説明

ユーザ間の親密度に基づいた表示序列制御システム及び方法

【課題】SNSにおける個々の会員間の濃淡さまざまな親密度を、新鮮さが損なわれることなく、かつシステム運営に過度な負荷を生じさせることなく、フィードや会員一覧の表示序列制御に反映させることが可能な表示序列を実現すること。
【解決手段】各行動の軽重に応じて表示序列の決定に反映する構成を異なるものとすることにより、ユーザにとって利用のしやすいフィード表示ないしユーザ一覧の表示が実現される。これにより、より利用しやすいSNSシステムが実現されることとなり、人と人との交流が促進され、サービスとしての質が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)におけるユーザやフィードの表示序列を制御するシステムないし方法であって、一のユーザと他のユーザとの間の親密度に基づいて表示序列を最適化するシステムないし方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)と呼ばれる、人と人とのつながりを促進・サポートするコミュニティ型の会員制サービスが知られている。SNSでは、自分のプロフィールや写真を会員に公開する機能や、特定の友人のみに公開範囲を制限し、或いは制限なく、日々の出来事を公開できる日記機能、趣味や地域などテーマを決めて掲示板などで交流できるコミュニティ機能等のサービスがインターネット上で利用できる点に特色がある。こうしたSNSの一つとして非特許文献1に開示されるウェブサイトが知られている。
【0003】
同サービスにおいて会員が利用できるサービスの具体的なコンテンツとして、「日記」「ボイス」「カレンダー(予定)」「フォト」「動画」のように、会員自身が投稿し、また関係性を有する他の会員の投稿を閲覧することができるものが挙げられる。
【0004】
例えば「日記」コンテンツにおいては、一の会員は、自らが体験した出来事をテキスト、又は画像等別のデータを付したテキストを投稿することができ、投稿されるとその会員と特定の関係性を有している別の会員のトップページにフィードがリンク付きで表示される。当該別の会員は当該リンクを開くことにより一の会員の日記の内容を閲覧することができる。
【0005】
或いは、「ボイス」コンテンツにおいては、ある会員が日常のふとした出来事を気の趣くままに短い文章で投稿すると、それが「ボイス(=つぶやき)」として当該会員と特定の関係性を有する他の会員のトップページにフィードとして表示される。その他のコンテンツ(「フォト」「動画」など)においても同様に、新たな投稿がなされると、その旨のフィードがリンク付きで特定の関係性を有する他の会員のトップページに表示される。
【0006】
同サービス内では、多数の会員により多数の投稿がなされており、一の会員が特定の関係性を有している他の会員は通常一定数いることから、一の会員のトップページには複数のフィードが累積的に表示されることになる。そのためフィードがどのように表示されるかは、サービスの利用しやすさに大きな影響を与える。
【0007】
フィードの表示制御は一般的には時系列に沿ったものが多い。例えばコンテンツ毎に表示領域が分けられており時系列に新しいものが上位に表示される制御や、コンテンツ不問で時系列に新しいものが上位に表示される制御などが多くみられる。会員は同サービスにおける自己のトップページを閲覧する際、端末の種類を問わず通常上下に画面スクロールをして全体の表示を閲覧することから、こうした時系列に基づく表示序列制御は、新しいものを常にもっとも見やすい最上位に表示することとなり、「何か新しいことが載っているかな?」という感覚で自己のトップページを閲覧する会員に対する表示制御として一定の合理性を有している。
【0008】
一方、例えば「カレンダー」コンテンツにおいては、一の会員が自己の将来の予定につき投稿するが、その際将来の予定について他の会員と共有することができる。具体的には、「予定に誘う友人を選択」の画面表示において、予定を入力する会員と特定の関係性を有している会員が一覧で表示される。こうした会員を一覧表示する際の序列制御には、例えばハンドルネームのアイウエオ順、或いは最終ログイン時間順など適宜採用することができる。例えばアイウエオ順に表示されていれば、特定の会員を検索する際に探しやすい、という点で合理性がある。
【0009】
このように、フィードやユーザ(会員)の表示序列には、その利用目的に応じ相応に合理性のある表示序列制御が採用されている。しかし、SNSの黎明期或いはアーリーステージであれば、利用する会員の数も限定的であり、こうした表示序列制御でも特段の問題は生じなかった。しかしサービスの普及度合いがティッピングポイントを超え、爆発的に会員人口が増加すると、一の会員が特定の関係性を有する会員の数も増加する。また会員の中にはきわめて高い頻度で投稿を行う者も出てくる。そうした場合、従来のフィードや会員一覧の表示序列制御では以下の問題が生じうる。
【0010】
(1)時系列に沿って(つまり新しいものから順に上から)表示されると、一の会員の特定の関係性を有する会員の中に極めて頻繁にコンテンツ投稿を行う会員がいる場合、専ら当該会員のコンテンツに関するフィードのみが自己のトップページに表示されるようになってしまう。
(2)アイウエオ順で表示される場合、表示順序が事実上ほぼ固定されてしまい、例えば「カレンダー」コンテンツにおいてアイウエオ順で後ろの方に位置する会員(例えばハンドルネーム=「和田さん」)と予定を共有したい場合、特定の関係性を有する会員が多数いる場合、会員一覧をスクロールないしページ遷移して選ぶことを常に余儀なくされるため、操作性が悪い。
【0011】
これらは共通の問題を孕んでいる。すなわち、同サービスにおいて特定の関係性(一般に「友人」と称したり、或いは上記非特許文献に開示されているサービスにおいては「マイミク」を称したりする)を有する会員が複数いる中、一の会員とその特定の関係性を有する複数の会員との“親密度”は、一様ではない。換言すれば、頻繁にコミュニケーションを交わす会員とそうでない会員、或いは投稿された日記に対して積極的にコメントを記入する関係と単に閲覧だけをする関係、といったように、相互の関心や興味によってさまざまな関係性が構築されている。逆に、親密度が高い会員ほど、その行動に対する興味を有し、同サービス内での行動を知りたいという欲求が高まる。或いは予定の共有をする相手として選択する頻度は高まる。
【0012】
従って、こうした“親密度”をフィードや会員一覧の表示序列制御に反映させることが、成熟したSNSにおいては有効である。こうした観点からの提案は既に特許文献1においてもなされている。特許文献1にはソーシャルネットワーク環境において、動的に選択されたメディアコンテンツを電子デバイスのユーザに提供するシステムであって、前記ユーザのために、一人以上の他のユーザとのいずれかの関係に基づいて他のユーザに関するメディアコンテンツの一つ以上の項目を選択し、序列を割り当てるランキングエンジンと、その序列に基づいて表示する表示エンジンを備えるシステムが開示されている。
【0013】
しかし、こうした提案のみでは、親密度に応じた表示序列制御を最適化することは困難である。すなわち、SNS内における他の会員との関わり合いには、単に閲覧をする、閲覧をした上で当該コンテンツに対する評価フラグを立てる(上記非特許文献におけるSNSの場合「イイネ!」のクリックがそれに該当する)、閲覧をした上でコメントを書き込む、といったように、行動としての軽重があり、それは往々にして会員間の親密度を反映していることが多いことが経験上知られている。そして会員間の関係は常に双方向にバランスが良いとも限らず、例えば会員Aは会員Bに対し一方的に好意ないし関心を持っており、会員Bの投稿を頻繁に閲覧しコメントも残しているが、会員Bは会員Aに対してそれほど興味がない、といった状況も実在する。更には、経時的に特定の会員に対する興味が高まったり失われたりすることもある。
