説明

ラック

【課題】コンタミネーションの発生を防止する。
【解決手段】加圧装置にセットされるラック18を、抽出カートリッジ2を列に並べて保持するカートリッジホルダ19と、廃液容器3及び回収容器4をそれぞれ列に並べて保持する容器ホルダ20とから構成する。カートリッジホルダ19の下面19d上に、複数の仕切り板90を設ける。カートリッジホルダ19を容器ホルダ20に取り付けた時に、仕切り板90により互いに隣接する廃液容器3の間、または互いに隣接する回収容器4の間を仕切る。カートリッジ2の吐出口より液を吐出させる際に発生するミストが、隣接する廃液容器3や回収容器4内に混入することが防止される。コンタミネーションの発生が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ部材を有する抽出カートリッジに加圧エアを供給する抽出カートリッジの加圧装置にセットされ、抽出カートリッジと、抽出カートリッジから排出される排出液を受ける容器とをそれぞれ複数保持するラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
核酸を抽出する核酸抽出法としては、磁気ビーズを用いたもの、フィルタを用いたものなどが知られている。フィルタを用いた核酸抽出法は、磁気ビーズを用いた核酸抽出法に比べて、高純度、高収量で核酸を抽出することができるという利点を有している。
【0003】
フィルタを用いた核酸抽出法は、核酸を含む試料液を注入してフィルタを通過させて核酸をフィルタに吸着させた後、洗浄液を注入してフィルタを通過させてフィルタに付着した核酸以外の不純物を洗い流す。この洗浄液による洗浄は複数回繰り返して行われるのが通常である。次いで、回収液を注入してフィルタを通過させることで核酸とフィルタとを分離し、回収液とともに核酸を回収するものである。液に圧力をかけてフィルタを通過させる方式としては、遠心機を用いる方式、減圧を利用する方式、加圧を利用する方式などが知られているが、装置の小型化や抽出処理時間が比較的短時間で済む等の理由で加圧を利用する方法がよく用いられる。
【0004】
上述の加圧を利用する加圧装置(抽出装置)は、複数のエアノズルと、各エアノズルに加圧エアを供給するエアポンプと、各エアノズルへの加圧エアの供給・遮断を切り替える複数の開閉バルブとを有している。この加圧装置には、フィルタを備える抽出カートリッジと、抽出カートリッジの吐出口より排出される試料液及び洗浄液を収容する廃液容器と、抽出カートリッジより排出される回収液を収納する回収容器とを保持するラックがセットされる。
【0005】
ラックとしては、抽出カートリッジを列に並べて保持するカートリッジホルダと、廃液容器及び回収容器をそれぞれ列に並べて保持する容器ホルダとから構成される(特許文献1参照)。両ホルダは、個々のカートリッジの吐出口を対応する廃液容器内に位置させた第1の形態と、各吐出口を対応する回収容器内に位置させた第2の形態とに切替可能になっている。
【0006】
ラックを加圧装置にセットしたら、試料液注入済みの各抽出カートリッジの注入口にエアノズルを接触させる。次いで、開閉バルブを開いてエアノズルから抽出カートリッジ内に加圧エアを供給して試料液を加圧する。これにより、試料液がフィルタを通過して吐出口より吐出され、廃液容器内に収納される。また、フィルタには試料液中の核酸が付着する。
【0007】
試料液が廃液容器内に収納されたら、抽出カートリッジ内に洗浄液を注入する。同様に洗浄液を加圧することで、洗浄液がフィルタを通過してフィルタに付着した核酸以外の不純物を洗い流す。吐出口より吐出された洗浄液は廃液容器内に収納される。以下、同様の洗浄処理を所定回数繰り返す。洗浄処理が終了したら、第1の形態にあるカートリッジホルダ及び容器ホルダを第2の形態に切り替えて、抽出カートリッジ内に回収液を注入する。同様に回収液を加圧することで、回収液がフィルタを通過してフィルタに付着した核酸を分離する。回収液は核酸と共に吐出口より吐出され、回収容器内に収納されて全ての核酸抽出処理が終了する
【特許文献1】特開2005―95160号公報(第3図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述の押圧装置では抽出カートリッジ内に注入された試料液、洗浄液、及び回収液を加圧して吐出口より吐出させている。このため、各液が抽出カートリッジの吐出口より吐出される際に各液のミストが発生してしまう。従って、前記特許文献1記載のように、抽出カートリッジ、廃液容器、及び回収容器をそれぞれ列に並べて保持可能なラックを用いる場合には、発生したミストが隣接する廃液容器や回収容器内にも混入する、所謂コンタミネーションが発生し易いという問題がある。
【0009】
また、廃液容器や回収容器は、容器ホルダに形成された廃液容器保持孔や回収容器保持孔に挿入された状態で保持されている。このため、ユーザは回収容器や廃液容器の中を確認することが困難である。特に洗浄液による洗浄を繰り返して行う場合には、洗浄回数が容易に分かり、且つ廃液容器内から液があふれないようにするため、廃液容器内の液量を容易に確認できるようにすることが強く要請されている。
【0010】
本発明は上記問題を解決するためのものであり、コンタミネーションの発生を防止しつつ、廃液容器内の液量を容易に確認できるようにしたラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、特定物質が含まれる液が注入された抽出カートリッジの注入口に加圧エアを供給して前記液を加圧し、フィルタ部材に前記液中の前記特定物質を付着させる抽出カートリッジの加圧装置にセットされ、複数の前記抽出カートリッジと、個々の前記抽出カートリッジの排出口より排出される排出液を収容する複数の容器とを保持するラックにおいて、互いに隣接する前記容器の間を仕切る仕切り部材を有することを特徴とする。
【0012】
前記抽出カートリッジを列に並べて保持するカートリッジホルダと、前記容器を列に並べて保持する容器ホルダとを備え、前記仕切り部材が、前記カートリッジホルダ及び前記容器ホルダの互いに対向する面のいずれか一方に設けられていることが好ましい。さらに、前記仕切り部材は、前記互いに対向する面の他方に接触することが好ましい。
【0013】
前記容器ホルダは、前記容器が挿入される複数の容器保持孔と、前記容器の挿入方向に延び且つ前記容器保持孔まで貫通した第1窓部とを有することが好ましい。また、前記容器内の前記排出液の液量を表す目盛りが形成されていることが好ましい。
【0014】
前記カートリッジホルダは、前記抽出カートリッジが挿入されるカートリッジ保持孔と、前記抽出カートリッジが挿入方向と反対側に抜けることを防止する抜け止め手段とを備えることが好ましい。また、前前記抽出カートリッジは、少なくとも筒状のカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の周面に形成される突部とを有し、前記カートリッジ保持孔は、前記突部の通過を許容する突部通過溝を有し、前記突部通過溝は前記抽出カートリッジの挿入方向に延びており、前記抜け止め手段は、前記突部通過溝内に形成され前記突部の挿入方向に向かうに従い次第に間隔が狭くなる傾斜ガイド部と、この傾斜ガイド部の挿入方向奥側に形成され、前記傾斜ガイド部を超えて挿入される前記突部の前記挿入方向とは反対側への移動を規制する移動規制部とを有することが好ましい。
【0015】
