説明

リサイクル方法およびリサイクルシステム

【課題】 製品の廃棄やリサイクルに責任を持つべき有責任者の責任分担と処理実行を明確にし、不公平感を解消する。
【解決手段】製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で、その製品の廃棄に対して責任を持つべきである、製造業者、販売業者、消費者、回収業者、廃棄業者などの有責任者が、それぞれ自己の責任に対応する処理を適切に行ったことを証明する、認証局によって発行された電子証明書を、製品に添付されたメモリに格納する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば工業製品の廃棄処理やリサイクルの方式に係わり、更に詳しくは、例えば製品に添付されているメモリに、製品の廃棄に対して責任を持つべき有責任者が、その責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書を格納するリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、企業や家庭から出る廃棄物の処理が社会問題となっている。その解決策として、例えば工業製品の廃棄に関するコストの一部、あるいは全てを製造業者や、消費者などが負担する仕組みが提案されており、テレビ,冷蔵庫,エアコン,洗濯機の4品目に関しては家電リサイクル法が施行され、例えば消費者にコスト負担が求められている。
【0003】しかしながらこの家電リサイクル法に対しては、廃棄に責任を持つべき有責任者間でのコストの負担割合などが不明確であり、消費者の負担が大きく不公平感があるために、消費者の支持が必ずしも得られておらず、不法投棄を助長しているなどの新たな問題点が生じている。
【0004】このようなリサイクルのシステムなどに関して、例えば次のような文献がある。
文献1)特開2000−76334「電子タグ、電子マネーを用いた回収/リサイクル代金決済方法、システム、および装置」
文献2)特開2000−242752「リサイクル情報記録媒体内蔵装置」
文献1では、回収/リサイクル業者が請求する代金と、メーカが支払える代金の上限代金とが比較され、請求代金が上限代金以下であれば電子タグに電子マネーが書き込まれ、適切な回収/リサイクル処理が完了したところで、電子タグ内の電子マネーが回収/リサイクル業者の装置に移され、代金の決済が終了する。
【0005】文献2では,ICカードなどの情報記録媒体が装置に内蔵され、その情報記録媒体に記録されたリサイクル情報と、製品固有の識別情報が読み取られ、そのリサイクル情報に従って効率のよいリサイクル作業を簡単に行える方式が開示されている。
【0006】このような廃棄物の処理などのリサイクル方式では、廃棄やリサイクルに必要なコストをだれが負担するかが大きな問題となる。製品の製造から廃棄までのライフサイクルにおいては製造業者、販売業者、消費者、回収業者、および廃棄業者のように製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者が一般に複数存在し、その有責任者の間でどのようにリサイクルコストを負担し、また回収業者や廃棄業者などのリサイクル業者にどのようにそれを分配するかが問題となる。
【0007】次に各有責任者の間に不公平感を生ずることなく、また各有責任者がそれぞれの責任を適切に果たしていることが他の有責任者に明らかになることが重要である。文献1や文献2に開示されている技術では、このような有責任者の間の不公平感の解消や、他の有責任者が果たした処理の確認などができないという問題点があった。
【0008】本発明の課題は、上述の問題点に鑑み、有責任者の間でコスト負担を明確にし、また各有責任者が自己責任に対応する処理を適切に行ったことが他の有責任者にも明白になるようなリサイクル方法、およびリサイクルシステムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】図1は本発明のリサイクル方法の原理的な機能説明図である。同図においては、製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で、その製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者1、例えば製造業者、販売業者、消費者、廃棄業者などが、自己の責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書を記憶手段2に格納する。
【0010】発明の実施の形態においては、記憶手段2は例えば製品3に添付される強誘電体メモリであり、また電子証明書は公的に認められた認証機関によって発行されることもでき、その認証機関は秘密鍵としての証明鍵を用いて電子証明書を発行することもできる。
