説明

ランプソケットおよび照明装置

【課題】簡便な構成で、より薄型化が可能なランプソケットおよび非発光領域がより小さい照明装置を提供する。
【解決手段】ソケット本体5は、一表面5a側に直管形ランプにおける第1口金部から突出した2本の第1ランプピンを挿入する第1の挿入口2a,2aを備えた第1の受口面1aと、他表面5b側に別の直管形ランプの第2口金部から突出した1本の第2ランプピンを挿入する第2の挿入口2bを備えた第2の受口面1bとを有し、一表面5a側および他表面5b側にそれぞれ直管形ランプを対向して直線状に装着させる装着位置において、各第1ランプピンそれぞれと接触する第1接触片3ac,3acと、第2ランプピンと接触する第2接触片3bcとを備え、第1の受口面1aへの投影視において、一対の第1接触片3ac,3ac同士の間に第2接触片3bcを位置してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管形ランプを装着させるランプソケットおよびそれを備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家庭用や施設用などの照明装置として、直管形ランプを装着するランプソケットを備えた照明装置が広く用いられている。ランプソケットには、少なくとも2本の直管形ランプが直線状に配設される照明装置に使用されるものがある。
【0003】
この種のランプソケットとして、直管形ランプの相対する各々の口金部を接続するために、ソケット本体の一表面側および該一表面と反対の他表面側の各々に設けられた開口部と、該開口部に設けられ直管形ランプの口金部から突出する一対のランプピンが各々挿入されて直管形ランプの軸方向の回りに回転する回転子とを有するものが知られている(たとえば、特許文献1)。
【0004】
このランプソケットは、上記一表面側および上記他表面側に一対づつ設けられ回転子に挿入された上記ランプピン各々に接触が可能な接触片を備えている。そのため、ランプソケットは、ソケット本体の一表面側および他表面側にそれぞれ直管形ランプを直線状に対向させて軸方向の回りに回転することにより装着させる装着位置において、一対のランプピンが上記一表面側および上記他表面側それぞれで各接触片と接触する。
【0005】
2本の直管形蛍光ランプを直線状に配設させる場合、上述のランプソケットは、蛍光ランプたる直管形蛍光ランプの口金部から突出する一対のランプピンを上記一表面側あるいは上記他表面側だけに挿入可能な2つのランプソケットを備えた照明装置と比較して、ランプソケットの使用数が減る分だけ、照明装置の直管形ランプの軸方向におけるランプソケットの厚み分に起因した非発光領域を小さくすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−50729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に開示されたランプソケットでは、直管形ランプの一対の口金部それぞれから突出した2本のランプピンを挿入し、直管形ランプの軸方向の回りで回転させる回転子をソケット本体の一表面側および他表面側それぞれに備えている。そのため、ランプソケットは、各接触片がランプソケットの内部の仕切板で仕切られた上記一表面側および上記他表面側にそれぞれ位置されている。このため、ランプソケットの厚みは、2本の直管形ランプを直線状に配設させるために、直管形ランプの口金部から突出するランプピンを一表面側だけに挿入する2つのランプソケットを隣接させるものと比較しても、ソケット本体の壁の厚み分が薄型化できるにしかすぎなかった。
【0008】
したがって、簡便な構成で、より薄型化が可能なランプソケットが求められる現在においては、上述のランプソケットの構成では十分ではない。また、簡便な構成で、非発光領域が、より小さい照明装置が求められる現在においては、上述のランプソケットを備えた照明装置の構成だけでは十分ではなく、更なる改良が求められている。
【0009】
また、近年、蛍光ランプに比べて長寿命で、消費電力をより低くすることが可能な発光ダイオードを用いたLEDランプが普及しつつあり、直管形蛍光ランプの代替光源としての直管形LEDランプおよび該直管形LEDランプを装着させる直管形LEDランプ専用照明装置が開発されつつある。なお、直管形LEDランプは、管本体の一端側の口金部から突出した2本のランプピンおよび他端側の口金部から突出した1本のランプピンを備えた構造をしており、日本電球工業会による規格(JEL801:2010)「L形口金付直管形LEDランプシステム(一般照明用)」も制定されている。
【0010】
現在のところ、直管形LEDランプが装着されるランプソケットにおいても、上述の直管形ランプのランプピンの形状や配置の特徴を活かし、簡便な構成で、より薄型化が可能なランプソケットは知られていない。また、2本の直管形LEDランプが直線状に配設される照明装置において、上述の直管形ランプのランプピンの形状や配置の特徴を活かし、直管形ランプの軸方向における非発光領域を、より小さくすることが可能なものも何ら知られていない。
【0011】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便な構成で、より薄型化が可能なランプソケットおよび、非発光領域がより小さい照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のランプソケットは、管本体の一端側の第1口金部から突出した2本の第1ランプピンおよび他端側の第2口金部から突出した1本の第2ランプピンを備えた直管形ランプを装着可能な電気絶縁性のソケット本体と、該ソケット本体に設けられ上記直管形ランプの上記第1ランプピンおよび上記第2ランプピンをそれぞれ個別に電気的に接続可能な導電部とを備えたランプソケットであって、上記ソケット本体は、一表面側に上記直管形ランプにおける上記第1口金部が当接可能であり、且つ上記第1口金部から突出した上記2本の第1ランプピンを挿入する一対の第1の挿入口を備えた第1の受口面と、上記一表面と反対の他表面側に別の上記直管形ランプの上記第2口金部が当接可能であり、且つ上記第2口金部から突出した上記1本の第2ランプピンを挿入する第2の挿入口を備えた第2の受口面とを有し、上記導電部は、上記2本の第1ランプピンとそれぞれ電気的に接続可能な一対の第1の導電板と、上記1本の第2ランプピンと電気的に接続可能な第2の導電板とを有し、上記一表面側および上記他表面側にそれぞれ上記直管形ランプを対向して直線状に装着させる装着位置において、上記一対の第1の導電板が、それぞれ上記2本の第1ランプピンと各別に接触する第1接触片を備えるとともに、上記第2の導電板が、上記1本の第2ランプピンと接触する第2接触片を備えており、一対の上記第1の導電板および上記第2の導電板の上記第1の受口面への投影視において、一対の上記第1接触片同士の間に上記第2接触片を位置してなることを特徴とする。
