説明

ラベルを付与するコンピュータ制御システムおよびラベルをオーバレイする方法

【課題】ラベルを共有画像に自動的に付与する。
【解決手段】複数のハードウェア・ポートおよび複数のソフトウェア・ポートの少なくとも一方における動作を監視する。該ハードウェア・ポート及びソフトウェア・ポートの作動ポートにおける動作を検出すると、該作動ポートを介して送信された画像に適切なラベルが既にあるかどうかをまず確認する。適切なラベルがない場合には、事前記憶されたラベルおよび動的に生成されたラベルの少なくとも一方を、該画像に付与し、適切なラベルが既にある場合には、ラベルを該画像に付与することを回避する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影画像若しくは共有画像の自動的なブランド付け(Branding)及びラベル付け(labeling)、並びに、このような画像の記録に対するアクセス制御に関する。即ち、本発明は、ラベルをコンピュータ生成画像上に自動的にオーバレイする方法、コンピュータ制御システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、組織は、その知的財産をブランド付け及びラベル付けすることを望む。例えば、企業プレゼンテーションを外部の聴衆に対して行う場合、投影されるスライドは、通常、企業ロゴ、テキストなどによる著作権若しくは機密というメッセージでブランド付けされる。従って、プレゼンテーションを準備する人は、しばしば手動で、スライドを例えば以下のようなテキストでラベル付けする。
【0003】

【0004】
プレゼンテーションを通して一貫するように、ラベル付けは、アプリケーション(例えば、マイクロソフト・パワーポイント(MS PowerPoint(登録商標)))の「マスター・スライド(Master Slide)」機能を用いて行うことができる。しかしながら、社員は、時々、コンテンツにラベル付けを忘れることがある。更に、プレゼンテーションの全ての部分を一貫してラベル付けすることは難しく、事前に作成される静的コンテンツ(例えば、プレゼンテーション・スライド)は容易にラベル付けすることができるが、動的コンテンツ(例えば、生でのソフトウェア・デモやビデオ)はそうできない。
【0005】
関連事項として、プレゼンテーション記録技術はますます一般的に広まり、様々な組織がプレゼンテーションのマルチメディア・アーカイブを作成し始めている。このようなアーカイブは、アクセス制御、検索、及びコンテンツ管理技術と関連した、企業知識共有ツールとしてのみ、十分に活用することができる。例えば、特定のスライドへのアクセスを、許可された社員に制限する機能は、企業プレゼンテーション・アーカイブにとって、なくてはならない機能である。本願においては、コンテンツに自動的にラベル付けすることによって、その後のアクセス制御に向けた基盤が提供され得るだけでなく、拡張された検索又はコンテンツ管理機能による、プレゼンテーション資料への、コンテンツに基づいたアクセスが容易になり得る。
【非特許文献1】ホール、ディー.(Hall, D.)、ぺリソン、エフ.(Pelisson, F.)、リフ、オー.(Riff, O.)、クラウリー、ジェイ.(Crowley, J.)、「ガウス微分ヒストグラムを用いるブランド識別(Brand Identification Using Gaussian Derivative Histograms)」、マシン・ビジョン及びアプリケーション(Machine Vision and Applications)、2004年、第16巻、第1号、p.41−46
【非特許文献2】ジェイン(Jain)及びカル(Karu)、「テクスチャ識別マスクの学習(Learning Texture Discrimination Masks)」、パターン解析及び人工知能(Pattern Analysis and Machine Intelligence)、1996年、第18巻、第2号、p.195−202
【非特許文献3】[online]、インターネット<URL:http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;Q187623>
【非特許文献4】[online]、インターネット<URL:http://www.codeproject.com/internet/tcpinfo.asp>
【非特許文献5】[online]、インターネット<URL:http://answers.google.com/answers/threadview?id=133059>
【非特許文献6】「チュートリアル・キーボード・フック(Tutorial, Keyboard Hook)」、[online]、インターネット<http://www.ragestorm.net/tutorial?id=10>
【非特許文献7】[online]、インターネット<URL:http://www.realtimesoft.com/multimon/programming/basics.asp>
【非特許文献8】[online]、インターネット<URL:http://windows(登録商標)help.microsoft.com/Windows(登録商標)/en-US/Help/34c64a66-7f20-40e3-9202-470b0eea36391033.mspx>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当業界では、投影若しくは共有されるコンピュータ画面を動的且つ自動的にブランド付け又はラベル付けできることが必要とされている。更に、当業界では、コンピュータ画面のアーカイブされた記録を動的にラベル付けすることによって、アクセス制御を可能にし、検索を行い、コンテンツを管理することも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば、プレゼンテーション資料を投影することによって、画像が共有されているときには、常に、ブランド又はその他のラベルが確実且つ適切に表示されるようにする、方法及び装置について説明する。更に、本発明は、アクセス制御及び企業コンテンツ管理に、この自動ラベリングを利用する。本発明に関し、画像とは、コンピュータ画面上に表示することのできるあらゆるもの(例えば、パワーポイント・プレゼンテーション資料、ワード文書、ウェブ・ページ、ソフトウェア・デモンストレーション、デジタル画像、ビデオ・クリップなど)を指す。つまり、本明細書中では、フォーマット(例えば、jpg、gifなど)を指すのに、画像という語を用いているのではない。この点に関し、本明細書中で用いている画像という語は、静的画像(例えば、ピクチャ)だけでなく、動的画像(例えば、ソフトウェア・デモンストレーション、アニメーション、ビデオなど)を表示することも含む。
