説明

ランプ

本発明は、光源と、保護スリーブ及び2つのフレーム部材を有するサブアセンブリとを有するランプであって、前記2つのフレーム部材は、各々前記スリーブを支持しているランプに関する。各フレーム部材は、前記フレーム部材と前記スリーブとの間の接続として働く締め付けばねを有していても良い。本発明は、詳細には、放物形のアルミニウム処理をされたリフレクタである外側容器と、セラミック放電金属ハロゲン化合物バーナである光源とを備えるランプにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源と、保護スリーブ及び2つのフレーム部材を有するサブアセンブリとを有するランプに関する。前記サブアセンブリは、典型的には、爆発のリスクにさらされ得る光源の周りに使用される。爆発は、光源が電極の対を有する場合と光源がフィラメントを有する場合との両方において生じ得る。ランプ動作温度に耐えることができる石英又は他の透明材料の保護スリーブは、ランプ動作の間、爆発のような、非受動的な破壊に対する保護を提供するために、一般に光源の周りに設けられている。これらスリーブは、高速で移動する破片を減速させる又は停止させ、及び前記ランプの外側のエンベロープの破裂を防止するように作用する。これらスリーブは、限定されるわけではないが、前記ランプのUV出力の低減を含む他の機能を提供することができる。
【0002】
本発明は、詳細には、光源として、セラミック放電メタルハライド(CDM)を有するランプにも関する。
【背景技術】
【0003】
対向するリード線の対を有するメタルハライドアーク管を包囲している石英の保護スリーブを有するランプは、国際特許出願公開公報第00/75958号から知られている。前記スリーブは、前記リードに電流を供給しているフレーム部材の対を有する金属フレームによって支持されている。前記光源を含む前記サブアセンブリの製造のために、7つの溶接がなされなくてはならない。
【0004】
国際特許出願公開公報第00/11704号は、ガラスエンベロープと、フレーム部材の対がステムから上方へ及び前記スリーブの内側を介して延在している装置とを有するランプを開示している。これらのフレーム部材は湾曲されており、この結果、前記フレーム部材は前記スリーブの内径よりも僅かに更に離れており、前記フレーム部材のばね張力が前記スリーブを保持している。前記サブアセンブリの製造は、5つの溶接を必要とする。1つのフレーム部材は、一体的に形成されたループを備えており、前記ループは、このフレーム部材が位置決めされているのを保持するために前記ガラスエンベロープの上方の軸の端部内に形成されているディンプルの周りに嵌合している。両方のフレーム部材の下端は、前記ガラスエンベロープ内に封止されているステムによって固定されている。
【0005】
欧州特許第1 403 905号は、フレーム内に取り付けられている光源を有するサブアセンブリを持つランプエンベロープを備えたランプであって、前記フレームが前記ランプエンベロープ内に取り付けられている、ランプを開示している。代替的には、スリーブ及びアーク管のサブアセンブリが前記フレームに取り付けられることができ、従って、少なくとも4つの溶接を必要としている。
【0006】
欧州特許第1 391 914号は、類似の原理を記載しており、スリーブ内に光源を有するアセンブリが、フレームに取付けられている。前記フレームは、前記ランプの電気引き込み線によって形成されている。この種の構成は、少なくとも4つの溶接を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既知の設計は、多数の溶接がなされるために長いアセンブリ時間を必要とし、かつ、これらは不十分な剛性を有するため、粗雑な取扱い又は輸送により分解する(failing apart)リスクを上昇させているという不利な点を有する。
【0008】
従って、本発明の目的は、サブアセンブリを備えるランプ、特に、セラミックメタルハライドアーク管を備えるランプが、強い強度及び剛性を有することを保証することにある。
【0009】
本発明の更なる目的は、なされ得る溶接接続がより少ないサブアセンブリを有するランプを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、正確に位置決めされた光源の周りに保護スリーブを有するランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、前記のような2つのフレーム部材が、前記スリーブを各々支持する。
【0012】
前記スリーブ及び前記2つのフレーム部材を有する本発明のサブアセンブリの強度及び剛性が、典型的には、ランプ動作温度に耐えることができる石英又は他の硬い透明材料から構成されているスリーブから得られる。この結果、既知のサブアセンブリよりも強い強度及び剛性を有するサブアセンブリであって、溶接接続を有しないサブアセンブリを得る。前記フレーム部材は、好ましくは、前記フレーム部材と前記スリーブとの間で接続部のような働きをする、締め付けばねを有する。
【0013】
