説明

ユーザ推薦サーバシステム、ユーザ推薦プログラム及びソーシャルネットワークサービス提供システム

【課題】簡易に、興味の対象あるいは感性が類似しているユーザを推薦することができるユーザ推薦サーバシステム、ユーザ推薦プログラム及びソーシャルネットワークサービス提供システムを提供すること。
【解決手段】イベントに参加するユーザが使用するユーザ端末装置30の専用アプリケーション37が送信する加速度センサ36の出力に応じた情報がネットワーク1、通信処理部11を介して盛り上がり入力部13に供給され、盛り上がり入力部13が盛り上がり状況を示す情報としてイベント情報記録部12に記録する。盛り上がり類似度判定部15はユーザ情報記録部14に記録されている各ユーザに対応する盛り上がり状況を示す情報の類似度を判定する。類似ユーザ通知部16は、ユーザに対して当該ユーザと盛り上がり状況の類似度が所定の値以上である他のユーザを推薦する通知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばいわゆるソーシャルネットワークサービスのユーザに他のユーザを推薦するユーザ推薦サーバシステム、ユーザ推薦プログラム及びソーシャルネットワークサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ソーシャルネットワークサービス等のサービスにおいて、サービスのユーザに他のユーザを推薦する技術として、ユーザの現在位置と相手に求める条件等に応じてマッチングを行う技術(例えば特許文献1)、同時刻に近接した位置にいるユーザについてマッチングを行う技術等が知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−172223号公報
【特許文献2】特開2008−176406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、ユーザが相手に求める条件等を入力する手間がかかっていた。また、特許文献2に開示された技術では、ユーザの興味、感性等を考慮したより細かなマッチングを行うことはできないため、興味の対象あるいは感性が類似しているユーザを推薦することはできない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易に、興味の対象あるいは感性が類似しているユーザを推薦することができるユーザ推薦サーバシステム、ユーザ推薦プログラム及びソーシャルネットワークサービス提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するための本発明のユーザ推薦サーバシステムは、ユーザ毎に固有の識別情報とイベント内の所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を受信する受信手段と、ユーザ毎の識別情報と所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を対応づけて保持する盛り上がり状況保持手段と、前記受信手段が受信した前記ユーザ毎の識別情報と所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を対応付けて前記盛り上がり状況保持手段に格納する格納手段と、前記盛り上がり状況保持手段に保持されている複数のユーザの盛り上がり状況を示す情報の間の類似度を求める類似度判定手段と、ユーザに、類似度が所定の値以上である他のユーザについての情報を含む推薦メッセージを通知する通知手段と、を備えている。
【0007】
この発明によれば、盛り上がり状況保持手段に保持されているイベント内の所定の時間間隔毎の複数のユーザの盛り上がり状況を示す情報の間の類似度を求め、ユーザに、類似度が所定の値以上である他のユーザを推薦する通知を行う。同一のイベントには、興味の対象あるいは感性が類似しているユーザが集まると考えられるため、このようなイベントを利用することにより、簡易に、興味の対象あるいは感性が類似しているユーザを推薦することができる。
【0008】
(2)また、本発明のユーザ推薦サーバシステムは、前記受信手段が、加速度センサと、加速度センサの出力から当該端末装置の振動を検出する検出部と、検出した振動に応じた情報を前記受信手段に送信する送信手段とを有する携帯情報端末装置からの前記振動に応じた情報を受信し、前記格納手段が、受信した前記振動に応じた情報を、前記盛り上がり状況を示す情報として前記盛り上がり状況保持手段に格納する構成を有している。
【0009】
この発明によれば、携帯情報端末装置の振動に応じた情報により、当該携帯情報端末装置を使用するユーザの盛り上がり状況を簡易に入力することができる。
