説明

ラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法及びラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置

【課題】 実際の流動間隙に対応した表面積を評価して岩石内部の間隙表面積(S)を測定する。
【解決手段】 全間隙量導出手段12により岩石試料1の全間隙量(P)を求め、循環水に含まれるラドン量をラドン量測定手段11で測定することにより岩石試料1の全間隙量(P)から放出されたラドン量(Rnp)とし、表面積導出手段13により、ラドン量(Rnp)を、岩石の個体別の単位面積当たりに放出される単位ラドン量(ラドンフラックス:RnF)で除すことで、全間隙量の表面積(間隙表面積:S)を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラドンを用いて岩石内部の間隙表面積を測定するラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法及びラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性廃棄物を地中に隔離処理する場合、地盤の岩石の表面積(間隙表面積)が大きいほど放射性核種が付着しやすく、放射性核種の生活環境への影響をなくすことができる。また、二酸化炭素(CO)を地中貯留する場合、COが溶けた酸性水により岩石に及ぼす影響は、岩石の反応面積により左右される。このため、地盤の岩石の表面積(間隙表面積)を把握することは、放射性廃棄物の地中処分や、COの地中貯留を実施する際に、安定した処分や貯留が行えるか否かを判断する重要な評価項目となっている。
【0003】
試料を覆った水銀に圧力をかけ、水銀を試料の微細な孔に圧入し、圧力と水銀の変化量に基づいて試料の細孔分布を測定する水銀圧入法が知られている。この水銀圧入法により試料の細孔分布を測定することで、化合物粉体の細孔の状況を検証することが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。水銀圧入法により地盤の岩石の細孔の状況を検証することで、岩石の表面積(間隙表面積)を評価することができる。
【0004】
また、窒素やヘリウム等のガス分子を試料に吸着させ、試料の小さな孔にガスを吸着させて試料の細孔分布を測定するガス吸着法が知られている(PET法)。このガス吸着法を用い、粉にした岩石にガスを吸着させ、吸着したガスの量に基づいて岩石の表面積(間隙表面積)を評価することが考えられる。
【0005】
水銀圧入法により地盤の岩石の表面積(間隙表面積)を評価する場合、岩石片に水銀を圧入することになるが、水銀は球体として擬似的に孔に圧入されるため、岩石の流動間隙の全てには圧入されず、実際の流動空間に対応した表面積(間隙表面積)を評価することはできない。また、ガス吸着法を用いて岩石の表面積(間隙表面積)を評価する場合、岩石を粉にするため、岩石の流動間隙を推定する手法としてふさわしいとはいえない。
【0006】
一方、岩石中には微量のウランが含まれ、岩石からは壊変生成物としてのラドンが放出されている。ラドンは約3.8日の半減期で放射線を出して鉛に至る元素である。岩石には間隙があり、ラドンは岩石の流動間隙の表面から放出される。このため、ラドンの放出量を測定することで、岩石の流動間隙の表面積を評価することができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−289758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、ラドンを用いて岩石の流動間隙を評価することで岩石内部の間隙表面積を測定することができるラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、ラドンを用いて岩石の流動間隙を評価することで岩石内部の間隙表面積を測定することができるラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法は、全間隙量が把握された前記岩石試料に流体を循環流通させ、流体中の安定したラドン量を測定して前記全間隙量から放出されるラドン量を求め、求められた前記ラドン量を、前記岩石試料の単位面積当たりに放出される単位ラドン量で除して前記岩石試料の間隙表面積を算出することを特徴とする。
【0011】
請求項1に係る本発明では、岩石試料を循環流通させた流体に含まれるラドン量を岩石試料の全間隙量から放出されたラドンの量とし、ラドン量を、岩石の固体別の単位面積当たりに放出される単位ラドン量で除すことで、全間隙量の表面積(間隙表面積)を求めるので、岩石の流動間隙に対応した表面積(間隙表面積)を評価して岩石内部の間隙表面積を測定することができる。ラドンは約3.8日の半減期であるため、流体中の安定したラドン量を測定する際に、放出されたラドンと壊変したラドンとの放射平衡状態を得るため、流体を約1箇月循環させることが好ましい。
【0012】
岩石試料の全間隙量は、流体が流動可能な間隙の表面積に囲まれた範囲の体積であり、全間隙量の把握は、例えば、岩石試料を水に漬けて飽和状態とし、飽和状態の岩石試料の重量から乾燥状態の岩石試料の重量を減じて求められる。
【0013】
そして、請求項2に係る本発明のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法は、請求項1に記載のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法において、前記岩石試料に循環させる流体は水であることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る本発明では、流体として水を循環させるので、流体からのラドンの透過を抑制することができ、岩石の流動間隙に対応した表面積(間隙表面積)を的確に評価することができる。