各フレーム部材は、前記スリーブの内側及び外側の面の両方において、前記スリーブの上下の端部との接続を形成する支持手段を有するのが好ましい。前記のような上端内側及び外側支持手段は、共に締め付けばねを形成することができ、該締め付けばねによって前記フレーム部材は前記スリーブに取り付けられる。前記締め付けばねは、前記スリーブが、前記のような上方の外側の支持体に対して押圧されるだけでなく、前記のような下方内側の支持体にも押されるように、設計されており、従って、2つの相互に垂直な方向における前記スリーブの固定を提供する。従って、本発明による前記サブアセンブリは、溶接された如何なる接続を有することなく構成されることができる。
【0014】
本発明は、本発明のサブアセンブリを封止している外側の容器と、光源とを有するランプにも関する。前記サブアセンブリが利用されることができるランプは、例えば、放物形のアルミニウム処理をされたリフレクタ(PAR)を有するフラッドランプ、又は前記放電容器の爆発性の破裂の際に、外側のエンベロープの破損を防止する構造を含んでいる高圧放電ランプであることができる。
【0015】
本発明は、特に、前記光源のようなアーク又は放電管(更に特には、CDMバーナ)を有するランプに利用可能であると共に、米国特許第5,670,840号に開示されているIRコートされているタングステンハロゲンランプのような、白熱光源を有するランプにも利用可能である。
【0016】
前記フレーム部材は、フレーム部材の低い部分に位置されている、それぞれの支持部材によって、前記ランプのベースに取り付けられることができる。前記のような2つのフレーム部材の相対的な位置は、これらの相互距離が、前記ランプが開始される際の高電圧に対する絶縁を提供するのに十分であることを前提として、重要ではない。前記支持部材の前記ランプのベース部への接続を考慮して、前記のような2つのフレーム部材は、好ましくは、前記スリーブの中央を通過する線の対向する側にある。このように得られる強度及び剛性のある構成は、PAR CDMランプの機械的要件を、より良好に満たしている。
【0017】
前記光源は、上方及び下方のフィンガの間に取り付けられることもでき、前記フィンガの両方は、それぞれのフレーム部材の一部である。この場合、設けられるべき溶接接続は、前記上方及び下方のフィンガの間に光源を取り付けるためのもののみである。他の溶接接続を有さないので、これらは、既存の構成における場合よりも正確な仕方でなされることができる。前記2つのフレーム部材は、好ましくは、電流供給導体の機能を果たす。
【0018】
本発明のランプの構成要素及び溶接の数が少ないことは、製造のアセンブリ中における失敗のリスクを小さくし、アセンブリ期間を短くし、寿命及び少ない構成要素のコストの点で良好な性能をもたらす。
【0019】
アセンブリは、例えば、互いに対向している2つのフレーム部材をスリーブ上に締め付け、前記サブアセンブリを鋳型内に流し入れ、この後、光源が、前記スリーブの中央部に位置決めされ、前記フレーム部材の前記フィンガに溶接されることによって、なされることができる。前記サブアセンブリは、場合により、前記フレーム部材の1つに溶接されているゲッタも備えており、前記ランプのベースに取り付けられることができる。
【0020】
本発明のランプにおける光源は、フィラメント、セラミック、放電容器又は石英高圧放電容器であっても良い。前記光源は、好ましくは、セラミック放電容器である。セラミック放電容器は、管形又は樽形であることもでき、既知の技術(例えば、スリップキャスト法)によって製造されることができる。封止構造は、プラグ(前記のような容器と共焼結されている)であっても良く、又は前記封止構造と容器とが、1つのスリップキャスト体の一部であることもできる。
【0021】
本願において、「セラミック」とは、単結晶金属酸化物(例えば、サファイア)、多結晶金属酸化物(例えば、多結晶の密に焼結されたアルミニウム酸化物及びYAG)及び多結晶非酸化物材料(例えば、窒化アルミニウム)のような、耐熱性材料を意味していると理解される。前記のような材料は、1500−1700Kの壁温度を許容し、ハロゲン化合物及びNaによる化学的腐食に耐えることができる。本発明の目的には、多結晶アルミニウム酸化物(PCA)が、最も適切であることが分かっている。
【0022】
破裂に対する付加的な保護は、前記のようなガラスの円筒状スリーブが、二重壁スリーブになっているであるランプであって、前記二重壁スリーブにおいて、2つの別個の同軸のガラス管が使用されているランプによって、得られる。この場合、前記のような下端支持手段は、2つのスリーブを支持するように設計されているのに対し、前記のような上端外側の支持手段は、外側のガラス管を支持し、前記のような上端内側の支持手段が、内側のガラス管を支持している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明のこれら及び他の見地は、以下に記載される実施例を参照して、明らかになり説明されるであろう。
【0024】
図1に示されているサブアセンブリは、石英スリーブ1及び2つのフレーム部材2、3を有する。前記フレーム部材は、個々に前記スリーブによって支持されており、該スリーブは、強度及び剛性を有する。前記石英のスリーブは、典型的には、1.25mmの厚さ及び19mmの直径を有する。各フレーム部材は、上端外側の支持手段21、31と、上端内側の支持手段22,32とを有している。上端内側支持手段及び上端外側支持手段21,22及び31,32それぞれは、共に締め付けばねを形成しており、該締め付けばねによって各フレーム部材が前記スリーブに取り付けられている。前記締め付けばねの2つの脚の間の距離は、前記2つの脚が締め付けられる位置において僅かに逸れており、従って前記スリーブを上端外側の支持部21,31に対してのみでなく下端内側の支持部24,34に対しても押し付け、前記スリーブの鉛直方向の固定を提供するように、選択される。下端内側支持手段及び下端外側支持手段24,34及び23,33は、それぞれ、前記スリーブの下端との接続を形成している。前記フレーム部材は、光源を接続するために、フィンガ25,35をそれぞれ有している、各フレーム部材は、更に、ランプベース内の取り付けのための支持部材26,36を有している。