【0013】
このランプソケットにおいて、上記第1の導電板および上記第2の導電板は、上記第1の受口面と平行な面に沿って隣り合って配置されていることが好ましい。
【0014】
このランプソケットにおいて、上記第1の挿入口および上記第2の挿入口は、上記ソケット本体の外周面側から中心部側に向かって設けられた直線状溝部の開口部であり、上記装着位置において、上記各第1接触片と上記2本の第1ランプピンとがそれぞれ接触するとともに、上記第2接触片と上記1本の第2ランプピンとが接触することが好ましい。
【0015】
このランプソケットにおいて、上記ソケット本体は、少なくとも上記第1の受口面側から上記第1の受口面の法線方向に突出して上記直管形ランプの上記第1口金部における外周の一部を機械的に保持する保持部を有することが好ましい。
【0016】
このランプソケットにおいて、上記ソケット本体は、上記第1の受口面および上記第2の受口面それぞれに、上記直管形ランプの重力が掛かる方向と垂直方向に沿って上記直線状溝部を設けていることが好ましい。
【0017】
このランプソケットにおいて、上記ソケット本体は、上記ソケット本体の外周面側から中心部側に向かって設けられた直線状溝部と、該直線状溝部の上記中心部側の端部で上記直線状溝部と連続し上記直管形ランプを軸方向の回りで回転させる回転方向で上記第1ランプピンを案内可能な弧状溝部とを備え、上記第1の挿入口は、上記直線状溝部と上記弧状溝部の開口部であり、上記装着位置において、上記2本の第1ランプピンが上記弧状溝部内に配置された上記第1の接触片に機械的に保持されることが好ましい。
【0018】
このランプソケットにおいて、上記ソケット本体は、上記一表面側に設けられ該一表面と垂直方向に突出し上記ソケット本体の内部側に移動可能なプランジャと、上記ソケット本体の内部にあって上記ソケット本体の内部側から上記ソケット本体の外部側に上記プランジャを押圧する押圧部材とを有し、上記プランジャが上記第1の受口面を備え、上記第1の受口面は、該第1の受口面と垂直方向に上記2本の第1ランプピンが挿入されて該第1ランプピンと上記第1の導電板とが電気的に接続される一対の上記第1の挿入口を備え、上記プランジャの上記突出した位置から上記装着位置に至るまでに上記プランジャの移動方向と垂直方向において、上記第1の導電板と上記第2の導電板とが隣り合って配置されてなることが好ましい。
【0019】
このランプソケットにおいて、上記ソケット本体は、上記他表面側に設けられ該他表面と垂直方向に突出し上記ソケット本体の内部側に移動可能なプランジャと、上記ソケット本体の内部にあって上記ソケット本体の内部側から上記ソケット本体の外部側に上記プランジャを押圧する押圧部材とを有し、上記他表面側に設けられた上記プランジャが第2の受口面を備え、該第2の受口面は、上記第2の受口面と垂直方向に上記1本の第2ランプピンが挿入されて該第2ランプピンと上記第2の導電板とが電気的に接続される上記第2の挿入口を備え、上記他表面側に設けられた上記プランジャの上記突出した位置から上記装着位置に至るまでに上記プランジャの移動方向と垂直方向において、上記第1の導電板と上記第2の導電板とが隣り合って配置されてなることが好ましい。
【0020】
本発明の照明装置は、上述のいずれかのランプソケットを備えた複数台の照明器具が直線状に配列されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のランプソケットは、簡便な構成で、より薄型化が可能なランプソケットを提供できるという顕著な効果がある。
【0022】
本発明の照明装置は、簡便な構成で、非発光領域がより小さい照明装置を提供できるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1のランプソケットを示し、(a)はソケット本体の一表面側の外観斜視図、(b)はソケット本体の他表面側の外観斜視図である。
【図2】同上のランプソケットを示す平面図である。
【図3】同上のランプソケットを示し、(a)はソケット本体の一表面側から見た分解斜視図、(b)はソケット本体の他表面側から見た分解斜視図である。
【図4】同上のランプソケットに装着される直管形ランプを示し、(a)は正面図、(b)は一端側の口金たる第1口金部に他端側の口金たる第2口金部のランプピンを投影した側面説明図である。
【図5】同上の他のランプソケットを示す正面図である。
【図6】同上のランプソケットを備えた照明装置に直管形ランプを装着させる模式的説明図を示し、(a)はソケット本体の一表面側、(b)はソケット本体の他表面側である。
【図7】同上の直管形ランプを装着させたランプソケットを備える照明装置を示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図8】実施形態2のランプソケットを示し、(a)は模式的側断面図、(b)は(a)のXX断面図である。
【図9】実施形態3の照明装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態1)
本実施形態のランプソケットを図1ないし図3に基づいて説明し、直管形ランプを図4に基づいて説明する。なお、各図において、同様の構成要素に対しては、同じ番号を付して重複する説明を省略している。
【0025】
最初に、本実施形態のランプソケット10に装着するL形口金付直管形LEDランプからなる直管形ランプ20について説明する。直管形ランプ20は、透光性材料(たとえば、ガラスや合成樹脂など)により円筒形状の直管に形成された管本体である発光管21を備えている。発光管21の軸方向の両端部には、口金がそれぞれ設けられている。本実施形態のランプソケット10と接続される直管形ランプ20は、一方の端部における上記口金として、発光管21の一端部側を覆うように、有底円筒状の給電用の第1口金部22が設けられている。また、直管形ランプ20は、他方の端部における上記口金として、発光管21の軸方向の他端部側を覆うように、有底円筒状の接地用の第2口金部23が設けられている。
【0026】
