説明

ランセットおよびそれを製造する方法

【課題】 操作しやすいランセット器具または装置を提供する。
【解決手段】 皮膚を刺す装置は、ケース(1)と、ケース内に配置されるランセットと、ランセットの針先端を、ケースの開口(14)を通して駆動し、使用者の皮膚に刺すための発射機構とを含む。発射機構は、使用者によって、発射機構における、間隔を置いて配置された2つの部品(5、13)にそれぞれ、ほぼ同時に加えられる外部圧力によって解除される機械インタロックを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、皮膚に刺す装置に関し、特に、血液検体を与える上で用いられる皮膚に刺す装置に関するが、必ずしもそれであるわけではない。
【背景技術】
【0002】
医療およびそれに関連する診断および検査の分野では、多くの場合、血液を検査または分析する目的で、被検者から少量の血液検体を取る必要がある。これを実現するための一般的な方法は、皮膚の血管が表面に近い箇所に小さい針を刺し通すことである。針とそのホルダとの組合せは、一般にランセットとして知られている。感染および汚染を避けるために、ランセットは、好ましくは1回きりの使用を意図しており、使い捨てされるものである。したがって、これらは、使用者が複数のランセットを携帯できるように小型であり、かつ、安価に製造できる必要がある。
【0003】
現在、数多くの使い捨てランセット器具が市販されている。その中には、オーエン・マンフォード社(Owen Mumford Ltd)(英国ウッドストック(Woodstock, UK))によって製造、販売されているUnisticTM(登録商標)が含まれる。現行の設計は、成形プラスチックケースを含み、その中に、短い、ばねが装着された針が取り付けられている。そのケースにはトリガが形成されており、それを押し下げると、ランセットが解除されて、先端がケースの開口を通って発射される。現行の一部の設計では、使用者が、ばねをあらかじめ装着しておくか、または発射の前にばねをセットしておく必要がある。他の設計では、ランセット器具はすでにセットされた状態で供給される。さらに、概して、使用者が発射の前に器具の前部または針先端からキャップを取外す必要がある。したがって、使用者は、血液採取の手順を行なうために、少なくとも2つのステップ、ときには3つを実行しなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
現行の設計より操作しやすいランセット器具または装置が所望されている。当然ながら、改良された設計は、製造コストに関する高い基準を満たす必要がある。さらに、ランセット器具が確実に操作可能な状態で使用者に供給されるよう、信頼性の高いものでなければならない。
【0005】
この発明の第1の局面に従って、ケースと、ケース内に配置されるランセットと、ランセットの針先端を、ケースの開口を通して駆動し、使用者の皮膚に刺すための発射機構とを含む、皮膚に刺す装置が提供される。発射機構は、使用者によって、発射機構における、間隔を置いて配置された2つの部品にそれぞれ、ほぼ同時に加えられる外部圧力によって解除される機械インタロックを含む。
【0006】
この発明の実施例は、装置に対し、2つの異なる位置で同時に圧力を加える必要があることを考えると、装置が偶発的に発射される可能性が極めて低いという利点を有する。それにもかかわらず、発射は本質的にワンステップのプロセスである。
【0007】
好ましくは、発射機構は、ランセットに力を加えて、開口を通して針先端を駆動するための力印加手段と、力印加手段と結合して、その手段を作動させるための指で作動可能なトリガと、力印加手段に対するトリガの結合が妨げられる第1の位置と、結合が可能となる第2の位置との間で移動可能なトリガロック手段とを含む。
【0008】
好ましくは、指で作動可能なトリガおよびトリガロック手段は、ケースと一体成形されている。
【0009】
好ましくは、トリガおよびトリガロック手段は、互いにほぼ垂直な方向に移動可能なように設けられている。さらに好ましくは、トリガロック手段は、ケースを通るランセットの移動の方向に対してほぼ平行な方向に移動可能である。
【0010】
好ましくは、トリガロック手段は、開口が貫通して形成されている接触板を含む。接触板は、使用者の皮膚の刺すべき部分と接するための外部接触表面を有する。さらに好ましくは、接触板は、接触板をケースに対して外向きに偏るように設けられた1つまたは複数のばね手段によってケースに結合される。そのような少なくとも1つのばね手段は、可とう性ヒンジでケースに装着してもよく、それによって、組立時に、トリガロック手段をケース内部で折り畳むことができる。この特定の構成の利点は、接触板を確実に十分に移動させるために、使用者がランセット器具を特定の力でもって皮膚にあてがう必要があるということである。このため、使用者が、発射の間に相当にたじろいで皮膚に正しく刺せなくなる可能性が低くなるので望ましい。
【0011】
