説明

ラドンガス発生装置

【課題】湯治場の状況を見ると、立地的にも厳しく受入れの許容度も予約がいっぱいである等々の問題があり、なによりも重篤な病状への対応は不可能の状況にある現実を見て、市中の病院にこれに対応する施設の必要性は明らかである事から先づ最も重要な必要条件であるラドンガスを必要に応じて供給出来る装置を提供しようとするものである。
【解決手段】放射性を持った自然岩石を粉末化して気相との接触面積を限りなく拡大させる条件を設定しラドンガスの水溶性の条件を利用して湿度70%以上で40℃〜60℃の独立したキャビネット内に於いて前記気相をサーキュレーションする事によって必要レベルのラドンガスを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自然の温泉環境に於いて特にラジウム温泉等の気相環境に存在するラドンガスが人の健康に良い影響を与える事が発見されラジウム温泉と同じ環境を再現する目的の為のシステムである。
【背景技術】
【0002】
日本の国内に於ける温泉治療の中で、重篤な難病患者にとって必要とされ多くの人々が訪れるのは秋田県の玉川温泉と鳥取県の三朝温泉が特に有名である事が知られている。この両温泉の特徴は共に温泉の泉質がラジウム由来の高い濃度のラドンガスを伴なった気相環境である事が重要な治療効果の要因である事が解明された。したがって自然環境に近く玉川温泉や三朝温泉と同じ様な人工的な環境システム造りが社会的な要請となっている。本願考案に於いては、ラドンガスの発生メカニズムを解明してラドンガス濃度を自由に選択放出する事の出来る装置を提供するものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自然に於けるラドンガス発生のメカニズムは自然界に存在するウランやトリウムのような非常に不安定な希有元素が放射線を発しながら壊変しラジウム等に崩壊変化し、更に放射線を発しながらラドンやトロンに変化しながらポロニウム、そして最後は鉛へと形を変えて安定するとされて居る。ラドンもポロニウム等に壊変しながら放射線を放出する性質を持って居り、又ラドンは一般的に自然界の岩石の中に気体又は水溶現象で存在するものが地表にガスとして放出される。前記したプロセスによって起る放射線物質の影響によって温泉の湧出と共に折出される湯花等の堆石層は岩石状態となり前記玉川温泉に於いては北斗石と云われる放射性をもった岩石を形成する。自然の岩石層の中には数多くの類似な放射性をもった岩石が存在する。本出願装置に於いては放射性を持った自然産出の岩石を加工利用してラドンガス発生装置を製作する。
【0004】
本出願装置に於いては放射性を持った自然石を粉砕微粉末化によってマイクロ又はナノレベルの粉末にする事で放射性岩石の表面積を大きくすると同時に、対熱性のある編み目プレートに含浸結着させると共に複数のプレートを独立したキャビネットの中に積層して設置し、前記積層された編目プレートの前段には前記キャビネット内を循環する気相流を発生させる目的を持ったブロワーを組み込むと同時に前記多層に設置された編目プレートの中を循環する気相は、編目プレートに流入する前段に設置された加湿ミスト及び加温装置によって湿度70%以上又温度を40℃から60℃程度の気相条件に調整され多層の編目プレートを通過し気相流量調整用のパタフライバルブによって一部は前記キャビネット内を循環すると同時に、ラドンガスを必要とする限られた空間にはキャビネット内で発生し循環するラドンガスの一部が放出されると同時に前記ラドンガスを必要とする目的をもった限られた空間からは前記キャビネット内から放出された流量に相当する気相量がキャビネット内に導入される構造と機能を備えたキャビネット状のラドンガス発生装置。
【0005】
本発明によるラドンガス発生装置の一つの実施例を図1及び図2によって説明する。独立したキャビネット2の中には対熱性のあるガラス繊維ロープ等によってクロス状に編み込まれたメッシュ状の平板1には微粉末化した放射性自然岩石粉末パウダーが塗布含浸して固定されると共に多重層にそれぞれに空隙を取って積層した構造とし、キャビネット2内の空間をブロワー3〜4によって吹出口14を介して気相が循環起動し水中加温装置6により水8は加温されると共に蒸気を発生しながら気相を加温する。又加湿器7によってドライミストを発生させると共に気相14から15に至る空間は湿度70%以上で40℃から60℃に加湿加温された気相によって満たされる。ブロワー4によって加圧され14から吹き出る加圧気相によって上部に積層して設置された前記メッシュ状の平板1を通過して、最上部の空間16に排出される。キャビネット2内の気相は、ブロワー3〜4によって強制的に循環する構造となって居り、ブロワー3〜4の吸気口22に吸引透導され気道17を介して循環する事となる。又外気12吹出口10とは開口状態となって外気相との関系となる。気道17の流気相調整バタフライバルブ18と外気取入口11に設置したバタフライバルブ19を調整制御する事によって前記最上部空間16の気相は排気口10を介してラドンガスを必要とする目的空間へと13の状態で排出される。又キャビネット2内に不足する気相は減圧現象に伴なって外気取入口11を介して気相圧はバランスする事となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】 本発明によるラドンガス発生装置の側断面透視図
【図2】 図1の上方向からの断面透視図
【符号の説明】
【0007】
1 放射性岩石粉末をコーティングしたメッシュ状平板
2 ラドンガス発生装置を収納するキャビネット
3 ブロワー駆動動力
4 ブロワーフインケース部
5 ブロワー装置用ベース
6 水中加温装置
7 加湿器
8 水
9 仕切板
10 排気口(吹出口)
11 外気取入口
12 外気相
13 ラドンガス発生装置の出力気相
14 ブロワーからの吹出し口
15 ラドンガス発生装置の前段下部空間
16 ラドンガス供給用メッシュ通過後の上部空間
17 発生装置内の循環気相の通気路
18 通気道17の流気相調整用バタフライバルブ
19 外部気相導入調整用バタフライバルブ
20 19調整用ツマミ
21 ブロワー用入気相道
22 ブロワ吸気相位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然の放射性鉱石等から発生するラドンガスと同様に、目的をもってラドンガスを人工的に気相中へ発生させる手段として、天然の放射性鉱石等を粉砕しミクロレベルの界面構造によって気相との接触面積をかぎりなく拡大する目的の為に繊維状の対熱ロープによって構成した平面状のメッシュには、前記粉砕した放射性鉱石を含浸結着すると共に複数の前記平面状のメッシュプレートを多層に積層構造に形成し独立したキャビネット内に設置し、外部とは遮断され独立した系を形成する。同時に、前記キャビネット内に於いての気相構造は系内の気相が常に循環出来る機能と構造をそなえる事を特徴としたラドンガス発生装置。
【請求項2】
天然の放射性鉱石から発生するラドンガスは、水分子と融合する特性を利用して、ミクロ又はナノレベルの水分によるミストを第1項記載の循環する気相中に飽和循環させる事を特徴とするラドンガス発生装置。
【請求項3】
摂氏10℃から200℃に至る温度条件を気相中に於いて自由に設定出来る加温装置は、第1項記載の外部とは遮断され独立した系内の気相速度を選択可能な状態に保つ事の出来るブロワーと共に系内に設置し、前記外部とは遮断されて独立した系内から外部へ制御された量の内部の気相を連続的に放出させると共に外部の気相から、系内より放出された気相量に見合った量の気相を導入出来る構造機能をそなえた第1項第2項記載のラドンガス発生装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−15934(P2011−15934A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179990(P2009−179990)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(591192502)
【Fターム(参考)】