説明

ラベル用スタンド

【課題】 取付け個所より高い位置にラベルを保持することができるラベル用スタンドを提供すること。
【解決手段】 係止用孔31が形成された可撓性あるラベル30を係止するラベル用スタンド20にて、支柱21と、支柱21の頂部22aに形成されたフック24と、支柱21のフック24の先端に対向する部分に孔25が形成され、フック24の先端と支柱21との間隔がラベル30の厚さよりも狭く形成され、係止用孔31がフック24に係止可能であること。さらに、フック24に係止したラベル30の裏面に接する凸部(26a、26b等)が支柱21に形成され、凸部(26a、26b等)がフック24の先端をフック24に係止したラベル30の係止用孔31から突出させること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗の育成容器等に使用するラベル用スタンドに関し、特に、簡単な構造で容易にラベルを着脱できる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
苗の育成容器において、容器本体の側壁部の上端部に設けられた鍔部に孔が形成され、この孔に前記苗に関する情報の表示用のラベルの下部が差し込まれているものがある。この場合、ラベルは、その下部の両側に上方に開口する切欠が設けられているので、前記孔からラベルの下部を引き抜く場合に、前記切欠が前記孔の縁に引っ掛かるため、前記孔からラベルが抜け落ちにくくなっている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】実開平7−7372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の従来例では、表示用のラベルの下部が直接容器本体の側壁部の上端部に設けられた鍔部の孔に差し込まれているので、ラベルの高さに限度がある。このため、容器本体内に丈の高い苗等を植えた場合に、ラベルが苗等の影に隠れてしまって、ラベルを視認することが困難になるという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、容器本体等の取付け個所より高い位置にラベルを保持することができるラベル用スタンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、係止用孔が形成された可撓性あるラベルを係止するラベル用スタンドであって、支柱と、この支柱の頂部に形成されたフックと、前記支柱の前記フックの先端に対向する部分に孔または凹部が形成され、前記フックの先端と前記支柱との間隔が前記係止用孔が形成された可撓性あるラベルの厚さよりも狭く形成され、前記可撓性あるラベルの係止用孔が前記フックに係止可能であることを特徴とするラベル用スタンドである。
これにより、ラベル用スタンドの支柱の頂部に形成されたフックの先端に対向する支柱部分に孔または凹部が形成され、前記フックの先端と前記支柱との間隔(前記孔または凹部がないとした場合のフックの先端に対向する支柱の位置とフックの先端との間隔)が前記フックに係止可能な係止用孔が形成された可撓性あるラベルの厚さよりも狭く形成されているので、外力により撓んだ前記ラベルが前記フックの先端と前記孔または凹部との間を通過して前記ラベルの係止用孔がフックに係止される。そして、前記係止されたラベルが前記ラベルに加えられる外力のない状態でフックの先端と支柱との間を通過してフックから外れることがないが、前記係止したラベルに外力を加えると前記ラベルの可撓性により前記係止したラベルをフックから外すことができる。
【0005】
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1に記載したラベル用スタンドであって、前記フックに係止した前記可撓性あるラベルの裏面に接する凸部が前記支柱に形成され、この凸部が前記フックの先端を前記フックに係止した前記可撓性あるラベルの係止用孔から突出させるものであることを特徴とするラベル用スタンドである。
これにより、前記フックに係止した前記可撓性あるラベルの裏面に接する支柱の凸部が前記フックの先端を前記フックに係止した前記可撓性あるラベルの係止用孔から突出させるので、フックにより前記ラベルを一層確実に係止することができる。
【0006】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項2に記載したラベル用スタンドであって、前記凸部が前記フックの先端に対向する支柱の位置の上側(支柱の頂部側)と下側(支柱の基部側)に形成され、上側の凸部と下側の凸部とを連結し前記支柱側に湾曲した湾曲部が形成されていることを特徴とするラベル用スタンドである。
これにより、支柱の上側の凸部と下側の凸部とを連結し支柱側に湾曲した湾曲部に沿って湾曲したラベルをフックの先端と前記支柱の孔または凹部との間を通過させてフックに係止することが容易になる。
【0007】
さらに、請求項4記載の発明は、請求項1から3までのいずれかに記載したラベル用スタンドであって、前記支柱の基部に取付部が形成され、前記取付部に差込片が形成されていることを特徴とするラベル用スタンドである。
これにより、前記支柱の基部に形成された取付部の差込片を容器の側壁部等の取付け個所の孔等に差し込むことにより、容易にラベル用スタンドの取付部を取付け個所に取り付けることができる。
