する画像を表示し、これによって更に大きな刺激を誘発する。
【0045】
センサ62は、マイクロスイッチとするとよく、その状態(開または閉)は、膣の壁によって押下されるときに切り替わる。あるいは、または加えて、これらが生成する信号の大きさを、電気的抵抗の関数としてもよい。すると、電気抵抗は膣内の湿潤の関数として変動し、女性の刺激に反比例して減少する。あるいは、これらを圧力センサとしてもよく、器具と膣の内壁との間で圧力が加わると圧力センサが活性化する。
【0046】
図6から図10を特に参照してこれまでに説明した実施形態は、表示する画像またはサウンド・トラックが他の生理的特性にしたがって変化することができるように、図3に示すような他のセンサで補ってもよい。つまり、例えば、脈拍や体温および抵抗を監視することもできる。これらの全てはユーザの覚醒状態を示し、測定した変数を組み合わせた関数にしたがって、画像およびサウンド・トラックを選択する。
【0047】
同様に、器具50および60には、回転センサ(図示せず)を備えて、器具の回転を監視可能とすることもできる。器具の異なる配向(orientation)に対して、各々、異なるムービー・シーケンスを格納することもできる。器具の回転時に、動きセンサがそれぞれの信号を生成することにより、器具の配向を判定することが可能となり、ムービー・シーケンスの内異なる1つをダウンロードすることができる。これによって、柔軟性が増し、応用範囲が拡大することができる。
【0048】
更にまた、図6から図10に示す器具自体にアクチュエータを備えてもよい。アクチュエータは、例えば、色情的内容に応じたムービー・シーケンスと共に供給される信号に応答する。このような手段により、触感的感覚をユーザにフィードバックすることもできる。一例として、器具50の側面を、ソレノイドによって収縮させることができる。ソレノイドは、モデルが彼女の足を閉じるときの信号によって起動することにより、ユーザの陰茎を締め付ける。信号は、ウェブ・サイトからダウンロードしてもよく、または、ムービーのような同じコンピュータ読み取り可能媒体に格納されているデータに応答して、ユーザのコンピュータによって内部で生成してもよい。
【0049】
図11は、インターネットを通じて選択したページをダウンロードするために、本発明の使用に関連する主要なステップを示すフローチャートである。カードまたはその他の器具の上には図式表現が描かれており、これをデータ入力源上に置いて、ユーザは、印刷されたカードまたは器具と関連があるウェブ・サイトに接続する。ウェブ・サイトは、JavaTMアプレットをユーザのコンピュータにダウンロードする。コンピュータは、データ入力源からの信号の受信を待つ。その受信時に、信号をデコードし、対応するファイルをコンピュータにダウンロードし出力する。ファイルは、ディスプレイ・デバイス上での表示のためのグラフィック・ファイル、またはラウドスピーカによる再生のためのサウンド・ファイルでもよい。
【0050】
尚、図11に示すフロー図は、簡略化されており、部分的であることは理解されよう。実際には、特定のウェブ・サイトに接続すると、データがユーザのサイトに予め取り込まれ、ユーザのキャッシュ内に既に選択が存在する場合に、その選択に直接応答してウェブ・サイトからサウンドまたはグラフィック・データの各ページをダウンロードする必要性を回避している。また、CD−ROMまたはDVDのような大容量記憶媒体によって、ユーザのコンピュータにデータを供給することができることも認められよう。一手法によれば、アプリケーションの見本版を、インターネットを通じて、またはモデル経由の電話回線を通じてダウンロードすることができ、次いで継続して使用するためには、CD−ROM上の販売版を購入することもできる。このようなムービーの販売版は、視聴者がリプレイ中に映画俳優と相互作用(interact)できるように構成されていなければならない。具体的には、このような相互作用に適した区間にマークを付けておき、相互作用できる区間を見ているときが視聴者に分かるようにする。更に、このような区間をリプレイする速さは、ユーザと器具との双方向処理の速さに応じて調節しなければならない。
【0051】
図12は、DVDのようなビデオ媒体を、リプレイ中の生相互作用を可能とするようにフォーマットするのに適した一方法に関連する主要な作用を示すフロー図である。通例、DVDは、MPEGのような適したビデオ・フォーマットでエンコードされた複数のムービー・フレームを収容している。ムービー・データと同期したオーディオ・サウンド・トラックも提供する。
【0052】
