説明

ラベルシート

【課題】単片ラベルや連続ラベルとして貼り付け作業を行う際に取り扱いやすく、しかも廉価なコストで製造できる生産性に優れたラベルシートを提供すること。
【解決手段】ラベル20と剥離紙30を貼り合わせたラベルシート10について、ラベル20はラベル切取線24を介して複数の単片ラベル26,26,…を切り離し可能に連接し、剥離紙30はラベル切取線24よりも搬送方向先端側の第1の幅方向切取線34と搬送方向後端側の第2の幅方向切取線35を介して単片ラベル26,26同士の境界部に配置した連結片36と各単片ラベル26の中央部に配置した分離片37を切り離し可能に連接した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハンディターミナルプリンタで使用可能なラベルシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンディターミナルプリンタで印字できるラベルとして、図8に示すようなラベルシート1が知られている。同図(a)に示すように、従来のラベルシート1は長尺のラベル2と長尺の剥離紙3を貼り合わせて構成されており、ラベル2の長手方向に所定間隔でスリット4とアンカット5からなる切取線が設けられ、この切取線を介して複数枚の単片ラベル6,6,…が分離可能に連接されている。そして、ハンディターミナルプリンタでラベル2に所定事項を印字した後でアンカット5を切断し、単片ラベル6を剥離紙3から剥がし取って使用するようになっている。
【0003】
このようなラベルシート1の使用形態としては、単片ラベル6を1枚ずつ切り離して使用する形態のほかに、単片ラベル6,6を複数枚繋げて連続ラベル7として使用する形態が考えられる。例えば商品を梱包したケースに配送先や商品リストを印字したラベル2を貼り付ける時には、商品点数が少なければ1枚の単片ラベル6で足りるが、商品点数が多いと複数枚の単片ラベル6,6にまたがって印字する必要がある。ところが、従来のラベルシート1によると次のような問題があった。
【0004】
(1)1枚ずつ切り離した単片ラベル6での形態では使いやすいが、複数枚繋げた連続ラベル7としての状態では剥離紙3から剥がした後のラベル2を取り扱いにくい。すなわち、連続ラベル7の場合には、ラベル裏面の粘着剤が広範囲にわたってむき出しになるので、連続ラベル7を指でつまんでいる時に関係のないところに貼り付いたり、あるいは繋がっている単片ラベル6,6同士が何らかの拍子でくっついたりといったトラブルが起こりやすい。
【0005】
(2)被着体からラベル2を剥がす時にうまく剥がせない。例えば図8(b)に示すように、段ボール箱などの被着体8に貼付された連続ラベル7に個人情報A,Bが記入されている場合には、廃棄する際に連続ラベル7を剥がし取って個人情報A,Bの漏洩を防ぐ必要がある。ところが、段ボール箱から連続ラベル7を剥がそうとすると、粘着剤の接着力が強すぎて単片ラベル6の端部がすぐに破れてしまい、簡単に剥がし取ることができない。粘着剤の接着強度を弱くすればうまく剥がし取ることができるが、多くの被着体に対しての貼り付け適性を確保しようとすると背反する要件になってしまう。また、ラベル裏面に部分的な糊殺し印刷を施して対処することも可能であるが、この場合にはラベルシート1のほとんどの面積に印刷を施す必要があり、生産面で大きなデメリットになる。
【0006】
なお、ラベルに印字した個人情報を保護する技術として、下記の特許文献1に開示された個人情報保護シートがある。この保護シートは基材の表面に剥離層と受像層が積層されており、圧力を加えて擦ることで受像層が剥離層から除去され、保護シートを廃棄する時に個人情報の漏洩を防止できるようになっている。しかし、この保護シートによると受像層を擦りながら情報を除去していくものであり、その作業が面倒である。また、製造時には基材の上に剥離層や受像層を積層しなければならず、工数が多く材料費も嵩むので製造コストが高くなってしまう。
【0007】
【特許文献1】特開2006−285203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、単片ラベルや連続ラベルとして貼り付け作業を行う際に取り扱いやすくするとともに、廉価なコストで製造できる生産性に優れたラベルシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明は、長尺のラベルに長尺の剥離紙が剥離可能に貼り合わされたラベルシートであって、上記ラベルは、長手方向に所定間隔で設定されたラベル切取線を介して複数の単片ラベルが切り離し可能に連接されてなり、上記剥離紙は、上記ラベル切取線よりも搬送方向先端側に設定された第1の幅方向切取線と上記ラベル切取線よりも搬送方向後端側に設定された第2の幅方向切取線を介して、上記単片ラベル同士の境界部に配置された連結片と上記各単片ラベルの中央部に配置された分離片が切り離し可能に連接されてなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のラベルシートにおいて、上記第1の幅方向切取線と上記第2の幅方向切取線は共にアンカットのない連続したスリットで構成されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明のラベルシートにおいて、上記剥離紙の幅方向端部に剥離紙のみからなる部分が設けられており、上記第1の幅方向切取線と上記第2の幅方向切取線のいずれか一方または双方について上記剥離紙のみからなる部分にアンカットが形成されている構成を採用することもできる。