前記液は、核酸を含む試料液であり、前記フィルタ部材に前記核酸が付着された後に、前記抽出カートリッジ内には、前記フィルタ部材に付着した前記核酸を分離して回収する回収液が注入されることが好ましい。さらに、前記容器は、前記抽出カートリッジから排出される前記試料液を受ける廃液容器と、前記抽出カートリッジから排出される前記回収液を収納する回収容器とを含み、前記容器ホルダは、前記廃液容器及び前記回収容器をそれぞれ列に並べて保持し、前記カートリッジホルダ及び前記容器ホルダは、個々の前記抽出カートリッジの排出口を対応する前記廃液容器内に位置させた第1の形態と、各排出口を対応する前記回収容器内に位置させた第2の形態とに切替可能であることが好ましい。
【0016】
前記カートリッジホルダは、個々の前記抽出カートリッジの排出口が対応する前記廃液容器内に位置する前記容器ホルダへの第1取付位置、または前記排出口が対応する前記回収容器内に位置する前記容器ホルダへの第2取付位置に選択的に取り付けられ、前記仕切り部材は、前記カートリッジホルダの前記容器ホルダと対向する面に設けられていることが好ましい。また、前前記仕切り部材は、前記カートリッジホルダが前記第1取付位置にあるときは互いに隣接する前記廃液容器間を仕切り、前記カートリッジホルダが前記第2取付位置にあるときは互いに隣接する前記回収容器間を仕切ることが好ましい。
【0017】
前記カートリッジホルダが誤った向きで前記容器ホルダに取り付けられることを防止する誤取付防止手段を備えることが好ましい。また、前記回収容器は、容器本体と、前記容器本体内の前記回収液を液密に保持するキャップと、前記キャップ及び前記容器本体を連結する連結部材とを有し、前記容器ホルダは、前記キャップが開けられた状態の前記キャップまたは前記連結部材を保持する保持部を有することが好ましい。
【0018】
前記保持部は、前記キャップまたは前記連結部材が挿入される保持溝から構成されることが好ましい。また、前記カートリッジホルダが前記第2取付位置に取り付けられるときに、前記キャップを押えるキャップ押さえ部材を有することが好ましい。
【0019】
前記カートリッジホルダは、前記抽出カートリッジが挿入される複数のカートリッジ保持孔と、前記抽出カートリッジの挿入方向に延び且つ前記カートリッジ保持孔まで貫通した第2窓部とを有することが好ましい。また、前記カートリッジホルダは、前記抽出カートリッジが1列に並べて挿入される複数のカートリッジ保持孔を有するとともに、全ての前記カートリッジ保持孔の中心軸線を含む面で2分割された2分割構造を有しており、前記カートリッジホルダを2分割した一対の分割体の一方が、透明に形成されていることが好ましい。
【0020】
前記分割体の他方が、有色に形成されていることが好ましい。また、前記カートリッジホルダの前記抽出カートリッジの注入口が開口している側の面が、前記抽出カートリッジとは異なる色に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明のラックは、特定物質が含まれる液が注入される抽出カートリッジと、加圧装置により加圧された前記抽出カートリッジから排出される排出液を収容する容器とをそれぞれ複数保持しつつ、仕切り部材により互いに隣接する前記容器の間を仕切るようにしているので、前記抽出カートリッジより前記排出液が排出される際に発生するミストが、隣接する容器に混入することが防止される。その結果、コンタミネーションの発生が防止される。
【0022】
また、前記抽出カートリッジを列に並べて保持するカートリッジホルダと、前記抽出カートリッジに対応して前記容器を列に並べて保持する容器ホルダとの互いに対向する面のいずれか一方に前記仕切り部材を設け、さらに、前記仕切り部材を前記互いに対向する面の他方に接触させるようにしたので、前記加圧装置により前記抽出カートリッジを加圧したときに、前記カートリッジホルダが撓むことが防止される。
【0023】
また、前記容器ホルダに、容器保持孔に挿入される前記容器の挿入方向に延び、且つ前記容器保持孔まで貫通した第1窓部を形成するようにしたので、この窓部を通して前記容器内の前記排出液の液量を目視で確認することができる。
【0024】
また、前記カートリッジホルダに、前記抽出カートリッジが挿入方向とは反対側に抜けることを防止する抜け止め手段を設けたので、前記カートリッジが浮き上がったりしなくなる。その結果、前記抽出カートリッジの排出口がカートリッジ保持孔等に接触して前記排出液が付着することによるコンタミネーション等が防止される。
【0025】
また、前記容器ホルダは、容器本体と、前記容器本体内の液を液密に保持するキャップと、前記キャップ及び前記容器本体を連結する連結部材とを有する回収容器を保持するとともに、前記キャップが開けられた状態の前記キャップまたは前記連結部材を保持する保持部を有するので、ユーザが前記回収容器を正しい位置にセットし易くなる。その結果、前記回収容器の位置精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の加圧装置を説明する前に核酸抽出処理について説明する。核酸抽出処理は図1(A)〜(G)に示す手順で行われる。まず(A)に示すように、抽出カートリッジ(以下、単にカートリッジという)2に溶解処理された核酸を含む試料液Sを注入する。次に(B)に示すように、カートリッジ2を廃液容器3に対向する位置に配置した後、カートリッジ2に加圧エアを供給する。これにより、加圧された試料液Sがカートリッジ2内のフィルタ2aを通過し、試料液S中の核酸がフィルタ2aに付着される。フィルタ2aを通過した試料液S(排出液)は、廃液容器3に排出される。
【0027】
この後、(C)に示すように、カートリッジ2に洗浄液Wを注入する。次いで、(D)に示すように、カートリッジ2に加圧エアを供給する。これにより、加圧された洗浄液Wがカートリッジ2内のフィルタ2aを通過し、フィルタ2aに付着した核酸以外の不純物を洗い流す。フィルタ2aを通過した洗浄液W(排出液)は、廃液容器3に排出される。この洗浄処理は複数回繰り返してもよく、例えば本実施形態では3回繰り返される。
【0028】
洗浄が終了したら、(D)に示すように、カートリッジ2の下方の廃液容器3を回収容器4に交換する。次いで、(F)に示すように、カートリッジ2に回収液Rを注入する。そして、(G)に示すように、カートリッジ2に加圧エアを供給する。加圧された回収液Rがフィルタ2aを通過して、フィルタ2aと核酸との結合力を弱め、吸着されている核酸を離脱させる。これにより、カートリッジ2から核酸を含む回収液R(排出液)が排出されて、回収容器4に回収される。
【0029】
カートリッジ2のフィルタ2aは、基本的には核酸が通過可能な多孔性であり、その表面は試料液S中の核酸を化学的結合力で吸着する特性を有し、洗浄液Wによる洗浄時にはその吸着を保持し、回収液Rによる回収時に核酸の吸着力を弱めて離すように構成されている。その一例の具体的構成は、特開2003−128691号の核酸の分離精製方法に詳述されているように、例えば、フィルタ2aは表面に水酸基を有する有機高分子で構成されている。表面に水酸基を有する有機高分子としては、アセチルセルロースの表面鹸化物が好ましい。アセチルセルロースとしては、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースのいずれでもよいが、特にはトリアセチルセルロースが好ましい。
【0030】
