説明

ライトワンス型情報記録装置、コントローラ、アクセス装置、及びライトワンス型情報記録システム

【課題】アドレス変換によりライトワンス型情報記録装置に対する擬似的な上書きを実現する場合において、ファイルシステム上の空き容量と実際に記録可能な容量との間に生じる不整合を解消すること。
【解決手段】ライトワンス型情報記録装置への上書き処理が発生する場合に未記録の論理アドレス領域を割り当ててデータを記録する記録位置変換部をアクセス装置内に設ける。また、アクセス装置から指定された新旧の論理アドレスに対し、新論理アドレスに格納されたデータを旧論理アドレスでも読み出せるようにアドレス管理情報を更新する新旧論理アドレス設定部をライトワンス型情報記録装置内に設ける。アクセス装置はデータの記録に先立ち、上書き処理であるか否かを判定し、上書きであれば新たに未記録の論理アドレス領域を割り当ててデータを記録し、ライトワンス型情報記録装置に対し新旧論理アドレスの変換処理を実施させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1回のみ記録が可能なライトワンス型の記録素子を用いたライトワンス型情報記録装置にデータを記録する際において、残り記録可能な容量を正確にアクセス装置が把握することのできるライトワンス型情報記録装置、コントローラ、アクセス装置、及びライトワンス型情報記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽コンテンツや、映像データ等のデジタルデータを記録する記録媒体には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等、様々な種類が存在する。これら記録媒体の1種類であるメモリカードは、記録素子としてフラッシュROM等の半導体メモリを主に使用しており、記録媒体の小型化が図れることから、デジタルスチルカメラや携帯電話端末等、小型の携帯機器を中心に急速に普及している。
【0003】
このようなメモリカードでは、記録素子としてNAND型フラッシュメモリと呼ばれる半導体素子が主に使用されている。NAND型フラッシュメモリは、既に記録されたデータを一旦消去した後、再度別のデータを記録することが可能な記録素子であり、従来のハードディスクと同様に、複数回書き換え可能なメモリカードを構成することが可能である。
【0004】
一方、近年NAND型フラッシュメモリとは異なる記録素子として、従来のCMOSプロセスの技術を応用して安価に製造することが可能なOTP(One Time Programmable)メモリが登場し、注目されている。OTPメモリは同一の物理メモリ領域に対して一回しか記録できないという制限を持つが、製造コストが安価であるため、特にDVD−R等のメディア同様、データの長期保存などの用途に使用されるメモリカードの記録素子として普及する可能性がある。すなわち、従来のメモリカードのように複数回の書き換えが必要な用途向けにはNAND型フラッシュメモリを用いて比較的高価なメモリカードとして販売し、1回記録した以後は書き換えが不要であるような用途向けにはOTPメモリを用いて比較的安価なメモリカードとして販売することで、ユーザニーズに応じて使い分けることが可能である。
【0005】
また従来、メモリカードに格納されたデータはファイルシステムにより管理されており、ユーザは格納されたデータをファイルとして容易に取り扱うことができる。従来使用されているファイルシステムとして、FATファイルシステム(詳細は、非特許文献1参照)や、UDFファイルシステム(Universal Disk Format)、NTFSファイルシステム(New Technology File System)等が存在する。これらファイルシステムによりデータが管理されたメモリカードは、同一のファイルシステムを解釈する機器間でファイルを共有することができるため、機器間でデータを授受することが可能となる。
【0006】
ここで従来のファイルシステムの一例として、FATファイルシステムを説明する。図2にFATファイルシステムの構成を示す。同図に示すように論理アドレス空間の先頭には、領域割り当て単位やファイルシステムが管理する領域の大きさ等、ファイルシステムの管理情報が格納される領域であるファイルシステム管理情報100の領域が存在する。このファイルシステム管理情報100には、マスターブートレコード・パーティションテーブル102、パーティションブートセクタ103、FAT(104、105)、ルートディレクトリエントリ106と呼ばれるファイルシステムの管理情報が含まれ、ユーザデータ101の領域を管理するために必要な情報が各々格納されている。マスターブートレコード・パーティションテーブル102は、ファイルシステムが管理する論理アドレス空間上の領域を複数のパーティションと呼ばれる領域に分割して管理するための情報が格納される領域である。パーティションブートセクタ103は、1つのパーティション内の管理情報が格納される領域である。FAT(104、105)は、ファイルに含まれるデータの格納位置に関する情報が格納される領域であり、通常、同じ情報を持つ2つのFAT(104、105)がメモリカード内に存在し、一方のFAT(104、105)が破損したとしても他方のFAT(104、105)によりファイルにアクセスできるよう二重化されている。ルートディレクトリエントリ106は、ルートディレクトリ直下に存在するファイル、ディレクトリの情報(ディレクトリエントリ)が格納される部分である。
【0007】
またFATファイルシステムでは、このファイルシステム管理情報100に引き続く領域にファイル本体のデータなどを格納するユーザデータ101の領域が存在する。ユーザデータ101は、16KBや32KB程度の大きさを持つクラスタと呼ばれる管理単位毎に分割管理されており、各クラスタにはファイルに含まれるデータが格納されている。多くのデータを格納するファイル等は、複数のクラスタに跨ってデータを格納しており、各クラスタ間の繋がりは、FAT(104、105)に格納されたリンク情報により管理されている。また、ルートディレクトリ直下のディレクトリ内に存在するファイル、サブディレクトリの情報(ディレクトリエントリ)は、このユーザデータ101の一部を利用して格納される。
【0008】
次に図3から図6を用いてFATファイルシステムにおけるファイルデータの書き込み
例を説明する。図3は、ディレクトリエントリの構成を示した図である。図4はファイルデータ書き込みの処理手順を示した図である。図5、図6はそれぞれ、書き込み処理前、処理後のディレクトリエントリ107、FAT(104、105)、ユーザデータ101の一例を示した図である。
【0009】