好ましくは、指で作動可能なトリガは、トリガロック手段が第1の位置にあるときはトリガロック手段の表面と係合するように設けられ、かつ、トリガロック手段が第2の位置にあるときはトリガロック手段を通る通路と同じ位置にあるように設けられる停止部材を含む。
【0012】
好ましくは、力印加手段は、ランセットとケースとの間に結合された圧縮ばねを含む。発射機構は、ランセット上、またはケースの内側に形成されたラッチを含み、ラッチは、ランセットまたはケースの反対側に形成された留め具と係合する。ランセット解除部材は、発射ボタンから垂下しており、トリガロック手段が第2の位置にあるときに留め具またはランセットと係合する。
【0013】
この発明の第2の局面に従って、ケースと、ケース内に配置される針と、ランセット発射機構とを含む、皮膚に刺す装置が提供される。発射機構は、針に力を加えて、ケースの開口を通して針を駆動し、使用者の皮膚に刺すための力印加手段と、力印加手段を解除するための指で作動可能なトリガと、使用者の皮膚の刺すべき領域に接触するための接触部分を含むトリガロックとを含む。ロックは、トリガロック位置とトリガ解除位置との間の接触部分に加えられる圧力によって移動可能となる。
【0014】
この発明の第3の局面に従って、使用者の皮膚に刺すためのランセットが提供される。ランセットは、概ね硬質のプラスチック材料からなる本体と、一方の端部は本体に埋め込まれ、先鋭な針先端を含む他方の端部は本体から突出するようにされている針と、針の露出した長さ全体を覆う可とう性プラスチックカバーとを含む。カバーは、本体に対してカバーに加えられる軸力によって、カバーの少なくとも軸部が針に沿って蛇腹状に折り畳まれて、針先端を露出させるような材料および寸法で形成されている。
【0015】
好ましくは、カバーは、軸力がなくなった後で針先端を覆うために復帰することのないような材料および寸法で形成されている。
【0016】
好ましくは、可とう性プラスチックカバーは、針先端を囲むヘッド部と、ヘッド部より狭く、針の残り部分を囲むスリーブ部とを含み、それによって、使用の際、カバーのヘッドに軸力が加えられ、それに応じてスリーブ部が針に沿って蛇腹状に折り畳まれる。
【0017】
好ましくは、可とう性プラスチックカバーは熱可塑性エラストマー材料からなる。
好ましくは、可とう性プラスチックカバーを設けるために、オーバモールド処理が用いられる。
【0018】
この発明の第3の局面のランセットは、1回きりの使用で皮膚を刺す装置で用いることができる。多目的器具において、たとえば、ランセットを回転式ラックに取り付ける場合は、そのようなランセットを複数用いることができる。
【0019】
この発明の第4の局面に従って、この発明の上記の第3の局面のランセットを製造する方法が提供される。この方法は、針の頂部に可とう性プラスチック材料をオーバモールドすることで可とう性プラスチックカバーを形成することを含む。
【0020】
この発明の第5の局面に従って、皮膚を刺す装置を製造する方法が提供される。この方法は、少なくとも1つのヒンジによって結合された上ケース部と下ケース部とを含む単一のプラスチック部品と、少なくとも1つのヒンジによって上ケース部および下ケース部の一方に結合されたトリガロック部とを成形することと、上ケース部および下ケース部の一方の内部にランセット針を含むランセットを配置し、かつ、ランセットとケースとの間にばね手段を配置することと、上ケース部および下ケース部の一方の中におけるヒンジを軸にしてトリガロック部を折り畳み、かつ、ケース部をそれらのヒンジを軸にしてともに折り畳んで、ランセットおよびばね手段の周囲でケースを閉じることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】1回きりの使用のランセット器具の斜視図である。
【図2】図1のランセット器具のケースを形成するのに用いられる成形部品の斜視図である。
【図3】図1のランセット器具のランセットおよびばねドライバの斜視図である。
【図4】図1のランセット器具の断面を垂直面で示す図である。
【図5】図1のランセット器具の断面を水平面で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明をよりよく理解するために、かつ、この発明がどのように実施可能であるかを示すために、添付の図面を例証として、ここで参照する。
【0023】
図1に、使用者の皮膚に刺して少量の血液検体を与えることを意図した組立式の1回きりの使用のランセット器具を示す。典型的には、使用者は、自分の指の腹に刺して、指の上に少量の血液の液滴をためる。この液滴を、何らかの測定または検査を行なう上で使用するために、たとえば、試験細長片を用いて集めてもよい。図1のランセット器具は、3つの個別の部品から組み立てられている。これらは、図2および図3に図示している。
【0024】
