説明

ランプ

【課題】グローブ内に回路ユニットを容易に配することができる構成を有するランプを提供する。
【解決手段】LEDランプ1は、グローブ7と口金11とを含む外囲器内に、LED15と、口金11を介して受電してLED15を発光させるための回路ユニット9とを格納し、回路ユニット9がLED15に対して口金11と反対側であってグローブ7内に支持具に支持された状態で配され、グローブ7は、回路ユニット9を開放域を通じて受け入れる第1部材31と、第1部材31の開放域を塞ぐ第2部材33とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプに関し、特に、口金を有しかつ回路ユニットを内蔵したランプに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子を発光体とするランプの一つとして、電球形のLEDランプが普及しつつある。
当該LEDランプは、一般的に、一の実装基板に多数のLEDを実装し、当該実装基板の裏側、口金との間に存する筐体空間内にLEDを点灯するための回路ユニットが収納され、LEDから発せられる光を、グローブを介して外部に出射する構成を有している(特許文献1)。
【0003】
また、筐体を良熱伝導材料である金属で形成し、LEDで発生した熱を口金へと伝導し、当該筐体に熱が蓄積しないようにしているものもある(非特許文献1(第12頁)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−313717号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「ランプ総合カタログ 2010」発行:パナソニック株式会社 ライティング社他
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、金属筐体を伝導する熱は、筐体内部にも放熱され、回路ユニットはその影響を受ける。回路ユニットを構成する電子部品の中には、熱の影響により寿命が大きく左右されるものがある。
【0007】
そこで、本願の発明者らは、回路ユニットの寿命を低下させることなく、LEDへの通電量を増大し、一層輝度を向上させることができる電球形のLEDランプとして、実装基板を挟んで口金と反対側のグローブ内に回路ユニットを収納する構成を検討している。
【0008】
しかしながら、グローブの形状を一般白熱電球で利用されているガラスバルブの形状に合わせたり、小型の口金を利用したりすると、回路ユニットの方がグローブの開口よりも大きくなる場合が生じ、回路ユニットをグローブ内に効率良く配することができないという問題がある。
【0009】
なお、この問題は、ランプ自体が小さなミニクリプトンランプを代替目的としたような場合や調光点灯可能なランプとして調光専用の回路部品を備えるような場合にも生じる。
そこで、本発明は、グローブの口金側の開口よりも大きな回路ユニットをグローブ内に容易に配することができる構成を有するランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るLEDランプは、グローブと口金とを含む外囲器内に、半導体発光素子と、前記口金を介して受電して前記半導体発光素子を発光させるための回路ユニットとを格納するランプにおいて、前記回路ユニットが前記半導体発光素子に対して前記口金と反対側であって前記グローブ内に支持具に支持された状態で配され、前記グローブは、前記回路ユニットを開放域を通じて受け入れる第1部材と、前記第1部材の開放域を塞ぐ第2部材とを含むことを特徴としている。
【0011】
ここでいう「受け入れ」とは、回路ユニットの全部の受け入れ或いは回路ユニットの一部の受け入れを含む概念である。
【発明の効果】
【0012】
上記構成によれば、第1部材と第2部材と含んでグローブが構成されるため、第1部材に回路ユニットを受け入れた状態で第2部材で第1部材の開放域を塞ぐことができ、グローブ内に回路ユニットを容易に配することができる。
【0013】
また、前記第1部材及び前記第2部材は、ランプ軸を含む一平面に対し互いに対称な形状をしていると共に、前記一平面で開放域同士を互いに当接していることを特徴とし、あるいは、前記第1部材及び前記第2の部材は、前記当接状態で接着剤により結合されていることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係るLEDランプの構造を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るLEDランプを口金と反対側から見た平面図である。
【図3】第1の実施の形態に係るLEDランプの製造方法を説明する図である。
