説明

ラベル貼付装置

【課題】 極薄いラベルや細長いラベル等の剛性が弱いラベルであっても、吸着板に確実に吸着できるようにするとともに、比較的短いラベルにも対応できるようにし、しかも、できるだけ簡易な機構で実現できるようにする。
【解決手段】 ラベル剥離部から送出されるラベルLの表面に接触する吸着面11を有し、移動させられて吸着したラベルLを物品Wに貼付する吸着板10を備え、ラベル剥離部をラベルLをその裏面を上向きにして送出するように構成し、吸着板10を、吸着板10の吸着位置Xで吸着面11を上向きにしてラベルLの表面を受ける受け位置G、及び、吸着板10が貼付位置Yに至る前に吸着面11が物品Wに対峙させられる対峙位置Tの2位置に移動可能なるように支持部材20に回動可能に支持し、この吸着板10を受け位置G及び対峙位置Tの2位置に回動移動させる移動機構30を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に自動的にラベルを貼り付けるラベル貼付装置に係り、特に、帯状台紙から剥離して送出されるラベルを吸着板で吸着して貼付するラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のラベル貼付装置としては、例えば、特開平6−278729号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。
これは、図4に示すように、物品Wを図示外のコンベアで搬送し、この搬送過程で、物品WにラベルLを貼付するもので、複数のラベルLが等間隔で仮着された帯状台紙Dを供給リール100から巻き取りリール101に移送し、この移送過程で、印字機構102によりラベルLに印字を行ない、その後、ラベル剥離部103で、剥離板104により帯状台紙Dを折り返すことにより帯状台紙DからラベルLを剥離して送出する。送出されたラベルLは、剥離板104の下流側近傍に設けられた吸着板105により吸着される。吸着板105は、送出されるラベルLの表面を空気の吸引により吸着する吸着面105aを有し、吸着面105aにラベルLの表面を吸着する吸着位置X及び吸着したラベルLの裏面を物品Wに貼付する貼付位置Yの2位置に移動させられる。吸着板105の吸着面105aには空気を吸引する多数の吸引口(図示せず)が形成されており、ラベルLの剥離が行なわれるのに同期して吸引が行なわれ、ラベルLは剥離されて送出されると、吸着板105にその先端から吸引されながら吸着面105aを摺接して徐々に移動し、剥離終了後にはラベルLの全面が吸着面105aに接触して吸着される。この場合、ラベルLが吸着板105に吸着されながら吸着面105a上を移動できるのは、ラベル自体の剛性によりラベルLが平面状の姿勢を維持できるからである。その後、吸着板105は、物品Wに向けて移動させられて押圧され、これにより、ラベルLが物品Wに貼付される。
【0003】
ところで、近年、ラベルの多様化に伴い、剛性の弱いラベル、例えば極薄いラベル、あるいは、例えば長さが200mmを超えるような細長いラベルも使用されるが、上記従来のラベル貼付装置にあっては、このような剛性の弱いラベルに対しては、吸着不良が生じやすくなり、不向きになることがあるという問題があった。
これは、ラベルLが吸着板105に吸着されながら吸着面105a上を移動できるのは、上記したようにラベル自体の剛性によりラベルLが平面状の姿勢を維持できるからであるが、図5に示すように、細長いラベルLのように剛性が弱くなると、所謂「腰」が弱くなり、そのため、このようなラベルLであると、送出途中で内側に折れ曲がって所謂「猫背」の状態になったり(図5中A1)、吸着板105に対しラベルLが最後まで送出されない事態になり(図5中A2)、または吸着板105にラベルLが斜めに送出される状態になる(図5中A3)などにより、吸着不良が生じやすくなる。
【0004】
これを解決するために、従来においては、本件出願人が先に提案したもので、特開2007−261678号公報(特許文献2)に掲載された技術がある。このラベル貼付装置は、吸着板に送出されてくるラベルの先端を捕捉体で補足し、この捕捉体をラベルの送出方向に移動させてラベルの牽引を行ない、ラベルを吸着板の吸着面の全面に徐々に移動して吸着板の吸着面に吸着させて保持するようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−278729号公報