発光管21の内部には、図示していないが発光管21よりも全長が若干短い実装基板(たとえば、セラミック基板など)が収納されている。実装基板の一表面側には白色光が発光可能な複数個の発光ダイオード(図示していない)を所定の間隔で実装して電気的に接続する実装パターンが形成されている。また、実装基板の他表面側には、該他表面側と接する底面部から突出した側壁部が発光ダイオードからの光を所定の方向に反射させる断面C字形状のアルミニウム材料からなる反射板(図示していない)を備えている。なお、反射板は、実装基板の他表面側から上記底面部を介して発光ダイオードの熱を外部に放出させるヒートシンクとしても機能する。
【0027】
直管形ランプ20の第1口金部22の端面には、径方向における中央部の両側に略半円状に凹んだ凹部22b,22bが設けられ(図4(b)を参照)、中央部には凹部22bよりも前方に突出した略直方体状の突出部22aが設けられている。突出部22aには、円筒形状の発光管21の中心軸(図示していない)を挟んで対称な位置に、金属材料により板状に形成され、直管形ランプ20の軸方向に沿って突出する給電用のランプピンたる2本の第1ランプピン24,24が略平行に設けられている。各第1ランプピン24は、直管形ランプ20の軸方向と平行に突出した板状突出部24aと、板状突出部24aの先端部が略直角に曲げられて、上記中心軸に向かう方向と反対側の外側方向に突出している折曲部24bとを備えている。
【0028】
2本の第1ランプピン24,24は、たとえば、発光管21の内部で図示していないリード線を介して上記実装基板と電気的に接続させている。なお、実装基板には、発光ダイオードが実装されるとともに発光ダイオードを電気的に保護する全波整流器などの回路部品(図示していない)も実装させている。すなわち、直管形ランプ20は、いずれの第1ランプピン24,24がランプソケット10を介して外部の直流電源の正極側と接続された場合でも、各発光ダイオードに順方向電流が流れるように、2本の第1ランプピン24,24と、各発光ダイオードとを全波整流器を介して電気的に接続させた構造としている。したがって、2本の第1ランプピン24,24は、直管形ランプ20の発光ダイオードに給電する端子として機能する。
【0029】
なお、直管形ランプ20に収容されている発光ダイオードは、図示していないが、たとえば、通電することにより、ピーク波長が、420nm〜490nmの範囲内にある青色光を放射するLEDチップと、LEDチップを収納する収納凹所が一表面に設けられたセラミック(たとえば、アルミナなど)製のパッケージ本体とを備えている。収納凹所には、LEDチップから放射された青色光の一部を吸収し、より長波長の蛍光(たとえば、黄色光)を発する蛍光体(たとえば、Ceで付活されたYAl12、Ceで付活されたTbAl12などのアルミネート系の蛍光体やEuで付活されたBaSiOなど)が含有された透光性樹脂(たとえば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂など)からなる波長変換部材が充填されている。また、発光ダイオードは、パッケージ本体の他表面に外部接続用電極(図示していない)が設けられており、該外部接続用電極と上記実装基板の実装パターンとが半田からなる接合部(図示していない)を介して電気的に接続されている。
【0030】
直管形ランプ20の他端側の口金となる第2口金部23は、直管形ランプ20の軸方向に沿って第2口金部23から突出する接地用のランプピンたる1本の第2ランプピン25を備えている。第2ランプピン25は、第2口金部23の端面の中心部から軸方向に沿って突出し、金属材料により丸棒状に形成された軸部25aを備えている。軸部25aの先端部には、軸方向から見た形状が直管形ランプ20の第1口金部22から突出する2本の第1ランプピン24,24が並ぶ方向と平行方向を、長手方向とする長円形状に形成され、軸部25の軸径よりも大きな径大部25bを備えている(図4(b)を参照)。なお、径大部25bは、金属材料からなり軸部25aと一体に形成されている。すなわち、第2ランプピン25は、直管形ランプ20の軸方向と平行方向に突出した丸棒状の軸部25aと、径大部25bとで構成されている。第2ランプピン25は、上記実装基板の実装パターンと電気的に接続して接地用のアースピンとして機能させている。すなわち、直管形ランプ20は、一端部側の第1口金部22から給電する片側給電方式となっている。
【0031】
このような直管形ランプ20を装着可能な本実施形態のランプソケット10は、図1(a),(b)に示すように、ソケット本体5の一表面5a側に、直管形ランプ20の第1口金部22の突出部22aが当接可能であり、且つ第1口金部22から突出した2本の第1ランプピン24,24を挿入する一対の第1の挿入口2a,2aを備えた第1の受口面1aを有している。また、ランプソケット10は、一表面5aと反対の他表面5b側に、別の直管形ランプ20の第2口金部23が当接可能であり、且つ第2口金部23から突出した1本の第2ランプピン25を挿入する第2の挿入口2bを備えた第2の受口面1bを有している。
【0032】
ランプソケット10のソケット本体5は、開口部6fを備え内部が空洞なボディ6と、ボディ6の開口部6fを覆うように設けられるカバー7とを備えている(図3(a)を参照)。ソケット本体5の一表面5a側には、ホディ6の内部の空洞に収納され、直管形ランプ20の2本の第1ランプピン24,24と個別に電気的に接続可能な導電部3を構成する給電用の導電板たる一対の第1の導電板3a,3aが備えられている。また、ソケット本体5の他表面5b側には、ソケット本体5の側面となるボディ6の外周面6a側から中心部側に向かって設けられた1つの直線状溝部5dに収容され、直管形ランプ20の1本の第2ランプピン25と電気的に接続可能な導電部3を構成する接地用の導電板たる第2の導電板3bが備えられている(図3(b)を参照)。
【0033】
ボディ6は、合成樹脂により略直方体状に形成され、その上面(図1中の上側)は、左右方向(図1中の左右方向)の中央部が両側部に比べて上側に凸となる曲面状にしている。また、カバー7は、合成樹脂により形成しており、ボディ6の開口部6fを覆うような平板状に形成している。すなわち、ソケット本体5は、合成樹脂を用いて形成することで電気絶縁性を備えている。ソケット本体5の一表面5a側には、ソケット本体5の側面となる外周面6a側から中心部側に向かって略平行な2つの直線状溝部5c,5cが設けられている。2つの直線状溝部5c,5cは、直線状溝部5c,5cの開口部が直管形ランプ20の第1ランプピン24,24をそれぞれ挿入する第1の挿入口2a,2aとして機能する。なお、ボディ6の上面側には、図2に示すように、第1ランプピン24の板状突出部24aから曲げられた折曲部24bが挿入できるように、各第1の挿入口2aの幅を広くした幅広部2aaを備えている。