【0010】
(3)また、本発明のユーザ推薦サーバシステムは、前記類似度判定手段が、前記盛り上がり状況手段に保持されている前記振動に応じた情報が所定の値以上である場合に、類似度を求める構成を有している。この発明によれば、興味の対象あるいは感性が類似していないユーザを推薦することを防止することができる。
【0011】
(4)また、本発明のユーザ推薦サーバシステムは、前記格納手段が、前記所定の時間間隔毎に、前記受信した前記振動に応じた情報を、前記盛り上がり状況を示す情報として前記盛り上がり状況保持手段に格納する構成を有している。この発明によれば、携帯情報端末側の処理負荷を低減させることができる。
【0012】
(5)また、本発明のユーザ推薦サーバシステムは、イベント開催時間を所定の分割数に分割した各々の区間の開始時刻と終了時刻を保持する区間データ保持手段を備え、前記類似度判定手段は、前記盛り上がり状況保持手段に格納されている各ユーザの所定の時間間隔毎の盛り上がり状況を示す情報を、前記区間データ保持手段に保持されている各区間毎に集計し、各ユーザの集計した盛り上がり状況を示す情報に応じて、前記類似度を求める構成を有している。このように、区間毎に集計した盛り上がり状況を示す情報に応じて類似度を求めることにより、類似度を求める処理の負荷を低減させることができる。
【0013】
(6)また、本発明のユーザ推薦プログラムは、他のユーザについての情報を含む推薦メッセージをユーザのアドレス宛に送信するサーバシステムで実行されるユーザ推薦プログラムであって、当該サーバシステムを、ユーザ毎に固有の識別情報とイベント内の所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を受信する受信手段、ユーザ毎の識別情報と所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を対応づけて保持する盛り上がり状況保持手段、前記受信手段が受信した前記ユーザ毎の識別情報と所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を対応付けて前記盛り上がり状況保持手段に格納する格納手段、前記盛り上がり状況保持手段に保持されている複数のユーザの盛り上がり状況を示す情報の間の類似度を求める類似度判定手段、ユーザに、類似度が所定の値以上である他のユーザについての情報を含む推薦メッセージを通知する通知手段、として機能させる。
【0014】
この発明によれば、盛り上がり状況保持手段に保持されている複数のユーザの盛り上がり状況を示す情報の間の類似度を求め、ユーザに、類似度が所定の値以上である他のユーザを推薦する通知を行うことにより、簡易に、興味の対象あるいは感性が類似しているユーザを推薦することができる。
【0015】
(7)また、本発明のソーシャルネットワークサービス提供システムは、本発明のユーザ推薦サーバシステムと、保持手段に保持したデータをユーザ間で共有する共有サービスを提供する共有サービス提供手段と、複数のユーザ間の関係性を示す情報を保持する関係性保持手段と、関係性保持手段に保持されたユーザ間の関係性を示す情報に応じて前記共有サービス提供手段による共有サービスの提供を制限するアクセス制限手段と、前記関係性保持手段に保持されたユーザ間の関係性を示す情報の設定を行う設定手段とを有するソーシャルネットワークサービス提供手段とを備える構成を有している。この発明によれば、簡易に、興味の対象あるいは感性が類似しているユーザを推薦することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るユーザ推薦サーバシステムは、簡易に、興味の対象あるいは感性が類似しているユーザを推薦することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るユーザ推薦装置の一実施形態におけるソーシャルネットワークサービス提供システムの構成を示すブロック図である。
【図2】イベント進行表のデータの例を示す図である。
【図3】クォータ表のデータの例を示す図である。
【図4】クォータ回数表のデータの例を示す図である。
【図5】参加者盛り上がり類似表のデータの例を示す図である。
【図6】ユーザ情報記録部に保持されるユーザ情報の例を示す図である。
【図7】会員DBに保持される各ユーザ間の関係性を示すテーブルの例を示す図である。
【図8】ユーザ端末装置の使用態様を示すイメージ図である。
【図9】サーバ装置で実行される類似度判定の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