前述の通り、FATファイルシステムでは、ルートディレクトリエントリ106やユーザデータ101の一部に、ファイル名やファイルサイズ、ファイル属性等の情報を格納したディレクトリエントリ107が格納される。FATファイルシステムにおけるディレクトエントリ107は図3に示すような、32バイトの情報で構成されており、ファイル名や属性、最終更新日時、開始クラスタ番号、ファイルサイズ等の情報が格納される。
【0010】
次にファイルデータ書き込み処理手順について図4を用いて説明する。
(S401)対象ファイルのディレクトリエントリ107を読み込む。
(S402)読み込んだディレクトリエントリ107に格納された開始クラスタ番号を取得し、ファイルデータの先頭位置を確認する。
(S403)FAT(104、105)を読み込み、S402で取得したファイルデータの先頭位置から順にFAT(104、105)上でリンクを辿り、書き込み位置のクラスタ番号を取得する。
(S404)データ書き込みに際し、ファイルに新たに空き領域を割り当てる必要があるか判定する。空き領域の割り当てが必要な場合S405の処理に進む。空き領域の割り当てが不要な場合S406の処理に進む。
(S405)FAT(104、105)上で空き領域を検索し、1クラスタの空き領域をファイルの終端に割り当てる。
(S406)現在参照しているクラスタ内に書き込めるだけのデータをユーザデータ101に書き込む。
(S407)全データの書き込みが完了したか判定する。まだデータが残っている場合S404の処理に戻る。全データの書き込みが完了した場合S408の処理に進む。
(S408)ディレクトリエントリ107内に格納されたファイルサイズや最終更新日時等を更新し、ディレクトリエントリ107を上書きする。
(S409)FAT(104、105)を上書きし、処理を完了する。
【0011】
このファイルデータ書き込み処理により、図5に示された60000バイトのデータを持つFILE1.TXTに10000バイトのデータを更に書き込んだ場合、図6に示されるような70000バイトのデータを持つファイルに変化する。
【0012】
このようにFATファイルシステムでは、ファイルデータを格納する際に、データ本体と共にディレクトリエントリ107やFAT(104、105)等をカードに格納する必要がある。これらの情報は、更新の度に同一論理アドレスに上書きする必要があることから、1回だけしか記録が行えないOTPメモリに対して上記FATファイルシステムを適用することができないという問題が生じる。
【0013】
従来、このような問題を解決する方法として、OTPメモリを用いた記録媒体において、論理アドレスと物理アドレスの変換を行う機能を用いて擬似的に上書きを実現する方法が提案されている。この従来の方法では、従来欠陥ブロックの代替方法として使用されている論理アドレスと物理アドレスの変換機能を応用し、欠陥ブロックの代替用の領域として確保されている領域の一部を、データの上書きが発生した時点で新たに割り当て、アドレス変換によりデータ記録位置を交替させることにより、擬似的な上書きを実現する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−85859号公報
【非特許文献1】ISO/IEC9293,“Information Technology−Volume and file structure of disk cartridges for information”,1994年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記の従来技術には次のような問題点がある。従来の方法では、OTPメモリに対する擬似的な上書きを実現するために、新たに物理メモリ領域を割り当てる必要があり、上書き処理が発生する度に物理メモリ領域が消費されていく。OTPメモリは一回だけしか記録が行えないため、上記のように消費された領域には二度と記録することができず、上書き処理が発生する度に残り記録可能な容量が減少することになる。この容量の減少は、メモリカード内部のアドレス変換処理により発生するため、メモリカードにアクセスするアクセス装置側のファイルシステム制御部はその容量の変化を知ることができず、ファイルシステム制御部が認識している残り記録可能な容量と、実際にメモリカードに記録可能な容量の間に不整合が生じる。その結果、ファイルシステム制御部が記録可能であると判定してデータを記録したにもかかわらず、記録時に空き容量が存在せずエラーが発生するという問題が生じる。
【0015】
本発明では上記問題点に鑑み、OTPメモリに対する擬似的な上書きを実現する場合において、アクセス装置が新データを既存データの論理アドレスとは異なる論理アドレスに書き込み、ライトワンス型情報記録装置が旧論理アドレスに新論理アドレスのデータを対応付けることを特徴とするライトワンス型情報記録装置、コントローラ、アクセス装置、及びライトワンス型情報記録システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のライトワンス型情報記録装置は、1回のデータ書き込みが可能なライトワンス型メモリと、前記ライトワンス型メモリを固定長の管理単位毎に分割して領域管理し、各管理単位の物理アドレスと、外部のアクセス装置がライトワンス型メモリに対するアクセスを実施する際に指定する位置情報である論理アドレスとの対応関係を制御するアドレス変換制御部と、前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスと第2の論理アドレスに関し、前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける新旧論理アドレス設定部とを具備することを特徴とする。
【0017】
また、前記アドレス変換制御部は、前記物理アドレスと前記論理アドレスの対応関係を制御するために用いるアドレス管理情報を前記ライトワンス型メモリの一部の領域に記録して管理し、前記アドレス管理情報は、1つの物理アドレスが対応付けられる論理アドレスを格納する領域を複数備えるようにすると好ましい。
【0018】
また、前記アドレス変換制御部は、前記アドレス管理情報内に同一の論理アドレスが複数格納されていた場合、対応する物理アドレスの大きい方の論理アドレスを有効な値と判定するようにしても良い。
【0019】
また、前記新旧論理アドレス設定部は、前記アドレス管理情報内に存在し、1つの物理アドレスが対応付けられる2つの論理アドレスを格納する第1論理アドレス格納領域と、第2論理アドレス格納領域に対し、前記アクセス装置が指定した第2の論理アドレスを前記第1論理アドレス格納領域から検索し、前記検索により特定された前記第1論理アドレス格納領域に対応する前記第2論理アドレス格納領域に、前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスを設定するようにすると好ましい。