【特許文献2】特開2007−261678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この従来のラベルを牽引するタイプのラベル貼付装置においては、ラベルの先端を捕捉体で捕捉して牽引するので、ラベルの剛性が弱いものでは、送出途中で内側に折れ曲ったり、吸着板に対しラベルが最後まで送出されなかったり、あるいはまた、吸着板にラベルが斜めに送出されるなどの事態は防止され、吸着不良は解消されるが、捕捉体で捕捉して牽引することから、補足機構や牽引機構は機構が複雑になり、高価なものになるという欠点があった。また、ラベルを牽引して吸着させるのである程度ラベルが細長いものでなければ対応できず、比較的短いラベルに対応させにくいという欠点もある。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、極薄いラベルや細長いラベル等の剛性が弱いラベルであっても、吸着板に確実に吸着できるようにするとともに、比較的短いラベルにも対応できるようにし、しかも、できるだけ簡易な機構で実現できるようにしたラベル貼付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明のラベル貼付装置は、帯状台紙からラベルを剥離して送出するラベル剥離部と、該ラベル剥離部から送出されるラベルの表面を吸着する吸着面を有し、該吸着面に該ラベルの表面を吸着する吸着位置及び上記吸着面を物品に対峙させて上記吸着したラベルの裏面を物品に貼付する貼付位置の2位置に進退動させられる吸着板と、該吸着板を進退動させる進退動機構とを備えたラベル貼付装置において、
上記ラベル剥離部を、ラベルの裏面を上向きにして該ラベルを送出するように構成し、
上記吸着板を、該吸着板の吸着位置で該吸着板の吸着面を上向きにして上記ラベルの表面を受ける受け位置及び上記吸着板が貼付位置に至る前に該吸着板の吸着面が物品に対峙させられる対峙位置の2位置に移動可能にし、該吸着板を上記受け位置及び対峙位置の2位置に移動させる移動機構を備えた構成としている。
【0009】
この場合、受け位置と対峙位置との位置関係は、ラベルの供給状態や、物品の供給状態あるいは物品の形状等によって変更して差し支えない。例えば、受け位置を吸着板の吸着面を水平方向にした上向きにし、対峙位置を吸着板の吸着面を水平方向にした下向きにし、互いに180度反転する関係にすることができる。また、これに限定されず、受け位置を、吸着板の吸着面は水平方向に対して多少傾斜して設定してよく、対峙位置においても、吸着板の吸着面を水平方向に対して傾斜した位置に設定してよい。
【0010】
これにより、物品にラベルを貼付するときは、ラベル剥離部によりラベルを剥離すると、ラベルはその裏面を上向きにして送出される。吸着板の吸着位置においては、吸着板はその吸着面を上向きにした受け位置に位置しており、そのため、吸着板はその吸着面でラベルの表面を受けながら吸着していく。この場合、ラベルは吸着板の吸着面に受けられるので、ラベルの剛性が弱いものであっても、送出途中で下側に折れ曲ったり、吸着板に対しラベルが最後まで送出されなかったり、あるいは、ラベルが斜めに送出されて垂れ下がるなどの事態が防止され、吸着板に確実に吸着される。また、吸着板はその吸着面でラベルの表面を受けながら吸着していくので、比較的短いラベルにも対応できるようになる。
【0011】
その後、吸着板は、進退動機構により吸着位置から貼付位置に移動させられる。吸着板が貼付位置に至る前には、移動機構により吸着板は受け位置から対峙位置に移動させられる。そして、吸着板が貼付位置に至ると、吸着板の吸着面がラベルの裏面を物品に押し当てることになり、これにより、吸着板に吸着されたラベルが物品に貼付される。
物品にラベルが貼付されると、吸着板は、進退動機構により貼付位置から吸着位置に移動させられるとともに、移動機構により対峙位置から受け位置に移動させられ、次のラベルに備える。
このように、吸着板を受け位置及び対峙位置の2位置に移動させるだけで、剛性の弱いラベルに対応できるので、装置の構造を比較的簡易に構成できる。
【0012】
そして、必要に応じ、上記吸着板を上記ラベルの搬送方向に直交する軸線を中心に回動可能に支持して該吸着板を上記受け位置及び対峙位置の2位置に移動可能にする支持部材を備え、上記移動機構を上記支持部材に支持された吸着板を回動駆動する構成とし、上記進退動機構を、上記支持部材を介して上記吸着板を上記吸着位置及び貼付位置の2位置に進退動させる構成としている。
これにより、吸着板を支持部材に対して回動により受け位置及び対峙位置の2位置に移動可能にしたので、より一層、簡易な構造で装置を構成できる。
【0013】
また、必要に応じ、上記支持部材を、上記吸着板の上方に設けられる支持体と、該支持体の上記ラベルの搬送方向両側から垂下し上記吸着板の両側を回動可能に支持する一対の脚体とを備えて構成している。吸着板の両側が、脚体に支持されるので、それだけ支持が安定する。また、ラベルは一対の脚体の間を通るので、障害になるものがなく、円滑に送出される。