なお、以下に説明する実施形態は、ネットワーク経由で複数のユーザ間のソーシャルネットワークサービスを提供するソーシャルネットワークサービス(以下、SNSという。)提供システムに、本発明を適用した場合の実施形態である。
【0020】
<構成>
まず、図1を用いてSNS提供システムの構成について説明する。なお、図1は、当該SNS提供システムの全体の構成を示す図である。
【0021】
このSNS提供システムは、有線あるいは無線のネットワーク1で接続されたサーバ装置(ユーザ推薦サーバシステム)10と、携帯電話端末装置あるいはスマートフォン等の携帯情報端末装置あるいはブックリーダ、携帯ゲーム機等からなるユーザ端末装置(端末装置)30と、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置からなるユーザ端末装置(端末装置)40とを備えている。このSNS提供システムは、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40からの要求に応じて、ユーザ間でのメッセージの送受信、文章や画像等のデータの共有等のサービスを提供するようになっている。これらのサービスは、例えばユーザが設定した知人、友人等の関係性に応じて提供する範囲を制限することができるようになっている。
【0022】
サーバ装置10は、インターネット等のネットワーク1を介した通信を制御する通信処理部11と、イベントに参加した各ユーザの盛り上がり状況を示す情報を保持するイベント情報記録部(盛り上がり状況保持手段)12と、ユーザ端末装置30から供給される各ユーザの盛り上がり状況を示す情報をイベント情報記録部12に記録する盛り上がり入力部(受信手段、格納手段)13と、各ユーザについての情報を保持するユーザ情報記録部14と、イベント情報記録部12に記録されている各ユーザの盛り上がり状況を示す情報間の類似度を判定する盛り上がり類似度判定部(類似度判定手段)15と、類似度が所定の値より高い他のユーザを推薦する通知を行う類似ユーザ通知部(通知手段)16と、会員登録をしているユーザ向けのサービスを提供する会員サービス提供部(ソーシャルネットワークサービス提供手段)20とを備えている。
【0023】
会員サービス提供部20は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)サービスを提供するHTTPサーバ21と、会員登録をしているユーザについての情報を保持する会員DB(関係性保持手段)22と、会員登録をしているユーザがサービスを利用する際の認証(ログイン処理)を行うログイン処理部23と、各ユーザ間のメッセージの配信を制御するメッセージ配信制御部24と、各ユーザが送受信するメッセージを保持するメールボックス(M−BOX)25と、文章、画像等のデータの共有サービスを提供する共有サービス提供部(共有サービス提供手段、アクセス制御手段)26と、共有サービスによって共有するデータを保持する共有DB27と、各ユーザ間の関係性を設定する関係性設定部(設定手段)28とを備えている。なお、この実施形態では、会員サービス提供部20をサーバ装置10内に設けた構成例を示しているが、会員サービス提供部20をサーバ装置10とは別個の装置として設けてもよい。さらに、盛り上がり入力部13、入力処理部15等を別個の装置として設けてもよい。
【0024】
また、ユーザ端末装置30は、ネットワーク1を介したサーバ装置10等との通信を制御する通信処理部31と、HTTPサーバ21が提供するHTTPサービスを利用するWebブラウザ32と、HTTPサービスに応じた画像等を表示する表示部33と、ユーザからの指示等を入力する入力部34と、スクリプト言語等で記述されたプログラム(アプリケーション)を実行するVM(Virtual Machine)等からなる実行環境35と、ユーザ端末装置30の加速度を検出する加速度センサ36と、この加速度センサ36の検出出力等の盛り上がり状況を示す情報を所定の時間間隔(例えばイベントのクォータ[イベントの開催時間の4分の1の時間]毎等)でサーバ装置10宛てに送信する専用アプリケーション(検出部、送信手段)37を備えている。また、このユーザ端末装置30は、端末装置毎に固有の識別情報(携帯端末固有ID)38を記憶しており、専用アプリケーション37が盛り上がり状況を示す情報を送信する際に、携帯端末固有ID38も一緒に送信するようになっている。
【0025】
