説明

ラベル連続紙及びプリンター

【課題】 本発明は、ラベル連続紙を安定して移送させることができるとともに、ラベル連続紙をローラに巻き込むことが無いようにしたラベル連続紙及びプリンターを提供することを目的としている。
【解決手段】
所定の幅を有した帯状のベース部材2と、前記ベース部材2の一方面に形成した粘着剤3および前記ベース部材2の他方面に印字面を有したラベル部7と、前記ラベル部7の長手方向の両側にマージナル部6,6を設けたことを特徴とするラベル連続紙1とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル連続紙及び印字装置に関し、特に台紙を必要とすることがなく、粘着剤を露出した状態で印字発行することができるラベル連続紙及びプリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、台紙を不要とした台紙なしラベルが使用され、台紙が無いことから省資源に貢献することができます。
台紙なしラベルは、帯状の印字用紙の一方面に粘着剤を塗布し、他方面に感熱性発色剤および剥離剤を積層させた台紙なしラベルを巻き芯などに巻回している。
この巻回したロール状の台紙なしラベルをプリンターに装填して印字発行することができる。
【0003】
従来の台紙なしラベルを印字発行するプリンターを図4に基づいて説明する。
プリンター50は、台紙なしラベルPを装填する装填部51、印字部52、カット部53、検出部54を備えている。
装填部51は、ロール状の台紙なしラベルRを回転可能に支持する用紙供給軸55を有し、ロール状の台紙なしラベルRから台紙なしラベルPを案内ローラ56に繰り出し印字部52に向けて移送される。
【0004】
案内ローラ56は、フリーに回転可能に設けられたゴムローラが配置されて、台紙なしラベルPを印字部52に向けて移送することができる。
印字部52は、プラテンローラ57とサーマルヘッド58が配置されている。プラテンローラ57は、その表面がシリコーンなどの剥離処理したゴム製のローラが配置され、図示しないステッピングモータの駆動により回転可能に設けられている。
サーマルヘッド58は、プラテンローラ57に対し接離可能に設けられ、プラテンローラ57とサーマルヘッド58により挟持した台紙なしラベルPを移送するともに感熱発色剤を発色させて印字することができる。
【0005】
カット部53は、固定刃59および可動刃60が設けられている。固定刃59は、台紙なしラベルPの上面側(感熱発色剤側)に配置し、可動刃60は台紙なしラベルPの下面側(粘着剤面側)には位置され、可動刃60が固定刃59に向けて移動することにより台紙なしラベルPをカットすることができる。
【0006】
また検出部54は、案内ローラ56と印字部52との中間の台紙なしラベルPの移送路の下方に位置し、台紙なしラベルPの粘着剤を塗布した面に印刷された黒色のマーク(図示せず)を検出することができ、この黒色のマークの検出信号に基づいて印字位置およびカット位置の基準位置として制御することができる。
【0007】
このように構成されたプリンター50は、用紙供給軸55から繰り出された台紙なしラベルPを印字部52で印字し、さらに台紙なしラベルPをカット部53の切断位置まで移送して台紙なしラベルPをカットしてラベル片として物品に貼付することができる。
しかし、長時間印字しないで待機状態にした後に、印字を開始することにより台紙なしラベルPがプラテンローラ56に巻き込む問題がある。
また、台紙なしラベルPを順方向または逆搬送したときに台紙なしラベルPの粘着剤が露出しているので、台紙なしラベルPがプリンター内部で付着しジャムするという問題がある。
【0008】
特許文献1は、プラテンローラとサーマルヘッドを備えた印字装置に台紙なしラベルを装填して印字するときに、プラテンローラの両側からエアーを上方に向けて噴き付け台紙なしラベルの巻き込みを防止することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−132064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、台紙なしラベルを安定して移送させることができるラベル連続紙及びプリンターを提供することを目的としている。