【0020】
尚、前記新旧論理アドレス設定部は、前記アドレス管理情報内に存在し、1つの物理アドレスが対応付けられる2つの論理アドレスを格納する第1論理アドレス格納領域と、第2論理アドレス格納領域に対し、前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスを前記第1論理アドレス格納領域から検索し、前記検索により特定された前記第1論理アドレス格納領域に対応する前記第2論理アドレス格納領域に、前記アクセス装置が指定した第2の論理アドレスを設定するようにしても良い。
【0021】
更に、前記新旧論理アドレス設定部は、前記第1の論理アドレスと、前記第2の論理アドレスとの組み合わせを複数組一度に前記アクセス装置から受信し、前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける処理を、前記複数組一度に実施するようにしても良い。
【0022】
本発明のコントローラは、1回のデータ書き込みが可能なライトワンス型メモリを制御するコントローラであって、前記ライトワンス型メモリを固定長の管理単位毎に分割して領域管理し、各管理単位の物理アドレスと、外部のアクセス装置がライトワンス型メモリに対するアクセスを実施する際に指定する位置情報である論理アドレスとの対応関係を制御するアドレス変換制御部と、前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスと第2の論理アドレスに関し、前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける新旧論理アドレス設定部とを具備することを特徴とする。
【0023】
本発明のアクセス装置は、1回のデータ書き込みが可能なライトワンス型メモリを具備したライトワンス型情報記録装置にアクセスするアクセス装置であって、前記ライトワンス型情報記録装置内の記録領域に構築されたファイルシステムを解釈し、データをファイルとして管理する制御を行うファイルシステム制御部と、前記ファイルシステム制御部から前記ライトワンス型情報記録装置に対する書き込み要求を受け、前記書き込み要求が既存データの上書きであるか否かを判定し、上書きであった場合に前記ファイルシステム制御部が指定した書き込み位置である論理アドレスを、異なる論理アドレスに変換して前記ライトワンス型情報記録装置に書き込みを行う記録位置変換部とを具備することを特徴とする。
【0024】
また、前記記録位置変換部は、前記ファイルシステム制御部が書き込み要求時に書き込み位置として指定した第1の論理アドレスの領域に対し、前記ファイルシステム制御部が管理するファイルシステムの領域管理情報を参照することにより、既存データが存在するか否か判定し、既存データが存在する場合に、前記ファイルシステムの領域管理情報から未記録の領域を取得してその論理アドレスを前記ライトワンス型情報記録装置への書き込みアドレスである第2の論理アドレスとして決定し、前記決定した第2の論理アドレスの領域が記録済み領域として管理されるよう、前記ファイルシステムの領域管理情報を更新し、前記第1の論理アドレスと、前記第2の論理アドレスを指定して、前記ライトワンス型情報記録装置に前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける新旧論理アドレス設定要求を行うようにすると好ましい。
【0025】
更に、前記記録位置変換部は、前記第1の論理アドレスと、前記第2の論理アドレスとの組み合わせを複数組一度に指定して、前記新旧論理アドレス設定要求を行うようにしても良い。
【0026】
本発明のライトワンス型情報記録システムは、1回のデータ書き込みが可能なライトワンス型メモリを具備したライトワンス型情報記録装置と、前記ライトワンス型情報記録装置にアクセスするアクセス装置からなり、前記ライトワンス型情報記録装置は、1回のデータ書き込みが可能なライトワンス型メモリと、前記ライトワンス型メモリを固定長の管理単位毎に分割して領域管理し、各管理単位の物理アドレスと、前記アクセス装置がライトワンス型メモリに対するアクセスを実施する際に指定する位置情報である論理アドレスとの対応関係を制御するアドレス変換制御部と、前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスと第2の論理アドレスに関し、前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける新旧論理アドレス設定部とを具備し、前記アクセス装置は、前記ライトワンス型情報記録装置内の記録領域に構築されたファイルシステムを解釈し、データをファイルとして管理する制御を行うファイルシステム制御部と、前記ファイルシステム制御部から前記ライトワンス型情報記録装置に対する書き込み要求を受け、前記書き込み要求が既存データの上書きであるか否かを判定し、上書きであった場合に前記ファイルシステム制御部が指定した書き込み位置である論理アドレスを、異なる論理アドレスに変換して前記ライトワンス型情報記録装置に書き込みを行う記録位置変換部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、OTPメモリを備えたメモリカードに対する擬似的な上書きを実現する場合において、正確な残り記録可能容量をアクセス装置が把握することができ、メモリカードに空き領域が存在しないにも拘らずファイルデータを記録してしまうなどの問題を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明のライトワンス型情報記録装置、コントローラ、アクセス装置、及びライトワンス型情報記録システムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0029】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるアクセス装置、ライトワンス型情報記録装置の構成図である。図1においてアクセス装置1は、CPU11、RAM12、記録装置インタフェース13、ROM14を含む。ROM14にはアクセス装置1を制御するプログラムが格納されており、このプログラムはRAM12を一時記憶領域として使用し、CPU11上で動作する。