ランドリーパイプの保持部構造
【課題】 浴室内壁面からランドリーパイプ固定具を突出させずに、浴室内自動洗浄装置の設置された浴室であっても、浴室内に洗浄水を十分行き渡らせることができる、構成が簡易で、見栄えも向上するランドリーパイプの保持部構造を提供する。
【解決手段】 ランドリーパイプの保持部構造にあっては、浴室の壁面に凹部を形成し、該凹部に浴室側に開口する断面略コ字状のランドリーパイプ保持体を嵌合固定し、該ランドリーパイプ保持体には、上記凹部の開口を閉じる蓋体を弾性部材で常態において上記開口部閉方向に付勢して構成した。
【解決手段】 ランドリーパイプの保持部構造にあっては、浴室の壁面に凹部を形成し、該凹部に浴室側に開口する断面略コ字状のランドリーパイプ保持体を嵌合固定し、該ランドリーパイプ保持体には、上記凹部の開口を閉じる蓋体を弾性部材で常態において上記開口部閉方向に付勢して構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、浴室内に着脱自在に架設されるランドリーパイプの保持部構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、外気の汚染、花粉の付着などを避けるため、浴室乾燥装置を設置した浴室が普及しており、浴室内に洗濯物を干すことが一般的になってきている。このため、浴室内には、ランドリーパイプが架設されるのが一般的であり、従来では、例えば特許文献１に示すように、ランドリーパイプの固定具を浴室壁面にねじ等で壁面から突出させて固定し、これにパイプを引っ掛けて架設する方法が取られていた。
【０００３】
【特許文献１】特開２００３−１０５９７号公報
【０００４】
一方、浴室の天井や壁面から洗浄水を吐き出して浴室内を自動に洗浄する装置も近年、開発されているのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記浴室内自動洗浄装置が設置された浴室に、従来の突出したランドリーパイプ固定具を適用した場合には、該固定具の下部に洗浄水が届かず、汚れが溜まるという不具合が発生し、結局は該固定具回りを手で掃除する他はなく、作業が非常に煩雑である、という問題を有していた。
【０００６】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、浴室内壁面からランドリーパイプ固定具を突出させずに、浴室内自動洗浄装置の設置された浴室であっても、浴室内に洗浄水を十分行き渡らせることができる、構成が簡易で、見栄えも向上するランドリーパイプの保持部構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するため、請求項１に記載のランドリーパイプの保持部構造にあっては、浴室の壁面に凹部を形成し、該凹部に浴室側に開口する断面略コ字状のランドリーパイプ保持体を嵌合固定し、該ランドリーパイプ保持体には、上記凹部の開口を閉じる蓋体を設けたことを特徴とする。
【０００８】
また、請求項２に記載の発明にあっては、請求項１に記載のランドリーパイプの保持部構造を技術的前提とし、前記蓋体は、前記弾性部材で前記開口部閉方向に付勢したことを特徴とする。
【０００９】
また、請求項３に記載の発明にあっては、請求項１又は請求項２のいずれかに記載のランドリーパイプの保持部構造を技術的前提とし、前記蓋体は、前記弾性部材に、下がり勾配で保持されていることを特徴とする。
【００１０】
さらに、請求項４に記載の発明にあっては、請求項１乃至請求項３のいずれかに記載のランドリーパイプの保持部構造を技術的前提とし、前記ランドリーパイプ保持体の開口周縁フランジ部の下部分には、切欠部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１１】
以上説明したように、請求項１に記載の発明にあっては、浴室内壁面からランドリーパイプの保持部が突出しないので、浴室内自動洗浄装置の設置された浴室であっても、浴室内に洗浄水を十分行き渡らせることができ、しかも構成が簡易で、突出部分がなくなるので、浴室内の見栄えを向上させることができる。
【００１２】
また、請求項２に記載の発明にあっては、蓋体が常態において閉方向に付勢されているので、浴室内洗浄時に洗浄水が開口部内に溜まる心配がなく、また外観品質を損なわない、という利点がある。
【００１３】
また、請求項３に記載の発明にあっては、蓋体に洗浄水などが付着しても、自然と流下し、排水することができ、衛生的である。
【００１４】