【図4】第1の実施の形態に係るLEDランプの製造方法を説明する図である。
【図5】第2の実施の形態に係るLEDランプの構造を示す断面図である。
【図6】第3の実施の形態に係るLEDランプの構造を示す一部断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係る第1部材の斜視図である。
【図8】第4の実施の形態の変形例に係るLEDランプを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の実施の形態で使用している、材料、数値、形状は好ましい例を例示しているだけであり、この形態に限定されることはない。また、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更は可能である。また、他の実施の形態(変形例等を含む。)との組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。
【0016】
ここでは、半導体発光素子としてLEDを利用する形態について説明するが、半導体発光素子は、例えば、LD(レーザダイオード)やEL素子(エレクトリックルミネッセンス素子)であっても良い。
<第1の実施の形態>
本発明を実施するための第1の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
1.全体構成
図1は、第1の実施の形態に係るLEDランプの構造を示す断面図であり、図2は、LEDランプを口金と反対側(グローブ側)から見た平面図である。
【0017】
LEDランプ(本発明の「ランプ」に相当する。)1は、LEDを発光体として備えるLEDモジュール3と、LEDモジュール3を搭載する台座5と、LEDモジュール3を覆うグローブ7と、LEDを発光させるための回路ユニット9と、回路ユニット9と電気的に接続されている口金11とを備える。なお、LEDランプ1は、所謂、電球形のLEDランプである。
(1)LEDモジュール
LEDモジュール3は、実装基板13と、実装基板13の表面に実装された複数のLED15と、実装基板13上において複数のLED15を被覆する封止体17とを備える。封止体17は、主に、透光性材料からなり、LED15から発せられた光の波長を所定の波長へと変換する必要がある場合は、光の波長を変換する波長変換材料が前記透光性材料に混入されてなる。
【0018】
透光性材料としては例えばシリコーン樹脂を利用することができ、また、波長変換材料としては例えば蛍光体粒子を利用することができる。
ここでは、LED15は青色光を発光色とするものであり、波長変換材料として青色光を黄色光に変換する蛍光体粒子が利用されている。これにより、LED15から出射された青色光と、蛍光体粒子により波長変換された黄色光とが混色して、LEDモジュール3(LEDランプ1)から白色光が発せられることとなる。
(2)台座
台座5は、本実施の形態では円盤状をし、表面の略中央にLEDモジュール3を搭載する。台座5は、図1に示すように、グローブ7の開口を塞ぐように、グローブ7の開口側の端部21の内周面に取着されている。ここでは、台座5は、その外周面がグローブ7の開口側の端部21の内周面に接着剤19により固着されている。
【0019】
なお、LEDモジュール3の台座5への装着は、例えば、ネジ、係合構造も利用することができる。
(3)グローブ
グローブ7は、ここでは、口金11とで外囲器を構成する。グローブ7の形状(タイプ)は特に限定するものではないが、ここでは、一般白熱電球に似た形状のAタイプが利用されているが、口金11により塞がれる開口が回路ユニット9よりも小さい。
【0020】
グローブ7は、同図に示すように、筒状をした筒状部23と、筒状部23の他端から球状に膨らんだ球状部25と、筒状部23の一端から縮径する縮径部27と、縮径部27の一端から筒状に延出部とを有する。なお、延出部は上記開口側の端部21に相当し、延出部の符号も「21」とする。
【0021】
グローブ7の内周面には、LEDモジュール3から発せられた光を拡散させる拡散処理、例えば、シリカや白色顔料等による拡散処理が施されている。ここでは、拡散膜28が形成されている。
【0022】
グローブ7は、少なくとも2つの部材から構成されている。ここでは、ランプ軸を含む平面でグローブ7を左右の2つに分割して構成される第1部材31と第2部材33とからなる。つまり、回路ユニット9を開放域から受け入れる第1部材31と、第1部材31の開放域を塞ぐ第2部材33とからなる。なお、第1部材と第2部材とは互いに逆であっても良い。
【0023】
第1部材31と第2部材33は、例えば、接着剤34により結合されている。
(4)回路ユニット
