説明

ユーティリティビークル

【課題】荷物積み下ろし状態を目視にて確認し易くでき、これにより荷物積み下ろしの際の安全性を向上させ得るユーティリティビークルを提供する。
【解決手段】ユーティリティビークル1は、車輌フレーム10と、運転部20と、荷台30と、運転部20及び荷台30の間に配設されたロプスと、荷台30を水平姿勢又はダンプ姿勢とさせる昇降アクチュエータ100と、昇降アクチュエータ100を人為操作する為の昇降操作部材70とを備え、昇降操作部材70は、ロプス60に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーティリティビークル、例えば、農場、牧場、工事現場、ゴルフ場等の不整地において、人の移動や荷物の運搬等の多目的運搬車として使用されるユーティリティビークルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のユーティリティビークルは、一般的に、車輌フレームと、前記車輌フレームに支持された運転部と、前記運転部の後方において前記車輌フレームに支持された荷台とを備えている。
そして、前記荷台は、荷物を載置可能な水平姿勢と、該荷台に載置された荷物を排出する為に車輌前後方向後方へ傾斜された後ダンプ姿勢(即ち前記荷台の前端部が高く且つ後端部が低くされた姿勢)とをとり得るように構成される場合がある。
【0003】
さらに前記ユーティリティビークルは、前記荷台を前記水平姿勢又は前記ダンプ姿勢とさせる昇降アクチュエータと、前記昇降アクチュエータを人為操作する為の昇降操作部材であって、前記運転部に設けられた昇降操作部材とを備える場合もある。
【0004】
斯かる構成のユーティリティビークルにおいては、前記荷台を前記水平姿勢に位置させた状態で荷物を積み下ろすことがある一方、前記荷台の前記後ダンプ姿勢を利用して荷物を積み下ろすこともある。
【0005】
しかしながら、前記した従来のユーティリティビークルでは、前記昇降操作部材は前記荷台の前方に位置する前記運転部に設けられいるので、例えば、前記荷台の前記後ダンプ姿勢を利用して荷物を積み下ろす場合には、前記昇降操作部材の人為操作が前記荷台の前方に位置する前記運転部にて行われることになる。そうすると、荷物の積み下ろし状態を目視にて確認し難い為、荷物の積み下ろしの際の安全性に欠けるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、荷物積み下ろし状態を目視にて確認し易くでき、これにより荷物積み下ろしの際の安全性を向上させ得るユーティリティビークルの提供を、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、車輌フレームと、前記車輌フレームに支持された運転部と、前記運転部の後方において前記車輌フレームに支持され且つ荷物を載置可能な水平姿勢及び載置された荷物を排出する為のダンプ姿勢をとり得るように構成された荷台と、前記運転部及び前記荷台の間に配設されたロプスと、前記荷台を前記水平姿勢又は前記ダンプ姿勢とさせる昇降アクチュエータと、前記昇降アクチュエータを人為操作する為の昇降操作部材とを備え、前記昇降操作部材は、前記ロプスに設けられていることを特徴とするユーティリティビークルを提供する。
【0008】
前記ダンプ姿勢は、車輌幅方向へ傾斜された横ダンプ姿勢を含んでいてもよい。斯かる態様においては、好ましくは、前記昇降操作部材は、前記ロプスにおいて前記荷台が前記横ダンプ姿勢をとる際に傾斜する車輌幅方向一方側に設けられている。
【0009】
本発明に係るユーティリティビークルにおいて、好ましくは、前記昇降操作部材は、前記ロプスに脱着可能に設けられている。例えば、前記昇降操作部材は、前記ロプスに対して該昇降操作部材の操作可能な移動範囲内で脱着可能に設けられ得る。
【0010】
本発明に係るユーティリティビークルにおいて、前記ダンプ姿勢は、車輌前後方向後方へ傾斜された後ダンプ姿勢を含んでいてもよい。
【0011】
又、本発明に係るユーティリティビークルにおいて、前記昇降操作部材の操作に基づき前記昇降アクチュエータを作動制御する制御装置と、車輌の走行状態及び停止状態を検出する走行状態検出装置とをさらに備え、前記制御装置は、前記走行状態検出装置からの検出信号に基づき車輌が走行状態にあると判断した場合には、前記昇降操作部材から前記昇降アクチュエータへの作動指示を禁止するように構成されていてもよい。
【0012】
又、本発明に係るユーティリティビークルにおいて、前記昇降アクチュエータを人為操作する為の他の昇降操作部材であって、前記運転部に設けられた他の昇降操作部材を、さらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るユーティリティビークルによると、前記昇降操作部材は、前記運転部及び前記荷台の間に配設された前記ロプスに設けられているので、前記荷台を前記ダンプ姿勢に位置させて荷物を積み下ろす場合において、前記昇降操作部材の人為操作を前記運転部及び前記荷台の間にて行うことができる。従って、荷物積み下ろし状態を目視にて確認し易くでき、これにより荷物積み下ろしの際の安全性を向上させることができる。
【0014】
又、前記ダンプ姿勢は車輌幅方向へ傾斜された横ダンプ姿勢を含む態様では、車輌幅方向に関して前記荷台が傾斜され得る。斯かる態様において、前記昇降操作部材は前記ロプスにおいて前記荷台が前記横ダンプ姿勢をとる際に傾斜する車輌幅方向一方側に設けられている場合には、前記昇降操作部材の人為操作を前記運転部及び前記荷台の間、且つ、前記荷台が前記横ダンプ姿勢をとる際に傾斜する側にて行うことができる。従って、荷物積み下ろし状態をさらに容易に視認することができ、これにより荷物積み下ろしの際の安全性の向上を効果的に図ることができる。
【0015】
又、前記昇降操作部材は前記ロプスに脱着可能に設けられている態様では、例えば、前記昇降操作部材は、前記ロプスに対して該昇降操作部材の操作可能な移動範囲内で脱着可能に設けられ得る。従って、前記昇降操作部材の人為操作を前記運転部及び前記荷台の間だけでなく、該昇降操作部材の操作可能な移動範囲内の任意の場所にて行うことができ、荷物積み下ろし状態をより一層視認し易くでき、それだけ荷物積み下ろしの際の安全性を良好に確保できる。
【0016】
前記昇降操作部材の操作に基づき前記昇降アクチュエータを作動制御する制御装置と、車輌の走行状態及び停止状態を検出する走行状態検出装置とをさらに備え、前記制御装置は、前記走行状態検出装置からの検出信号に基づき車輌が走行状態にあると判断した場合には、前記昇降操作部材から前記昇降アクチュエータへの作動指示を禁止するように構成されている態様では、車輌が走行状態にあるときに前記昇降操作部材を誤って操作しても、該昇降操作部材の操作に拘わらず、前記荷台の姿勢を維持することができる。
例えば、前記水平姿勢とされた前記荷台について、車輌が走行状態にあるときには、前記昇降操作部材の操作に拘わらず、該水平姿勢を維持することができる。従って、前記水平姿勢とされた前記荷台に載置された荷物を運搬する際に該荷台の前記ダンプ姿勢への移行を防止でき、これにより荷物を安全且つ確実に運搬することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に係るユーティリティビークルの好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施の形態に係るユーティリティビークル1の全体構成を後方から視た斜視図を示す。
【0018】
