説明

ライトガイドおよびその製造法

【課題】光のロスを抑制することの可能な樹脂成形体のライトガイドおよびその製造法を提供する。
【解決手段】ライトガイド1は、光が入射する入射面2と、入射した光を出射する出射面3と、入射面2の外周と出射面3の外周とを結ぶ周面4a,4b,4c,4dと、を有し、周面4b,4cの外側方向(光軸に垂直となる方向)に突出する突起部5a,5bが、出射面3よりも入射面2に近い側に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライトガイドおよびその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、出力光の発散角を大幅に縮小する光均一化装置(ライトガイド)を提供する技術が知られている。このライトガイドは、拡張角度を有する楔形構造体であり、この構造体が入射面および出射面を有し、入射面は正方形であり、出射面は矩形である(特許文献1参照)。また、このライトガイドと同様の部材として、テーパー部と平行柱状部からなるテーパーロッド(ライトガイド)が提案されている(特許文献2参照)。さらにこれらのライトガイドと同様の部材として、光軸に向かって断面形状の面積が減少するテーパー形状と、光軸に向かって断面形状の面積が増加するテーパー形状から成るロッドレンズ(ライトガイド)が提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−318025号公報
【特許文献2】特開平11−142780号公報
【特許文献3】特開2010−122581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1から3に記載されているライトガイドは、近年、樹脂の金型成形で製造されることが多い。このように樹脂を原料とする場合には、コスト面および製造のし易さの面で利点となる。
【0005】
しかしながら、樹脂の金型成形の際には、金型に溶融樹脂を注入する注入口(ゲート)にて硬化した樹脂(ゲート成形物)が、目的とする成形物に形成されてしまう。そのようなゲート成形物の存在すること、または存在したことによって、ライトガイド内に入射した光が理想的な光路をとることができず、光のロスが発生することがある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、光のロスを抑制することの可能な樹脂成形体のライトガイドおよびその製造法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のライトガイドは、光が入射する入射面と、入射した光を出射する出射面と、入射面の外周と出射面の外周とを結ぶ周面と、を有し、周面の光軸に垂直となる方向に突出する突起部が、出射面よりも入射面に近い側に形成されている。
【0008】
ここで、突起部は、周面のうち入射面側の端部に形成されていることが好ましい。
【0009】
また、ライトガイドに入射した光の入射角をθ(20°≦θ<90°)とし、ライトガイドの存在する媒質の屈折率をn1とし、ライトガイドの屈折率をn2としたとき、当該光が入射面にて屈折する屈折角θ’が、下記の式から導かれ、
(数1)
Sinθ’=n1/n2×Sinθ・・・(1)
当該入射した光が入射面を照射した位置から入射面の外周までの最短距離をαとした場合に、最短距離を結ぶ線と外周との交点から出射面方向へ、下記の式から導かれる距離y(mm)の範囲内の周面に前記突起部が形成されていることを特徴とするライトガイド。
(数2)
y=α/tanθ
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明のライトガイドは、光が入射する入射面と、入射した光を出射する出射面と、入射面の外周と出射面の外周とを結ぶ周面と、を有し、入射面側には、周面を光軸に垂直となる面で切断した切断面が、入射面から出射面に向かう距離に比例して相似形を維持しながら面積が大きくなる錐台部を有し、かつ、錐台部の出射面側には、入射面から出射面に向かう距離に比例して切断面の面積の変化が異なる錐台形状、円柱形状、楕円柱形状または角柱形状の形状変化部が形成され、出射面よりも錐台部と形状変化部の境界側の形状変化部に、周面の光軸に垂直となる方向に突出する突起部が形成されている。
【0011】
ここで、形状変化部に入射した光の入射角をθ(20°≦θ<90°)とし、入射した光が錘台部と形状変化部の境界面を透過したときの境界面上の透過位置から境界面の外周までの最短距離をα2とした場合に、最短距離を結ぶ線と外周との交点から出射面方向へ、下記の式から導かれる距離y2(mm)の範囲内の周面に突起部が形成されていることが好ましい。
(数3)
y2=α2/tanθ
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明のライトガイドの製造法は、光が入射する入射面と、入射した光を出射する出射面と、入射面の外周と出射面の外周とを結ぶ周面と、を有するライトガイドの製造法において、樹脂を金型内に注入し成形してライトガイドを製造する際に生ずる、ライトガイドへの樹脂注入口であるゲートにて成形されるゲート成形物を、出射面よりも入射面に近い側の周面に、その光軸に垂直となる方向に突出するように位置させ、その後ゲート成形物の一部または全部が残るように不要な樹脂を除去する。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明のライトガイドの製造法は、光が入射する入射面と、入射した光を出射する出射面と、入射面の外周と出射面の外周とを結ぶ周面と、を有するライトガイドの製造法において、入射面側には、周面を光軸に垂直となる面で切断した切断面が、入射面から出射面に向かう距離に比例して相似形を維持しながら面積が大きくなる錐台部を有し、かつ、錐台部の出射面側には、入射面から出射面に向かう距離に比例した切断面の面積の変化が異なる錐台形状、円柱形状、楕円柱形状または角柱形状の形状変化部が形成するよう、樹脂を金型内に注入させ成形し、その成形の際に生ずる、樹脂注入口であるゲートにて成形されるゲート成形物を、出射面よりも錐台部と形状変化部の境界側の形状変化部の周面の光軸に垂直となる方向に突出するように位置させ、その後ゲート成形物の一部または全部が残るように不要な樹脂を除去する。