【0034】
一対の第1の導電板3aは、それぞれ導電性の良好な金属材料(たとえば、銅合金など)の板状体を折り曲げ加工して形成される。第1の導電板3aは、ボディ6の上記空洞における内底面6d側に固定される中央片3aaと、中央片3aaの一側縁から上側(図3中の上方)に突出しボディ6の上記空洞内で段状に突出した内段部6eと当接してボディ6に保持されてなる保持片3aeと、中央片3aaの他側縁で保持片3aeよりも長く保持片3aeと略平行に中央片3aaから延設されてなる延設片3abとを備えている。延設片3abは、延設片3abの先端部に直管形ランプ20の第1ランプピン24と接触する第1接触片3acと、第1接触片3acの先端部から保持片3ae側と反対の外側に広くなるように折り曲げられたガイド片3adとを備えている。なお、第1接触片3acは、略V字形に折り曲げられ、上下方向の中間部が両側部よりも左右方向に突出している。第1接触片3acの形状は、第1ランプピン24と接触可能な限り、V字形に限られず、平板状など種々の形状で形成すればよい。延設片3abは、先端部に設けられた第1接触片3acよりも幅広に形成している。延設片3abは、第1ランプピン24の直線状溝部5cへの挿入に伴って、第1ランプピン24の折曲部24bがボディ6の内部側へ挿入されすぎないように、延設片3abの先端部で折曲部24bの移動を規制する規制端部3afが露出している。
【0035】
また、第1の導電板3aは、第1の挿入口2a内に第1接触片3acが配置されるように、ガイド片3adを上側、中央片3aaを下側にしてボディ6の内部の空洞内に収納されている。ランプソケット10の第1の受口面1aは、直管形ランプ20の突出部22aと当接し、ソケット本体5の一対の平行な第1の挿入口2a,2aを備える直線状溝部5c,5cの側壁と、第1の導電板3a,3aとが直管形ランプ20の第1ランプピン24を保持している。ここで、直管形ランプ20をランプソケット10に装着した場合、各第1ランプピン24の板状突出部24aは、第1の導電板3aのV字形に折り曲げられた第1接触片3acに抱え込まれ、第1ランプピン24がランプソケット10側に保持される。第1ランプピン24の板状突起部24aは、第1の導電板3aの第1接触片3acに保持されることで、直管形ランプ20がランプソケット10から抜けにくくなる。また、直管形ランプ20がランプソケット10から抜けそうになった場合でも、第1ランプピン24と第1接触片3acとの電気的な接続が安定するから、電気的な接続不良に伴い生ずるアーク放電などが発生しにくくなる。なお、ソケット本体5には、ボディ6の内部に貫通する複数個(ここでは、4個)の貫設孔4を備えており、該貫設孔4の少なくとも2つを一対の第1の導電板3a側と電気的に接続可能な電線(図示していない)の挿入孔としている。また、第1の導電板3aは、貫通孔4に挿入された上記電線と、電気的に簡便に接続できるように速結端子を備えた構成としてもよい。
【0036】
また、ランプソケット10は、ソケット本体5の他表面5b側にボディ6の外周面6a側から中心部側に向かって、ボディ6の外部側に設けられた直線状溝部5dを備えている。直線状溝部5dの内部には、直管形ランプ20の第2ランプピン25と電気的に接続可能な導電部3を構成する第2の導電板3bを備えている。ボディ6の外部側の直線状溝部5dの開口部が、直管形ランプ20の第2ランプピン25を挿入する第2の挿入口2bとなる。
【0037】
1本の第2ランプピン25と電気的に接続可能な第2の導電板3bは、導電性の良好な金属材料(たとえば、銅合金など)の板状体を折り曲げ加工して形成される。第2の導電板3bは、ボディ6の外部側に設けられた直線状溝部5dの一端面6bに固定される中央片3baと、中央片3baの両側縁からそれぞれ上側に突出する一対の保持片3bb,3bbと、各保持片3bbの先端部に設けられ直管形ランプ20の第2ランプピン25と接触する第2接触片3bcと、第2接触片3bcの先端部からそれぞれ外側に折り曲げられたガイド片3bdとを備えている。また、第2の導電板3bは、中央片3baの中央端部から保持片3bbの延設方向と反対方向に延設する導通片3beを備えている。一対の第2接触片3bc,3bcは、第2ランプピン25の軸部25aを挟持できるように、互いに対向して略V字形に折り曲げられ、上下方向の中間部が両側部よりも左右方向に突出している。なお、一対の第2接触片3ac,3acの形状は、第2ランプピン25と接触可能な限り、V字形に限られず、平板状など種々の形状で形成すればよい。また、導通片3beは、中央片3baとは反対側の端部に予めリード線(図示していない)を接続させたものや速結端子(図示していない)を備えたものであってもよい。
【0038】
第2の導電板3bは、ボディ6の第2の挿入口2bにおける左右両側に一対の第2接触片3bc,3bcがそれぞれ配置されるように、ガイド片3bdを上側(図3中の上方)、中央片3baを下側(図3中の下方)にしてボディ6の外部側に設けられた直線状溝部5d内に収納されている。ランプソケット10の第2の受口面1bでは、ボディ6の第2の挿入口2bが設けられる直線状溝部5d内の第2の導電板3bが、直管形ランプ20の第2口金部23から突出した第2ランプピン25を保持する。なお、第2接触片3bcそれぞれは、直管形ランプ20の第2ランプピン25を一対の第2接触片3bc,3bcの間に挿入させるに伴って、第2の挿入口2bにおける左右方向に離間する方向に移動できるように第2の挿入口2b内の直線状溝部5dとの間に隙間が設けられている。
【0039】
なお、ソケット本体5における第2の挿入口2bを構成する直線状溝部5dの下端側には、第2ランプピン25の径大部25bの長径方向における幅よりも狭い溝状の幅狭部6cを備えている。幅狭部6cは、第2の導電板3bの導通片3beを収納させている。第2の導電板3bは、接地用のアースピンとなる第2ランプピン25と電気的に接続させることで、導通片3beを接地用のアース端子として機能させることができる。
【0040】
