説明

ラッチングリレー駆動回路

【課題】振動等に起因するラッチングリレーの誤動作を軽減するラッチングリレー駆動回路を提供する。
【解決手段】閉にすることによりラッチングリレー10が備えるセットコイル12へ通電するセットスイッチ21、及び、該セットスイッチ21の開/閉を切り替えるセット回路2を備えるラッチングリレー駆動回路。振動により発電し、発電した電力により、前記セットスイッチ21を閉にする振動発電回路5を備えることを特徴とするラッチングリレー駆動回路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラッチングリレーを駆動するラッチングリレー駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ラッチングリレーは、セットコイルに通電することにより閉になった後、セットコイルへの通電を停止した状態で磁気的ラッチ又は機械的ラッチにより閉を継続する。これにより、コイルの発熱を防止し、電力消費を低減する。
【0003】
しかしながら、ラッチングリレーを車両等の振動が多い環境で用いると、振動によりラッチが外れリレー接点が閉から開になることがあり、その場合は、再びセットコイルが通電されるまでの間、リレー接点が閉に復帰しない。
【0004】
そこで特許文献1には、リレー接点の接続状態を監視し、誤動作が発生した場合には、セットコイルに通電し、リレー接点を閉に復帰させるラッチングリレー駆動回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平1−36651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のラッチングリレー駆動回路のようにリレー接点の誤動作が発生した後にセットコイルに通電したのでは、リレーを介して電力を供給している負荷に対し、電力供給の瞬断が発生するという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、振動等に起因するラッチングリレーの誤動作を防止することができるラッチングリレー駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るラッチングリレー駆動回路は、閉にすることによりラッチングリレーが備えるセットコイルへ通電するセットスイッチ、及び、該セットスイッチの開/閉を切り替えるセット回路を備えるラッチングリレー駆動回路において、振動により発電し、発電した電力により、前記セットスイッチを閉にする振動発電回路を備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、振動が発生した場合には、セットコイルへ通電するため、振動等に起因するラッチングリレーの誤動作を防止することができる。例えば、ラッチングリレーが備えるリレー接点がa接点であり、閉をラッチしている場合は、セットコイルに通電することにより、誤動作を防止することができる。また、リレー接点がb接点であり、開をラッチしている場合は、セットコイルに通電することにより、誤動作を防止することができる。
【0010】
また、本発明に係るラッチングリレー駆動回路は、閉にすることによりラッチングリレーが備えるセットコイルへ通電するセットスイッチ、及び、該セットスイッチの開/閉を切り替えるセット回路を備えるラッチングリレー駆動回路において、前記セットコイルに並列に接続され、振動により発電し、発電した電力により、並列に接続されている前記セットコイルに通電する振動発電回路を備えることを特徴とする。
【0011】
これにより、振動が発生した場合には、セットコイルへ通電するため、振動等に起因するラッチングリレーの誤動作を防止することができる。例えば、ラッチングリレーが備えるリレー接点がa接点であり、閉をラッチしている場合は、セットコイルに通電することにより、誤動作を防止することができる。また、リレー接点がb接点であり、開をラッチしている場合は、セットコイルに通電することにより、誤動作を防止することができる。
【0012】
また、本発明に係るラッチングリレー駆動回路は、ラッチングリレーが備えるコイルへの通電/遮断と通電時の通電方向とを切り替える複数のスイッチ、及び、前記スイッチの開/閉を切り替える切替手段を備えるラッチングリレー駆動回路において、振動により発電し、発電した電力により、一方向に前記コイルを通電するように前記スイッチを閉にする振動発電回路を備えることを特徴とする。
【0013】
これにより、振動が発生した場合には、コイルを一方向に通電するため、振動等に起因するラッチングリレーの誤動作を防止することができる。例えば、ラッチングリレーが備えるリレー接点がa接点であり、閉をラッチしている場合は、リレー接点を閉にする方向にコイルに通電することにより、誤動作を防止することができる。また、リレー接点がb接点であり、開をラッチしている場合は、リレー接点を開にする方向にコイルに通電することにより、誤動作を防止することができる。