【0014】
ここで、除去の際に、ゲート成形物を残さず、その全部を除去することとしても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、光のロスを抑制することの可能な樹脂成形体のライトガイドおよびその製造法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るライトガイドの平面図である。
【図2】図1に示す本発明の第1の実施の形態に係るライトガイドの正面図である。
【図3】図1に示す本発明の第1の実施の形態に係るライトガイドの右側面図である。である。
【図4】図1に示す本発明の第1の実施の形態に係るライトガイドの背面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るライトガイドの平面図である。
【図6】図5に示す本発明の第2の実施の形態に係るライトガイドの正面図である。
【図7】図5に示す本発明の第2の実施の形態に係るライトガイドの右側面図である。である。
【図8】図5に示す本発明の第2の実施の形態に係るライトガイドの背面図である。
【図9】図1に示した本発明の第1の実施の形態に係るライトガイドを金型成形した直後のものを図1と同様に平面図として示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るライトガイドを用いた照明装置の平面概要図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係るライトガイドを用いた照明装置の光路の一部を示す光線図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るライトガイドを用いた照明装置の平面概要図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るライトガイドを用いた照明装置の光路の一部を示す光線図である。
【図14】四角柱形状のライトガイドの光の入射面側を示す平面図である。
【図15】単純化したライトガイドの平面図である。このライトガイドは、錐台部に相当する楕円錐台部と形状変化部に相当する楕円柱状の楕円柱部が一体成型されているものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係るライトガイドおよびその製造法ならびにそのライトガイドを用いた照明装置について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(本発明の第1の実施の形態に係るライトガイドの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るライトガイド1の平面図である。図2は、図1に示す本発明の第1の実施の形態に係るライトガイド1の正面図である。図3は、図1に示す本発明の第1の実施の形態に係るライトガイド1の右側面図である。図4は、図1に示す本発明の第1の実施の形態に係るライトガイド1の背面図である。なお、ライトガイド1の底面図は図1に示す平面図と同一に表れ(符号を除く)、ライトガイド1の左側面図は図3に示す右側面図と対称に表れる(符号を除く)。
【0019】
ライトガイド1は、透光性のアクリル系の樹脂を金型成形した樹脂成形体である。ライトガイド1は、光が入射する入射面2と、入射した光を出射する出射面3と、入射面2の外周と出射面3の外周とを結ぶ周面4a,4b,4c,4dと、を有し、周面4b,4cの外側方向(光軸に垂直となる方向)に突出する突起部5a,5bが、出射面3よりも入射面2に近い側に形成されている。ここで、入射面2の中心と出射面3の中心とを結ぶ線は、ライトガイド1の光軸に含まれる。
【0020】
ここで、入射面2は、周面4b,4cの延長面と、図2に示すライトガイド1の正面とが交わる線の線間距離W1を幅とし、図2に示すライトガイド1の厚みW3を高さとする四角形の領域である。また、出射面3は、図4に示すライトガイド1の背面の横(幅)方向の距離W2を幅とし、図4に示すライトガイド1の厚みW3を高さとする長方形の領域である。周面4b,4c間距離は、入射面2から出射面3に向かうに従って大きくなっているため、入射面2の面積は出射面3の面積よりも小さくなっている。
【0021】
また、突起部5a,5bは、図1における周面4b,4cの外側方向(光軸に垂直となる方向)に突出している。そして突起部5a,5bは、周面4b,4cのうち入射面2側の端部に形成されている。そして突起部5a,5bは、図1におけるその下端面5a1,5b1が、入射面2と同一平面となっている。
【0022】
また、図1における突起部5a,5bの下端面5a1,5b1の幅寸法は、W4である。そして、図1における突起部5a,5bの上端面5a2,5b2の幅寸法は、W5である。W4は、周面4b,4cが前述のように傾斜しているため、W5よりも若干大きくなっている。そして、突起部5a,5bの図2における高さ(厚み)寸法は、ライトガイド1の厚みと同様にW3となっている。そのため、突起部5a,5bは、(下端面5a1,5b1側はW4、上端面5a2,5b2側はW5)×W3×W6の寸法の四角柱となっている。