「核酸を含む試料液S」は、細胞またはウイルスを含む試料に前処理を施した状態のものである。前処理とは、試料を溶解処理することにより核酸を液中に分散させた溶液に水溶性有機溶媒を添加する処理のことである。例えば診断分野においては、試料として採取された全血、血漿、血清、尿、便、精液、唾液等の体液、あるいは植物(またはその一部)、動物(またはその一部)など、あるいはそれらの溶解物およびホモジネートなどの生物材料から調製された溶液が対象となる。「溶解処理」は、細胞膜および核膜を溶解して核酸を可溶化する試薬(例えば、グアニジン塩、界面活性剤又はタンパク質分解酵素)で処理するもので、例えば、対象となる試料が全血の場合、フィルタ2aへの非特異吸着および目詰まりを防ぐために赤血球および各種タンパク質を分解、低分子化し、抽出の対象である核酸を可溶化させるために白血球および核膜の溶解を行う。「水溶性有機溶媒」としてはエタノール、イソプロパノールまたはプロパノールなどが挙げられ、中でもエタノールが好ましい。水溶性有機溶媒の濃度は好ましくは5〜90重量%であり、さらに好ましくは15〜50重量%である。エタノールの添加濃度は、凝集物を生じない程度でできるだけ高くすることが特に好ましい。
【0031】
「洗浄液W」は、核酸と一緒にフィルタ2aに付着した試料液S中の不純物を洗い流す機能、つまり核酸の吸着をそのままにして不純物を離脱させる機能を有し、主剤と緩衝剤、および必要に応じて界面活性剤を含む水溶液からなる。主剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−イソプロパノール、ブタノール、アセトン等の約10〜100重量%(好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは30〜80重量%)の水溶液が挙げられる。
【0032】
「回収液R」は、塩濃度が低いことが好ましく、特には0.5M以下の塩濃度の溶液、例えば、精製蒸留水、TEバッファ等が使用される。
【0033】
図2に示すように、加圧装置10は、基台11と、この基台11に対して取り外し可能な載置トレイ12と、基台11の両側面に取り付けられた側板13と、この側板13に設けられた軸14を中心に揺動自在であって8個のエアノズル15A〜15Hを保持する加圧ヘッド16と、手動で操作されて加圧ヘッド16を変位させるヘッド変位機構17とから構成される。この加圧装置10には、カートリッジ2、廃液容器3、及び回収容器4を保持するラック18が着脱自在である。以下では、XYZ座標系を用いて説明を行うが、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の替わりに、それぞれ前後方向、横方向、上下方向を用いて説明を行う場合もある。
【0034】
まず、カートリッジ2について説明する。図3に示すように、カートリッジ2は、筒状本体2bと、この筒状本体2bの底部に保持されたフィルタ2aと、筒状本体2bの下端中心部に細管ノズル状に突出形成された吐出部2cと、筒状本体2bの側部に設けられた2つの突部2dとから構成される。筒状本体2bの上面には注入口2eが形成されている。吐出部2cの下面には吐出口2fが形成されている。
【0035】
次に、本発明のラック18について説明する。図4に示すように、ラック18は、カートリッジ2を保持するカートリッジホルダ19と、廃液容器3及び回収容器4を保持する容器ホルダ20とから構成される。
【0036】
カートリッジホルダ19は、プレート材を接合した2分割構造であって、柱状に形成され、Y軸方向に延びている。カートリッジホルダ19の前面には、ボタン22が設けられている。カートリッジホルダ19の両端部には、Z軸マイナス方向に延びる2本の支持脚25が設けられている。また、カートリッジホルダ19には、カートリッジ2を保持するカートリッジ保持孔19aがY軸方向に並べて形成されている。
【0037】
カートリッジ保持孔19aは、Z軸方向に延びた貫通孔であり、本実施形態では所定ピッチで8つ形成されている。カートリッジ保持孔19aには、この保持孔19aに対して平行な方向な2つの溝19bが形成されている。この溝19bにカートリッジ2の突部2dを係合させて、カートリッジ2がカートリッジ保持孔19a内に挿入される。カートリッジ保持孔19a内に挿入されたカートリッジ2は、カートリッジホルダ19の内部に設けられた係止プレート26(図5参照)により保持される。
【0038】
また、カートリッジホルダ19の前面には、各カートリッジ保持孔19aに対応する符号19cが付されている。これにより、カートリッジ2のセット本数に応じて、カートリッジ2を挿入するカートリッジ保持孔19aをメーカ(製造者)が指定することができる。例えばカートリッジ2を4本しかセットしない場合には、これらカートリッジ2を奇数番号のカートリッジ保持孔19aに挿入するようにマニュアル等に記載する。
【0039】
図5は、図4中のV−V線に沿う断面図である。係止プレート26は、カートリッジホルダ19によりY軸方向にスライド移動自在に保持されている。カートリッジ2をカートリッジ保持孔19aに挿入すると、突部2dが係止プレート26に引っ掛かり、カートリッジ2が保持される。そして、上述のボタン22を押圧すると図示しないカムピン等を介して係止プレート26がスライド移動されて、係止プレート26に形成された溝26aと溝19bとが重なり合う。これにより、全てのカートリッジ2の保持が解除され、全カートリッジ2が落下する。手を汚さずに、使用済みのカートリッジ2を廃棄することができる。
【0040】
また、カートリッジ2を落下させることで、使用済みのカートリッジ2の吐出部2cがカートリッジ保持孔19a内を通過することなく、カートリッジ2を廃棄することができる。この際に、ユーザが誤ってカートリッジ2をZ軸プラス方向(上方向)に抜いてしまうと、カートリッジ2の吐出部2cがカートリッジ保持孔19a等に接触して、試料液Sがカートリッジ保持孔19a等に付着してしまうおそれがある。試料液Sがカートリッジ保持孔19a等に付着すると、次のカートリッジ2をカートリッジ保持孔19aに挿入したときに、先に使用した試料液Sが付着してしまうおそれがある。
【0041】
そこで、本実施形態では、カートリッジ保持孔19aに挿入されたカートリッジ2が上方向に抜けないようにする。具体的には、図6に示すようにカートリッジ保持孔19aの溝19bの内部に、本発明の抜け止め手段に相当する傾斜ガイド部28a、及び移動規制部28bを設ける。傾斜ガイド部28aは、溝19bの両面に互いに対向するように配置されており、突部2dの挿入方向(Z軸マイナス方向)に向かうに従い次第に間隔が狭くなる。移動規制部28bは、傾斜ガイド部28aの挿入方向奥側に形成されている。カートリッジ2の突部2dの幅をL1とし、移動規制部28bの幅をL2としたときに、移動規制部28bはL2がL1よりも僅かに小さくなるように形成されている。これにより、移動規制部28bは、傾斜ガイド部28aを超えて挿入される突部2dの挿入方向とは反対側への移動を規制する。その結果、ユーザが誤ってカートリッジ2をZ軸プラス方向(上方向)に抜いてしまったり、カートリッジ2が浮き上がったりすることが防止される。
【0042】
図4に示すように、容器ホルダ20は、直方体状に形成されており、前面に取っ手21が設けられている。容器ホルダ20の上面前部には、廃液容器3を保持する廃液容器保持孔20aがY軸方向に並べて形成されている。また、容器ホルダ20の上面後部には、回収容器4を保持する回収容器保持孔20bがY軸方向に並べて形成されている。廃液容器保持孔20a及び回収容器保持孔20bは、非貫通孔であり、それぞれ所定ピッチで8つ形成されている。
【0043】
本実施形態の回収容器4は、容器本体4aと、容器本体4a内の回収液Rを液密に保持するキャップ4bと、容器本体4a及びキャップ4bを連結する湾曲自在な連結部材4cとから構成される。回収容器4は、キャップ4bが開けられた状態で回収容器保持孔20bに挿入される。