【0008】
本発明の一態様によれば、ラベルをコンピュータ生成画像上に自動的にオーバレイする方法であって、コンピュータに、共有画像の共有事象を監視させることと、共有事象が検出された場合には、前記コンピュータに、事前記憶されたラベルと動的に生成されたラベルの少なくとも一方を、前記共有画像上にオーバレイさせることと、を含む前記方法が提供される。前記共有事象は、共有画像をプロジェクタ又は別のコンピュータに送信することを含み得る。また、前記共有事象は、画面印刷動作を検出することも含み得る。前記共有事象は、有線プロジェクタと無線プロジェクタの少なくとも一方又は別のコンピュータを用いて共有画像を表示することであってもよい。前記共有事象は、ユーザ・インタラクションの設定可能なリストから選択されたユーザ・インタラクションを含み得る。前記設定可能なインタラクション・リストは、例えば、画面印刷動作又はパワーポイント・プレゼンテーションのプレゼンテーション・モードの起動であってもよい。前記方法は、共有事象が検出された場合、前記コンピュータに、共有画像を解析させて、該共有画像に事前記憶されたラベルのいずれかが既にあるかどうかを判別させ、ある場合には、前記事前記憶されたラベルのオーバレイを回避させることを更に含み得る。前記方法は、前記コンピュータに、機械可読コードを前記共有画像上にオーバレイさせることを更に含み得る。前記方法は、共有画像に関するデータを含むデータ・ファイルを記憶することと、該データ・ファイルを前記機械可読コードにリンクさせることとを更に含み得る。前記方法は、メタデータを前記機械可読コードにコード化することを更に含み得る。前記方法は、前記コンピュータにそのあらゆるポートにおける動作を監視させることによって、前記コンピュータに共有事象を監視させることを更に含み得る。前記方法は、アーカイビング・システムに、前記機械可読コードを読み取らせて復号化させ、前記機械可読コードを復号化したことにより解読されたデータに従ってドキュメントをファイルさせることによって、共有画像をアーカイブすることを更に含み得る。
【0009】
本発明の別の態様によれば、ラベルを共有画像に自動的に付与するコンピュータ制御システムであって、中央処理装置(CPU)と、メモリと、複数のハードウェア・ポートと、前記CPUと前記メモリと前記複数のハードウェア・ポートのそれぞれとの間における通信を可能にするバスと、前記メモリに記憶された複数のソフトウェア・ポートと、前記メモリに記憶された複数のデバイス・ドライバと、前記メモリに記憶されたラベル付けアプリケーションと、前記メモリに記憶された複数の事前記憶ラベルとを備え、実行すると、前記ラベル付けアプリケーションが、前記複数のハードウェア・ポートと前記複数のソフトウェア・ポートのそれぞれにおける動作を監視し、前記ハードウェア・ポート及び前記ソフトウェア・ポートの作動ポートにおける動作を検出すると、前記ラベル付けアプリケーションが、事前記憶されたラベルと動的に生成されたラベルの少なくとも一方を、前記作動ポートを介して送信された画像上に付与する、前記システムが提供される。本発明の一態様によれば、動作を検出すると、前記ラベル付けアプリケーションは、前記画像に適切なラベルが既にあるかどうかをまず確認し、ある場合には、前記ラベル付けアプリケーションは、ラベルを前記画像に付与することを回避する。前記ハードウェア・ポートは、VGAポート、Sビデオ・ポート、USBポート、ファイアワイヤ・ポート、シリアル・ポート、パラレル・ポート、及び、有線若しくは無線ネットワーク・インタフェース・ポートのうちの1つ又はあらゆる組み合わせを含み得る。前記ラベルは、機械可読コードを含み得る。前記ラベル付けアプリケーションは、更に、ドキュメントのメタデータを前記機械可読コードにコード化し得る。前記メタデータは、作成者名、画像の日付、画像のサブジェクト、及び、アクセス制御のうちの1つ又はあらゆる組み合わせを含み得る。前記ラベル付けアプリケーションは、更に、ドキュメントのメタデータをアドレス可能な記憶域に記憶し、該アドレス可能な記憶域へのポインタを機械可読コードにコード化し得る。動作を検出すると、前記ラベル付けアプリケーションは、現在実行しているアプリケーションがラベル付けを必要としているかどうかを確認し得る。
【0010】
本発明の第1の態様のラベルを共有画像に自動的に付与するコンピュータ制御システムは、中央処理装置(CPU)と、メモリと、複数のハードウェア・ポートと、前記CPUと、前記メモリと、前記複数のハードウェア・ポートのそれぞれとの間における通信を可能にする、バスと、前記メモリに記憶される、複数のソフトウェア・ポートと、前記メモリに記憶される、複数のデバイス・ドライバと、前記メモリに記憶される、ラベル付けアプリケーションと、前記メモリに記憶される、複数の事前記憶ラベルと、を備える。前記中央処理装置が前記ラベル付けアプリケーションを実行することによって、前記ラベル付けアプリケーションが、前記複数のハードウェア・ポートおよび前記複数のソフトウェア・ポートの少なくとも一方における動作を監視し、前記ハードウェア・ポート及び前記ソフトウェア・ポートの作動ポートにおける動作を検出すると、前記ラベル付けアプリケーションが、前記作動ポートを介して送信された画像に適切なラベルが既にあるかどうかをまず確認し、前記適切なラベルがない場合には、前記ラベル付けアプリケーションが、事前記憶されたラベルおよび動的に生成されたラベルの少なくとも一方を、前記画像に付与し、前記適切なラベルが既にある場合には、前記ラベル付けアプリケーションが、ラベルを前記画像に付与することを回避する。
