説明

ラベル供給装置

【課題】ロールラベル2を多量にストックすることを可能にする。
【解決手段】ロールラベル供給手段4は、ロールラベル2を載置した台座8(実台座10)を複数段ストック可能な実台座ストッカ24と、空になった台座8(空台座12)をストック可能な空台座ストッカ30と、昇降可能であり、かつ、回転することによりロールラベル2を繰り出してラベラに供給する繰り出し用のリフタ22と、これら各ストッカ24、30およびリフタ22が設けられている繰り出しポジションAの間で台座8を搬送する搬送コンベヤ14を備えている。このロールラベル供給手段4を2列平行に配置して、交互にロールラベル2を繰り出し、各ロールラベル供給手段4に空台座12の排出および実台座10の補充を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻かれたラベルを繰り出してラベラに供給するロールラベル供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロールラベル供給装置は、ロールラベルを繰り出してラベラに供給し、一巻のロールラベルが終了する時点で、この使用中のロールラベルの近くにストックしておいた予備のロールラベルの先端を、前記使用中のロールラベルの末端に接続して連続的にラベラに供給するようにしている。このように使用中のロールラベルの近くに予備のロールラベルをストックしておき、連続的に供給できるようにしたロールラベル供給装置はすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に記載された発明は、台車ステーションに、ウエブロール(本発明のロールラベルに相当する)を嵌合した台座ディスクを段積みにした実台車と、空の台車をセットし、ロボットによって、自動接合装置の複数のアンコイラー軸に交互に実台座ディスクを供給し、かつ、供給の終了した台座ディスクをアンコイラー軸から取り外して自動的に空の台車に段積みするようになっている。そして、実台車に段積みされた台座ディスクが無くなると、台座ディスクが段積みされた次の台車を、作業者が前記台座ステーションにセットするようにしている。
【特許文献1】特開2005−145708号公報(第5−6頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載された従来のロールラベル供給装置の構成では、台車ステーションに、ストックする台座ディスク(ロールラベル)を載せた台車を1台セットする構成なので、ストックできるロールラベルの量が少ないため、作業者が頻繁に補給をしなければならず、作業効率が悪いという問題があった。また、ロボットを使用しているので、安全を確保するためにロボットの旋回範囲を柵やシュラウドで囲む必要があり、装置の設置面積が大きくなるという問題があった。さらに、ロボットの制御が複雑でコスト高であるという問題もあった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、コンパクトで、しかもロボットを使わない単純な構成にするとともに、多量のロールラベルをストックすることができるロールラベル供給装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、台座上に載置されたロールラベルを搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤ上のロールラベルを搬送コンベヤから持ち上げ、かつ、回転させるリフタと、このリフタの上流側に配置され、ロールラベルを載置した実台座を複数段ストック可能な実台座ストッカと、ロールラベルを繰り出した後の空台座を複数段ストック可能な空台座ストッカとを備えたロールラベル供給手段を、並列に少なくとも2セット配置し、これら複数のリフタに支持されているロールラベルを、交互に下流のラベラに繰り出すことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のロールラベル供給装置は、搬送コンベヤと、リフタと、台座に載置されたロールラベルを複数段ストック可能な実台座ストッカおよび空の台座を複数段ストック可能な台座ストッカとを備えたロールラベル供給手段を、少なくとも2セット配置したので、多量のロールラベルをストックすることができ、人手による補給回数を少なくすることができる。また、ロボットを使用せず簡単な構造の装置でロールラベルを供給することができ、しかも、設置スペースをコンパクトにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