【0023】
(本発明の第2の実施の形態に係るライトガイドの構成)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るライトガイド11の平面図である。図6は、図5に示す本発明の第2の実施の形態に係るライトガイド11の正面図である。図7は、図5に示す本発明の第2の実施の形態に係るライトガイド11の右側面図である。図8は、図5に示す本発明の第2の実施の形態に係るライトガイド11の背面図である。なお、ライトガイド11の底面図は図5に示す平面図と同一に表れ(符号を除く)、ライトガイド11の左側面図は図7に示す右側面図と対称に表れる(符号を除く)。
【0024】
ライトガイド11は、アクリル系の樹脂を金型成形した樹脂成形体である。ライトガイド11は、光が入射する入射面12と、入射した光を出射する出射面13と、を有している。また、ライトガイド11は、入射面12側には、入射面12の外周と出射面13の外周とを結ぶ周面14a,14b,14c,14d,14e,14fを有している。ここで、入射面12の中心と出射面13の中心とを結ぶ線は、ライトガイド11の光軸に含まれる。
【0025】
周面14aを有する部分は、周面14aを光軸に垂直となる面で切断した切断面が楕円形であり、入射面12から出射面13に向かう距離に比例して相似形を維持しながら面積が大きくなる錐台部15となっている。そして、錐台部15の出射面13側には、角柱形状の形状変化部16が形成されている。そして、錐台部15と形状変化部16の境界の形状変化部16側に、周面14b,14cの外側方向(光軸に垂直となる方向)に突出する突起部17a,17bが形成されている。
【0026】
なお、錐台部15の出射面13側の端面は楕円形をなし、その端面と対向する形状変化部16の端面は4角形である。よってその四角形の四隅には、図5,図6に示す周面14fが存在することとなる。
【0027】
ここで、錐台部15は、入射面12の楕円形状の短辺の直径がW10、長辺の直径がW11であり、出射面13の楕円形状の短辺の直径がW13、長辺の直径がW12である。また、形状変化部16は、錐台部15の出射面13側の短辺の直径寸法W13、長辺の直径寸法W12をそのまま維持するように錐台部15から出射面13側へと、寸法W16+W17だけ延びた四角柱の形状をしている。すなわち、形状変化部16は、W13×W12×(W16+W17)の寸法の四角柱である。
【0028】
また、突起部17aは、周面14cから形状変化部16の周面14d,14eと同一平面となるように突出している。また、突起部17bは、周面14bから形状変化部16の周面14d,14eと同一平面となるように突出している。それらの突出幅はW16である。また、それらの突出長さはW15である。すなわち、突起部17a,17bは、それぞれW13×W15×W16の寸法の四角柱である。
【0029】
(本発明の実施の形態に係るライトガイドの製造法)
図9は、図1に示したライトガイド1を金型成形した直後のものを図1と同様に平面図として示す図である。樹脂を金型に注入して成形してライトガイド1を製造する際に生ずる樹脂注入口であるゲートにて成形されるゲート成形物(突起部5aとなる)を、出射面3よりも入射面2に近い側の周面4Cに、光軸に垂直となる方向(外側方向)に突出するように位置させる。図9における、ゲート成形物である突起部5aよりも左側には、金型成形の際の樹脂の通り道に充填された余剰分樹脂6が、突起部5aとくっついて硬化し、形成されている。
【0030】
図9に示す状態から、突起部5aと余剰分樹脂6との接合境界部7(破線で表示)を切断することによって、突起部5aと余剰分樹脂6とが分離する。その結果、図1に示すライトガイド1が製造される。なお、図9に示す余剰分樹脂6付きのライトガイド1には、図1の各部材に相当する符号を便宜上付している。また、ライトガイド11も、ライトガイド1と同様に、ゲート成形物である突起部17a,17bの図5における横方向端面に形成された余剰分樹脂を切断することによって製造される。
【0031】
(本発明の実施の形態に係るライトガイドを用いた照明装置)
図10は、ライトガイド1を用いた照明装置21の平面概要図である。照明装置21は、ライトガイド1と、円盤状のベース基板22であって、その中心に孔23が形成されているものと、光源となるLED(Light Emitting Diode)24と、レンズ25と、ライトガイド1をベース基板22に位置決め固定する固定部材26を有している。
【0032】
LED24は、ベース基板22の孔23と対向するように配置され、LED24が発した光の全てが孔23を通過するようにされている。また、LED24側とは反対側のベース基板22面には、ライトガイド1の入射面が孔23と対向するように配置されている。
【0033】
孔23を通過した光は、ライトガイド1の入射面2から入射し、出射面3から出射してレンズ25を透過する。ここで、ライトガイド1の突起部5a,5bは、その上端面5a2,5b2を上から固定部材26によって押圧されることでベース基板22の面に押圧され、位置決め固定される。固定部材26による押圧は、ばね(図示省略)によって固定部材26を上方から押圧することによる。また、固定部材26とベース基板22とは、ねじ(図示省略)を用いて固定している。
【0034】
図11は、照明装置21の光路の一部を示す光線図である。図11では、図10に示した照明装置21から、ベース基板22および固定部材26の図示を省略している。LED24からライトガイド1に入射した光のうち、光路L1,L2,L3およびL4は、ライトガイド1の内周面で全反射しながら出射し、レンズ25を透過した、照明装置21として有効な光である。