ビデオ・データをフォーマットするには、ムービー・データの1つ以上の区間に対応し、複数の静止画像を収容する静止画像(フレーム)を収容するファイルを作成する。静止画像は、例えば、JPEGフォーマットとするとよい。既定の原点に対して、ムービー・データの各フレームがレンダリング(render)されるときがわかる。既定の原点は、通例、ムービーの開始点である。このしるし(token)によって、タイム・スタンプを各静止画像に関連させることができる。タイム・スタンプは、同様に、ファイル内にも格納し、このファイルをDVD上に格納すると、DVDをプレイするコンピュータ、または正規のDVDプレーヤに応答的に結合されるコンピュータがDVDにアクセス可能となる。タイム・スタンプは、ムービーの連続するフレームを識別し、これらを補助ファイルにおける対応する静止画像と相関付けるように機能する。したがって、「タイム・スタンプ」という用語は、補助ファイルにおける静止映像との相関付けを可能にする、ムービー・フレームの測定可能な特性であればいずれでも包含することを意図していることは理解されよう。これらは、字句上の意味での時間である必要はなく、むしろフレームに順次付番することができる番号であり、この場合、フレームの「タイム・スタンプ」は、単に順序付けたシーケンスにおける番号である。
【0053】
つまり、実際には、DVD媒体は2つのファイルを収容する。1つは、ビデオおよびオーディオ・データを収容する元のムービー・シーケンスであり、もう1つは、静止画像の集合を収容する補助ファイルであり、各集合はムービーの個々の区間に対応し、ユーザとの生相互作用を可能にする。同様に、ムービー・ファイルの各「相互作用区間」に関連する元のサウンド・トラックに対応して、補助サウンド・トラックも構築し、補助ファイルに格納する。可変長作動信号を器具に供給し、その強さが色情的内容によって変化する場合、このような信号を表すデータも同様に補助ファイルに格納しておくとよい。
【0054】
図13は、図12にしたがってフォーマットしたDVDまたはその他のビデオ媒体との生相互作用のための方法に関連する主要作用を示すフロー図である。使用の際、DVDをプレイすると、コンピュータは補助ファイルを読み取り、ムービー・ファイルの各「相互作用区間」に関連するタイム・スタンプから、いつ各相互作用区間が開始し終了するか推論する。各「相互作用区間」に関連する開始時点を、実際の再生時間と比較する。実際の再生時間は、勿論、分かっている。このような手段により、コンピュータは、現在プレイしているムービー区間がいつ「相互作用区間」になるのか、つまり、視聴者による生相互作用に適しているのか判定することができる。適している場合、マーカを表示して視聴者に警告するとよい。ユーザは、彼が望むのであれば、現行のムービー区間で相互作用する。このようなマーカは、例えば、画面の上に表示するアイコンまたはテキスト・メッセージとすることができる。視聴者は、ムービーをその元の形態で見続ければ満足する可能性もあり、その場合彼は単に何もしなければよい。
【0055】
しかしながら、彼が現行の区間で相互作用したい場合、正規表示モードから相互作用表示モードに切り換えることができ、器具と相互作用すると、補助ファイル内にある静止画像が素早く連続して表示される。その速さは、彼の器具との相互作用の速さに応じて変化する。同時に、ビデオ表示の速さには関係なく、補助サウンド・トラックを一定の速さで発声させることができ、生ずるサウンドに合わせてピッチを変更することを回避する。各「相互作用区間」に対して十分な数の静止画像が格納されており、器具とのゆっくりとした相互作用であっても、十分に高い表示速度(毎秒25フレームよりも高い)でこれらが表示されるのであれば、得られる表示にはフリッカがなく、したがって、表示の速さの変動以外は、元のムービー・シーケンスから区別することはできない。多数の内部または外部センサを有し、その長さに沿って配置されている、図6または図10に示すような器具の場合、所定数の静止画像に各センサを関連付けておき、それぞれのセンサが活性化されたときにはいつでも表示できるようにする。このため、図6に示す器具を考えると、男性の陰茎のような物体を器具の孔に速く挿入する程、センサの作動が速くなり(即ち、図8に示す実施形態では、連続するセンサ間の光の連続性が速く遮断される)、静止画像が速くリプレイされることになる。同時に、処理したオーディオ・ファイルを、処理したビデオ画像と共にプレイして、元のサウンド・トラックを再現する。したがって、この場合も元のムービー・シーケンスとは区別することはできない。
【0056】