【0015】
また、請求項3に係る本発明のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法は、請求項1もしくは請求項2に記載のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法において、前記岩石試料の単位面積当たりに放出される単位ラドン量は、前記岩石試料から切り出されて表面が平坦化されて総表面積が把握された単位試料を水に満たし、単位試料を満たした水に含まれるラドン量を前記総面積で除した値の量であることを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る本発明では、岩石試料固有の単位面積当たりに放出されるラドン量を簡単に求めることができる。
【0017】
上記目的を達成するための請求項4に係る本発明のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置は、全間隙量が把握された岩石試料が流体中に収容される流通容器と、前記流通容器内の流体を循環させる循環手段と、前記循環手段により循環された流体中で安定したラドン量を測定するラドン量測定手段と、前記岩石試料の単位面積当たりのラドン放出量である単位ラドン量を求めるラドンフラックス検出手段と、前記ラドン量測定手段で測定されたラドン量を前記ラドンフラックス検出手段で求められた単位ラドン量で除すことにより前記岩石試料の間隙表面積を求める表面積導出手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項4に係る本発明では、全間隙量が把握された岩石試料に循環手段により流体を流通させ、流通させた流体に含まれるラドン量をラドン量測定手段で測定し、測定されたラドン量を岩石試料の全間隙量から放出されたラドンの量とし、表面積導出手段により、ラドン量を、岩石の固体別の単位面積当たりに放出される単位ラドン量で除すことで、全間隙量の表面積(間隙表面積)を求める。このため、岩石の流動間隙に対応した表面積(間隙表面積)を評価して岩石内部の間隙表面積を測定することができる。ラドンは約3.8日の半減期であるため、流体中の安定したラドン量を測定する際に、放出されたラドンと壊変したラドンとの放射平衡状態を得るため、循環手段により流体を約1箇月間循環させることが好ましい。
【0019】
全間隙量の把握は、岩石試料の乾燥重量及び流体飽和重量に基づいて全間隙量導出手段により求められる。
【0020】
そして、請求項5に係る本発明のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置は、請求項4に記載のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置において、前記循環手段は、流体として水を流通させることを特徴とする。
【0021】
請求項5に係る本発明では、循環手段は流体として水を循環させるので、流体からのラドンの透過を抑制することができ、岩石の流動間隙に対応した表面積(間隙表面積)を的確に評価することができる。
【0022】
また、請求項6に係る本発明のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置は、請求項4もしくは請求項5に記載のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置において、前記ラドンフラックス検出手段は、前記岩石試料から切り出されて表面が平坦化されて総表面積が把握された単位試料が水に満たされて収容される気密容器と、前記気密容器から抽出された水に含まれるラドンの量を検出すると共に検出されたラドン量を前記単位試料の総表面積で除すことで単位面積当たりの単位ラドン量を求めるラドンフラックス算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項6に係る本発明では、水に満たされた気密容器に単位試料を収容して単位面当たりのラドンの放出量を求めるので、岩石試料固有の単位面積当たりに放出されるラドン量を簡単に求めることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法は、ラドンを用いて岩石の流動間隙を評価することで岩石内部の間隙表面積を測定することが可能になる。
【0025】
また、本発明のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置は、ラドンを用いて岩石の流動間隙を評価することで岩石内部の間隙表面積を測定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態例に係るラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置の全体構成図である。
【図2】ラドンフラックス検出手段の概念図である。
【図3】本発明の一実施形態例に係るラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法を説明する全体処理図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1には本発明の一実施形態例に係るラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置の全体概念構成、図2にはラドンフラックス検出手段の概念を示してある。また、図3には本発明の一実施形態例に係るラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法の処理を経時的に説明する処理フローを示してある。