【0044】
容器ホルダ20には、廃液容器3と回収容器4とがそれぞれ列に並べて保持される。このため、カートリッジホルダ19及び容器ホルダ20は、個々のカートリッジ2の吐出口2fを対応する廃液容器3内に位置させた第1の形態と、各吐出口2fを対応する回収容器4内に位置させた第2の形態とに選択的に切替可能になっている。
【0045】
具体的には、容器ホルダ20のY軸方向における側面前部には、カートリッジホルダ19の支持脚25が載置される載置溝28が形成されており、側面後部には載置溝29が形成されている。カートリッジホルダ19は、支持脚25を載置溝28に載置する第1取付位置と、支持脚25を載置溝29に載置する第2取付位置とのいずれかに選択的に取り付けることができる。カートリッジホルダ19を第1取付位置に取り付けたとき、カートリッジ2の吐出口2fが廃液容器3に挿入され、一方、カートリッジホルダ19を第2取付位置に取り付けたとき、カートリッジ2の吐出口2fが回収容器3に挿入される。
【0046】
カートリッジホルダ19を容器ホルダ20に取り付ける際に、ユーザがカートリッジホルダ19を誤った向きで取り付けてしまうおそれがある。このため、本実施形態では、支持脚25の一方に突部25aを設けるとともに、この支持脚25に対応する載置溝28,29に突部25aが係合する溝28a,29aを形成する。これら突部25aと、載置溝
28a,29aとは、本発明の誤取付防止手段を構成するものである。これにより、ユーザがカートリッジホルダ19を誤った向きで取りけることが防止される。
【0047】
図7に示すように、容器ホルダ20の前面には、廃液容器3の挿入方向に延び、且つ廃液容器保持孔20aまで貫通するスリット20c(第1窓部)が形成されている。廃液容器3は透明な樹脂により形成されている。このため、スリット20cを通して廃液容器3を目視することにより、試料液Sや洗浄液Wが透明であったとしても、廃液容器3が収容している液の液量を確認することができる。これにより、洗浄処理を繰り返し行っても廃液容器3から液があふれることが防止される。なお、廃液容器3内の液量を確認可能であればこのスリット20cの形状は特に限定はされない。
【0048】
また、容器ホルダ20の前面には、廃棄容器3内の液量を表す目盛り20dがスリット20cに隣接して形成されている。この目盛り20dは、洗浄回数が分かるように付されている。従って、ユーザは、廃液容器3内の液量と目盛り20dとを確認することで洗浄回数を容易に知ることができる。なお、目盛り20dは、容器ホルダ20の前面ではなく、廃棄容器3の側面に直接形成してもよいが、使い捨ての廃棄容器3に目盛りを形成するのは製造コスト削減の観点からも好ましくはない。
【0049】
図2に示すように、ラック18は、載置トレイ12に一旦載置した後に、X軸マイナス方向にスライド移動させることにより、加圧装置10にセットされる。載置トレイ12の載置部のY軸方向の幅は、ラック19のY軸方向の幅とほぼ同じサイズである。加圧装置10にはY軸方向に延びる突き当てブロック26が設けられている。ラック18をX軸マイナス方向にスライド移動させると、ラック18が突き当てブロック26に突き当たり、ラック18が位置決めされる。ラック18は、カートリッジホルダ19に保持されている各カートリッジ2がそれぞれエアノズル15A〜15Hの直下に位置するところに位置決めされる。ここで、突き当てブロック26にはカートリッジホルダ19(詳しくは後述するキャップ押さえ板94)が突き当たる。このため、カートリッジホルダ19が第1取付位置と第2取付位置とのいずれに取り付けられている場合であっても、カートリッジ2をそれぞれエアノズル15A〜15Hの直下に位置させることができる。
【0050】
また、載置トレイ12の上面には、例えば「WASH」という文字12aが印字されている。この文字12aは、加圧装置10にラック18をセットした際に、カートリッジホルダ19が第1取付位置にあるときは露呈され、カートリッジホルダ19が第2取付位置にあるときは容器ホルダ20により覆われる。従って、ユーザが、誤ってカートリッジホルダ19を第1取付位置に取り付けた状態で回収液Rの加圧抽出を行おうとしたときは、文字12aが露呈される。これにより、ユーザにカートリッジホルダ19の取付位置が間違っていることを警告することができる。
【0051】
次に、加圧ヘッド16及びヘッド変位機構17について説明する。加圧ヘッド16は、図示しない8機のエア供給ユニットを保持するヘッド基部66と、上述のエアノズル15A〜15Hと、側板13に設けられた軸14とから構成される。ヘッド基部66は、軸14を介して側板13に回動自在に保持されている。これらエア供給ユニット(図示せず)は、例えば加圧エアを発生するエアポンプ、加圧エアの逆流を防ぐチェックバルブ等から構成され、それぞれエアノズル15A〜15Hに接続されている。本実施形態では、複数のエアノズル15A〜15Hに1対1に対応してエア供給ユニットが設けられているため、複数のカートリッジ2に対して個別且つ同時に加圧処理を行うことができる。
【0052】
ヘッド変位機構17は、引っ張りバネ62と、側板13に設けられた回転軸63と、この回転軸63に固定されたカム64と、この回転軸63の両端部に固定された把持部65とから構成される。引っ張りバネ62の上端部は側板13に取り付けられており、下端部は加圧ヘッド16のヘッド基部66に取り付けられている。この引っ張りバネ62の付勢力により、加圧ヘッド16(ヘッド基部66)はカム64に押し付けられる。
【0053】
把持部65はユーザに操作される部位であり、把持部65を操作することにより、回転軸63を介してカム64が回転され、加圧ヘッド16が軸14を中心に揺動される。これにより、加圧ヘッド16は、エアノズル15A〜15Hがそれぞれ対応するカートリッジ2の注入口2eに所定圧力で接触するエア供給位置と、エアノズル15A〜15Hがカートリッジ2の注入口2eから退避した退避位置との間で変位される。
【0054】
この際に、従来ではエアノズル15A〜15Hをカートリッジ2に密着させることで、加圧ヘッド16をエア供給位置から退避位置に変位させる時にカートリッジ2が抜けてしまうおそれがあった。本実施形態では上述の移動規制部28bによりカートリッジ2のZ軸プラス方向への移動が規制されるので、カートリッジ2が抜けるおそれはない。
【0055】
カム64は、第1接触面64a及び第2接触面64bを有する。カム64が回転されてその第2接触面64aが加圧ヘッド16に接触すると、加圧ヘッド16は退避位置に変位される。また、カム64の第2接触面64bが加圧ヘッド16に接触すると、加圧ヘッド16はエア供給位置に変位される。
【0056】
把持部65の操作により、退避位置にある加圧ヘッド16がエア供給位置に変位されたら、各エア供給ユニット(図示せず)が駆動されて、エアノズル15A〜15Hから各カートリッジ2の注入口2eに加圧エアが供給される。これにより、カートリッジ2内に注入された試料液S、洗浄液W、回収液Rが加圧され、各液がカートリッジ2内のフィルタ2aを通過して吐出口2fより排出される。上述したように、加圧により試料液S、洗浄液W、及び回収液Rを吐出口2fより吐出させる際には、各液のミストが発生してしまう。このため、発生したミストが隣接する廃液容器3や回収容器4内に混入する、所謂コンタミネーションが発生することがあった。
【0057】