【0014】
更に、必要に応じ、上記移動機構を、上記吸着板を所定の回動位置に位置決め可能なステッピングモータと、該ステッピングモータの回動を吸着板に伝達する伝動機構とを備えて構成している。ステッピングモータにより吸着板を位置決めするので、位置決めが確実になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、吸着板の吸着位置において、ラベルは上向きの吸着板の吸着面に受けられるので、ラベルの剛性が弱いものであっても、ラベルの剛性が弱いものであっても、送出途中で内側に折れ曲ったり、吸着板に対しラベルが最後まで送出されなかったり、あるいは、ラベルが斜めに送出されて垂れ下がったりするなどの事態が防止され、吸着板に確実に吸着することができるようになる。また、吸着板はその吸着面でラベルの表面を受けながら吸着していくので、比較的短いラベルにも対応できるようになる。更に、吸着板を受け位置及び対峙位置の2位置に移動させるだけで、剛性の弱いラベルに対応できるので、装置の構造を比較的簡易に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置を示す正面である。
【図3】本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置のラベルの貼付時における状態を示す側面断面図である。
【図4】従来のラベル貼付装置の一例を示す図である。
【図5】従来のラベル貼付装置の不具合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置について詳細に説明する。
図1乃至図3には、本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置Sを示している。このラベル貼付装置Sは、コンベア(図示せず)で搬送される物品Wにこの物品Wの搬送過程でラベルLを貼付する装置であって、複数のラベルLが等間隔に仮着された帯状台紙Dを供給リール(図示せず)から巻き取りリール(図示せず)に移送し、この移送過程で、印字機構3によりラベルLに印字を行なうとともに、ラベル剥離部1で、帯状台紙DからラベルLを剥離する。図2に示すように、ラベル剥離部1は、ラベルLの裏面(糊のある側)を上向きにしてラベルLを送出するように構成され、帯状台紙Dを折り返すことにより帯状台紙DからラベルLを剥離して送出する剥離板2を備えている。符号4は、剥離板2の前位に設けられた搬送ローラである。
【0018】
また、本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置Sは、ラベル剥離部1の下流側近傍に設けられ、ラベル剥離部1から送出されるラベルLを吸着する吸着板10を備えている。吸着板10は、帯状台紙Dから剥離して送出されるラベルLの表面に接触する吸着面11を有し、この吸着面11にラベルLの表面を接触させてラベルLを吸着する吸着位置X(図1及び図2)及び吸着したラベルLの裏面を物品Wに押圧して貼付する貼付位置Y(図3)の2位置に移動させられる。吸着板10は中空状に形成され吸着面11には空気を吸引する多数の吸引口12が形成されている。
【0019】
また、吸着板10は、吸着板10の吸着位置Xで吸着板10の吸着面11を上向きにしてラベルLの表面を受ける受け位置G(図1及び図2)、及び、吸着板10が貼付位置Yに至る前に吸着板10の吸着面11が物品Wに対峙させられる対峙位置T(図3)の2位置に移動可能になっている。実施の形態において、吸着板10の受け位置Gと対峙位置Tとの位置関係は、受け位置Gを吸着板10の吸着面11を水平方向にした上向きにし、対峙位置Tを吸着板10の吸着面11を水平方向にした下向きにし、互いに180度反転する関係にしている。
【0020】
詳しくは、吸着板10は、支持部材20に支持されている。支持部材20は、吸着板10をラベルLの搬送方向に直交する軸線Pを中心に回動可能に支持して、吸着板10を受け位置G及び対峙位置Tの2位置に移動可能にしている。
支持部材20は、矩形板状の第1支持体21と、第1支持体21に対してラベルLの貼付時の衝撃を吸収するスプリングを有したクッション機構22を介して取り付けられる矩形板状の第2支持体23と、この第2支持体23に設けられラベルLの搬送方向両側から垂下し吸着板10の両側を回動可能に支持する一対の脚体24,25とを備えて構成されている。図3に示すように、吸着板10の両側部には各脚体24,25に軸支される回動軸14,15が突設されている。一方の回動軸14は一方の脚体24を貫通しており、また他方の回動軸15は吸引口12から空気を吸引するため中空空間13に連通する管状に形成され、他方の脚体25内に軸支されている。また、他方の脚体25には、空気を吸引する吸引ホース26の端部が上記の管状の他方の回動軸15に連通するように取り付けられている。これにより、吸着板10の両側が、脚体24,25に支持されるので、それだけ支持が安定する。