このユーザ端末装置30は、ユーザが会員サービス提供部20が提供するサービスを利用する際等にも使用する。なお、ユーザ端末装置30は、加速度センサ36の出力に応じた盛り上がりを示す情報と、当該ユーザ端末装置30を使用しているユーザを特定する情報(携帯端末固有ID38、あるいは当該ユーザの識別情報[user_id]等)を盛り上がり入力部13に送信できる構成であれば、例えば握りやすい物体に設けた加速度センサ36の出力を、近距離通信を行う通信手段(例えば小電力の電波や赤外線等を用いた無線通信やケーブルを介した有線通信等)を介して取得し、盛り上がりを示す情報等を盛り上がり入力部13に送信する手段を有する構成としてもよい。また、ユーザ端末装置30にGPS等のユーザ端末装置30の位置を検出する手段を設け、盛り上がりを示す情報等と共に、ユーザ端末装置30の位置を示す情報を盛り上がり入力部13に送信する構成としてもよい。
【0026】
また、ユーザ端末装置40は、ネットワーク1を介したサーバ装置10等との通信を制御する通信処理部41と、HTTPサーバ21が提供するHTTPサービスを利用するWebブラウザ42と、HTTPサービスに応じた画像等を表示する表示部43と、ユーザからの指示等を入力する入力部44とを備えている。このユーザ端末装置40は、ユーザが会員サービス提供部20が提供するサービスを利用する際等に使用する。
【0027】
ネットワーク1は、例えばTCP/IPプロトコルで通信を行うようになっており、通信処理部11は、通信パケットを、ポート毎に盛り上がり入力部13、HTTPサーバ21等に振り分けるようになっている。
【0028】
ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40のユーザが会員サービス提供部20が提供するサービスを利用する際には、Webブラウザ32又はWebブラウザ42からHTTPサーバ21のアドレスを入力して、サービスの利用要求を送信する。この利用要求は、ネットワーク1、通信処理部11を介してHTTPサーバ21に供給される。HTTPサーバ21は、利用要求を受信すると、まず、ログイン処理部23によってログイン処理を行った後、メッセージ配信制御部24、共有サービス提供部26等が提供するサービスをHTTPサーバ21を介して提供するようになっている。
【0029】
<データ構造>
図2は、上述のイベントの開催時間を示すイベント進行表12Aの例を示している。このイベント進行表12Aには、イベントの名前を示す情報[description]と、この情報に対応する開始時刻[start_datetime]と終了時刻[end_datetime]とが記録されている。
【0030】
図3は、上述のイベント毎に設けられるクォータの時間を示すクォータ表12Bの例を示している。このクォータ表12Bには、各クォータの名前を示す情報[quarter]と、この情報に対応する開始時刻[start_datetime]と終了時刻[end_datetime]とが記録されている。
【0031】
図4は、上述のイベント毎に設けられる各ユーザの各クォータ内の盛り上がりを示すクォータ回数表12Cの例を示している。このクォータ回数表12Cには、各ユーザ毎に固有の識別情報[user_id]と、この識別情報に対応する各クォータ毎の盛り上がりを示す情報[q_1]、[q_2]、[q_3]、[q_4]とが記録される。なお、この例では、ユーザ端末装置30側の専用アプリケーション37が各クォータ内で各ユーザがユーザ端末装置30を振った回数を求め、この回数を各クォータ毎の盛り上がりを示す情報として盛り上がり入力部13に送信した場合の例を示している。また、この盛り上がりを示す情報は、この各ユーザがユーザ端末装置30を振った回数でなくてもよく、例えば加速度センサ36が検出した加速度の累積値、あるいはこの累積値と各ユーザがユーザ端末装置30を振った回数の両方等としてもよい。
【0032】
図5は、上述の盛り上がり類似度判定部15が求める各ユーザの盛り上がりを示す情報間の類似度を示す参加者盛り上がり類似表12Dの例を示している。この参加者盛り上がり類似表12Dには、各ユーザ間の類似度を、当該ユーザの識別情報[user_id]と、この識別に対応する対象のユーザの識別情報[target_id]と対象のユーザと当該ユーザの類似度[score]とが記録されている。
【0033】
図6は、上述のユーザ情報記録部14に記録されるユーザ情報の例を示している。このユーザ情報としては、上述のユーザの識別情報[user_id]と当該ユーザのユーザ名[user_name]と当該ユーザが使用するユーザ端末装置30の携帯端末固有IDとが記録されている。
【0034】
また、図7は、上述の会員サービス提供部20の会員DB22に記録される各ユーザ間の関係性を示すテーブル22Aの例を示している。このテーブル22Aには、例えばユーザの識別情報[user_id]と当該ユーザの「友人」として設定された他のユーザの識別情報[friend_id]とが記録されている。
【0035】
