説明

ランダムアクセス接続を要求する方法及びそのための移動端末機

【課題】ランダムアクセスに対する個別シグネチャーを割当及び選択する方法が提供される。
【解決手段】個別シグネチャーを割り当てるオプションは、未使用空間がある場合に、ランダムシグネチャールートインデックスの未使用空間から個別シグネチャーを割り当てることと、追加的なシグネチャーが必要な場合に同一の時間/周波数リソースを用いる同一のルートインデックスから個別シグネチャーをさらに割り当てること、そしてプリアンブルの2セット両方からのコンテンションベースランダムアクセスプリアンブルからプリアンブルを予約することを含む。本発明は、また、個別シグネチャーが2セットのプリアンブルのそれぞれで予約されることを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランダムアクセス(random access)に対する個別シグネチャー(dedicated signatures)を割当及び選択する異なる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汎用移動通信システム(UMTS)は、ヨーロッパシステムベースの広帯域コード分割多重接続(WCDMA)、移動通信用グローバルシステム(GSM)及び一般パケット無線サービス(GPRS)で動作する3世代(3G)非同期式移動通信システムである。UMTSのロング・ターム・エボリューション(LTE)は、UMTSを標準化する3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)で議論中にある。
【0003】
3GPP LTEは、高速パケット通信を可能にする技術である。ユーザ及びプロバイダの費用減少、サービス品質向上、及びカバレッジ及びシステム容量の拡張及び向上を含むLTEの目標に対して多くの方式が提案されてきた。3G LTEは、上位レベル要件として、減少したビット当たりの費用、増加したサービス利用性、周波数帯域の柔軟な使用、単純な構造、公開されたインターフェース、及び端末の適切な電力消費を要求する。
【0004】
図1は、進化した汎用移動通信システム(E−UMTS)のネットワーク構造を示すブロック図である。E−UMTSは、LTEシステムとも称する。通信ネットワークは、広範囲に配置されて、音声及びパケットデータのような様々な通信サービスを提供する。
【0005】
図1に示すように、E−UMTSネットワークは、進化したUMTS地上無線接続ネットワーク(E−UTRAN)及び進化したパケットコア(EPC)及び一つ以上のユーザ装置を含む。E−UTRANは、一つ以上の発展型基地局B(evolved NodeB:eNB)20を含むことができ、複数のユーザ装置(UE)10は、一つのセルに位置することができる。一つ以上のE−UTRANモビリティ管理機能(mobility management entity:MME)/発展型システム・アーキテクチャ(system architecture evolution:SAE)ゲートウェイ30は、ネットワークの末端に設けられて、外部ネットワークと接続されることができる。
【0006】
本明細書で、“ダウンリンク”は、eNB 20からUE 10への通信を指し、“アップリンク”は、UEからeNBへの通信を指す。UE 10は、ユーザが携帯している通信装置で、移動局(MS)、ユーザ端末(UT)、加入者局(SS)または無線デバイスとも呼ばれる。
【0007】
eNB 20は、ユーザプレーン及び制御プレーンのエンドポイントをUE 10に提供する。MME/SAEゲートウェイ30は、セッション及び移動性管理機能のエンドポイントをUE 10に提供する。eNB 20及びMME/SAEゲートウェイ30は、S1インターフェースを通じて接続されることができる。
【0008】
eNB 20は一般的にUE 10と通信する固定局であり、基地局(BS)またはアクセスポイントとも呼ばれる。一つのeNB 20がセルごとに配置されることができる。ユーザトラフィックまたは制御トラフィックを送信するためのインターフェースをeNB 20同士間に使用することができる。
【0009】
MMEは、ページングメッセージのeNB 20への配信、保安制御、アイドル状態モビリティ制御、SAEベアラ制御、及び非アクセスストラタム(non-access stratum:NAS)シグナリングの暗号化及び完全性保護を含む様々な機能を提供する。SAEゲートウェイホストは、ページング事由に対するU−プレーンパケットの終了及びUE 10移動性を支援するU−プレーンスイッチングを含む様々な機能を提供する。
【0010】
MME/SAEゲートウェイ30は、明確性のために本明細書では単に「ゲートウェイ」と称する。しかし、MME/SAEゲートウェイ30は、MME及びSAEゲートウェイの両者を含むことは明らかである。
【0011】