台座上に載せられたロールラベルを搬送するコンベヤと、この搬送コンベヤの下流部に設けられ、前記ロールラベルを搬送コンベヤ上から持ち上げ、かつ、回転させてロールラベルを繰り出すリフタと、このリフタよりも上流側に配置され、前記実台座を複数段ストック可能な実台座ストッカ、およびロールラベルが繰り出された後の空台座を複数段ストック可能な空台座ストッカとを備えたロールラベル供給手段を、並列に複数セット配置し、複数のリフタに支持されているロールラベルを、下流側に配置されたラベラに交互に繰り出すようにしたことにより、ロールラベルのストック量を多くして、補給回数を少なくするという目的を達成する。
【実施例1】
【0009】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係るロールラベル供給装置の平面図、図2はその側面図である。図1の左端は、使用中のロールラベル2の末端部と新規に供給するロールラベル2の先端部とを自動的に接続するオートスプライスポジションSである。この実施例に係る装置では、並列に配置された2セットのロールラベル供給手段4、4を備えており、両ラベル供給手段4から、ロールラベル2がこのオートスプライスポジションSに交互に供給される。
【0010】
このロールラベル供給装置では、ロールラベル2は、後に説明する図7に示すように、円筒状の紙管6に巻き付けられており、円筒状のハブ部8aとその上部外周に固定されたプレート部8bを有する台座8上に載置された状態で搬送される。紙管6の内周面とハブ部8aの外周面とがほぼ同じ径を有しており、ハブ部8aのプレート部8bよりも上部がロールラベルの紙管6内に嵌合する。また、ハブ部8aの下部の外周面には、前記紙管6内に下方側から嵌合する上部と同径の部分が形成されており、台座8に乗せられたロールラベル2、またはロールラベル2が消費されて空になった紙管6だけを載せた台座8を複数段積み重ねて支持する際には、ハブ部8aの前記下部側が下方のロールラベル2の紙管6内に上方から嵌合する。
【0011】
並列に配置された2セットのロールラベル供給手段4、4は、同一の構成を有しており、ロールラベル2を交互に供給するようになっている。前記オートスプライスポジションSに最も近い位置が、ロールラベル2の繰り出しポジションA、その上流側(図1および図2のの右側)の位置が、実台座10(ロールラベル2を載置した状態の台座8)をストックする実台座ストックポジションB、最も上流側の位置が、空台座12(図4に示すようにロールラベル2が繰り出されて空になった台座8)をストックする空台座ストックポジションCであり、これら3箇所のポジションA、B、Cに渡って搬送コンベヤ14が設置され、空台座ストックポジションCとロールラベル繰り出しポジションAとの間で、実台座10および空台座12を往復搬送することができる。
【0012】
前記搬送コンベヤ14は、2セットのロールラベル供給手段4、4にそれぞれ設けられており、下流端と上流端の両側に配置されたスプロケット16、18にそれぞれ掛け回された一対のチェーン20を備えている。
【0013】
ロールラベル2の繰り出しポジションAには、リフタ22が設置されており、搬送コンベヤ14上に載せられて搬送されてきた台座8(実台座10)を、搬送コンベヤ14から上方へ持ち上げることができる。また、持ち上げた位置でロールラベル2を繰り出すために回転することができる。このリフタ22が昇降および回転する構造については後に説明する。
【0014】
実台座ストックポジションBには実台座ストッカ24が設けられている。実台座ストッカ24は、搬送コンベヤ14上の台座8を上方へ押し上げる押し上げ手段26と、搬送コンベヤ14の上方で、押し上げ手段26によって押し上げられた台座8を保持可能な保持手段28とを備えている。この実施例では、保持手段28は、開閉する爪28aからなっており、爪28aを閉じたときに台座8のプレート部8bの外周を下面側から支持するようになっている。前記繰り出しポジションAのリフタ22は、台座8を昇降させるとともに、回転させることができるようになっているが、この押し上げ手段24は、昇降だけを行い回転はしない。
【0015】
また、空台座ストックポジションCには空台座ストッカ30が設けられている。この空台座ストッカ30は、前記実台座ストッカ24と同一の構成であり、搬送コンベヤ14上の台座8を上方へ押し上げる押し上げ手段32と、搬送コンベヤ14の上方で、押し上げ手段32によって押し上げられた台座8を保持可能な保持手段34とを備えている。この保持手段34も開閉する爪34aを備えており、また、押し上げ手段30も、昇降だけを行い回転はしない。
【0016】