【0011】
本発明の第2の態様は第1の態様のコンピュータ制御システムであって、前記ハードウェア・ポートが、VGAポート、Sビデオ・ポート、USBポート、ファイアワイヤ・ポート、シリアル・ポート、パラレル・ポート、及び、有線若しくは無線ネットワーク・インタフェース・ポートのうちの1つ又は任意の組み合わせを含む。
【0012】
本発明の第3の態様は第1または第2の態様のコンピュータ制御システムであって、前記ラベルが、機械可読コードを含む。
【0013】
本発明の第4の態様は第3の態様のコンピュータ制御システムであって、前記ラベル付けアプリケーションが、さらに、メタデータを前記機械可読コードにコード化する。
【0014】
本発明の第5の態様は第4の態様のコンピュータ制御システムであって、前記メタデータが、作成者名、画像の日付、画像のサブジェクト、及び、アクセス制御のうちの1つ又は任意の組み合わせを含む。
【0015】
本発明の第6の態様は第3の態様のコンピュータ制御システムであって、前記ラベル付けアプリケーションが、さらに、メタデータをアドレス可能な記憶手段に記憶し、該アドレス可能な記憶手段へのポインタを前記機械可読コードにコード化する。
【0016】
本発明の第7の態様は第6の態様のコンピュータ制御システムであって、前記メタデータが、作成者名、画像の日付、画像のサブジェクト、及び、アクセス制御のうちの1つ又は任意の組み合わせを含む。
【0017】
本発明の第8の態様は第1〜第7のいずれかの態様のコンピュータ制御システムであって、前記ラベルは、機密性情報および知的所有権情報の少なくとも一方を含む。
【0018】
本発明の第9の態様のラベルをコンピュータ生成画像上に自動的にオーバレイする方法は、コンピュータが、前記コンピュータ生成画像の共有事象を監視し、前記共有事象が検出された場合、前記コンピュータが共有画像を解析することによって該共有画像に適切なラベルが既にあるかどうかを判別し、前記適切なラベルがない場合には、前記コンピュータが、事前記憶されたラベルおよび動的に生成されたラベルの少なくとも一方を、前記コンピュータ生成画像上にオーバレイし、前記適切なラベルが既にある場合には、前記コンピュータが、前記事前記憶されたラベル又は前記動的に生成されたラベルのオーバレイを回避する。前記共有事象は、有線プロジェクタおよび無線プロジェクタの少なくとも一方又は別のコンピュータを用いて共有画像を表示すること、ユーザ・インタラクションの設定可能なリストから選択されたユーザ・インタラクション、ラベル付け機能の起動を求めるユーザの明示的な要求、の少なくとも1つを含む。
【0019】
本発明に関する更なる態様について、一部は以下の説明で述べ、一部は以下の説明から明らかであるか或いは本発明を実施することにより分かるであろう。本発明の態様は、要素によって、並びに、特に以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲に示した様々な要素と態様との組み合わせによって、実現且つ達成され得る。
【0020】
当然のことながら、前記及び後記の記述はいずれも、単なる例示及び説明にすぎず、いかなる形においても、特許請求の範囲に記載の本発明又はその用途を限定することを意図しない。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、コンピュータに、該コンピュータ生成画像の共有事象を監視させ、共有事象が検出された場合には、前記コンピュータに、事前記憶されたラベルおよび動的に生成されたラベルの少なくとも一方を、前記コンピュータ生成画像上にオーバレイさせる。本発明では、これにより、ラベルをコンピュータ生成画像上に自動的にオーバレイすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、上述した2つの問題(即ち、1.投影/共有画面若しくはドキュメントを動的にブランド付け及びラベル付けすること、2.投影/共有画面若しくはドキュメントを動的にラベル付けして、アクセス制御、検索、及びコンテンツ管理機能を可能にすること)に対処する、動的コンテンツにラベル付けするツール及び方法を提供する。どちらの場合においても、本発明の実施形態は、表示画面にオーバレイして自動的にコンテンツにラベル付けする、カスタマイズ可能なシステム・ツールを提供する。このツールは、(a)何らかの形態の画面共有を示す事象(例えば、VGA出力、仮想デスクトップ接続、スクリーン・ショット、パワーポイント(PowerPoint(登録商標))・プレゼンテーション・モードなどが挙げられるが、これらに限定されない)に関してパーソナル・コンピュータ(PC)を監視し、(b)現在の画面を解析する(これにより、例えば、既にラベル付けされているスライドが再度ラベル付け若しくはブランド付けされないようにする)ことにより、ブランド若しくはラベル・オーバレイをいつ表示したらよいか自動的に判断するので、最小限のユーザ・インタラクションしか必要としない。
【0023】