【0014】
また、本発明に係るラッチングリレー駆動回路は、ラッチングリレーが備えるコイルへの通電/遮断と通電時の通電方向とを切り替える複数のスイッチ、及び、前記スイッチの開/閉を切り替える切替手段を備えるラッチングリレー駆動回路において、前記コイルに並列に接続され、振動により発電し、発電した電力により、前記コイルを一方向に通電する振動発電回路を備えることを特徴とする。
【0015】
これにより、振動が発生した場合には、コイルへ通電するため、振動等に起因するラッチングリレーの誤動作を防止することができる。例えば、ラッチングリレーが備えるリレー接点がa接点であり、閉をラッチしている場合は、リレー接点を閉にする方向にコイルに通電することにより、誤動作を防止することができる。また、リレー接点がb接点であり、開をラッチしている場合は、リレー接点を開にする方向にコイルに通電することにより、誤動作を防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、振動等に起因するラッチングリレーの誤動作を防止することができるラッチングリレー駆動回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るラッチングリレー駆動回路の実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るラッチングリレー駆動回路の実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るラッチングリレー駆動回路の実施の形態3の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るラッチングリレー駆動回路の実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るラッチングリレー駆動回路の実施の形態1の構成を示すブロック図である。図1の回路は、ラッチングリレー10、セットスイッチ21、リセットスイッチ31、負荷8、バッテリ9、セット回路2、リセット回路3、及び、振動発電回路5を備える。セットスイッチ21及びリセットスイッチ31は、NPN型トランジスタである。
【0020】
バッテリ9から負荷8に印加される電圧は、ラッチングリレー10により通電/遮断を切り替えられる。ラッチングリレー10は、リレー接点11、セットコイル12、及び、リセットコイル13を備える。リレー接点11は、a接点である。
【0021】
リレー接点11、セットコイル12、及び、リセットコイル13は、それぞれ一方の端子が、バッテリ9の正極端子と接続されている。リレー接点11の他方の端子は、負荷8に接続されている。セットコイル12の他方の端子は、セットスイッチ21のコレクタに接続され、セットスイッチ21のエミッタは接地されている。リセットコイル13の他方の端子は、リセットスイッチ31のコレクタに接続され、リセットスイッチ31のエミッタは接地されている。
【0022】
セット回路2の出力端子は、セットスイッチ21のベースに接続されている。リセット回路3の出力端子は、リセットスイッチ31のベースに接続されている。振動発電回路5の出力端子は、セットスイッチ21のベースに接続している。
【0023】
振動発電回路5は、例えば、振動により変形又は移動する振動面、及び、圧電素子を備える。圧電素子は、振動面の変形又は移動により生じる圧力を電力に変換して出力する。振動発電回路5は、また例えば、エレクトレット発電方式による発電回路である。エレクトレット発電方式による発電回路は、静止時には、静電誘導により、エレクトレット電極基板と対向したメタル電極基板との間で電気を蓄えている。振動により片側の電極が移動することで、起電力を生じる。エレクトレット発電方式により、低周波振動でも起電力を発生することができる。
【0024】
セット回路2及びリセット回路3には、リレー動作信号が入力される。リレー動作信号は、ラッチングリレー10を開又は閉にするための指示信号である。セット回路2は、入力されるリレー動作信号に基づいて、セットスイッチ21のベースにHレベルの電圧を印加することによりセットスイッチ21を閉にし、セットスイッチ21のベースへの印加電圧をLレベルにすることによりセットスイッチ21を開にする。
【0025】
リセット回路3は、入力されるリレー動作信号に基づいて、リセットスイッチ31のベースにHレベルの電圧を印加することによりリセットスイッチ31を閉にし、リセットスイッチ31のベースへの印加電圧をLレベルにすることによりリセットスイッチ31を開にする。
【0026】