本実施形態のランプソケット10は、管本体である発光管21の一端側の第1口金部22から突出した2本の第1ランプピン24,24が2本、他端側の第2口金部23から突出した1本のランプピン25を備えた直管形ランプ20のランプピン24,25の形状や配置の特徴を生かし、簡便な構成でランプソケット10の薄型化を図っている。すなわち、本実施形態のランプソケット10は、ソケット本体5の一表面5aおよび他表面5bの両面側にそれぞれ別の直管形ランプ20を対向して直線状に装着させる装着位置において、一対の第1の導電板3aが、それぞれ2本の第1ランプピン24,24と各別に接触する第1接触片3ac,3acを備えている。また、ランプソケット10は、第2の導電板3bが、1本の第2ランプピン25と接触する一対の対向した第2接触片3bc,3bcを備えている。特に、ランプソケット10は、一対の第1の導電板3a,3aおよび第2の導電板3bの第1の受口面1aへの投影視(図示していない)において、一対の第1接触片3ac,3ac同士の間に第2接触片3bcを位置してなる。これにより、本実施形態のランプソケット10は、直管形ランプ20の第1ランプピン24や第2ランプピン25を一表面5a側だけに挿入する2個のランプソケットを合わせた場合と比較して、ソケット本体5の厚みを薄型化することができる。したがって、ランプソケット10は、後述の照明装置30へのランプソケット10の組み込み数を、たとえば、半分にすることができ、ランプソケット10の使用材料の削減を図ることもできる。
【0041】
また、ランプソケット10は、ソケット本体5が2本の第1ランプピン24,24に給電する1組の第1の導電板3a,3aと、1本の第2ランプピン25を電気的に接地する第2の導電板3bとが、第1の受口面1aと平行な面に沿って隣り合って配置されていることで、ランプソケット10の厚みを、より薄くすることが可能となる。すなわち、ランプソケット10は、直管形ランプ20の第1ランプピン23や第2ランプピン25を一表面5a側だけに挿入する2つのランプソケットの機能を、1つのランプソケット10の中にソケット本体5の厚みを変えずに持たせることができる。
【0042】
また、本実施形態のランプソケット10の構成は、上述の構成だけに限られず、たとえば、図5(a)に示すように、ソケット本体5が、少なくとも第1の受口面1a側から第1の受口面1aの法線方向(図5の紙面に垂直方向)に突出して直管形ランプ20の第1口金部22における外周の一部を機械的に保持する保持部8,8を有する構造としてもよい。図5(a)に示すランプソケット10では、カバー7の外周縁に沿って、円弧状に湾曲した一対の保持部8,8を第1の受口面1a側から突出させて設けている。ここで、保持部8,8は、樹脂材料により形成され弾性を有している。そのため、ランプソケット10の第1の受口面1aに直管形ランプ20の第1口金部22の突出部22aを接触させながら略平行な2つの直線状溝部5c,5cの開口部である第1の挿入口2a,2aに沿って2本の第1ランプピン24,24を挿入すると、一対の保持部8,8は、ランプソケット10の第1口金部22の挿入に伴って一対の保持部8,8が離れる方向に広がるように変形する。また、ランプソケット10がソケット本体5の一表面5a側に直管形ランプ20を装着させる装着位置において、第1の導電板3a,3aと第1ランプピン24,24とが接続され、一対の保持部8,8間の間隔が略元に戻って直管形ランプ20の第1口金部22を保持することが可能となる。
【0043】
なお、2つの保持部8,8の間隔は、第1口金部22の外径よりも若干大きい寸法に設定している。また、保持部8,8の突出寸法(ボディ6の第1の受口面1aとなる前面側から保持部8の先端までの距離)は、直管形ランプ20の突出部22aの突出寸法(凹部22bの前面から突出部22aの先端面までの距離)より大きい寸法としている。図5(a)では、ランプソケット10におけるソケット本体5の一表面5a側にだけ保持部8,8を図示しているが、ソケット本体5の一表面5a側および他表面5b側の少なくとも一方に設ければよい。これにより、ランプソケット10は、より確実な直管形ランプ20の機械的な保持が可能となる。
【0044】
また、ランプソケット10は、ソケット本体5の直管形ランプ20の重力が掛かる方向(図1の紙面の上方や図5の紙面の左側方向)と平行な方向に略平行な2つの直線状溝部5c,5cの開口部となる第1の挿入口2a,2aを設ける代わりに、図5(b)に示すように、ソケット本体5が、第1の受口面1aに、直管形ランプ20の重力が掛かる方向と垂直方向(図5の紙面の上下方向)に沿って略平行な2つの直線状溝部5c,5cを設けてもよい。これにより、ランプソケット10は、直線状溝部5c,5c自体で直管形ランプ20の第1ランプピン24,24を保持することができる。
【0045】
なお、図5(b)では、図示していないが、ソケット本体5の第2の受口面1bにも、直管形ランプ20の重力が掛かる方向と垂直方向に沿って直線状溝部5dを設けた構成とすることがより好ましい。
【0046】
さらに、ランプソケット10は、上述したソケット本体5の外周面6aから中心側に直線状溝部5c,5cの開口部だけで構成させた第1の挿入口2a,2aを設ける代わりに、図5(c)に示すように、ソケット本体5が、ソケット本体5の外周面6a側から中心部側に向かって設けられた略平行な2つの直線状溝部5c,5cと、該直線状溝部5c,5cの上記中心部側の端部で直線状溝部5c,5cとそれぞれ連続し直管形ランプ20を軸方向の回りで回転させる回転方向で第1ランプピン24,24を案内可能な略平行な2つの弧状溝部5e,5eとを備えた構成としてもよい。なお、第1の挿入口2a,2aは、直線状溝部5c,5cと弧状溝部5e,5eとの開口部であり、一表面5a側および他表面5b側にそれぞれ直管形ランプ20を対向して直線状に装着させる装着位置において、2本の第1ランプピン24,24が弧状溝部5e,5e内に配置された第1の接触片3ac,3acにそれぞれ機械的に保持される構成となる。
【0047】
なお、図示していないが、第2ランプピン25が挿入される第2の挿入口2bの直線状溝部5d内に配置された第2の導電板3bは、第2の導電板3bに第2ランプピン25が接触した状態で、第2ランプピン25の軸部25aを軸方向の回りで回転自在な構成としている。これにより、直管形ランプ20の着脱操作を、より確実に行うことが可能なランプソケット10とすることが可能となる。
【0048】