【0035】
また、LED24からライトガイド1に入射した光のうち、光路L5およびL6は、ライトガイド1の内周面で全反射しながら出射し、レンズ25のNAより広い角度で出射し、レンズ25の縁部を照射したためレンズ25を透過できず、照明装置21として有効でない光である。
【0036】
また、LED24からライトガイド1に入射した光のうち、光路L8は突起部5aに入り込み、全反射した結果全反射臨界角未満の角度でライトガイド1の内周面を照射したためその照射部分からライトガイド1の外に漏れ出した光である。また、LED24からライトガイド1に入射した光のうち、光路L7は突起部5aに入り込み、その角部5a3を全反射臨海角未満の角度で照射したため、全反射されずにライトガイド1の外に漏れ出した光である。
【0037】
ここで、照明装置21の光学系の光の利用効率について説明する。照明装置21では、レンズ25のNAが決まっているので、レンズ25に対して有効となる光線の角度、すなわち、ライトガイド1の出射面3から出射され、レンズ25に対して有効となる光線の出射角度を求めることができる。
【0038】
ところで、このような照明装置21では「入射面2側の面積と立体角の積は、出射面3側の面積と立体角の積に等しい」というEtenduが成り立つことは公知の事実である。この法則によれば、ライトガイド1の出射面3側の面積とレンズ25に対して有効となる角度で求まる立体角の積を計算することができるので、ライトガイド1の入射面2側の面積が決まればライトガイド1に対して有効となる光線の入射角を求めることができる。
【0039】
すなわち、上記計算によって求まる入射光線の角度より広い光線は、ライトガイド1に入射したとしても、照明装置21としては有効に機能しない光線となる。つまり、上記計算によって求まる入射光線の角度より広い光線がライトガイド1に入射し、全反射を繰り返してライトガイド1の出射面3より出射しても照明装置21として有効な光線とはならないため、この角度で入射した光線が反射する位置に突起部5a,5bを設けても照明装置21の効率悪化になることはない。当然ながら、効率悪化にならないため、出射面3における照度も不均一になることはない。
【0040】
図12は、ライトガイド11を用いた照明装置31の平面概要図である。照明装置31は、ライトガイド11と、照明装置21に用いたベース基板22、LED24およびレンズ25と、ライトガイド11をベース基板22の面に押圧して位置決め固定する固定部材32を有している。固定部材32による押圧は、ばね(図示省略)によって固定部材32を図12における上方から押圧することによる。LED24は、入射面12と対向するように配置され、LED24が発した光の全てが孔23を通過するようにされている。ライトガイド1の入射面2から入射した光の多くは、出射面3から出射してレンズ25を透過する。
【0041】
また、ベース基板22の孔23には錐台部15が挿入され、ベース基板22の図12における上面と突起部17a,17bの下端面17a1,17b1が接触している。ここで、ライトガイド1の突起部17a,17bは、その上端面17a2,17b2を上から固定部材32によって押圧されることでベース基板22の上面に押圧され、位置決め固定される。固定部材32による押圧は、ばね(図示省略)によって固定部材32を図12における上方から押圧することによる。また、固定部材32とベース基板22とは、ねじ(図示省略)を用いて固定している。
【0042】
図13は、照明装置31の光路の一部を示す光線図である。図13では、図12に示した照明装置31から、ベース基板22および固定部材32の図示を省略している。LED24からライトガイド11に入射した光のうち、光路L11,L12,L13,L14,L15およびL16は、ライトガイド11の内周面で全反射しながら出射し、レンズ25を透過した、照明装置21として有効な光である。
【0043】
また、LED24からライトガイド11に入射した光のうち、図示を省略しているが、ライトガイド11の内周面で全反射しながら、突起部17a,17bに照射される光もある。一旦突起部17a,17bに入射してしまった光は、上述したように一旦突起部5a,5bに入射した光と同様に、照明装置31として有効な光となるのは稀であるため、照明装置31として有効でない光であることが多い。
【0044】
ここで、照明装置31は、照明装置21と同様にEtenduが成り立つので、照明装置31に対して有効となる光線の角度を求めることができる。すなわち、ライトガイドの11入射面12と光線の入射角から求まる立体角はライトガイド11の出射面13とレンズ25のNAから求まる角度で決まる立体角との関係で決まる。
【0045】
さらに、ライトガイド11は形状変化部16と接合された形状となっているため、ライトガイド11から形状変化部16に光線が入射する部分でもEtenduが成り立つので、形状変化部16の面積が大きくなる部分に突起部17a,17bを設けても光線のロスが発生することは少ない。
【0046】
ここで、突起部5a,5b,17a,17bのライトガイド1,11における形成位置について詳述する。図14は、四角柱形状のライトガイド41の光の入射面42側を示す平面図である。LED24と同一の光源43から角度θで発光した光線は、入射面42の点hに到達する。ライトガイド41への入射角は、ライトガイド41の入射面42と点hにおける垂線45となす角と等しい。よって、ライトガイド41の入射面42へθの角度で入射した光線は屈折してライトガイド41内を伝播する。
【0047】