複数のノードがeNB 20とゲートウェイ30との間でS1インターフェースを通じて接続されることができる。eNB 20同士はX2インターフェースを通じて相互接続することができ、隣接のeNBはX2インターフェースを持つメッシュネットワーク構造を有することができる。
【0012】
図2Aは、一般的なE−UTRAN及び一般的なゲートウェイ30の構造を示すブロック図である。図2Aに示すように、eNB 20は、ゲートウェイ30に対する選択、無線リソース制御(RRC)活性化中のゲートウェイへのルーティング、ページングメッセージのスケジューリング及び送信、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH)情報のスケジューリング及び送信、アップリンク及びダウンリンクの両方でUE 10のための動的リソース割当、eNB測定の構成及び準備、無線ベアラ制御、無線認可制御(Radio Admission Control;RAC)、及びLTE_ACTIVE状態で接続モビリティ制御のような機能を担うことができる。EPCで、ゲートウェイ30は、ページング発信、LTE_IDLE状態管理、ユーザプレーン暗号化、発展型システム・アーキテクチャ(SAE)ベアラ制御、及び非アクセス・ストラタム(NAS)シグナリングの暗号化及び完全性保護のような機能を担うことができる。
【0013】
図2B及び図2Cは、E−UMTSのためのユーザプレーンプロトコル及び制御プレーンプロトコルスタックを示すブロック図である。図2B及び図2Cに示すように、プロトコル層は、通信システムの技術分野に公知されているオープンシステム相互接続(OSI)標準モデルの下位の3層に基づいて第1層(L1)、第2層(L2)及び第3層(L3)に区別することができる。
【0014】
物理層、すなわち、第1層(L1)は、物理チャネルを用いて上位層への情報送信サービスを提供する。物理層は、上位レベルに位置しているメディア・アクセス制御(Medium Access Control;MAC)層に伝送チャネルを通じて接続され、伝送チャネルを通じてMAC層と物理層との間でデータ伝送がされる。データは、送信端の物理層と受信端の物理層の間のように、互いに異なる物理層の間で物理チャネルを通じて伝送される。
【0015】
第2層(L2)のMAC層は、論理チャネルを通じて上位層の無線リンク制御(RLC)層にサービスを提供する。第2層(L2)のRLC層は、信頼性あるデータの伝送を支援する。図2B及び2CにはRLC層が示されているが、MAC層がRLC機能を行う場合にはRLC層は省かれるということに留意されたい。
【0016】
第2層(L2)のPDCP層は、余計な制御情報を減少させるヘッダ圧縮機能を担う。これは、相対的に小さい帯域幅を持つ無線インターフェースを通じてIPv4またはIPv6のようなインターネットプロトコル(IP)パケットを使用するデータを効率的に伝送させる。
【0017】
第3層(L3)の最下位部に位置している無線リソース制御(RRC)層は、制御プレーンでのみ定義され、構成、再構成、及び無線ベアラ(RB)のリリースと関連して論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルを制御する。RBは、UE 10とE−UTRANとの間におけるデータ伝送のために第2層(L2)により提供されるサービスを意味する。
【0018】
図2Bに示すように、RLC及びMAC層は、ネットワーク側のeNB 20で終了し、スケジューリング、自動再送要求(ARQ)、及びハイブリッド自動再送要求(HARQ)のような機能を果たす。PDCP層は、ネットワーク側のeNB 20で終了し、ヘッダ圧縮、完全性保護、及び暗号化のようなユーザプレーン機能を果たすことができる。
【0019】
図2Cに示すように、RLC及びMAC層は、ネットワーク側のeNB 20で終了し、制御プレーンにおけると同様の機能を果たす。図2Cに示すように、RRC層は、ネットワーク側のeNB 20で終了し、ブロードキャスティング、ページング、RRC接続管理、無線ベアラ(RB)制御、移動性機能、及びUE 10測定報告及び制御のような機能を担うことができる。図2Cに示すように、NAS制御プロトコルは、ネットワーク側のゲートウェイ30のMMEで終了し、SAEベアラ管理、認証、LTE_IDLE移動性ハンドリング、LTE_IDLEページング発信、及びゲートウェイとUE 10の間のシグナリングに対する保安制御のような機能を担うことができる。
【0020】
NAS制御プロトコルは、3つの相異なる状態を用いることができる。LTE−DETACHED状態は、RRCエンティティがない場合に用いられる。LTE_IDLE状態は、最小UE 10情報を保存しながらRRC接続がない場合に用いられる。LTE_ACTIVE状態は、RRC状態が確立された場合に用いられる。また、RRC状態は、RRC_IDLE及びRRC_CONNECTEDのような2つの相異なる状態に区分することができる。
【0021】
