説明

ラビングローラおよびその製造方法

【課題】ローラ芯体に金属補強管を採用することなく、自重撓みの発生しない軽量化を達成し、高い剛性のラビングローラとなるようにしてラビング時の危険回転数を向上する。また、ラビングに伴って発生する静電気の外部への放電を容易に行うことができるとともに、金属メッキ層を形成しないようにして液晶表示素子に有害な緑青の発生を防止する。
【解決手段】表面に配設されたスイッチング素子あるいは電極を被覆するように配向膜が形成された液晶表示素子基板の前記配向膜の配向処理工程で使用するラビングローラであり、円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面に形成した導電性熱硬化性樹脂層の表面にラビング布を貼着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子の製造工程の一部である配向処理工程において使用するラビングローラおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子の基本構造は、電圧を印加することにより表面の液晶分子の配列を制御するスイッチング素子や電極が形成され、その上面に液晶分子にプレチルト角を与える配向膜を形成した2枚の液晶表示素子基板が、配向膜を介してスイッチング素子や電極が対向するように、散布されたスペーサで距離を保ってシール材で固定されている。そして、シール材と2枚の液晶表示素子基板とで囲まれた部分に液晶層が設けられ、各々の液晶表示素子基板の外面には偏光板が設けられている。このような液晶表示素子の構造において、配向膜はポリイミド系樹脂などの有機高分子膜からなり、配向膜の表面をポリアミド系の合成繊維で擦る(ラビング)などの配向処理を施すことにより、液晶分子に所定の配向を付与することができる。
【0003】
このような配向処理に使用されるラビング装置としては、図7に示すように、円柱状の金属ローラ21にラビング布22を貼り付けたラビングローラ20を矢印方向に回転させながら、液晶表示素子基板Aに形成された配向膜Bの表面を一方向にラビングすることにより、2枚の液晶表示素子基板間に設けられた液晶層の分子配列方向をラビング方向に規制しているものがある(特許文献1参照)。
【0004】
このような配向処理工程においては、液晶表示基板の全面に亘って均一な圧力で配向膜をラビングし、且つ、液晶表示素子基板の配向膜にラビング時の静電気によって塵埃やパイルなどが吸着しないように配向処理を行わなければならない。また、近年、液晶表示素子は大型化する傾向にあり、これに伴ってラビングローラも長尺化して長手方向の中央部が自重によって撓む現象が問題となっている。このような自重撓みが発生すると、液晶表示素子基板に形成された配向膜が不均一な圧力でラビングされることになり、液晶表示素子全面の表示に均一性が失われ、表示品質を損なうことになることから、本願の出願人は、剛性の高い円筒状の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用したラビングローラを提案した(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−88179号公報
【特許文献2】特許第4181894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、液晶表示素子は更に大型化する傾向にあり、ラビングローラも長尺化して大凡4mに及ぶ長さとなっている。したがて、自重撓みも顕著に現れることになることから、特許文献2で提案しているように、円筒状の炭素繊維強化プラスチックのステンレス、アルミニウムなどを素材にした金属補強管を一体化した複合構造により剛性を向上することが試みられている。しかしながら、このような金属素材を採用するラビングローラは自重を低下することができず、自重撓みの発生を完全に払拭することができない。
【0007】
このようにラビングローラの重量が大きくなり自重撓みの発生の懸念がある場合、ラビングの安定処理が可能とする上限の危険回転数を向上することがでないことから、高速回転を望むことができず、生産性に影響を及ぼすことになる。また、ラビングローラはラビング布と配向膜との摩擦で発生する静電気を外部へ放電するため、ローラ端部のフランジキャップへ静電気が流れるようにするため、円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面に金属メッキ層(通常は、銅メッキ層)を形成する特殊な処理が要求されることになる。