記録装置インタフェース13は、ライトワンス型情報記録装置2とアクセス装置1との接続部であり、制御信号及びデータは記録装置インタフェース13を経由してアクセス装置1とライトワンス型情報記録装置2間で送受信される。ROM14は更に、アプリケーション制御部15、ファイルシステム制御部16、記録位置変換部17、記録装置アクセス部18を含む。アプリケーション制御部15は、データの生成や電源の制御などアクセス装置1全体の制御を行う。ファイルシステム制御部16は、従来のアクセス装置に搭載されているファイルシステム制御部とほぼ同様のものであり、FATファイルシステムなどを用いて、データをファイルとして管理するための制御を行う。記録装置アクセス部18は、記録位置変換部17からデータと共にサイズとアドレスを渡され、指定されたサイズのデータをライトワンス型情報記録装置2の記録領域内における指定された位置に記録するなど、ライトワンス型情報記録装置2に対するコマンドやデータの送受信を制御する。また、記録位置変換部17は従来のアクセス装置には存在しない制御部であり、ファイルシステム制御部から書き込み命令が発行された場合に、指定されたサイズとアドレスを確認し、必要に応じて異なるアドレスに変換した上で記録装置アクセス部18に書き込み命令を発行する処理を行い、同時にファイルシステムの領域管理情報を更新する処理を行う。また、書き込み処理が完了した時点でライトワンス型情報記録装置2に対して2つの論理アドレスを指定し、アドレス変換命令を発行する処理を行う。
【0030】
一方、図1においてライトワンス型情報記録装置2は、アクセス装置インタフェース21、CPU22、RAM23、ROM24、ライトワンス型メモリ25を含む。アクセス装置インタフェース21は、ライトワンス型情報記録装置2とアクセス装置1との接続部であり、記録装置インタフェース13同様、制御信号及びデータを送受信するインタフェースである。ROM24にはライトワンス型情報記録装置2を制御するプログラムが格納されており、このプログラムはRAM23を一時記憶領域として使用し、CPU22上で動作する。ライトワンス型メモリ25は、アクセス装置1から送信されたデータを記録するメモリであり、その中には、ファイルシステム管理情報や、ユーザデータ、論理アドレスと物理アドレスの対応関係を示すアドレス管理情報などが格納される。また、ROM24は更に、アクセス装置1から送信されたコマンドを解釈するコマンド解釈部26、記録位置変換部17から指定された2つの論理アドレス間でアドレス変換が行われるようアドレス管理情報を更新する新旧論理アドレス設定部27、アクセス装置1との通信で使用する論理アドレスとライトワンス型メモリ25上の物理アドレスとを変換するアドレス変換制御部28、ライトワンス型メモリ25の制御を行うライトワンス型メモリアクセス部29を含む。
【0031】
本実施の形態のアクセス装置1では、ファイルシステム制御部16により発行された書き込み命令に関し、記録位置変換部17が未記録領域への書き込みなのか、既存データへの上書きなのかを判定し、上書きであれば未記録領域の論理アドレスに変換した上で、ライトワンス型情報記録装置2への書き込みを行う。また、論理アドレスを変換した場合には変換先の論理アドレスが使用済み領域となるよう、ファイルシステムの領域管理情報を更新する。更に書き込み処理が完了した時点で新旧の論理アドレスをライトワンス型情報記録装置2に通知する。一方ライトワンス型情報記録装置2は、新旧論理アドレス設定部27において、アクセス装置1から通知された2つの論理アドレスに対し同一のデータが読み出されるようにアドレス管理情報を更新する。これにより、アクセス装置1がライトワンス型情報記録装置2にデータを記録する場合において、上書きが発生した場合にアクセス装置1内で新たに未記録領域の論理アドレスを割り当ててファイルシステムの領域管理情報を更新する。このため、擬似的な上書きを実施した後の残り記録可能な容量をアクセス装置1が正確に把握することができ、ライトワンス型情報記録装置2に空き領域が存在しないにも拘らずファイルデータを記録してしまうなどの問題を回避することが可能となる。
【0032】
次に、図7、8を用いて、本発明の実施の形態におけるアドレス管理情報の一例を説明する。図7は本発明の実施の形態におけるライトワンス型メモリ25の一例を示す図である。ライトワンス型メモリ25は、アクセス装置1から読み書き可能なデータ領域と、ライトワンス型情報記録装置2内の管理用領域として使用される冗長領域とから構成される。この図では、2048バイトのデータ領域と、64バイトの冗長領域が1つの記録単位(ページ)として管理されている例を示している。また、8つのページが1つのアドレス変換単位であるブロックを構成している。冗長領域には、データ領域のエラー訂正に使用されるECCを格納する領域や、そのブロックの物理アドレスがどの論理アドレスに対応しているかを示す情報を格納する領域として、“第1論理アドレス”の領域と“第2論理アドレス”の領域が存在する。本発明の実施の形態では、アドレス管理情報として、このようにライトワンス型メモリ25の冗長領域に論理アドレスの情報が格納される場合について説明する。図8はライトワンス型メモリ25の全体構成を示す図である。ライトワンス型メモリ25は、図7で説明したブロックが複数個連続的に配置された構成となっており、それぞれのブロックには、物理アドレスとしてブロック番号が割り振られて管理されている。
【0033】
次に図9を用いて、本発明の実施の形態におけるライトワンス型情報記録装置2に対する書き込み処理手順を説明する。図4に示した従来の処理手順におけるS406、S408、S409のようなライトワンス型情報記録装置に対する書き込み処理に関し、従来はファイルシステム制御部が記録装置アクセス部に対して直接書き込みデータ、書き込み先の論理アドレス、書き込みデータのサイズを引数として書き込み命令を発行し、ライトワンス型情報記録装置への書き込みを行っていた。本発明の実施の形態では、ファイルシステム制御部16の書き込み命令を記録位置変換部17が受け、必要に応じて記録位置の変換を行った上で記録装置アクセス部18へ書き込み命令を発行する。図9では、この記録位置変換部17の処理を中心に説明する。
【0034】
(S901)ファイルシステム制御部16は記録位置変換部17に対し、書き込みデータ、書き込み先の論理アドレス(Addr_A)、書き込みデータのサイズを引数として書き込み命令を発行する。
(S902)記録位置変換部17はS901で通知された書き込み先の論理アドレスとサイズから、未記録領域への書き込みか、既存データへの上書きかを判定する。この判定処理では、ユーザデータ101への書き込みであればアクセス装置1上のRAM12に読み込まれたFAT(104、105)を参照して該当位置が既に使用されているか否かにより判定を行い、ファイルシステム管理情報100への書き込みであれば無条件に上書きであると判定する。