【0014】
このように、同サービス内において繰り広げられている人間関係の濃淡は複雑系であり、個々の行動の重みづけを踏まえたうえで親密度に応じて表示序列制御を最適化することが望まれる。
【0015】
しかし、数千万を超える会員数を有するSNSにおいて個々の会員の全てのサービス内での活動に基づいてリアルタイムに上述のような多種多様な「関係に基づいて」「序列を割り当てる」ことは、システムの負荷を著しく過大にしてしまい現実的でない。仮にこうしたすべての行動を踏まえた親密度計算を行うことを優先して多大な時間をかけてしまうと、親密度の新鮮さが失われ、リアルタイムのやり取りにあたっての最適化を実現することが困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特表2010−500650号公報
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】「ソーシャル・ネットワーキング サービス[mixi(ミクシィ)]」、[online]、[平成23年2月1日検索]、インンターネット<URL:http://mixi.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
そこで本発明は、SNSにおける個々の会員間の濃淡さまざまな親密度を、新鮮さが損なわれることなく、かつシステム運営に過度な負荷を生じさせることなく、フィードや会員一覧の表示序列制御に反映させることが可能な表示序列を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決すべく、本発明は以下の表示序列制御システムないし表示序列制御方法を提供する。
【0020】
(1)本発明に係る表示序列制御システムは、SNSにおけるフィード及び\又は特定の関係性を有するユーザのユーザ情報の表示序列を動的に制御する表示序列制御システムであって、各ユーザの行動をその行動種別ごとに記録する行動記録手段と、第一階層の行動群の行動指数に基づき、一のユーザと他のユーザとの親密度判定を行う第一の親密度判定手段と、第二階層の行動群の行動指数に基づき、一のユーザと他のユーザとの親密度判定を行う第二の親密度判定手段と、前記第一の親密度及び前記第二の親密度の双方に基づいて表示序列を決定する序列決定手段とを有し、前記第一階層の行動群にはSNS内における、(a)他のユーザが生成したコンテンツに対するコメントの付与、(b)他のユーザが生成したコンテンツに対する評価フラグの設定、のいずれか、又は双方が含まれ、前記第二階層の行動群にはSNS内における、(c)他のユーザが生成したコンテンツ及び\又は他のユーザのトップページへの一のユーザのアクセス、(d)一のユーザが生成したコンテンツ及び\又は一のユーザのトップページへの他のユーザのアクセスのいずれか、又は双方が含まれることを特徴とする(請求項1)。
【0021】
なお、第一の親密度は、前記第一階層の行動群に含まれる行動が発生したことをトリガとして動的に判定されることを特徴とすることができる(請求項2)。また、前記第二の親密度は、所定の期間に集積された前記行動記録手段に記録された前記第二階層の行動群の行動指数に基づいて定期的に判定されることを特徴とすることができる(請求項3)。
【0022】
また、第一階層の行動群の行動指数としては、前記一のユーザから特定の他のユーザに対して行った第一階層の行動群の回数を前記一のユーザから全ての他のユーザに対して行った第一階層の行動群の回数を除した値を採用することができる(請求項4)。
【0023】
一方、第二階層の行動群の行動指数としては、前記一のユーザから特定の他のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を前記一のユーザから全ての他のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を除した値(請求項5)、特定の他のユーザが前記一のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を全ての他のユーザが前記一のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数で除した値(請求項6)、前記一のユーザによる前記特定のユーザが生成したコンテンツのアクセスカバー率(請求項7)、特定の他のユーザによる前記一のユーザが生成したコンテンツのアクセスカバー率(請求項8)、前記一のユーザによる特定の他のユーザのコンテンツのアクセスカバー率と特定の他のユーザによる前記一のユーザのコンテンツのアクセスカバー率との調和平均値(請求項9)のいずれか一つ、或いは複数を選択的に採用することができる。
【0024】
(2)本発明に係る表示序列制御方法は、SNSにおけるフィード及び\又は特定の関係性を有するユーザのユーザ情報の表示序列を動的に制御する表示序列制御方法であって、各ユーザの行動をその行動種別ごとに記録するステップと、第一階層の行動群の行動指数に基づき、一のユーザと他のユーザとの親密度判定を行うステップと、第二階層の行動群の行動指数に基づき、一のユーザと他のユーザとの親密度判定を行うステップと、前記第一の親密度及び前記第二の親密度の双方に基づいて表示序列を決定するステップとを有し、前記第一階層の行動群にはSNS内における、(a)他のユーザが生成したコンテンツに対するコメントの付与、(b)他のユーザが生成したコンテンツに対する評価フラグの設定のいずれか、又は双方が含まれ、前記第二階層の行動群にはSNS内における、(c)他のユーザが生成したコンテンツ及び\又は他のユーザのトップページへの一のユーザのアクセス、(d)一のユーザが生成したコンテンツ及び\又は一のユーザのトップページへの他のユーザのアクセスのいずれか、又は双方が含まれることを特徴とする(請求項10)。
【0025】
なお、第一の親密度は、前記第一階層の行動群に含まれる行動が発生したことをトリガとして動的に判定されることを特徴とすることができる(請求項11)。また、前記第二の親密度は、所定の期間に集積された前記行動記録手段に記録された前記第二階層の行動群の行動指数に基づいて定期的に判定されることを特徴とすることができる(請求項12)。
【0026】
また、第一階層の行動群の行動指数としては、前記一のユーザから特定の他のユーザに対して行った第一階層の行動群の回数を前記一のユーザから全ての他のユーザに対して行った第一階層の行動群の回数を除した値を採用することができる(請求項13)。
【0027】