図1に示すように、前記ユーティリティビークル1は、車輌フレーム10と、前記車輌フレーム10に支持された運転部20と、前記運転部20の後方において前記車輌フレーム10に支持された荷台30とを備えている。
【0019】
詳しくは、前記車輌フレーム10は、車輌幅方向(図中Y方向)において左右に離間配置された左右一対の車輌フレームであり、それぞれ、車輌前後方向(図中X方向)に延びている。
【0020】
前記荷台30は、荷物を載置可能な水平姿勢と、該荷台30に載置された荷物を排出する為のダンプ姿勢とをとり得るように構成されている。そして、本実施の形態においては、前記ダンプ姿勢は、車輌前後方向後方X2へ傾斜された後ダンプ姿勢と、車輌幅方向Yへ傾斜された横ダンプ姿勢とを含んでいる。
即ち、本実施の形態では、前記荷台30は、前記水平姿勢と前記後ダンプ姿勢をとり得ると共に、前記水平姿勢と前記横ダンプ姿勢とをとり得るように構成されている。
図2に、図1に示すユーティリティビークル1において、前記荷台30が前記後ダンプ姿勢をとっている状態の模式図を示し、図2(a)にその側面図を、図2(b)にその背面図を示している。又、図3に、図1に示すユーティリティビークル1において、前記荷台30が前記横ダンプ姿勢をとっている状態の模式図を示し、図3(a)にその側面図を、図3(b)にその背面図を示している。
【0021】
ここで、前記後ダンプ姿勢とは、前記荷台30に載置された荷物を前記車輌フレーム10の後方X2へ排出させるように、前記荷台30の前端部30aが高く且つ後端部30bが低くされた姿勢をいう。
又、前記横ダンプ姿勢とは、荷物を前記車輌フレーム10の車輌幅方向Y一方側へ排出させるように、前記荷台30の車輌幅方向Y他方側端部が高く且つ車輌幅方向Y一方側端部が低くされた姿勢をいう。本実施の形態では、車輌幅方向Y一方側は、図中Y1方向側(車輌進行方向X1に向かって左側、以下、単に左側という)とされており、車輌幅方向Y他方側は、図中Y2方向側(車輌進行方向X1に向かって右側、以下、単に右側という)とされている。即ち、前記横ダンプ姿勢は、前記荷台30の車輌幅方向他方Y2側(右側)端部30dが高く且つ車輌幅方向一方Y1側(左側)端部30cが低くされている。
なお、車輌幅方向Y一方側が図中Y2方向側(右側)とされ、車輌幅方向Y他方側が図中Y1方向側(左側)とされてもよい。この場合、前記横ダンプ姿勢は、前記荷台30の車輌幅方向他方Y1側(左側)端部30cが高く且つ車輌幅方向一方Y2側(右側)端部30dが低くされる。
【0022】
このように前記荷台30は、前記水平姿勢と、前記横ダンプ姿勢とをとり得るように構成されているので、車輌幅方向Yに関して前記荷台30が傾斜され得る。従って、荷物積み下ろし状態を目視にて確認し易くでき、これにより荷物積み下ろしの際の安全性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、前記荷台30は、前記水平姿勢と前記後ダンプ姿勢をとり得ると共に、前記水平姿勢と前記横ダンプ姿勢とをとり得る構成としたが、単に前記荷台30が前記水平姿勢と前記横ダンプ姿勢とをとり得るだけの構成としてもよい。
【0023】
又、前記運転部20は、操向ハンドル21が車輌幅方向Y一方側(本実施の形態では、図1に示すように、Y1方向側(左側))に配置されている。そして、前記荷台30は、前記横ダンプ姿勢の際に、前記操向ハンドル21が配置された車輌幅方向Y一方Y1側(左側)へ傾斜するように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記操向ハンドル21が配置された側(Y1方向側((左側))が低くなるように前記荷台30が傾斜され得る。この場合、例えば、前記運転部20において前記操向ハンドル21を操作する作業者が後方を向くだけで荷物の積み下ろし状態を視認できる。従って、荷物積み下ろし状態をさらに容易に視認することができ、これにより荷物積み下ろしの際の安全性の向上を効果的に図ることができる。
【0024】
詳しくは、前記荷台30は、車輌幅方向Yに沿った後ダンプ用枢支軸P1回りに揺動可能とされ、且つ、車輌前後方向Xに沿った横ダンプ用枢支軸P2回りに揺動可能とされている。
具体的には、前記荷台30は、前記車輌フレーム10に前記後ダンプ用枢支軸P1回り揺動可能に連結された支持部材31と、前記支持部材31に前記横ダンプ用枢支軸P2回り揺動可能に連結された荷台本体32とを備えている。
【0025】
本実施の形態に係るユーティリティビークル1は、前記車輌フレーム10と、前記運転部20と、前記支持部材31及び前記荷台本体32を含む前記荷台30とに加えて、前記荷台30を前記水平姿勢又は前記ダンプ姿勢とさせる昇降アクチュエータ100を備えている。
そして、前記昇降アクチュエータ100は、前記支持部材31を前記車輌フレーム10に対して前記後ダンプ用枢支軸P1回りに昇降させる前記後ダンプ用アクチュエータ40と、前記荷台本体32を前記支持部材31に対して前記横ダンプ用枢支軸P2回りに昇降させる前記横ダンプ用アクチュエータ50とを含んでいる。
即ち、本実施の形態においては、前記支持部材31は前記後ダンプ用アクチュエータ40を介して前記車輌フレーム10に対して前記後ダンプ用枢支軸P1回りに揺動可能とされている。他方、前記荷台本体32は、前記横ダンプ用アクチュエータ50を介して前記支持部材31に対して前記横ダンプ用枢支軸P2回りに揺動可能とされている。
【0026】
本実施の形態においては、前記後ダンプ用アクチュエータ40及び前記横ダンプ用アクチュエータ50として、それぞれ、後ダンプ用油圧シリンダ及び横ダンプ用油圧シリンダが用いられている。
【0027】
詳しくは、前記後ダンプ用枢支軸P1は、前記車輌フレーム10の後端部10aに軸線方向が車輌幅方向Yに向くように設けられている。なお、前記後ダンプ用枢支軸P1は、車輌幅方向Yに沿って全体に設けられていてもよいし、車輌幅方向Yに沿って一部に設けられていてもよい。
前記後ダンプ用油圧シリンダ40は、図2に示すように、シリンダ長手方向が車輌前後方向Xに沿って配設されており、後端部40bが前記車輌フレーム10に連結され且つ前端部40aが前記支持部材31に連結されている。
好ましくは、前記後ダンプ用油圧シリンダ40は、前端部40aが前記荷台30の車輌前後方向X中間地点30’又は該中間地点30’より後方に位置するように、前記支持部材31に連結される。
【0028】
なお、前記後ダンプ用油圧シリンダ40は、二以上設けられていてもよい。
又、前記後ダンプ用枢支軸P1が車輌幅方向Yに沿って一部に設けられている場合、好ましくは、前記後ダンプ用油圧シリンダ40は前端部40aが前記後ダンプ用枢支軸P1の軸線方向の領域を前記支持部材31において車輌前後方向Xに沿って前端部31a側に延長させた後ダンプ用枢支軸領域(図2(b)中斜線α参照)に配置され得る。
【0029】
本実施の形態においては、前記後ダンプ用枢支軸P1が前記左右一対の車輌フレーム10の後端部10aにそれぞれ設けられている。そして、前記支持部材31は、左右一対の後ダンプ用アクチュエータ40を介してそれぞれ前記左右一対の車輌フレーム10に対して前記後ダンプ用枢支軸P1回りに揺動可能とされている。
【0030】
一方、前記横ダンプ用枢支軸P2は、前記支持部材31の車輌幅方向一方Y1側(左側)に軸線方向が車輌前後方向Xを向くように設けられている。なお、前記横ダンプ用枢支軸P2は、車輌前後方向Xに沿って全体に設けられていてもよいし、車輌前後方向Xに沿って一部に設けられていてもよい。
前記横ダンプ用油圧シリンダ50は、図3に示すように、シリンダ長手方向が車輌幅方向Yに沿って配設されており、車輌幅方向一方Y1側端部50bが前記支持部材31に連結され且つ車輌幅方向他方Y2側端部50aが前記荷台本体32に連結されている。