RRC_IDLE状態で、UEがNASによって構成された不連続受信(DRX)を特定し、UEにトラッキング領域でUEを唯一に識別するIDが割り当てられる限り、UE 10は、システム情報及びページング情報のブロードキャストを受信することができる。また、RRC_IDLE状態ではeNBにいかなるRRCコンテキストも保存されない。
【0022】
RRC_CONNECTED状態で、UE 10は、E−UTRAN RRC接続及びE−UTRANでのコンテキストを有し、これにより、データをeNBに/から送信及び/または受信することが可能である。また、UE 10は、チャネル品質情報及びフィードバック情報をeNBに報告することができる。
【0023】
RRC_CONNECTED状態で、E−UTRANは、UE 10の属しているセルを知っている。したがって、ネットワークは、UE 10に/からデータを送信及び/または受信し、UEのハンドオーバーのような移動性を制御し、周辺セルに対するセル測定を行うことができる。
【0024】
RRC_IDLEモードで、UE 10は、ページングDRX(不連続受信)サイクルを特定する。具体的に、UE 10は、UE特定ページングDRXサイクル別の特定ページング時期にページング信号をモニタリングする。
【0025】
図3は、従来のLTEハンドオーバー手順を示す。UE 10は、ソースeNB 20に測定報告を伝送する(S102)。ソースeNB 20は、ターゲットeNBにUE 10コンテキストと共にハンドオーバー要求メッセージを伝送する(S104)。
【0026】
ターゲットeNB 20は、ソースeNBにハンドオーバー要求応答を伝送する(S106)。ハンドオーバー要求応答は、新しいCRNTI、ハンドオーバー命令メッセージの一部及びターゲットセルでのコンテンションフリー(contention-free)ランダムアクセスをするためのUE 10個別接続シグネチャーのようなランダムアクセスに関する情報を含む。シグネチャーは、この時点に予約される。
【0027】
ソースeNB 20は、UEにハンドオーバー命令を伝送する(S108)。ハンドオーバー命令は、新しいC−RNTI及びUE 10が使用するための個別シグネチャーのようなランダムアクセスに関する情報を含む。
【0028】
ランダムアクセス手順は、UE 10がタイミングアドバンス(TA)値を獲得するために、ハンドオーバー命令以後にターゲットセルで行われる。このようなランダムアクセス手順は、衝突を回避するために、シグネチャーがUE 10に予約されるコンテンションフリーである。
【0029】
UE 10は、個別シグネチャーを用いてランダムアクセスプリアンブルを伝送し、これによりターゲットeNB 20でランダムアクセス手順を始める(S110)。ターゲットeNB 20は、ランダムアクセス応答メッセージをUE 10に伝送する(S112)。ランダムアクセス応答メッセージは、TA及びアップリンクリソース割当を含む。UE 10は、ハンドオーバー完了メッセージをターゲットeNB 20に伝送する(S114)。
【0030】
LTEランダムアクセス手順は、コンテンションベース(contention-based)またはコンテンションフリーのいずれか一方でありうる。UE 10が使用可能なシグネチャーのセットからプリアンブルをランダムに選択する場合、ランダムアクセスプリアンブルはコンテンションベースである。UE 10が使用するシグネチャーが個別シグナリングを通じてeNB 20から割り当てられる場合、ランダムアクセスプリアンブルはコンテンションフリーである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
個別シグネチャー割当は、ハンドオーバー時に及びUE 10が時間−整列されていない場合にはダウンリンクデータの到着時に発生することができる。コンテンションベース及びコンテンションフリーの両方に対するランダムアクセスプリアンブルは、ゼロ相関領域を持ったZadoff-Chuシーケンス(ZC-ZCZ; Zadoff-Chu sequence with Zero Correlation Zone)に基づくべきである。現在、LTEランダムアクセス手順は、2セットのシグネチャーを用いる。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明の一様態で、無線移動端末と基地局の間の無線接続接続を要求する方法が提供される。この方法は、少なくとも一つのシグネチャールートシーケンスインデックス、巡回シフトパラメータ、及び第1伝送フォーマットに対応する第1シグネチャーセットと第2伝送フォーマットに対応する第2シグネチャーセットとの境界を表すシグネチャーセット識別子を含む情報を受信する段階と、前記少なくとも一つのシグネチャールートシーケンスインデックス及び前記巡回シフトパラメータによってランダムアクセスシグネチャーを用意する段階と、を含み、前記ランダムアクセスシグネチャーの少なくとも一つは、前記第1シグネチャーセットと関連し、前記ランダムアクセスシグネチャーの残りは、前記第2シグネチャーセットと関連する。