一方、第二階層の行動群の行動指数としては、前記一のユーザから特定の他のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を前記一のユーザから全ての他のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を除した値(請求項14)、特定の他のユーザが前記一のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を全ての他のユーザが前記一のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数で除した値(請求項15)、前記一のユーザによる前記特定のユーザが生成したコンテンツのアクセスカバー率(請求項16)、特定の他のユーザによる前記一のユーザが生成したコンテンツのアクセスカバー率(請求項17)、前記一のユーザによる特定の他のユーザのコンテンツのアクセスカバー率と特定の他のユーザによる前記一のユーザのコンテンツのアクセスカバー率との調和平均値(請求項18)のいずれか一つ、或いは複数を選択的に採用することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の表示序列制御システムによれば、ユーザ間の関係性をフィードやユーザ一覧の表示序列に適切に反映させることができる。
【0029】
具体的には、SNSにおける行動とりわけ他者への関与には、その行動種別によって軽重がある。具体的には、例えば図14に示すように、一のユーザが他のユーザの生成したコンテンツに対して何らかのコメントを付与することは、当該一のユーザにとってはコメントを作成する時間と労力とを伴うものであり、当該他のユーザに対し一のユーザが感じている親密度を高く反映しているといえる。一のユーザが他のユーザの生成したコンテンツに対して評価フラグを設定することは、コメントの付与に比べれば手間のかからない行動であるが、設定したこと自体が記録として残ることから、単にコンテンツを閲覧することに比べ発生頻度は低く、その分親密度を反映しているといえる。一方、コンテンツの閲覧、或いは他のユーザからのコンテンツの閲覧は、前記各行動と比べて極めて高い頻度で、かつ場合によって気まぐれに発生するものであることから、直接的に親密度を反映しているとはいえないが、頻繁に閲覧が生じていれば一定程度の親密度を表しているといえる。
【0030】
このように、各行動の軽重に応じて表示序列の決定に反映する構成を異なるものとすることにより、ユーザにとって利用のしやすいフィード表示ないしユーザ一覧の表示が実現される。
【0031】
また、単なる閲覧の発生頻度はコメントないし評価フラグの設定の発生頻度と比べて文字通り桁違いに多く、一のページが閲覧されるごとに親密度を動的に再計算することはSNSのシステム自体に与える負荷が過大となり、システム運営に支障をきたす。そこで発生頻度が相対的に低い第一階層の行動群については動的つまりリアルタイムに反映させる一方、発生頻度が相対的に高い第二階層の行動群については定期的つまり一定期間の行動履歴を蓄積し演算処理を行うバッチ処理にて反映させることにより、ユーザにとって違和感のない表示序列をSNSのシステム自体に過度な負荷を課することなく実現することができる。
【0032】
更に、任意の二のユーザ間の親密度を判定するにあたっては、着目する指数、或いは両者間の行動ベクトルのバランスにより、より適切な判定を行うことができる場合がある。例えば、一のユーザのトップページに表示されるフィードの表示序列を決定するにあたっては、普段から当該一のユーザがどの他のユーザに頻繁にアクセスしているか、という指標に基づいて序列を決定することが整合的であり、この場合一のユーザから見た、当該一のユーザと特定の関係性を有するユーザの中での相対的な親密度を行動指数の算定根拠とすることに合理性があるかもしれない。一方、「カレンダー」コンテンツで将来の予定を共有する他のユーザを選択する画面においては、双方向的な親密度の指標がより整合的であることも考えられる。このように目的に応じた親密度判定を行うことにより、更にきめ細やかな表示序列を実現することができる。
【0033】
なお本発明において、
(1)「SNS」とは、一般的定義とされる「人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型の会員制のサービス」ないし当該サービスが提供されているWeb上の環境を意味するが、これに限られず、特定の運営主体がサービスとして提供しているものでなくとも良く、例えばコメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能を有しているブログも含まれうる。
【0034】
(2)「フィード」とは、SNSのユーザが行ったコンテンツ生成に基づいて生じる通知情報であり、ユーザは、他のユーザがコンテンツ生成を行った旨をフィードにより知り得る。或いは生成されたコンテンツ自体がフィードとして表示されうる。
【0035】
(3)「特定の関係性を有するユーザ」とは、SNSにおいて一のユーザから見た、一のユーザが他のユーザへの\からの申入\承認により生じる関係を有するユーザをいう。一般的にはいずれか一のユーザが特定の関係性を有したいと考える他のユーザに対してその旨を申入、これに対して当該他のユーザが承認する、という合意に基づいて関係性が構築されるのが一般的なSNSの形態であるが、これに限られず、例えば一のユーザが一方的に特定の関係性を持つことを相手方に承諾しても良い。
【0036】
(4)「コンテンツに対する評価フラグの設定」とは、生成されたコンテンツを閲覧したユーザが当該コンテンツに対して好印象ないし好感情をもった旨を示すフラグの設定を意味する。既存のサービス、例えば非特許文献1にみられるサービスにおける「イイネ!」ボタンのクリックがこれにあたる。また「コンテンツ」には、テキスト・写真その他の静止画・動画・音声などその形式は問わない。
【0037】
(5)「動的に判定」とは、リアルタイムないし事実上リアルタイムに判定することを意味し、具体的には該当する行動(以下「アクション」ということがある。)につきSNSのシステムに記録されると、そのことをトリガとして当該アクションを行ったユーザの親密度を再度判定する。
【0038】
(6)「定期的に判定」とは、所定期間にわたって蓄積された行動をバッチ処理を経たうえで判定することを意味し、具体的には該当する行動(以下「アクティビティ」ということがある。)を所定期間(例えば1ヶ月)にわたり各行動ごとに蓄積し、蓄積されたアクティビティデータに基づいて行動指数を各ユーザ毎に算出し、親密度判定を行い序列を決定する。なお「定期的」とは規定の時間間隔ごとにといった厳密な意味にのみ解釈されるべきではなく、ある程度の幅を持った期間ごとにまとめて、という意味である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の表示序列制御システムを含んだSNSシステム10及び端末装置30を含むネットワークシステム(SNS環境)1の例を示す図である。
【図2】SNSシステム10を機能の側面から記した機能構成図である。
【図3】ユーザ属性DB12に記録されている情報の概念図である。
【図4】メッセージDB122に記録されている情報の概念図である。
【図5】ユーザが投稿しコンテンツDB123に記録されているコンテンツに関する情報の概念図である。
【図6】アクションDB124に記録される情報の概念図である。
【図7】アクティビティDB125において記録される情報の概念図である。
【図8】親密度DB126に記録された情報の概念図である。
【図9】短期親密度がフィードの表示序列に反映される流れを示した図である。
【図10】長期親密度がユーザ一覧の表示序列に反映される流れを示した図である。
【図11】一のユーザ(=Aさん)のトップページのスクリーンショットである。
【図12】「カレンダー」コンテンツにおいて新たな予定を作成する画面のスクリーンショットである。
【図13】「予定に誘う友人を選択」のウインドウにおいて友人一覧flがポップアップで表示された状態を示した図である。