回路ユニット9は、回路基板35と、当該回路基板35に実装された各種の電子部品37,39とから構成され、グローブ7内、特に球状部25内に格納されている。なお、電子部品は、便宜上「37」、「39」の2個の符号だけを用いているが、電子部品は「37」、「39」以外にもあり、これらのすべての電子部品により回路が構成される。
【0024】
回路ユニット9の出力端子とLEDモジュール3の入力端子とは、配線41,43により電気的に接続されている。また回路ユニット9の入力端子と口金11とは、台座5に設けられた貫通孔45,47を通る配線49,51により電気的に接続されている。なお、配線43は、図1における断面よりも手前側に位置するため、図1には現れていない。
【0025】
配線41,43,49,51は、回路ユニット9、LEDモジュール3及び口金11に半田等により接続・固定されている。貫通孔45,47は、台座5を平面視したときに、ランプ軸に相当する中心点(台座5の中心である。)を通りランプ軸と直交する一本の仮想線分上であって中心点を挟んだ両側に設けられている。
【0026】
配線41,43,49,51は、口金11に接続される2本とLEDモジュール3へ接続される2本の合計4本を有している。これらの配線41,43,49,51は、例えば、一般的に用いられる絶縁被覆されたリード線により構成されている。
【0027】
各配線41,43,49,51は、ガラス製等の透明チューブ53,55,57,59内に挿入されており、この透明チューブ53,55,57,59によって回路ユニット9がグローブ7内で支持されている。つまり、これら4つの透明チューブ53,55,57,59は、回路ユニット9をグローブ7内で支持する支持具として構成される。なお、透明チューブ55は、配線43と同様に、図1における断面よりも手前側に位置するため、図1には現れていない。
【0028】
このような支持具は、台座5上におけるLEDモジュール3の周囲の周辺であってその周方向に等間隔をおいて且つランプ軸方向に延伸する状態で配置されている。周方向に等間隔に配置された支持具に回路ユニット9が支持されることで、回路ユニット9の重さをバランス良く支持具に分散させることができると共に、振動などに対して回路ユニット9を強固に支持することができる。
【0029】
なお、回路基板35上の電子部品37,39等の配置に応じて透明チューブ等の間隔を等間隔ではなく、異ならせた間隔で配置しても良い。例えば、重量の大きな電子部品の近くに透明チューブを配する等の配置にしても良い。
【0030】
また、配線41,43,49,51が挿通された透明チューブ53,55,57,59は、貫通孔45,47内において接着剤42,44で固定され、回路ユニット9では回路基板35の貫通孔61,63内において接着剤65,67で固定されている。
【0031】
なお、図1では、透明チューブ53用に設けられた台座5と回路基板35の貫通孔の図示や透明チューブ53を固定している接着剤の図示はLEDモジュール3の影になるため、また、透明チューブ55用に設けられた台座5と回路基板35の貫通孔の図示や透明チューブ55を固定している接着剤の図示は図1における断面よりも手前に位置するため、それぞれ図1には現れていない。
【0032】
回路基板35は、ここでは、円板状をし、LEDモジュール3の封止体17の上方に位置している。LEDランプ1を平面視したとき(図2の状態である。)に、封止体17に回路基板35が重なっている(ここでは、封止体17の全領域が回路基板35の領域内に位置している。)。
(5)口金
口金11は、LEDランプ1が照明器具に取着されて点灯された際に、照明器具のソケットから電力を受けるためのものである。
【0033】
口金11の種類は、特に限定するものではないが、ここではエジソンタイプが使用されている。口金11は、筒状であって周面が雄ネジとなっているシェル部71と、シェル部71に絶縁材料73を介して装着されたアイレット部75とからなる。
2.製造方法
第1の実施の形態に係るLEDランプ1の製造は、グローブ7を構成する部材であって回路ユニット9を受け入れ可能な開放域を有する第1部材31と前記開放域を塞ぐ第2部材33とを準備する準備工程と、前記開放域から回路ユニット9を第1部材31に配置する配置工程と、回路ユニット9が配された第1部材31の開放域を第2部品で塞いでグローブ7を組み立てる組立工程とを含んでいる。
【0034】
図3及び図4は、第1の実施の形態に係るLEDランプ1の製造方法を説明する図である。
まず、上述したように、第1部材31及び第2部材33を準備し、LEDモジュール3を搭載した台座5と回路ユニット9とを結合する。具体的には、透明チューブ53,55,57,59により連結する。この連結して組合せたもの格納体81とする。なお、格納体81を組合せた後に、第1部材31及び第2部材33を準備しても良い。
【0035】