共有サービス提供部26は、このテーブル22Aの情報に応じて、例えばあるユーザが共有DB27に格納したデータの公開範囲を、「友人」として設定されている他のユーザに制限する。具体的には、この共有サービス提供部26は、あるユーザが共有サービスを利用する際に、テーブル22Aの情報を参照し、上述の[friend_id]に登録されている他のユーザが共有しているデータについての情報を共有DB27から取得し、取得したデータに対するリンク情報等を含むHTML形式あるいはXML形式等のページ記述データを作成する。作成したページ記述データは、HTTPサーバ21、通信処理部11、ネットワーク1を介してユーザ端末装置40のWebブラウザ42(あるいはユーザ端末装置30のWebブラウザ32)に供給される。
【0036】
これに応じて、Webブラウザ42(あるいはWebブラウザ32)が表示部43(あるいは表示部33)に表示される画像を見たユーザは、入力部44(あるいは入力部34)によって指示を入力することにより、共有サービス提供部26に対して「友人」として設定されている他のユーザが共有しているデータの送信を要求することができるようになる。
【0037】
<動作>
次に、本実施形態に係るSNS提供システムの動作を説明する。このSNS提供システムでは、全体として、各々独立して実行される以下の3つの処理がある。
(1)イベント入力
この処理では、予めイベントの名前、開始時刻、終了時刻、各クォータの開始時刻、終了時刻等の情報を設定する。
(2)盛り上がり入力
この処理では、専用アプリケーション37が、盛り上がり状況を示す情報を盛り上がり入力部13宛に送信し、盛り上がり入力部13がイベント情報記録部12に盛り上がり状況を示す情報を記録する。
(3)類似度判定及びユーザの推薦
この処理では、盛り上がり類似度判定部15が、イベント情報記録部12に記録されている各ユーザの盛り上がり状況を示す情報間の類似度を判定し、類似度が所定の値(例えば後述の例のように0.85等)より高いユーザについて類似ユーザ通知部16がユーザの推薦の通知を行う。
【0038】
<イベント入力>
このSNS提供システムでは、予め、サーバ装置10が備えるキーボード等の入力手段(図示せず)からの入力、あるいは各項目の内容を含むデータファイル等からの入力等により、イベント情報記録部12中のイベント進行表12A、クォータ表12Bのデータを設定しておく。
【0039】
<盛り上がり入力>
図8は、盛り上がり入力処理における、ユーザ端末装置30の使用態様を示すイメージ図である。ユーザは、イベントに参加する前に、予め専用アプリケーション37を起動しておく。専用アプリケーション37は、盛り上がり入力部13から参加するイベントについての各クォータの開始時刻と終了時刻を取得しておく。ユーザは、イベントを視聴しながら、盛り上がったタイミングでユーザ端末装置30を振る。
【0040】
専用アプリケーション37は、各クォータの開始時刻と終了時刻の間の加速度センサ36の検出出力から、ユーザの盛り上がり状況を示す情報(例えば、上述のユーザ端末装置30が振られた回数)を求める。さらに、専用アプリケーション37は、各クォータ毎に、当該クォータ内でユーザ端末装置30が振られた回数を示す情報と、当該ユーザ端末装置30の携帯端末固有IDとを盛り上がり入力部13宛に送信する。
【0041】
盛り上がり入力部13は、専用アプリケーション37から送信された情報を受信すると、携帯端末固有IDに対応するユーザの識別情報[user_id]をユーザ情報記録部14から取得し、当該クォータ内でユーザ端末装置30が振られた回数に対応付けて、上述のクォータ回数表12Cに記録する。これにより、イベントが終了すると、当該イベントの各クォータ内で各ユーザがユーザ端末装置30を振った回数がクォータ回数表12Cに記録される。
【0042】
<類似度判定及びユーザの推薦>
盛り上がり類似度判定部15は、イベント進行表12Aに基づいて、イベントが終了するのを待機しており、イベントが終了すると、図9に示す処理を実行して類似度の判定を行う。まず、盛り上がり類似度判定部15は、クォータ回数表12Cに記録されているデータを1名分抽出し(S1)、クォータ回数表12C中のユーザ端末装置30を振った回数の合計が、所定の値(例えば当該イベントの開催時間分数)Tより小さいか否かを判定する(S2)。
【0043】
ユーザ端末装置30を振った回数の合計が所定の値Tより小さい場合には、他のユーザとの類似度が高い場合でも、興味の対象あるいは感性が類似しているユーザとは限らない場合がある。このため、盛り上がり類似度判定部15は、予め類似度の判定対象から除外しておく。このため、ユーザ端末装置30を振った回数の合計が所定の値Tより小さい場合には、盛り上がり類似度判定部15は、当該ユーザについては他のユーザとの類似度の判定は行なわず、クォータ回数表12Cの次のユーザが存在するか否かを判断する(S5)。これにより、興味の対象あるいは感性が類似していないユーザを推薦することを防止することができる。