【0028】
図1、図2に基づいてラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置を説明する。
【0029】
図1に示すように、岩石試料1を収容する流通容器2が備えられ、流通容器2には循環路3が接続されている。流通容器2に収容される岩石試料1は、乾燥重量(W)及び水に漬けられて間隙に水が飽和している状態の重量(飽和重量:W)が予め測定されている。循環路3には循環手段としてのポンプ(例えば、モーノポンプ)4が設けられ、ポンプ4の駆動により流通容器2内の水が循環路3を介して循環される。
【0030】
岩石試料1が収容された流通容器2内の水を循環させることにより、岩石試料1から循環水にラドンが放出され、ラドンを含有した状態の循環水となる。ラドンは約3.8日の半減期であるため、水に含まれる安定したラドン量を測定する際に、放出されたラドンと壊変したラドンとの放射平衡状態を得るため、ポンプ4により水が約1箇月の間循環される。
【0031】
流通容器2の下流側の循環路3には弁部材5を介してラドン量測定手段11が接続され、約1箇月の間循環された循環水がラドン量測定手段11に送られてラドン量が測定された後に排水される。
【0032】
岩石試料1の全隙間量(P)を算出する全間隙量導出手段12が備えられている。全間隙量導出手段12では岩石試料1の全間隙量(流体が流動可能な間隙の表面積に囲まれた範囲の体積)が導出される。全間隙量導出手段12には、予め測定された岩石試料1の乾燥重量(W)及び飽和重量(W)が入力される。全間隙量導出手段12では、飽和重量(W)から乾燥重量(W)を減じることで岩石試料1の全間隙量(P)が算出される(P=W−W)。
【0033】
尚、岩石試料1の全間隙量(P)を全間隙量導出手段12でP=W−Wにより算出する例を説明してあるが、岩石試料1の全間隙量が他の手法により予め把握されていた場合、全間隙量導出手段12を省略することも可能である。
【0034】
全間隙量導出手段12で算出された岩石試料1の全間隙量(P)は、ラドン量測定手段11に送られ、ラドン量測定手段11では全間隙量(P)に対するラドン量、即ち、約1箇月間循環されてラドン量が安定した状態の循環水に含まれるラドンの量(岩石試料1を通水した後のラドン量:Rnp)が測定される。ラドン量測定手段11で測定されたラドン量(Rnp)の情報は表面積導出手段13に送られる。
【0035】
一方、岩石試料1の単位面積当たりのラドン放出量である単位ラドン量(ラドンフラックス:RnF)を求めるラドンフラックス検出手段14が備えられ、ラドンフラックス検出手段14では、岩石試料1と同じ岩石の単位面積を通過するラドン量、即ち、岩石試料1のラドンフラックス(RnF)が求められる。
【0036】
図2に基づいてラドンフラックス検出手段14の概要を説明する。
【0037】
図に示すように、岩石試料1(図1参照)から切り出されて表面が平坦化され、表面積(S)が把握された状態の単位試料21を有している。単位試料21は水が満たされた気密容器22に収容され、所定期間(例えば、1箇月)浸漬される。気密容器22に単位試料21が所定期間浸漬されることにより、単位試料21の表面を通過する(放出される)ラドンが安定した状態で気密容器22の内部の水に含まれた状態になる。
【0038】
所定期間経過した気密容器22の内部の水は抽出され、ラドンフラックス算出手段23により浸漬水中のラドンが分析されてラドン量(RnR)が測定される。ラドンフラックス算出手段23には単位試料21の表面積(S)の情報の他、物理特性、体積等の個体情報が入力され、単位試料21の表面から放出されるラドンの量、即ち、単位試料21の表面を通過する単位ラドン量(ラドンフラックス:RnF)が算出される。つまり、浸漬水中のラドン量(RnR)を単位試料21の表面積(S)で除すことにより、ラドンフラックス(RnF)が算出される(RnF=RnR/S)。
【0039】
上述したラドンフラックス検出手段14では、水に満たされた気密容器22に単位試料21を収容して単位面積当たりのラドンの放出量を求めるので、岩石試料1固有の単位面積当たりに放出されるラドン量(ラドンフラックス:RnF)を簡単に求めることができる。
【0040】
図1に戻り、表面積導出手段13では、岩石試料1を通水した後のラドン量(Rnp)と岩石試料1のラドンフラックス(RnF)に基づいて、岩石試料1の全間隙量(P)の表面積である間隙表面積(S)が算出される。即ち、岩石試料1を通水した後のラドン量(Rnp)を岩石試料1のラドンフラックス(RnF)で除すことにより間隙表面積(S)が算出される(S=Rnp/RnF)。
【0041】
図3に基づいて上述した間隙表面積測定装置による間隙表面積測定方法を経時的に説明する。
【0042】
ステップS1で岩石試料1の乾燥重量(W)が測定され、ステップS2で岩石試料1の飽和重量(W)が測定される。測定された飽和重量(W)から乾燥重量(W)を減じてステップS3で岩石試料1の全間隙量(P)が算出され、ステップS4で通水を1箇月実施する。尚、実施例では岩石試料1に通水を実施して水にラドンを放出させるようにしているが、岩石試料1に通気を実施して気体(空気)にラドンを放出させることも可能である。
【0043】
ステップS4で通水を1箇月実施した後、ステップS5で通水後のラドン量(Rnp)が測定される。つまり、約1箇月間通水が実施されてラドン量が安定した状態の循環水に含まれるラドンの量が測定され、岩石試料1の間隙の全てから放出されるラドン量が測定される。
【0044】