【0012】
また、本発明のラベルシートにおいて、上記第1の幅方向切取線と上記第2の幅方向切取線のいずれか一方または双方がカットとアンカットを交互に配置したミシン目で構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のラベルシートによると、以下のような作用効果が得られる。
【0014】
(1)特に宛名ラベルとしての用途において、ラベルに印字された個人情報を廃棄したい場合に、印字された情報欄の部分のみを被着体から簡単に剥がせて個人情報の漏洩を防止することができる。
【0015】
(2)ラベルの貼付作業時において、ラベル裏面に残された分離片の部分を掴んで取り扱うことができ、ラベルが手に貼り付いたり、繋がっている単片ラベル同士がくっついたりするトラブルが起こらないので、取り扱い性に優れている。
【0016】
(3)ラベルの貼付作業時において、ラベル裏面に剥離紙の大部分が残る活用ができるため、ゴミの発生を少なくすることができる。
【0017】
(4)被着体に合わせてラベルの接着強度を調節する方法や、ラベル裏面に部分的な糊殺し印刷を施す方法に比べ、簡単かつ廉価な方法で製造できるので、生産性が大幅に向上する。
【0018】
(5)被着体に貼付した後で廃棄する必要がない場合には、連結片だけでなく分離片も一緒に剥がして全面貼り付けによって使用することもできるため、汎用性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本発明のラベルシートをハンディターミナルプリンタ用のロール紙に適用した例を示す図である。
【0021】
図1に示すように、このラベルシート10は、長尺のラベル20と長尺の剥離紙30を剥離可能に貼り合わせて構成されている。ラベル20の長手方向には所定間隔おきに複数の切取線(以下これを「ラベル切取線」という。)24,24,…が設定されており、これにより、ラベル20はラベル切取線24を介して複数枚の単片ラベル26,26,…が切り離し可能に連接されてなる。
【0022】
本実施形態では、ラベル20にハンディターミナルプリンタで印字ができるようにするため、ラベルシート10はラベル20を表側にしてロール状に巻き取られている。また、剥離紙30には単片ラベル26毎にその先頭位置にタイミングマーク33が印刷されており、ハンディターミナルプリンタはこのタイミングマーク33を検知し、ラベルシート10の紙送り量を制御して印字時の位置決めを行うようになっている。なお、ラベルシート10の形態はロール状に限らず、山折りと谷折りを交互に繰り返してジグザグに折り畳んだ形態であってもよい。
【0023】
図2は、ラベルシートの断面構造を示す図である。
【0024】
図2に示すように、ラベルシート10はラベルと剥離紙30を貼り合わせたもので、ラベル20はラベル基材21とサーマル層22と粘着層23とから構成されている。ラベル基材21の表面には樹脂バインダ中に無色のロイコ染料と酸性物質を固体微粒子として分散させたサーマル層22が設けられており、サーマル式のハンディターミナルプリンタで加熱するとサーマル層22が発色して印字できるようになっている。また、ラベル基材21の裏面には粘着剤を塗布した粘着層23が設けられている。粘着剤の種類は特に限定されないが、剥がす時にラベルの一部が確実に被着体に残るようにするため、強粘着(剥離強度:500gf以上/25mm程度、JIS Z0237の180°剥離法)タイプのものが好ましい。
【0025】
一方、剥離紙30は基材31と剥離層32とから構成されている。基材31の表面にはシリコーン系剥離剤を塗布した剥離層32が設けられており、この剥離層32に粘着層23を対向させて重ね合わせることにより、両者の境界面でラベル20と剥離紙30が剥離可能に貼り合わされている。
【0026】
図3は、ラベルシートをラベル側から見た部分拡大図である。
【0027】
図3に示すように、ラベル20にはその幅方向両端部を長手方向に沿ってカットしたカス上げ処理を施してあり、剥離紙30の幅方向両端部に剥離紙30のみの部分が残されており、単片ラベル26を剥がしやすくなっている。ラベル20の幅W1はハンディターミナルプリンタの印字幅に合わせて設定すればよく、本実施形態では剥離紙30の幅W2を55〜66mm程度とし、ラベル20の左右両側を約2mmずつカス上げ処理してその幅W1を51〜56mm程度としてある。