【0044】
逆に、ユーザ端末装置30を振った回数の合計が所定の値T以上である場合には、盛り上がり類似度判定部15は、当該ユーザとクォータ回数表12Cにデータが登録されている他の全てのユーザとの間の類似度をコサイン類似度によって判定し(S3)、求めた類似度[score]を、対象となる他のユーザの識別情報[target_id]と対応付けて参加者盛り上がり類似表12Dに記録する(S4)。
【0045】
ここで、コサイン類似度による類似度は、具体的には、例えば以下のように求める。
クォータ回数表12Cに記録されている参照ユーザのデータ[q_1]、[q_2]、[q_3]、[q_4]をx1、x2、x3、x4とし、比較するユーザのデータ[q_1]、[q_2]、[q_3]、[q_4]をy1、y2、y3、y4とすると、
類似度[score]は、次式によって求められる。
【数1】

【0046】
このように求めた類似度を[score]を、対象となる他のユーザの識別情報[target_id]と対応付けて参加者盛り上がり類似表12Dに記録すると、盛り上がり類似度判定部15は、クォータ回数表12C内に次のユーザが存在するか否かを判断する(S5)。次のユーザが存在しなければ類似度の判定を終了し、存在していれば、次のユーザについて同様の処理(S1〜S5)を繰り返す。このような処理により、上述の図5に示すように、参加者盛り上がり類似表12Dに各ユーザと、当該ユーザと他の全てのユーザとの類似度[score]が求められる。
【0047】
<ユーザの推薦>
盛り上がり類似度判定部15がユーザ間の類似度を求めると、類似ユーザ通知部16は、類似度が所定の値(例えば0.85等)より高い他のユーザを推薦する通知を行う。具体的には、例えば類似ユーザ通知部16が、通知先のユーザに対して推薦する他のユーザの識別情報[user_id]等を含む推薦メッセージを生成し、生成したメッセージをメッセージ配信制御部24に供給することによって行う。
【0048】
このようなメッセージが供給されると、メッセージ配信制御部24は、当該メッセージをM−BOX25中の通知先のユーザに割り当てられた領域に格納する。このメッセージは、当該通知先のユーザが使用するユーザ端末装置40のWebブラウザ42(あるいはユーザ端末装置30のWebブラウザ32)からの送信要求があると、HTTPサーバ21、ネットワーク1等を介してWebブラウザ42(あるいはWebブラウザ32)に供給され、表示部43(あるいは表示部33)に表示されるようになっている。
【0049】
このような通知を見たユーザは、当該通知で推薦されたユーザを「友人」としたい場合には、Webブラウザ42(あるいはWebブラウザ32)を操作してHTTPサーバ21宛てに当該通知で推薦されたユーザに対する関係性の変更を要求する。この要求には、先に推薦されたユーザの識別情報[user_id]と当該識別情報に対応するユーザを「友人」とする旨の指示等が含まれている。HTTPサーバ21を介して、このような要求が供給されると、関係性設定部28は、会員DB22中のテーブル22A中の、Webブラウザ42(あるいはWebブラウザ32)を操作しているユーザの識別情報[user_id]に対応する[friend_id]の欄に、上述の要求中に含まれているユーザの識別情報[user_id]を記録する。これにより、共有サービス提供部26によるサービスの提供時等に、新たに登録されたユーザが「友人」として扱われるようになる。
【0050】
<効果>
この実施形態のSNS提供システムでは、上述のように、ユーザに、盛り上がり状況を示す情報の類似度が高い他のユーザを推薦することができ、簡易に、興味の対象あるいは感性が類似しているユーザを推薦することができる。また、盛り上がり状況を示す情報を、イベントに参加した際の加速度センサ36の検出出力に応じて求めているため、ユーザに負担をかけずに取得することができる。
【0051】
なお、上述の図9中のS3における類似度の判定では、コサイン類似度を用いていたが、クォータ回数表12Cに記録されているユーザの盛り上がり状況を示す情報(ユーザ端末装置30が振られた回数)間の類似度を示す指標であれば、コサイン類似度以外の指標を用いてもよい。このような指標を用いてユーザ間の盛り上がりの類似度を判定した場合にも、上述と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、上述の説明では、区間(クォータ)毎に集計した盛り上がり状況を示す情報(区間内でユーザ端末装置30が振られた回数)に応じて類似度を求めることにより、類似度を求める処理の負荷を低減させることができる。また、上述の説明では、イベント内の時間を4分割した時間内の盛り上がり状況を示す情報の類似度に応じて、推薦するユーザを決めていたが、4分割には限られず、イベント内の時間をさらに細かく分割して盛り上がり状況を示す情報を取得すれば、さらに詳細な類似度を求めることができる。