前記各ロールラベル供給手段4内では、台座8上にロールラベル2が載せられた実台座10とロールラベル2が消費された後の空台座12が、搬送コンベヤ14により移動されるようになっており、空台座ストックポジションCから繰り出しポジションAや実台座ポジションBに実台座10を搬送し、また、実台座ポジションBから繰り出しポジションAに実台座10を搬送する。さらに、繰り出しポジションAでロールラベル2が繰り出されて消費された空台座12を空台座ストックポジションCに搬送する。このようにして繰り出しポジションAに搬送され、実台座10のロールラベル2がすべて消費された空台座12が空台座ストックポジションCに蓄積されると、作業者36がリフタ付きの作業台車38で空台座ストックポジションCから空台座12を排出し、その後、実台座10の補充を行う。
【0017】
次に、図7〜図9により、繰り出しポジションAに配置されたリフタ22の構成について説明する。前記オートスプライスポジションS側のフレーム40に、直立したボールねじ42が回転可能に支持され、このボールねじ42にナット44が螺合している。このナット44には、水平な支持プレート46が固定され、この支持プレート46上に前記ロールラベル2を押し上げる押し上げプレート48や、ロールラベル2を保持して回転させる回転ドラム66等が取り付けられており、前記ボールねじ42が回転すると、回転を規制されたナット44と、このナット44に取り付けられた押し上げプレート48や回転ドラム66がその位置で昇降する。
【0018】
直立したボールねじ42に隣接して昇降用モータ52が下向きに取り付けられており、この昇降用モータ52の出力軸52aに小径のプーリ54が取り付けられている。このプーリ54と前記ボールねじ42の下端に取り付けたプーリ56との間にベルト58が掛け回されており、この昇降用モータ52の駆動をプーリ54、ベルト58およびプーリ56を介して伝達してボールねじ42を回転させることによりナット44および支持プレート46を昇降させる。
【0019】
支持プレート46の上面に筒体60が直立して固定されている。この固定筒体60の外周側に上下のベアリング62を介して筒体64が回転自在に支持されている。この回転筒体64の上端に前記回転ドラム66が取り付けられている。また、回転筒体64の外面の中央部付近に前記押し上げプレート48が取り付けられている。この押し上げプレート48の外周部が、前記台座8のハブ部8aの下面側に係合して、台座8を押し上げるようになっている。さらに、回転筒体64の下端外周に、上下の連結ピン68を介して前記押し上げプレート48に連結された大径のプーリ70が嵌合しており、後に説明するように、回転用モータ72の駆動力がこの大径プーリ70に伝達されると、回転筒体64、押し上げプレート48および上方の回転ドラム66が一体的に回転する。
【0020】
前記支持プレート46の固定筒体60が固定されている位置の下面側に、筒体74が前記固定筒体60と軸線を一致させて固定されている。この下方筒体74と上方の固定筒体60内の軸心を貫通する昇降ロッド76が、それぞれボールベアリング78およびスライドブッシュ80を介して回転自在に支持されている。下方筒体74の下面側には、シリンダ(クランプ用シリンダ82)が取り付けられており、昇降ロッド76は、このクランプ用シリンダ82に連結されて昇降される。
【0021】
昇降ロッド76の上端には、2枚の水平な円形プレート84、84が間隔をあけて取り付けられており、これら両円形プレート84、84間に複数のローラ86が移動可能に挟持されている。これら各ローラ86には、く字状のリンク88の一端(回転ドラム66の半径方向内方側端部)が連結されている。各く字状のリンク88の中間部が、回転ドラム66の天面66aと底面66bとの間に固定した直立支柱90に、水平な支点ピン88aを介して回転可能に支持されている。従って、昇降ロッド76が昇降すると、2枚の水平プレート84、84間に挟持されているローラ86が昇降して、く字状のリンク88が前記直立支柱90の支点ピン88aを中心に回動する。昇降ロッド76およびローラ86が下降しているときには、く字状リンク88の他端(回転ドラム66の半径方向外方側の端部)が上方へ回動し、昇降ロッド76およびローラ86が上昇しているときには、く字状リンク88の他端が下方へ回動する。
【0022】
く字状リンク88の他端は鉛直方向を向いた取付部材92に連結され、さらに、この鉛直な取付部材92と前記直立支柱90との間に、く字状リンク88と平行な平行リンク94が連結されている。鉛直な取付部材92の外面側には、表面が前記紙管6の内面に圧接する押圧パッド(クランプ部材)96が取り付けられている。昇降ロッド76の昇降によってく字状リンク88が回動すると、取付部材92および押圧パッド96が鉛直な状態を保ったまま上下動するとともに、回転ドラム66の半径方向に進退動する。この実施例では、昇降ロッド76およびローラ86が最も上昇したときには、く字状リンク88の外方側の部分と平行リンク94がほぼ水平状態になり、取付部材92と押圧パッド96が下方へ回動するとともに、回転ドラム66の半径方向外方側へ最も突出する(図7の左側の押圧パッド96参照)。逆に昇降ロッド76およびローラ86が最も下降したときには、取付部材92および押圧パッド96が最も上昇するとともに、回転ドラム66の半径方向内方へ最も後退する。また、押圧パッド96が最も上昇したときには、押圧パッド96の表面が回転ドラム66の円筒部66cの外面よりも僅かに内方へ後退する。一方、押圧パッド96が最も下降して外方へ突出したときには、回転ドラム66の円筒部66cの表面よりも外方へ突出する。