【0025】
フレーム部材の実施例の詳細は、図2Aに示されており、それぞれの部分は、上述のサブアセンブリの記載におけるものと同じ符号によって示されている。図2Bにおいては、前記のような上端及び下端外側支持手段は、前記スリーブの外壁に沿って延在している2つの外側支持手段21内に結合されている。図2Bのフレーム部材を備えるサブアセンブリが、図3に示されている。このサブアセンブリは、更に、バーナ10及びゲッタ38を有する。
【0026】
図4は、バーナ10を備えている他の代替的なサブアセンブリを示している。図1に示した実施例との主な違いは、外側支持手段21及び23の形状である。
【0027】
図5は、本発明によるサブアセンブリを有するPARランプの模式図を示している。放電管10は、ここから延在している一対の対向する軸方向のリード線12、13を備えている円筒状のアルミニウム酸化物のエンベロープと、金属ハロゲン化合物の充填剤における放電を保持するための電極(図示略)とを有している。上端18及び下端20を有するアーク管10は、上方フィンガ25と下方フィンガ35との間に取り付けられており、上方フィンガ25と下方フィンガ35の両方は、それぞれのフレーム部材2,3の一部であり、石英スリーブ1によって支持されている。前記フレーム部材は、ステンレス鋼のワイヤによって形成されているのが好ましいが、Mo、Nb又はNiも使用されることができる。前記サブアセンブリは、更に、ゲッタ38を有する。
【0028】
前記ランプの外側部分は、従来型の設計を有し、アルミニウム処理をされた内面(PAR)を備えているガラスエンベロープ45、前記のようなガラスに埋め込まれている一対のNi/Feフェルール48及び49、真鍮ベース50、中央接点52及びカバーレンズ54を含んでいる。フレーム部材2,3の支持部材26,36は、それぞれのフェルール48,49内に嵌合しており、フェルール48,49は、電気的にベース50及び中央接点52と接続されている。
【0029】
前記ランプは、フレーム部材3にゲッタ38を溶接し、フレーム部材2,3を前記スリーブ上に締め付け、アーク管10を自身の軸方向のリード線12,13によってフィンガ25及び35の間に溶接することによって製造されることができる。フレーム部材2,3の支持部材26,36は、それぞれのフェルール48,49に蝋付け(braze)されている。次いで、カバー54がフレーム封止される又は代わりに接着され、振動耐性のある堅牢なランプが得られる。
【0030】
上述の実施例は、例として記載されたものであり、添付請求項の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明によるサブアセンブリの斜視図である。
【図2A】図1に示したフレーム部材の斜視図である。
【図2B】図1に示したフレーム部材の斜視図である。
【図3】セラミック放電容器及びゲッタを備えている、本発明による代替的なサブアセンブリの斜視図である。
【図4】セラミック放電容器を備えている、本発明による代替的なサブアセンブリの斜視図である。
【図5】本発明によるサブアセンブリを有するPARランプの模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源を包囲する保護スリーブ及び2つのフレーム部材を有するサブアセンブリとを有するランプであって、前記2つのフレーム部材が各々前記のようなスリーブを支持していることを特徴とするランプ。
【請求項2】
各フレーム部材は、前記フレーム部材と前記スリーブとの間の接続として働く締め付けばねを有することを特徴とする、請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
各フレーム部材は、前記スリーブの内面及び外面の両方において、前記スリーブの上下の端部における支持手段を有している、請求項1又は2に記載のランプ。
【請求項4】
前記光源は金属ハロゲン化合物のバーナである、請求項1又は2に記載のランプ。
【請求項5】
前記光源はセラミック放電容器を有する、請求項1又は2に記載のランプ。
【請求項6】
前記光源及び前記サブアセンブリは、放物形のアルミニウム処理されたリフレクタである外側容器によって封止されている、請求項1又は2に記載のランプ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−515142(P2008−515142A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533006(P2007−533006)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052726
【国際公開番号】WO2006/035324
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】