そこで、本実施形態では、互いに隣接する廃液容器3の間、及び互いに隣接する回収容器4の間を本発明の仕切り部材に相当する仕切り板(隔壁)90で仕切ることで、コンタミネーションの発生を防止する。図4及び図8に示すように、仕切り板90はカートリッジホルダ19の容器ホルダ20と対向する下面19d上で、且つ互いに隣接するカートリッジ保持孔19aの間に設けられている。本実施形態では、各仕切り板90の図中X軸方向の長さを、カートリッジホルダ19の図中X軸方向の長さと同じに形成している。なお、各仕切り板90の図中X軸方向の長さは特に限定はされないが、隣接する容器3,4へのミストの混入を防止するため、取扱いに支障をきたさない範囲で長く形成されていることが好ましい。
【0058】
図9に示すように、仕切り板90のZ方向の長さは、各カートリッジホルダ19が容器ホルダ20に取り付けられたときに、仕切り板90の先端部が容器ホルダ20の上面20eに当接する長さに調整されている。仕切り板90と容器ホルダ20の上面20eとの間に隙間が無くなる。その結果、ミストが隣接する容器3,4に混入する可能性がより低くなる。カートリッジホルダ19を第1取付位置に取り付けた場合には、各仕切り板90により互いに隣接する廃液容器3の間が仕切られる。また、カートリッジホルダ19を第2取付位置に取り付けた場合には、各仕切り板90により互いに隣接する回収容器4の間が仕切られる。その結果、コンタミネーションの発生を防止することができる。
【0059】
また、各カートリッジ2内に加圧エアを供給すると、カートリッジホルダ19が容器ホルダ20に向けて加圧される。この際に、カートリッジホルダ19は、その両端部の支持脚25を介して容器ホルダ20に取り付けられている。このため、従来ではカートリッジホルダ19が容器ホルダ20に向けて加圧されると、カートリッジホルダ19が凹円弧状に撓んでしまうおそれがあった。これに対して、本実施形態では、カートリッジホルダ19の下面19dに設けられた各仕切り板90が容器ホルダ20の上面20eに当接するため、カートリッジホルダ19の撓みを防止することができる。
【0060】
図4に示すように、本実施形態では回収液Rの収容に用いられる回収容器4には、湾曲自在な連結部材4cを介してキャップ4bが連結されている。上述したように、回収容器4は,キャップ4bを取り外した状態で回収容器保持孔20bに挿入される。このため、何らかの原因で回収容器4が回収容器保持孔20b内で回転されると、そのキャップ4bが隣接する回収容器4の開口を覆ってしまうおそれがある。このため、従来では回転容器4が回転していた場合に、ユーザが回転容器4を正しい位置にセットし直す必要があり、作業に手間が掛かっていた。
【0061】
そこで、本実施形態では、容器ホルダ18の上面後部に回転防止壁92を複数設けることにより、キャップ4b付きの回収容器4の回転を防止する。回転防止壁92は、回収容器保持孔20bに保持されている個々の回収容器4の連結部材4cを間に挟むように、Y軸方向に並べて形成されている。これら回転防止壁92は、容器ホルダ20と一体に形成される。これにより、回転防止壁92の間には、本発明の保持部に相当する保持溝92aが形成される。
【0062】
回収容器保持孔20bに回収容器4を挿入する際には、回収容器4の連結部材4cを保持溝92aに挿入するだけでよく、ユーザにはほとんど負担が掛からない。また、ユーザが回収容器4を正しい位置にセットし易くなるので、回収容器4の位置精度が向上する。回収容器保持孔20bに挿入された回収容器4は、その連結部材4cが保持溝92aにより保持されることで回転が防止される。
【0063】
この際に、回収容器4の容器本体4aとキャップ4bとは湾曲自在な連結部材4cによって連結されている。このため、連結部材4cの弾性力等の原因でキャップ4bが持ち上がってしまう場合ある(図10参照)。この場合には、カートリッジホルダ19を第2取付位置に取り付ける際に、カートリッジホルダ19と容器ホルダ20との間にキャップ4bが挟まって、カートリッジホルダ19の取り付け作業を妨害するおそれがある。また、キャップ4bが持ち上がると、保持溝92aから連結部材4cが外れて、上述したように回収容器4が回転してしまうおそれがある。
【0064】
そこで、図4、図10、図11に示すように、回収容器4のキャップ4bの押さえ付けるキャップ押さえ板94をカートリッジホルダ19に設ける。キャップ押さえ板94は、本発明のキャップ押え部材に相当するものであり、Z軸方向に沿う断面が略L字形状に形成されている。なお、キャップ押さえ板94をカートリッジホルダ19と一体形成してもよい。
【0065】
キャップ押さえ板94は、カートリッジホルダ19を容器ホルダ20の第2取付位置に取り付けるときに、全ての回収容器4のキャップ4cを押さる。このため、本実施形態のキャップ押さえ板94は、Y軸方向の長さがカートリッジホルダ19のY軸方向の長さとほぼ同じに形成されている。また、キャップ押さえ板94は、カートリッジホルダ19を容器ホルダ20の第1取付位置に取り付けた際に、回収容器4の開口に接触しないようにZ軸方向の長さが調整されている。
【0066】
カートリッジホルダ19を第2取付位置に取り付ける際に、回収容器4のキャップ4bが持ち上がっていた場合には、キャップ押さえ板94がキャップ4bに接触して、このキャップ4bをZ軸マイナス方向に押さえる。これにより、カートリッジホルダ19と容器ホルダ20との間にキャップ4bが挟まれることが防止される。また、また、キャップ押さえ板94によりキャップ4bの持ち上がりが防止されるので、保持溝92aから連結部材4cが外れるおそれもない(図11参照)。つまり、回収容器4の回転を防止することができる。
【0067】
次に本実施形態の作用について説明を行う。ユーザは、カートリッジホルダ19のカートリッジ保持孔19aの溝19bにカートリッジ2の突部2dを係合させて、カートリッジ2を各カートリッジ保持孔19aに挿入する。また、ユーザは、容器ホルダ20の廃液容器保持孔20aに廃液容器3を挿入するとともに、回収容器保持孔20bに回収容器4を挿入する。なお、回収容器4挿入時には、回収容器4の連結部材4cを保持溝92aに合せて挿入するだけで、回収容器4を正しい位置にセットすることができる。これにより、回収容器4の回転を防止することができるので回収容器4のキャップ4bが隣接する容器4の開口を覆ってしまうおそれがなくなる。その結果、従来のようにユーザが回転容器4を正しい位置にセットし直す必要が無くなるので、操作性が向上する。また、回転容器4の位置精度が向上する。
【0068】
カートリッジ2、廃液容器3、及び回収容器4の挿入が完了したら、ユーザはカートリッジホルダ19を容器ホルダ20の第1取付位置に取り付ける。この際に、本実施形態ではカートリッジホルダ19の支持脚25の一方に突部25aを設けるとともに、容器ホルダ20載置溝28,29に溝28a,29aを形成するようにしたので、カートリッジホルダ19が容器ホルダ20に誤った向きで取り付けられることが防止される。次いで、ユーザは、各カートリッジ2にピペット等を用いて核酸を含んだ試料液Sを手動で注入する。次いで、ユーザは、ラック18を載置トレイ12上に載置した後、このラック18をX軸マイナス方向にスライド移動させる。そして、カートリッジホルダ19(キャップ押さえ板94)が突き当てブロック26に突き当たるところでラック18を停止させることにより、加圧装置10にラック18がセットされる(図2参照)。
【0069】
