説明

ラベル貼付け機

【課題】多量のラベル片が消費されてしまうことを防止し、ラベル片を補給するという手間を省くことができるラベル貼付け機を提供する。
【解決手段】台紙10’をループ状に形成し、剥離部材14によって台紙10’から剥離して吸着板17に吸着されたラベル片11が貼付け位置に位置する台紙に貼付され、吸着板17によって再びラベル片を台紙10’に貼り付けられるように台紙10’を循環移動させるように構成したラベル貼付け機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラベル貼付け機に係るもので、特に、ラベル片を吸着した吸着板をピストン運動させてこのラベル片を所定の物品に貼り付けるようにしたラベル貼付け機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からのラベル貼付け機1について、図4に基づき概説する。
【0003】
図4は、ラベル貼付け機1の概略側面図であって、ラベル貼付け機1は、ラベル供給部2と、印字部3と、剥離部4と、台紙巻取り部5と、貼付け部6と、制御部7と、を有する。
【0004】
ラベル供給部2は、ラベル供給軸8を有し、ラベル連続体9をロール状に保持して、印字部3方向にラベル連続体9を帯状に繰り出し可能とする。ラベル連続体9は、帯状の台紙10と、台紙10上に仮着した複数枚のラベル片11と、を有する。印字部3は、サーマルヘッド12およびプラテンローラー13を有し、プラテンローラー13を回転駆動してラベル連続体9を移送するとともに、サーマルヘッド12に所定の印字情報信号を供給することによりラベル片11に印字する。
【0005】
剥離部4は、転向ピン14を有し、転向ピン14の部分でラベル連続体9の台紙10のみを転向させ、台紙10からラベル片11を剥離し、貼付け部6方向に送り出す。
【0006】
台紙巻取り部5は、台紙巻取り軸15を有し、転向ピン14で転向した台紙10をロール状に巻き取る。
【0007】
貼付け部6は、貼付けシリンダー16と、吸着板17と、を有する。貼付けシリンダー16は、吸着板17を取り付けられており、吸着板17を接離可能とし、吸着板17がコンベアC上の物品Mに当接したときの緩衝機能および吸着板17の原位置復帰機能を持たせている。吸着板17は、その底面に多数の吸着孔(不図示)を有し、吸着孔から空気を吸引することによりこの底面にラベル片11を吸着可能とする。剥離部4において剥離されたラベル片11を吸着板17により吸着し、貼付けシリンダー16により吸着板17とともにラベル片11を所定の物品M方向に移動し、この物品Mにラベル片11を貼り付ける。なお、上記貼付け部6としては、吸着板17が物品M方向に移動して、物品Mとの間の間隔がある状態で吸着板17が停止し、その停止位置から空気圧でラベル片11を物品Mに貼り付けるタイプも採用することができる。
【0008】
また、制御部7は、ラベル貼付け機1全体を制御する。
【0009】
このように構成されたラベル貼付け機において、特許文献1では、貼付けシリンダーのロッドの駆動速度と貼付けストロークからストローク時間を演算し、ストロークタイマーによりそのストローク時間を計測することで、シリンダー前端センサーや圧着センサーなどの機械的なセンサーを採用せず、ストローク調整操作および保守管理作業が容易であるラベル貼付け機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−84125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、ラベル貼付け機には限られないが、通常、機械が製品として出回るまでには、耐久試験が行われている。特に、ラベル貼付け機の場合、貼付け部6などの耐久性を調べるために、多量のラベル片11が消費されてしまう。そして、多量のラベル片11が消費されるため、ラベル片を補給するという手間がかかるという問題があった。また、展示会などでラベル貼付け機を展示する場合にも多量のラベル片11が消費されるという問題があった。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、多量のラベル片が消費されてしまうことを防止し、ラベル片を補給するという手間を省くことができるラベル貼付け機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために、帯状の台紙上に仮着された複数枚のラベル片を剥離部材で剥離して吸着板に吸着し、この吸着板をピストン運動させてラベルを貼り付けるラベル貼付け機であって、前記台紙をループ状に形成し、前記剥離部材によって前記台紙から剥離して前記吸着板に吸着されたラベル片が、前記吸着板によって再び前記台紙に貼り付けられるように前記台紙を循環移動させることを特徴とする。
【0014】
台紙をループ状に形成し、そのループ状の台紙上に吸着板を移動させてラベル片を貼り付けることを繰り返すことで、多量のラベル片が消費されてしまうことを防止し、ラベル片を補給するという手間を省くことができるラベル貼付け機を提供することができる。
【0015】
本発明において、前記台紙と前記ラベル片とは磁気力によって仮着されていることが好ましい。
【0016】
帯状の台紙とラベル片とが磁気力に仮着されていることで、ラベル片を剥離部材で剥離して吸着板に吸着し、この吸着板をピストン運動させてラベルを貼り付けるという一連の動作を何度でも繰り返すことができるので、好適にラベル貼付け機の耐久試験を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、多量のラベル片が消費されてしまうことを防止し、ラベル片を補給するという手間を省くことのできる、帯状の台紙上に仮着した複数枚のラベル片を吸着板により吸着し、この吸着板を所定の方向に移動させてラベル片を貼り付けるようにしたラベル貼付け機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明はラベル貼付け機の全体を示す図