次に、同図の(a)に示すように、第1部材31の内部に格納体81を配置する。この際、第1部材31は、グローブ7の下半分であり、第1部材31には第2部材33との突合せ箇所に、グローブ7の外郭(周縁)に合わせた開放域83が存在する。そして、この開放域83が格納体81よりも大きいために、この開放域83から回路ユニット9を含んだ格納体81を第1部材31に容易に配置することができる。
【0036】
ここでは、開放域83を上になるように第1部材31を配し、格納体81を開放域83の上から下方に下げることで、第1部材31に格納する。このとき、第1部材31と格納体81とを上方から見ると、第1部材31の開放域83は、その中に格納体81が入る大きさを有している。つまり、第1部材31と第2部材33とを結合する際に、第1部材31と第2部材33との突合せ部分により囲まれる領域内に、格納体31を投影させた領域が入る。
【0037】
また、台座5の外周面及び第1部材31におけるグローブ7の開口側の端部21の内周面に、或いは、台座5の外周面及び第1部材31におけるグローブ7の開口側の端部21の内周面とのどちらかの面に接着剤19を塗布しておく。
【0038】
そして、図3の(b)に示すように、第1部材31と第2部材33との突合せ部分(突合せ面)に接着剤34を塗布しておき、第1部材31と第2部材33とを突き合わせて両者を結合する。
【0039】
これにより、グローブ7が一体化されると同時に、グローブ7の開口からグローブ7内に挿入することができない大きさの格納体81(回路ユニット9)を収納することになる。
【0040】
また、台座5の外周面及び第2部材33におけるグローブ7の開口側の端部21の内周面に、或いは、台座5の外周面及び第2部材33におけるグローブ7の開口側の端部21の内周面とのどちらかの面に接着剤19を塗布しておくことで、台座5とグローブ7との結合も同時に完了する。
【0041】
最後に、図4に示すように、グローブ7に口金11を装着してLEDランプ1を完成させる。
具体的には、台座5から延出している一対の配線49,51の一方の配線49をグローブ7の延出部21の外周面に沿うように折り曲げ、他方の配線51をアイレット部75の貫通孔に通した後、口金11をグローブ7の延出部21に被覆する。
【0042】
そして、口金11を被覆した状態で、口金11のグローブ7の所定位置をかしめ、他方の配線51のアイレット部75の貫通孔から延出した部分をアイレット部75に半田付けすることで、同図の(b)に示すように、口金11のグローブ7へ装着が完了する。なお、口金11のグローブ7への装着は、かしめではなく、接着剤を利用しても良い。
3.その他
本実施の形態では、回路ユニット9をグローブ7内に容易に格納できるため、グローブ7の開口から回路ユニット9を挿入する必要がなく、開口が小さな形状・大きさのグローブ7を利用することができる。これにより、一般白熱電球を利用していた従来の照明器具へのLEDランプ1の装着適合率を略100[%]にすることができる。
【0043】
さらに、LEDモジュール3を口金11に近づけることで、LEDモジュール3とグローブ7の頂部(図1における上端部である。)との間隔を大きくでき、回路ユニット9を格納するスペースを十分に確保することができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、電子部品37,39は回路基板35の一方の主面に実装され、また、LEDモジュール3から発せられる光色が白色であった。
【0044】
第2の実施の形態では、回路基板の両主面に電子部品が実装され、また、LEDモジュールから発せられる光色が青色の場合について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成のものについては、そのまま第1の実施の形態と同じ符号を用いる。
【0045】
図5は、第2の実施の形態に係るLEDランプ101の構造を示す断面図である。
第2の実施の形態に係るLEDランプ101は、LEDモジュール103、台座5、グローブ105、回路ユニット107及び口金11を備える。
【0046】
LEDモジュール103は、実装基板13、複数のLED15及び封止体109からなる。LED15は青色光を発するが、ここでの封止体109には第1の実施の形態で説明した蛍光体粒子は含んでいない。したがって、LEDモジュール103からは青色光が出射される。
【0047】
グローブ105は、第1の実施の形態と同様に、第1部材31と第2部材とから構成される。ここでは、Aタイプが利用され、その内周面に拡散膜(28)が形成され、この拡散膜(28)上(回路ユニット107側である。)に、LEDモジュール103から発せられた青色光を黄色光に変換する蛍光体粒子を含んだ蛍光体層111が形成されている。これにより、LEDモジュール103からの青色光と、蛍光体層111からの黄色光とにより混色された白色光がLEDランプ101から出力されることとなる。