ラック18がセットされたら、ユーザは、把持部65を操作し、退避位置にある加圧ヘッド16をエア供給位置に変位させる。エアノズル15A〜15Hがそれぞれ対応するカートリッジ2の注入口2eに所定圧力で接触されて、カートリッジ2が気密に塞がれる。次いで、ユーザは加圧装置10の図示しない操作部を操作し、各エア供給ユニット(図示せず)を駆動して、エアノズル15A〜15Hから各カートリッジ2の注入口2eに加圧エアを供給する。これにより、加圧された試料液Sがカートリッジ2内のフィルタ2aを通過し、試料液S中の核酸がフィルタ2aに付着される。フィルタ2aを通過した試料液S(排出液)は、廃液容器3に排出される。
【0070】
この際に、本実施形態では、互いに隣接する廃液容器3の間をカートリッジホルダ19の下面19dに設けられた仕切り板90で仕切ることで、試料液Sをカートリッジ2の吐出口2fから吐出させる際に発生するミストが隣接する廃液容器3に混入することが防止される。つまり、コンタミネーションの発生を防止することができる。また、本実施形態では、仕切り板90の先端部を容器ホルダ20の上面20eに接触させることで、各カートリッジ2内に加圧エアが供給されてカートリッジホルダ19が容器ホルダ20に向けて加圧されてもカートリッジホルダ19が撓むことが防止される。
【0071】
ユーザは、全てのカートリッジ2から試料液Sが排出されたことを確認したら、加圧装置10の操作部(図示せず)を操作してエア供給ユニット(図示せず)の駆動を停止させた後、把持部65を操作して加圧ヘッド16を退避位置に変位させる。次いで、ユーザは、加圧装置10からラック18を取り出して各カートリッジ2に洗浄液Wを注入した後、このラック18を加圧装置10に再セットする。試料液Sに対する加圧処理と同様に、洗浄液Wが加圧処理される。これにより、加圧された試料液Sがカートリッジ2内のフィルタ2aを通過し、フィルタ2aに付着した核酸以外の不純物を洗い流す。フィルタ2aを通過した洗浄液W(排出液)は、廃液容器3に排出される。この際も互いに隣接する廃液容器3の間が仕切り板90により仕切られるので、同様にコンタミネーションの発生を防止することができる。
【0072】
この洗浄処理は3回繰り返される。この際に、ユーザは、容器ホルダ20の前面に形成されたスリット20cを通して廃液容器3内の液量を確認することができる。これにより、廃液容器3から液があふれることが防止される。また、ユーザは、廃液容器3内の液量と目盛り20dとを確認することで洗浄回数を確認することもできる。
【0073】
ユーザは、3回目の洗浄処理が終了して全てのカートリッジ2から洗浄液Wが排出されたことを確認したら、加圧装置10からラック18を取り出す。そして、ユーザは、カートリッジホルダ19を容器ホルダ20の第2取付位置に取り付ける。この取り付けの際に、回収容器4のキャップ4bが持ち上がっていた場合には、キャップ押さえ板94がキャップ4bに接触して、このキャップ4bをZ軸マイナス方向に押さえ付ける。これにより、カートリッジホルダ19と容器ホルダ20との間にキャップ4bが挟まれることが防止される。また、カートリッジホルダ19取り付け後には、キャップ4bの持ち上がりが防止されるので、保持溝92aから連結部材4cが外れるおそれもない(図11参照)。つまり、回収容器4の回転を防止することができる。カートリッジホルダ19の取り付けが完了したら、ラック18を加圧装置10にセットする。
【0074】
ラック18のセットが完了したら、試料液S及び洗浄液Wに対する加圧処理と同様に、回収液Rが加圧処理される。これにより、加圧された回収液Rがカートリッジ2内のフィルタ2aを通過し、フィルタ2aと核酸の結合力を弱め、吸着されている核酸を離脱させる。そして、カートリッジ2から核酸を含む回収液R(排出液)が排出されて、回収容器4に回収される。
【0075】
この際も、互いに隣接する回収容器4の間がカートリッジホルダ19の下面19dに設けられた仕切り板90により仕切られるので、回収液Rをカートリッジ2の吐出口2fから吐出させる際に発生するミストが隣接する回収容器4に混入することが防止される。その結果、コンタミネーションの発生を防止することができる。
【0076】
ユーザは、全てのカートリッジ2から試料液Sが排出されたことを確認したら、加圧装置10からラック18を取り出す。そして、ユーザは、容器ホルダ20からカートリッジホルダ19を取り外した後、容器ホルダ20から廃液容器3及び回収容器4を取り外す。また、カートリッジホルダ19のボタン22を押圧して、カートリッジホルダ19から全てのカートリッジ2を落下させる。
【0077】
この際に、本実施形態では、カートリッジ保持孔19aの溝19bに傾斜ガイド部28a及び移動規制部28b(図6参照)を設けたので、ユーザが誤ってカートリッジ2をZ軸プラス方向(上方向)に抜いてしまうことが防止される。また、加圧ヘッド16をエア供給位置から退避位置に変位させる時に、エアノズル15A〜15Hとの密着によりカートリッジ2が抜けてしまうことも防止できる。これにより、カートリッジ2の吐出部2cがカートリッジ保持孔19aに接触して、試料液S、洗浄液W、及び回収液Rがカートリッジ保持孔19a等に付着することが防止される。そして、他の試料液Sを用いて核酸抽出を行う場合には上述の処理を繰り返して行えばよい。
【0078】
なお、上記実施形態では、回収容器4を容器ホルダ20の回収容器保持孔20bに直接挿入するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。回収容器保持孔20bの径よりも小さい径のカートリッジ98を回収容器保持孔20bに挿入する場合には、例えば図12に示すように、回収容器保持孔20bに筒状のアダプタ100を挿入する。そして、このアダプタ100にカートリッジ98を挿入すればよい。
【0079】
また、上記実施形態では、カートリッジホルダ19の下面19dに仕切り板90を設けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、容器ホルダ20の上面20eに仕切り板を設けて、隣接する廃液容器3の間、及び隣接する回収容器4の間を仕切るようにしてもよい。さらに、この場合には、隣接する回収容器4の間、及び隣接する廃液容器3と回収容器4との間を仕切り板で仕切るようにしてもよい。
【0080】
なお、上記実施形態では、カートリッジホルダ19の下面19dに仕切り板90を設けて、カートリッジホルダ19が第1取付位置にあるときは隣接する廃液容器3の間を仕切りつつ、カートリッジホルダ19が第2取付位置にあるときは隣接する回収容器3の間を仕切るようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カートリッジホルダ19が第1取付位置にあるときに、隣接する廃液容器3と回収容器4との間も仕切ることができるように仕切り板の形状を変えるか、或いは新たな仕切り板を設けてもよい。この場合には、回収容器4の連結部材4cを逃がす切り欠き等を仕切り板に形成すればよい。これにより、試料液S及び洗浄液Wをカートリッジ2の吐出口2fから吐出させる際に発生するミストが、隣接する回収容器4内に混入することを防止できる。
【0081】
さらに、カートリッジホルダ19が第1取付位置にあるときは、個々の廃液容器3を囲いつつ、カートリッジホルダ19が第2取付位置にあるときは、個々の回収容器4を囲うように仕切り板の形状を変えても良い。この場合も同様に回収容器4の連結部材4cを逃がす切り欠き等を仕切り板に形成する。
【0082】