好ましくは、前記横ダンプ用油圧シリンダ50は、車輌幅方向他方Y2側端部50aが前記荷台30の車輌幅方向Y中間地点30”又は該中間地点30”より車輌幅方向一方Y1側(左側)に位置するように、前記荷台本体32に連結される。
【0031】
ところで、前記横ダンプ用油圧シリンダ50の配設位置が前記後ダンプ用枢支軸P1から離間するに従って、前記支持部材31が前記後ダンプ用枢支軸P1回りに揺動される際の該横ダンプ用油圧シリンダ50の該枢支軸P1を中心とした仮想円弧上を移動する移動量が大きくなる。斯かる移動量が大きいと、前記横ダンプ用油圧シリンダ50の該移動量を許容するように、該油圧シリンダ50に設けられる油圧配管の構成を考慮しなければならず、それだけ該油圧配管のコスト高を招くと共に、前記油圧シリンダ50の前記仮想円弧上の移動に伴う前記油圧配管の劣化を生じ易い。
斯かる観点から、好ましくは、前記横ダンプ用油圧シリンダ50は、前記後ダンプ用枢支軸P1近傍に配置される。こうすることで、前記横ダンプ用油圧シリンダ50の前記仮想円弧上を移動する移動量を可及的に少なくできるので、前記横ダンプ用油圧シリンダ50に設けられる油圧配管を簡素化でき、それだけ低コスト化を実現できると共に、該油圧配管の劣化を効果的に防止できる。
【0032】
なお、前記横ダンプ用油圧シリンダ50は、二以上設けられていてもよい。
又、前記横ダンプ用枢支軸P2が車輌前後方向Xに沿って一部に設けられている場合、好ましくは、前記横ダンプ用油圧シリンダ50は車輌幅方向他方Y2側端部50aが前記横ダンプ用枢支軸P2の軸線方向の領域を前記荷台本体32において車輌幅方向Yに沿って他方Y2側端部32aに延長させた横ダンプ用枢支軸領域(図3(a)中斜線β参照)に配置され得る。
【0033】
本実施の形態においては、前記横ダンプ用枢支軸P2が前記支持部材31において前端部31a及び後端部31bに設けられている。そして、前記荷台本体32は、前記支持部材31の後端部31b(即ち前記後ダンプ用枢支軸P1近傍)に配置された一の横ダンプ用アクチュエータ50を介して前記支持部材31に対して前記横ダンプ用枢支軸P2回りに揺動可能とされている。
【0034】
なお、本実施の形態においては、前記支持部材31を前記車輌フレーム10に対して前記後ダンプ用枢支軸P1回り揺動可能に連結し、且つ、前記荷台本体32を前記支持部材31に対して前記横ダンプ用枢支軸P2回り揺動可能に連結したが、当然ながら、本発明は斯かる形態に限定されるものではない。
例えば、前記支持部材31を前記車輌フレーム10に対して前記横ダンプ用枢支軸P2回り揺動可能に連結し、且つ、前記荷台本体32を前記支持部材31に対して前記後ダンプ用枢支軸P1回り揺動可能に連結することも可能である。
【0035】
又、本実施の形態に係るユーティリティビークル1は、前記車輌フレーム10と、前記運転部20と、前記荷台30と、前記昇降アクチュエータ100とに加えて、前記運転部20及び前記荷台30の間に配設されたロプス60と、前記昇降アクチュエータ100を人為操作する為の昇降操作部材70とを備えている。そして、前記昇降操作部材70は、前記ロプス60に設けられている。
即ち、前記昇降アクチュエータ100は、前記ロプス60に設けられた前記昇降操作部材70にて人為操作され得るように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記荷台30を前記ダンプ姿勢に位置させて荷物を積み下ろす場合において、前記昇降操作部材70の人為操作を前記運転部20及び前記荷台30の間にて行うことができる。従って、荷物積み下ろし状態を目視にて確認し易くでき、これにより荷物積み下ろしの際の安全性を向上させることができる。
【0036】
好ましくは、前記昇降操作部材70は前記ロプス60において前記荷台30が前記横ダンプ姿勢をとる際に傾斜する車輌幅方向Y一方側(本実施の形態では、Y1方向側(左側))に設けられている。
斯かる構成を備えることにより、前記昇降操作部材70の人為操作を前記運転部20及び前記荷台30の間、且つ、前記荷台30が前記横ダンプ姿勢をとる際に傾斜する側(Y1方向側(左側))にて行うことができる。従って、荷物積み下ろし状態をさらに容易に視認することができ、これにより荷物積み下ろしの際の安全性の向上を効果的に図ることができる。
詳しくは、前記昇降操作部材70は、車輌幅方向Yに関し前記ロプス60の外側に向く面に設けられている。
【0037】
なお、前記ロプス60は、車輌転倒時に運転者を保護する為のものであり、本実施の形態においては、前記ロプス60は、前記車輌フレーム10の車輌幅方向一方Y1側と他方Y2側との間に、車輌転倒時に運転者を保護するように架設された安全フレームとされている。
【0038】
好ましくは、前記ユーティリティビークル1は、前記構成に加えて、前記荷台30を照射する照明灯65を備える。
本実施の形態においては、前記照明灯65は、前記ロプス60における前記荷台30が前記横ダンプ姿勢をとる際に傾斜する車輌幅方向Y一方側(本実施の形態では、Y1方向側(左側))に設けられており、光照射部65aが前記荷台30を照らすように配置されている。これにより、例えば、夕方や夜間等の周囲が暗い環境であっても、前記荷台30が前記横ダンプ姿勢をとる際に傾斜する車輌幅方向一方Y1側(左側)の視界を確保でき、それだけ荷物積み下ろしの際の安全性の向上が可能となる。
好ましくは、前記昇降操作部材70には、前記照明灯65への通電をオンオフする照明灯用切替部材73(図1参照)が設けられ得る。
【0039】
好ましくは、前記昇降操作部材70は、前記ロプス60に脱着可能に設けられ得る。例えば、前記昇降操作部材70は、有線通信手段を介して又は無線通信手段を介して、後述する制御装置200(図5参照)に電気的に接続され得る。こうすることで、前記昇降操作部材70は、前記ロプス60に対して該昇降操作部材70の操作可能な移動範囲内で脱着可能に設けられ得る。従って、前記昇降操作部材70の人為操作を前記運転部20及び前記荷台30の間だけでなく、該昇降操作部材70の操作可能な移動範囲内の任意の場所にて行うことができ、荷物積み下ろし状態をより一層視認し易くでき、それだけ荷物積み下ろしの際の安全性を良好に確保できる。
【0040】
本実施の形態においては、前記昇降操作部材70は有線通信手段を介して前記制御装置200に電気的に接続されている。
具体的には、前記昇降操作部材70は、図1に示すように、前記後ダンプ用油圧シリンダ40の昇降を切り替える後ダンプ用切替部材71と、前記横ダンプ用油圧シリンダ50の昇降を切り替える横ダンプ用切替部材72とを有しており、それぞれ、前記昇降操作部材70と前記制御装置200とを電気的に接続するケーブルCを介して、前記制御装置200に電気的に接続されている。
詳しくは、前記ロプス60は、中空形状とされており、前記ケーブルCが前記ロプス60の中空部内に収納されている。
【0041】
好ましくは、前記ロプス60は、図示を省略したが、前記ケーブルCを収納する収納部と、該収納部に収納されるケーブルCが収納位置に位置するように付勢する付勢部材とを備え、前記収納部から引き出された前記ケーブルCが前記付勢部材による付勢力にて自動的に前記収納位置に引き戻されるようになっている。好ましくは、前記収納部は、前記ケーブルCが前記収納部から引き出された状態を保持する保持機構と、該保持されたケーブルCの保持状態を解除する解除機構とを備えている。