【0033】
前記シグネチャーセット識別子は複数のステップを含み、前記複数のステップのそれぞれは、複数のシグネチャーを含むことが考慮される。前記シグネチャーセット識別子は、前記第1シグネチャーセットと前記第2シグネチャーセットとの間の複数の既設定された境界のうちの一つを含むことがさらに考慮される。
【0034】
本発明の他の様態で、基地局とのランダムアクセス接続を要求する移動端末機が提供される。この移動端末機は、情報を送信する送信ユニット、情報を受信する受信ユニット、情報を表示するディスプレイユニット、ユーザからの入力を受信する入力ユニットと、少なくとも一つのシグネチャールートシーケンスインデックス、巡回シフトパラメータ、及び第1伝送フォーマットに対応する第1シグネチャーセットと第2伝送フォーマットに対応する第2シグネチャーセットとの境界を表すシグネチャーセット識別子を含む受信情報を処理し、前記少なくとも一つのシグネチャールートシーケンスインデックス及び前記巡回シフトパラメータによってランダムアクセスシグネチャーを用意する処理ユニットと、を含み、前記ランダムアクセスシグネチャーの少なくとも一つは、前記第1シグネチャーセットと関連し、前記ランダムアクセスシグネチャーの残りは、前記第2シグネチャーセットと関連する。
【0035】
前記シグネチャーセット識別子は、複数のステップを含み、前記複数のステップのそれぞれは、複数のシグネチャーを含むことが考慮される。前記シグネチャーセット識別子は、前記第1シグネチャーセットと前記第2シグネチャーセットとの間の複数の既設定された境界のうちの一つを含むことがさらに考慮される。
【0036】
本発明の追加的な特徴及び長所は後述する明細書から説明され、部分的には説明から明らかになるか、または、本発明の実施からわかることができる。本発明の上述した一般的な説明及び後述する詳細な説明は両方も例示的で説明的なものであり、請求される発明の追加的な説明を提供するためのものであることは明らかである。
【0037】
これら及びその他の実施形態は、添付の図面を参照して後述する実施形態の詳細な説明から、当業者には容易且つ明白になり、本発明は、開示された特定実施形態に制限されることはない。
【発明の効果】
【0038】
第1方式は、コンテンションベースランダムアクセスで用いられるプリアンブルから完全に独立した多数のプリアンブルを生成できるという利点がある。第2方式は、追加的なZCインデックスが要らず、新しいルートシーケンスを用いる必要がないという利点がある。第3方式は、追加的なZCインデックスが要求されないという利点がある。第4方式は、コンテンションフリーRACHに利用可能なプリアンブルの個数が減少することによって衝突確率を増加させるという欠点がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】E−UMTSのネットワーク構造を示す図である。
【図2A】E−UTRAN及びゲートウェイの構造を示す図である。
【図2B】E−UMTSに対するユーザ−プレーンプロトコル及び制御−プレーンプロトコルを示す図である。
【図2C】E−UMTSに対するユーザ−プレーンプロトコル及び制御−プレーンプロトコルを示す図である。
【図3】LTEに対する従来のハンドオーバー手順を示す図である。
【図4A】本発明の一実施例による個別シグネチャー割当方法を示す図である。
【図4B】本発明の一実施例による個別シグネチャー割当方法を示す図である。
【図5】本発明による移動局のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
添付の図面は、本発明の追加的な理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれて一部分を構成し、本発明の原理を説明するために提供される説明と共に本発明の実施形態を示す。互いに異なる図面で同一の参照番号によって参照される本発明の特徴、要素、及び様態は、一つ以上の実施形態による同一、均等、または類似の特徴、要素、または様態を示す。
【0041】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明し、それらの例示を添付の図面に示す。本発明は、個別シグネチャーを割り当てる数個の方式を提示する。
【0042】
第1方式において、シグネチャーは、区別されたルートシーケンスから割り当てられる。この方式で、コンテンションフリーランダムアクセスに用いられるシグネチャーは、コンテンションベースランダムアクセスプリアンブルを生成するために用いられるZCルートシーケンスと異なるZCルートシーケンスを用いて生成される。
【0043】