【0008】
このように、金属メッキ層が形成されたラビングローラでは、その金属メッキ層に残存するメッキ処理成分が時間の経過に伴って次第に滲出し、このメッキ処理成分が影響して金属補強管の表面にピンホールを形成したり緑青が生成される。このようにし生成された緑青は微粒化してラビング布に入り込むことになる。このような状態に至ると、有機高分子からなる配向膜は緑青の塩基性炭酸銅に容易に侵されてしまい、液晶表示基板の品質の劣化を招くことになる。
【0009】
本発明は、かかる従来の問題に鑑みなされたもので、金属補強管を採用せず、自重撓みの発生の懸念のない軽量化が達成され、且つ、高い剛性のラビングローラとなるようにしてラビン時の危険回転数を向上するとともに、緑青の発生の原因となる金属メッキ層を形成しないで、ラビングに伴って発生する静電気の外部への放電を容易に行うことができるようにするもので、大型化した液晶表示素子のラビングに好適なラビングローラとなるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明は、以下に述べる各手段により上記の課題を解決するようにした。即ち、請求項1記載の発明では、表面に配設されたスイッチング素子あるいは電極を被覆するように配向膜が形成された液晶表示素子基板の前記配向膜の配向処理工程で使用するラビングローラであり、円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面に形成した導電性熱硬化性樹脂層の表面にラビング布を貼着する。
【0011】
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載のラビングローラにおいて、導電性熱硬化性樹脂層の主剤がエポキシ樹脂であるようにする。
【0012】
請求項3記載の発明では、表面に配設されたスイッチング素子あるいは電極を被覆するように配向膜が形成された液晶表示素子基板の前記配向膜の配向処理工程において使用するラビングローラの製造方法であり、円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面に、主剤と硬化剤と導電性材料を混合して常温で硬化しないようにしたエポキシ樹脂溶液を塗布し、しかる後、該エポキシ樹脂を常温以上の温度で加熱して硬化させ、前記円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面に導電性エポキシ樹脂層を備えるローラ芯体を形成し、前記導電性エポキシ樹脂層の表面にラビング布を貼着する。
【0013】
請求項4記載の発明では、表面に配設されたスイッチング素子あるいは電極を被覆するように配向膜が形成された液晶表示素子基板の前記配向膜の配向処理工程において使用するラビングローラの製造方法であり、円筒状の炭素繊維強化プラスチックの外形より大きい内径の成型筒に前記円筒状の炭素繊維強化プラスチックの軸方向の中心が前記成型筒の軸方向の中心と一致するように収容し、主剤と硬化剤と導電性材料を混合して常温で硬化しないようにしたエポキシ樹脂溶液を前記円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面と成型筒の内周面との間に形成された間隙に注入して充填し、しかる後、成型筒を常温以上の温度で加熱して前記エポキシ樹脂溶液を硬化させ、前記円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面に導電性エポキシ樹脂層を備えるローラ芯体を形成し、該ローラ芯体にラビング布を貼着する。
【0014】
請求項5記載の発明では、上記請求項4記載のラビングローラの製造方法において、成型筒の内周面に離型層が形成されているようにする。
【0015】
請求項6記載の発明では、上記請求項5記載のラビングローラの製造方法において、離型層がテフロン(登録商標)により形成されているようにする。
【0016】
請求項7記載の発明では、上記請求項3または請求項4記載のラビングローラの製造方法により形成したローラ芯体にラビング布を貼着してラビングローラとなるようにする。
【発明の効果】
【0017】