又、好ましくは、前記ケーブルCは、前記昇降操作部材70が前記荷台30の後端部に到達し得る長さとされている。斯かる構成によれば、前記昇降操作部材70を前記荷台30の後端部において人為操作でき、これにより、車輌前後方向後方X2に関する荷物の積み下ろし状態を有効に視認できる。
【0042】
次に、前記ユーティリティビークル1における伝動系について説明する。図4に、本実施の形態に係るユーティリティビークル1における伝動系の一例の模式図を示す。
【0043】
前記ユーティリティビークル1は、前記構成に加えて、前記車輌フレーム10(図1参照)の車輌前後方向X一端側(図示の形態においては前側(X1方向側))に支持される駆動源400と、前記駆動源400から車輌前後方向Xに離間された位置において前記車輌フレーム10の車輌前後方向X他端側(図示の形態においては後側(X2方向側))に支持される前記トランスミッション500とを備えている。
【0044】
前記トランスミッション500は、前記駆動源400から伝動軸25を介して入力された動力を、主駆動輪(図示の形態においては後輪600)に伝達する走行系伝動機構を備えている。
【0045】
詳しくは、前記トランスミッション500は、図4に示すように、前記駆動源400(図示の形態においてはエンジン)に作動連結されたHST510と、前記HST510の伝動方向下流側に配設された遊星歯車機構520と、前記遊星歯車機構520の伝動方向下流側に配設された走行系ギヤ変速機構530と、前記走行系ギヤ変速機構530の伝動方向下流側に配設されたディファレンシャルギヤ機構540とを備えており、前記HST510,前記遊星歯車機構520,前記走行系ギヤ変速機構530及び前記ディファレンシャルギヤ機構540が前記走行系伝動機構を形成している。
なお、前記駆動源400として電動モータを用いてもよい。この場合、該電動モータは、好ましくは、前記HST510を介することなく前記遊星歯車機構520に作動連結され得る。
【0046】
前記トランスミッション500は、前記構成に加えて、前記種々の伝動機構を支持又は収容するミッションケース500’を備えている。
詳しくは、該ミッションケース500’は、前記遊星歯車機構520,前記走行系ギヤ変速機構530及び前記ディファレンシャルギヤ機構540を収容すると共に、前記HST510を支持している。
【0047】
前記HST510は、前記駆動源400に作動連結されるポンプ軸511と、該ポンプ軸511に相対回転不能に支持されたポンプ本体512と、前記ポンプ本体512に一対の作動油路を介して流体接続されたモータ本体514と、前記モータ本体514を相対回転不能に支持するモータ軸513と、前記ポンプ本体512又は前記モータ本体514の給排油量を変更する出力調整部材515とを備えており、前記出力調整部材515を操作することによって、前記ポンプ軸(HST入力軸)511の回転数に対する前記モータ軸(HST出力軸)513の回転数を無段変速させ得るようになっている。
【0048】
前記遊星歯車機構520は、サンギヤ521,遊星キャリア522及びインターナルギヤ523からなる遊星3要素のうちの第1要素が前記ポンプ軸511からの定速回転動力を入力する定速入力部として作用し、前記遊星3要素のうちの第2要素が前記モータ軸513からの可変回転動力を入力する可変入力部として作用し、且つ、前記遊星3要素のうちの第3要素が前記定速入力部及び前記可変入力部の回転動力を合成して出力する出力部として作用するように構成されている。
【0049】
本実施の形態においては、前記遊星歯車機構520は、前記モータ軸513と同心上に配置されている。
そして、前記サンギヤ521が前記モータ軸513に作動連結される前記可変入力部として作用し、前記遊星キャリア522が前記ポンプ軸511に作動連結される前記定速入力部として作用し、且つ、前記インターナルギヤ523が前記出力部として作用している。
【0050】
ここで、前記走行系伝動機構における走行系回転軸について説明する。
前記走行系伝動機構は、前記遊星歯車機構520,前記走行系ギヤ変速機構530及び前記ディファレンシャルギヤ機構540の間を作動連結する為に、車輌前後方向に沿って配設された複数の走行系回転軸を有している。
具体的には、前記走行系回転軸は、前記遊星歯車機構520の出力部(本実施の形態においては前記インターナルギヤ523)に作動連結された遊星出力軸410であって、前記モータ軸113と同軸上に配置された遊星出力軸410と、前記遊星出力軸410より車輌幅方向一方側へ変位された走行系伝動軸420と、前記走行系伝動軸420より下方に配設された走行系変速軸430とを含んでいる。
【0051】
前記走行系伝動軸420は、ギヤトレーンを介して前記遊星出力軸410に作動連結されている。
前記走行系変速軸430は、前記走行系ギヤ変速機構530を介して、前記走行系伝動軸420に作動連結されている。
即ち、前記走行系ギヤ変速機構530は、前記走行系伝動軸420と前記走行系変速軸430との間で多段変速を行うように構成されている。
【0052】
ここで、前記HST510は、前記出力調整部材515を操作することによって、前記モータ軸513を所定の一定方向に回転させると共に前記ポンプ軸511の回転数に対する前記モータ軸513の回転数を無段変速させる走行状態と、前記モータ軸513を実質的に回転させないゼロ出力状態とをとり得るように構成されてもよい。
又、前記HST510は、前記出力調整部材515を操作することによって、前記モータ軸513を所定方向に回転させると共に前記ポンプ軸511の回転数に対する前記モータ軸513の回転数を無段変速させる前進走行状態と、前記モータ軸513を実質的に回転させないゼロ出力状態(ニュートラル状態)と、前記モータ軸513を前記所定方向とは反対方向に回転させると共に前記ポンプ軸511の回転数に対する前記モータ軸513の回転数を無段変速させる後進走行状態とをとり得るように構成されてもよい。
【0053】
本実施の形態においては、前記HST510は、前記出力調整部材515を操作することによって、前記モータ軸513を所定の一定方向に回転させると共に前記ポンプ軸511の回転数に対する前記モータ軸513の回転数を無段変速させる走行状態と、前記モータ軸513を実質的に回転させないゼロ出力状態とをとり得るように構成されている。
【0054】
詳しくは、前記走行系ギヤ変速機構530は、前記走行系伝動軸420から前記走行系変速軸430への伝達方向を切り換え可能に構成される。
本実施の形態においては、前記トランスミッション500は、前記走行系回転軸として、さらに、前記走行系伝動軸420から前記走行系変速軸430への伝動経路に介挿される走行系アイドル軸440を有している。
【0055】
そして、本実施の形態に係るユーティリティビークル1は、前記構成に加えて、前記走行系伝動機構における前記走行系ギヤ変速機構530を前進状態,中立状態又は後進状態に切替可能な走行操作部材22(図1及び後述する図6参照)を備えている。
即ち、前記走行系ギヤ変速機構530は、前記走行操作部材22の人為操作によって、前記走行系伝動軸420から前記走行系アイドル軸440を介さずに前記走行系変速軸430へ動力伝達する正転伝達モード(例えば前進状態)と、前記走行系伝動軸420から前記走行系変速軸430への動力伝達を遮断する中立モード(中立状態)と、前記走行系伝動軸420から前記走行系アイドル軸440を介して前記走行系変速軸430に動力伝達する逆転伝達モード(例えば後進状態)とを切替可能とされている。
本実施の形態においては、前記走行操作部材22は前後進レバーとされており、図6に示すように、前記運転部20において前記操向ハンドル21の基部21’を基準にして車輌幅方向他方Y2側(右側)に配設されている。なお、図6中符号24はハンドルコラムである。