【図2】ラベル貼付け機の構成を示す図
【図3】ラベル片と帯状の台紙の構造を示す図
【図4】従来からのラベル貼付け機の概略を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態によるラベル貼付け機20について説明する。ただし、本発明の実施の形態によるラベル貼付け機20と図4の従来からのラベル貼付け機1とにおいて同様の部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0020】
図1は、ラベル貼付け機20の全体を示す図である。本発明に係るラベル貼付け機20は、主に、ラベル貼付け機本体30が取り付けられた架台22と、ラベル片11が貼り付けられる帯状の台紙10’を裏から支持する支持台24と、複数個の搬送ローラー40、40…と、を有する。
【0021】
図2は、ラベル貼付け機20のラベル貼付け機本体30の内部を示した図である。ラベル貼付け機1は、主に、貼付け部6とラベル貼付け機本体30と、を有する。
【0022】
従来からのラベル貼付け機1と同様に、貼付け部6として、貼付けシリンダー16と、吸着板17と、を有する。また、図2の印字部3は、サーマルヘッド12およびプラテンローラー13を有し、インクリボン32を送り出すリボン供給軸34と、インクリボン32を巻き取るリボン巻き取り軸36からなる。
【0023】
図2のラベル貼付け機1は、牽引ローラー44により帯状の台紙10’が引っ張られることでラベル片11が転向ピン14により剥離され吸着板17の吸着面に吸着するようになっている。これは、透過型センサー46により帯状の台紙10’上のラベル片11の位置を検知することで、貼付け部6の貼付けシリンダー16と吸着板17の動作を制御している。
【0024】
そして、本発明では、帯状の台紙10’をループ状に形成し、そのループ状の台紙10’上に吸着板17を移動させてラベル片11を貼り付けることを繰り返す事で、多量のラベル片が消費されてしまうことを防止し、ラベル片を補給するという手間を省くようにしている。
【0025】
図2に示したように、帯状の台紙10’はループ状に形成されており、複数個の搬送ローラー40、40…によって搬送されている。なお、複数個の搬送ローラー40、40…の位置や個数は問わないが、台紙10’にラベル片11が貼り付くように、台紙10’を引っ張る張力がある程度必要であるので、ラベル片11の貼付け位置42の上流と下流近くに搬送ローラーがあることが好ましい。また、複数個の搬送ローラー40、40…のうち少なくとも1個は、台紙10’を搬送させる動力が必要である。
また、支持台24に形成した貼付け位置42は、吸着板17の吸着面と対峙することができる。
【0026】
図1のように構成されたラベル貼付け機20により、多量のラベル片が消費されてしまうことを防止することができる。また、極力、ラベル片を補給するという手間を省くことができる。
【0027】
なお、図3に示すように、ループ状に形成された台紙10’とラベル片11は、どちらか一方が鉄粉、他方が磁気粉からなる層10’a、11aが設けられているものであっても良い。
【0028】
このように台紙とラベル片とが磁気力によって仮着されていることで、ラベル片を剥離部材で剥離してエアーの吸引により吸着板に吸着し、この吸着板をピストン運動させてラベルを貼り付けるという一連の動作を何度でも繰り返すことができるので、好適にラベル貼付け機の耐久試験を行うことができる。即ち、粘着層が設けられた一般的なラベル片11では、貼り付けと剥離とを繰り返すことで、仮着する粘着力が衰えて行くが、台紙10’とラベル片11のどちらか一方が鉄粉、他方が磁気粉からなる層10’a、11aが設けられているものであれば、貼り付けと剥離とを繰り返しても、仮着する機構が衰えることがないので、好適にラベル貼付け機の耐久試験を行うことができる。
【0029】
なお、本発明において、他の実施態様も可能であることはもちろんである。例えば、貼付け部6のみの耐久性を試験したい場合には、印字部3のサーマルヘッド12を動作させたり設置したりする必要はなく、また、インクリボン32をセットする必要もない。
【0030】
また、本発明のラベル貼付け機は、展示会等でデモ機として展示するのにも好適であり、ラベル貼付け機の耐久試験や展示会等でデモ機で使用する場合に、省資源に貢献することができる。
【符号の説明】
【0031】
1…ラベル貼付け機、2…ラベル供給部、3…印字部、4…剥離部、5…台紙巻取り部、6…貼付け部、7…制御部、8…ラベル供給軸、9…ラベル連続体、10…台紙、10’…ループ状の台紙、11…ラベル片、12…サーマルヘッド、13…プラテンローラー、14…転向ピン(剥離部材)、15…台紙巻取り軸、16…貼付けシリンダー、17…吸着板、20…ラベル貼付け機、22…架台、24…支持台、30…ラベル貼付け機本体、32…インクリボン、40…搬送ローラー、42…貼付け位置、44…牽引ローラー、46…透過型センサー、C…コンベア、M…物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の台紙上に仮着された複数枚のラベル片を剥離部材で剥離して吸着板に吸着し、この吸着板をピストン運動させてラベルを貼り付けるラベル貼付け機であって、
前記台紙をループ状に形成し、
前記剥離部材によって前記台紙から剥離して前記吸着板に吸着されたラベル片が、前記吸着板によって再び前記台紙に貼り付けられるように前記台紙を循環移動させることを特徴とするラベル貼付け機。
【請求項2】
前記台紙と前記ラベル片とは磁気力によって仮着されていることを特徴とする請求項1のラベル貼付け機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−254341(P2010−254341A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106793(P2009−106793)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】