図14の平面図における、入射面42の中心cから点hまでの距離をHとすると、ライトガイド41が十分に入射光を取り込むためには、図14の平面図における、ライトガイド41の幅寸法は、2×Hでは足りず2×(H+α)となる。Etenduより、入射面42の面積が大きくなると立体角は小さくなる。すなわち、有効となる入射角度が小さくなってしまうため、αはなるべく小さい方が好ましい。
【0048】
ここで、実際の照明光学系では、より明るく効率の良い設計が必要となるため、ライトガイドへの入射角度は20°以上90度未満の入射角θを考える必要がある。よって、本発明における入射角θは、20°≦θ<90°とする。その入射角θの範囲で入射した光L9は、ライトガイド41の入射面42で屈折する。ライトガイド41の入射面42では、スネルの法則が成り立つので、図14に示す屈折角θ’は、ライトガイド41への入射前の媒質の屈折率をn1、ライトガイドの屈折率をn2とすると、以下の式(1)が成り立つ。
(数1)
Sinθ’=n1/n2×Sinθ・・・(1)
【0049】
また、θ(20°≦θ<90°)の角度でライトガイド41に入射した光L9が、図14に示すライトガイド41の周面44で最初に全反射する位置から、入射面42の端部までの距離をyとすると、以下の式(2)が成り立つ。
(数2)
y=α/tanθ’・・・(2)
【0050】
式(2)で求めたyは、ライトガイド41に入射し、有効となり易い入射光線が、周面44で最初に全反射する位置までの距離となり、図14に示す距離y未満の位置で反射する光は有効な光とはなり難い光とみなすことができる。
【0051】
そのため、ライトガイド1の場合は、突起部5a,5bが、入射面2の端部から出射面3方向へ、式(2)から導かれる距離y(mm)の範囲内の周面4b,4cに形成されていることが好ましい。ライトガイド1の突起部5a,5bは、そのような位置に形成されている。
【0052】
図15は、単純化したライトガイド51の平面図である。ライトガイド51は、錐台部15に相当する楕円錐台部52と形状変化部16に相当する楕円柱状の楕円柱部53が一体成型されているものである。楕円錐台部52と楕円柱部53との境界には、目視することのできない境界面の位置を示す境界面54が描かれている。楕円錐台部52側から入射する光L10が境界面54を越えて楕円柱部53に入射する際には、屈折せずに入射角θで入射する。その入射角θのうち、入射する光の光量の殆どを占め、且つライトガイド41の周面44にて全反射するのは、20°以上90°未満の光である。
【0053】
ここで、入射した光L10が境界面54を透過するときの境界面54上の透過位置h’から境界面54の外周55までの最短距離をα2とする。そして、θ(20°≦θ<90°)の角度で楕円柱部53に入射した光は、図14に示すライトガイド41と同様に、図15に示す楕円柱部53の周面56で最初に全反射する位置から、上述の最短距離(α2)を結ぶ線と外周55との交点までの距離をy2とする。すると、下記の式(3)から距離y2(mm)が導かれる。
(数3)
y2=α2/tanθ ・・・(3)
なお、図15では、境界面54に対する点h’における垂線を垂線57として示している。
【0054】
ここで、ライトガイド11の場合は、錐台部15から形状変化部16への入射角をθ(20°≦θ<90°)とした場合に、突起部17a,17bが、錐台部15と形状変化部16の境界から出射面13方向へ、式(3)から導かれる距離y2(mm)の範囲内の周面14b,14cに形成されていることが好ましい。ライトガイド11の突起部17a,17bは、そのような位置に形成されている。
【0055】
(本発明の実施の形態によって得られる主な効果)
本発明の実施の形態に係るライトガイド1,11を用いた照明装置21,31は、照明装置21,31として有効な光のロスを問題ない程度に抑制できている。よって、ライトガイド1,11およびその製造法は、ライトガイド1,11が樹脂成形体であっても光のロスを抑制することができる。
【0056】
また、照明装置21の照度分布の均一さは、上述の第1理想照明装置の照度分布の均一さと同等であり、照明装置31の照度分布の均一さは、上述の第2理想照明装置の照度分布の均一さと同等である。よって、ライトガイド1,11は、照度分布の均一性に大きな悪影響を及ぼしていない。
【0057】
また、ライトガイド1の突起部5a,5b、およびライトガイド11の突起部17a,17bは、主に光が透過する経路に形成されていない。すなわち、ライトガイド1の突起部5a,5bは、図11に示す領域Aの範囲内に形成されている。そして、ライトガイド11の突起部17a,17bは、形状変化部16のうち光路となり難い錐台部15と隣接する部分に形成されている。そのため、突起部5a,5b、17a,17bが多くの光に影響を与え難くなり、照明装置21,31として有効な光となる光量および照明装置21,31の照度分布を劣化し難い。
【0058】
また、ライトガイド1の場合は、突起部5a,5bが、入射面2の端部から出射面3方向へ、上述の式(2)から導かれる距離y(mm)の範囲内の周面4b,4cに形成されている。また、ライトガイド11の場合は、錐台部15から形状変化部16への入射角をθとした場合に、突起部17a,17bが、錐台部15と形状変化部16の境界から出射面13方向へ、上述の式(2)から導かれる距離y(mm)の範囲内の周面14b,14cに形成されている。そのため、ライトガイド1の突起部5a,5b、およびライトガイド11の突起部17a,17bは、主に光が透過する経路への形成を避けることができ、突起部5a,5b、17a,17bが多くの光に影響を与え難くなる。
【0059】