以下の2つの例は、本発明の一般的な使用シナリオ及び利点を示している。1つ目の例において、ウォルター(Walter)は、XYZ社の社員であり、しばしばラップトップ型コンピュータを用いて潜在顧客、博覧会出席者などにプレゼンテーションを行う、と仮定する。ウォルターのプレゼンテーションは、通常、スライド、ソフトウェア・デモ、及びビデオの組み合わせから構成される。ウォルターのプレゼンテーションは第三者(例えば、写真を撮る記者、TV用のビデオ・キャプチャ、プレゼンテーション会場におけるスクリーン・キャプチャ技術など)によって部分的に記録されることが多いので、提示される全てのコンテンツを通して一貫したブランド付けが極めて重要である。また、XYZ社には、各ドキュメントに機密性ラベリングを行う方針があり、ウォルターは、これに従わなくてはならない。ウォルターは、ここに提案している発明(例えば、システム・トレイ・ツールとしての実施形態)を用いて、確実に、機密性や知的所有権などを示す必要なロゴ又はその他のラベル無しにコンテンツが提示されないようにする。ウォルターは、ラップトップ型コンピュータのVGAポートが使用中であるとき、スクリーン・ショットが用いられているとき、又は、ラップトップ型コンピュータがマイクロソフト・パワーポイント(MS PowerPoint(登録商標))の全画面プレゼンテーション・モードであるときには、常に、画面の右上の角にXYZ社のロゴを表示するよう指示することにより、本発明のツールをカスタマイズする。同様に、ウォルターは、画面の下部中央に機密性情報を表示するように、本発明のツールをカスタマイズする。しかしながら、ウォルターは、既にラベル付けされているスライドをしばしば使用するので、XYZ社のロゴ及び機密性情報がまだ表示されていないときだけこれらを表示するよう、本発明のツールに更に指示する。この機能をサポートするため、本発明のツールによって、ウォルターは、ロゴ、ラベル、プレゼンテーション・テンプレートなどを指定することができ、これらが画面上にあると、ツールはオーバレイ表示を無効にする。その結果、ウォルターは、ツールがスライド・デザインの邪魔をするのではないかということを気にせずに、適切にラベル付けされたスライドを提示することができる。しかしながら、ウォルターが適切にラベル付けされていないスライド又はその他の画面を表示した場合、本発明のツールは適切なラベルをシームレスにオーバレイする。同様に、ウォルターがパワーポイント(PowerPoint)からソフトウェア・デモ又はビデオに切り替えた場合にも、本発明のツールは動的コンテンツ上にオーバレイされた適切なラベルを表示し、これにより、確実に、ウォルターのコンテンツは、プレゼンテーション中にユーザ・インタラクションを必要とすることなく、常に適切に且つ一貫してラベリングされる。
【0024】
2つ目の例において、ウォルターは、同じくしばしばラップトップ型コンピュータを用いて、XYZ社の会議室でプレゼンテーションを行う、と仮定する。さらに、多数の他の会社と同様、XYZ社も、企業情報共有目的でプレゼンテーションをアーカイブするプレゼンテーション・キャプチャ・システムを用いる、と仮定する。ウォルターは、全社員に開かれた一般的な全体会議だけでなく、機密の上級社員会議でも、しばしばプレゼンテーションを行うため、確実に、特定のプレゼンテーションは、キャプチャされたら、許可された社員のみにアクセス可能となるようにすることができなければならない。ウォルターは、本発明のツール(例えば、システム・トレイ・ツールとしての実施形態)を用いて、確実に、メタデータをプレゼンテーション・キャプチャ・システムに伝達する機械可読インディケータ(例えば、バーコード)無しにプレゼンテーションが表示されないようにする。このようなメタデータの例としては、作成者情報、アクセス権、コンテンツ管理システムにおけるターゲット作業空間などが挙げられる。XYZ社のプレゼンテーション・キャプチャ・システムは、この表示されたメタデータ・インディケータを解釈し、自動的に且つ確実に、全ての資料が、コンテンツ管理システムにおける適切な作業空間に自動的に送られ、許可された社員によってのみアクセス可能とされ、適切な作成者情報又はその他の伝達されたメタデータと関連付けられるようにする。本発明のツールは、この伝達されたメタデータを、必要に応じて(機械可読インディケータと共に)人間可読形式でオーバレイすることができるので、適切に保護されていないプレゼンテーションをウォルターが行う可能性は、極めて低い。ウォルターは、ラップトップ型コンピュータのVGAポートが使用中であるときには、常に、機械及び人間可読メタデータを表示するよう命令することにより、本発明のツールをカスタマイズする。また、ウォルターは、様々なプレゼンテーション・プロファイル(例えば、「上級社員のみ」や「全社員」)を予め設定することにより、確実に、プレゼンテーション中に必要であれば素早くプロファイルを切り替えることができる。
【0025】
本発明は、ウォルターのプレゼンテーションに対するアクセス制御法のキャプチャ・コンポーネントを提供することに加えて、コンテンツ管理機能及び検索機能を高めることもできる。例えば、XYZ社の社員は、ウォルターが行ったプレゼンテーションを任意の日付又は期間で検索することができるようになり、これによって、XYZ社のプレゼンテーション・アーカイブの実用性が、ユーザに高いインタラクション経費を負担させることなく、大幅に高まる。プレゼンテーション中におけるあらゆるユーザ・インタラクションを更に軽減するために、ウォルターは、ここに提案している発明を選択的に用いることにより、機械可読インディケータを予め生成して、プレゼンテーション・スライドに永久的に貼り付けることができる。本発明のツールは、画面上に機械可読インディケータがあることを検出すると、更なるインディケータをオーバレイしない。このように、ウォルターは、機械可読メタデータを含むプレゼンテーション・テンプレートを作成することができ、このことは、プレゼンテーション中にユーザ・インタラクションが必要とされないため、確実に且つ適切にプレゼンテーションが保護される又は送られる、ということを意味する。
【0026】