【図14】SNSにおけるユーザの行動の階層ごとの発生頻度と親密度の相関性を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の具体的な実施態様につき、図面を参照しつつ説明する。
【0041】
図1は、本発明の表示序列制御システムを含んだSNSシステム及び端末装置を含むSNS環境の例を示す図である。SNSシステム10と各ユーザ端末30とは、インターネットなどのネットワーク20を介して互いに接続可能となっている。ここで各ユーザ端末30は、例えばPC31であると携帯電話32であるとタブレット端末33であると特に種別は問わず、SNSシステム10にログイン可能な機能(インターネットに接続する機能及びWebブラウザ)を有していれば良い。
【0042】
SNSシステム10は、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、HDDなどの記憶手段10d、ディスプレイ、キーボード等の入出力手段10e、その他種々のハードウェアによって構成される。
【0043】
ROM10bまたは記憶手段10dには、図2に示すフィード生成部111、ユーザ一覧生成部112、短期親密度判定部113、長期親密度判定部114、表示序列生成部115、表示制御部14、ユーザインタフェース13などの機能を実現するためのプログラム及びデータが格納されている。また記憶手段10dには、図2に示すDB群12記載の各DB(ユーザ属性DB121、メッセージ属性DB122、コンテンツDB123、アクションDB124、アクティビティDB125、親密度DB126)のデータが格納されている。これらのプログラム及びデータは必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによってプログラムが実行され、演算処理が行われる。
【0044】
SNSシステム10として、ワークステーション又はいわゆるサーバ機などが用いられる。図2の各構成が複数台の装置に分散されるようにSNSシステム10を構成しても良い。
【0045】
図2は、上記のSNSシステム10を機能の側面から記した機能構成図である。SNSコア11は、ユーザのコンテンツ投稿やアクション(=他のユーザのコンテンツに対するコメントや評価フラグの設定)、アクティビティ(=他のユーザのコンテンツに対する閲覧)などを適宜処理しDB群12にデータを蓄積するとともに、ユーザからの表示要求を受けて表示制御部14及びユーザインターフェース13を介してこれらの行動結果を各ユーザの閲覧画面に反映表示させる。
【0046】
以下、SNSシステム10において各ユーザが行い得る行動の例につき説明しつつ、各機能部及びDBの説明を行う。
【0047】
一のユーザが初めてSNSシステム10を利用する際は、ユーザ属性情報としてユーザ名(ハンドルネーム)、各種属性情報を入力する。また既に登録している自己の情報を編集することもできる。これらの情報はユーザ属性DB121に累積的に蓄積される。図3はユーザ属性DB121に記録されている情報の概念図である。個々のユーザには主キーとしてユーザIDが付与されており、これにユーザ名、居住地等の属性情報、関係ユーザID及びその登録日時が記録されている。なお以下本事例では「関係ユーザ」とは特定の関係性につき相互に承認したユーザであって、「友人(サービスにより「友達」、「マイミク」などと称される場合もある。)」と称されるものを指すこととする。
【0048】
また、本SNSシステム10で提供されるサービスは、主にユーザ相互間の情報のやり取りに関する情報の提供であるところ、例えば自己が投稿した日記に対する何らかのリアクションがあった場合、その旨が自己のトップページにメッセージとして表示される。メッセージDB122にはそうしたメッセージがその表示トリガとともに記録されている。図4はメッセージDB122に記録されている情報の概念図である。各メッセージごとに配信トリガが定められており、当該トリガが生じた場合、表示制御部14により当該メッセージが対応するユーザの画面に表示される。
【0049】
SNSシステム10において、ユーザは種々のコンテンツを投稿することができる。例えば図11にはSNSシステムにおいて表示される画面の一例が示されているが、その上部に表示されているように、「カレンダー」「チェック」「日記」「フォト」など、さまざまなメディアのコンテンツをシステム内に投稿することができる。これらのコンテンツは閲覧許可するユーザの範囲を制限することができ、ユーザは自己の任意のコントロールのもと、自己に関する情報をシステム内にて開示することができる。図5は、ユーザが投稿しコンテンツDB123に記録されているコンテンツに関する情報の概念図である。
【0050】
ユーザはまた、単に投稿するだけでなく、他のユーザが投稿した、自己にとって閲覧制限の無いコンテンツを閲覧することができる。ユーザはシステム内を検索することにより任意のコンテンツを閲覧することもできるが、特定の関係性を有する他のユーザが投稿を行った場合、その旨の表示、或いは投稿それ自体が自己のトップページに通知される。これをフィードという。あるユーザがコンテンツの投稿を行うと、当該コンテンツはそのコンテンツの種別に従ってコンテンツDB123に格納される。それとともに、当該コンテンツの投稿者と友人関係にある他のユーザに対するフィードがフィード生成部111にて生成される。フィード生成部111は、ユーザ属性121及び格納されたコンテンツにおける閲覧制限を参照しつつ配信すべき他のユーザが存在する場合、フィードを生成する。このフィードは表示序列生成部115及び表示制御部14の制御を介して当該他のユーザのトップページに表示されることとなるが、その詳細は後述する。
【0051】
他のユーザのコンテンツに対し、ユーザはコメントを付することができる他、当該コンテンツを評価する旨のフラグ(「イイネ!」)を設定することができる。これらは専らユーザの能動的な意思に基づく行動と把握することができる。これらの行動はアクションDB124において、コンテンツ毎に紐付けられて格納される。図6は、アクションDB124に記録される情報の概念図である。各投稿されたコンテンツには、図5にもあるように個別にコンテンツIDが付され管理されている。コンテンツとアクションユーザ及びその内容とが紐付けて記録される。
【0052】
ユーザは、閲覧したコンテンツ全てに対して何らかのリアクションをするとは限らず、閲覧するだけにとどまるケースもある。そうした行動も、少なくとも当該ユーザないし当該コンテンツに対する興味を持ったという点において指標として活用されうる。アクティビティDB125では、そうした閲覧履歴(いわゆる「足あと」)につき逐一記録している。図7はアクティビティDB125において記録される情報の概念図である。コンテンツユーザID、コンテンツID(個々の投稿コンテンツに限らず、他のユーザのプロフィールページのIDも含まれる)、アクティビティをおこしたユーザのユーザID及びその日時が紐付けて記録される。
【0053】
また、図8はこれらのユーザの各行動から導き出され、本実施例において表示序列制御に用いられる親密度を格納した親密度DB126に記録された情報の概念図である。この内容については、後述の具体例とともに詳述する。
【0054】
以下、具体的な複数のユーザの行動履歴を示しつつ、これらに基づいた表示序列制御の流れについて表1、表2を参照しつつ図8ないし図10を用いて説明する。ここでは、A,B,C,D,E,Fの6名のユーザが、相互に友人でありかつ他の友人はないという前提のもと説明する。
【0055】
【表1】