【0028】
単片ラベル26,26同士の境界にはラベル切取線24が設けられているが、このラベル切取線24はラベル20の表面から剥離紙30の表面まで到達する深さのハーフカットによって、スリット24aとアンカット24bを交互に配置したものである。また、最も外側にあるスリット24aの先端にはRカット加工により単片ラベル26の四隅にラウンドコーナー25が形成されており、これにより個々の単片ラベル26を剥がす時のつまみができ、剥がしやすさを向上させてある。
【0029】
図4は、ラベルシートを剥離紙側から見た部分拡大図である。なお、同図において、裏側のラベルに相当する領域を点線で示し、図1に示したタイミングマークについては図示を省略してある。
【0030】
図4に示すように、剥離紙30には、単片ラベル26毎にラベル切取線24よりも搬送方向先端側(図において下側)の幅方向に沿って形成された切取線(以下これを「第1の幅方向切取線」という。)34と、ラベル切取線24よりも搬送方向後端側(図において上側)の幅方向に沿って形成された切取線(以下これを「第2の幅方向切取線」という。)35が設定されている。本実施形態において、第1の幅方向切取線34と第2の幅方向切取線35は、共に剥離紙30の裏面からラベル20の裏面まで到達する深さのハーフカットを施すことにより、幅方向にわたってアンカットのない連続したスリットで構成されている。
【0031】
このように、剥離紙30は第1の幅方向切取線34と第2の幅方向切取線35とを介して、単片ラベル26,26同士の境界部に対応する領域に配置された連結片36と、各単片ラベル26の中央部に対応する領域に配置された分離片37とが切り離し可能に連接されてなる。連結片36は使用時まで単片ラベル26,26同士を繋ぎ止めておく役割を果たすとともに、使用時に剥がし取られるとラベル20の粘着層23が露出し、露出した粘着層23は被着体に貼り付けるための接着部として機能する。一方、分離片37は被着体に貼り付けられたラベル20を廃棄する際に、ラベル20の情報欄と一緒に剥がし取られる部分である。
【0032】
ここで、ラベル切取線24から第1の幅方向切取線34までの長さL1と、ラベル切取線24から第2の幅方向切取線35までの長さL2は、どちらも2〜10mm程度に設定されているのが好ましい。この長さが2mmよりも短いと連結片36の占める領域が狭くなり、連結片36を剥離した後の粘着層23の接着力が弱すぎてラベル貼付時に脱落の原因となるからである。逆に10mmよりも長いと連結片36の占める領域が広くなってラベル貼付時の接着力は増すが、連結片36に相当するラベル部分は被着体に貼り付けた後で剥がせない部分であり、この部分に相当するラベル境界部に印字された個人情報が剥がせずに残ってしまうので好ましくない。
【0033】
以上が本発明のラベルシートの構成であり、次に、このラベルシートの使用方法を説明する。
【0034】
図5は、単片ラベルとしての使用方法を示す説明図である。
【0035】
上記のように構成されたラベルシート10によれば、ラベル20の使用形態として、1枚ずつ切り離した単片ラベル26として使用することができる。
【0036】
単片ラベル26として使用する場合には、まず図5(a)に示すように、印字後のラベルシート10をプリンタから所定量引き出し、裏面の剥離紙30について連結片36を剥がし取る。ここで、ラベルシート先端の連結片36は、アンカットのないスリットからなる第2の幅方向切取線35によって分離片37に連接されているので、このスリットに従って連結片36を分離片37から切り離して剥がし取ることができる。
【0037】
次に、同図(b)に示すように、単片ラベル26を被着体40に貼付する。単片ラベル26,26同士の境界部にはラウンドコーナー25が形成されているので、このラウンドコーナー25を指でつまんでラベル切取線24を切断し、ラベルシート10から単片ラベル26を1枚だけ切り離す。
【0038】
そして、切り離した単片ラベル26は、裏面に分離片37を残したままの状態で上下両端部に露出した粘着層23によって被着体40に貼り付けることができる。また、単片ラベル26を被着体40に貼付する時には、ラベル裏面に残された分離片37の部分を掴んで取り扱うことができる。このため、粘着層23が手にくっつくというトラブルも起こらず、取り扱いやすい。
【0039】
さらに、同図(c)に示すように、単片ラベル26を部分的に剥がし取って廃棄することにより、ラベル表面の情報欄28に印字された個人情報Aの漏洩を防止できるようになっている。すなわち、単片ラベル26よりも外側にはみ出した分離片37を指でつまみ、これを図のように幅方向に沿って引き剥がしていけばよい。
【0040】