第1方式は、コンテンションベースランダムアクセスで用いられるプリアンブルから完全に独立した多数のプリアンブルを生成できるという利点を有する。一方、第1方式は、セルで新しいルートシーケンスを用いることが結果としては、干渉の増加、セル当たり使用されるルートシーケンスの増加、及び相互相関及び検出の複雑度増加につながるという欠点を有する。
【0044】
第2方式において、シグネチャーは、ランダムシグネチャールートインデックスの未使用の空間から割り当てられる。この方式で、異なるコードリソースが個別及びランダムシグネチャーに対して使用される。
【0045】
巡回シフト値がセルサイズに関連し、よって、所定のセルサイズでシフトが最大伝播遅延よりも大きくなければならないため、コンテンションベースシグネチャー機会で用いられる最後のシーケンスインデックスは、64シグネチャーを生成するために必ずしも完全に割り当てられる必要はない。これにより、残余未使用のシグネチャーがコンテンションフリー接続手順に割り当てられることができる。
【0046】
第2方式は、追加的なZCインデックスが必要でなく、新しいルートシーケンスを用いる必要がないという利点を有する。一方、第2方式は、残余シグネチャー機会の個数が固定されず、セルサイズ、すなわち、巡回シフトの長さによって0になることもあるという欠点を有する。
【0047】
第3方式において、シグネチャーは、異なる時間/周波数リソースを用いる同一のルートインデックスから割り当てられる。同一のコードリソースが個別及びランダムシグネチャーに対して使用される。この方式で、コンテンションベース及びコンテンションフリーRACHシグネチャー機会は、同一のZCシーケンスインデックスを通じて同一の巡回シフトされたバージョンから割り当てられる。
【0048】
第3方式の利点は、追加的なZCインデックスが要求されないこと、すなわち、新しいルートシーケンスを使用する必要がないということである。一方、第3方式は、コンテンションフリーとコンテンションベースプリアンブルの間にコード区別がないため、コンテンションフリー及びコンテンションベースのプリアンブル間の区別が、RACHに使用された時間/周波数リソースによって行われ、そのため、追加的なシグナリングが要求されるという欠点を有する。
【0049】
第4方式で、シグネチャーは、同一の時間/周波数リソースを用いる同一のルートインデックスから割り当てられる。この方式は、コンテンションベースランダムアクセス手順で使用されるプリアンブルのセットから準静的方式でいくつかのプリアンブルの予約を許容することから構成される。例えば、16プリアンブルが予約されることができる。第4方式は、コンテンションフリーRACHに利用可能なプリアンブルの個数が減少することによって衝突確率を増加させるという欠点を有する。
【0050】
好ましい方式は、第2方式及び第4方式のハイブリッドである。このハイブリッド方式は、新しいルートシーケンス及びシグナリングによって取り込まれる干渉を最小化するために、上記4つの方式の利点及び欠点を考慮する。
【0051】
ハイブリッド方式は、未使用の空間があれば、ランダムシグネチャールートインデックスの未使用空間から個別シグネチャーを割り当てる。第4方式は、個別シグネチャーがさらに必要であり、いくつかのプリアンブルがコンテンションベースランダムアクセスプリアンブルから予約される場合に用いられる。コンテンションベースシグネチャーセットの中で予約可能なシグネチャーの個数はあらかじめ設定される。
【0052】
図4は、本発明による個別シグネチャー割当を示す図である。図4で、UE 10は、UEが個別シグネチャーを使用するセルで利用される巡回シフト値及びルートシーケンスを知り、個別シグネチャーの割当のためにハイブリッド方法が用いられると仮定する。
【0053】
UE 10の使用のためにどんなシグネチャーが予約されたかをUEに指示する一つの方法は、利用可能なシグネチャーの全体個数の中でいずれかの数を単純に指示することであり、UEは、シグネチャーを生成するためにUEが何回の巡回シフトを適用しなければならないかがわかる。利用可能なシグネチャーの全体個数は、所定のセルで使用された全てのルートシーケンスから生成されうるシグネチャーの個数である。巡回シフト数が、ルートシーケンス#Aに適用可能な巡回シフトの最大数よりも高いと、UE 10は、ルートシーケンス#Bに巡回シフトを適用しなければならないということが事実上わかる。
【0054】
しかし、このような方法は、eNB 20が少なくても6ビットの情報をUE 10に伝送することを要求する。この方法を最適化するいくつかのオプションが存在する。全てのオプションに対して、BCCH上でブロードキャスティングするようにして、コンテンションベース接続を行うUE 10に、予約されたシグネチャーの数を指示しなければならない。
【0055】
個別シグネチャーを割り当てる第1オプションは、情報ビットの数を6ビットよりも小さく減少させることであり、図4Aにおいて矢印で示すように、予約が許可されるコンテンションベースランダムアクセスに対するシグネチャーがルートシーケンスから生成された最後のシグネチャーであり、末端からナンバリングが始まると標準で定義することによる。