【0056】
表1は、A〜Fの各ユーザが相互に行ったアクションの頻度、及びここから算出される短期親密度を表したものである。例えばAは合計で50回のアクション(コメントないし「イイネ!」)を行っており、このうち30回はBの投稿したコンテンツに対するもの、10回はCの投稿したコンテンツに対するもの、といった状況を表したものである。
【0057】
ここでユーザ甲のユーザ乙との短期親密度SAを算出する式を以下の通り定義する。
【0058】
(数1)
SA=(乙に対するアクション回数)/(甲の総アクション回数)
【0059】
数1により算出される各人の短期親密度を表したものが、表1下段である。但し、ユーザによるアクションは絶えず行われるところ、短期親密度の判定は当該ユーザの新たなアクションが発生する都度行われ、親密度DB126に保存される。
【0060】
図9は、短期親密度判定がフィードの表示序列に反映される流れを示した図である。一のユーザが他のユーザに対してアクションを起こすと、その旨がアクションDB124に記録されるとともに、即時に短期親密度判定部113における短期親密度の判定が行われる。具体的には、親密度DB126に記録されている当該ユーザの他の各ユーザに対するアクション数を読込み、新たに行ったアクションを追加し短期親密度を再計算する。またこれに伴い長期親密度(Long Affinity:LA:その判定については後述する)を加味した現在親密度(Current Affinity:CA)を再計算する。ここでは現在親密度CAを算出する式が以下であるとする。
【0061】
(数2)
CA = SA × LA
【0062】
ここで当該一のユーザからトップページの表示要求があると、フィード生成部111はユーザ属性DB121、メッセージDB122及びコンテンツDB123の記録を参照しつつ生成すべきフィードを生成する。そしてこれらのフィードの表示序列につき、表示序列生成部115は親密度DB126に記録された現在親密度CAを参照しつつ表示序列を生成する。表示制御部14は生成された表示序列に基づいてフィードをユーザのトップページに表示する。
【0063】
このように、短期親密度はアクションが発生する都度再計算される。そのためその時点時点での当該ユーザが積極的に興味を有している他のユーザについて短期親密度が向上しやすい。こうした指標がフィードの表示序列にリアルタイムに反映されることにより、興味のあるユーザのコンテンツがより上位に表示されることとなり、ユーザは興味ある他のユーザの情報を見逃さないようになる。とりわけこうした表示序列制御は、投稿頻度の高いコンテンツ、例えば「ボイス(つぶやき)」において有効である。関心は低いがたくさん投稿する友人のボイスはあまり上位に表示されず、たとえ投稿数が相対的に少なくとも当該ユーザにとって関心の高い友人のボイスが上位に表示されることとなり、閲覧のしやすさが向上する。
【0064】
なお本事例では、アクション「数」として把握しアクションにつきそれが発生してから経過した日数に基づく重みづけの考慮は行っていない。しかしより新鮮な親密度計算を行う観点からは、所定日数経過したアクションについては所定の係数を掛けることで重みづけを変えたり、或いは計算対象外とする構成とすることもできる。
【0065】
【表2】