また、台紙なしラベルをローラに巻き込むことが無いようにしたラベル連続紙及びプリンターを提供することを目的としている。
また、台紙なしラベルを順方向または逆方向に搬送したときに台紙なしラベルがジャムすることがないラベル連続紙及びプリンターを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ラベル台紙なしラベルの両端部を着目したもので、請求項1記載の発明の要旨は、所定の幅を有した帯状のベース部材と、前記ベース部材の一方面に形成した粘着剤および前記ベース部材の他方面に印字面を有したラベル部と、前記ベース部材の長手方向の両側にマージナル部を設けたことを特徴とするラベル連続紙にある。
また請求項2記載の発明の要旨は、前記マージナル部には、長手方向に沿って複数の移送孔を形成したことを特徴とする請求項1記載のラベル連続紙にある。
また請求項3記載の発明の要旨は、前記ラベル部と、前記マージナル部と、を分離する分離線を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のラベル連続紙にある。
また請求項4記載の発明の要旨は、前記マージナル部は、非粘着であることを特徴であることを特徴とする請求項1ないし3何れかに記載のラベル連続紙にある。
また請求項5記載の発明の要旨は、ベース部材の一方面に形成した粘着剤と前記ベース部材の他方面に印字領域を有したラベル部と、前記ラベル部の両側に移送孔を有したマージナル部と、を形成したラベル連続紙を移送して前記印字領域に印字するプリンターにおいて、前記ラベル連続紙の印字領域に印字する印字部と、前記印字部の前記ラベル連続紙の移送方向の下流側に、前記マージナル部の前記移送孔に係合して、印字された前記ラベル連続紙を移送する一対のトラクタ部と、を備え、前記トラクタ部に前記ラベル部と前記マージナル部とを分離する分離部を設けたことを特徴とするプリンターにある。
また請求項6記載の発明の要旨は、前記分離部により分離されたマージナル部を巻き取る巻取部を設けたことを特徴とする請求項5記載のプリンターにある。
また請求項7記載の発明の要旨は、 前記トラクタ部には、一対のトラクタ本体部を備え、前記一対のトラクタ本体部の間に前記分離部を架設してあることを特徴とする請求項5記載のプリンターにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、ラベル連続紙をローラに巻き込むことを防止すようにしたので、搬送不良を防止することができ効率的に印字発行することができる。
また、ラベル連続紙を順方向または逆方向に移送した場合でも、ラベル連続紙がプリンター内でジャムすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のプリンターの概略構成の一例を示した説明図である。
【図2】同上、プリンターに設けたトラクタ部の一例を説明するプリンター排出側からの説明図である。
【図3】(A)同上、ラベル連続紙を説明する平面図である。(B)図3(A)のX−Xを断面として説明する断面図である。
【図4】従来のプリンターの概略構成を示した説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。
【0015】
ラベル連続紙1は、所定の幅を有した紙類からなる帯状のベース部材2から構成される。
ベース部材2の幅方向の両側には、マージナル部6、6を形成するとともに、マージナル部6とマージナル部6の内側にはラベル部7を形成することができる。
ラベル部7の一方面に感圧性粘着剤3を塗布し、他方面に感熱性発色層4と剥離剤層5を順次積層し印字面(印字領域)を有してある。
【0016】
マージナル部6とラベル部7の境界には、分離用ミシン目8を形成することができ、分離用ミシン目8はベース部材2の長手方向に沿って平行に形成され、後述のプリンター20に設けた分離部35より容易に分離することができるように形成している。マージナル部6、6は、各々移送孔9を所定の間隔で長手方向に形成することができる。
またラベル部7には、長手方向に交差する方向に切取用ミシン目10が所定の間隔で形成することができる。
【0017】