リプレイ中の相互作用を可能にするようにビデオ・ファイルを前処理する仕方に関する以上の説明は、一例であり、多くの他の手法が可能であることは認められよう。説明したような補助ファイルのフォーマットは、DVDまたはその他のコンピュータ読み取り可能媒体には適している。ビデオ・カセット・テープは、単に連続的にプレイできるだけであり、ビデオ・テープの中間シーケンスの異なる部分に前後にジャンプすることができないため、直接的には適していない。しかしながら、1つ以上の補助ファイルを前述のように設け、ビデオ・テープと同期させれば、相当する効果を得ることができる。勿論、このような場合、ビデオ・テープは、予めフォーマットしてある補助ファイル(複数の補助ファイル)コンピュータ上に装填した後に、コンピュータを通じてプレイすることになる。好ましくは、これは、ビデオ・テープの製造業者または流通業者が行い、補助ファイルをビデオ・テープに個別に同期させるようにするとよい。ビデオ・テープを開始すると、コンピュータは、後続フレームのタイム・スタンプを補助ファイル内の静止映像と相関付けることができる。あるいは、ムービー媒体を前処理することなく、手作業で近似的な同期を達成することもできる。このような場合、フィルムの始点に達したときに、ユーザがコンピュータ上にある「同期」(sync)アイコンを設定してムービーの原点を設定し、補助ファイルにおける対応する静止映像が存在する場合に、後続のムービー・フレームのタイム・スタンプまたはフレーム番号が、これらの静止映像の判定を可能にするように機能する。このような近似的な同期は理想的ではないが、元のムービー媒体を前処理する必要性を回避し、最も重要なのは、補助ファイルを販売したり、あるいはムービー媒体とは独立して入手可能にできることである。これは、勿論、ムービーを格納した媒体が直接コンピュータで読み取り可能なときに、更になお実現可能性が高くなる。何故なら、原点が単純に最初のフレームであればよいからであり、あるいは補助ファイルにおいて静止映像の原点を規定するように機能する特殊な原点フレームによって識別できるからである。
【0057】
原点をムービーの一部として格納するか、または独立して設定可能であるかには関係なく、補助ファイルをムービーと同期させる、または予めフォーマットされている補助ファイルを適正にムービーに同期させるのを確証できるということは、ムービーの供給業者または相応しい第三者が、ムービーの所定の区間に相関付ける補助ファイルを供給でき、本発明にしたがって器具と相互作用するようにこれらを視認可能にすることを意味する。同じしるしによって、所与のムービーと共に用いるために異なる補助ファイルを提供することができ、ムービーとは関係なく販売できるだけでなく、個別に販売することができ、ムービーに関連する補助ファイルのシリーズ全体をユーザが収集することが可能となる。このような補助ファイルは、インターネット上でダウンロードできると便利であるが、これらは、フロッピ・ディスク、ディスク・オン・キー(disk-on-key)、CD−ROM等のような、適したコンピュータ読み取り可能媒体であればいずれにでも提供することができる。
【0058】
また、ある種の実施形態は、一例として説明したのであり、そして異なる実施形態間の相互関係の詳細な記載なく説明したことも注記してしかるべきである。しかしながら、当業者には容易に明らかになるような仕方で、一実施形態の特徴を別の実施形態の特徴と組み合わせることができ、添付した特許請求の範囲は、このような組み合わせを包含することを意図している。
【0059】
また、一部の好適な実施形態は、特に、コンピュータ・アクセス可能なムービー・シーケンスおよびその他のファイルを、インターネットを通じてダウンロードすることに関して説明したが、ファイルはCD−ROM、DVDまたはその他のローカル・アクセス可能媒体上にローカルに格納してもよいことも注記しておく。同様に、ムービー・シーケンスの1つ以上の区間に関する補助データを収容し、視聴者が、コンピュータに結合された本発明による器具を用いて、このような区間で相互作用できるコンピュータ読み取り可能ファイルに加えて、本発明は、その範囲の中に、ムービー・シーケンスを収容する媒体も包含する。
【0060】
また、視聴者とムービーとの生の相互作用は、相互作用式にレンダリングすることができる前処理済みファイルを収容する、特別にフォーマットされた媒体を生産するようなDVDの適応(adaptation)に関して特に説明したが、同様の原理は、他のフォーマットにも適用でき、疑いなく、本発明はDVDのみに限定されるのではないことも注記してしかるべきである。つまり、例えば、適したムービー・フォーマットであればいずれでも、インターネットを通じてダウンロードし、処理して、図12を参照して前述した仕方で補助ファイルを作成し、後に視聴者との相互作用を可能にすることができる。処理したファイルは、CD−ROMまたはDVDのようなコンピュータ読み取り可能媒体にコピーすることができる。あるいは、これらをインターネットを通じてユーザのコンピュータにダウンロードすることもできる。
【0061】