【0048】
なお、図5では、拡散膜(28)の図示を省いているが、蛍光体層111とグローブ105との間に形成されている。
回路ユニット107は、回路基板と電子部品37,39とからなる点は第1の実施の形態と同じである。回路基板113は、その両主面に電子部品37,39を実装している点で、第1の実施の形態と異なる。なお、本実施の形態においても、回路ユニット107は、4つの透明チューブ53,55,57,59により構成される支持具により支持されている。
【0049】
第2の実施の形態に係るLEDランプ101も、グローブ105が第1部材31及び第2部材33からなり、第1の実施の形態と同様な製造方法で容易に製造できる。
第2の実施の形態では、グローブ7の内周面に蛍光体層111が形成されている。蛍光体粒子は高温になると波長変換効率が低下する。したがって、蛍光体層111をグローブ105の内周面に形成することにより、LED15を封止する封止体109内に混入される場合より、LED発光時の熱の影響を受け難く、蛍光体粒子の波長変換効率の低下を抑制することができる。
<第3の実施の形態>
第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係るLEDランプ1,101は、回路ユニット9,107がグローブ7,105内でそのままの状態で、つまり、電子部品が37,39や回路基板35,113が剥き出しの状態で格納されていたが、例えば、回路ユニットが、回路ケース内に格納された状態でグローブ内に格納されていても良く、第3の実施の形態では、回路ユニットが回路ケースに格納されたLEDランプについて説明する。なお、第3の実施の形態では、回路ケースがグローブ内の支持壁により支持されている。
【0050】
図6は、第3の実施の形態に係るLEDランプ201の構造を示す断面図である。
第3の実施の形態に係るLEDランプ201は、LEDモジュール3、台座202、グローブ203、回路ユニット205、回路ケース207及び口金11を備え、第1の実施の形態に係るLEDランプ1とは、回路ユニット205が、回路ケース207内に格納され、グローブ203の支持壁219a,219b,219cにより支持されている点で異なる。
【0051】
グローブ203は、第1の実施の形態と同様に、Aタイプが利用され、その内周面に拡散膜28が形成されている。第1の実施の形態とは、上述のように、回路ケースを支持する支持壁を有する点が異なる。
【0052】
グローブ203は、第1の実施の形態と同様に、球状部211、筒状部213、縮径部215及び延出部217を有する。なお、延出部217は、第1の実施の形態における延出部21よりも短い。
【0053】
筒状部213の内径やグローブ203の開口径は、回路ケース207の通過を許容しない寸法となっている。つまり、筒状部213の最小内径やグローブ203の開口径は、回路ケース207の最大外径よりも小さくなっている。
【0054】
グローブ203は、第1の実施の形態と同様に、第1部材219及び第2部材221の2つの部材から構成され、ランプ軸を含む仮想面でグローブ203を左右に分割して2つの部材からなる。図6では、グローブ203をその分割面で見た状態(つまり第1部材219を見た状態である。)を示し、LEDモジュール3、台座202、口金11、回路ユニット205(正確には回路基板225である。)及び回路ケース207は断面で示している。
【0055】
図7は、第1部材の斜視図である。
第1部材219は、図7に示すように、回路ケース207を支持する支持壁219a,219b,219cを内面に有している。なお、第2部材221も、図示していないが支持壁221a,221b,221cを内部に有している。つまり、第1部材219及び第2部材221は、ランプ軸を含んだ仮想面でグローブを2分割した部材に相当し、両部材219,221は、仮想面に対して面対称となっている。このため、第1部材219について、その構成等を説明する。
【0056】
支持壁219a,219b,219cは、回路ケース207の移動を規制するように、少なくとも3箇所以上、ここでは3箇所に形成されている。支持壁219a,219b,219cは、図6において回路ケース207の周囲にそって等間隔をおいてグローブ203の内面から中心に向かって延出し、延出先端が回路ケース207に対応した形状(円弧状)をしている。
【0057】
回路ユニット205は、第2の実施の形態の回路ユニット107と同様に、回路基板225の両面に複数の電子部品37,39等が実装されてなる。