図2は、単一の成形部品として形成されたケース1を示す。ケースは、開いた状態で示しており、下ケース部2と、上ケース部3と、トリガロック部4とを有する。まず上ケース部3を取り上げると、これは、3つの側面では自由になっているが、第4の側面、すなわち最後尾の側面でケースの本体と一体化されているトリガボタン5を含む。トリガは、ケース本体への装着点で曲げることができるので、指圧で(図1に示すように)押し下げることができる。トリガの下面には、(同じく図1に示すように)ランセット解除部材6およびトリガ停止部材7が垂下している。ランセット解除部材6は、トリガ停止部材7より相当長くなっている。上ケース部3の内面に形成された2つのリブ8a、8bはともに、ランセットガイドトラックを形成する。
【0025】
ここで下ケース部3を取り上げると、内面には、一対のトリガ解除ガイド9(図2には一方しか示しておらず、他方は下ケースの反対側に対称的に配置されている)と、ランセット留め具10と、ばね保持部材11とが設けられている。下ケース部2は、一対の可とう性ヒンジ12a、12bによって上ケース部3に装着されている。
【0026】
上ケース部3のトリガロック部4は、前部皮膚接触部分または板13を含む。その中には、開口14が設けられて、針先端が通過できるようになっている。中央の開口14の周囲には複数のピップ15が配置されており、これらは、皮膚に接触するとある触感をもたらし、実際の皮膚に刺す行為から使用者の気をそらせることを意図するものである。接触板13から内向きに、一対の成形プラットフォーム「ばね」16a、16bが突出している。これらのうちの第1のばね16aは、その最も内側の側面で可とう性ヒンジ17に装着され、ヒンジはロック部4を下ケース部2に接続している。他方のプラットフォームばね16bの最も内側の端部には、ケース部がともに折り畳まれたときに、下ケース部に形成された対応する穴28と係合する支柱18が設けられている。接触板から内向きに中央ブロック構造26が延在しており、その端部を貫通してトリガ解除穴27が延在している。
【0027】
図3は、概ね立方形のプラスチック本体20を含むランセット19を示す。針21の端部(図4および図5参照)は、本体20に埋め込まれており、針の先鋭端22は、本体から外向きに突出するようにされている。可とう性ラッチ23およびばね保持ノブ24は本体20と一体成形されている。先端22を含む針21の露出部は、たとえば、SANTOPRENEまたはEVOPRENEなどの熱可塑性エラストマー(TPE)からなる可とう性かつ弾性のプラスチックカバー25がオーバモールドされている(代替的に、材料は、ポリウレタンまたはポリウレタンフォーム、シリコンゴム、もしくは液体シリコンゴムであってもよい)。このカバー25は、針の先端を覆う、伸長された、概ね円錐台形のヘッド29を有する。オーバモールド部が段階的に狭くなっていることで、針の残りの部分を覆う狭スリーブ30が設けられる。オーバモールド部はさらに、本体20の端面を覆う。オーバモールド部によって、針の使用前の無菌状態が確保される。図3にはさらに、組み立てられた器具内で、ノブ24と係合する鋼コイルばね31を示す。
【0028】
ケース1は、一旦ケースが折り畳まれると、ともにかみ合い、かつ、ランセットの種々の部品を所定の位置に固定することのできる複数の部品を含む。それらは図面から明らかであるが、それらの構造および機能は、当業者には容易に分かることであるので、詳細に説明しない。
【0029】
ランセットは、ランセット19を下ケース部2内に配置し、かつ、ノブ24とばね保持部材11との間にばね31を配置することによって組み立てられる。ばね31は圧縮するので、本体20上のラッチ23の端部が内向きに曲がり、ラッチがランセット留め具10の上を通過できるようになる。そこでラッチ23は跳ね返って、留め具10と係合し、ランセットを所定の位置でロックする。ケースの3つの部品はそうしてともに折り畳まれ、所定の位置にロックされる。一旦組み立てられると、トリガロック部4は、トリガ解除ガイド9によって支持されるので、ロック部の下方の偏りを防止する。
【0030】
ここで、ランセット器具をすぐ使用できる構成で示す図4および図5を参照して、ランセット器具の動作を説明する。この構成では、発射ボタン5が静止位置にあり、ランセット解除部材6の最も下側の端部が、ランセットのラッチ23の上方に位置しているが、ランセットのラッチ23とは接触していない。トリガロック部4の前部板は、外部から加えられるいかなる圧力も受けていない。そのため、プラットフォームばね16a、16bは完全に伸長している、すなわち、トリガロック部が伸長位置にある。この位置では、トリガロック部のブロック構造26の壁は、トリガ停止部材7の真下にある。この壁は、使用者が、トリガボタンに何らかの下向きの力を及ぼした場合にトリガ停止部材と係合し、ランセット解除部材がラッチ23と係合するのを防止する。
【0031】