最後に、本発明は、コンピュータ・プログラム生産物および機械読み取り可能媒体によっても実施可能であり、ユーザから受信した触感依存信号にしたがって、所定の主題のユーザ・コンピュータ・アクセス可能なムービー・シーケンスを、コンピュータに表示させることができることは言うまでもない。コンピュータは、インターネットを経由してクライアント・コンピュータに結合されているウェブ・サーバとし、クライアント・コンピュータに画像をダウンロードして表示することができるが、先に注記したように、クライアント・コンピュータは単体でもよく、そのコンピュータに限ったデータを読み取るように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明によるシステムを機能的に示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態による、図1に示したシステムと共に用いる器具を示す図式表現である。
【図3a】図3aは、図1に示すシステムと共に用いる代替データ入力源を示す図式表現である。
【図3b】図3bは、図1に示すシステムと共に用いる代替データ入力源を示す図式表現である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに触感フィードバックの印象を与えるためのコンピュータ実装方法であって、
触感依存信号をコンピュータに入力するために、人間の身体部分に類似する形状とした器具を用いるステップと、
前記器具に関連するまたはこれが示唆する所定の主題に関する少なくとも1つの画像の、複数のコンピュータ・アクセス可能な生のムービー・シーケンスにアクセスするステップと、
前記触感依存信号にしたがって、前記コンピュータに接続されたディスプレイ・デバイス上に、前記生のムービー・シーケンスの1つを表示するステップと、
を備えた、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記器具は、市販製品と関連付けられており、前記ムービー・シーケンスは、その選択または購入を補助するために、前記製品の異なるモデルを描く、方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の方法であって、更に、前記少なくとも1つのムービー・シーケンスと共にサウンド・トラックを再生するように、前記ムービー・シーケンスの少なくとも1つにサウンド・シーケンスを関連させるステップを含む、方法。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法であって、更に、
ユーザのそれぞれの生理的変数を表す補助信号を検知するステップと、
前記検知した生理的変数の関数にしたがって、前記ムービー・シーケンスの1つを選択するステップと、
を含む、方法。
【請求項5】
請求項1のいずれか1項に記載の方法であって、更に、
前記少なくとも1つのムービー・シーケンスの指定機能を表す作動信号を受信するステップと、
前記作動信号によって前記器具の補助的性質を制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法であって、更に、
前記器具の異なるエリアをそれぞれの物体と関連付けるステップと、
前記物体から選択した1つに接触したときに、前記コンピュータに、前記選択した物体を示す信号を入力するステップと、
を含み、これにより、前記表示するムービー・シーケンスが前記選択した物体と関連付けられる、方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法において、生のムービー・シーケンスを表示するステップは、
相互作用型視聴のために構成されるべき少なくとも1つの区間を有するムービーが格納したコンピュータ読み取り可能媒体にアクセスするステップと、
相互作用型視聴のために1つ以上の区間を選択するステップと、
前記ムービーから選択した各区間に関連しこれらと同期するそれぞれの静止画像を収容するコンピュータ読み取り可能ファイルにアクセスするステップと、
前記ムービーから選択した各区間に関連するそれぞれの静止画像を連続的に表示して、一連の静止画像が、前記触感依存信号のシーケンスにしたがって変動する少なくとも1つの特性を有するようにするステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、前記少なくとも1つの特性は、前記静止画像を表示する速さであり、ユーザと器具との間の相互作用の速さに依存する、方法。
【請求項9】
ユーザに触感フィードバックの印象を与えるコンピュータ実装システムであって、
所定の主題に関する少なくとも1つの画像の複数のコンピュータ・アクセス可能な生のムービー・シーケンスを格納するメモリに結合されたコンピュータと、
前記少なくとも1つの画像に関連する人間の身体部分に類似する形状とした器具と、