一方、ステップS6では、岩石試料1と同一の岩石が直方体に整形されて単位試料21とされ、ステップS7で単位試料21の表面積(S)が測定される。ステップS8で気密容器22に単位試料21が1箇月間浸漬され、ステップS9で浸漬水中のラドンが分析されてラドン量(RnR)が測定される。ステップS9でラドン量(RnR)が測定された後、ステップS10で単位試料21の表面から放出されるラドンフラックス(RnF)が算出される。
【0045】
そして、ステップS5で測定されたラドン量(Rnp)をステップS10で算出されたラドンフラックス(RnF)で除す処理をステップS11で行い、ラドン量(Rnp)に応じた(全間隙量(P)応じた)面積、即ち、岩石試料1の全間隙表面の面積である間隙表面積(S)がステップS11で算出される。
【0046】
従って、上述したラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置及び方法は、全間隙量導出手段12により岩石試料1の全間隙量(P)を求め、ポンプ4により水を岩石試料1に循環流通させ、水に含まれるラドン量を、ラドン量測定手段11で測定することにより岩石試料1の全間隙量(P)から放出されたラドン量(Rnp)としている。そして、表面積導出手段13により、ラドン量(Rnp)を、岩石の個体別の単位面積当たりに放出される単位ラドン量(ラドンフラックス:RnF)で除すことで、全間隙量の表面積(間隙表面積:S)を求めている。
【0047】
このため、岩石に通水された水に含まれるラドン量(Rnp)に基づいて間隙表面積(S)を求めることができ、実際の流動間隙に対応した表面積を評価して岩石内部の間隙表面積(S)を測定することが可能になる。
【0048】
また、循環手段としてポンプ4により水を循環させているので、水からのラドンの透過を抑制することができ、岩石の流動間隙に対応した間隙表面積(S)を的確に評価することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、ラドンを用いて岩石の流動間隙を評価することで岩石内部の間隙表面積を測定するラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置の産業分野で利用することができる。
【0050】
また本発明は、ラドンを用いて岩石の流動間隙を評価することで岩石内部の間隙表面積を測定するラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 岩石試料
2 流通容器
3 循環路
4 ポンプ(モーノポンプ)
5 弁部材
11 ラドン量測定手段
12 全間隙量導出手段
13 表面積導出手段
14、23 ラドンフラックス検出手段
21 単位試料
22 気密容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全間隙量が把握された岩石試料に流体を循環流通させ、
流体中の安定したラドン量を測定して前記全間隙量から放出されるラドン量を求め、
求められた前記ラドン量を、前記岩石試料の単位面積当たりに放出される単位ラドン量で除して前記岩石試料の間隙表面積を算出する
ことを特徴とするラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法において、
前記岩石試料に循環させる流体は水である
ことを特徴とするラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2に記載のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法において、
前記岩石試料の単位面積当たりに放出される単位ラドン量は、
前記岩石試料から切り出されて表面が平坦化されて総表面積が把握された単位試料を水に満たし、単位試料を満たした水に含まれるラドン量を前記総面積で除した値の量である
ことを特徴とするラドンによる岩石内部の間隙表面積測定方法。
【請求項4】
全間隙量が把握された岩石試料が流体中に収容される流通容器と、
前記流通容器内の流体を循環させる循環手段と、
前記循環手段により循環された流体中で安定したラドン量を測定するラドン量測定手段と、
前記岩石試料の単位面積当たりのラドン放出量である単位ラドン量を求めるラドンフラックス検出手段と、
前記ラドン量測定手段で測定されたラドン量を前記ラドンフラックス検出手段で求められた単位ラドン量で除すことにより前記岩石試料の間隙表面積を求める表面積導出手段とを備えた
ことを特徴とするラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置において、
前記循環手段は、流体として水を流通させる
ことを特徴とするラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置。
【請求項6】
請求項4もしくは請求項5に記載のラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置において、
前記ラドンフラックス検出手段は、
前記岩石試料から切り出されて表面が平坦化されて総表面積が把握された単位試料が水に満たされて収容される気密容器と、
前記気密容器から抽出された水に含まれるラドンの量を検出すると共に検出されたラドン量を前記単位試料の総表面積で除すことで単位面積当たりの単位ラドン量を求めるラドンフラックス算出手段とを備えた
ことを特徴とするラドンによる岩石内部の間隙表面積測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−209079(P2011−209079A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76436(P2010−76436)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)