(S903)S902の判定の結果、未記録領域への書き込みであった場合、記録位置変換部17は記録装置アクセス部18に対し、書き込みデータ、書き込み先の論理アドレス(Addr_A)、書き込みデータのサイズを引数として書き込み命令を発行し、ライトワンス型情報記録装置2に対する書き込み処理を実施して処理を終了する。
(S904)S902の判定の結果、既存データへの上書きであった場合、記録位置変換部17はアクセス装置1上のRAM12に読み込まれたFAT(104、105)を参照して未記録領域の論理アドレス(Addr_B)を割り当てる。
(S905)割り当てられた論理アドレスが使用済みとなるように、RAM12上のFAT(104、105)においてAddr_Bの領域に対応するFATエントリ値を使用済みの状態に設定する。
(S906)記録位置変換部17は記録装置アクセス部18に対し、書き込みデータ、書き込み先の論理アドレス(Addr_B)、書き込みデータのサイズを引数として書き込み命令を発行し、ライトワンス型情報記録装置2に対する書き込み処理を実施する。
(S907)記録位置変換部17は記録装置アクセス部18を介して、Addr_A、Addr_Bを指定して新旧論理アドレス設定コマンドをライトワンス型情報記録装置2に対して発行し、アドレス変換を実施し、処理を終了する。ここで、ライトワンス型情報記録装置2は、Addr_Bに記録されたデータがAddr_AとAddr_Bの両方で読み出せるようにアドレス管理情報を更新する。
【0035】
このように本発明の実施の形態では、既存データへの上書きが発生した際にFAT(104、105)上で未記録領域の論理アドレスを割り当ててライトワンス型情報記録装置2に対してデータを記録した上でアドレス変換を行う。そのため、ライトワンス型情報記録装置2に対する同一論理アドレスへの上書き処理が発生せず、アクセス装置1が関知することなくライトワンス型情報記録装置2側でライトワンス型メモリ25上の未記録領域が消費されることがない。これにより、アクセス装置1はFAT(104、105)を参照するだけで残り記録可能な空き容量を正しく把握することが可能となる。
【0036】
次に図10から図16を用いて、FAT(104、105)と論理アドレス空間、及びライトワンス型メモリの状態変化の具体例を説明する。ここでは説明を簡略化するために、FAT(104、105)が全ての論理アドレス空間を管理しており、クラスタ番号は0から始まる昇順の値が割り当てられている場合について説明する。また、クラスタとブロックのサイズが同じである場合を想定する。
【0037】
図10はライトワンス型メモリ25に何もデータが記録されていない状態を示しており、ライトワンス型メモリ25内のデータ領域、第1論理アドレス、第2論理アドレスを格納する領域は全て初期値になっている。ここでは初期値として0xFFが設定されている場合を想定している。また、第1論理アドレス、第2論理アドレスを格納する領域に0xFFFFFFFFが設定されている場合、そのブロックがどの論理アドレスにも割り当てられていないことを示している。すなわち、図10の状態では全ての論理アドレスにブロックが割り当てられていないため、アクセス装置1がライトワンス型情報記録装置2から各論理アドレスに格納されたデータを読み出すと、初期値(0xFF)が読み出されることになる。
【0038】
次に論理アドレス0の領域に1ブロック分のデータ(Data1)が記録された場合、図11の状態に変化する。図11では、Data1が物理アドレス0のブロックに格納されており、そのブロックが対応する第1論理アドレスは0と設定されている。そのため、アクセス装置1がライトワンス型情報記録装置2から論理アドレス0に格納されたデータを読み出すときには、物理アドレス0に格納されたData1が読み出されることになる。また、FAT(104、105)上においてもクラスタ番号0に対応するFATエントリ値が0xFFFFと設定され、クラスタ番号0の領域が使用中であることを示している。
【0039】
次にData1に続くData2が論理アドレス1の領域に記録された場合、図12の状態に変化する。図12では、Data2が物理アドレス1のブロックに格納されており、そのブロックが対応する第1論理アドレスは1と設定されている。そのため、アクセス装置1がライトワンス型情報記録装置2から論理アドレス1に格納されたデータを読み出すときには、物理アドレス1に格納されたData2が読み出されることになる。また、FAT(104、105)上において、クラスタ番号0に対応するFATエントリ値が1に、クラスタ番号1に対応するFATエントリ値が0xFFFFに設定され、Data1の続きにData2が来ることを示している。
【0040】
ここまでは従来の処理手順と同様の処理である。続いてData1をData3で上書きする場合を想定する。記録位置変換部17はAddr_Aとしてクラスタ番号0をファイルシステム制御部16から通知される。FAT(104、105)上においてクラスタ番号0の領域は既に使用済みとなっていることから上書きであると判断し、新たにAddr_Bとしてクラスタ番号2の領域を割り当て、クラスタ番号2に対応するFATエントリ値を0xFFFFと設定する。そしてData3を論理アドレス2の領域に書き込む。図13は、データ書き込み後の状態を示している。図13の状態でアクセス装置1がライトワンス型情報記録装置2から論理アドレス0、1、2のデータを読み出すと、Data1、Data2、Data3がそれぞれ読み出されることになる。すなわち、この状態ではData1は未だ上書きされていない。
【0041】
続いて記録位置変換部17はAddr_A(クラスタ番号0)とAddr_B(クラスタ番号2)を指定して、新旧論理アドレス設定コマンドを発行する。ライトワンス型情報記録装置2内の新旧論理アドレス設定部27は、第1論理アドレスがAddr_B(クラスタ番号2)である物理アドレスの第2論理アドレスをAddr_A(クラスタ番号0)に設定する。図14は、この設定後の状態を示している。物理アドレス2の領域は、第1論理アドレスと第2論理アドレスの両方に有効な論理アドレスの値が設定されており、これは物理アドレス2の領域が2つの論理アドレスに対応付けられていることを意味する。
すなわち、図14の状態でアクセス装置1がライトワンス型情報記録装置2から論理アドレス0、1、2のデータを読み出すと、Data3、Data2、Data3がそれぞれ読み出され、Data1が上書きされた状態になる。このとき、論理アドレス0は、第1論理アドレス、第2論理アドレスの両方に1箇所ずつ値が格納されているが、複数個所に同一論理アドレスの情報が存在する場合は、物理アドレスの大きい方の領域に存在する情報を使用する。