ラベル部7には、前述した一方面に感圧性粘着剤3を塗布し、他方面に感熱性発色剤4と剥離剤層5を順次積層することができる。常温で粘着する感圧性粘着剤3を塗布した面には、矩形状の基準マーク11を印刷することができる。基準マーク11は、黒色で印刷することができ、少なくともラベル部7の幅方向の両側に印刷することができる。
また基準マーク11は、切取用ミシン目10とほぼ同一の間隔でラベル部2の長手方向に沿って印刷することができる。
【0018】
尚、この実施の形態では、感熱性発色剤層4および剥離剤層5をラベル部7のみに形成した例で説明するが、感熱性発色剤4および剥離剤層5をマージナル部6に形成することができる。感熱性発色剤層4および剥離剤層5をラベル部7およびマージナル部6に形成することにより、ラベル連続紙1の製造を容易にすることができる。
また、マージナル部6、6には、感圧性粘着剤3を形成しない非粘着領域とすることができる。またマージナル部6、6の下面側(感圧性粘着剤3を塗布した面)にシリコーンなどの剥離剤を施して非粘着とすることができる。
【0019】
このように構成したラベル連続紙1を巻き芯12に、感圧性粘着剤3を内側に巻回したロール状ラベル連続13とすることができる。
【0020】
次にプリンターについて説明する。
プリンター20は主に、用紙供給部21、ピッチ検出部22、印字部23、トラクタ部24と、巻取部25を備えている。
用紙供給部21は、ラベル連続紙1をロール状にしたロール状ラベル連続紙13を回転可能に支持する用紙供給軸26を設けてある。
【0021】
ピッチ検出部22は、ガイドローラー31と印字部23との中間のラベル連続紙1の移送路の下方に配置されている。
ピッチ検出部22は、所定の光を出射する図示せぬ発光部と発光部から出射された光をラベル連続紙1の反射光を受光し、受光した光の強度(単位時間当たりの受光量)に対応する電気信号を出力する図示せぬ受光部とからなり、ラベル連続紙1の裏面側に発光部と受光部を配し、ラベル連続紙1の裏面に印刷等によって形成された基準マーク11を受光部の受光量に基づいて検出するようにピッチ検出センサー27が配置されている。
【0022】
ピッチ検出センサー27は、基準マーク11の検出結果に基づいて、ラベル連続紙1の基準マーク11の検出結果に基づいて、ラベル連続紙1の印字開始の基準位置などの基準データとして図示しない制御部に信号を供給することができる。
尚、ピッチ検出センサー27の外表面にシリコーンなどの剥離剤を塗布することができる。
【0023】
印字部23は、プラテンローラ28とサーマルヘッド29とが設けられるとともに、サーマルヘッド29は、プラテンローラ28に対し接離自在に設けられている。
プラテンローラ28は、ステッピングモータ(図示せず)に接続され、このステッピングモータの駆動により、プラテンローラ28が回転自在に駆動してラベル連続紙1を移送(図1中、F方向)することができる。
プラテンローラ28の表面は、シリコーンなどの非粘着処理が施され、ラベル部7に塗布した感圧性粘着剤3に対する剥離性を向上するようにしてある。
【0024】
またラベル連続紙1は、プラテンローラ28とサーマルヘッ29ドとにより挟持され、図示しない制御部からの印字指令によりプラテンローラ28が駆動するとともに、サーマルヘッド29が選択的に発熱体(図示せず)を発熱させることにより、ラベル連続紙1のラベル部7の感熱発色層4を発色させて、文字、記号、バーコードなどの視認情報を印字することができる。
【0025】
トラクタ部24は主に、一対のトラクタ本体部41a、41bと、分離部35と、を設けることができる。
次に、トラクタ本体部41a,41bにつて説明する。
尚、トラクタ本体部41aとトラクタ本体部41bとの構造が実質的に同じなので、トラクタ本体部41aで説明し、トラクタ本体部41bの機構構成の説明を省略する。
【0026】
トラクタ本体部41aは、印字部23のラベル連続紙1の移送方向の下流側に位置し、内側フレーム43aと、外側フレーム43bと、用紙送りベルト44と、を備えている。
内側フレーム43aと、外側フレーム43bと、は、後述する用紙送りベルト44の両サイドに位置するように配置されている。
内側フレーム43aは、ラベル連続紙1が移送される下方に位置し、外側フレーム43bは、ラベル連続紙1の幅方向の端部に位置することができる。