なお、上記実施形態では、回収容器4の連結部材4cを保持溝92aに挿入することで、回転容器4(キャップ4b)の回転を防止しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、保持溝92aの代わりにキャップ4bを挿入可能な保持溝を形成してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、ユーザがカートリッジホルダ19を容器ホルダ20の第1取付位置と第2取付位置とに取り付けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カートリッジホルダ及び容器ホルダを、個々のカートリッジ2の吐出口を対応する廃液容器3内に位置させた第1の形態と、各吐出口を対応する回収容器4内に位置させた第2の形態とに切替可能な各種の切替機構を設けて、個々の形態に自動的に切り替えられるようにしてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、カートリッジホルダ19及び容器ホルダ20に、カートリッジ2、廃液容器3、回収容器4が1列に並べて保持されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、2列以上並べて保持されていてもよい。この場合には、カートリッジ2、廃液容器3、回収容器4の配列位置及び配列数に応じて、仕切り板90の形状を変えればよい。
【0085】
なお、上記実施形態では、カートリッジ保持孔19aの溝19b内に傾斜ガイド部28a及び移動規制部28bを設けることで、カートリッジ2がZ軸プラス方向(上方向)に抜けないようにしているが、本発明はこれに限定されるもではなく、カートリッジ2をZ軸プラス方向(上方向)に抜くことを防止できれば、各種の方法を用いてよい。また、本実施形態ではカートリッジホルダ19が容器ホルダ20に誤った向きで取り付けられることを防止するために、支持脚25の一方に突部25aを設けるとともに、容器ホルダ20載置溝28,29に溝28a,29aを形成するようにしているが、各種の方法を用いて誤取取り付けを防止するようにしてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、回収容器4の容器本体4aとキャップ4bとが湾曲自在な連結部材4cを介して連結されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結部材としてヒンジを用いてもよい。また、上記実施形態では、キャップ4b付きの回収容器4が用いられているが、キャップなしの回収容器を用いても良い。キャップなしの回収容器しか用いられない場合には、回転防止壁92、キャップ押さえ板94等を設ける必要がなくなるので、ラックの製造コストを低く抑えることができる。
【0087】
なお、上記実施形態では、ラック18の容器ホルダ20にスリット20cを設けることにより、廃液容器3内の液量を確認できるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、加圧装置10にセットされたラック18の後面側に光源を配置し、この光源より容器ホルダ20及び廃液容器3に照明を当ててもよい。この場合には、容器ホルダ20及び廃液容器3を透明な樹脂で形成する。
【0088】
また、上記実施形態では、洗浄液Wによる洗浄処理を施しているが、フィルタ2aの透過能力によっては必ずしも必要とされるものではない。また、上記実施形態では、回収液Rを用いて回収動作を行っているが、例えば、フィルタ2aに核酸等の特定物質を吸着させたまま分析を行う場合には、回収液Rによりフィルタ2aに付着した核酸を分離して回収する必要はない。
【0089】
なお、上記実施形態では、核酸を抽出するために用いる加圧装置10にセットされるラックを例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の特定物質の抽出に用いられる抽出カートリッジの加圧装置にセットされるラックに本発明を適用することができる。
【0090】
また、上記実施形態では、容器ホルダ20の前面にスリット20cを形成することで排液容器3内の液量を確認できるようにしている一方で、カートリッジ2内の液量は確認できないようになっている。このため、例えば図13に示すように、カートリッジ2の前面にカートリッジ2の挿入方向に延び、且つカートリッジ保持孔19aまで貫通する穴19e(第2窓部)を形成してもよい。この場合に、穴19eがカートリッジ保持孔19aの溝19bの部分に形成されると、カートリッジ2の突部2dを係止プレート26(図5参照)により保持できなくなってしまう。このため、穴19eは互いに隣接するカートリッジ保持孔19aの間に形成することが好ましい。穴19eを通してカートリッジ2を目視することができるので、カートリッジ2が収容している液の液量を確認することができる。
【0091】
なお、上述の図13を用いて説明した実施形態では、穴19eを形成することでカートリッジ2内の液量の確認を行えるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。上述したように実施形態のカートリッジホルダ19は、全てのカートリッジ保持孔19aの中心軸線Cを含む面で2分割された2分割構造を有している(図14参照)。具体的には、カートリッジホルダ19は、前面側分割体19fと後面側分割体19gとから構成されている(図14参照)。
【0092】
そこで、図14に示すように、前面側分割体19fを例えば透明樹脂材料で形成することにより、前面側分割体19fを透明に形成することができる。これにより、上述の穴19e(図13参照)を形成しなくともカートリッジ2内の液量の確認が可能となる。この際に、後面側分割体19gを有色の樹脂材料で形成することで、カートリッジ2内に注入された試料液S、洗浄液W、回収液Rが透明であっても、これらの液量の確認をより容易に行うことができる。また、カートリッジ2を有色の樹脂材料で形成する代わりに、後面側分割体19gの前面側分割体19fと対面する面に色を付けてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、カートリッジホルダ19に保持されているカートリッジ2に試料液S等を注入しているが、この際にカートリッジホルダ19及びカートリッジ2が共に透明又は半透明樹脂材料形成されて同じ色であると、カートリッジ2の注入口2e(図3参照)を探すのが面倒になってしまう。このため、図15に示すように、カートリッジホルダ19の上面19h(図中の網かけ線で表示)に、カートリッジ2とは異なる色を付ける。これにより、特に上述の図14で説明したようなカートリッジホルダ19の前面側分割体19fが透明に形成されている場合でも、液注入時にカートリッジ2の注入口2eを探す手間を省くことができる。また、上面19hに色を付ける代わりに、カートリッジ保持孔19aのみを露呈させるようなマスクシート等を上面19hに貼り付けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】核酸抽出動作を示す説明図である。
【図2】加圧装置及びラックの外観斜視図である。
【図3】抽出カートリッジの外観斜視図である。
【図4】ラックの分解斜視図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図5の傾斜ガイド部及び移動規制部を拡大した拡大図である。
【図7】容器ホルダに形成されたスリットの正面図である。
【図8】ラックの正面図であり、カートリッジホルダが容器ホルダに取り付けられる前の状態を示した図である。
【図9】ラックの正面図であり、カートリッジホルダが容器ホルダに取り付けられた後の状態を示した図である。