【0042】
以下同様に、論理アドレス0に記録されたData3をData4で上書きする場合、図15、図16のように変化する。図16において論理アドレス0は、第1論理アドレスに1箇所、第2論理アドレスに2箇所と、合計3箇所に存在しているが、複数個所に同一論理アドレスの情報が存在する場合は、物理アドレスの大きい方の領域に存在する情報を使用するため、物理アドレス3に格納された情報を使用する。そのため、図16の状態でアクセス装置1がライトワンス型情報記録装置2から論理アドレス0、1、2、3のデータを読み出すと、Data4、Data2、Data3、Data4がそれぞれ読み出され、論理アドレス0に存在していたData3が上書きされた状態になる。
【0043】
尚、実際には論理アドレス空間の先頭付近にはFAT(104、105)で領域管理されないファイルシステム管理情報100の領域があり、クラスタ番号は2から始まる昇順の値が割り当てられている。ファイルシステム管理情報100の領域に対する上書きが発生した場合には、ユーザデータ101内の任意のクラスタを割り当ててデータを記録し、そのクラスタの論理アドレスとファイルシステム管理情報100の該当領域の論理アドレスを変換するようライトワンス型情報記録装置2に指定するようにする。
【0044】
以上のように、本発明の実施の形態におけるアクセス装置1、及びライトワンス型情報記録装置2は、アクセス装置1内の記録位置変換部17が未記録領域への書き込みなのか、既存データへの上書きなのかを判定し、上書きであればアクセス装置11は未記録領域の論理アドレスに変換した上で、ライトワンス型情報記録装置2へ書き込む。また、論理アドレスを変換した場合には変換先の論理アドレスが使用済み領域となるよう、ファイルシステムの領域管理情報を更新し、更に書き込み処理が完了した時点で新旧の論理アドレスをライトワンス型情報記録装置2に通知する。一方ライトワンス型情報記録装置2は、新旧論理アドレス設定部27において、アクセス装置1から通知された2つの論理アドレスに対し同一のデータが読み出されるようにアドレス管理情報を更新する。これにより、アクセス装置1が関知することなくライトワンス型情報記録装置2側でライトワンス型メモリ25上の未記録領域が消費されることがなくなるため、アクセス装置1はFAT(104、105)を参照するだけで残り記録可能な空き容量を正しく把握することが可能となる。その結果、ライトワンス型情報記録装置2に空き領域が存在しないにも拘らずファイルデータを記録してしまうなどの問題を回避することが可能となる。
【0045】
尚、本発明を上記の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記の実施の形態に限定されないのは勿論である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができる。本実施の形態では、新旧論理アドレス設定コマンドにより指定された新論理アドレスAddr_Bが第1論理アドレスに格納されているブロックの第2論理アドレスに旧論理アドレスAddr_Aを格納する例について説明したが、旧論理アドレスAddr_Aが第1論理アドレスに格納されているブロックの第2論理アドレスに新論理アドレスAddr_Bを格納するようにしても良い。この変形例の場合、図10から図16までと同じデータ書き込み、新旧論理アドレス設定処理を実施すると、図10から図13までは全く同じようにアドレス管理情報が変化する。しかしながら、図14から図16の処理は、図17から図19のように変化する。図17では新旧論理アドレス設定処理により、第1論理アドレスに0が設定されている物理アドレス0の領域に、第2論理アドレスとして2が設定される。そのため、アクセス装置1がライトワンス型情報記録装置2から論理アドレス0のデータを読み出すと、第1論理アドレスが0の箇所に対応する第2論理アドレスに2が設定されているため、続いて第1論理アドレスが2である物理アドレス2の領域が参照される。物理アドレス2の第2論理アドレスは0xFFFFFFFFに設定されているため、最終的に物理アドレス2に格納されているData3が論理アドレス0のデータとして読み出されることになる。このように、この例では、読み出し時に指定された論理アドレスの値を格納している第1論理アドレスの場所を検索し、次に対応する第2論理アドレスの値を参照してその値を格納している第1論理アドレスの場所を検索し、以下同様に第2論理アドレスが0xFFFFFFFFに設定されている箇所までリンクを辿り最新のデータを見つけ出す。
【0046】
また、本発明の実施の形態で説明したアドレス管理情報の構成は一例であり、その他の構成を取っても良い。例えば、論理アドレスの情報を格納する領域として1ブロック当たり4バイトの領域を使用してブロック単位でアドレス変換を行う例について記載したが、512バイト単位や、ページ単位でアドレス変換を行うような構成としても良い。また、アドレス管理情報としてライトワンス型メモリ25の冗長領域に分散して格納する例について説明したが、1箇所にまとめてアドレス管理情報を格納するように構成しても良い。
【0047】
また、新旧論理アドレス設定処理により1単位のアドレス変換のみを行う例について説明したが、複数単位のアドレス変換を一度に行うようにしても良い。FATファイルシステムで管理する場合、ファイルデータの更新時には、ファイルデータ、FAT(104、105)、ディレクトリエントリ107を組にして更新する必要があるため、これら複数のデータを書き込んだ後、アドレス変換を一度に実施することで、更新中の電源断などによりファイルシステム管理情報の整合性が破壊されることを防ぐことが可能となる。
【0048】
本発明に関わるアクセス装置1、及びライトワンス型情報記録装置2は、アクセス装置1内の記録位置変換部17が未記録領域への書き込みなのか、既存データへの上書きなのかを判定し、上書きであれば未記録領域の論理アドレスに変換した上で、ライトワンス型情報記録装置への書き込みを行う。また、論理アドレスを変換した場合には変換先の論理アドレスが使用済み領域となるよう、ファイルシステムの領域管理情報を更新し、更に書き込み処理が完了した時点で新旧の論理アドレスをライトワンス型情報記録装置2に通知する。一方ライトワンス型情報記録装置2は、新旧論理アドレス設定部27において、アクセス装置1から通知された2つの論理アドレスに対し同一のデータが読み出されるようにアドレス管理情報を更新する。これにより、アクセス装置1はFAT(104、105)を参照するだけで残り記録可能な空き容量を正しく把握することができ、ライトワンス型情報記録装置2に空き領域が存在しないにも拘らずファイルデータを記録してしまうなどの問題を回避することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