また、照明装置21,31は、突起部5a,5b、17a,17bが、ベース基板22と、固定部材26、32に挟まれながら押圧されている状態となっているため、ライトガイド1,11の固定および位置決めが容易となっている。
【0060】
本発明の実施の形態に係るライトガイド1,11の製造法では、ゲート成形物を突起部5a,5b、17a,17bとしている。通常は、ゲート成形物は切除されるが、それを主に光が透過する経路以外の部分に残しているため、突起部5a,5b、17a,17bが多くの光に影響を与え難くなり、光のロスを抑制することができる。
【0061】
また、本発明の実施の形態に係るライトガイド1,11の製造法では、図9に示すように、突起部5aと余剰分樹脂6との接合境界部7を切断した場合の切断面には微細な凹凸が形成されると考えられる。しかし、その凹凸が存在しても、上述のようにゲート成形物を主に光が透過する経路以外の部分に残しているため、光のロスの抑制効果は得ることができる。さらに、ゲート成形物を突起部5a,5b、17a,17bとして有効利用できるため、樹脂の無駄を低減できる。
【0062】
(他の形態)
上述した本発明の実施の形態に係るライトガイド1,11およびそれらの製造法は、本発明の好適な形態の例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変形実施が可能である。
【0063】
本発明の実施の形態に係るライトガイド1は、光が入射する入射面2と、入射した光を出射する出射面3と、入射面2の外周と出射面3の外周とを結ぶ周面4a,4b,4c,4dと、を有し、周面4b,4cの外側方向(光軸に垂直となる方向)に突出する突起部5a,5bが、出射面3よりも入射面2に近い側に形成されている。
【0064】
また、突起部5a,5bは、その下端面5a1,5b1が、入射面2と同一平面となっている。すなわち、突起部5a,5bは、周面4a,4b,4c,4dのうち入射面2側の端部に形成されている。しかし、たとえば図11に示す周面領域Aの範囲内で入射面2と同一平面とならずに、若干出射面3側に寄った周面位置に突起部5a,5bを形成しても良い。
【0065】
また、突起部5a,5bの適正な位置は、たとえばLED24と入射面2の距離等によっても変わってくるため、そのような要因を考慮して決定することが好ましい。そのため、突起部5a,5bの下端面5a1,5b1は、入射面2よりもLED24側に一部突出して形成しても良い。そのような形成の仕方であっても、突起部5a,5bが、出射面3よりも入射面2に近い側に形成されていることとなる。なお、LED24と入射面2,12の距離は、小さければ小さいほどyの距離が長くなるので、ゲートの幅を広げることができる。また、yが長くなればゲート幅に余裕が出るため、ゲート幅を長くする代わりに、光源を大きくして効率ロスを抑えることができる。式(2)で計算したyが非常に短い場合、実際に成形する際、樹脂を注入するゲート幅が狭くなってしまい、十分に樹脂を注入することができなくなってしまうため、入射面2より光源側にゲート部を広げることができる。また、LED24と入射面2,12の間には、レンズまたはリフレクタ等の光収束手段を配置することができる。
【0066】
また、突起部5a,5b,17a,17bは、その形状を四角柱としているが、円柱等その他の形状としても良い。たとえば、突起部5a,5b,17a,17bを切除または研削等によって除去した場合に形成される凹凸面の凸の部分の形状としても良い。その凸の部分も、ライトガイドの周面の光軸に垂直となる方向に突出する突起部となる。
【0067】
また、入射面2および出射面3は、外周が長方形とされており、入射面2および出射面3それぞれの外周を結ぶ周面4a,4b,4c,4dは4つの平面とされている。しかし、入射面2および出射面3の外周は三角形、正方形、六角形等の他の多角形形状、円、楕円形状等としても良い。入射面2および出射面3の外周が多角形の場合、周面は、その多角形の辺の数の平面とすることができる。入射面2および出射面3の外周が円形または楕円形の場合、周面は、その光軸に垂直となる面で切断した切断面の錐台形または柱の形状とすることができる。また、入射面2と出射面3の外周形状を異ならせても良い。ここで、ライトガイド1の出射光の照度分布を均一にする観点からは、ライトガイド1は、円錐台形または円柱以外の形状とすることが好ましい。
【0068】
ライトガイド11は、光が入射する入射面12と、入射した光を出射する出射面13と、入射面12の外周と出射面13の外周とを結ぶ周面14a,14b,14c,14d,14eと、を有し、周面14aを光軸に垂直となる面で切断した切断面が楕円形であり、入射面12から出射面13に向かう距離に比例して相似形を維持しながら面積が大きくなる錐台部15を有し、かつ、錐台部15の出射面13側に、角柱形状の形状変化部16が形成され、出射面13よりも錐台部15と形状変化部16の境界側の形状変化部16に、周面14b,14cの外側方向(光軸に垂直となる方向)に突出する突起部17a,17bが形成されている。
【0069】
しかし、錐台部15の周面14aを光軸に垂直となる面で切断した切断面は、楕円形でなくてもよく、円形、四角形等の多角形形状等としても良い。また、形状変化部16は、錐台部15の出射面13側に、入射面12から出射面13に向かう距離に比例して切断面の面積が変化する錐台形状、円柱形状、楕円柱形状、または三角柱、六角柱、立方体等の形状変化部16以外の角柱形状とすることができる。
【0070】
ここで、入射面12から出射面13に向かう距離に比例して切断面の面積が変化する錐台形状は、たとえば錐台部15よりも周面の傾斜の角度が大きく、光軸に垂直となる面で切断した切断面が楕円形状の錐体形状等である。ここで、ライトガイド11の出射光の照度分布を均一にする観点からは、形状変化部16は、円錐台形または円柱以外の形状とすることが好ましい。