ローラの芯体の剛性を向上するために金属補強管を採用しないようにしたので、自重撓みの発生しない軽量化が達成され、且つ、高い剛性のラビングローラとなるようにしてラビング時の危険回転数を向上することができる。また、ローラ芯体に導電性熱硬化性樹脂層を形成したので、ラビングに伴って発生する静電気の外部への放電を容易に行うことができるとともに、金属メッキ層を形成しないことから、液晶表示素子に有害な緑青の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1の製造方法を説明する工程図である。
【図2】成型されたローラ芯体の構成を示す断面図である。
【図3】完成したラビングローラの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例2の製造方法を説明する工程図である。
【図5】本発明の実施例2の製造方法における構成を示す図である。
【図6】完成したラビングローラの構成を示す断面図である。
【図7】ラビング処理の態様を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下本発明の実施の形態を以下に説明する。本発明は炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPと略称する)の表面に導電性熱硬化性樹脂層を直接形成するようにした製造方法に関するものであるが、ラビングローラの長さが比較的短く、この導電性熱硬化性樹脂層による剛性がさほど要求されず、比較的薄く成形してもよい場合に適する方法を実施例1とし、一方、ラビングローラが長大となりCFRPの剛性とともに導電性熱硬化性樹脂層の剛性も要求される場合に適する方法を実施例2として説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、実施例1による本発明のラビングローラの製造方法の工程を示す図であり、同図に示すように工程A1において、予め所定の直径で中空の円筒状に成形されたCFRP1の両端に金属製の回転支持フランジ2を取り付けて成形処理の準備がなされる。つぎに、工程B1において前記CFRP1の上方に複数の噴射ノズル3aを一列に配列した噴霧装置3を配置する。この噴霧装置はポンプ4に接続され、さらに混合機5に接続される。
【0021】
前記混合機5には、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を例にすると、その主剤を貯留した主剤槽6、この主剤と混合されて硬化が開始されるようにする硬化剤を貯留した硬化剤槽7、そして主剤と硬化剤とともに混合する導電性材料を貯留する導電性材料槽8が接続されている。
【0022】
前記各素材は、混合機5において十分に混合されるようにするが、主剤と硬化剤の混合による硬化が常温では開始されないように調製されたものとする。このようにして前記各素材が混合機5において混合されると、混合機5内の溶液は導電性エポキシ樹脂溶液となり、このエポキシ樹脂溶液がポンプ4により噴霧装置3に圧送される。
【0023】
前記のようにして生成された導電性エポキシ樹脂溶液は、噴霧装置3の噴射ノズル3aから微粒化されて均等に噴霧され、回転しているCFRP1の表面にコーティングされる。これにより導電性エポキシ樹脂溶液は、適度の粘性を与えておくことにより均一の厚さでCFRPの表面にグリップされることになる。つぎに、このようにして導電性エポキシ樹脂がコーティングされたCFRP1の上方に、工程C1において加熱装置9を配置し、回転するCFRP1の表面の導電性エポキシ樹脂溶液を常温より高い温度(例えば、50℃以上)で加熱する。
【0024】
このようにして常温以上で加熱されたCFRP1の表面の導電性エポキシ樹脂溶液は直ちに硬化を開始し、図2の断面図に示すように、CFRP1の表面に硬化した導電性エポキシ樹脂層11が形成される。以上の工程により生成された導電性エポキシ樹脂層11を、より厚い層となるようにするには、工程B1と工程C1を繰り返すことにより厚さを増した導電性エポキシ樹脂層11を形成することができる。
【0025】
上記各工程を経て完成したローラ芯体R1は、導電性エポキシ樹脂層11がCFRP1の表面の凹凸に倣う層形状となるため、必要に応じてその表面を研磨し、平滑性が向上するようにする。そして、工程D1において、導電性エポキシ樹脂層11の表面に、導電性接着剤によりラビング布12を貼着して図3の断面図に示す構造のラビングローラR2を得ることができる。
【実施例2】
【0026】