ランセットを動作させるために、使用者は、一方の手にランセット器具を保持し、親指を発射ボタン5の上に置く。それからトリガロック部4の接触板13を皮膚の刺すべき部分、たとえば、使用者の他方の手の指の腹と接触するように持ってくる。圧力を加えて、接触板13をランセット器具の本体に対して内向きに押圧し、プラットフォームばね16a、16bをくぼみの中で圧縮する。プラットフォームばね16a、16bの抵抗を克服するには、少なくとも1N、より好ましくは約6Nの力を加える必要がある。同時に、使用者は発射ボタン5を押し下げる。トリガロック部4の移動におけるある点で、トリガ解除穴27がトリガ停止部材7の下に並ぶことで、トリガ停止部材7は穴27を通過する。このことは素早く行なわれるので、ボタン5が進むと、ランセット解除部材6がラッチ23と接触するようになる。部材6の傾斜した側の表面によって、ラッチがランセットの本体20に対して押し戻されて、ラッチ23がランセット留め具10から解除される。そこで、針上のオーバモールド部のヘッド29が、接触板の開口14を囲んでいる接触板の内面と接触するまで、ばね31がケース1を通してランセット19を駆動し、それによって、ヘッド29がそれ以上進むのを防止する。(代替の構成では、開口14は、ヘッド29が通過するのに十分なほど大きくてもよく、その場合、使用者の皮膚によってヘッドの停止面が設けられる。)
ばね31は、継続してランセット19に力を加え、ヘッド29を通して針の先端を駆動する。これによって、針の周囲でスリーブ30が蛇腹状に折り畳まれることになる。針先端21は、接触板13の開口14を通して駆動され、使用者の皮膚を突き刺す。この時点で、ばね31は、多少過度に伸長しているので収縮し始め、ランセットを引張り、ランセットとともに、針先端を接触板の開口を通してケース内に戻す。
【0032】
この実施例の重要な特長は、ランセット針を覆うオーバモールドカバー25が、発射後に元の位置には完全に戻らないような材料および寸法からなるという点である。したがって、発射後、針の先端は、覆われていない状態のままである。これには、2つの重要な利点がある。第一に、針先端がケースを通して見えると仮定すると(ケースは透明のプラスチック材料で形成できる)、器具が発射されたことが使用者に目に見えるように示される。第二に、先端から血液の液滴が落ちて、汚染/感染の危険性が生じる結果となるおそれのある、カバー25による針先端を拭うような動作を防止する。
【0033】
ばね31が解除されると、使用者がそれを再度セットすることはできないので、ランセット器具は、一度使用すると、再使用できないことが分かるであろう。このことは、トリガロック部4の存在によって、特に、外部圧力によって押し下げられた場合、上ケース部および下ケース部の内面に形成された接触板の停止リブの位置によって定められる、非常に限定された範囲のみを内向きに移動する接触板の存在によって防止される。
【0034】
当業者であれば、この発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施例にさまざまな変更を加えることが可能であると分かるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚を刺す装置であって、ケースと、ケース内に配置されるランセットと、ランセットの針先端を、ケースの開口を通して駆動し、使用者の皮膚に刺すための発射機構とを備え、発射機構は、使用者によって、発射機構における、間隔を置いて配置された2つの部品にそれぞれ、ほぼ同時に加えられる外部圧力によって解除される機械インタロックを含む、皮膚を刺す装置。
【請求項2】
発射機構は、
ランセットに力を加えて、前記開口を通して針先端を駆動するための力印加手段と、
前記力印加手段と結合して、その手段を作動させるための指で作動可能なトリガと、
力印加手段に対するトリガの結合が妨げられる第1の位置と、結合が可能となる第2の位置との間で移動可能なトリガロック手段とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指で作動可能なトリガおよび前記トリガロック手段は、前記ケースと一体成形されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記トリガおよび前記トリガロック手段は、互いにほぼ直交する方向に移動可能なように設けられている、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記トリガロック手段は、ケースを通るランセットの移動の方向に対してほぼ平行な方向に移動可能である、請求項2ないし4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
トリガロック手段は、前記開口が貫通して形成されている接触板を含み、接触板は、使用者の皮膚の刺すべき部分と接するための外部接触表面を有する、請求項2ないし5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
接触板は、接触板をケースに対して外向きに偏るように設けられた1つまたは複数のばね手段によってケースに結合される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