【0071】
また、形状変化部16の形状を、錐台部15の出射面13側の端面形状を底面とした楕円柱形状としても良い。その場合には、光は入射面12における光の入射角よりも小さい入射角の光が錐台部15から出射し形状変化部16へと入射する。すると、形状変化部16の周面14b,14cのうち錐台部15と形状変化部16の境界の端部に形成されている突起部17a,17bを通る光の量は少ないものとなる。そのため、突起部17a,17bを設けたことによる光のロスは低減できる。このことは、形状変化部16の形状が入射面12から出射面13に向かう距離に比例して切断面の面積が変化する錐台形状等の他の形状の場合にも言えることである。
【0072】
また、突起部17a,17bは、形状変化部16の周面14b,14cのうち錐台部15と形状変化部16の境界の端部に形成されている。しかし、錐台部15と形状変化部16の境界よりも若干出射面13側に突起部17a,17bを形成しても良い。また、突起部17a,17bの適正な位置は、たとえば錐台部15の形状等によっても変わってくるため、そのような要因を考慮して決定することが好ましい。
【0073】
さらに、ライトガイド1,11の突起部5a,5b,17a,17bは、四角柱の形状とされているが、三角柱形状、円柱形状、錐台形状等とすることができる。ただし、樹脂の成形性を考慮すると、四角柱、円柱または円錐台形とすることが好ましい。
【0074】
また、ライトガイド1は、入射面2の面積よりも出射面3の面積の大きなテーパー形状となっている。しかし、ライトガイド1は、入射面2の面積と出射面3の面積の等しい角柱形状としても良い。同様にライトガイド11の錐台部15も、入射面12の面積よりも出射面13側の面積の大きなテーパー形状となっている。しかし、錐台部15も、入射面12の面積と出射面13側の面積の等しい楕円柱形状等としても良い。
【0075】
また、ライトガイド1の場合は、突起部5a,5bが、入射面2の端部から出射面3方向へ、上述の式(2)から導かれる距離y(mm)の範囲内の周面4b,4cに形成されている。また、ライトガイド11の場合は、錐台部15から形状変化部16への入射角をθとした場合に、突起部17a,17bが、錐台部15と形状変化部16の境界から出射面13方向へ、上述の式(2)から導かれる距離y(mm)の範囲内の周面14b,14cに形成されている。しかし、ライトガイド1の突起部5a,5b、およびライトガイド11の突起部17a,17bが、主に光が透過する経路への形成を避けることができるならば、突起部5a,5b、17a,17bそれ以外の位置に形成しても良い。
【0076】
また、ライトガイド1,11の入射面2,12および/または出射面3,13は、平面とされているが、たとえば凸レンズ状に膨らませた凸形状とすることができる。入射面2,12を凸形状とすることによって、入射する光を絞ることができ、突起部5a,5b,17a,17bに入射する光の量を低減でき、照明装置として有効な光の量を増やすことができる。この凸形状は、凸レンズの一部を切り出した形状、円柱または楕円柱の側面の一部を周方向に切り出した形状等とすることができる。
【0077】
本発明の実施の形態に係るライトガイド1の製造法は、樹脂を金型に注入させ成形してライトガイド1を製造する際に生ずる樹脂注入口であるゲートにて成形されるゲート成形物(突起部5a,5bとなる)を、出射面3よりも入射面2に近い側の周面4Cに、光軸に垂直となる方向(外側方向)に突出するように位置させ、図9における、ゲート成形物である突起部5aよりも左側に形成された、金型成形の際の樹脂注入経路に充填された余剰分樹脂6が、突起部5aとくっついて硬化している状態から、突起部5aと余剰分樹脂6との接合境界部7(破線で表示)を切断するものである。本発明の実施の形態に係るライトガイド11の製造法もライトガイド1の製造法と同様に行われる。
【0078】
しかし、ゲート成形物である突起部5a,5b,17a,17bは、残さずに除去することができる。このように除去しても、除去部分に生成する可能性の高いバリ等の微細な凹凸は、突起部5a,5b,17a,17bと同様に主要な光路から外れた位置に形成されるため、光量のロスは低く抑えることが可能である。また、本実施の形態では図9に示す接合境界部7を切断しているが、接合境界部7よりも突起部5a側を切断することとしても良い。
【0079】
照明装置21,31は、突起部5a,5b,17a,17bが、固定部材26,32とベース基板22の面の間に押圧され、位置決め固定されている。固定部材26,32による押圧固定は、ばねによるが、ねじ等を用いた固定、あるいは接着固定を採用しても良い。また、固定部材26,32とベース基板22とは、ねじを用いて固定しているが、ベース基板22に固定用の孔または凹部を設け、その孔または凹部に固定部材26,32の一部を挿入し、互いに係合するようにして固定することとしても良い。
【0080】
照明装置21,31の光源には、LED24を用いているが、白熱電球、蛍光灯、有機EL(electro-luminescence)素子、レーザー光源等の他の光源を用いても良い。
【0081】
ライトガイド1,11は、その材質に透光性のアクリル系の樹脂を用いているが、それに代えてポリカーボネート樹脂、ゼオネックス(登録商標)、ゼオノア(登録商標)等のシクロオレフィンポリマー樹脂、等の熱可塑性樹脂を用いることとしても良い。
【0082】