触感依存信号を前記コンピュータに入力するための、前記器具と関連する少なくとも1つのデータ入力源と、
前記触感依存信号にしたがって、前記ムービー・シーケンスの1つを表示するために、前記コンピュータに接続されたディスプレイ・デバイスと、
を備えた、コンピュータ実装システム。
【請求項10】
請求項9記載のシステムにおいて、前記器具は、市販製品と関連付けられており、前記ムービー・シーケンスは、その選択または購入を補助するために、前記製品の異なるモデルを描く、システム。
【請求項11】
請求項9または10記載のシステムであって、更に、ユーザのそれぞれの生理的変数を表す補助信号を測定するための補助センサを含み、これによって、前記測定した補助信号の関数にしたがって、前記ムービー・シーケンスを選択する、システム。
【請求項12】
請求項9から11までのいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記ムービー・シーケンスの少なくとも1つと共にサウンド・トラックを再生するように、前記ムービー・シーケンスの少なくとも1つにサウンド・シーケンスを関連させ、
前記サウンド・シーケンスを発声するため前記コンピュータにラウドスピーカを結合した、システム。
【請求項13】
請求項9から12までのいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記器具は、それに関連する動作特性を制御するために少なくとも1つのアクチュエータを含み、
前記コンピュータは、前記少なくとも1つのムービー・シーケンスに応答して、対応する作動信号を前記少なくとも1つのアクチュエータに供給する、システム。
【請求項14】
請求項9から13までのいずれか1項に記載のシステムにおいて、
所定の主題に関する前記少なくとも1つの画像の各々について、前記メモリは、前記器具の異なる配向に関して、各々、少なくとも2つのコンピュータ・アクセス可能なムービー・シーケンスを格納し、
その配向を検出するために、前記器具に、少なくとも1つの動きセンサを結合し、
前記コンピュータは、前記器具の配向またはその配向のずれに応答して、前記少なくとも2つのコンピュータ・アクセス可能なムービー・シーケンスの各1つを選択する、システム。
【請求項15】
請求項9から14までのいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記メモリは、CD ROMまたはDVDのような大容量記憶媒体である、システム。
【請求項16】
請求項9から15までのいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記メモリをリモートで前記コンピュータに結合した、システム。
【請求項17】
請求項16記載のシステムにおいて、前記メモリを、インターネットを通じて前記コンピュータにアクセス可能なリモート・サーバと関連させた、システム。
【請求項18】
性的刺激を提供するためのコンピュータ実装方法であって、
触感依存信号のシーケンスをコンピュータに入力するために、性的テーマを描く器具または性的テーマを示唆する器具を用いるステップと、
前記コンピュータに接続されたディスプレイ・デバイス上に、前記触感依存信号のシーケンスにしたがって変動する少なくとも1つの特性を有する生の色情的ムービー・シーケンスを表示するステップと、
を備えた、コンピュータ実装方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、前記生の色情的ムービー・シーケンスを表示するステップは、
相互作用型視聴のために構成されるべき少なくとも1つの区間を有する生の色情的ムービーが格納されたコンピュータ読み取り可能媒体にアクセスするステップと、
相互作用型視聴のために構成されるべき各区間に関して、前記ムービーから選択した各区間に関連しこれらと同期するそれぞれの静止画像を収容するコンピュータ読み取り可能ファイルにアクセスするステップと、
ユーザが前記ムービーを相互作用的に視聴することを望む場合、前記ムービーから選択した区間に関連するそれぞれの静止画像を連続的に表示するステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、前記少なくとも1つの特性は、前記静止画像を表示する速さであり、ユーザと器具との間の相互作用の速さに依存する、方法。
【請求項21】
請求項18から20までのいずれか1項に記載の方法において、前記色情的ムービー・シーケンスを表示するステップは、
前記器具内に少なくとも1つの可撓性エリアを設けるステップと、
前記少なくとも1つの可撓性エリアがキーボードの所定の一連のキーに重なるように、前記コンピュータのキーボードに対して所定の関係に前記器具を配置するステップと、