図5(c)に示すランプソケット10は、第1の受口面1aと平行方向であって、直管形ランプ20の第1ランプピン24,24をランプソケット10の第1の挿入口2a,2aに沿って挿入させると直線状溝部5c,5cのソケット本体5における中心部側の端部で、第1ランプピン24,24の挿入が規制された状態となる。この状態で、発光ダイオードが照射面側を向くように直管形ランプ20を軸方向の回りで所定の角度(たとえば、30度)まで回転させる。直管形ランプ20の回転に伴って第1ランプピン24,24が弧状溝部5e,5eに沿って移動し、第1の導電板3aの第1の接触片3acと、第1ランプピン24とが電気的に接続されるとともに直管形ランプ20がソケットランプ10に機械的に保持される。この時、2本の第1ランプピン24,24は、ボディ6の内部に配置されている2個の第1の導電板3a,3aに電気的に接続されて、ランプソケット10側から直管形ランプ20の発光ダイオードに直流電流を供給することができる。また、ランプソケット10に装着された直管形ランプ20は、軸方向の回りに回転させることにより、第1ランプピン24,24が直管形ランプ20の重力が掛かる方向(図5の紙面の左側方)からずれた位置となっている。また、弧状溝部5e,5e内の第1の接触片3ac,3acと第1ランプピン24,24とが電気的に接続され、直管形ランプ20がソケットランプ10に機械的に保持されている。そのため、図5(c)のランプソケット10は、単に直管形ランプ20の重力が掛かる方向と平行方向に直線状溝部5cだけを設けたものと比較して、ランプソケット10から直管形ランプ20が脱落することを、より抑制することが可能となる。
【0049】
すなわち、図5(c)のランプソケット10は、直管形ランプ20の第1口金部22を第1の受口面1aへ当接した状態で直管形ランプ20を軸方向の回りに回転させることにより、ランプソケット10を装着させる場合、直管形ランプ20の第2口金部23側では同じ構成のランプソケット10を備えるだけで、1本の第2ランプピン25の軸部25aを第2の導電板3bの対向する一対の第2接触片3bc,3bc間で挟持させることができる。これにより、ランプソケット10は、第2の受口面1bに回転機構を備えた回転子を別途に設ける必要がなく、第2の受口面1bの構成を簡単にできる。
【0050】
次に、直管形ランプ20をランプソケット10に装着する方法について説明する。
【0051】
本実施形態のランプソケット10を備えた照明装置30の外観斜視図を図6および図7に示す。照明装置30は、図示していない天井材に固定して使用される。照明装置30は、上述のランプソケット10を備えた複数台(ここでは、3台)の照明器具31を直線状に配列させて構成している。なお、図6(a),(b)に示す照明装置30では、構成を分かり易くするため、照明装置30の一方の端部に設けられるランプソケット10を1つ省略して図示している。
【0052】
照明装置30は、商用電源からの交流電圧を所定の直流電圧に変換して降圧し直管形ランプ20に供給する点灯回路(図示せず)を、直管形ランプ20の長さに合わせた細長い直方体状の各照明器具31の内部にそれぞれ収納してある。照明装置30は、照明器具31の長手方向両端部に直管形ランプ20を保持できるように照明器具31の本体にランプソケット10を突出させて備えている。3本の直管形ランプ20における発光管21の両端に設けられた第1口金部22、第2口金部23をそれぞれ対応するランプソケット10に装着させることによって、直管形ランプ20を照明器具31のランプソケット10に装着する。
【0053】
照明装置30には、3本の直管形ランプ20をそれぞれ直線状に配設できるように、上述した4個のランプソケット10を直管形ランプ20の第1口金部22および第2口金部23間の長さに応じて所定の間隔で配置している。各直管形ランプ20をランプソケット10に装着する際には、直管形ランプ20の第1口金部22をランプソケット10の第1の受口面1a側、直管形ランプ20の第2口金部23をランプソケット10の第2の受口面1b側にして、3本の直管形ランプ20を照明器具31側に向かって各ランプソケット10の間にそれぞれ近付ける。そして、直管形ランプ20は、ランプソケット10の第1の受口面1aにある2つの第1の挿入口2a,2a内に一対の第1ランプピン24,24を挿入させる。また、直管形ランプ20は、別のランプソケット10の第2の受口面1bにある1つの第2の挿入口2b内に直管形ランプ20の第2ランプピン25を挿入させる(図6(a),(b)の一点鎖線を参照)。
【0054】
ランプソケット10は、図7に示すように、一表面5a側および他表面5b側にそれぞれ別の直管形ランプ20,20を対向して直線状に装着させる装着位置となるように、直管形ランプ20の一端側の第1口金部22をランプソケット10側に挿入すると、2本の第1ランプピン24,24がそれぞれ第1の挿入口2a,2aに挿入され、一対の第1の導電板3a,3aがそれぞれ備える第1接触片3ac,3acに第1ランプピン24が接触する状態となる。
【0055】
同様に、ランプソケット10は、一表面5a側および他表面5b側にそれぞれ直管形ランプ20を対向して直線状に装着させる装着位置となるように、直管形ランプ20の他端側の口金ある第2口金部23をランプソケット10側に挿入されると、1本の第2ランプピン25が第2の挿入口2bに挿入され、第2の導電板3bが備える第2接触片3bc,3bcの間で第2ランプピン25が接触した状態となる。
【0056】
この状態で、直管形ランプ20は、発光管21内部の発光ダイオードが照明器具31の本体と反対の照射面側を向くように、上記実装基板と第1ランプピン24,24や第2ランプピン25との位置関係を規定している。この時、2本の第1ランプピン24,24は、ランプソケット10のボディ6の内部に配置されている2個の第1の導電板3a,3aに電気的に接続されて、照明装置30の上記点灯回路から直管形ランプ20の発光ダイオード側に直流電力が供給される。また、直管形ランプ20の1本の第2ランプピン25の径大部25bは、第2の導電板3bと電気的に接続させることで、接地用のアースピンとなる。なお、第1ランプピン24における板状突出部24aの第1の挿入口2aへの挿入に伴って、第1の導電板3aの第1接触片3acが外側に撓められた後、第1接触片3acなどの弾性力で板状突出部24aが第1接触片3acに接触して保持される。したがって、直管形ランプ20の各第1ランプピン24の板状突出部24aが第1接触片3acによって機械的に保持されているから、直管形ランプ20の第1口金部22がランプソケット10から脱落することがない。
【0057】
なお、本実施形態のランプソケット10は、直管形ランプ20として片側給電方式のL形口金付直管形LEDランプを用いて説明したが、両側給電方式の直管形ランプを装着させるために用いてもよい。すなわち、ランプソケット10は、ソケット本体5の一表面5a側だけで給電させる片側給電方式だけでなく、両側給電方式の直管形ランプを装着させるために、ランプソケット10におけるソケット本体5の一表面5a側および他表面5b側からそれぞれ給電することが可能な構成としてもよい。また、上述の照明装置30では、3本の直管形ランプ20が直線状に配列されるようにランプソケット10に装着するにあたり、全てを本実施形態のランプソケット10で構成する必要はなく、少なくとも直管形ランプ20を対向して直線状に装着させる照明器具31のランプソケット10にだけ本実施形態のランプソケット10を備えればよい。すなわち、照明装置31は、直管形ランプ20の第1ランプピン23や第2ランプピン25を一表面5a側だけに挿入する図示していないランプソケットを、照明装置31の両端部側だけに備えた構成としてもよい。