更なる副次的効果として、表示された機械可読識別子における変更(例えば、作成者又はアクセス権情報の変更)は、XYZ社のプレゼンテーション・キャプチャ・システムがプレゼンテーション限度を自動的に判断することを助ける。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態を実施するのに適したシステム100の一例を示している。このシステム100は、本発明の実施形態による処理を実行するようにプログラムされた汎用コンピュータ(例えば、PCやMac)であり得る。通常、このシステム100は、従来の方式でバス130を介して様々なコンポーネント及び周辺装置と通信するCPU105を備える。このCPU105は、RAM、ROM、ハード・ドライブなどの形態であるメモリ110(単純化のため、1つのブロックとして示されているが、実際には、いくつかの別々のハードウェア・デバイスであってもよい)を用いる。また、このCPU105は、従来の方式でグラフィック・プロセッサ120も用いる。メモリは、様々な実行可能プログラム(例えば、本発明の一実施形態によるデバイス・ドライバ160及びラベリング・アプリケーション150)を記憶する。デバイス・ドライバ160は、周辺装置(例えば、モニタ132及びプリンタ140)との通信を可能にする。ポート115、125、135、145などは、ハードウェア・ポート(例えば、VGAポート115及びNIC145)であっても、仮想ポート(例えば、VNCポート125及びポート3389 135)であってもよい。仮想ポートとは、プログラムが使用することによって、ファイル又はその他の一時的な記憶位置を介してではなく直接的にデータを交換することのできる、仮想データ接続部のことである。
【0028】
更に説明すると、VNCとは、バーチャル・ネットワーク・コンピューティング(Virtual Network Computing)の略であり、RFB(Remote Frame Buffer)プロトコルを用いて別のコンピュータを遠隔制御するデスクトップ共有システムである。このシステムにより、ネットワークを介して、キーボードの打ち込み及びマウスのクリックが1つのコンピュータから別のコンピュータへ送られ、画面のアップデートが反対方向に送り返される。オリジナルのVNCソース・コードは、変更された多くのVNCソース・コードと同様、GNUのGPL(General Public License)に基づいたオープン・ソースである。同様に、ポート3389は、マイクロソフト(Microsoft)の「端末サーバ」若しくは「端末サービス」(Windows(登録商標)) XPにおける表示に向けて「リモート・デスクトップ」と名称変更)によって用いられる。この端末サーバ/リモート・デスクトップによって、遠隔のクライアントが、適切に装備された使用可能装置に遠隔ログオンし、その遠隔装置から完全なグラフィカル・デスクトップを表示することができる。NICとは、ネットワーク・インタフェース・カード(Network Interface Card)の略であり、コンピュータがコンピュータ・ネットワーク170(例えば、イントラネットやインターネット)を介して通信することができるように設計されたコンピュータ・ハードウェアである。このネットワーク・カードは、以前はバス130にプラグを差し込むような拡張カードであったが、ほとんどの最近のコンピュータは、マザーボードにネットワーク・インタフェースが組み込まれている。
【0029】
システム100は、例えばNIC145を介して、ネットワーク170(例えば、イントラネットやインターネット)にアクセスし得る。メモリ110内にある様々なドキュメントは、ネットワーク170を介して、例えば参照番号165のような他のコンピュータと共有することができる。また、これらのドキュメントは、ポート(例えば、VGAポート115)に接続されるか或いはネットワーク170を介して接続されるプロジェクタ155を用いて投影することにより、共有してもよい。
【0030】
図2は、ラベル付けアプリケーション150(例えば、システム・トレイ・アプリケーション)に含まれている命令に従ってCPU105により実行される処理の一例を示している。ステップ200において、CPU105は、画像の共有を示すトリガ事象を連続的に走査する。トリガ事象とは、大まかに、PC画面の「共有」と定義することができる。このような事象としては、i. VGAポートの使用、ii. 仮想ポートを共有するコンピュータの使用、iii. (例えば、NIC145若しくは無線ポート(図示せず)を介し)プロジェクタを用いて行うドキュメントの投影、iv. プレゼンテーション・アプリケーション(例えば、マイクロソフト・パワーポイント)の全画面プレゼンテーション・モードの使用が挙げられるが、これらに限定されない。このトリガ事象は、特定クラスのアプリケーションに限定されてもよい。例えば、上記i〜ivのいずれかの状態が生じるとトリガするように設定してもよいが、これは、現行アプリケーションがマイクロソフト・パワーポイント(商標)又はマイクロソフト・ワード(MS Word)である場合のみであって、例えば、マイクロソフト・エクセル(MS Excel(商標))スプレッドシートがプロジェクタに送信される場合には、トリガされない。
【0031】
ステップ210においてトリガ事象が検出されると、処理は、オプションのステップ220へ進んで、画像を走査し、次に、ステップ230へ進んで、該画像を解析し、既に適切なラベルを含んでいるかどうかを判別する。このことに関しては、当然のことながら、ラベル付けされているページもあればラベル付けされていないページもあり得るので、ドキュメントの全ページ又は全画面をそれぞれ解析する必要がある。投影されたページ(即ち、画像)が適切なラベルを含んでいる場合、更なる動作は行われない。一方、適切なラベルが無い場合には、ステップ240において、システム100が適切なラベルを付与する。このラベルは、事前記憶されたラベルから選択されてもよいし、動的に生成されたラベルから選択されてもよい。
【0032】