前記所定の一連のキーを押下したことに応答して、前記ムービー・シーケンスの1つを抽出するステップと、
を含み、これによって、前記少なくとも1つの可撓性エリア内において前記器具に圧力を加えることにより、前記所定の一連のキーを連続的に押下する、方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、前記器具は、前記ムービー・シーケンスの対応する1つの図式表現が描かれた実質的に平坦なメンブレーンである、方法。
【請求項23】
請求項21または22記載の方法において、色情的ムービー・シーケンスを表示するステップは、連続圧力を前記所定の一連のキーに加える速さに依存する速さで、前記ムービー・シーケンスを表示することを含む、方法。
【請求項24】
請求項21から23までのいずれか1項に記載の方法において、前記少なくとも1つの可撓性エリア内における前記器具の一部に輪郭を付ける、方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法において、前記少なくとも1つの可撓性エリア内における前記器具の前記一部に対して、人間の身体部分に類似するように輪郭を付ける、方法。
【請求項26】
請求項18から25までのいずれか1項に記載の方法において、前記器具を、人間の身体部分に類似する形状とした、方法。
【請求項27】
請求項18から26までのいずれか1項に記載の方法において、前記器具は、市販製品と関連付けられており、前記ムービー・シーケンスは、その選択または購入を補助するために、前記製品の異なるモデルを描く、方法。
【請求項28】
請求項18から27記載の方法であって、更に、前記ムービー・シーケンスの少なくとも1つと共にサウンド・トラックを再生するように、前記ムービー・シーケンスの少なくとも1つにサウンド・シーケンスを関連させるステップを含む、方法。
【請求項29】
請求項18から28までのいずれか1項に記載の方法であって、更に、
ユーザのそれぞれの生理的変数を表す補助信号を検知するステップと、
前記検知した生理的変数の関数にしたがって、前記ムービー・シーケンスの1つを選択するステップと、
を含む、方法。
【請求項30】
請求項18から29までのいずれか1項に記載の方法であって、更に、
前記少なくとも1つのムービー・シーケンスの指定機能を表す作動信号を受信するステップと、
前記作動信号によって前記器具の補助的性質を制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項31】
請求項18から30までのいずれか1項に記載の方法であって、更に、
前記器具の異なるエリアをそれぞれの物体と関連付けるステップと、
前記物体から選択した1つに接触したときに、前記コンピュータに、前記選択した物体を示す信号を入力するステップと、
を含み、これにより、前記表示する色情的ムービー・シーケンスが前記選択した物体と関連付けられる、方法。
【請求項32】
請求項7、18、19および20のいずれか1項に記載の方法と共に用いるコンピュータ読み取り可能媒体であって、
ムービーのそれぞれの区間の少なくとも1つの静止画像シリーズと、コンピュータに、各静止画像シリーズを前記ムービーのそれぞれの区間と関連付けさせるデータとを収容する補助ファイルを含み、
これによって、使用中において、前記静止画像シリーズの1つを、前記ムービーのそれぞれの区間の代わりに表示可能とする、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項33】
請求項32記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記補助ファイルは、更に、サウンド・データを含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項34】
ユーザに触感フィードバックの印象を与えるコンピュータ実装システムであって、
複数のコンピュータ・アクセス可能な生の色情的ムービー・シーケンスを格納するメモリに結合されたコンピュータと、
性的テーマを描くまたはこれを示唆する器具と、
触感依存信号を前記コンピュータに入力するための、前記器具と関連する少なくとも1つのデータ入力源と、
前記触感依存信号にしたがって、前記色情的ムービー・シーケンスの1つを表示するために、前記コンピュータに接続されたディスプレイ・デバイスと、
を備えた、コンピュータ実装システム。
【請求項35】
請求項34記載のシステムにおいて、
前記器具は、前記コンピュータのキーボードの所定の一連のキーに重なるように、前記器具内に少なくとも1つの可撓性エリアを含み、前記少なくとも1つの可撓性エリア内において前記器具に圧力を加えることにより、前記所定の一連のキーを連続的に押下し、