【0058】
(実施形態2)
図8に示す本実施形態のランプソケット10は、図1に示した実施形態1のように、直管形ランプ20の第1口金部22が装着される第1の受口面1aに沿って、第1の受口面1aと平行方向に直管形ランプ20を移動させて第1の挿入口2aに第1ランプピン24,24を挿入させる構成とする代わりに、ソケット本体5の内部側に移動可能なプランジャ9を用い、第1口金部22が装着される第1の受口面1aと垂直方向の第1の挿入口2a,2aに直管形ランプ20の第1ランプピン24,24を挿入させる構成とした点が相違する。なお、図中において実施形態1と同じ部材に対しては、同じ番号を付して説明を省略している。
【0059】
本実施形態のランプソケット10は、図8(a),(b)に示すように、ソケット本体5が、ソケット本体5の一表面5a側に設けられ該一表面5aと垂直方向に突出しソケット本体5の内部側に移動可能なプランジャ9と、ソケット本体5の内部にあってソケット本体5の内部側からソケット本体5の外部側にプランジャ9を押圧する押圧部材9a,9aとを有している。
【0060】
本実施形態のランプソケット10は、プランジャ9が第1の受口面1aを備え、第1の受口面1aは、該第1の受口面1aと垂直方向に2本の第1ランプピン24,24が挿入されて該第1ランプピン24,24と第1の導電板3a,3aとが電気的に接続される一対の第1の挿入口2a,2aを備えている。また、ランプソケット10は、プランジャ9の突出した位置からランプソケット10の一表面5a側および他表面5b側にそれぞれ直管形ランプ20を対向して直線状に装着させる装着位置に至るまでにプランジャ9の移動方向と垂直方向において、第1の導電板3aと第2の導電板3bとが隣り合って配置されるように構成している。
【0061】
より具体的には、ランプソケット10は、直管形ランプ20の軸方向に沿ってソケット本体5の内部方向に移動可能で第1の受口面1aを備えたプランジャ9を有している。ランプソケット10は、一表面5a側となるプランジャ9の円筒状の各第1の挿入口2aの内底面側に、直管形ランプ20の2本の第1ランプピン24,24と各別に接触させる第1の導電板3aにおける平板状の第1接触片3agをそれぞれ備えている。また、ランプソケット10は、他表面5b側の円筒状の第2の挿入口2bの内底面側に別の直管形ランプ20の1本のランプピン25と接触させる第2の導電板3bにおける平板状の第2接触片3bfを備えている。
【0062】
プランジャ9は、ソケット本体5の内部側からソケット本体5の外側方向に金属製のコイルバネからなる押圧部材9a,9aにより押圧されている。これにより、ランプソケット10は、直管形ランプ20を装着する際に、プランジャ9に設けられた第1の挿入口2aにランプピン20を挿入し、プランジャ9をソケット本体5の内部方向に押し込みながら、他方の受口面1bに設けられた第2の挿入口2bにランプピン25を挿入することができる。ここで、プランジャ9は、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形品からなり、ランプソケット10のカバー7に設けた軸穴6gにプランジャ9を嵌挿させている。
【0063】
金属製のコイルバネからなる各押圧部材9a,9aの一端部側は、各押圧部材9aの一端部側それぞれを固定する金属材料からなる固定片3ai,3aiと、第1の挿入口2aの上記内底面側に設けた第1の導電板3a,3aの第1接触片3ag,3agとを金属材料からなる接続部3ah,3ahを介して電気的に接続させている。さらに、押圧部材9a,9aの他端部側は、接続板9b,9bを介して外部から第1接触片3ag,3ag側と電気的に接続可能に構成させている。なお、プランジャ9は、ソケット6の内部側から押圧部材9a,9aとして金属製のコイルバネを用いているが、コイルバネだけに限らず板バネなどプランジャ9をソケット6の外側方向に押圧できるものであれば種々のものを用いることができる。
【0064】
なお、プランジャ9は、一表面5a側に設けるものだけに限らず、一表面5a側の代わりに他表面5b側に設けてもよい。この場合、ソケット本体5の他表面5b側に設けられるプランジャ9は、第2の受口面1bを備え、該第2の受口面1bは、第2の受口面1bと垂直方向に1本の第2ランプピン25が挿入されて該第2ランプピン25と第2の導電板3bとが電気的に接続される第2の挿入口2bを備えればよい。また、ランプソケット10は、ソケット本体5の他表面5b側に設けられたプランジャ9の突出した位置から直管形ランプ20の装着位置に至るまでにプランジャ9の移動方向と垂直方向において、第1の導電板3aと第2の導電板3bとが隣り合って配置されてなる構造とすればよい。
【0065】
本実施形態のランプソケット10は、直管形ランプ20の第1ランプピン24が第1の受口面1aと略垂直方向に挿入する第1の挿入口2aを備えたプランジャ9や直管形ランプ20の第2ランプピン25が第2の受口面1bと略垂直方向に挿入する第2の挿入口2bを備えたプランジャ9を有することにより、直管形ランプ20を比較的簡単にランプソケット10に装着することが可能となる。
【0066】
(実施形態3)
以下に、実施形態1で説明したランプソケット10を備える照明装置30について図9の概略構成図を参照して説明する。
【0067】
本実施形態の照明装置30は、複数本(ここでは、2本)の直管形ランプ20を直線状に配置させることが可能な直方体状の照明器具31を備えている。照明器具31には、2本の直管形ランプ20を装着して給電するための2個の実施形態1のランプソケット10と、直管形ランプ20の接地端子となる第2ランプピン25だけを保持可能なランプソケット11とを備えている。照明器具31の内部には、商用電源ACからの電源線が接続される端子台33と、端子台33を介して入力される商用電源ACからの交流電圧を直管形ランプ20に適合した所定の電圧に変換する点灯回路32が収納されている。点灯回路32の出力端子は、内部配線34を介してランプソケット10,10に接続されており、ランプソケット10,10に装着された直管形ランプ20の第1口金部22側から給電される。また、点灯回路32のアース端子部は、内部配線36を介して中央のランプソケット10と、照明器具31の一方の端部(図9の右側)に設けたランプソケット11とにそれぞれ電気的に接続されている。
【0068】