内側フレーム43aの前方(用紙移送方向の下流側)に駆動軸45を挿通する挿通孔45aと、外側フレーム43bに駆動軸45を挿通する挿通孔45bが形成されている。また外側フレーム43bから延出した駆動軸45は、サブフレーム34に回転可能に支持されている。
【0027】
また、内側フレーム43aの後方(用紙移送方向の上流側)にガイド軸46を挿通する挿通孔(図示せず)と、外側フレーム43bにガイド軸46を挿通する挿通孔(図示せず)が形成されている。
外側フレーム43bから延出したガイド軸46は、サブフレーム34に回転可能に支持されている。
内側フレーム43aと外側フレーム43bとの内方の駆動軸45には、駆動プーリー47が回転可能に設けられ、ステッピングモータ(図示せず)の駆動により駆動軸45が駆動して駆動プーリーが同期回転することができる。
尚、駆動プーリー47は、凹凸状の外周面を形成することができる。
【0028】
また、トラクタ本体41aの内方のガイド軸46には、従動プーリー48が回転可能に設けられている。尚、従動プーリー48は、凹凸状の外周面を形成することができる。
【0029】
駆動軸45を駆動させるステッピングモータ(図示せず)は、駆動軸45を正転または逆転可能に設けられ、ステッピングモータが正転することにより、駆動軸45が用紙送りベルト44が正転してラベル連続紙1を排出方向に移送することができる。またステッピングモータが逆転することにより、駆動軸45が逆転方向に回転しラベル連続紙1を印字部23方向に移送するように制御することができる。
【0030】
駆動プーリー47と、従動プーリー48は、内周面に凹凸が形成された環状の用紙送りベルト44が張架されている。用紙送りベルト44の外周面には、複数の送りピン49・・49を備えることができる。
駆動軸45と、ガイド軸46は、ラベル連続紙1の移送路の左右方向に配置された軸であり、トラクタ本体部41a、41bの左右方向に貫通するとともに、メインフレーム33に支持されている。
【0031】
分離部35は、トラクタ本体部41a、41bの間に設けられ分離軸36と押圧ローラ37とを備えている。
分離軸36は、ラベル連続紙1のラベル部7とマージナル部6と、を分離するための軸であり、駆動軸45の上方に位置し、トラクタ本体部41a、41bの間に分離軸36を回転可能に支持することができる。
このように分離軸36は、一対のトラクタ本体部41a、41bの内側フレーム43a43a間に架設することができる。また分離軸36は、ラベル連続紙1の裏面側(粘着剤側)に当接する位置に配置してある。
【0032】
分離軸36の上部と、用紙送りベルト44の水平方向を移送する外周面とは、ほぼ同一の直線状に位置するように配置されるとともに、用紙送りベルト44が水平方向から反転方向(曲面)に方向が変位する境に設けることが好ましく、このように分離軸36を位置することにより、移送されるラベル連続紙1のラベル部7とマージナル部6とを容易に分離できるようにすることができる。
【0033】
分離軸36は、非粘着加工が施されており、ラベル部7に形成した感圧性粘着剤3が容易に付着しないよう剥離性を有することができる。
また分離軸36は、細い円柱状の軸で形成することができ、内側フレーム43a、43a間に回転可能に支持されている部分(両端部)は、さらに細く形成することができる。
【0034】
分離部35には、分離軸36の上部から押圧する押圧ローラ37が設けることができる。
押圧ローラ37は、メインフレーム33に回動可能に設けられた略L字状のリンク部材38の端部に設けられるとともに、リンク部材38に対して押圧ローラ37を回転可能に設けることができる。
尚、図1はリンク部材38とサブフレーム34を省略している。
【0035】
リンク部材38を回動することにより、押圧ローラ37を分離軸36に当接または離反することができる。
押圧ローラ37を分離軸36に向けて押圧することにより、ラベル部7とマージナル部6とを容易に分離することができる。
【0036】
巻取部25は、分離部35で分離されたラベル連続紙1の両側のマージナル部6、6を巻き取る巻取軸30が設けられている。巻取軸30には、図示しないがモータにより回転可能に設けることができる。
トラクタ部24のラベル連続紙1の移送方向の下流側には、マージナル部6から分離されたラベル部7を保持する保持ピン39を設けることができる。