図4は、実施例2による本発明のラビングローラの製造方法の工程を示す図であり、CFRP1の表面により厚く導電性エポキシ樹脂層11が形成されるようにし、剛性を向上することが可能となるようにしたものである。これと同時にCFRP1の表面の凹凸が導電性エポキシ樹脂層11に影響を及ぼさないようにするとともに、表面が平滑な導電性エポキシ樹脂層11となるようにするものである。
【0027】
実施例2による方法においては、図4に示す工程により成型処理を行うのであるが、同図に示すように成型筒13を用いるようにしている。この成型筒13は、ステンレス鋼のように耐食性の高い鋼材による中空円筒状のもので、その両端部が開放されており内周面に、例えばテフロン(登録商標)を塗着して離型層を形成する。
【0028】
前記成型筒13の下端部には、図5に示すように封止リング14を嵌着する。この封止リング14は成型筒13の内周面の近傍に位置するように通孔14aが形成されており、後述する導電性エポキシ樹脂溶液の注入が可能となるようにしている。また、この封止リング14の中央部には、成型筒13内に収容するCFRP1の下端内周に嵌合する支持凸部14bを備える。一方、成型筒13の上端部にも封止リング15が嵌着されおり、この封止リング15にも成型筒13の内周面の近傍に位置するように通孔15aが形成され、中央部に装着されたCFRP1の上端内周に嵌合する支持凸部15bを備える。
【0029】
前記封止リング14の通孔14aはポンプ4に接続され、さらに混合機5に接続される。この混合機5には、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を例にすると、その主剤を貯留した主剤槽6、この主剤と混合されて硬化が開始されるようにする硬化剤を貯留した硬化剤槽6、そして主剤と硬化剤とともに混合する導電性材料を貯留する導電性材料槽8が接続されている。
【0030】
前記各素材は、混合機5において十分に混合されるようにするが、主剤と硬化剤の混合による硬化が常温では開始されないように調製されたものとする。このようにして前記各素材が混合機5において混合されると、混合機5内の溶液は導電性エポキシ樹脂溶液となり、この導電性エポキシ樹脂溶液をポンプ4により封止リング14の通孔14aへ圧送することが可能となる。
【0031】
以上のように装置が構成されることにより、図4に示す工程A2において成型準備が調い、工程B2において成型筒13の内部に円筒状のCFRP1を収容し、その下端内周を封止リング14の支持凸部14bに嵌合する。一方、CFRP1の上端内周は封止リング15の支持凸部15bに嵌合される。これにより、CFRP1の軸方向の中心と成型筒13の軸方向の中心が一致することになる。なお、成型筒13に収容するCFRP1の外径を成型筒13の内径より小さいものとし、CFRP1と成型筒13との間に所望の大きさの空隙Gが形成されるようにする。
【0032】
つぎに、工程C2において、混合機5により生成された導電性エポキシ樹脂溶液をポンプ4により封止リング14の通孔14aへ圧送し、この導電性エポキシ樹脂溶液を前記空隙Gへ充填する。このとき、空隙G内の空気は封止リング15の通孔15aから排気され、導電性エポキシ樹脂溶液の注入を阻害することはない。
【0033】
このようにして、空隙Gに導電性エポキシ樹脂溶液が注入された後、工程D2において成型筒13を囲繞するように設けられた加熱装置16により成型筒13を加熱し、空隙Gの導電性エポキシ樹脂溶液を常温より高い温度(例えば、50℃以上)で加熱する。このようにして常温以上で加熱されたCFRP1の表面の導電性エポキシ樹脂溶液は直ちに硬化を開始し、図2と同様にCFRP1の表面に硬化した導電性エポキシ樹脂層11が形成されたローラ芯体R1が得られる。
【0034】
以上説明したように本発明の実施例2による方法によれば、空隙Gの大きさを自由に設定することができることから、厚みの大きい導電性エポキシ樹脂層11を形成することができる。これにより導電性エポキシ樹脂層11により剛性を大きくすることができるとともに、CFRP1の表面の凹凸が導電性エポキシ樹脂層11で吸収され、CFRP1の表面の凹凸形状が導電性エポキシ樹脂層11の表面に現れることはない。
【0035】
また、加熱により硬化した導電性エポキシ樹脂層11は硬化収縮するとともに、成型筒13の内周面に離型層を形成していることから成型筒13と導電性エポキシ樹脂層11が接着することなく、成型されたローラ芯体R1を容易に取り出すことができる。そして、取り出したローラ芯体R1に導電性接着剤によりラビング布12を貼着して図3と同様のラビングローラR2を得ることができる。