本実施の形態においては、前記走行系ギヤ変速機構530は、図4に示すように、前記正転伝達モードにおいて、2段変速を行えるように構成されている。
【0056】
前記走行系変速軸430は、前記走行系ギヤ変速機構530を介して変速又は逆転された回転動力を、前記ディファレンシャルギヤ機構540の入力リングギヤ541へ伝達するように構成されている。
【0057】
本実施の形態においては、前記走行系伝動機構は、前記走行系変速軸430の回転動力を、前記主駆動輪(本実施の形態において後輪600)に加えて、副駆動輪(本実施の形態においては前輪700)へ向けて出力し得るように構成されている。
具体的には、前記トランスミッション500は、前記走行系回転軸として、さらに、前記走行系変速軸430に作動連結されたサブ走行系出力軸450を有している。
【0058】
好ましくは、前記走行系伝動機構は、サブ駆動輪増速機構550を備えることができる。
斯かるサブ駆動輪増速機構550を備えることにより、作業車輌の旋回時に生じる前輪及び後輪の間の旋回半径差を補償する為に、前輪を増速回転させることができる。
【0059】
より詳しくは、前記トランスミッション500は、前記構成に加えて、前記ディファレンシャルギヤ機構540における一対のデフ出力軸542より下方に位置する一対の駆動車軸560であって、前記一対のデフ出力軸542に減速ギヤ列570を介してそれぞれ作動連結された一対の駆動車軸560を備えている。
【0060】
次に、前記昇降アクチュエータ100の作動制御について説明する。
図5に、本実施の形態に係るユーティリティビークル1の電気系の概略ブロック図を示す。
【0061】
本実施の形態に係るユーティリティビークル1は、前記車輌フレーム10と、前記運転部20と、前記荷台30と、前記昇降アクチュエータ100と、前記ロプス60と、前記昇降操作部材70とに加えて、前記昇降操作部材70の操作に基づき前記昇降アクチュエータ100を作動制御する制御装置200を備えている。そして、前記昇降操作部材70は、前記水平姿勢又は前記ダンプ姿勢を切替操作する為に人為操作可能とされている。
即ち、本実施の形態に係るユーティリティビークル1は、前記昇降操作部材70の人為操作に基づく前記制御装置200の作動指示により、前記昇降アクチュエータ100が作動制御されるように構成されている。
【0062】
前記ユーティリティビークル1は、前記車輌フレーム10と、前記運転部20と、前記荷台30と、前記昇降アクチュエータ100と、前記ロプス60と、前記昇降操作部材70と、前記制御装置200とに加えて、車輌の走行状態及び停止状態を検出する走行状態検出装置300を備えている。
即ち、本実施の形態に係るユーティリティビークル1は、前記昇降操作部材70の人為操作に基づく前記制御装置200の作動指示に加えて、走行状態検出装置300の検出結果に基づく前記制御装置200の作動指示により、前記昇降アクチュエータ100が作動制御されるように構成されている。
そして、前記制御装置200は、前記走行状態検出装置300からの検出信号に基づき車輌が走行状態にあると判断した場合には、前記昇降操作部材70から前記昇降アクチュエータ100への作動指示を禁止するように構成されている。
【0063】
斯かる構成を備えることにより、車輌が走行状態にあるときに前記昇降操作部材70を誤って操作しても、該昇降操作部材70の操作に拘わらず、前記荷台30の姿勢を維持することができる。
例えば、前記水平姿勢とされた前記荷台30について、車輌が走行状態にあるときには、前記昇降操作部材70の操作に拘わらず、該水平姿勢を維持することができる。従って、前記水平姿勢とされた前記荷台30に載置された荷物を運搬する際に該荷台30の前記ダンプ姿勢への移行を防止でき、これにより荷物を安全且つ確実に運搬することができる。
【0064】
前記走行状態検出装置300は、車輌の走行状態及び停止状態を検出できるものであれば、何れのものでもよい。
前記走行状態検出装置300としては、それには限定されないが、以下のものを例示できる。
例えば、前記HST510が、前記走行状態と、前記ゼロ出力状態とをとり得るように構成されている場合(本実施の形態の場合)、前記走行状態検出装置300は、前記走行系ギヤ変速機構530より伝動方向下流側に配設された回転軸の回転数を検出するように構成されていてもよい。斯かる検出装置300では、該回転軸が回転しているときに車輌の走行状態を検出でき且つ該回転軸が回転していないときに車輌の停止状態を検出できる。
又、例えば、前記HST510が、前記走行状態と、前記ゼロ出力状態とをとり得るように構成されている場合(本実施の形態の場合)、前記走行状態検出装置300は、前記走行系ギヤ変速機構530を前記前進状態,前記中立状態又は前記後進状態に切替操作する前記走行操作部材22の操作位置を検出するように構成されていてもよい。斯かる検出装置300では、前記走行操作部材22が前記走行系ギヤ変速機構530を前記前進状態又は前記後進状態に切替操作しているときに車輌の走行状態を検出でき且つ前記走行操作部材22が前記走行系ギヤ変速機構530を前記中立状態に切替操作しているときに車輌の停止状態を検出できる。
【0065】
又、例えば、前記HST510が、前記前進走行状態と、前記ゼロ出力状態(ニュートラル状態)と、前記後進走行状態とをとり得るように構成されている場合、前記走行状態検出装置300は、前記HST510より伝動方向下流側に配設された回転軸の回転数を検出するように構成されていてもよい。斯かる検出装置300では、該回転軸が回転しているときに車輌の走行状態を検出でき且つ該回転軸が回転していないときに車輌の停止状態を検出できる。
又、例えば、前記HST510が、前記前進走行状態と、前記ゼロ出力状態(ニュートラル状態)と、前記後進走行状態とをとり得るように構成されている場合、前記走行状態検出装置300は、前記HST510における前記ポンプ本体512と前記モータ本体514との間の給排油量を検出するように構成されていてもよい。斯かる検出装置300では、前記ポンプ本体512と前記モータ本体514との間で給排油されているときに車輌の走行状態を検出でき且つ前記ポンプ本体512と前記モータ本体514との間で給排油さていないときに車輌の停止状態を検出できる。
【0066】
本実施の形態においては、前記走行状態検出装置300は、前記走行系ギヤ変速機構530を前記前進状態,前記中立状態又は前記後進状態に切替操作する前記前後進レバー22の操作位置を検出するように構成されている。
【0067】
本実施の形態に係るユーティリティビークル1において、前記昇降アクチュエータ100は、前記荷台30を前記ダンプ姿勢とさせる上昇状態と、前記荷台30を前記水平姿勢とさせる下降状態と、前記荷台30の姿勢を保持する保持状態とをとり得るように構成されている。
詳しくは、前記昇降アクチュエータ100は、さらに、前記後ダンプ用油圧シリンダ40及び前記横ダンプ用油圧シリンダ50を作動させる油圧回路101を備えている。
【0068】
図7は、前記昇降アクチュエータ100における油圧回路の一例101を示す図である。
【0069】
図7に示す油圧回路101は、前記駆動源400(本実施の形態では、エンジン)に作動連結された昇降アクチュエータ用ポンプユニット110と、該ポンプユニット110からの圧油を、それぞれ、前記後ダンプ用油圧シリンダ40及び前記横ダンプ用油圧シリンダ50に供給する後ダンプ用油圧回路102及び横ダンプ用油圧回路103とを備えている。