【0066】
表2上段は、A〜Fの各ユーザが相互に行ったアクティビティの頻度、及びここから算出される長期親密度の一部を表したものである。例えばAは合計で500回のアクティビティ(閲覧)を行っており、このうち300回はBのトップページないしBの投稿したコンテンツに対するものである。一方Aのトップページないしコンテンツは全部で470回閲覧されているが、そのうち100回はBによるものであり、20回はCによるものである。これらの数値に基づいて、中段ないし下段の各指標が算出される。
【0067】
図10は、長期親密度判定がユーザ一覧の表示序列に反映される流れを示した図である。一のユーザと他のユーザとの相互のアクティビティはアクティビティDB125に記録される。アクティビティすなわち閲覧はアクションと比べて著しく高い頻度で発生することから、短期親密度判定のようにリアルタイムでの再計算処理を行うことはSNSシステム10自体に過剰な負荷を生じさせる。そのためかかる構成に代え、所定期間の累積値をバッチ処理により反映させる。長期親密度判定部114は、処理されたアクティビティに関する数値を長期親密度LAに反映させる。
【0068】
ここで、長期親密度LAとして、例えば以下の指標の一又は複数を採用可能である。
(1)Access Ratio(A/R):一のユーザが他の特定ユーザを閲覧した数/一のユーザの総閲覧数
(2)Accessed Ratio(A-ed/R):一のユーザが他の特定ユーザに閲覧された数/一のユーザの総被閲覧数
(3)Cover Ratio for Contents(CRC):他の特定ユーザが投稿したコンテンツのうち一のユーザが閲覧したコンテンツの割合
(4)Cover Ratio for Contents by Friends(CRCF):一のユーザが投稿したコンテンツのうち他の特定のユーザが閲覧したコンテンツの割合
(5)Interactive Access Ratio:上記(1)と(2)の調和平均
【0069】
いずれの指標を算出に用いるかは、算出された現在親密度をいかなる表示序列制御に反映させるかと関連付けて選択することが適切である。例えばフィードの表示に関しては、当該一のユーザ自身の興味の度合がより強く反映される指標による表示序列制御を行うことが整合的である。図11は一のユーザ(=Aさん)のトップページのスクリーンショットである。本実施例にかかるSNSシステム10においては、既に述べたように、特定の関係性を有する他のユーザがコンテンツを投稿するとその旨のフィードが生成されてトップページ、例えばフィード表示欄faに表示される。Current Affinity-αはこうした場面に適用される親密度として適切であり、以下の式により定義される。
【0070】
(数3)
CAα(Current Affinity-α)=SA × A/R × CRC
【0071】
一方、ユーザ一覧が表示される場面の典型例としては、「カレンダー」コンテンツの新たな作成において他の友人を誘う場面が考えられる。図12は「カレンダー」コンテンツにおいて新たな予定を作成する画面のスクリーンショットである。ここで「友人を誘う」ボタンをクリックすると、図13に示すように「予定に誘う友人を選択」のウインドウにおいて友人一覧flがポップアップで表示される。
【0072】
ここで友人が少数であり一画面内に収まるのであれば特段問題は生じない。しかし、長年サービスを利用していると自ずと友人の数も増加するが、頻繁にやりとりのある友人とそうでない友人とが生じてくる。そうした場合に、一方的に関心を有している相手というよりは、相互に関心を有している関係の友人が優先的に表示される方が、表示の目的に照らしてより整合的である。Current Affinity-βはこうした場面に適用される親密度として適切であり、以下の式により定義される。
【0073】
(数4)
CAβ(Current Affinity-β) =SA × A-ed/R × CRCF
【0074】
或いは、双方向的な関心度合いのより直接的な指標として、A/RとA-ed/Rとの調和平均(=IAR)を長期親密度の指数として採用することもできる。
【0075】
なお上記の実施例においては、コメントの付与及び評価フラグ(「イイネ!」)の設定の双方をアクション(=第一階層の行動群)としていたが、これに限らずコメントの付与のみ、或いは評価フラグの設定のみをアクションとして算出根拠としても良い。かかる構成により、リアルタイム処理により生じるシステムの負荷を軽減できる可能性がある。またアクティビティの把握に関しても双方向とせず、一のユーザから他のユーザに対する一方向についてのみを対象としても良い。かかる構成とした場合、バッチ処理の演算負荷が軽くなり、反映までのタイムラグを短縮することができる可能性がある。
【産業上の利用可能性】
【0076】
このように、本発明の表示序列制御システムによれば、ユーザ間の関係性をフィードやユーザ一覧の表示序列に適切に反映させることができる。具体的には、各行動の軽重に応じて表示序列の決定に反映する構成を異なるものとすることにより、ユーザにとって利用のしやすいフィード表示ないしユーザ一覧の表示が実現される。これにより、より利用しやすいSNSシステムが実現されることとなり、人と人との交流が促進され、サービスとしての質が向上する。