保持ピン39は、メインフレーム33から水平に設けられ、マージナル部6から分離されたラベル部7の感圧性粘着剤3を塗布された面を保持することができる。
【0037】
このように構成されたプリンター20は、用紙供給部21に装填されたロール状ラベル連続紙13からラベル連続紙1が繰り出され、案内ローラ31、印字部23およびトラクタ部24に供給される。
トラクタ部24では、移送ピン49・・49にラベル連続紙1の両側に形成された移送孔9・・9が係合することができる。
ラベル連続紙1の印字領域(感熱発色剤層の部分)をサーマルヘッド29の発熱体(図示せず)を選択的に発熱させることにより、文字やバーコードは印字発色させることができ、印字されたラベル連続紙1を一対のトラクタ本体部41a、41bで水平方向に移送することができる。
【0038】
一対のトラクタ本体部41a、41bで水平方向に移送されたラベル連続紙1は、水平方向に移送した終端部に分離軸36が設けられているので、ラベル部7とマージナル部6が分離用ミシン目8から分離され、ラベル部7は、プリンター20の排出口20aから排出され、切取用ミシン目10が分離軸36の位置または僅かに排出口20a側に位置したときに停止するように基準マーク11の検出結果に基づいて停止するようにすることができる。
【0039】
また分離軸36とトラクタ部24の移送孔9によりマージナル部6は、分離用ミシン目8から分離され、用紙送りベルト44に沿って転向して、案内ローラ32を介して巻取軸30に巻き取られるようにすることができる。
尚、マージナル部6は、プリンター20内に設けた巻取軸30に巻き取るようにしたが、回収ボックスを設けてその中に分離されたマージナル部6を回収するようにしてもよい。
【0040】
プリンター20の排出口20aから排出されたラベル部7は、切取用ミシン目10から切り取ることによりラベル片14として、物品あるいは梱包箱などに貼付することができる。
ラベル連続紙1から分離され、切取用ミシン目10からラベル片14として切り取る方法としては、手操作で切り取る方法あるいは機械で切り取る方法など任意に設定することができる。
【0041】
またラベル連続紙1の移送方法としては、所定の操作により、ラベル連続紙1を移送して、次のラベル部7を排出口20aから排出するようにスイッチ(図示せず)を設けることができる。
また剥離センサー15を排出口20aの下方に設けることにより、ラベル片14を取り去ることにより、次の1枚分のラベル部7が排出されるようにすることができる。
【0042】
このように、ラベル部7の感圧性粘着剤3が露出した状態においても、プラテンローラ28からトラクタ部24に直線状にラベル連続紙1を移送することができるので、印字部23での巻き込み防止をすることができる。
またトラクタ部24に、分離部35を設けたので非粘着のマージナル部6は転向して巻き取られ、いわゆる台紙なしラベルとしてのラベル部7を排出口20aから排出されるので、ラベル部7に形成した感圧粘着剤3がプラテンローラ28に当接するのみなのでジャムすることがない。
さらに、ラベル連続紙1の両側は、感圧粘着剤3を有しないマージナル部6を設けたので、両側から感圧粘着剤が食み出て感圧粘着剤がプリンター内で付着し、ラベル連続紙1がジャムすることがない。
【0043】
この実施の形態のラベル連続紙1に、分離用ミシン目8を形成した例で説明したが、ラベル連続紙に分離用ミシン目8を形成することなく、プリンターのトラクタ本体部41a、41bの下流側にラベル連続紙を長手方向にカットする円盤状のカッター(図示せず)を一対設けることができる。
さらに、この実施の形態のラベル連続紙1には、切取用ミシン10を形成した例で説明したが、ラベル連続紙1に切取用ミシン10を形成することなく、プリンターのトラクタ本体部41a、41bの下流側にラベル連続紙の移送方向に対して交差する方向にカットするカッター(図示せず)を設けることができる。
このカッターは、ギロチン式あるいはロータリー式など設けることができる。また、ラベル連続紙の移送方向に対して交差する方向にカットするカッター(図示せず)は、ピッチ検出センサー27からの信号に基づいて基準マーク11の間隔でカットすることができる。
【0044】
本実施の形態のプリンターは、印字部としてプラテンローラとサーマルヘッドを設けた例で説明したが、インクジェット式、打刻式のドットプリンタあるいはトナープリンタに適用することができる。