【0023】
回転ドラム66の円筒部66cの外径は、ロールラベル2の内周を支持している紙管6の内径よりも小さく、押圧パッド96が最も外方に突出したときには、複数の押圧パッド96の表面を結ぶ線の外径が、前記紙管6の内径よりも僅かに大きくなり、ロールラベル2の紙管6を内面側から押圧して保持することができる。なお、前記回転ドラム66は台座8のボス部8a内を貫通してロールラベル2の紙管6の内部に挿入されるようになっており、回転ドラム66の円筒部66cの外径は、ボス部8aの内径よりも小さくなっている。
【0024】
前記ナット44に取り付けられている水平な支持プレート46の下面の、下方筒体74に隣接した位置に、前記回転ドラム66および押し上げプレート48を回転させる回転用モータ72が固定されている。この回転用モータ72の出力軸72aに小径のプーリ98が取り付けられている。また、支持プレート46上の、回転用モータ72の出力軸72aおよび回転筒体64に固定された大径プーリ70に隣接した位置(図9参照)に、直立して中間軸100が固定されており、この中間軸100に大径のプーリ102が回転自在に支持されている。この大径のプーリ102と前記回転用モータ72の小径のプーリ98との間にベルト104が掛け回されている。また、中間軸100に支持された大径のプーリ102の上面に小径のプーリ16が取り付けられて一体的に回転する。前述のように回転筒体64の外面に取り付けられた押し上げプレート48に大径のプーリ70が連結されており、前記中間軸100の小径のプーリ106と回転筒体64の大径プーリ70との間にベルト108が掛け回されている。回転用モータ72の駆動により、その出力軸72aの小径のプーリ98が回転すると、ベルト104を介して中間軸100の大径プーリ102と小径プーリ106が回転し、さらにこの回転がベルト108を介して回転筒体64の大径プーリ70に伝達されて回転筒体64が回転し、押し上げプレート48および回転ドラム66が回転する。
【0025】
以上の構成に係るラベル供給装置の作動について、図1ないし図6、および繰り出しポジションAに配置されたリフタ22の構成を示す図7ないし図9により説明する。運転開始時には、作業者36が実台座10(ロールラベル2を載せて支持している台座8)を複数個(この実施例では6個)積み重ねた状態で作業台車38に乗せて、空台座ストックポジションCに供給する。このときには、先ず、実台座10を載せた作業台車38を前進させて、作業台車38を保持手段34の爪34a、34aの上方に移動させる。
【0026】
次ぎに、空台座ストックポジションCの押し上げ手段32を上昇させて、一番下の段の実台座10の下面側(台座8のボス部8aの下面)を支持する。押し上げ手段32によって実台座10を支持した後、作業台車38を抜き取る。その後、押し上げ手段32を下降させてすべての実台座10を下降させ、下から2段目の実台座10が保持手段34の爪34aの高さまで下降した時点で、爪34aを閉じて2段目から上の実台座10を保持する。一番下の実台座10は、押し上げ部材32の下降により搬送コンベヤ14の搬送面上に降ろされる。
【0027】
搬送コンベヤ14を繰り出しポジションA方向へ走行させて、空台座ストックポジションCに供給された時点で一番下に位置していた実台座10を、繰り出しポジションAまで移動させる。繰り出しポジションAに実台座10が供給される時点では、繰り出しポジションAのリフタ22は、ボールねじ42の回転によってナット44および支持プレート46を下降させておき、回転ドラム66が搬送コンベヤ14のチェーン20上に載っている台座8のボス部8aに干渉しない高さに退避させておく(図7に示す状態)。また、昇降ロッド76を下降させてく字状のリンク88の外方端を上方に向けて回動させ、押圧パッド96を回転ドラム66の円筒部66cの内側へ後退させておく(図7の右側に示す押圧パッド96参照)。
【0028】
この状態で昇降用モータ52を作動させてボールねじ42を回転させ、ナット44および支持プレート46を上昇させる。すると支持プレート46上に支持されている回転ドラム66および押し上げプレート48が上昇する。回転ドラム66は、押圧パッド96が円筒部66cの内部側に後退しているので、台座8のハブ部8a内を通過して、台座8上に載っているロールラベル2の紙管6内に挿入される。また、回転ドラム66と一体的に上昇した下方の押し上げプレート48が台座8のハブ部8a下面に当たり、ナット44および支持プレート46の上昇とともに、台座8上のロールラベル2を持ち上げてチェーン20の上方に移動させる。