このようなライトワンス型情報記録装置は、音楽や静止画、動画などのデジタルコンテンツを格納する記録媒体として利用することができ、またアクセス装置は、前記ライトワンス型情報記録装置にアクセスするPCアプリケーション、オーディオレコーダ、DVDレコーダ、HDDレコーダ、ムービー、デジタルスチルカメラ、携帯電話端末等として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態におけるアクセス装置、及びライトワンス型情報記録装置を示した説明図
【図2】FATファイルシステムの構成を示した説明図
【図3】ディレクトリエントリの構成を示した説明図
【図4】FATファイルシステムのファイルデータ書き込み処理を示したフローチャート
【図5】FATファイルシステムのファイルデータ書き込み前の状態を示した説明図
【図6】FATファイルシステムのファイルデータ書き込み後の状態を示した説明図
【図7】本発明の実施の形態におけるアドレス管理情報の一例を示した説明図
【図8】本発明の実施の形態におけるライトワンス型メモリの構成を示した説明図
【図9】本発明の実施の形態におけるライトワンス型情報記録装置に対する書き込み処理を示したフローチャート
【図10】本発明の実施の形態におけるライトワンス型メモリの状態(1)を示した説明図
【図11】本発明の実施の形態におけるライトワンス型メモリの状態(2)を示した説明図
【図12】本発明の実施の形態におけるライトワンス型メモリの状態(3)を示した説明図
【図13】本発明の実施の形態におけるライトワンス型メモリの状態(4)を示した説明図
【図14】本発明の実施の形態におけるライトワンス型メモリの状態(5)を示した説明図
【図15】本発明の実施の形態におけるライトワンス型メモリの状態(6)を示した説明図
【図16】本発明の実施の形態におけるライトワンス型メモリの状態(7)を示した説明図
【図17】本発明の実施の形態の別の一例におけるライトワンス型メモリの状態(1)を示した説明図
【図18】本発明の実施の形態の別の一例におけるライトワンス型メモリの状態(2)を示した説明図
【図19】本発明の実施の形態の別の一例におけるライトワンス型メモリの状態(3)を示した説明図
【符号の説明】
【0051】
1 アクセス装置
2 ライトワンス型情報記録装置
11,22 CPU
12,23 RAM
13 記録装置インタフェース
14,24 ROM
15 アプリケーション制御部
16 ファイルシステム制御部
17 記録位置変換部
18 記録装置アクセス部
21 アクセス装置インタフェース
25 ライトワンス型メモリ
26 コマンド解釈部
27 新旧論理アドレス設定部
28 アドレス変換制御部
29 ライトワンス型メモリアクセス部
100 ファイルシステム管理情報
101 ユーザデータ
102 マスターブートレコード・パーティションテーブル
103 パーティションブートセクタ
104,105 FAT
106 ルートディレクトリエントリ
107 ディレクトリエントリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1回のデータ書き込みが可能なライトワンス型メモリと、
前記ライトワンス型メモリを固定長の管理単位毎に分割して領域管理し、各管理単位の物理アドレスと、外部のアクセス装置がライトワンス型メモリに対するアクセスを実施する際に指定する位置情報である論理アドレスとの対応関係を制御するアドレス変換制御部と、
前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスと第2の論理アドレスに関し、前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける新旧論理アドレス設定部と、を具備することを特徴とするライトワンス型情報記録装置。
【請求項2】
前記アドレス変換制御部は、
前記物理アドレスと前記論理アドレスの対応関係を制御するために用いるアドレス管理情報を前記ライトワンス型メモリの一部の領域に記録して管理し、
前記アドレス管理情報は、1つの物理アドレスが対応付けられる論理アドレスを格納する領域を複数備えることを特徴とする請求項1記載のライトワンス型情報記録装置。
【請求項3】
前記アドレス変換制御部は、
前記アドレス管理情報内に同一の論理アドレスが複数格納されていた場合、対応する物理アドレスの大きい方の論理アドレスを有効な値と判定することを特徴とする請求項2記載のライトワンス型情報記録装置。
【請求項4】
前記新旧論理アドレス設定部は、
前記アドレス管理情報内に存在し、1つの物理アドレスが対応付けられる2つの論理アドレスを格納する第1論理アドレス格納領域と、第2論理アドレス格納領域に対し、前記アクセス装置が指定した第2の論理アドレスを前記第1論理アドレス格納領域から検索し、
前記検索により特定された前記第1論理アドレス格納領域に対応する前記第2論理アドレス格納領域に、前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスを設定することを特徴とする請求項2記載のライトワンス型情報記録装置。
【請求項5】
前記新旧論理アドレス設定部は、
前記アドレス管理情報内に存在し、1つの物理アドレスが対応付けられる2つの論理アドレスを格納する第1論理アドレス格納領域と、第2論理アドレス格納領域に対し、前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスを前記第1論理アドレス格納領域から検索し、
前記検索により特定された前記第1論理アドレス格納領域に対応する前記第2論理アドレス格納領域に、前記アクセス装置が指定した第2の論理アドレスを設定することを特徴とする請求項2記載のライトワンス型情報記録装置。
【請求項6】
前記新旧論理アドレス設定部は、
前記第1の論理アドレスと、前記第2の論理アドレスとの組み合わせを複数組一度に前記アクセス装置から受信し、前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける処理を、前記複数組一度に実施することを特徴とする請求項1記載のライトワンス型情報記録装置。
【請求項7】
1回のデータ書き込みが可能なライトワンス型メモリを制御するコントローラであって、
前記ライトワンス型メモリを固定長の管理単位毎に分割して領域管理し、各管理単位の物理アドレスと、外部のアクセス装置がライトワンス型メモリに対するアクセスを実施する際に指定する位置情報である論理アドレスとの対応関係を制御するアドレス変換制御部と、