そのような少なくとも1つのばね手段は、可とう性ヒンジでケースに装着され、それによって、組立時に、トリガロック手段をケース内部で折り畳むことができる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ばね手段は、1Nを超える力によって克服される、接触板の内向きの移動に対する抵抗をもたらすように設けられる、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
指で作動可能なトリガは、トリガロック手段が前記第1の位置にあるときはトリガロック手段の表面と係合するように設けられ、かつ、トリガロック手段が前記第2の位置にあるときはトリガロック手段を通る通路と同じ位置にあるように設けられる停止部材を含む、請求項2ないし9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記力印加手段は、ランセットとケースとの間に結合された圧縮ばねを含む、請求項2ないし10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
発射機構は、ランセット上、またはケースの内側に形成されたラッチを含み、ラッチは、ランセットまたはケースの反対側に形成された留め具と係合し、ランセット解除部材は、発射ボタンから垂下して、トリガロック手段が前記第2の位置にあるときに留め具またはランセットと係合する、請求項2ないし11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
ケースと、ケース内に配置される針と、ランセット発射機構とを含む、皮膚に刺す装置であって、発射機構は、
針に力を加えて、ケースの開口を通して針を駆動し、使用者の皮膚に刺すための力印加手段と、
力印加手段を解除するための指で作動可能なトリガと、
使用者の皮膚の刺すべき領域に接触するための接触部分を含むトリガロックとを含み、ロックは、トリガロック位置とトリガ解除位置との間の接触部分に加えられる圧力によって移動可能となる、皮膚に刺す装置。
【請求項14】
使用者の皮膚に刺すためのランセットであって、
概ね硬質のプラスチック材料からなる本体と、
一方の端部は前記本体に埋め込まれ、先鋭な針先端を含む他方の端部は本体から突出するようにされている針と、
針の露出した長さ全体を覆う可とう性プラスチックカバーとを含み、カバーは、本体に対してカバーに加えられる軸力によって、カバーの少なくとも軸部が針に沿って蛇腹状に折り畳まれて、針先端を露出させるような材料および寸法で形成されている、ランセット。
【請求項15】
前記カバーは、前記軸力がなくなった後で針先端を覆うために復帰することのないような材料および寸法で形成されている、請求項14に記載のランセット。
【請求項16】
可とう性プラスチックカバーは、針先端を囲むヘッド部と、ヘッド部より狭く、針の残り部分を囲むスリーブ部とを含み、それによって、使用の際、カバーのヘッドに前記軸力が加えられ、それに応じてスリーブ部が針に沿って折り畳まれる、請求項15に記載のランセット。
【請求項17】
前記可とう性プラスチックカバーは熱可塑性エラストマー材料である、請求項13ないし16のいずれか1つに記載のランセット。
【請求項18】
針の頂部に可とう性プラスチック材料をオーバモールドすることで前記可とう性プラスチックカバーを形成するステップを含む、請求項13ないし17のいずれか1つに記載のランセットを製造する方法。
【請求項19】
皮膚を刺す装置を製造する方法であって、
少なくとも1つのヒンジによって結合された上ケース部と下ケース部とを含む単一のプラスチック部品と、少なくとも1つのヒンジによって上ケース部および下ケース部の一方に結合されたトリガロック部とを成形するステップと、
上ケース部および下ケース部の一方の内部にランセット針を含むランセットを配置し、かつ、ランセットとケースとの間にばね手段を配置するステップと、
上ケース部および下ケース部の一方の中におけるヒンジを軸にしてトリガロック部を折り畳み、かつ、ケース部をそれらのヒンジを軸にしてともに折り畳んで、ランセットおよびばね手段の周囲でケースを閉じるステップとを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−251159(P2011−251159A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178385(P2011−178385)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【分割の表示】特願2007−546082(P2007−546082)の分割
【原出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(505333414)オーウェン マンフォード リミテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】OWEN MUMFORD LIMITED
【住所又は居所原語表記】Brook Hill, Woodstock, Oxfordshire OX20 1TU (GB).
【Fターム(参考)】