【0029】
その後、クランプ用シリンダ82を作動させて、昇降ロッド76を上昇させる。押し上げプレート48によって台座8および台座8に乗せられているロールラベル2を持ち上げた時点では、昇降ロッド76が回転ドラム66に対して下降しており、ローラ86が下方位置にあるので、く字状リンク88の外側の端部が上方を向いて、押圧パッド96が回転ドラム66の円筒部66cの内部に位置していたが(図8の右側の押圧パッド96参照)、昇降ロッド76が上昇すると、ローラ86もともに上昇し、く字状リンク88の外方側の端部が下方へ向けて回動して、平行リンク94とともに押圧パッド96を回転ドラム66の円筒部66c外周面よりも外側に突出させ(図8の左側の押圧パッド96参照)、ロールラベル2の紙管6の内面に圧接させる。
【0030】
台座8に乗せられたロールラベル2の紙管6を、回転ドラム66の押圧パッド96によって内面側から押圧することにより、ロールラベル2を確実に保持した状態で、回転用モータ72を駆動する。回転用モータ72の駆動により、その出力軸72aのプーリ98が回転し、その回転が、ベルト104、中間軸100の大径プーリ102、その上方に固定されている小径プーリ106およびベルト108を介して、回転筒体64の大径プーリ70に回転を伝達する。この大径プーリ70は回転筒体64および押し上げプレート48と一体になっており、さらに、回転ドラム66も一体の構成なので、押し上げプレート48および回転ドラム66が一体として回転する。押し上げプレート48と回転ドラム66が回転することにより、台座8に乗せられているロールラベル2が回転され、ロールラベル2が繰り出されて図示しないラベラに供給される。なお、この実施例に係る装置では、ロールラベル供給手段4、4が2セット設けられており、その内の一方の繰り出しポジションAにあるロールラベル2が繰り出され、他方のロールラベル2は、繰り出されている前記ロールラベル2がすべて消費されるまで待機している。
【0031】
前述のように、6段の実台座10が空台座ストックポジションCに供給された後(図2参照)、その最も下方の実台座10を、押し上げ手段32の昇降によって搬送コンベヤ14に受け渡して、ロールラベル繰り出しポジションAに供給した。続いて、空台座ストックポジションCの押し上げ手段32を再度上昇させて5段の実台座10を支持させるとともに保持手段34の爪34aを開放し、押し上げ手段32を下降させる。押し上げ手段32の下降によって、下から2段目(空台座ストックポジションCに供給された時点では下から3段目)の実台座10が保持手段34の爪34aの高さに到達した所で、これらの爪34aを閉じて下から2段目の実台座10を保持させる。その後、さらに押し上げ手段32を下降させて支持していた実台座10を搬送コンベヤ14に受け渡す。
【0032】
前記実台座10を受け取った搬送コンベヤ14を走行させて、その実台座10を今回は実台座ストックポジションBまで搬送する。このポジションBに実台座10が搬送されてくる時点では、実台座ストックポジションBに設けられている実台座ストッカ24の押し上げ手段26を搬送コンベヤ14の搬送面よりも下方へ下降させておく。搬送コンベヤ14が停止した後押し上げ手段26を上昇させ搬送コンベヤ14上の実台座10を持ち上げる。そこで上方の保持手段28の爪28aを閉じることによってこの実台座10を保持させる。空台座ストッカ30、実台座ストッカ24および搬送コンベヤ14の作動により前記動作を繰り返して、空台座ストックポジションCに供給された残りの実台座10を実台座ストックポジションBに順次移動させてストックする(図3の状態)。
【0033】
2箇所の繰り出しポジションA、Aに供給された実台座10のロールラベル2は、先ず、一方の繰り出しポジションAのロールラベル2が繰り出されて消費される。このロールラベル2がすべて繰り出されて末端に来ると、他方の繰り出しポジションAに予備として待機していたロールラベル2の先端とオートスプライスポジションSで前記ロールラベル2の末端とが接続されて、今度はこのロールラベル2が繰り出されて消費される。
【0034】