【0008】
さらに、請求項5記載の発明は、請求項4に記載したラベル用スタンドであって、前記取付部に可撓性ある爪が形成され、この可撓性ある爪が前記取付部の差込片の側部に対向していることを特徴とするラベル用スタンドである。
これにより、前記取付部に可撓性ある爪が形成され、この可撓性ある爪が前記取付部の差込片の側部に対向しているので、取付け個所に前記爪が係止する部分が形成されている場合には、一層確実にラベル用スタンドの取付部を取付け個所に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明に係わるラベル用スタンドによれば、係止用孔が形成された可撓性あるラベルをラベル用スタンドの取付け個所より高い位置に保持することができる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果とともに、ラベル用スタンドにより前記ラベルを一層確実に係止することができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果ともに、前記ラベルをラベル用スタンドのフックに係止することが容易になる。
さらに、請求項4記載の発明によれば、請求項1から3までのいずれかに記載した発明の効果とともに、ラベル用スタンドの取付部を取付け個所に取付けることができる。
さらに、請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果とともに、ラベル用スタンドの取付部を一層確実に取付け個所に取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係るラベル用スタンドの正面を示し、図2は図1のラベル用スタンドの使用状態の正面を示し、図3は図2の右側面を示し、図4は図3のラベル用スタンドのフックの近傍を拡大して示す。
【0011】
図2に示すように、ラベル用スタンド20の支柱21の基部22bに形成された取付部23は容器10の側壁部12に着脱自在に取付け可能である。そして、ラベル用スタンド20の支柱21の頂部22aに形成されたフック24に可撓性あるラベル30の係止用孔31が係止可能である。なお、図2に示すラベル30の表面32には容器10に収容される苗、切花等の種類、生産者、産地等が表示される。
【0012】
図2および図3に示すように、ラベル用スタンド20の取付け個所の一例となる容器10は、上面が開口部11となっているものであり、側壁部12の上端部が開口部11の縁となっている。側壁部12には複数の台形状の凹部12aが形成され、凹部12aの上面の孔12bおよび凹部12aの側面の一対の孔12c、12d(図2参照)が形成されている。
【0013】
図2に示す係止用孔31が形成された可撓性あるラベル30を係止するラベル用スタンド20には、図1に示すように、板状の支柱21と、この支柱21の頂部22aに形成されたフック24(フック24の基部24aが頂部22aと一体に形成されている。)と、支柱21のフック24の先端24bに対向する部分に長方形の孔25が形成されている。そして、図4に示すように、フック24の先端24bと支柱21との間隔(孔25がない場合の間隔)がラベル30の厚さ34よりも狭く形成され、ラベル30の係止用孔31がフック24に係止可能である。
なお、図1に示すように、支柱21の図示右端にはリブ21aが形成され、支柱21の図示左端にはリブ21bが形成されている。さらに、図3に示すように、支柱21の裏面(フック24が形成されている面と反対側の面)にはリブ21cが形成されている。
【0014】
図4に示すように、フック24に係止したラベル30の裏面33に接する凸部26a、26b、27a、27b(図1参照)が支柱21に形成され、凸部26a、26b、27a、27bがフック24の先端24bをフック24に係止したラベル30の係止用孔31から突出させる。
図1のフック24の図示右側において、上側の凸部26aと下側の凸部27aとを連結し支柱21側に湾曲した湾曲部28a(図4参照)が形成され、フック24の図示左側において、上側の凸部26bと下側の凸部27bとを連結し支柱21側に湾曲した湾曲部28bが形成されている。なお、凸部26aと凸部26bは同じ形状であり、凸部27aと凸部27bは同じ形状であり、湾曲部28aと湾曲部28bは同じ形状である。また、凸部27aはリブ21aの上端に形成されており、凸部27bはリブ21bの上端に形成されている。
【0015】
図1に示すように、支柱21の基部22bに取付部23が形成され、取付部23に先端が尖った差込片23aが形成されている。さらに、取付部23に可撓性ある一対の爪23b、23cが形成され、この可撓性ある一対の爪23b、23cが差込片23aの側部に対向している。
【0016】
以上の構成のラベル用スタンド20は、以下の動作をする。
(1)ラベル用スタンド20の支柱21の頂部22aに形成されたフック24の先端24bに対向する支柱21の部分に孔25が形成され、フック24の先端24bと支柱21との間隔がフック24に係止可能な係止用孔31が形成された可撓性あるラベル30の厚さ34よりも狭く形成されているので、外力により撓んだラベル30がフック24の先端24bと孔25との間を通過してラベル30の係止用孔31がフック24に係止される。そして、前記係止されたラベル30がラベル30に加えられる外力のない状態でフック24の先端24bと支柱21との間を通過してフック24から外れることがないが、係止したラベル30に外力を加えるとラベル30の可撓性により前記係止したラベル30をフック24から外すことができる。