【図10】図4のX−X線に沿う断面図であり、カートリッジホルダが容器ホルダに取り付けられる前の状態を示した図である。
【図11】カートリッジホルダが容器ホルダに取り付けられた後の状態を示した図である。
【図12】回収容器がアダプタを介して容器保持孔に保持されている状態を示した他の実施形態の斜視図である。
【図13】抽出カートリッジ内の液量確認用の穴が形成された他の実施形態のカートリッジホルダの概略図である。
【図14】前面側分割体が透明樹脂材料で形成されている他の実施形態のカートリッジホルダの概略図である。
【図15】上面がカートリッジとは異なる色に形成されている他の実施形態のカートリッジホルダの概略図である。
【符号の説明】
【0095】
2 カートリッジ
2a フィルタ
2e 注入口
2d 突部
2f 吐出口
3 廃液容器
4 回収容器
4c キャップ
4d 連結部材
10 加圧装置
18 ラック
19 カートリッジホルダ
19a カートリッジ保持孔
19b 溝
20 容器ホルダ
20a 廃液容器保持孔
20b 回収容器保持孔
20d 目盛り
25a 突部
28a 傾斜ガイド部
28b 移動規制部
29a,30b 溝
90 仕切り板
92 回転防止壁
92a 保持溝
94 キャップ押さえ板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定物質が含まれる液が注入された抽出カートリッジの注入口に加圧エアを供給して前記液を加圧し、フィルタ部材に前記液中の前記特定物質を付着させる抽出カートリッジの加圧装置にセットされ、複数の前記抽出カートリッジと、個々の前記抽出カートリッジの排出口より排出される排出液を収容する複数の容器とを保持するラックにおいて、
互いに隣接する前記容器の間を仕切る仕切り部材を有することを特徴とするラック。
【請求項2】
前記抽出カートリッジを列に並べて保持するカートリッジホルダと、前記容器を列に並べて保持する容器ホルダとを備え、
前記仕切り部材が、前記カートリッジホルダ及び前記容器ホルダの互いに対向する面のいずれか一方に設けられていることを特徴とする請求項1記載のラック。
【請求項3】
前記仕切り部材は、前記互いに対向する面の他方に接触することを特徴とする請求項2記載のラック。
【請求項4】
前記容器ホルダは、
前記容器が挿入される複数の容器保持孔と、
前記容器の挿入方向に延び且つ前記容器保持孔まで貫通した第1窓部とを有することを特徴とする請求項2または3記載のラック。
【請求項5】
前記容器内の前記排出液の液量を表す目盛りが形成されていることを特徴とする請求項2ないし4いずれか1項の記載のラック。
【請求項6】
前記カートリッジホルダは、前記抽出カートリッジが挿入されるカートリッジ保持孔と、前記抽出カートリッジが挿入方向と反対側に抜けることを防止する抜け止め手段とを備えることを特徴とする請求項2ないし5いずれか1項記載のラック。
【請求項7】
前記抽出カートリッジは、少なくとも筒状のカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の周面に形成される突部とを有し、
前記カートリッジ保持孔は、前記突部の通過を許容する突部通過溝を有し、前記突部通過溝は前記抽出カートリッジの挿入方向に延びており、
前記抜け止め手段は、前記突部通過溝内に形成され前記突部の挿入方向に向かうに従い次第に間隔が狭くなる傾斜ガイド部と、この傾斜ガイド部の挿入方向奥側に形成され、前記傾斜ガイド部を超えて挿入される前記突部の前記挿入方向とは反対側への移動を規制する移動規制部とを有することを特徴とする請求項6記載のラック。
【請求項8】
前記液は、核酸を含む試料液であり、
前記フィルタ部材に前記核酸が付着された後に、前記抽出カートリッジ内には、前記フィルタ部材に付着した前記核酸を分離して回収する回収液が注入されることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載のラック。
【請求項9】
前記容器は、前記抽出カートリッジから排出される前記試料液を受ける廃液容器と、前記抽出カートリッジから排出される前記回収液を収納する回収容器とを含み、
前記容器ホルダは、前記廃液容器及び前記回収容器をそれぞれ列に並べて保持し、
前記カートリッジホルダ及び前記容器ホルダは、個々の前記抽出カートリッジの排出口を対応する前記廃液容器内に位置させた第1の形態と、各排出口を対応する前記回収容器内に位置させた第2の形態とに切替可能であることを特徴とする請求項8記載のラック。
【請求項10】
前記カートリッジホルダは、個々の前記抽出カートリッジの排出口が対応する前記廃液容器内に位置する前記容器ホルダへの第1取付位置、または前記排出口が対応する前記回収容器内に位置する前記容器ホルダへの第2取付位置に選択的に取り付けられ、
前記仕切り部材は、前記カートリッジホルダの前記容器ホルダと対向する面に設けられていることを特徴とする請求項9記載のラック。
【請求項11】
前記仕切り部材は、前記カートリッジホルダが前記第1取付位置にあるときは互いに隣接する前記廃液容器間を仕切り、前記カートリッジホルダが前記第2取付位置にあるときは互いに隣接する前記回収容器間を仕切ることを特徴とする請求項10記載のラック。
【請求項12】
前記カートリッジホルダが誤った向きで前記容器ホルダに取り付けられることを防止する誤取付防止手段を備えることを特徴とする請求項2ないし11いずれか1項記載のラック。
【請求項13】
前記回収容器は、容器本体と、前記容器本体内の前記回収液を液密に保持するキャップと、前記キャップ及び前記容器本体を連結する連結部材とを有し、
前記容器ホルダは、前記キャップが開けられた状態の前記キャップまたは前記連結部材を保持する保持部を有することを特徴とする請求項9ないし12いずれか1項記載のラック。
【請求項14】
前記保持部は、前記キャップまたは前記連結部材が挿入される保持溝から構成されることを特徴とする請求項13記載のラック。
【請求項15】
前記カートリッジホルダが前記第2取付位置に取り付けられるときに、前記キャップを押えるキャップ押さえ部材を有することを特徴とする請求項14記載のラック。
【請求項16】
前記カートリッジホルダは、
前記抽出カートリッジが挿入される複数のカートリッジ保持孔と、
前記抽出カートリッジの挿入方向に延び且つ前記カートリッジ保持孔まで貫通した第2窓部とを有することを特徴とする請求項2ないし15いずれか1項記載のラック。
【請求項17】
前記カートリッジホルダは、前記抽出カートリッジが1列に並べて挿入される複数のカートリッジ保持孔を有するとともに、全ての前記カートリッジ保持孔の中心軸線を含む面で2分割された2分割構造を有しており、
前記カートリッジホルダを2分割した一対の分割体の一方が、透明に形成されていることを特徴とする請求項2ないし15いずれか1項記載のラック。
【請求項18】
前記分割体の他方が、有色に形成されていることを特徴とする請求項17記載のラック。
【請求項19】
前記カートリッジホルダの前記抽出カートリッジの注入口が開口している側の面が、前記抽出カートリッジとは異なる色に形成されていることを特徴とする請求項2ないし18いずれか1項記載のラック。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2007−252334(P2007−252334A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84107(P2006−84107)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】