一方の繰り出しポジションAのロールラベル2がすべて繰り出されて消費され、続いて他方の繰り出しポジションAのロールラベル2が繰り出されている間に、先に消費されて空になった台座8を移動させて空台座ストックポジションCに蓄積する。この場合には、先ず、クランプ用シリンダ82の作動によって昇降ロッド76を下降させてローラ86を引き下げ、く字状リンク88の外側端部を上方へ回動させることにより、平行リンク94とともに支持している押圧パッド96を回転ドラム66の内部に後退させる。押圧パッド96が回転ドラム66の内部に後退したことにより回転ドラム66とロールラベル2の紙管6との係合が外れ、台座8が押し上げプレート48だけによって支持された状態になる。この状態で昇降用モータ52を駆動してその出力軸52aのプーリ54を回転させ、ベルト58およびボールねじ42のプーリ56を介してボールねじ42を回転させて、ナット44および支持プレート46を下降させ、押し上げプレート48を下降させる。押し上げプレート48の下降により、空台座12(台座8と紙管6)が下降し台座8のプレート部8bが搬送コンベヤ14のチェーン20上に載ると、空台座12の下降は停止し、その後、回転ドラム66が台座8のハブ部8a内から抜け出すまで下降する(図7に示す状態になる)。
【0035】
空台座12を受け取った搬送コンベヤ14を逆方向(図2〜図6の右方向)へ走行させて、空台座12を空台座ストックポジションCに移動させる。その後、空になった繰り出しポジションAに実台座ストックポジションBから次の実台座10を供給し、ロールラベル2の先端を自動もしくは手動により、オートスプライスポジションSの待機位置にセットする。このように実台座10と空台座12を順次移動させることにより、空台座ストックポジションCには空台座12が次第に蓄積され、実台座ストックポジションBでは実台座10が次第に減少する(図4参照)。さらにこの動作が繰り返されると、最後の1個(6個目)の実台座10が繰り出しポジションAに供給された時点で、実台座ストックポジションBは空になり、空台座ストックポジションCには5個の空台座12が蓄積される(図5参照)。
【0036】
繰り出しポジションAに1個の実台座10が残っている間に、空台座ストックポジションCに蓄積された空台座12を排出して、次の実台座10を供給する。このときも、作業者36が作業台車38に空台座12を載せて排出した後、再度6個の実台座10を、空台座ストックポジションCに供給する。そして、前回と同様に、空台座ストックポジションCから実台座10を1個ずつ実台座ストックポジションBへ移していく。なお、この実施例では、1個の実台座10だけが繰り出しポジションAに残り、他の実台座10(この実施例では5個の実台座10)をすべて使用した後に、空台座12の排出および次の実台座10の供給を行ったが、必ずしも5個のロールラベル2をすべて消費した時点で、次の実台座10を排出する空台座12の同数だけ供給するものとは限らず、例えば、空台座ストックポジションCに3個の空台座12が蓄積され、実台座ストックポジションCに2個の実台座10が残っている段階で、3個の空台座12を排出し、4個の実台座10を補充するようにしても良い(図6はこのように追加供給する場合の一例を示す図である)。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ラベル供給装置の平面図である。(実施例1)
【図2】前記ラベル供給装置の側面図であり、作動の第1段階を示す。
【図3】前記ラベル供給装置の作動を説明する図であり、図2の次の段階を示す。
【図4】前記ラベル供給装置の作動を説明する図であり、図3の次の段階を示す。
【図5】前記ラベル供給装置の作動を説明する図であり、図4の次の段階を示す。
【図6】前記ラベル供給装置の作動を説明する図であり、その他の作動の一例を示す。
【図7】繰り出しポジションに設置されたリフタの縦断面図である。
【図8】繰り出しポジションに設置されたリフタの、実台座を持ち上げた状態を示す縦断面図である。
【図9】繰り出しポジションに設置されたリフタの平面図である。
【符号の説明】
【0038】
2 ロールラベル
4 ロールラベル供給手段
8 台座
10 実台座
12 空台座
14 搬送コンベヤ
22 リフタ
24 実台座ストッカ
30 空台座ストッカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座上に載置されたロールラベルを搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤ上のロールラベルを搬送コンベヤから持ち上げ、かつ、回転させるリフタと、このリフタの上流側に配置され、ロールラベルを載置した実台座を複数段ストック可能な実台座ストッカと、ロールラベルを繰り出した後の空台座を複数段ストック可能な空台座ストッカとを備えたロールラベル供給手段を、並列に少なくとも2セット配置し、
これら複数のリフタに支持されているロールラベルを、交互に下流のラベラに繰り出すことを特徴とするラベル供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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