さらに、請求項４に記載の発明にあっては、ランドリーパイプ保持体の開口周縁フランジ部の下部分に、切欠部が形成されているので、排水性が向上し、かつランドリーパイプの着脱作業が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下、添付図面に示す発明の実施形態例に基づき、この発明を詳細に説明する。
【００１６】
図１は、この発明の一実施形態例に係るランドリーパイプの保持部構造が適用された浴室壁の断面図を、図２は同ランドリーパイプ保持部にランドリーパイプの一端部が挿入された状態を示す断面図を、図３は同ランドリーパイプ保持部の構成例を示す斜視図である。
【００１７】
即ち、本実施形態例では、浴室の壁面Ｗに凹部１を形成し、該凹部１に浴室側に開口する断面略コ字状のランドリーパイプ保持体２を嵌合固定し、該ランドリーパイプ保持体２には、上記凹部、即ちランドリーパイプ保持体２の開口３を閉じる蓋体４を、コイルスプリング５で常態において上記開口部閉方向に付勢して構成されている。尚、図中符号６は、バネ止め凸部である。勿論、上記ランドリーパイプ保持体２が配設された対向壁にも、図示はしないが、上記ランドリーパイプＰの他端部を保持する保持体が配設されている。また、このランドリーパイプＰは、前記従来例のような構造であっても良いが、好ましくは、伸縮式のものが望ましい。
【００１８】
また、上記蓋体４は、該蓋体４に浴室内自動洗浄装置（図示せず）から吐出される洗浄水などが付着しても、これが自然と流下し、排水することができるように、この実施形態例では、下がり勾配となるように、コイルスプリング５に保持されている。
【００１９】
さらに、この実施形態例では、排水性が向上し、かつランドリーパイプＰの着脱作業を容易ならしめるために、前記ランドリーパイプ保持体２の開口周縁フランジ部７の下部分７Ａには、切欠部８が形成されている。また、ランドリーパイプ保持体２の切欠部８側の内側面を、バネ止め凸部６側から開口３側へ向かって下がり勾配とすることで、ランドリーパイプ保持体２内に侵入した水は、良好に排出される。
【００２０】
この実施形態例にかかるランドリーパイプの保持構造は、以上のように構成されているので、浴室内壁面ＷからランドリーパイプＰの保持部２が突出しないので、浴室内自動洗浄装置の設置された浴室であっても、浴室内に洗浄水を十分行き渡らせることができ、しかも構成が簡易で、突出部分がなくなるので、浴室内の見栄えを向上させることができ、また、蓋体４に洗浄水などが付着しても、自然と流下し、排水することができ、衛生的であり、さらに、ランドリーパイプ保持体２の開口周縁フランジ部７の下部分７Ａに、切欠部８を形成したので、排水性が向上し、かつランドリーパイプＰの着脱作業が容易となる。
【００２１】
また、本実施形態例では、ラインドリーパイプ保持体２を、正面視略円形状としているが、本発明にあってはこれに限定されず、正面視四角形状であってもよい。その場合は、蓋体４の上部に軸部を設け、その軸部をランドリーパイプ保持体２に枢着する構造であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】この発明の一実施形態例に係るランドリーパイプの保持部構造が適用された浴室壁の断面図である。
【図２】同ランドリーパイプ保持部にランドリーパイプの一端部が挿入された状態を示す断面図である。
【図３】同ランドリーパイプ保持部の構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００２３】
Ｐ ランドリーパイプ
Ｗ 浴室の壁面
１ 凹部
２ ランドリーパイプ保持体
３ 開口
４ 蓋体
５ コイルスプリング
７ 開口周縁フランジ部
８ 切欠部
【技術分野】
【０００１】
この発明は、浴室内に着脱自在に架設されるランドリーパイプの保持部構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、外気の汚染、花粉の付着などを避けるため、浴室乾燥装置を設置した浴室が普及しており、浴室内に洗濯物を干すことが一般的になってきている。このため、浴室内には、ランドリーパイプが架設されるのが一般的であり、従来では、例えば特許文献１に示すように、ランドリーパイプの固定具を浴室壁面にねじ等で壁面から突出させて固定し、これにパイプを引っ掛けて架設する方法が取られていた。
【０００３】
【特許文献１】特開２００３−１０５９７号公報
【０００４】