これにより、直線状に配設される2本の直管形ランプ20の間に、実施形態1のランプソケット10を備えた照明装置30は、ランプソケット11をそれぞれの直管形ランプ20に対応して別個に設けるものと比較して、直管形ランプ20の軸方向の長さを短くすることができる。本実施形態のランプソケット10を用いた照明装置30は、ランプソケット10の厚みが薄型化することが可能なため、非発光領域がより小さい照明装置30とすることが可能となる。
【符号の説明】
【0069】
1a 第1の受口面
1b 第2の受口面
2a 第1の挿入口
2b 第2の挿入口
3 導電部
3a 第1の導電板
3ac 第1接触片
3b 第2の導電板
3bc 第2接触片
5 ソケット本体
5a 一表面
5b 他表面
5c 直線状溝部
5e 弧状溝部
6a 外周面
8 保持部
9 プランジャ
9a 押圧部材
10 ランプソケット
20 直管形ランプ
22 第1口金部
23 第2口金部
24 第1ランプピン
25 第2ランプピン
30 照明装置
31 照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管本体の一端側の第1口金部から突出した2本の第1ランプピンおよび他端側の第2口金部から突出した1本の第2ランプピンを備えた直管形ランプを装着可能な電気絶縁性のソケット本体と、該ソケット本体に設けられ前記直管形ランプの前記第1ランプピンおよび前記第2ランプピンをそれぞれ個別に電気的に接続可能な導電部とを備えたランプソケットであって、
前記ソケット本体は、一表面側に前記直管形ランプにおける前記第1口金部が当接可能であり、且つ前記第1口金部から突出した前記2本の第1ランプピンを挿入する一対の第1の挿入口を備えた第1の受口面と、前記一表面と反対の他表面側に別の前記直管形ランプの前記第2口金部が当接可能であり、且つ前記第2口金部から突出した前記1本の第2ランプピンを挿入する第2の挿入口を備えた第2の受口面とを有し、前記導電部は、前記2本の第1ランプピンとそれぞれ電気的に接続可能な一対の第1の導電板と、前記1本の第2ランプピンと電気的に接続可能な第2の導電板とを有し、
前記一表面側および前記他表面側にそれぞれ前記直管形ランプを対向して直線状に装着させる装着位置において、前記一対の第1の導電板が、それぞれ前記2本の第1ランプピンと各別に接触する第1接触片を備えるとともに、前記第2の導電板が、前記1本の第2ランプピンと接触する第2接触片を備えており、
一対の前記第1の導電板および前記第2の導電板の前記第1の受口面への投影視において、一対の前記第1接触片同士の間に前記第2接触片を位置してなることを特徴とするランプソケット。
【請求項2】
前記第1の導電板および前記第2の導電板は、前記第1の受口面と平行な面に沿って隣り合って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のランプソケット。
【請求項3】
前記第1の挿入口および前記第2の挿入口は、前記ソケット本体の外周面側から中心部側に向かって設けられた直線状溝部の開口部であり、前記装着位置において、前記各第1接触片と前記2本の第1ランプピンとがそれぞれ接触するとともに、前記第2接触片と前記1本の第2ランプピンとが接触することを特徴とする請求項2に記載のランプソケット。
【請求項4】
前記ソケット本体は、少なくとも前記第1の受口面側から前記第1の受口面の法線方向に突出して前記直管形ランプの前記第1口金部における外周の一部を機械的に保持する保持部を有することを特徴とする請求項3に記載のランプソケット。
【請求項5】
前記ソケット本体は、前記第1の受口面および前記第2の受口面それぞれに、前記直管形ランプの重力が掛かる方向と垂直方向に沿って前記直線状溝部を設けていることを特徴とする請求項3に記載のランプソケット。
【請求項6】
前記ソケット本体は、前記ソケット本体の外周面側から中心部側に向かって設けられた直線状溝部と、該直線状溝部の前記中心部側の端部で前記直線状溝部と連続し前記直管形ランプを軸方向の回りで回転させる回転方向で前記第1ランプピンを案内可能な弧状溝部とを備え、前記第1の挿入口は、前記直線状溝部と前記弧状溝部の開口部であり、前記装着位置において、前記2本の第1ランプピンが前記弧状溝部内に配置された前記第1の接触片に機械的に保持されることを特徴とする請求項2に記載のランプソケット。
【請求項7】
前記ソケット本体は、前記一表面側に設けられ該一表面と垂直方向に突出し前記ソケット本体の内部側に移動可能なプランジャと、前記ソケット本体の内部にあって前記ソケット本体の内部側から前記ソケット本体の外部側に前記プランジャを押圧する押圧部材とを有し、前記プランジャが前記第1の受口面を備え、前記第1の受口面は、該第1の受口面と垂直方向に前記2本の第1ランプピンが挿入されて該第1ランプピンと前記第1の導電板とが電気的に接続される一対の前記第1の挿入口を備え、前記プランジャの前記突出した位置から前記装着位置に至るまでに前記プランジャの移動方向と垂直方向において、前記第1の導電板と前記第2の導電板とが隣り合って配置されてなることを特徴とする請求項1に記載のランプソケット。
【請求項8】
前記ソケット本体は、前記他表面側に設けられ該他表面と垂直方向に突出し前記ソケット本体の内部側に移動可能なプランジャと、前記ソケット本体の内部にあって前記ソケット本体の内部側から前記ソケット本体の外部側に前記プランジャを押圧する押圧部材とを有し、前記他表面側に設けられた前記プランジャが第2の受口面を備え、該第2の受口面は、前記第2の受口面と垂直方向に前記1本の第2ランプピンが挿入されて該第2ランプピンと前記第2の導電板とが電気的に接続される前記第2の挿入口を備え、前記他表面側に設けられた前記プランジャの前記突出した位置から前記装着位置に至るまでに前記プランジャの移動方向と垂直方向において、前記第1の導電板と前記第2の導電板とが隣り合って配置されてなることを特徴とする請求項1または請求項7に記載のランプソケット。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8に記載のいずれか1項のランプソケットを備えた複数台の照明器具が直線状に配列されてなることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−119135(P2012−119135A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267107(P2010−267107)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】