本実施の形態では、前記昇降アクチュエータ用ポンプユニット110はHST510を介してエンジン400に作動連結されている。但し、それに限定されることはなく、前記昇降アクチュエータ用ポンプユニット110は、前記エンジン400に代えて、電動モータに直接的に作動連結されてもよい。
なお、本実施の形態においては、前記昇降アクチュエータ用ポンプユニット110に供給される圧油は、図7に示すように、油貯留タンク140に貯留されている。
【0070】
前記後ダンプ用油圧回路102は、前記荷台30を前記後ダンプ姿勢とさせる上昇状態と、前記荷台30を前記水平姿勢とさせる下降状態と、前記荷台30の姿勢を保持する保持状態とをとり得るように、前記後ダンプ用油圧シリンダ40への圧油状態を調整する後ダンプ用電磁弁120と、一端部が前記ポンプユニット110に流体接続され、且つ、他端部が前記後ダンプ用電磁弁120の一方側入力口120aに流体接続された後ダンプ用第1油路102aと、一端部が前記後ダンプ用電磁弁120の他方側第1入出力口120bに流体接続され、且つ、他端部が前記後ダンプ用油圧シリンダ40の荷台上昇側油圧室41及び荷台下降側油圧室42のうち何れか一方(本実施の形態では、荷台上昇側油圧室41)に流体接続された後ダンプ用第2油路102bと、一端部が前記後ダンプ用油圧シリンダ40の荷台上昇側油圧室41及び荷台下降側油圧室42のうち何れか他方(本実施の形態では、荷台下降側油圧室42)に流体接続され、且つ、他端部が前記後ダンプ用電磁弁120の他方側第2入出力口120cに流体接続された後ダンプ用第3油路102cと、一端部が前記後ダンプ用電磁弁120の一方側出力口120dに流体接続され、且つ、他端部が排油端とされた後ダンプ用第4油路102dとを備えている。
【0071】
そして、前記後ダンプ用電磁弁120は、前記制御装置200に電気的に接続されており(図5参照)、前記制御装置200の作動指示の下、前記後ダンプ用第1油路102a及び前記後ダンプ用第2油路102bを連通すると共に前記後ダンプ用第3油路102c及び前記後ダンプ用第4油路102dを連通する後ダンプ用シリンダ上昇位置と、前記後ダンプ用第1油路102a及び前記後ダンプ用第3油路102cを連通すると共に前記後ダンプ用第2油路102b及び前記後ダンプ用第4油路102dを連通する後ダンプ用シリンダ下降位置と、前記後ダンプ用第1油路102a及び前記後ダンプ用第4油路102dを連通すると共に前記後ダンプ用第2油路102b及び前記後ダンプ用第3油路102cを遮断する後ダンプ用シリンダ保持位置とを切替可能とされている。
なお、前記後ダンプ用電磁弁120は、前記制御装置200からの作動指示信号の伝達が遮断されているときは、図7に示すように、前記後ダンプ用シリンダ下降位置に位置する。
【0072】
前記横ダンプ用油圧回路103は、前記荷台30を前記横ダンプ姿勢とさせる上昇状態と、前記荷台30を前記水平姿勢とさせる下降状態と、前記荷台30の姿勢を保持する保持状態とをとり得るように、前記横ダンプ用油圧シリンダ50への圧油状態を調整する横ダンプ用電磁弁130と、一端部が前記ポンプユニット110に流体接続され、且つ、他端部が前記横ダンプ用電磁弁130の一方側入力口130aに流体接続された横ダンプ用第1油路103aと、一端部が前記横ダンプ用電磁弁130の他方側第1入出力口130bに流体接続され、且つ、他端部が前記横ダンプ用油圧シリンダ50の荷台上昇側油圧室51及び荷台下降側油圧室52のうち何れか一方(本実施の形態では、荷台上昇側油圧室51)に流体接続された横ダンプ用第2油路103bと、一端部が前記横ダンプ用油圧シリンダ50の荷台上昇側油圧室51及び荷台下降側油圧室52のうち何れか他方(本実施の形態では、荷台下降側油圧室52)に流体接続され、且つ、他端部が前記横ダンプ用電磁弁130の他方側第2入出力口130cに流体接続された横ダンプ用第3油路103cと、一端部が前記横ダンプ用電磁弁130の一方側出力口130dに流体接続され、且つ、他端部が排油端とされた横ダンプ用第4油路103dとを備えている。
【0073】
そして、前記横ダンプ用電磁弁130は、前記制御装置200に電気的に接続されており(図5参照)、前記制御装置200の作動指示の下、前記横ダンプ用第1油路103a及び前記横ダンプ用第2油路103bを連通すると共に前記横ダンプ用第3油路103c及び前記横ダンプ用第4油路103dを連通する横ダンプ用シリンダ上昇位置と、前記横ダンプ用第1油路103a及び前記横ダンプ用第3油路103cを連通すると共に前記横ダンプ用第2油路103b及び前記横ダンプ用第4油路103dを連通する横ダンプ用シリンダ下降位置と、前記横ダンプ用第1油路103a及び前記横ダンプ用第4油路103dを連通すると共に前記横ダンプ用第2油路103b及び前記横ダンプ用第3油路103cを遮断する横ダンプ用シリンダ保持位置とを切替可能とされている。
なお、前記横ダンプ用電磁弁130は、前記制御装置200からの作動指示信号の伝達が遮断されているときは、図7に示すように、前記横ダンプ用シリンダ下降位置に位置する。
【0074】
本実施の形態においては、前記油圧回路101は、前記構成に加えて、リリーフ弁140を備えている。
前記リリーフ弁140は、一端部が前記後ダンプ用第1油路102a及び前記横ダンプ用第1油路103aの途中経路に流体接続され、且つ、他端が排油端とされた分岐油路140aに介挿されており、前記昇降アクチュエータ用ポンプユニット110から前記後ダンプ用電磁弁120及び前記横ダンプ用電磁弁130に向かう圧油を所定の一定圧力に維持するように構成されている。
【0075】
本実施の形態においては、前記後ダンプ用油圧回路102は、前記構成に加えて、後ダンプ用チェック弁151及び後ダンプ用絞り部材161を備えており、前記横ダンプ用油圧回路103は、前記構成に加えて、横ダンプ用チェック弁152及び横ダンプ用絞り部材162を備えている。
【0076】
前記後ダンプ用チェック弁151は、前記後ダンプ用第3油路102cに介挿されており、前記後ダンプ用油圧シリンダ40の前記荷台下降側油圧室42から前記後ダンプ用電磁弁120の前記他方側第2入出力口120cへ圧油を流す一方、前記後ダンプ用電磁弁120の前記他方側第2入出力口120cから前記後ダンプ用油圧シリンダ40の前記荷台下降側油圧室42への圧油の流れを遮断するように構成されている。
前記後ダンプ用絞り部材161は、前記後ダンプ用チェック弁151と並列に前記後ダンプ用第3油路102cに介挿されており、該後ダンプ用第3油路102cに流れる圧油の流速を所定の一定流速に抑制するように構成されている。
前記後ダンプ用油圧回路102は、斯かる構成を備えることにより、前記後ダンプ用電磁弁120の前記他方側第2入出力口120cから前記後ダンプ用油圧シリンダ40の前記荷台下降側油圧室42へ圧油が流れる該後ダンプ用油圧シリンダ40の下降の際に生じることがある衝撃を緩和し得るようになっている。
【0077】
前記横ダンプ用チェック弁152は、前記横ダンプ用第3油路103cに介挿されており、前記横ダンプ用油圧シリンダ50の前記荷台下降側油圧室52から前記横ダンプ用電磁弁130の前記他方側第2入出力口130cへ圧油を流す一方、前記横ダンプ用電磁弁130の前記他方側第2入出力口130cから前記横ダンプ用油圧シリンダ50の前記荷台下降側油圧室52への圧油の流れを遮断するように構成されている。
前記横ダンプ用絞り部材162は、前記横ダンプ用チェック弁152と並列に前記横ダンプ用第3油路103cに介挿されており、該横ダンプ用第3油路103cに流れる圧油の流速を所定の一定流速に抑制するように構成されている。