一方、浴室の天井や壁面から洗浄水を吐き出して浴室内を自動に洗浄する装置も近年、開発されているのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記浴室内自動洗浄装置が設置された浴室に、従来の突出したランドリーパイプ固定具を適用した場合には、該固定具の下部に洗浄水が届かず、汚れが溜まるという不具合が発生し、結局は該固定具回りを手で掃除する他はなく、作業が非常に煩雑である、という問題を有していた。
【０００６】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、浴室内壁面からランドリーパイプ固定具を突出させずに、浴室内自動洗浄装置の設置された浴室であっても、浴室内に洗浄水を十分行き渡らせることができる、構成が簡易で、見栄えも向上するランドリーパイプの保持部構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するため、請求項１に記載のランドリーパイプの保持部構造にあっては、浴室の壁面に凹部を形成し、該凹部に浴室側に開口する断面略コ字状のランドリーパイプ保持体を嵌合固定し、該ランドリーパイプ保持体には、上記凹部の開口を閉じる蓋体を設けたことを特徴とする。
【０００８】
また、請求項２に記載の発明にあっては、請求項１に記載のランドリーパイプの保持部構造を技術的前提とし、前記蓋体は、前記弾性部材で前記開口部閉方向に付勢したことを特徴とする。
【０００９】
また、請求項３に記載の発明にあっては、請求項１又は請求項２のいずれかに記載のランドリーパイプの保持部構造を技術的前提とし、前記蓋体は、前記弾性部材に、下がり勾配で保持されていることを特徴とする。
【００１０】
さらに、請求項４に記載の発明にあっては、請求項１乃至請求項３のいずれかに記載のランドリーパイプの保持部構造を技術的前提とし、前記ランドリーパイプ保持体の開口周縁フランジ部の下部分には、切欠部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１１】
以上説明したように、請求項１に記載の発明にあっては、浴室内壁面からランドリーパイプの保持部が突出しないので、浴室内自動洗浄装置の設置された浴室であっても、浴室内に洗浄水を十分行き渡らせることができ、しかも構成が簡易で、突出部分がなくなるので、浴室内の見栄えを向上させることができる。
【００１２】
また、請求項２に記載の発明にあっては、蓋体が常態において閉方向に付勢されているので、浴室内洗浄時に洗浄水が開口部内に溜まる心配がなく、また外観品質を損なわない、という利点がある。
【００１３】
また、請求項３に記載の発明にあっては、蓋体に洗浄水などが付着しても、自然と流下し、排水することができ、衛生的である。
【００１４】
さらに、請求項４に記載の発明にあっては、ランドリーパイプ保持体の開口周縁フランジ部の下部分に、切欠部が形成されているので、排水性が向上し、かつランドリーパイプの着脱作業が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下、添付図面に示す発明の実施形態例に基づき、この発明を詳細に説明する。
【００１６】
図１は、この発明の一実施形態例に係るランドリーパイプの保持部構造が適用された浴室壁の断面図を、図２は同ランドリーパイプ保持部にランドリーパイプの一端部が挿入された状態を示す断面図を、図３は同ランドリーパイプ保持部の構成例を示す斜視図である。
【００１７】
即ち、本実施形態例では、浴室の壁面Ｗに凹部１を形成し、該凹部１に浴室側に開口する断面略コ字状のランドリーパイプ保持体２を嵌合固定し、該ランドリーパイプ保持体２には、上記凹部、即ちランドリーパイプ保持体２の開口３を閉じる蓋体４を、コイルスプリング５で常態において上記開口部閉方向に付勢して構成されている。尚、図中符号６は、バネ止め凸部である。勿論、上記ランドリーパイプ保持体２が配設された対向壁にも、図示はしないが、上記ランドリーパイプＰの他端部を保持する保持体が配設されている。また、このランドリーパイプＰは、前記従来例のような構造であっても良いが、好ましくは、伸縮式のものが望ましい。
【００１８】
また、上記蓋体４は、該蓋体４に浴室内自動洗浄装置（図示せず）から吐出される洗浄水などが付着しても、これが自然と流下し、排水することができるように、この実施形態例では、下がり勾配となるように、コイルスプリング５に保持されている。
【００１９】
さらに、この実施形態例では、排水性が向上し、かつランドリーパイプＰの着脱作業を容易ならしめるために、前記ランドリーパイプ保持体２の開口周縁フランジ部７の下部分７Ａには、切欠部８が形成されている。また、ランドリーパイプ保持体２の切欠部８側の内側面を、バネ止め凸部６側から開口３側へ向かって下がり勾配とすることで、ランドリーパイプ保持体２内に侵入した水は、良好に排出される。