セットスイッチ21を開から閉にすると、セットコイル12にバッテリ9から電流が流れる。これにより、磁界が発生し、リレー接点11が開の場合は、閉に切り替わり、以後、セットスイッチ21が開になった後も、リレー接点11はラッチされ閉を継続する。
【0027】
続いて、リセットスイッチ31が開から閉になると、リセットコイル13にバッテリ9から電流が流れる。これにより、磁界が発生し、閉にラッチされているリレー接点11が、開に切り替わる。以後、リセットスイッチ31が開になった後も、リレー接点11は開を継続する。
【0028】
リレー接点11が閉のときに、振動が発生すると、振動発電回路5が発電し、セットスイッチ21のベースにHレベルの電圧を印加する。これにより、セットスイッチ21が閉になり、セットコイル12にバッテリ9から電流が流れる。セットコイル12への通電により発生する磁力は、振動によるリレー接点11のラッチを外して開にする力を相殺し、負荷8への電力供給の瞬断を防止することができる。
【0029】
なお、上記実施の形態では、リレー接点11が閉の状態から開の状態に誤動作することの防止について説明したが、振動発電回路5をリセットスイッチ31のベースに接続することにより、リレー接点11が開の状態から閉の状態に誤動作することを防止することも可能である。
【0030】
また、本実施の形態では、リレー接点11がa接点の場合の誤動作を防止することについて説明したが、リレー接点11がb接点の場合の誤動作の防止も可能である。セットコイル12への通電により発生する磁力は、振動によるリレー接点11のラッチを外して閉にする力を相殺し、負荷8への電力供給を防止することができる。
【0031】
(実施の形態2)
図2は、本発明に係るラッチングリレー駆動回路の実施の形態2の構成を示すブロック図である。図2の回路は、ラッチングリレー10、セットスイッチ21、リセットスイッチ31、負荷8、バッテリ9、セット回路2、リセット回路3、及び、振動発電回路5aを備える。セットスイッチ21及びリセットスイッチ31は、NPN型トランジスタである。
【0032】
バッテリ9から負荷8に印加される電圧は、ラッチングリレー10により通電/遮断を切り替えられる。ラッチングリレー10は、リレー接点11、セットコイル12、及び、リセットコイル13を備える。リレー接点11は、a接点である。
【0033】
ラッチングリレー10、セットスイッチ21、リセットスイッチ31、負荷8、バッテリ9、セット回路2、リセット回路3の接続、及び、動作は、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。振動発電回路5aの機能は、実施の形態1と同様であるが、リレー接点11を閉にする磁力を発生するための電流をセットコイル12に通流するために必要な起電力を有する。例えば、本実施の形態における振動発電回路5aは、振動発電回路5よりも発電素子の振動面の面積が大きい。
【0034】
振動発電回路5aは、セットコイル12と並列に接続している。リレー接点11が閉のときに、振動が発生すると、振動発電回路5aが発電し、リレー接点11を閉にするときと同じ方向にセットコイル12に電流を通流させる。セットコイル12への通電により発生する磁力は、振動によるリレー接点11のラッチを外して開にする力を相殺し、負荷8への電力供給の瞬断を防止することができる。
【0035】
なお、上記実施の形態では、リレー接点11が閉の状態から開の状態に誤動作することの防止について説明したが、振動発電回路5aをリセットコイル13と並列に接続することにより、リレー接点11が開の状態から閉の状態に誤動作することを防止することも可能である。
【0036】
また、本実施の形態では、リレー接点11がa接点の場合の誤動作を防止することについて説明したが、リレー接点11がb接点の場合の誤動作の防止も可能である。セットコイル12への通電により発生する磁力は、振動によるリレー接点11のラッチを外して閉にする力を相殺し、負荷8への電力供給を防止することができる。
【0037】
(実施の形態3)
図3は、本発明に係るラッチングリレー駆動回路の実施の形態3の構成を示すブロック図である。図3の回路は、ラッチングリレー10a、セットスイッチ21a、セットスイッチ21b、リセットスイッチ31a、リセットスイッチ31b、負荷8、バッテリ9、セット回路2a、リセット回路3a、及び、振動発電回路5を備える。セットスイッチ21a、セットスイッチ21b、リセットスイッチ31a、及び、リセットスイッチ31bは、NPN型トランジスタである。
【0038】
バッテリ9から負荷8へ印加される電圧は、ラッチングリレー10aにより通電/遮断を切り替えられる。ラッチングリレー10aは、リレー接点11、及び、コイル14を備える。リレー接点11は、a接点である。
【0039】