【0036】
以上のように実施例1および実施例2の方法で製造されたラビングローラR2には、図6に断面図で示す既知の構造のように、その両端部に金属製の端嵌フランジ17および回転支持フランジ2を取り付けることにより、ラビング布12で発生した静電気は、導電性エポキシ樹脂層11、CFRP1から端嵌フランジ17、回転支持フランジ2を介して外部へ放電することができる。なお、以上の実施例1、2の説明では、導電性エポキシ樹脂溶液を2液の混合で生成するように説明しているが、予め混合した1液の溶液を採用しても本発明の要旨を変更するものではない。
【符号の説明】
【0037】
1・・・・・・円筒状炭素繊維強化プラスチック(CFRP)
2・・・・・・回転支持フランジ
3・・・・・・噴霧装置
4・・・・・・ポンプ
5・・・・・・混合機
6・・・・・・主剤槽
7・・・・・・硬化剤槽
8・・・・・・導電性材料槽
9・・・・・・加熱装置
R1・・・・・ローラ芯体
R2・・・・・ラビングローラ
11・・・・・導電性エポキシ樹脂層
12・・・・・ラビング布
13・・・・・成型筒
14・・・・・封止リング
15・・・・・封止リング
16・・・・・加熱装置
17・・・・・端嵌フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に配設されたスイッチング素子あるいは電極を被覆するように配向膜が形成された液晶表示素子基板の前記配向膜の配向処理工程で使用するラビングローラであり、
円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面に形成した導電性熱硬化性樹脂層の表面にラビング布を貼着したことを特徴とするラビングローラ。
【請求項2】
導電性熱硬化性樹脂層の主剤がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載のラビングローラ。
【請求項3】
表面に配設されたスイッチング素子あるいは電極を被覆するように配向膜が形成された液晶表示素子基板の前記配向膜の配向処理工程において使用するラビングローラの製造方法であり、
円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面に、主剤と硬化材と導電性材料を混合して常温で硬化しないようにしたエポキシ樹脂溶液を塗布し、しかる後、該エポキシ樹脂溶液を常温以上の温度で加熱して硬化させ、前記円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面に導電性エポキシ樹脂層を備えるローラ芯体を形成し、前記導電性エポキシ樹脂層の表面にラビング布を貼着するようにしたことを特徴とするラビングローラの製造方法。
【請求項4】
表面に配設されたスイッチング素子あるいは電極を被覆するように配向膜が形成された液晶表示素子基板の前記配向膜の配向処理工程において使用するラビングローラの製造方法であり、
円筒状の炭素繊維強化プラスチックの外径より大きい内径の成型筒に前記円筒状の炭素繊維強化プラスチックの軸方向の中心が前記成型筒の軸方向の中心と一致するように収容し、主剤と硬化剤と導電性材料を混合して常温で硬化しないようにしたエポキシ樹脂溶液を前記円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面と成型筒の内周面との間に形成された空隙に注入して充填し、しかる後、成型筒を常温以上の温度で加熱して前記エポキシ樹脂溶液を硬化させ、前記円筒状の炭素繊維強化プラスチックの表面に導電性エポキシ樹脂層を備えるローラ芯体を形成し、該ローラ芯体にラビング布を貼着するようにしたことを特徴とするラビングローラの製造方法。
【請求項5】
成型筒の内周面に離型層が形成されていることを特徴とする請求項4記載のラビングローラの製造方法。
【請求項6】
離型層がテフロン(登録商標)により形成されていることを特徴とする請求項5記載のラビングローラの製造方法。
【請求項7】
請求項3または請求項4記載のラビングローラの製造方法により形成されたローラ芯体にラビング布を貼着したことを特徴とするラビングローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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