【符号の説明】
【0077】
1 SNS環境
10 SNSシステム
11 SNSコア
12 DB群
13 ユーザインンターフェース
14 表示制御部
20 ネットワーク
30 ユーザ端末(31 PC、32 携帯電話、33 タブレット端末)

111 フィード生成部
112 ユーザ一覧生成部
113 短期親密度判定部
114 長期親密度判定部
115 表示序列生成部
121 ユーザ属性DB
122 メッセージDB
123 コンテンツDB
124 アクションDB
125 アクティビティDB
126 親密度DB

fa フィード表示欄
fl 友人一覧表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNSにおけるフィード及び\又は特定の関係性を有するユーザのユーザ情報の表示序列を動的に制御する表示序列制御システムであって、
各ユーザの行動をその行動種別ごとに記録する行動記録手段と、
第一階層の行動群の行動指数に基づき、一のユーザと他のユーザとの親密度判定を行う第一の親密度判定手段と、
第二階層の行動群の行動指数に基づき、一のユーザと他のユーザとの親密度判定を行う第二の親密度判定手段と、
前記第一の親密度及び前記第二の親密度の双方に基づいて表示序列を決定する序列決定手段とを有し、
前記第一階層の行動群にはSNS内における、
(a)他のユーザが生成したコンテンツに対するコメントの付与
(b)他のユーザが生成したコンテンツに対する評価フラグの設定
のいずれか、又は双方が含まれ、
前記第二階層の行動群にはSNS内における、
(c)他のユーザが生成したコンテンツ及び\又は他のユーザのトップページへの一のユーザのアクセス、
(d)一のユーザが生成したコンテンツ及び\又は一のユーザのトップページへの他のユーザのアクセス
のいずれか、又は双方が含まれる
ことを特徴とする、表示序列制御システム。