リレー接点11は、一方の端子が、バッテリ9の正極端子と接続されている。リレー接点11の他方の端子は、負荷8に接続されている。コイル14の一方の端子は、セットスイッチ21aのエミッタに接続され、セットスイッチ21aのコレクタは、バッテリ9の正極端子と接続されている。コイル14の他方の端子は、セットスイッチ21bのコレクタに接続され、セットスイッチ21bのエミッタは接地されている。
【0040】
リセットスイッチ31aは、コレクタがバッテリ9の正極端子に接続され、エミッタはコイル14の他方の端子及びセットスイッチ21bのコレクタに接続されている。
【0041】
リセットスイッチ31bは、コレクタがセットスイッチ21aのエミッタ及びコイル14の一方の端子に接続され、エミッタが接地されている。
【0042】
セット回路2aの出力端子は、セットスイッチ21aのベース及びセットスイッチ21bのベースに接続されている。リセット回路3aの出力端子は、リセットスイッチ31aのベース及びリセットスイッチ31bのベースに接続されている。振動発電回路5の出力端子は、セットスイッチ21aのベース及びセットスイッチ21bのベースに接続されている。
【0043】
セット回路2a及びリセット回路3aには、リレー動作信号が入力される。リレー動作信号は、ラッチングリレー10aを閉又は開にするための指示信号である。セット回路2aは、入力されるリレー動作信号に基づいて、セットスイッチ21aのベース及びセットスイッチ21bのベースにHレベルの電圧を印加することによりセットスイッチ21a及びセットスイッチ21bを閉にする。セット回路2aは、入力されるリレー動作信号に基づいて、セットスイッチ21aのベース及びセットスイッチ21bのベースへの印加電圧をLレベルにすることによりセットスイッチ21a及びセットスイッチ21bを開にする。
【0044】
リセット回路3aは、入力されるリレー動作信号に基づいて、リセットスイッチ31aのベース及びリセットスイッチ31bのベースにHレベルの電圧を印加することによりリセットスイッチ31a及びリセットスイッチ31bを閉にする。リセット回路3aは、入力されるリレー動作信号に基づいて、リセットスイッチ31aのベース及びリセットスイッチ31bのベースへの印加電圧をLレベルにすることによりリセットスイッチ31a及びリセットスイッチ31bを開にする。
【0045】
セットスイッチ21a及びセットスイッチ21bが閉の場合は、コイル14にバッテリ9からの電流がセットスイッチ21aからセットスイッチ21bの方向(以下、「第1の方向」という。)に流れる。これにより、磁界が発生し、リレー接点11が開の場合は、閉に切り替わる。リレー接点11が閉の場合は、閉のままである。この状態で、セットスイッチ21a及びセットスイッチ21bが開になった後も、リレー接点11はラッチされ閉を継続する。
【0046】
リセットスイッチ31a及びリセットスイッチ31bが閉になると、コイル14にバッテリ9からの電流がリセットスイッチ31aからリセットスイッチ31bの方向に流れる。この通電方向は、第1の方向と逆方向(以下、「第2の方向」という。)である。これにより、2つのセットスイッチ21a,21bが閉の場合と逆方向の磁界が発生し、リレー接点11が閉の場合は、ラッチが外れ開に切り替わる。リレー接点11が開の場合は、開のままである。この状態で、リセットスイッチ31a及びリセットスイッチ31bが開になった後も、リレー接点11は開を継続する。
【0047】
振動発電回路5の機能は、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0048】
リレー接点11が閉のときに、振動が発生すると、振動発電回路5が発電し、セットスイッチ21aのベース及びセットスイッチ21bにHレベルの電圧を印加する。これにより、セットスイッチ21a及びセットスイッチ21bが閉になり、コイル14にバッテリ9から第1の方向に電流が流れる。コイル14の第1の方向の通電により発生する磁力は、振動によるリレー接点11のラッチを外して開にする力を相殺し、負荷8への電力供給の瞬断を防止することができる。
【0049】
なお、上記実施の形態では、リレー接点11が閉の状態から開の状態に誤動作することの防止について説明したが、振動発電回路5をリセットスイッチ31a及びリセットスイッチ31bのベースに接続することにより、リレー接点11が開の状態から閉の状態に誤動作することを防止することも可能である。
【0050】
また、本実施の形態では、リレー接点11がa接点の場合の誤動作を防止することについて説明したが、リレー接点11がb接点の場合の誤動作の防止も可能である。コイル14の第2の方向の通電により発生する磁力は、振動によりリレー接点11のラッチを外して閉にする力を相殺し、負荷8への電力供給を防止することができる。
【0051】
(実施の形態4)