【0056】
第1オプションは、例えば、予約できるシグネチャーの数が16と固定されている場合に単に4ビットが必要であるように、予約できるシグネチャーの数に依存する。例えば、eNB 20は、シグネチャー64を予約し、情報“3”をUE 10に伝送できる。図4Aに示すように、3個の未使用シグネチャーが利用可能である。第1オプションは、予約されたシグネチャーに対するZCインデックス上の空間が連続的であり、未使用空間前にインデックスの最後に位置することを要求する。
【0057】
第1オプションの一つの欠点は、予約できるシグネチャーが全て同一のセットからであるため、UE 10が要求されるリソース/チャネル品質を表示することのように、セットを選択できないということである。第1オプションは、また、ただ一つのセットでコンテンションベースに利用可能なシグネチャーの個数を減少させ、ユーザのただ一つのカテゴリーに対する衝突可能性を増加させる。
【0058】
個別シグネチャーを割り当てる第2オプションは、第1オプションの欠点に対処するものである。第2オプションは、コンテンションベースランダムアクセスに対して用いられる64シグネチャーのうち、インデックスの最後に予約されたシグネチャーを割り当てる代わりに、2セットのシグネチャーの間でセットの大きさに比例するように個別シグネチャーを割り当てる。
【0059】
例えば、64コンテンションベースランダムアクセスシグネチャーのうち、Nrシグネチャーが予約できると、それらのシグネチャーは、一部分は第1セットの終端に存在し、他の部分は第2セットの始端に存在するように2セットの間に予約される。2セットのうちそれぞれのセットで予約されるシグネチャーの数は、下記の数式によって計算することができる:
NRset1=ceil(Nset1/64*(Nr-Nunused))であり、
NRset2=Nr-NRset1-Nunused
ここで、
Nset1 セット1のシグネチャーの数
Nset2 セット2のシグネチャーの数
Nunused ルートシーケンスで使用されないシグネチャーの数
NRset1 セット1で予約されたシグネチャーの数
NRset2 セット2で予約されたシグネチャーの数
Ceil 整数(upper integer)を表す。
【0060】
第2オプションにどんなシグネチャーを利用するかをUE 10に指示する2つの代案がある。第1代案は、やや最適化し足りない代案で、ZCインデックスの未使用空間で利用可能なシグネチャーの数に依存する所定の上限と共に、6から8ビットまでの数を持つシグネチャーを指示する。
【0061】
図4Bに示す第2代案は、予約されうるシグネチャーの数に依存しているオフセット情報のビット数と共に、使用するシグネチャーを指示するためにオフセット情報を伝送することで構成される。例えば、未使用空間無しで16シグネチャーが個別化される場合には、4ビットが必要である。カウンティングは、図4Bのセット1の最初の予約可能なシグネチャーからセット2の最後の予約可能なシグネチャーに向かって行われる、または、シグネチャーがインデックスの未使用空間から提供された場合には、インデックスの終端からシーケンスの始端に向かって行われる。
【0062】
図4Bに示すように、UE 10は、個別シグネチャーを割り当てるために、第2オプションの2グループのシグネチャーの間で選択しなければならない。図3に示すメッセージ3(Message 3)でデータ伝送に対するリソース割当を最適化するために、UE 10は、要求されるリソースによるシグネチャーを受け取ることができ、eNB 20が、個別シグネチャーと共にメッセージ3で使用される伝送フォーマットをUEに指示することができる。
【0063】
個別シグネチャーを選択するためのこのオプションの利点は、eNB 20がただ一つのシグネチャーを指定するということである。このオプションの欠点は、図3に示すメッセージ3の大きさが、割り当てられたシグネチャーを収容しなければならないということである。
【0064】
個別シグネチャーを選択するための代案オプションは、eNB 20がそれぞれのシグネチャーセットから一つずつ毎度2個のシグネチャーを予約し、UE 10が送信すべきデータの量によってシグネチャーを選択することである。eNB 20は、UE 10がそれぞれの予約された個別シグネチャーに対して、図3に示すメッセージ3のどのような伝送フォーマット及び/または無線条件を使用できるかを指示しなければならない。このオプションの欠点は、2シグネチャーが予約されなければならないということである。
【0065】
図5は、移動局(MS)またはUE 10のブロック図である。UE 10は、プロセッサ(または、デジタル信号プロセッサ)510、RFモジュール535、電力管理モジュール505、アンテナ540、バッテリー555、ディスプレイ515、キーパッド520、メモリ530、SIMカード525(オプションでありうる)、スピーカー545及びマイクロホン550を含む。