周知のとおり、様々な組織が、会議室において生じる様々な事象(例えば、音声及び/又は映像の記録、対話型又は受動型ボードのコンテンツ及び映写幕に投影されたコンテンツの記録)をキャプチャするキャプチャ・システムを用いる。このようなコンテンツは、ネットワーク170を介して会議室に接続された記憶システム(例えば、サーバ175)に保存される。このキャプチャ・システムは、記憶されたコンテンツの検索及び読み出しを可能にする何らかのインテリジェンスを備える。本発明の1つの特徴による、このキャプチャ・システムの管理、検索、及び読み出し機能を容易にすると共に高めるために、図2のステップ240においてドキュメントに付与されるラベルは、固有の機械可読インディケータ(例えば、バーコード)を含む。キャプチャ・システムは、記憶するためのドキュメントを受信すると、インディケータを読み取り、このインディケータに対応するメタデータを取り出す。このメタデータは、キャプチャ・システムが、例えば、日付、作成者、サブジェクト、タイプなどによって定義されるファイリング方式を用いる場合には、ドキュメントのファイリングを助けるように設計され得る。また、このメタデータは、ドキュメントのより容易な検索及び読み出し制御を可能にし得る。つまり、このメタデータは、適切な許可を得た人だけが特定のドキュメントを読み出すことができるように、例えば、一般、機密、幹部のみなどのアクセス・コードを含んでいてもよい。
【0033】
この機械可読識別子は、ユーザ定義データを直接的にコード化してもよいし、他の場所に記憶されたユーザ定義データと関連付けられた識別子をコード化してもよい。例えば、本発明のツールは、メタデータを直接的にコード化するのではなく、データベースにおける記録を識別するURL又はIDをコード化することができる。サポートされたメタデータの例としては、作成者名、アクセス権(例えば、アクセスを許可されたユーザ・アカウントを示すアクセス制御リスト)、及び記憶情報(例えば、コンテンツ管理システムにおけるターゲット・フォルダ)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
図3は、XYZ社のパワーポイント(PowerPoint)・スライド300の一例を示している。XYZ社の方針によれば、このような各スライドには、XYZ社のロゴ310、機密性、アクセス情報など320、及び、メタデータ(例えば、作成者、サブジェクト、アクセス許可など)を含む機械可読インディケータ330が含まれていなければならない。本発明の実施形態によれば、トリガ事象が検出される度に、システムは、ロゴ310、情報320、及びインディケータ330があるかどうかを確認する。もし無い場合、システムは、そのドキュメントに欠如ラベルを自動的に付与する。当然のことながら、その他のドキュメント又は画像(例えば、ビデオ・プレゼンテーション、ソフトウェア・デモなど)にも、同じ処理が行われる。
【0035】
本明細書中に記載の実施形態のいずれにおいても、画面オーバレイを行うことによってカスタマイズ可能としてもよい。例えば、ユーザは、企業ロゴ、テキスト、又は画像ベースのラベルと、機械可読識別子として表示されるメタデータとを、指定することができる。また、ユーザには、システムが様々な画像に用いることのできるオーバレイ・プロファイルを決定する選択権が与えられてもよい。各プロファイルには、ロゴ、テキスト、情報、バーコードなどの固有の組み合わせが含まれ得る。このように、適切なプロファイルが、プレゼンテーション前又はプレゼンテーション中に、容易に選択可能となる。
【0036】
ロゴ、ラベル、又は機械可読識別子のオーバレイは、マイクロソフト・ウィンドウズ(登録商標)(MS Windows(登録商標))・オペレーティング・システムに基づいて、トレイ・アプリケーションに対するウィンドウ・スタイルをTOPMOST(最前面)に設定することにより、容易に行われる。このオーバレイが確実に表示され続けるようにするために、定期的にウィンドウをTOPMOSTに再設定するタイマを使用してもよいし、或いは、システム・フックを書き込むことによりWM_ACTIVEメッセージを通知させてウィンドウをTOPMOSTに再設定してもよい。
【0037】
表示されているロゴ、ラベル、又は機械可読識別子を検出するために、以下のような別の実施例のいずれを用いてもよい。画像解析、即ち、特定画像(例えば、ロゴ)がコンピュータ画面上に現在表示されているかどうかの検出は、あらゆる既知の画像解析アルゴリズムを用いて行うことができる。このようなアルゴリズムの一例が、非特許文献1に記載されている。しかしながら、本発明の一実施形態によれば、画像解析アルゴリズムは、画面に対し選択的に用いられる。つまり、ここに説明する本発明はリアルタイム制約に基づいて作動するため、効率が重要である。従って、本発明のこの実施形態によれば、画像検出は、画面の、ロゴ又はその他のラベルが表示されると分かっている領域に限定される。その結果、計算コストを大幅に削減することができる。例えば、ユーザは、検出されるロゴの正確な位置を指示することができ、これにより、画像検出アルゴリズムは、単純になるゆえ効率性が高くなる。
【0038】
完全な画像の一致を検出するのではなく、同じような画像タイプのクラス(例えば、バーコードやQR(Quick Response)コード)を検出することも、技術的に実現可能である。本発明の実施形態によれば、バーコード検出は、(完全に一致する)1セットの所定バーコードに検出を限定することにより行うこともできるし、専用アルゴリズム(例えば、バーコード検出器(非特許文献2に記載))を用いることにより行うこともできる。
【0039】
画像解析法に代わるものとして、別の実施形態では、特定のプレゼンテーション・ソフトウェアに関する知識が用いられる。例えば、ウィンドウズ(登録商標)・プラットフォームにおいて、処理は、マイクロソフト・パワーポイントの実行インスタンスに接続することができ、これにより、プレゼンテーションのドメイン・オブジェクト・モデル(DOM)にアクセスすることができる。次に、このDOMを用いることによって、特定の画像、テキスト・ラベル、又はその他の視覚特性が現在表示されているかどうかを効率的に判別することができる。
【0040】