【請求項2】
前記第一の親密度は、前記第一階層の行動群に含まれる行動が発生したことをトリガとして動的に判定されることを特徴とする、請求項1に記載の表示序列制御システム。

【請求項3】
前記第二の親密度は、所定の期間に集積された前記行動記録手段に記録された前記第二階層の行動群の行動指数に基づいて定期的に判定されることを特徴とする、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の表示序列制御システム。

【請求項4】
前記第一階層の行動群の行動指数が、前記一のユーザから特定の他のユーザに対して行った第一階層の行動群の回数を前記一のユーザから全ての他のユーザに対して行った第一階層の行動群の回数を除した値であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の表示序列制御システム。

【請求項5】
前記第二階層の行動群の行動指数の一が、前記一のユーザから特定の他のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を前記一のユーザから全ての他のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を除した値であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の表示序列制御システム。

【請求項6】
前記第二階層の行動群の行動指数の一が、特定の他のユーザが前記一のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を全ての他のユーザが前記一のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数で除した値であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の表示序列制御システム。

【請求項7】
前記第二階層の行動群の行動指数の一が、前記一のユーザによる前記特定のユーザが生成したコンテンツのアクセスカバー率であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の表示序列制御システム。

【請求項8】
前記第二階層の行動群の行動指数の一が、特定の他のユーザによる前記一のユーザが生成したコンテンツのアクセスカバー率であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の表示序列制御システム。

【請求項9】
前記第二階層の行動群の行動指数の一が、前記一のユーザによる特定の他のユーザのコンテンツのアクセスカバー率と特定の他のユーザによる前記一のユーザのコンテンツのアクセスカバー率との調和平均値であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の表示序列制御システム。

【請求項10】
SNSにおけるフィード及び\又は特定の関係性を有するユーザのユーザ情報の表示序列を動的に制御する表示序列制御方法であって、
各ユーザの行動をその行動種別ごとに記録するステップと、
第一階層の行動群の行動指数に基づき、一のユーザと他のユーザとの親密度判定を行うステップと、
第二階層の行動群の行動指数に基づき、一のユーザと他のユーザとの親密度判定を行うステップと、
前記第一の親密度及び前記第二の親密度の双方に基づいて表示序列を決定するステップとを有し、
前記第一階層の行動群にはSNS内における、
(a)他のユーザが生成したコンテンツに対するコメントの付与
(b)他のユーザが生成したコンテンツに対する評価フラグの設定
のいずれか、又は双方が含まれ、
前記第二階層の行動群にはSNS内における、
(c)他のユーザが生成したコンテンツ及び\又は他のユーザのトップページへの一のユーザのアクセス、
(d)一のユーザが生成したコンテンツ及び\又は一のユーザのトップページへの他のユーザのアクセス
のいずれか、又は双方が含まれる
ことを特徴とする、表示序列制御方法。

【請求項11】
前記第一の親密度は、前記第一階層の行動群に含まれる行動が発生したことをトリガとして動的に判定されることを特徴とする、請求項10に記載の表示序列制御方法。

【請求項12】
前記第二の親密度は、所定の期間に集積された前記行動記録手段に記録された前記第二階層の行動群の行動指数に基づいて定期的に判定されることを特徴とする、請求項10又は請求項11のいずれかに記載の表示序列制御方法。

【請求項13】
前記第一階層の行動群の行動指数が、前記一のユーザから特定の他のユーザに対して行った第一階層の行動群の回数を前記一のユーザから全ての他のユーザに対して行った第一階層の行動群の回数を除した値であることを特徴とする、請求項10から請求項12のいずれかに記載の表示序列制御方法。

【請求項14】
前記第二階層の行動群の行動指数の一が、前記一のユーザから特定の他のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を前記一のユーザから全ての他のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を除した値であることを特徴とする、請求項10から請求項13のいずれかに記載の表示序列制御方法。

【請求項15】
前記第二階層の行動群の行動指数の一が、特定の他のユーザが前記一のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数を全ての他のユーザが前記一のユーザに対して行った第二階層の行動群の回数で除した値であることを特徴とする、請求項10から請求項13のいずれかに記載の表示序列制御方法。

【請求項16】
前記第二階層の行動群の行動指数の一が、前記一のユーザによる前記特定のユーザが生成したコンテンツのアクセスカバー率であることを特徴とする、請求項10から請求項13のいずれかに記載の表示序列制御方法。

【請求項17】
前記第二階層の行動群の行動指数の一が、特定の他のユーザによる前記一のユーザが生成したコンテンツのアクセスカバー率であることを特徴とする、請求項10から請求項13のいずれかに記載の表示序列制御方法。

【請求項18】
前記第二階層の行動群の行動指数の一が、前記一のユーザによる特定の他のユーザのコンテンツのアクセスカバー率と特定の他のユーザによる前記一のユーザのコンテンツのアクセスカバー率との調和平均値であることを特徴とする、請求項10から請求項13のいずれかに記載の表示序列制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−168896(P2012−168896A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31254(P2011−31254)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(500033117)株式会社ミクシィ (13)
【Fターム(参考)】