【0021】
また、ラベル貼付装置Sは、吸着板10を受け位置G及び対峙位置Tの2位置に移動させる移動機構30を備えている。移動機構30は、図1及び図3に示すように、支持部材20に支持された吸着板10を回動駆動する構成のものであり、吸着板10を所定の回動位置に位置決め可能なステッピングモータ31と、ステッピングモータ31の回動を吸着板10に伝達する伝動機構32とを備えて構成されている。伝動機構32は、ステッピングモータ31の出力軸に設けた歯車状の原動スプロケット33と、吸着板10の一方の回動軸14に設けた歯車状の従動スプロケット34と、この原動スプロケット33及び従動スプロケット34間に架け渡されたエンドレスのタイミングベルト35とを備えて構成されている。ステッピングモータ31は、図示外の取付部材を介して第2支持体23に取り付けられており、第2支持体23と同動する。
【0022】
更に、ラベル貼付装置Sは、吸着板10を進退動させる進退動機構40を備えている。進退動機構40は、上記の支持部材20を介して吸着板10を吸着位置X及び貼付位置Yの2位置に進退動させる。具体的には、進退動機構40は、ピストン42及びシリンダ43からなるエアシリンダ装置41で構成されている。シリンダ43は図示外の機台に設けられ、ピストン42の先端は支持部材20の第1支持体21に取り付けられ、ピストン42の後退により吸着板10を吸着位置Xに位置決めし、ピストン42の進出により吸着板10を貼付位置Yに移動させる。
【0023】
従って、本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置Sにより、物品WにラベルLを貼付するときは、以下のようになる。
図1及び図2に示すように、複数のラベルLを等間隔に仮着した帯状台紙Dが供給され、吸着板10の吸着位置Xにおいて、帯状台紙Dは剥離板2の先端部で折り返され、これにより、帯状台紙Dに仮着されたラベルLが剥離され、ラベルLの送出方向R、つまり、吸着板10の方へ送出される。この吸着板10の吸着位置Xにおいては、吸着板10は、移動機構30により、その吸着面11を上向きにした受け位置Gに位置している。そのため、吸着板10は、その吸着面11でラベルLの表面を受けながら吸着していく。この場合、ラベルLは吸着板10の吸着面11に受けられるので、ラベルLの剛性が弱いものであっても、送出途中で下側に折れ曲ったり、吸着板10に対しラベルLが最後まで送出されなかったり、あるいは、ラベルLが斜めに送出されて垂れ下がるなどの事態が防止され、吸着板10に確実に吸着される。また、吸着板10はその吸着面11でラベルLの表面を受けながら吸着していくので、比較的短いラベルLにも対応できるようになる。また、ラベルLは一対の脚体24,25の間を通るので、障害になるものがなく、円滑に送出される。
【0024】
そして、図2に示すように、ラベルLの全面が吸着体の吸着面11に対して接触させられると、進退動機構40のエアシリンダ装置41が作動し、図3に示すように、吸着板10が吸着位置Xから貼付位置Yに移動させられる。この際、エアシリンダ装置41の作動前、あるいは、エアシリンダ43の作動後であって吸着板10が吸着位置Xから貼付位置Yに移動させられる間、即ち、吸着板10が貼付位置Yに至る前には、移動機構30により吸着板10は受け位置Gから対峙位置Tに移動させられる。この場合、移動機構30のステッピングモータ31が作動し、伝動機構32を介して受け位置Gにある吸着板10を180度反転して対峙位置Tに位置決めする。ステッピングモータ31により吸着板10を位置決めするので、位置決めが確実になる。
【0025】
そして、図3に示すように、吸着板10が貼付位置Yに至ると、吸着板10の吸着面11がラベルLの裏面を物品Wに押し当てることになり、これにより、吸着板10に吸着されたラベルLが物品Wに貼付される。
物品WにラベルLが貼付されると、進退動機構40のエアシリンダ装置41が作動し、図1及び図2に示すように、吸着板10が貼付位置Yから吸着位置Xに移動させられる。また、移動機構30により吸着板10は対峙位置Tから受け位置Gに移動させられる。この場合、移動機構30のステッピングモータ31が作動し、伝動機構32を介して対峙位置Tにある吸着板10を180度反転して受け位置Gに位置決めする。ステッピングモータ31により吸着板10を位置決めするので、位置決めが確実になる。これにより、次のラベルLに備える。