【0011】実施の形態においては、すでに記憶手段2内に格納されている電子証明書の認証を認証機関が行うこともできる。また有責任者がリサイクルコストを決済機関に対して支払った時、認証機関がそのリサイクルコストの額を電子証明書内に格納することもできる。この場合、決済機関がリサイクルコスト分の電子マネーを発行し、有責任者はその電子マネーを記憶手段2に格納することもできる。更にこの電子マネーの格納に対して、記憶手段2に接続されたデータ処理手段が電子マネー格納証明を発行することもできる。
【0012】実施の形態において、有責任者が処理への対価としてのリサイクルコストを認証機関に要求した時、認証機関から決済機関への通知によって、決済機関が有責任者にリサイクルコスト分の支払いを行うこともできる。
【0013】実施の形態においては、製品の消費者による購入の前の段階で、有責任者、例えば製造業者がその製品の廃棄時の有責任者に関するデータを記憶手段2に格納することもでき、その有責任者に関するデータは他の有責任者に対して表示可能とされる。
【0014】また実施の形態においては、有責任者は非接触のメモリアクセス装置を用いて記憶手段2に対するデータのリード/ライトを行うこともでき、また有責任者のうちあらかじめ定められた有責任者が、初期化キーを用いて記憶手段2の記憶内容を初期化することもできる。
【0015】本発明のリサイクルシステムは、有責任者にそれぞれ備えられる計算機によって構成され、製品の製造業者によって格納され、その製品に添付されたメモリに格納済みの1つ以上の識別子にそれぞれ対応する廃棄のステップを記憶すると共に、製品のリサイクル業者によって格納され、リサイクル業者が対応可能な廃棄のステップを記憶する記憶手段を有するリサイクル管理サーバを備える。
【0016】発明の実施の形態においては、リサイクル管理サーバが、消費者からの製品の廃棄の通知に対応して、前述のメモリに格納された1つ以上の識別子に基づいて製品のリサイクル業者を選択するリサイクル業者選択手段を更に備えることもでき、また前述の記憶手段が製品のリサイクル業者によって格納される廃棄のステップに対応するリサイクルのコストを更に記憶し、リサイクル業者選択手段がそのリサイクルコストに基づいてリサイクル業者の選択を行うこともでき、更に前述のメモリが有責任者によって格納された電子証明書を記憶することもできる。
【0017】次に本発明のリサイクル管理装置は、有責任者に対して発行された電子証明書の内容を確認する手段と、その内容を確認済であることを示す電子証明書を認証機関から受け取る手段と、受け取った電子証明書を決済機関に送り、リサイクルコストの決済を依頼する手段とを備える。
【0018】本発明において有責任者が使用する計算機によって実行されるプログラムとして、有責任者が自己の責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書の発行を受ける手順と、発行された電子証明書を記憶手段に格納する手順とを計算機に実行させるプログラムが用いられ、またこのプログラムが格納された計算機読出し可能可搬型記憶媒体が用いられる。
【0019】以上のように本発明によれば、例えば製品に添付された強誘電体メモリに、認証機関によって発行され、各有責任者がそれぞれの責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書が格納される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明ではリサイクル処理の対象となる製品の製造業者、販売業者、消費者、製品の廃棄時における回収業者、廃棄業者、およびリサイクルを管理する団体などの有責任者が、リサイクルのための処理をそれぞれ適切に行ったことを示す電子証明書を、例えば製品に添付されたメモリに格納することを基本的な特徴とするが、その実施形態について詳細に説明する前に、図2および図3を用いて、製品の製造/購入時と、廃棄時における各有責任者の処理について、その概要を説明する。
【0021】図2は製品の製造および購入時におけるリサイクル処理の説明図である。同図において製品10のメーカ(製造業者)11は、製品10の製造時に決済機関および認証機関12にメーカとして負担すべきリサイクルコストを支払い、その支払いに対応して決済機関および認証機関12から発行された(電子)証明書を、製品10に添付されているメモリに格納する。このメモリとしては、一般的なフラッシュメモリや、EPROMを用いることもできるが、メモリセルに強誘電体を用いたフェロエレクトリックRAM(FRAM;登録商標)を用いることにより、アクセスを高速化し、109 回以上のデータ書換が可能となる。製品10にこのようなメモリを添付することにより、大量のメモリ素子が必要となる。
【0022】製品の販売業者13は、例えば製品10に添付されているメモリの格納内容から販売業者として負担すべきコストを確認し、そのコストに対応するリサイクルコストを決済機関および認証機関12に支払い、発行された(電子)証明書を製品10に添付されているメモリに格納する。ここで販売業者が負担すべきコストの内容は、例えばメーカ11によってあらかじめメモリ内に格納されているものとする。