【００２０】
この実施形態例にかかるランドリーパイプの保持構造は、以上のように構成されているので、浴室内壁面ＷからランドリーパイプＰの保持部２が突出しないので、浴室内自動洗浄装置の設置された浴室であっても、浴室内に洗浄水を十分行き渡らせることができ、しかも構成が簡易で、突出部分がなくなるので、浴室内の見栄えを向上させることができ、また、蓋体４に洗浄水などが付着しても、自然と流下し、排水することができ、衛生的であり、さらに、ランドリーパイプ保持体２の開口周縁フランジ部７の下部分７Ａに、切欠部８を形成したので、排水性が向上し、かつランドリーパイプＰの着脱作業が容易となる。
【００２１】
また、本実施形態例では、ラインドリーパイプ保持体２を、正面視略円形状としているが、本発明にあってはこれに限定されず、正面視四角形状であってもよい。その場合は、蓋体４の上部に軸部を設け、その軸部をランドリーパイプ保持体２に枢着する構造であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】この発明の一実施形態例に係るランドリーパイプの保持部構造が適用された浴室壁の断面図である。
【図２】同ランドリーパイプ保持部にランドリーパイプの一端部が挿入された状態を示す断面図である。
【図３】同ランドリーパイプ保持部の構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００２３】
Ｐ ランドリーパイプ
Ｗ 浴室の壁面
１ 凹部
２ ランドリーパイプ保持体
３ 開口
４ 蓋体
５ コイルスプリング
７ 開口周縁フランジ部
８ 切欠部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
浴室の壁面に凹部を形成し、該凹部に浴室側に開口する断面略コ字状のランドリーパイプ保持体を嵌合固定し、該ランドリーパイプ保持体には、上記凹部の開口を閉じる蓋体を設けたことを特徴とするランドリーパイプの保持部構造。
【請求項２】
前記蓋体は、弾性部材で前記開口部閉方向に付勢したことを特徴とする請求項１に記載のランドリーパイプの保持部構造。
【請求項３】
前記蓋体は、前記弾性部材に、下がり勾配で保持されていることを特徴とする請求項１または請求項２のいずれかに記載のランドリーパイプの保持部構造。
【請求項４】
前記ランドリーパイプ保持体の開口周縁フランジ部の下部分には、切欠部が形成されていることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載のランドリーパイプの保持部構造。
【請求項１】
浴室の壁面に凹部を形成し、該凹部に浴室側に開口する断面略コ字状のランドリーパイプ保持体を嵌合固定し、該ランドリーパイプ保持体には、上記凹部の開口を閉じる蓋体を設けたことを特徴とするランドリーパイプの保持部構造。
【請求項２】
前記蓋体は、弾性部材で前記開口部閉方向に付勢したことを特徴とする請求項１に記載のランドリーパイプの保持部構造。
【請求項３】
前記蓋体は、前記弾性部材に、下がり勾配で保持されていることを特徴とする請求項１または請求項２のいずれかに記載のランドリーパイプの保持部構造。
【請求項４】
前記ランドリーパイプ保持体の開口周縁フランジ部の下部分には、切欠部が形成されていることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載のランドリーパイプの保持部構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００８−２２０５６３（Ｐ２００８−２２０５６３Ａ）
【公開日】平成２０年９月２５日（２００８．９．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−６１７３３（Ｐ２００７−６１７３３）
【出願日】平成１９年３月１２日（２００７．３．１２）
【出願人】（０００００２２２２）サンウエーブ工業株式会社 (196)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年９月２５日（２００８．９．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年３月１２日（２００７．３．１２）
【出願人】（０００００２２２２）サンウエーブ工業株式会社 (196)
【Ｆターム（参考）】
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