これにより、単片ラベル26の上下両端部は裏面の粘着層23によって被着体40に接着されたまま残るが、単片ラベル26の中央部にある情報欄28が破られ、裏面の分離片37と一緒に被着体40から剥がし取られる。また、単片ラベル26の中央部は被着体40に貼り付いていないので、被着体40から軽い力で剥がし取ることができる。したがって、単片ラベル26の情報欄28に印字されている個人情報Aの廃棄処理を簡単な作業で行うことができる。
【0041】
図6は、連続ラベルとしての使用方法を示す説明図である。
【0042】
上記のように構成されたラベルシート10によれば、ラベル20の使用形態として、単片ラベル26を複数枚繋げて連続ラベル27として使用することもできる。
【0043】
連続ラベル27として使用する場合には、まず図6(a)に示すように、印字後のラベルシート10をプリンタから所定量引き出し、ラベル切取線24を切断しながら第1の幅方向切取線34のスリットで連続ラベル27をラベルシート10から分離する。また、分離した連続ラベル27について、2箇所の連結片36,36を第1の幅方向切取線34と第2の幅方向切取線35のスリットに従って剥がし取る。
【0044】
次に、同図(b)に示すように、連続ラベル27を被着体40に貼付する。上記のようにして連結片36,36を剥がし取った連続ラベル27は、裏面に分離片37,37を2枚分残したままの状態で中央部と上下両端部に露出した粘着層23によって被着体40に貼り付けることができる。なお、連続ラベル27を被着体40に貼付する時には、ラベル裏面に残された分離片37の部分を掴んで取り扱うことができる。このため、粘着層23が手にくっついたり、あるいは繋がっている単片ラベル26,26同士がくっついたりといったトラブルが起こらず、取り扱いやすい。
【0045】
さらに、同図(c)に示すように、連続ラベル27を部分的に剥がし取って廃棄することにより、ラベル表面の情報欄28に印字された個人情報A,Bの漏洩を防止できるようになっている。すなわち、各単片ラベル26よりも外側にはみ出した分離片37を指でつまみ、これらを図のように幅方向に沿って引き剥がしていけばよい。
【0046】
これにより、連続ラベル27の上下両端部と中央部は裏面の粘着層23によって被着体40に接着されたまま残るが、各単片ラベル26の中央部にある情報欄28はそれぞれ破られて、裏面の分離片37と一緒に被着体40から剥がし取られる。なお、各単片ラベル26の中央部は被着体40に貼り付いていないので、被着体40から軽い力で剥がし取ることができる。したがって、各単片ラベル26の情報欄28に印字されている個人情報のA,Bの廃棄処理を簡単な作業で行うことができる。
【0047】
図7は、本発明のラベルシートの他の構成例を示す図である。
【0048】
本発明については、次のような構成を採用することも可能である。まず図7(a)に示すラベルシート10aは、ラベル20の幅方向両端部をカス上げ処理することによって、剥離紙30の幅方向両端部に剥離紙30のみからなる部分が設けられており、第1の幅方向切取線34と第2の幅方向切取線35の両方について、剥離紙30のみからなる部分に限定してアンカット34b,35bが形成されている。その他の構成は上述したラベルシート10と同様である。
【0049】
このように構成されたラベルシート10aによれば、剥離紙30の幅方向両端部はアンカット34b,35bで繋がっていて折れ曲がりにくくなっているので、プリンタを使用してラベル20に印字する際に円滑な走行性を維持できるという効果がある。なお、アンカット34b,35bは第1の幅方向切取線34と第2の幅方向切取線35のいずれか一方にのみ形成されていてもよい。
【0050】
また、第1の幅方向切取線34と第2の幅方向切取線35のいずれか一方または双方について、カットとアンカットを交互に配置したミシン目で構成してもよい。第1の幅方向切取線34と第2の幅方向切取線35の両方がスリットで構成されている場合、単片ラベル26を剥がす時に関係ない方の切取線を誤って切り取ってしまうことも考えられる。そこで、図7(b)に示すラベルシート10bは、単片ラベル26を剥がす際に第1の幅方向切取線34に近い方のコーナーから剥がすことを条件にして、第1の幅方向切取線34をアンカットのない連続したスリットで構成し、第2の幅方向切取線35はカット35aとアンカット35bを交互に配置したミシン目で構成して切り取りにくくしてある。
【0051】
このように構成されたラベルシート10bによれば、搬送方向後端側にある第2の幅方向切取線35がアンカット35bで繋がっているので、単片ラベル26を剥がす際に誤って第2の幅方向切取線35を切り取ってしまうことがなく、ラベルシート側の端部に連結片36を確実に残しておくことができる。
【0052】
さらに、図7(c)に示すように、第2の幅方向切取線35だけでなく、第1の幅方向切取線34についてもカット34aとアンカット34bを交互に配置したミシン目で構成してもよい。
【0053】