回路ケース207は、外観形状が球状をした球体により構成され、内部に回路ユニット205が収容される球状の空間を有する。回路ケース207は、ランプ軸と直交する面によって球体を2分割してなる2つの部材、すなわち、口金11側の部分を構成する半球状の第1ケース部材227と、残りの部分を構成する半球状の第2ケース部材229とで構成されている。なお、回路ケース207の外周面は、反射面となっている。
【0058】
第2ケース部材229には、回路ユニット205の回路基板225の外周縁部が嵌め込まれる凹部231が形成されており、その凹部231に回路基板225の外周縁部を嵌め込んだ状態で、第1ケース部材227と第2ケース部材229の開口部端面同士を合わせると、回路基板225の口金11側に配置された電子部品39は第1ケース部材227内に収容され、口金11とは反対側に配置された電子部品37が第2ケース部材229内に収容される。
【0059】
回路基板225の外周縁部は、第2ケース部材229の凹部231に嵌まり込んだ状態で、第1ケース部材227と第2ケース部材229とに挟まれ固定されており、このような構成で回路ユニット205が回路ケース207に固定されている。
【0060】
なお、回路ユニット205を回路ケース207に固定する方法は、前記構成に限定されず、例えば、ネジや接着剤で回路基板225を回路ケース207に固定しても良い。
台座202は、ここでは有底筒状をし、円盤状の底部235と筒状部237とを有している。底部235は、その表面にLEDモジュール3を搭載している。
【0061】
筒状部237は、全周に亘って外方に突出する突部239を有しており、筒状部237の突部239よりも底部235側の部分にグローブ203の開口側の端部(217)が取着され、また突部239より口金11側の部分に口金11が取着(外嵌)されている。なお、グローブ203と台座202とは接着剤により固着されている。
【0062】
第3の実施の形態に係るLEDランプ201も、グローブ203が第1部材219及び第2部材221からなり、第1部材219の開放域が回路ケース207の通過を許容する大きさであり、第1の実施の形態と同様な製造方法で容易に製造できる。
<第4の実施の形態>
上記の第3の実施の形態では、回路ケース207の外周面に反射機能を持たせたが、回路ケースに波長変換機能や導光体機能を持たせても良い。導光体機能を持たせた形態を第4の実施の形態として以下説明する。
【0063】
図8は、第4の実施の形態に係るLEDランプ301を示す図である。
LEDランプ301は、LEDモジュール3、台座5、グローブ303、回路ユニット205、回路ケース305及び口金11を備え、LEDモジュール3と口金11と第1の実施の形態と同じ構成である(当然別の構成でも良い。)。
【0064】
グローブ303は、第1の実施の形態と同様に、Aタイプが利用され、その内周面に拡散膜28が形成されている。第1の実施の形態とは、グローブの分割位置が異なる。
グローブ303は、第1の実施の形態と同様に、球状部307、筒状部309、縮径部311及び延出部313を有する。筒状部309の内径は、回路ケース305の通過を許容しない寸法となっている。つまり、筒状部309の内径は、回路ケース305の最大外径よりも小さくなっている。
【0065】
グローブ303は、第1部材315及び第2部材317の2つの部材から構成され、この2つの部材315,317は、球状部307でランプ軸と直交する仮想面でグローブ303を上下に2分割している。ここでは、第1部材315が筒状部309側であり、第2部材317が球状部307側であり、第1部材315と第2部材317とを付き合わせてできる線分(分割面である。)を符号「319」で示している。
【0066】
回路ケース305は、第3の実施の形態と同様に、回路ユニット205を内部に格納する。ここでは、回路基板225がランプ軸と平行に配された状態で回路ユニット205が回路ケース305内に格納されている。
【0067】
回路ケース305は、全体形状として多面体、具体的には斜方立方八面体に似た形状をし、第3の実施の形態と同様に、第1ケース部材321と第2ケース部材323とからなり、第1ケース部材321及び第2ケース部材323が、アクリル樹脂等の導光性を有する材料により構成されている。
【0068】
第1ケース部材321及び第2ケース部材323の内面には反射膜325が形成され、さらに、口金11側の端面が、LEDモジュール3から出射された光が入射する入射面327となっており、当該入射面327から入射した光が第1ケース部材321及び第2ケース部材323の内部を伝わって、所定位置でグローブ303に向けて出射される。
【0069】
回路ケース305は、4本の透明チューブ331,333,335,337を利用して台座5に装着されることによりグローブ303内に支持されている。