【0053】
あるいは、イベントの変わりに、ストリーミングによって再生される動画、音声等をユーザが視聴する際の盛り上がり状況を示す情報を上述と同様に取得し、取得した情報に基づいて上述と同様に、類似度を求めるようにしてもよい。
【0054】
なお、上述の説明では、盛り上がり状況を示す情報として、加速度センサ36の出力に応じて専用アプリケーション37が検出したユーザ端末装置30が振られた回数を用いていたが、専用アプリケーション37により、例えばユーザ端末装置30の表示部33にユーザが盛り上った際に所定のキーを押下するように指示する画像を表示しておき、専用アプリケーション37がキーが押下された回数を所定の時間間隔毎に盛り上がり入力部13宛てに送信するようにしてもよい。また、このような動作であれば、ユーザ端末装置40のWebブラウザ42が同様の画像を表示させ、Webブラウザ42が所定時間毎に所定のキーが押下された回数を盛り上がり入力部13宛てに送信するようにしてもよい。
【0055】
<変形例>
次に、本実施形態のSNS提供システムの変形例について説明する。この変形例に係るSNS提供システムは、上述の図1と同様の構成を有している。この変形例に係るSNS提供システムでは、イベント進行表12Aは設けず、一定の時間毎に、ユーザの盛り上がり状況を示す情報を取得し、当該時間を分割した所定の区間(例えば4区間)内の盛り上がり状況を示す情報の類似度を求めるようにしている。
【0056】
この変形例では、専用アプリケーション37は、加速度センサ36の出力に応じてユーザ端末装置30が振られた回数をカウントしており、所定の時間[例えば1分毎等]毎に、当該時間内に振られた回数を求め、この回数を示す情報(盛り上がり状況を示す情報)と、当該ユーザ端末装置30の携帯端末固有IDとを盛り上がり入力部13宛に送信する。
【0057】
盛り上がり入力部13は、専用アプリケーション37から送信された情報を受信し、回数を携帯端末固有ID毎に保持しておく。この後、盛り上がり入力部13は、一定の時間(例えば20分等)毎に、当該時間内の所定の区間(例えば5分づつの4区間等)の開始時刻と終了時刻を示す上述の図3と同様の構成のクォータ表12Bを作成する。さらに、盛り上がり入力部13は、このクォータ表12Bに基づいて、上述のように携帯端末固有ID毎に保持しておいた回数を各区間毎に合計し、上述と同様のデータ構成のクォータ回数表12Cに記録する。
【0058】
盛り上がり類似度判定部15は、上述の動作と同様に、クォータ回数表12Cに記録されたデータから、各ユーザ間の類似度を求め、類似ユーザ通知部16が類似度が所定の値以上の他のユーザを推薦する通知を行う。
【0059】
上述のような動作により、上述と同様の効果に加えて、予めイベント進行表12Aを作成しておく必要がなく、当該SNS提供システムの管理者の作業負荷を低減させることができる。また、上述のような動作では、専用アプリケーション37は、所定の時間毎に加速度センサ36の出力に応じてユーザ端末装置30が振られた回数に応じた情報等を盛り上がり入力部13に送信するだけでよく、各クォータ毎の集計を行う必要がないため、ユーザ端末装置30側の処理負荷を低減させることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 … ネットワーク
10 … サーバ装置
12 … イベント情報記録部
13 … 盛り上がり入力部
14 … ユーザ情報記録部
15 … 盛り上がり類似度判定部
16 … 類似ユーザ通知部
20 … 会員サービス提供部
21 … HTTPサーバ
22 … 会員DB
24 … メッセージ配信制御部
25 … M−BOX
30 … ユーザ端末装置
36 … 加速度センサ
40 … ユーザ端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ毎に固有の識別情報とイベント内の所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を受信する受信手段と、
ユーザ毎の識別情報と所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を対応づけて保持する盛り上がり状況保持手段と、