図4は、本発明に係るラッチングリレー駆動回路の実施の形態4の構成を示すブロック図である。図4の回路は、ラッチングリレー10a、セットスイッチ21a、セットスイッチ21b、リセットスイッチ31a、リセットスイッチ31b、負荷8、バッテリ9、セット回路2a、リセット回路3a、及び、振動発電回路5aを備える。セットスイッチ21a、セットスイッチ21b、リセットスイッチ31a、及び、リセットスイッチ31bは、NPN型トランジスタである。
【0052】
ラッチングリレー10a、セットスイッチ21a、セットスイッチ21b、リセットスイッチ31a、リセットスイッチ31b、負荷8、バッテリ9、セット回路2a、リセット回路3aの接続、及び、動作は、実施の形態3と同様であるので、ここでは説明を省略する。振動発電回路5aの機能は、実施の形態2と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0053】
振動発電回路5aは、コイル14と並列に、正極がコイル14の一方の端子に接続し、負極がコイル14の他方の端子に接続している。リレー接点11が閉のときに、振動が発生すると、振動発電回路5aが発電し、コイル14に第1の方向(実施の形態3参照。)に電流を通流させる。コイル14への通電により発生する磁力は、振動によるリレー接点11のラッチを外して開にする力を相殺し、負荷8への電力供給の瞬断を防止することができる。
【0054】
なお、上記実施の形態では、リレー接点11が閉の状態から開の状態に誤動作することの防止について説明したが、コイル14が第2の方向(実施の形態3参照。)に通電するように、振動発電回路5aの正極と負極とを上記例と逆にコイル14と並列に接続することにより、リレー接点11が開の状態から閉の状態に誤動作することを防止することも可能である。
【0055】
また、本実施の形態では、リレー接点11がa接点の場合の誤動作を防止することについて説明したが、リレー接点11がb接点の場合の誤動作の防止も可能である。コイル14の第2の方向の通電により発生する磁力は、振動によりリレー接点11のラッチを外して閉にする力を相殺し、負荷8への電力供給を防止することができる。
【0056】
以上、発明を実施するための形態について説明を行ったが、本発明は、この発明を実施するための形態で述べた実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
2、2a セット回路
3、3a リセット回路
5 振動発電回路
8 負荷
9 バッテリ
10、10a ラッチングリレー
11 リレー接点
12 セットコイル
13 リセットコイル
14 コイル
21、21a、21b セットスイッチ(スイッチ)
31、31a、31b リセットスイッチ(スイッチ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉にすることによりラッチングリレーが備えるセットコイルへ通電するセットスイッチ、及び、該セットスイッチの開/閉を切り替えるセット回路を備えるラッチングリレー駆動回路において、
振動により発電し、発電した電力により、前記セットスイッチを閉にする振動発電回路を備えることを特徴とするラッチングリレー駆動回路。
【請求項2】
閉にすることによりラッチングリレーが備えるセットコイルへ通電するセットスイッチ、及び、該セットスイッチの開/閉を切り替えるセット回路を備えるラッチングリレー駆動回路において、
前記セットコイルに並列に接続され、振動により発電し、発電した電力により、並列に接続されている前記セットコイルに通電する振動発電回路を備えることを特徴とするラッチングリレー駆動回路。
【請求項3】
ラッチングリレーが備えるコイルへの通電/遮断と通電時の通電方向とを切り替える複数のスイッチ、及び、前記スイッチの開/閉を切り替える切替手段を備えるラッチングリレー駆動回路において、
振動により発電し、発電した電力により、一方向に前記コイルを通電するように前記スイッチを閉にする振動発電回路を備えることを特徴とするラッチングリレー駆動回路。
【請求項4】
ラッチングリレーが備えるコイルへの通電/遮断と通電時の通電方向とを切り替える複数のスイッチ、及び、前記スイッチの開/閉を切り替える切替手段を備えるラッチングリレー駆動回路において、
前記コイルに並列に接続され、振動により発電し、発電した電力により、前記コイルを一方向に通電する振動発電回路を備えることを特徴とするラッチングリレー駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−62132(P2013−62132A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199626(P2011−199626)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】