第4の実施の形態に係るLEDランプ301も、グローブ303が第1部材315及び第2部材317からなり、筒状部309の内径やグローブ303の開口径は回路ケース305の通過を許容しない大きさであるが、第2部材317の開放域(図8の分割線319が相当する。)が回路ケース305の通過を許容する大きさであるため、第1の実施の形態と同様な製造方法で容易に製造できる。
<変形例>
以上、本発明の構成を第1から第4の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態等に限られない。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
1.グローブ
(1)形状
実施の形態等では、所謂、Aタイプのグローブを利用したが、他のタイプ、例えば、B、Gタイプであっても良い。
【0070】
また、白熱電球のバルブ形状や電球形蛍光ランプのグローブ形状と全く異なる形状であっても良い。
(2)部材数
実施の形態等では2つの部材、例えば、第1の実施の形態では第1部材31と第2部材33とからグローブ7を構成していたが、例えば、3以上の部材から構成しても良い。但し、3以上の部材からグローブが構成されていても、回路ユニットを受け入れる部材が第1部材に相当し、第1部材における開放域を塞ぐ部材が第2の部材に相当する。したがって、複数の部材を結合させて第1部材を構成し、第1部材の開放域を、複数の部材を結合させた第2部材により塞ぐようにしても良い。
(3)開放域
実施の形態では、第1部材の開放域は、1つの平面(互いに直交する2つの直線が含まれる面である。)でグローブを分割した際にグローブと平面とが交差する部分(分割後のグローブにおける分割部分の端縁である。)の内側に形成される領域であったが、開放域は、例えば、2つの平面を用いてグローブを分割した際にグローブと2つの平面とが交差する部分の内側に形成される領域であっても良い。さらに、第1部材の開放域は、曲線を含んだ曲面でグローブを分割した際にグローブと曲面とが交差する部分の内側に形成される領域であっても良い。
【0071】
つまり、第1部材の開放域を形成する周縁は、1つの平面に含まれても良いし、2以上の複数の平面に含まれても良いし、1つの曲面に含まれても良いし、複数の平面に含まれても良いし、さらには、平面と曲面とに含まれても良い。
【0072】
一方、開放域は、第4の実施の形態のように、第1部材315の開放域が第2部材317により完全に塞がれても良いし、第1の実施の形態のように、第1部材31の開放域が第2部材33により完全に塞がれなくても良い。つまり、グローブの開口とつながるような開放域であっても良い。
(4)その他
実施の形態等では、グローブの外周面に特別な処理等を施していないが、第1部材と第2部材との結合部分が目立つような場合は、透光性樹脂等を塗布しても良いし、透光性材料から構成されたチューブ(例えば、収縮チューブ等である。)を被覆しても良い。
【0073】
また、第1部材と第2部材とは接着剤以外で結合しても良い。接着剤以外の結合方法としては、例えば、第1部材と第2部材とを付き合わせ、当該付合面をバーナやレーザ等により加熱して溶融させて固着(溶着)したり、収縮チューブを被覆したりする方法がある。
2.口金
実施の形態等では,エジソンタイプの口金を利用したが、他のタイプ、例えば、ピンタイプ(具体的にはGY、GX等のGタイプである。)を利用しても良い。
【0074】
また、実施の形態等では、口金や台座の内部は中空であったが、例えば、伝導率が空気よりも高い絶縁性の材料を充填しても良い。これにより、発光時のLEDモジュールからの熱は、口金、ソケットを介して照明器具へと伝わり、ランプ全体としての放熱特性を向上させることができる。なお、上記材料としては、例えばシリコーン樹脂等がある。
3.LEDモジュール
(1)実装基板
実装基板は、樹脂基板、セラミック基板、樹脂板と金属板とから成る金属ベース基板等、既存の実装基板を利用することができる。
(2)LED
実施の形態等では、青色発光のLEDと、青色光を黄色光に変換する変換部材について説明したが、他の発光色のLEDを用いても良い。その場合、LEDランプに要求されている所望の光色に変換する波長変換材料を用いる必要がある。
【0075】
また、実施の形態では、1種類のLEDを用いて、LEDモジュール(LEDランプ)から白色光を出力しているが、例えば、青色発光、赤色発光、緑色発光の3種類のLEDを用いて、これらの発光色を混色して白色光としても良い。
(3)封止体
実施の形態等では、封止体は、実装基板上に実装されたすべてのLEDを被覆していたが、例えば、一つのLEDに対して1つの封止体で被覆しても良いし、複数のLEDをグループ分けして、所定数のLEDに対して1つの封止体で被覆しても良い。
【0076】