前記受信手段が受信した前記ユーザ毎の識別情報と所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を対応付けて前記盛り上がり状況保持手段に格納する格納手段と、
前記盛り上がり状況保持手段に保持されている複数のユーザの盛り上がり状況を示す情報の間の類似度を求める類似度判定手段と、
ユーザに、類似度が所定の値以上である他のユーザについての情報を含む推薦メッセージを送信する通知手段と、を備えるユーザ推薦サーバシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のユーザ推薦サーバシステムにおいて、
前記受信手段は、
加速度センサと、加速度センサの出力から所定の時間間隔毎の当該端末装置の振動を検出する検出部と、検出した所定の時間間隔毎の振動に応じた情報を前記受信手段に送信する送信手段とを有する携帯情報端末装置からの前記振動に応じた情報を受信し、
前記格納手段は、
受信した前記振動に応じた情報を、前記盛り上がり状況を示す情報として前記盛り上がり状況保持手段に格納する、ユーザ推薦サーバシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のユーザ推薦サーバシステムにおいて、
前記類似度判定手段は、前記盛り上がり状況手段に保持されている前記振動に応じた情報が所定の値以上である場合に、類似度を求める、ユーザ推薦サーバシステム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のユーザ推薦サーバシステムにおいて、
前記格納手段は、前記所定の時間間隔毎に、前記受信した前記振動に応じた情報を、前記盛り上がり状況を示す情報として前記盛り上がり状況保持手段に格納する、ユーザ推薦サーバシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のユーザ推薦サーバシステムにおいて、
イベント開催時間を所定の分割数に分割した各々の区間の開始時刻と終了時刻を保持する区間データ保持手段を備え、
前記類似度判定手段は、
前記盛り上がり状況保持手段に格納されている各ユーザの所定の時間間隔毎の盛り上がり状況を示す情報を、前記区間データ保持手段に保持されている各区間毎に集計し、各ユーザの集計した盛り上がり状況を示す情報に応じて、前記類似度を求める、ユーザ推薦サーバシステム。
【請求項6】
他のユーザについての情報を含む推薦メッセージをユーザのアドレス宛に送信するサーバシステムで実行されるユーザ推薦プログラムであって、
当該サーバシステムを、
ユーザ毎に固有の識別情報とイベント内の所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を受信する受信手段、
ユーザ毎の識別情報と所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を対応づけて保持する盛り上がり状況保持手段、
前記受信手段が受信した前記ユーザ毎の識別情報と所定の時間間隔毎の当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を対応付けて前記盛り上がり状況保持手段に格納する格納手段、
前記盛り上がり状況保持手段に保持されている複数のユーザの盛り上がり状況を示す情報の間の類似度を求める類似度判定手段、
ユーザに、類似度が所定の値以上である他のユーザについての情報を含む推薦メッセージを通知する通知手段、
として機能させる
ユーザ推薦プログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のユーザ推薦サーバシステムと、
保持手段に保持したデータをユーザ間で共有する共有サービスを提供する共有サービス提供手段と、複数のユーザ間の関係性を示す情報を保持する関係性保持手段と、関係性保持手段に保持されたユーザ間の関係性を示す情報に応じて前記共有サービス提供手段による共有サービスの提供を制限するアクセス制限手段と、前記関係性保持手段に保持されたユーザ間の関係性を示す情報の設定を行う設定手段とを有するソーシャルネットワークサービス提供手段とを備える、ソーシャルネットワークサービス提供システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−208838(P2012−208838A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75218(P2011−75218)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】