【0066】
ユーザが、例えば、キーパッド520のボタンを押したり、または、マイクロホン550を用いた音声駆動によって電話番号のような指示情報を入力する。マイクロプロセッサ510は、指示情報を受信及び処理して、電話番号をダイヤルするなどの、適切な機能を行う。動作データが加入者アイデンティティモジュール(SIM)カード525またはメモリモジュール530から抽出されて、機能を果たすことができる。また、プロセッサ510は、ユーザの参照及び便宜のために、指示及び動作情報をディスプレイ515に表示することができる。
【0067】
プロセッサ510は、指示情報をRFモジュール535に提供し、例えば、音声通信データを含む無線信号を伝送するなど、通信を開始する。RFモジュール535は、無線信号を受信及び送信するための受信機及び送信機を含む。アンテナ541は、無線信号の送信及び受信を容易にする。無線信号を受信すると、RFモジュール535は、プロセッサ510による処理のために信号を基底帯域周波数にフォーワーディング及び変換する。処理された信号は、聞くことのできるまたは読むことのできる情報に変換され、例えば、スピーカー545を通じて出力される。プロセッサ510は、本明細書に説明された様々な処理を行うために必要なプロトコル及び機能を含む。
【0068】
実施例によって、本発明は、全的にハードウェア具現、全的にソフトウェア具現、またはハードウェア及びソフトウェア構成要素を含む具現の形態を有することができる。ソフトウェア具現は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含むことができるが、これに制限されない。
【0069】
また、本発明は、コンピュータまたは任意の命令実行システムによりまたはこれらに接続されることによって使用されるプログラムコードを提供するコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み取り可能媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態を有することができる。本説明の目的のために、コンピュータ利用可能またはコンピュータ読み取り可能媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによりまたはこれらに接続されることによって使用されるプログラムを包含、記憶、通信、伝播、または伝送できる任意の装置でありうる。
【0070】
プログラムコードを記憶及び/または実行するのに適したデータ処理システムは、システムバスを通じてメモリ要素と直接的または間接的に接続された一つ以上のプロセッサを含む。メモリ要素は、プログラムコードの実際実行中に用いられるローカルメモリ、バルク貯蔵所、及び実行中にバルク貯蔵所からコードが抽出されなければならない回数を減少するために少なくともいくつかのプログラムコードの臨時貯蔵所を提供するキャッシュメモリを含むことができる。
【0071】
他の構成要素がシステムに接続されることができる。入力/出力またはI/O装置(キーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などを含むが、これに限定されることはない)は、直接または媒介I/O制御機を通じてシステムに接続されることができる。ネットワークアダプター(例えば、モデム、ケーブルモデム、イーサネット(登録商標)カード)はシステムと接続されて、データプロセシングシステムが他のプロセシングシステムまたは遠隔プリンタまたは記憶デバイスと媒介私設または公衆ネットワークを通じて接続されるようにする。
【0072】
ロジックコード、プログラム、モジュール、プロセス、方法、及びそれぞれの方法のそれぞれの要素が行われる順序は、あくまでも例示的なものであることを明らかにしたい。実施形態によって、本開示で別の指示がされない限り、それらは任意の順序でまたは並列的に行われることもできる。また、ロジックコードは或る特定プログラミング言語と関連したり制限されず、分散、非分散、または多重プロセシング環境の一つ以上のプロセッサ上で実行される一つ以上のモジュールを含むことができる。
【0073】
上述した方法は、集積回路チップの製造で用いられることができる。結果的な集積回路チップは、未加工のウエハ形態で(すなわち、多数のパッケージされていないチップを有する単一ウエハとして)、ベアダイ(bare die)として、またはパッケージングされた形態で製造者により分配されることができる。後者の場合、(マザーボードまたは他の上位レベルキャリアに付着されるリードを有するプラスチックキャリアのような)単一チップパッケージまたは(埋め込みインターコネクションまたは表面インターコネクションのいずれか一方または両方を有するセラミックキャリアのような)マルチチップパッケージにチップが実装される。
【0074】