前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスと第2の論理アドレスに関し、前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける新旧論理アドレス設定部と、
を具備することを特徴とするコントローラ。
【請求項8】
前記アドレス変換制御部は、
前記物理アドレスと前記論理アドレスの対応関係を制御するために用いるアドレス管理情報を前記ライトワンス型メモリの一部の領域に記録して管理し、
前記アドレス管理情報は、1つの物理アドレスが対応付けられる論理アドレスを格納する領域を複数備えることを特徴とする請求項7記載のコントローラ。
【請求項9】
前記アドレス変換制御部は、
前記アドレス管理情報内に同一の論理アドレスが複数格納されていた場合、対応する物理アドレスの大きい方の論理アドレスを有効な値と判定することを特徴とする請求項8記載のコントローラ。
【請求項10】
前記新旧論理アドレス設定部は、
前記アドレス管理情報内に存在し、1つの物理アドレスが対応付けられる2つの論理アドレスを格納する第1論理アドレス格納領域と、第2論理アドレス格納領域に対し、前記アクセス装置が指定した第2の論理アドレスを前記第1論理アドレス格納領域から検索し、
前記検索により特定された前記第1論理アドレス格納領域に対応する前記第2論理アドレス格納領域に、前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスを設定することを特徴とする請求項8記載のコントローラ。
【請求項11】
前記新旧論理アドレス設定部は、
前記アドレス管理情報内に存在し、1つの物理アドレスが対応付けられる2つの論理アドレスを格納する第1論理アドレス格納領域と、第2論理アドレス格納領域に対し、前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスを前記第1論理アドレス格納領域から検索し、
前記検索により特定された前記第1論理アドレス格納領域に対応する前記第2論理アドレス格納領域に、前記アクセス装置が指定した第2の論理アドレスを設定することを特徴とする請求項8記載のコントローラ。
【請求項12】
前記新旧論理アドレス設定部は、
前記第1の論理アドレスと、前記第2の論理アドレスとの組み合わせを複数組一度に前記アクセス装置から受信し、前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける処理を、前記複数組一度に実施することを特徴とする請求項7記載のコントローラ。
【請求項13】
1回のデータ書き込みが可能なライトワンス型メモリを具備したライトワンス型情報記録装置にアクセスするアクセス装置であって、
前記ライトワンス型情報記録装置内の記録領域に構築されたファイルシステムを解釈し、データをファイルとして管理する制御を行うファイルシステム制御部と、
前記ファイルシステム制御部から前記ライトワンス型情報記録装置に対する書き込み要求を受け、前記書き込み要求が既存データの上書きであるか否かを判定し、上書きであった場合に前記ファイルシステム制御部が指定した書き込み位置である論理アドレスを、異なる論理アドレスに変換して前記ライトワンス型情報記録装置に書き込みを行う記録位置変換部と、を具備することを特徴とするアクセス装置。
【請求項14】
前記記録位置変換部は、
前記ファイルシステム制御部が書き込み要求時に書き込み位置として指定した第1の論理アドレスの領域に対し、前記ファイルシステム制御部が管理するファイルシステムの領域管理情報を参照することにより、既存データが存在するか否か判定し、
既存データが存在する場合に、前記ファイルシステムの領域管理情報から未記録の領域を取得してその論理アドレスを前記ライトワンス型情報記録装置への書き込みアドレスである第2の論理アドレスとして決定し、
前記決定した第2の論理アドレスの領域が記録済み領域として管理されるよう、前記ファイルシステムの領域管理情報を更新し、
前記第1の論理アドレスと、前記第2の論理アドレスを指定して、前記ライトワンス型情報記録装置に前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける新旧論理アドレス設定要求を行うことを特徴とする請求項13記載のアクセス装置。
【請求項15】
前記記録位置変換部は、
前記第1の論理アドレスと、前記第2の論理アドレスとの組み合わせを複数組一度に指定して、前記新旧論理アドレス設定要求を行うことを特徴とする請求項14記載のアクセス装置。
【請求項16】
1回のデータ書き込みが可能なライトワンス型メモリを具備したライトワンス型情報記録装置と、前記ライトワンス型情報記録装置にアクセスするアクセス装置からなるライトワンス型情報記録システムであって、
前記ライトワンス型情報記録装置は、
1回のデータ書き込みが可能なライトワンス型メモリと、
前記ライトワンス型メモリを固定長の管理単位毎に分割して領域管理し、各管理単位の物理アドレスと、前記アクセス装置がライトワンス型メモリに対するアクセスを実施する際に指定する位置情報である論理アドレスとの対応関係を制御するアドレス変換制御部と、
前記アクセス装置が指定した第1の論理アドレスと第2の論理アドレスに関し、前記第2の論理アドレスに対応付けられた前記ライトワンス型メモリ内のデータを、更に前記第1の論理アドレスに対応付ける新旧論理アドレス設定部と、を具備し、
前記アクセス装置は、
前記ライトワンス型情報記録装置内の記録領域に構築されたファイルシステムを解釈し、データをファイルとして管理する制御を行うファイルシステム制御部と、
前記ファイルシステム制御部から前記ライトワンス型情報記録装置に対する書き込み要求を受け、前記書き込み要求が既存データの上書きであるか否かを判定し、上書きであった場合に前記ファイルシステム制御部が指定した書き込み位置である論理アドレスを、異なる論理アドレスに変換して前記ライトワンス型情報記録装置に書き込みを行う記録位置変換部と、を具備することを特徴とするライトワンス型情報記録システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−152414(P2008−152414A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337926(P2006−337926)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】