また、トラクタ部の駆動軸あるいはガイド軸にプラテンローラを設け、このプラテンローラに接離自在にサーマルヘッドを設けることにより、ラベル連続紙の移送路を短くすることができる。
また、トラクタ部のラベル連続紙の移送方向に沿う長さを短くすることができ、ラベル連続紙の移送路を短くすることができる。
【0045】
この実施の形態では、トラクタ部の駆動軸と、プラテンローラの各々にステッピングモータを設けた例で説明したが、駆動軸またはガイド軸と、プラテンローラとをタイミングベルトを介して駆動させることにより、トラクタ部と印字部とを同期搬送することができるとともに、モータを一つにすることができる。
【0046】
またラベル連続紙に感熱性発色剤を塗布した例で説明したが、感熱性発色剤を塗布することなく、剥離剤の表面にインクリボンによる転写をして、文字、バーコードを印刷することができる。
ラベル連続紙に感圧性粘着剤を塗布した例で説明したが、常温で粘着する粘着剤であれば、何れの粘着剤とすることができる。
またトラクタ部の用紙送りベルトの表面をシリコーンなどの剥離剤を塗布して非粘着とすることができる。さらに、分離軸をゴムローラあるいは分離プレートとすることができる。
【0047】
この実施の形態では、各構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施するうえで好適な数、位置、形状等にすることができる。本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。
【符号の説明】
【0048】
1 ラベル連続紙
2 ベース材
3 感圧性接着剤(粘着剤)
4 感熱性発色剤
5 剥離剤
6 マージナル部
7 ラベル部
8 分離用ミシン目(分離線)
9 移送孔
10 切取用ミシン目
20 プリンター(本発明)
21 用紙供給部
22 ピッチ検出部
23 印字部
24 トラクタ部
25 巻取部
35 分離部
36 分離軸
37 押圧ローラ
40 トラクタ本体
44 用紙送りベルト
50 プリンター(従来)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の幅を有した帯状のベース部材と、
前記ベース部材の一方面に形成した粘着剤および前記ベース部材の他方面に印字面を有したラベル部と、
前記ベース部材の長手方向の両側にマージナル部を設けたことを特徴とするラベル連続紙。
【請求項2】
前記マージナル部には、長手方向に沿って複数の移送孔を形成したことを特徴とする請求項1記載のラベル連続紙。
【請求項3】
前記ラベル部と、前記マージナル部と、を分離する分離線を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のラベル連続紙。
【請求項4】
前記マージナル部は、非粘着であることを特徴であることを特徴とする請求項1ないし3何れかに記載のラベル連続紙。
【請求項5】
ベース部材の一方面に形成した粘着剤と前記ベース部材の他方面に印字領域を有したラベル部と、前記ラベル部の両側に移送孔を有したマージナル部と、を形成したラベル連続紙を移送して前記印字領域に印字するプリンターにおいて、
前記ラベル連続紙の印字領域に印字する印字部と、
前記印字部の前記ラベル連続紙の移送方向の下流側に、前記マージナル部の前記移送孔に係合して、印字された前記ラベル連続紙を移送するトラクタ部と、を備え、
前記トラクタ部に前記ラベル部と前記マージナル部とを分離する分離部を設けたことを特徴とするプリンター。
【請求項6】
前記分離部により分離されたマージナル部を巻き取る巻取部を設けたことを特徴とする請求項5記載のプリンター。
【請求項7】
前記トラクタ部には、一対のトラクタ本体部を備え、前記一対のトラクタ本体部の間に前記分離部を架設してあることを特徴とする請求項5記載のプリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−233938(P2012−233938A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100405(P2011−100405)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】