本発明の実施の形態に係るライトガイド1の製造法は、図9に示すようにゲート成形物を突起部5aのみとしている。しかし、突起部5bもゲート成形物とし、余剰分樹脂6が突起部5bにもくっついた状態となるように製造しても良い。すなわち、樹脂の金型へのゲートを2箇所設けても良い。このことは、ライトガイド11の製造法における、突起部17a,17bについても同様である。
【0083】
本発明の実施の形態に係るライトガイド1,11の製造法では、突起部5a,5b,17a,17bをゲート成形物としている。しかし、突起部5a,5b,17a,17bを金型成形するようにし、突起部5a,5b,17a,17bとは別にゲート成形物を生成しても良い。この場合、樹脂成形の工程後に、突起部5a,5b,17a,17bとゲート成形物とを切断する工程を設けることとなる。
【符号の説明】
【0084】
1 ライトガイド
2,12 入射面
3,13 出射面
4a,4b,4c,4d,14a,14b,14c,14d,14e,14f 周面
5a,5b,17a,17b 突起部(ゲート成形物)
15 錐台部
16 形状変化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が入射する入射面と、上記入射した光を出射する出射面と、上記入射面の外周と上記出射面の外周とを結ぶ周面と、を有するライトガイドにおいて、
上記周面の光軸に垂直となる方向に突出する突起部が、上記出射面よりも上記入射面に近い側に形成されていることを特徴とするライトガイド。
【請求項2】
請求項1記載のライトガイドにおいて、
前記突起部は、前記周面のうち前記入射面側の端部に形成されていることを特徴とするライトガイド。
【請求項3】
請求項1または2に記載のライトガイドにおいて、
前記ライトガイドに入射した光の入射角をθ(20°≦θ<90°)とし、前記ライトガイドの存在する媒質の屈折率をn1とし、前記ライトガイドの屈折率をn2としたとき、当該光が前記入射面にて屈折する屈折角θ’が、下記の式から導かれ、
(数1)
Sinθ’=n1/n2×Sinθ・・・(1)
当該入射した光が前記入射面を照射した位置から前記入射面の外周までの最短距離をαとした場合に、上記最短距離を結ぶ線と上記外周との交点から前記出射面方向へ、下記の式から導かれる距離y(mm)の範囲内の前記周面に前記突起部が形成されていることを特徴とするライトガイド。
(数2)
y=α/tanθ
【請求項4】
光が入射する入射面と、上記入射した光を出射する出射面と、上記入射面の外周と上記出射面の外周とを結ぶ周面と、を有するライトガイドにおいて、
上記入射面側には、上記周面を光軸に垂直となる面で切断した切断面が、上記入射面から上記出射面に向かう距離に比例して相似形を維持しながら面積が大きくなる錐台部を有し、
かつ、上記錐台部の上記出射面側には、上記入射面から上記出射面に向かう距離に比例して上記切断面の面積の変化が異なる錐台形状、円柱形状、楕円柱形状または角柱形状の形状変化部が形成され、
上記出射面よりも上記錐台部と上記形状変化部の境界側の上記形状変化部に、上記周面の光軸に垂直となる方向に突出する突起部が形成されていることを特徴とするライトガイド。
【請求項5】
請求項4に記載のライトガイドにおいて、
前記形状変化部に入射した光の入射角をθ(20°≦θ<90°)とし、入射した光が前記錘台部と前記形状変化部の境界面を透過したときの上記境界面上の透過位置から上記境界面の外周までの最短距離をα2とした場合に、上記最短距離を結ぶ線と上記外周との交点から前記出射面方向へ、下記の式から導かれる距離y2(mm)の範囲内の周面に前記突起部が形成されていることを特徴とするライトガイド。
(数3)
y2=α2/tanθ
【請求項6】
光が入射する入射面と、上記入射した光を出射する出射面と、上記入射面の外周と上記出射面の外周とを結ぶ周面と、を有するライトガイドの製造法において、
樹脂を金型内に注入し成形して上記ライトガイドを製造する際に生ずる、樹脂注入口であるゲートにて成形されるゲート成形物を、上記出射面よりも上記入射面に近い側の上記周面に、光軸に垂直となる方向に突出するように位置させ、その後上記ゲート成形物の一部または全部が残るように不要な樹脂を除去することを特徴とするライトガイドの製造法。
【請求項7】
光が入射する入射面と、上記入射した光を出射する出射面と、上記入射面の外周と上記出射面の外周とを結ぶ周面と、を有するライトガイドの製造法において、
上記入射面側には、上記周面を光軸に垂直となる面で切断した切断面が、上記入射面から上記出射面に向かう距離に比例して相似形を維持しながら面積が大きくなる錐台部を有し、
かつ、上記錐台部の上記出射面側には、上記入射面から上記出射面に向かう距離に比例した上記切断面の面積の変化が異なる錐台形状、円柱形状、楕円柱形状または角柱形状の形状変化部が形成するよう、樹脂を金型内に注入し成形し、
その成形の際に生ずる、樹脂注入口であるゲートにて成形されるゲート成形物を、上記出射面よりも上記錐台部と上記形状変化部の境界側の上記形状変化部の上記周面の光軸に垂直となる方向に突出するように位置させ、その後上記ゲート成形物の一部または全部が残るように不要な樹脂を除去することを特徴とするライトガイドの製造法。
【請求項8】
請求項6または7に記載のライトガイドの製造法において、
前記除去の際に、前記ゲート成形物を残さず、その全部を除去することを特徴とするライトガイドの製造法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−234049(P2012−234049A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102559(P2011−102559)
【出願日】平成23年4月29日(2011.4.29)
【出願人】(000227364)日東光学株式会社 (151)
【Fターム(参考)】