前記コンピュータは、前記所定の一連のキーの押下に応答して、前記ムービー・シーケンスの1つを抽出するように構成された、システム。
【請求項36】
請求項35記載のシステムにおいて、前記コンピュータは、連続圧力を前記所定の一連のキーに加える速さに依存する速さで、前記ムービー・シーケンスを表示するように構成された、システム。
【請求項37】
請求項35記載のシステムにおいて、前記コンピュータは、前記ユーザによる前記器具との少なくとも1つの接触点に応答して、前記ムービー・シーケンスのそれぞれの画像を表示する、システム。
【請求項38】
請求項35記載のシステムにおいて、前記器具は「感触記録簿」である、システム。
【請求項39】
請求項38記載のシステムにおいて、バーコード・リーダが読み取るために、各ページ上に、バーコード・フォーマットでページ番号をエンコードし、前記バーコード・リーダが、前記メモリ内のそれぞれの記憶位置からデータを抽出するために、対応する信号を生成する、システム。
【請求項40】
請求項35記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの可撓性エリア内における前記器具の一部に輪郭を付ける、システム。
【請求項41】
請求項40記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの可撓性エリア内における前記器具の前記一部に対して、人間の身体部分に類似するように輪郭を付ける、システム。
【請求項42】
請求項35記載のシステムにおいて、前記器具は、前記ムービー・シーケンスの対応する1つの図式表現をもつ実質的に平坦なメンブレーンである、システム。
【請求項43】
請求項42記載のシステムにおいて、
前記コンピュータは、前記ユーザによる前記図式表現との連続する接触点に応答して、前記ムービー・シーケンスのそれぞれの連続画像を表示し、
前記それぞれの連続画像の各々は、前記ムービー・シーケンスが、ユーザの前記図式表現との接触を正確に模倣するように、それぞれの接触点における前記図式表現との接触を描く、システム。
【請求項44】
請求項34記載のシステムにおいて、前記メモリは、CD ROMまたはDVDのような大容量記憶媒体である、システム。
【請求項45】
請求項34記載のシステムにおいて、前記メモリをリモートで前記コンピュータに結合した、システム。
【請求項46】
請求項34記載のシステムにおいて、
所定の主題に関する前記少なくとも1つの画像の各々について、前記メモリは、前記器具の異なる配向に関して、各々、少なくとも2つのコンピュータ・アクセス可能なムービー・シーケンスを格納し、
その配向を検出するために、前記器具に、少なくとも1つの動きセンサを結合し、
前記コンピュータは、前記器具の配向またはその配向のずれに応答して、前記少なくとも2つのコンピュータ・アクセス可能なムービー・シーケンスの各1つを選択する、システム。
【請求項47】
請求項34記載のシステムであって、ユーザのそれぞれの生理的変数を表す補助信号を測定するための補助センサを含み、これによって、前記測定した補助信号の関数にしたがって、前記ムービー・シーケンスが選択される、システム。
【請求項48】
請求項34記載のシステムにおいて、
前記ムービー・シーケンスの少なくとも1つと共にサウンド・トラックを再生するように、前記ムービー・シーケンスの少なくとも1つにサウンド・シーケンスを関連させ、
前記サウンド・シーケンスを発声するために、前記コンピュータにラウドスピーカを結合した、システム。
【請求項49】
請求項34記載のシステムにおいて、
前記器具は、それに関連する動作特性を制御するために少なくとも1つのアクチュエータを含み、
前記コンピュータは、前記少なくとも1つのムービー・シーケンスに応答して、対応する作動信号を前記少なくとも1つのアクチュエータに供給する、システム。
【請求項50】
請求項34記載のシステムにおいて、前記器具を、人間の身体部分に類似する形状とした、システム。
【請求項51】
請求項50記載のシステムにおいて、前記器具は、その外面に沿ってセンサを配置した、全体的に円筒状の部材を含む、システム。
【請求項52】
請求項50記載のシステムにおいて、前記ムービー・シーケンスは色情的画像を描き、前記コンピュータは、前記器具の触感刺激に応答して、前記色情的画像のそれぞれを表示するように構成された、システム。
【請求項53】
請求項52記載のシステムにおいて、前記器具は、その内面に沿ってセンサを配置した、可撓性孔を含む、システム。
【請求項54】
請求項53記載のシステムにおいて、前記孔は、その中に挿入される部材の全体的な幅に依存して半径方向に膨張および収縮することができる弾性材料で形成された、システム。