前記横ダンプ用油圧回路103は、斯かる構成を備えることにより、前記横ダンプ用電磁弁130の前記他方側第2入出力口130cから前記横ダンプ用油圧シリンダ50の前記荷台下降側油圧室52へ圧油が流れる該横ダンプ用油圧シリンダ50の下降の際に生じることがある衝撃を緩和し得るようになっている。
【0078】
本実施の形態においては、前記制御装置200は、図5に示すように、前記昇降操作部材70及び前記走行状態検出装置300からの信号を入力して、前記昇降アクチュエータ100へ制御信号を出力するように構成されている。
詳しくは、該制御装置200は、前記昇降操作部材70及び前記走行状態検出装置300から入力される信号に基づいて制御処理を実行する制御手段を含む中央処理装置(CPU)201と、制御プログラムを格納したり、各種データを記憶するROM202と、前記制御プログラムや前記CPU201の処理中に生成されるデータを一時的に保持するRAM203とを備えている。
【0079】
斯かる構成の前記制御装置200は、入力系が前記昇降操作部材70及び前記走行状態検出装置300に電気的に接続されると共に、出力系が前記後ダンプ用電磁弁120及び前記横ダンプ用電磁弁130に電気的に接続されている。
【0080】
そして、前記制御装置200は、前記走行状態検出装置300からの検出信号に基づき車輌が走行状態にあると判断した場合には(本実施の形態では、前記前後進レバー22が前記走行系ギヤ変速機構530を前記前進状態又は前記後進状態に切替操作していると判断した場合には)、前記昇降アクチュエータ100(本実施の形態では、前記後ダンプ用油圧シリンダ40及び前記横ダンプ用油圧シリンダ50)を強制的に前記下降状態とするように構成されている。
【0081】
本実施の形態に係るユーティリティビークル1は、前記構成に加えて、前記昇降アクチュエータ100の作動を停止させるアクチュエータ作動停止部材800を備えている。
【0082】
本実施の形態においては、前記アクチュエータ作動停止部材800は、前記制御装置200から前記後ダンプ用電磁弁120へ作動指示信号を伝達する信号伝達状態と、前記制御装置200から前記後ダンプ用電磁弁120への作動指示信号の伝達を遮断する信号遮断状態とを切り替える後ダンプ用油圧シリンダ作動切替部材810と、前記制御装置200から前記横ダンプ用電磁弁130へ作動指示信号を伝達する信号伝達状態と、前記制御装置200から前記横ダンプ用電磁弁130への作動指示信号の伝達を遮断する信号遮断状態とを切り替える横ダンプ用油圧シリンダ作動切替部材820とを含んでいる。
詳しくは、前記後ダンプ用油圧シリンダ作動切替部材810は、前記制御装置200と前記後ダンプ用電磁弁120との間に介挿されている。前記切替部材810は、前記制御装置200に電気的に接続されており、前記制御装置200の作動指示の下、前記信号伝達状態と、前記信号遮断状態とを切替可能とされている。
又、前記横ダンプ用油圧シリンダ作動切替部材820は、前記制御装置200と前記横ダンプ用電磁弁130との間に介挿されている。前記切替部材820は、前記制御装置200に電気的に接続されており、前記制御装置200の作動指示の下、前記信号伝達状態と、前記信号遮断状態とを切替可能とされている。
【0083】
そして、前記制御装置200は、前記走行状態検出装置300からの検出信号に基づき車輌が走行状態にあると判断した場合には(本実施の形態では、前記前後進レバー22が前記走行系ギヤ変速機構530を前記前進状態又は前記後進状態に切替操作していると判断した場合には)、前記アクチュエータ作動停止部材800によって、前記昇降アクチュエータ100の作動を停止させるように(本実施の形態では、前記後ダンプ用油圧シリンダ作動切替部材810及び前記横ダンプ用油圧シリンダ作動切替部材820をそれぞれ前記信号遮断状態に切り替えるように)構成されている。このとき、前記後ダンプ用電磁弁120及び前記横ダンプ用電磁弁130は、それぞれ、図7に示すように、前記後ダンプ用シリンダ下降位置及び前記横ダンプ用シリンダ下降位置に位置している。
これにより、前記走行状態検出装置300からの検出信号に基づき車輌が走行状態にあると判断した場合に、前記昇降アクチュエータ100(本実施の形態では、前記後ダンプ用油圧シリンダ40及び前記横ダンプ用油圧シリンダ50)を強制的に前記下降状態とすることができる。
【0084】
好ましくは、ユーティリティビークル1は、前記構成に加えて、前記昇降アクチュエータ100を人為操作する為の他の昇降操作部材80であって、前記運転部20に設けられた他の昇降操作部材80を備えている。
【0085】
本実施の形態においては、図5に示すように、前記昇降操作部材80は、前記制御装置200に電気的に接続されている。
そして、前記昇降操作部材80には、図6に示すように、前記後ダンプ用油圧シリンダ40の昇降を切り替える後ダンプ用切替部材81と、前記横ダンプ用油圧シリンダ50の昇降を切り替える横ダンプ用切替部材82とが設けられている。
【0086】
本実施の形態に係るユーティリティビークル1においては、前記走行系伝動機構は、次のように構成することができる。
図8に、前記ユーティリティビークル1における伝動系の他の例の要部模式図を示し、図9に、前記ユーティリティビークル1における伝動系のさらに他の例の要部模式図を示す。
なお、前記ユーティリティビークル1と同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
又、図8及び図9に示すユーティリティビークル1は、図8の構成では、前記駆動源400としてエンジンを、図9の構成では、前記駆動源400として走行用電動モータを用いており、それ以外は実質的に同じ構成のものとされている。
【0087】
図8及び図9に示すユーティリティビークル1は、前記駆動源400と、前記トランスミッション500とに加えて、前記駆動源400の駆動力を補助する補助用駆動源900を備えている。
斯かる構成のユーティリティビークル1では、前記駆動源400の駆動力を補助する前記補助用駆動源900を備えているので、車輌に負荷がかかった状態であっても、所望の変速操作に応じた速度に効率よく応答させることができる。
【0088】
好ましくは、前記補助用駆動源900は、補助用電動モータとされ得る。
なお、図9に示すように、前記駆動源400として電動モータを用いる場合、該電動モータは、好ましくは、前記HST510を介することなく前記遊星歯車機構520に作動連結され得る。
【0089】
本実施の形態においては、図8及び図9に示すように、前記走行系回転軸は、前記ディファレンシャルギヤ機構540の伝動方向下流側に配設された補助駆動用伝動軸460をさらに含んでいる。
そして、前記補助駆動用伝動軸460は、前記補助用駆動源910の回転軸911に作動連結されている。
【0090】
図8及び図9に示すユーティリティビークル1は、前記構成に加えて、前記駆動源400と前記補助用駆動源900とを同期させる同期状態をとり得る同期用無段変速装置910を備えている。
斯かる構成を備えることにより、前記補助用駆動源900の前記駆動源400への駆動力の補助を効率よく行うことができる。
なお、前記同期用無段変速装置910は、前記補助用駆動源900と前記駆動源400とを同期させ得る無段変速装置であれば、何れのものであってもよい。
本実施の形態においては、前記同期用無段変速装置910は、HSTとされており、前記補助用駆動源900から前記ディファレンシャルギヤ機構540への伝動経路に介挿されている。