(2)フック24に係止した可撓性あるラベル30の裏面33に接する支柱21の凸部26a、26b、27a、27bがフック24の先端24bをフック24に係止した可撓性あるラベル30の係止用孔31から突出させるので、フック24によりラベル30を一層確実に係止することができる。
(3)支柱21の上側の凸部26a、26bと下側の凸部27a、27bとを連結し支柱21側に湾曲した湾曲部28a、28bに沿って撓んだラベル30をフック24の先端24bと支柱21の孔25との間を通過させてフック24に係止することが容易になる。
(4)支柱21の基部22bに形成された取付部23の差込片23aを容器10の側壁部12の孔12bに差し込むことにより、容易にラベル用スタンド20の取付部23を側壁部12に取り付けることができる。
(5)取付部23に可撓性ある爪23b、23cが形成され、この可撓性ある爪23b、23cが取付部23の差込片23aの側部に対向しているので、図1に示すように、爪23bを孔12cに差し込み、爪23cを孔12dに差し込むことにより、一層確実にラベル用スタンド20の取付部23を容器10の側壁部12に取り付けることができる。
【0017】
なお、上記実施の形態において、支柱21の孔25が形成されているが、これに限定されず、孔25の位置に孔25の代わりに凹部(フック24の側から見て凹部となっているもの)が支柱21に形成され、撓んだ状態のラベル30がフック24の先端24bと前記凹部との間を通過できるようにしてもよい。
また、図4ではフック24の先端24bと支柱21との間隔は、ほぼない状態になっているが、これに限定されず、フック24の先端24bは若干孔25または前記孔25の代わりの凹部内に入り込んでもよい。
また、ラベル用スタンド20の取付部23の取付け個所が容器10の側壁部12になっているが、これに限定されず、取付部23の差込片23aを容器10内の育苗用土に差し込んでもよい。さらに、取付部23を容器10以外の取付け個所に取付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係るラベル用スタンドの正面図である。
【図2】図1のラベル用スタンドの使用状態の正面図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】図3のラベル用スタンドのフックの近傍を拡大して示す部分図である。
【符号の説明】
【0019】
20 スタンド
21 支柱
22a 頂部
22b 基部
23 取付部
23a 差込片
23b、23c 爪
24 フック
24b 先端
25 孔
26a、26b、27a、27b 凸部
28a、28b 湾曲部
30 ラベル
31 係止用孔
32 裏面
34 厚さ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
係止用孔が形成された可撓性あるラベルを係止するラベル用スタンドであって、
支柱と、
この支柱の頂部に形成されたフックと、
前記支柱の前記フックの先端に対向する部分に孔または凹部が形成され、
前記フックの先端と前記支柱との間隔が前記係止用孔が形成された可撓性あるラベルの厚さよりも狭く形成され、
前記可撓性あるラベルの係止用孔が前記フックに係止可能であることを特徴とするラベル用スタンド。
【請求項2】
請求項1に記載したラベル用スタンドであって、
前記フックに係止した前記可撓性あるラベルの裏面に接する凸部が前記支柱に形成され、この凸部が前記フックの先端を前記フックに係止した前記可撓性あるラベルの係止用孔から突出させるものであることを特徴とするラベル用スタンド。
【請求項3】
請求項2に記載したラベル用スタンドであって、
前記凸部が前記フックの先端に対向する支柱の位置の上側と下側に形成され、上側の凸部と下側の凸部とを連結し前記支柱側に湾曲した湾曲部が形成されていることを特徴とするラベル用スタンド。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかに記載したラベル用スタンドであって、
前記支柱の基部に取付部が形成され、
前記取付部に差込片が形成されていることを特徴とするラベル用スタンド。
【請求項5】
請求項4に記載したラベル用スタンドであって、
前記取付部に可撓性ある爪が形成され、この可撓性ある爪が前記取付部の差込片の側部に対向していることを特徴とするラベル用スタンド。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−189618(P2006−189618A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−1423(P2005−1423)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(593195875)兼弥産業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】