【請求項55】
請求項53記載のシステムにおいて、前記センサは、内部に挿入される部材の貫入深度を示すように、前記孔の長さに沿って配置された、システム。
【請求項56】
男性が彼の陰茎を前記孔に挿入することによる請求項54記載のシステムの使用法であって、
前記孔の内面に対する前記陰茎の移動によって生成される圧力感応信号を生成するステップであって、前記圧力感応信号は、前記陰茎の幅の関数である大きさを有する、ステップと、
前記圧力感応信号の大きさの関数である内容を有する生の色情的画像を表示するステップと、
を備えた、方法。
【請求項57】
男性が彼の陰茎を前記孔に挿入することによる請求項55記載のシステムの使用方法であって、
前記孔の内面に対する前記陰茎の移動によって生成され、次第に増える陰茎の貫入を示す連続圧力感応信号を生成するステップと、
前記圧力可能信号の大きさの関数である内容を有する生の色情的画像を表示するステップと、
を備えた、方法。
【請求項58】
ユーザに触感フィードバックの印象を与えるためのコンピュータ実装方法であって、
触感依存信号をコンピュータに入力するために器具を用いるステップと、
前記器具に関連するまたは当該器具が示唆する所定の主題に関する少なくとも1つの画像の、複数のコンピュータ・アクセス可能な生のムービー・シーケンスにアクセスするステップと、
前記触感依存信号にしたがって、前記コンピュータに接続されたディスプレイ・デバイス上に、前記生のムービー・シーケンスの1つを表示するステップと、
ユーザのそれぞれの生理的変数を表す補助信号を検知するステップと、
前記検知した生理的変数の関数にしたがって、前記ムービー・シーケンスの1つを選択するステップと、
を備えた、コンピュータ実装方法。
【請求項59】
コンピュータ・プログラムであって、該プログラムをコンピュータ上で走らせたときに請求項1から6、18から31、および56から58までのいずれか1項に記載の方法を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードを備えた、コンピュータ・プログラム。
【請求項60】
請求項59記載のコンピュータ・プログラムであって、コンピュータ読み取り可能媒体上に具体化した、コンピュータ・プログラム。

【図3b】図3bは、図1に示すシステムと共に用いる代替データ入力源を示す図式表現である。
【図3c】図3cは、図1に示すシステムと共に用いる代替データ入力源を示す図式表現である。
【図4a】図4aは、本発明の別の実施形態による、図1に示すシステムと共に用いる別の器具を示す図式表現である。
【図4b】図4bは、本発明の別の実施形態による、図1に示すシステムと共に用いる別の器具を示す図式表現である。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態による、図1に示すシステムと共に用いる別の器具を示す図式表現である。
【図6】図6は、図1に示すシステムと共に用いる貫入センサを示す図式表現である。
【図7】図7は、図6に示す貫入センサの平面図を示す図式表現である。
【図8】図8は、図6に示した貫入センサの動作モードを示す模式表現である。
【図9】図9は、図6に示した貫入センサにおいて赤外線ビームと交差する物体を示す模式表現である。
【図10】図10は、図1に示すシステムと共に用いる別の種類の貫入センサの図式表現である。
【図11】図11は、図1に示すシステムを用いて、感触フィードバックを与える方法に関連する主要な作用を示すフロー図である。
【図12】図12は、リプレイの間に生の相互作用を可能にするためにDVDまたはその他のビデオ媒体をフォーマットする方法に関連する主要な作用を示すフロー図である。
【図13】図13は、図12にしたがってフォーマットしたDVDまたはその他のビデオ媒体との生の相互作用のための方法に関連する主要な作用を示すフロー図である。
【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2008−521070(P2008−521070A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531950(P2007−531950)
【出願日】平成16年9月19日(2004.9.19)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000858
【国際公開番号】WO2006/030407
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(507088680)イー.ビー.ティー.インタラクティブ・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】