いずれの場合にも、チップは(a)マザーボードのような中間製品、または(b)最終製品の一部分として他のチップ、分離回路要素、及び/または他の信号処理デバイスと一緒に集積される。最終製品は、おもちゃ及びその他の低級(low-end)アプリケーションからディスプレイ、キーボードまたはその他の入力装置、及び中央プロセッサを持つ高級コンピュータ製品に至る、集積回路チップを含む任意の製品にもなりうる。
【0075】
したがって、本発明が添付の特許請求の範囲の思想及び範囲内で修正及び変更を加えて実行されることができることは明らかである。発明の詳細な説明は、開示された形態そのままに本発明を総網羅したり制限するためのものではない。開示された実施形態の上記の及び様々な他の適用及び組合せは本発明の範囲内に含まれ、特許請求の範囲及びその均等物の全体範囲によりさらに定められる。
【0076】
本発明は、その思想または必須な特徴を逸脱しない限度内で様々な形態で具現されることができるので、上記の実施形態は、特に特定されない限り、前述した説明の細部内容によって制限されることはなく、添付の特許請求の範囲の思想及び範囲内で定義されるものとして広く解釈しなければならないことが理解できる。したがって、特許請求の範囲の境界及び範囲に属するあらゆる修正及び変更、またはそれらの境界及び範囲の均等物は、添付の特許請求の範囲に含まれるように意図される。
【0077】
前述の実施形態及び利点は単に例示的なもので、本発明を制限するように解釈してはならない。本教示は、他の形式の装置にも容易に適用されることができる。
【0078】
本発明の説明は、例示的なものとして意図され、特許請求の範囲を制限するように意図されたものではない。多くの変形、修正、及び変更は、当該技術に熟練した当業者には明白である。特許請求の範囲で、手段+機能(means-plus-function)節は、記載された機能を行いながら、本明細書に説明された構造及び構造的均等物だけでなく均等な構造を含むように意図される。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、ランダムアクセスに対する個別シグネチャーを割当及び選択するための異なる方法を対象とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末機と基地局の間のランダムアクセス接続を要求する方法であって、
前記移動端末機が、少なくとも一つのシグネチャールートシーケンスインデックス、巡回シフトパラメータ、及び第1シグネチャーセットと第2シグネチャーセットの間の境界を表すために使用されるシグネチャーセットの数を含む情報を受信し、
前記移動端末機が、前記少なくとも一つのシグネチャールートシーケンスインデックス及び前記巡回シフトパラメータによってランダムアクセスシグネチャーを用意し、
前記ランダムアクセスシグネチャーの少なくとも一つは、前記第1シグネチャーセットと関連し、前記ランダムアクセスシグネチャーの残りは、前記第2シグネチャーセットと関連し、
前記移動端末機が、メッセージサイズと無線状態に基づいて前記第1シグネチャーセット又は前記第2シグネチャーセットからランダムアクセスプリアンブルを選択すること、
を含む、ランダムアクセス接続要求方法。
【請求項2】
基地局とのランダムアクセス接続を要求する移動端末機であって、
情報を送信する送信ユニットと、
情報を受信する受信ユニットと、
情報を表示するディスプレイユニットと、
ユーザからの入力を受信する入力ユニットと、
処理ユニットであって、
少なくとも一つのシグネチャールートシーケンスインデックス、巡回シフトパラメータ、及び第1シグネチャーセットと第2シグネチャーセットの間の境界を表すために使用するシグネチャーセットの数を含む情報を処理し、
前記少なくとも一つのシグネチャールートシーケンスインデックス及び前記巡回シフトパラメータによってランダムアクセスシグネチャーを用意し、
前記ランダムアクセスシグネチャーの少なくとも一つは、前記第1シグネチャーセットと関連し、前記ランダムアクセスシグネチャーの残りは、前記第2シグネチャーセットと関連し、
メッセージサイズと無線状態に基づいて前記第1シグネチャーセット又は前記第2シグネチャーセットからランダムアクセスプリアンブルを選択するように用意された処理ユニットと、
を含む移動端末機。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−130065(P2012−130065A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−45382(P2012−45382)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【分割の表示】特願2010−520946(P2010−520946)の分割
【原出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】