画面共有の検出は、様々な技法を用いて行われ得る。一実施形態によれば、ネットワーク・ベースの画面共有検出が行われる。ウィンドウズ(登録商標) FCにおいて、本発明のツールは、ポート5900(デフォルトVNCポート)におけるTCPアクティビティを解析することにより、VNC接続を検出することができる。同様に、MSリモート・デスクトップ接続は、ポート3389(MSリモート・デスクトップ用のデフォルト・ポート)を監視することにより、検出することができる。ユーザが端末サーバのデフォルト・ポート番号を変更した場合、本発明のツールは、レジストリ(非特許文献3)から現在のポート番号を読み出すことができる。
【0041】
ポート監視ツールは、公的に入手可能なツール及びソース・コードに基づいて、容易に実施することができる。例えば、オープン・ソース・プロジェクト(例えば、TCPinfo(非特許文献4)は、ポート監視ソフトウェアの技術的詳細を示している。
【0042】
プリントスクリーン(PrintScreen)、スクリーン・ショットなどのトリガ事象は、以下のように検出され得る。マイクロソフト・ウィンドウズ(登録商標)において、(通常、PrtScrnキーによってトリガされる)プリントスクリーン機能により、ユーザは、1つのウィンドウ又は画面全体のコンテンツをクリップボードに素早くコピーして(alt-PrtScrn)、更に処理したり、アプリケーションに貼り付けたりすることができる。ここに提案しているツールは、このような動作を、システム全体に及ぶキーボード・フック(更なる技術的詳細は、非特許文献5又は非特許文献6)を用いて検出することができる。
【0043】
VGAポートの使用は、以下のように検出され得る。最近のオペレーティング・システムは、通常、使用可能ディスプレイを検出するAPIを備える。例えば、ウィンドウズ(登録商標) XPにおいては、API法(例えば、EnumDisplayDevices、EnumDisplayMonitors、EnumDisplaySettings)を用いることによって、接続されたディスプレイをリストアップし、これらのディスプレイの状態を監視することができる。コードの例は、例えば、非特許文献7において、公的に入手可能である。
【0044】
ネットワーク化された投影の検出は、以下のように行われ得る。ウィンドウズ(登録商標) Vistaは、ウィンドウズ(登録商標) ・ネットワーク・プロジェ
クタ規格(非特許文献8)をサポートし、ネットワーク化されたプロジェクタ(例えば、ソニー(Sony)のVPLFX51 LCD ネットワーク・データ・プロジェクタ)のシームレスなセットアップ及び接続を可能にする。このVistaは、近隣のネットワーク・プロジェクタを自動的に検出し、ユーザが画面をあらゆるアクセス可能なネットワーク・プロジェクタ上に容易に投影できるようにする。ネットワーク・プロジェクタはオペレーティング・システムによって直接的にサポートされているため、現在接続されているプロジェクタに関する情報は、あらゆるアプリケーションで利用することができる。
【0045】
機械可読コードにおけるユーザ定義メタデータのコード化は、以下のように行われ得る。本発明の実施形態によれば、ユーザは、メタデータ(例えば、作成者情報、アクセス権、所望の記憶位置)を指定することができる。想定される使用モデルは、以下のとおりである。プレゼンテーション中におけるユーザ・インタラクションを最小限に抑えるために、ユーザは、プレゼンテーションを行う前にメタデータを指定することができる。1セットのメタデータは、「プロファイル」として保存することができる。例えば、ユーザ「ウォルター」を、アクセス制御リスト「売上高」に載っているユーザのみにアクセス可能なプレゼンテーション資料の作成者と識別するメタデータは、一旦指定してから、名前付きプロファイル(例えば、「ウォルター売上高」)として保存することができる。ここに提案しているツールは、この提供されたメタデータを、機械可読コード(例えば、バーコード)又はいくつかの使用可能な二次元コード(例えば、データ行列バーコード、QRコード、ショット・コード)のいずれかに変換する。バーコード又はQRコード内にコード化することのできるテキスト量は、使用される特定のコード化形式によって決まる。本発明に関し、機械可読コードの使用は、画像サイズ及び解像度の制限によって更に制約される。コードが実際のプレゼンテーション・コンテンツの邪魔をするべきでないことは明らかであるが、複雑なコードのサイズを制限すると、特に、画面が最大解像度でキャプチャされない場合、認識問題がいずれ生じる可能性がある。この問題に対処するには、単純なバーコード形式(例えば、UPC(universal product code:統一商品コード))を用いることによって、1セットのユーザ定義メタデータと関連付けられた識別子をコード化することができる。別の実施形態では、URLのみをロバスト且つ読み易い方式でコード化するという明確な目的で開発されたショット・コードが用いられる。この方法は、簡単に行われる。即ち、ユーザがメタデータを指定する際に、本発明のツールは、このメタデータ及び生成された識別子をセントラル・サーバに記憶する。画面キャプチャ・システムは、キャプチャされた画面上の機械可読識別子を読み取ると、これに対応するメタデータをサーバから読み出す。
【0046】
更に別の実施形態によれば、このメタデータと共に、様々なコンピュータ実行可能命令が記憶され得る。機械は、サーバ上の、メタデータが記憶されている位置に導くコードを読み取る際に、このような命令も読み取って実行する。
【0047】