このように、吸着板10を受け位置G及び対峙位置Tの2位置に移動させるだけで、剛性の弱いラベルLに対応できるので、装置の構造を比較的簡易に構成できる。
【0026】
尚、上記実施の形態に係るラベル貼付装置Sにおいては、吸着板10の受け位置Gを吸着板10の吸着面11を水平方向にした上向きにし、対峙位置Tを吸着板10の吸着面11を水平方向にした下向きにし、互いに180度反転する関係にしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、受け位置Gを、吸着板10の吸着面11は水平方向に対して多少傾斜して設定してよく、対峙位置Tにおいても、吸着板10の吸着面11を水平方向に対して傾斜した位置に設定してよい。即ち、受け位置Gと対峙位置Tとの位置関係は、ラベルLの供給状態や、物品Wの供給状態あるいは物品Wの形状等によって変更して差し支えない。また、吸着板10の支持は、上述した支持に限定されるものではなく、例えば、吸着板10をラベルLの送出方向Rに沿う軸線に沿って回動可能に支持する等、適宜変更して差し支えない。また、移動機構30や進退動機構40の構成も上述したものに限定されず、適宜変更して差し支えない。
また、上記実施の形態においては、吸着板10の受け位置Gにおいて、吸着面11でラベルLの表面を受けながらラベルLを吸引して吸着する例で説明したがこれに限定されないことは勿論であり、吸引しなくても構わないし、また、吸引する場合でも、ごく弱い吸引で済む。受け位置Gにおいて吸引しない場合、あるいは、弱い吸引とした場合、ラベルLの剥離が完了した時点で通常の吸引に移せばよい。
【符号の説明】
【0027】
S ラベル貼付装置
W 物品
L ラベル
D 帯状台紙
1 ラベル剥離部
2 剥離板
10 吸着板
11 吸着面
12 吸引口
13 中空空間
14,15 回動軸
X 吸着位置
Y 貼付位置
G 受け位置
T 対峙位置
20 支持部材
P 軸線
21 第1支持体
22 クッション機構
23 第2支持体
24,25 脚体
26 吸引ホース
30 移動機構
31 ステッピングモータ
32 伝動機構
40 進退動機構
41 エアシリンダ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状台紙からラベルを剥離して送出するラベル剥離部と、該ラベル剥離部から送出されるラベルの表面を吸着する吸着面を有し、該吸着面に該ラベルの表面を吸着する吸着位置及び上記吸着面を物品に対峙させて上記吸着したラベルの裏面を物品に貼付する貼付位置の2位置に進退動させられる吸着板と、該吸着板を進退動させる進退動機構とを備えたラベル貼付装置において、
上記ラベル剥離部を、ラベルの裏面を上向きにして該ラベルを送出するように構成し、
上記吸着板を、該吸着板の吸着位置で該吸着板の吸着面を上向きにして上記ラベルの表面を受ける受け位置及び上記吸着板が貼付位置に至る前に該吸着板の吸着面が物品に対峙させられる対峙位置の2位置に移動可能にし、該吸着板を上記受け位置及び対峙位置の2位置に移動させる移動機構を備えたことを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項2】
上記吸着板を上記ラベルの搬送方向に直交する軸線を中心に回動可能に支持して該吸着板を上記受け位置及び対峙位置の2位置に移動可能にする支持部材を備え、上記移動機構を上記支持部材に支持された吸着板を回動駆動する構成とし、上記進退動機構を、上記支持部材を介して上記吸着板を上記吸着位置及び貼付位置の2位置に進退動させる構成としたことを特徴とする請求項1記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
上記支持部材を、上記吸着板の上方に設けられる支持体と、該支持体の上記ラベルの搬送方向両側から垂下し上記吸着板の両側を回動可能に支持する一対の脚体とを備えて構成したことを特徴とする請求項2記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
上記移動機構を、上記吸着板を所定の回動位置に位置決め可能なステッピングモータと、該ステッピングモータの回動を吸着板に伝達する伝動機構とを備えて構成したことを特徴とする請求項3記載のラベル貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−171623(P2012−171623A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31960(P2011−31960)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】