詳しくは、前記同期用HST910は、前記補助用駆動源900の前記回転軸901に前記補助駆動用伝動軸460を介して作動連結されるポンプ軸911と、該ポンプ軸911に相対回転不能に支持されたポンプ本体912と、前記ポンプ本体912に一対の作動油路を介して流体接続されたモータ本体914と、前記モータ本体914を相対回転不能に支持するモータ軸913であって、前記ディファレンシャルギヤ機構540に作動連結されるモータ軸913とを備えており、前記ポンプ軸911の回転数と前記モータ軸913の回転数とを一致させる前記同期状態をとり得るように構成されている。
【0091】
図8及び図9に示すユーティリティビークル1は、前記構成に加えて、車輌の負荷状態を検出する負荷検出装置920(図5参照)を備えている。
前記同期用無段変速装置910は、さらに、前記補助用駆動源900から前記駆動源400への動力伝達を遮断する動力遮断状態をとり得るように構成されている。
そして、前記制御装置200は、前記負荷検出装置920からの検出信号に基づき車輌の負荷が所定の閾値以下であると判断した場合には、前記同期用無段変速装置910を前記動力遮断状態にさせ、且つ、前記負荷検出装置920からの検出信号に基づき車輌の負荷が前記所定閾値を超えたと判断した場合には、前記同期用無段変速装置910を前記同期状態にさせるように構成されている。
【0092】
本実施の形態においては、前記同期用HST910は、さらに、前記ポンプ軸911から前記モータ軸913への動力伝達を遮断する前記動力遮断状態をとり得るように構成されている。
さらに、前記同期用HST910は、前記制御装置200に電気的に接続されており(図5参照)、前記制御装置200の作動指示の下、前記同期状態と、前記動力遮断状態とを切替可能とされている。
又、前記負荷検出装置920は、前記制御装置200に電気的に接続されており、前記走行系伝動機構における何れかの伝動経路に配設され得る。
具体的には、前記負荷検出装置920は、本実施の形態では、トルクセンサとされており、前記ディファレンシャルギヤ機構540に配設されている。
【0093】
なお、前記制御装置200は、車輌発進開始から所定の時間(所定の区間)内においては、前記同期用無段変速装置910を前記同期状態にさせるように構成されてもよい。
【0094】
図8及び図9に示すユーティリティビークル1は、前記構成に加えて、前記同期用HST910の前記動力遮断状態を確実なものとする為に、前記補助用駆動源900から前記駆動源400への動力伝達を遮断する動力遮断部材930を備えている。
本実施の形態においては、前記動力遮断部材930は、動力遮断用クラッチとされ、前記HST910から前記ディファレンシャルギヤ機構540への伝動経路に介挿されており、前記補助用駆動源900から前記駆動源400へ動力伝達する動力伝達状態と、前記補助用駆動源900から前記駆動源400への動力伝達を遮断する動力遮断状態とをとり得るように構成されている。
そして、前記動力遮断用クラッチ930は、前記制御装置200に電気的に接続されており(図5参照)、前記制御装置200の作動指示の下、前記動力伝達状態と、前記動力遮断状態とを切替可能とされている。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、本実施の形態に係るユーティリティビークルの全体構成を後方から視た斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すユーティリティビークルにおいて、荷台が後ダンプ姿勢をとっている状態を示す模式図であって、図2(a)はその側面図であり、図2(b)はその背面図である。
【図3】図3は、図1に示すユーティリティビークルにおいて、荷台が横ダンプ姿勢をとっている状態を示す模式図であって、図3(a)はその側面図であり、図3(b)はその背面図である。
【図4】図4は、本実施の形態に係るユーティリティビークルにおける伝動系の一例を示す模式図である。
【図5】図5は、本実施の形態に係るユーティリティビークルの電気系の概略ブロック図である。
【図6】図6は、運転部において前後進レバーが操向ハンドルの基部を基準として下方且つ車輌幅方向他方側に配設されている状態を示す図である。
【図7】図7は、昇降アクチュエータにおける油圧回路の一例を示す図である。
【図8】図8は、ユーティリティビークルにおける伝動系の他の例を示す要部模式図である。
【図9】図9は、ユーティリティビークルにおける伝動系のさらに他の例を示す要部模式図である。
【0096】
1…ユーティリティビークル 10…車輌フレーム 20…運転部
21…操向ハンドル 22…走行操作部材 30…荷台 60…ロプス
70…昇降操作部材 80…他の昇降操作部材 100…昇降アクチュエータ
200…制御装置 300…走行状態検出装置 800…アクチュエータ作動停止部材
X…車輌前後方向 X2…車輌前後方向後方 Y…車輌幅方向
Y1…車輌幅方向一方側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌フレームと、
前記車輌フレームに支持された運転部と、
前記運転部の後方において前記車輌フレームに支持され且つ荷物を載置可能な水平姿勢及び載置された荷物を排出する為のダンプ姿勢をとり得るように構成された荷台と、
前記運転部及び前記荷台の間に配設されたロプスと、
前記荷台を前記水平姿勢又は前記ダンプ姿勢とさせる昇降アクチュエータと、
前記昇降アクチュエータを人為操作する為の昇降操作部材とを備え、
前記昇降操作部材は、前記ロプスに設けられていることを特徴とするユーティリティビークル。
【請求項2】
前記ダンプ姿勢は、車輌幅方向へ傾斜された横ダンプ姿勢を含むことを特徴とする請求項1に記載のユーティリティビークル。
【請求項3】
前記昇降操作部材は、前記ロプスにおいて前記荷台が前記横ダンプ姿勢をとる際に傾斜する車輌幅方向一方側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のユーティリティビークル。
【請求項4】
前記昇降操作部材は、前記ロプスに脱着可能に設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のユーティリティビークル。
【請求項5】
前記ダンプ姿勢は、車輌前後方向後方へ傾斜された後ダンプ姿勢を含むことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のユーティリティビークル。
【請求項6】
前記昇降操作部材の操作に基づき前記昇降アクチュエータを作動制御する制御装置と、
車輌の走行状態及び停止状態を検出する走行状態検出装置とをさらに備え、
前記制御装置は、前記走行状態検出装置からの検出信号に基づき車輌が走行状態にあると判断した場合には、前記昇降操作部材から前記昇降アクチュエータへの作動指示を禁止するように構成されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のユーティリティビークル。
【請求項7】
前記昇降アクチュエータを人為操作する為の他の昇降操作部材であって、前記運転部に設けられた他の昇降操作部材を、さらに備えていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のユーティリティビークル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−196774(P2007−196774A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−15732(P2006−15732)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)