このように、本明細書中では本発明の特定の実施形態のみを具体的に説明してきたが、当然のことながら、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、これらの実施形態に多数の変更を加えてもよい。例えば、VGAドングル又はPCグラフィックス・カードは、ユーザを一意的に識別する情報をオーバレイすることもできるし、常に企業ロゴをオーバレイすることもできる。また、同じようなオーバレイ機能を、オペレーティング・システムに組み込むこともできる。更に、本明細書及び添付の特許請求の範囲を単に読み易くするために、いくつかの用語を交換可能に用いた。留意すべきことであるが、これは、使用される用語の一般性を弱めることを意図しているのではなく、これらの用語は、特許請求の範囲を本明細書中で説明した実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。
【0048】
引用及び参照文献は全て、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態を実施するのに適したシステムの一例を示す図である。
【図2】実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に従ってラベリングされたパワーポイント・スライドの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
100 システム
140 プリンタ
155 プロジェクタ
165 コンピュータ
175 サーバ
300 スライド
310 ロゴ
320 機密性情報
330 機械可読インディケータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを共有画像に自動的に付与するコンピュータ制御システムであって、
中央処理装置(CPU)と、
メモリと、
複数のハードウェア・ポートと、
前記CPUと、前記メモリと、前記複数のハードウェア・ポートのそれぞれとの間における通信を可能にする、バスと、
前記メモリに記憶される、複数のソフトウェア・ポートと、
前記メモリに記憶される、複数のデバイス・ドライバと、
前記メモリに記憶される、ラベル付けアプリケーションと、
前記メモリに記憶される、複数の事前記憶ラベルと、
を備え、
前記中央処理装置が前記ラベル付けアプリケーションを実行することによって、
前記ラベル付けアプリケーションが、前記複数のハードウェア・ポートおよび前記複数のソフトウェア・ポートの少なくとも一方における動作を監視し、
前記ハードウェア・ポート及び前記ソフトウェア・ポートの作動ポートにおける動作を検出すると、前記ラベル付けアプリケーションが、前記作動ポートを介して送信された画像に適切なラベルが既にあるかどうかをまず確認し、
前記適切なラベルがない場合には、前記ラベル付けアプリケーションが、事前記憶されたラベルおよび動的に生成されたラベルの少なくとも一方を、前記画像に付与し、
前記適切なラベルが既にある場合には、前記ラベル付けアプリケーションが、ラベルを前記画像に付与することを回避する、
コンピュータ制御システム。
【請求項2】
前記ハードウェア・ポートが、VGAポート、Sビデオ・ポート、USBポート、ファイアワイヤ・ポート、シリアル・ポート、パラレル・ポート、及び、有線若しくは無線ネットワーク・インタフェース・ポートのうちの1つ又は任意の組み合わせを含む、請求項1に記載のコンピュータ制御システム。
【請求項3】
前記ラベルが、機械可読コードを含む、請求項1または2に記載のコンピュータ制御システム。
【請求項4】
前記ラベル付けアプリケーションが、さらに、メタデータを前記機械可読コードにコード化する、請求項3に記載のコンピュータ制御システム。
【請求項5】
前記メタデータが、作成者名、画像の日付、画像のサブジェクト、及び、アクセス制御のうちの1つ又は任意の組み合わせを含む、請求項4に記載のコンピュータ制御システム。
【請求項6】
前記ラベル付けアプリケーションが、さらに、メタデータをアドレス可能な記憶手段に記憶し、該アドレス可能な記憶手段へのポインタを前記機械可読コードにコード化する、請求項3に記載のコンピュータ制御システム。
【請求項7】
前記メタデータが、作成者名、画像の日付、画像のサブジェクト、及び、アクセス制御のうちの1つ又は任意の組み合わせを含む、請求項6に記載のコンピュータ制御システム。
【請求項8】
前記ラベルは、機密性情報および知的所有権情報の少なくとも一方を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンピュータ制御システム。
【請求項9】
ラベルをコンピュータ生成画像上に自動的にオーバレイする方法であって、
コンピュータが、前記コンピュータ生成画像の共有事象を監視し、
前記共有事象が検出された場合、前記コンピュータが共有画像を解析することによって該共有画像に適切なラベルが既にあるかどうかを判別し、
前記適切なラベルがない場合には、前記コンピュータが、事前記憶されたラベルおよび動的に生成されたラベルの少なくとも一方を、前記コンピュータ生成画像上にオーバレイし、
前記適切なラベルが既にある場合には、前記コンピュータが、前記事前記憶されたラベル又は前記動的に生成されたラベルのオーバレイを回避し、
前記共有事象は、
有線プロジェクタおよび無線プロジェクタの少なくとも一方又は別のコンピュータを用いて共有画像を表示すること、
ユーザ・インタラクションの設定可能なリストから選択されたユーザ・インタラクション、
ラベル付け機能の起動を求めるユーザの明示的な要求、
の少なくとも1つを含む、
ラベル・オーバレイ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−216231(P2012−216231A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−139014(P2012−139014)
【出願日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【分割の表示】特願2007−170047(P2007−170047)の分割
【原出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】