また、実施の形態等では、透光性材料内に蛍光体粒子を混入させていたが、例えば、透光性材料の表面に蛍光体粒子を含んだ蛍光体層を形成しても良く、さらには、封止体(LEDモジュール)とは別に、LEDにおける光の出射方向に蛍光体粒子を含んだ蛍光板等の波長変換部材を設けても良い。
4.支持具
第1の実施の形態では、ガラス製等の透明チューブ53,55,57,59内に配線41,43,49,51を通して、支持具として利用したが、他に、回路ユニット9の保持が可能な剛性・硬さのあるチューブや支持棒等を用いても良い。
【0077】
なお、チューブ及び支持棒は、配光特性や光吸収性等を考慮すると、光透過性の高い材料が好ましい。また、支持棒を用いる場合は、リード線をこの支持棒に巻き付けたり、沿わせたりしても良い。
5.回路ユニット
実施の形態における回路ユニットの回路は、LEDモジュールを全点灯させる機能のみを有しているが、LEDモジュールを調光点灯させる機能を付加したものであっても良い。
【0078】
第1〜第3の実施の形態等における回路ユニット9,107等における回路基板35,113等はランプ軸に対して直交する方向で保持され、第4の実施の形態における回路基板225はランプ軸に対して平行となる方向で保持されていたが、回路基板はランプ軸に対して傾斜する方向に傾けて配置しても良い。回路基板を傾けて配置した場合、ランプ軸に直交して設けた場合と比べて光源からの光は回路基板により遮光されにくくなり、配光特性の改善を図ることができる。
【0079】
また、上記実施の形態における回路ユニット9,107等は、複数の電子部品が1つの回路基板35,113等に実装されていたが、複数の回路基板、例えば、2つの回路基板に、複数の電子部品を分けて実装するようにしても良い。この場合、すべての電子部品がグローブや回路ケース内に配される必要はなく、例えば、熱に強い電子部品を台座や口金の内部に配しても良い。なお、ここでの熱に強いとは、点灯時のLEDモジュールの温度よりも高い耐熱温度を有することをいう。
【0080】
この場合、回路ユニットを小さくすることができるため、それに応じてグローブや回路ケースも小さくすることができ、結果的にグローブの頂部への光取り出し効率を向上させることができる。
6.製造方法
第1の実施の形態におけるLEDランプ1の製造方法の説明では、LEDモジュール3、回路ユニット9及び台座5を先に組み立てた格納体81を第1部材31に格納するようにしていたが、先に回路ユニット9(回路基板35と透明チューブ53,55,57,59とが結合した結合体を用いる方が後工程を効率よく行える。)を第1部材31に格納し、第2部材33を第1部材31に被せて両者を接合した後に、LEDモジュール3を搭載した台座5をグローブ7の開口端部に装着するようにしても良い。
【0081】
さらには、第1部材31にLEDモジュール3を搭載した台座5を装着した後に、回路ユニット9を第1部材31に格納するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、回路ユニットをグローブ内に格納するのに利用可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 LEDランプ
3 LEDモジュール
5 台座
7 グローブ
9 回路ユニット
11 口金
31 第1部材
33 第2部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グローブと口金とを含む外囲器内に、半導体発光素子と、前記口金を介して受電して前記半導体発光素子を発光させるための回路ユニットとを格納するランプにおいて、
前記回路ユニットが前記半導体発光素子に対して前記口金と反対側であって前記グローブ内に支持具に支持された状態で配され、
前記グローブは、前記回路ユニットを開放域を通じて受け入れる第1部材と、前記第1部材の開放域を塞ぐ第2部材とを含むこと
を特徴とするランプ。
【請求項2】
前記第1部材及び前記第2部材は、ランプ軸を含む一平面に対し互いに対称な形状をしていると共に、前記一平面で開放域同士が互いに当接している
ことを特徴とする請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
前記第1部材及び前記第2の部材は、前記当接状態で接着剤により結合されている
ことを特徴とする請求項2に記載のランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−74256(P2012−74256A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218122(P2010−218122)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】