このように構成されたラベルシート10cによれば、剥離紙30にある切取線はすべてアンカット34b,35bの部分で繋がっているので、プリンタを使用してラベル20に印字する際に剥離紙30がめくれ上がることがなく、より円滑な走行性を確保できる点で有利である。なお、切取線をミシン目にする場合、アンカットの幅が広すぎると単片ラベル26を剥がしづらくなるので、アンカットの幅W3は0.5mm以下に設定するのが好ましい。
【0054】
以上説明したように、本発明によれば、被着体40に貼り付けた単片ラベル26や連続ラベル27を部分的に剥がし取って廃棄することでラベル表面に印字された情報の漏洩を防止できるようになっているが、被着体40に貼り付けた単片ラベル26や連続ラベル27を廃棄する必要がない場合には、連結片36だけでなく分離片37も一緒に剥離して全面貼り付けによって使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明のラベルシートをハンディターミナルプリンタ用のロール紙に適用した例を示す図で、(a)はラベルシートを表側から見た図、(b)はラベルシートを裏側から見た図である。
【図2】本発明のラベルシートの断面構造を示す図で、(a)は図1のa−a線断面図、(b)は図1のb−b線断面図である。
【図3】本発明のラベルシートをラベル側から見た部分拡大図である。
【図4】本発明のラベルシートを剥離紙側から見た部分拡大図である。
【図5】単片ラベルとしての使用方法を示す説明図で、(a)はラベルシートから連結片を剥がす時の状態、(b)は被着体に単片ラベルを貼付した時の状態、(c)は単片ラベルから情報欄を剥がし取る時の状態を示す図である。
【図6】連続ラベルとしての使用方法を示す説明図で、(a)はラベルシートから連結片を剥がす時の状態、(b)は被着体に連続ラベルを貼付した時の状態、(c)は連続ラベルから情報欄を剥がし取る時の状態を示す図である。
【図7】本発明のラベルシートの他の構成例を示す図である。
【図8】従来のラベルシートを示す図で、(a)はラベルシートの全体構造を示す図、(b)は被着体に貼付したラベルを剥がし取る時の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10、10a、10b、10c ラベルシート
20 ラベル
21 ラベル基材
22 サーマル層
23 粘着層
24 ラベル切取線
24a スリット
24b アンカット
25 ラウンドコーナー
26 単片ラベル
27 連続ラベル
28 情報欄
30 剥離紙
31 基材
32 剥離層
33 タイミングマーク
34 第1の幅方向切取線
34a カット
34b アンカット
35 第2の幅方向切取線
35a カット
35b アンカット
36 連結片
37 分離片
40 被着体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺のラベルに長尺の剥離紙が剥離可能に貼り合わされたラベルシートであって、
上記ラベルは、長手方向に所定間隔で設定されたラベル切取線を介して複数の単片ラベルが切り離し可能に連接されてなり、
上記剥離紙は、上記ラベル切取線よりも搬送方向先端側に設定された第1の幅方向切取線と上記ラベル切取線よりも搬送方向後端側に設定された第2の幅方向切取線を介して、上記単片ラベル同士の境界部に配置された連結片と上記各単片ラベルの中央部に配置された分離片が切り離し可能に連接されてなる
ことを特徴とするラベルシート。
【請求項2】
上記第1の幅方向切取線と上記第2の幅方向切取線が共にアンカットのない連続したスリットで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のラベルシート。
【請求項3】
上記剥離紙の幅方向端部に剥離紙のみからなる部分が設けられており、上記第1の幅方向切取線と上記第2の幅方向切取線のいずれか一方または双方について上記剥離紙のみからなる部分にアンカットが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラベルシート。
【請求項4】
上記第1の幅方向切取線と上記第2の幅方向切取線のいずれか一方または双方がカットとアンカットを交互に配置したミシン目で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のラベルシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−197214(P2008−197214A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30210(P2007−30210)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000186566)小林クリエイト株式会社 (169)