【0023】次に消費者は製品の購入時に、同様にメモリの内容から消費者として負担すべきコストを確認し、対応するリサイクルコストを決済機関および認証機関12に支払い、発行された(電子)証明書を製品10に添付されているメモリに格納して製品を使用する。なお消費者14が行うべき負担コストの確認と、リサイクルコスト支払いなどは販売業者13が代行することもできる。
【0024】図3は廃棄またはリサイクル時の基本的な処理の説明図である。消費者14は製品に添付されているメモリからメーカ11、販売業者13、および消費者14自身がコストを支払ったことを示す証明書を読み出し、その証明書と共に製品の廃棄を決済機関および認証機関12に連絡する。
【0025】決済機関および認証機関12は、この連絡に対して後述するような方法で最適な廃棄業者を選択し、その廃棄業者15に製品の廃棄を連絡し、廃棄業者15は製品10の廃棄のための処理を行い、処理完了通知と共に決済機関および認証機関12にコストを請求し、コストの支払いを受ける。リサイクルコストに残額があるような場合には、例えば消費者14にその残額が返金される。
【0026】続いて本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。図4は認証機関(サーティフィケート・オーソリティー;CA)による電子証明書発行処理の説明図である。同図においてメーカ、販売店または消費者などの有責任者20は、1)で自身がリサイクルのための適切な処理を行ったことを示す証明(申請)書を送り、認証機関21に対して電子証明書の発行を依頼する。
【0027】認証機関21は有責任者20からの申請内容の審査などを行い、有責任者20が適切な負担などを行ったことを示す電子証明書を2)で発行し、有責任者20は3)で、例えば製品22に添付されているメモリにその電子証明書を格納する。なおここで認証機関21はリサイクルの処理に対する認証だけを行ってもよいが、たとえば電子署名や電子文書の認証を行う公的な機関がそれを兼ねることもできる。
【0028】図5はすでに製品に添付されているメモリに格納されている電子証明書の認証を含む処理の説明図である。同図において有責任者20、例えば消費者は製品を購入する前にすでに製品22に添付されているメモリに格納されている電子証明書、例えばメーカや販売業者に対して発行された電子証明書を1)で製品22から読み出し、2)でその確認を認証機関21に依頼する。これに対して認証機関21はその証明書を確認し、3)でその認証を有責任者20に通知する。
【0029】有責任者20、例えば消費者はこの認証によって自己の処理の前段階、すなわちメーカと販売業者などがリサイクルのための処理を適切に行ったものと判断し、4)で消費者としてのリサイクルのための処理を行ったことの自己証明を認証機関21に提供し、5)でそれに対応する電子証明書の発行を受け、6)で製品22に添付されているメモリにそれを格納する。各有責任者は自己の前段階で適切なコスト負担などがなされていないと判断した時には、その製品の受け取りを拒否することもできる。
【0030】図6はリサイクルコストの支払いを含めた電子証明書格納処理の説明図である。同図において有責任者20は、図4と同様に1)で認証機関21に対して処理証明、すなわちリサイクルのための適切な処理、例えばメーカであればリサイクルに適した材料を用いて製品22の製造を行ったことなどの証明を提出し、2)で例えばメーカとして負担すべきリサイクルコストを決済機関23に対して支払う。
【0031】決済機関23は3)でコストが支払われたことの証明を認証機関21に送り、認証機関21はこれに応じて4)で支払い証明付きの電子証明書を有責任者20に対して発行し、有責任者20は5)でその証明書を製品22に添付されたメモリに格納して処理を終了する。ここでは決済機関23が認証機関21と別の機関となっているが、同一の組織が両者を兼ねてもよいことは当然である。
【0032】図7は、例えば回収業者や廃棄業者の処理に対応する、これらの業者へのリサイクルコストの払い出しを含めた処理の説明図である。同図において、例えば消費者から廃棄対象製品の回収を依頼された回収業者としての有責任者20は、製品22に添付されているメモリから1)で電子証明書を読み込み、後述するように、例えば電子証明書に付随して格納されている廃棄業者の情報に対応して、製品22をその廃棄業者に渡したことを示す処理の証明を2)で認証機関21に送る。
【0033】認証機関21は、3)で決済機関23に対してリサイクルコストの支払いをしてもよいという証明を送り、決済機関23は4)で有責任者20に対するコストの支払いを行う。有責任者20が、例えば回収業者のように、更にその後に廃棄業者の処理がある場合には、4)では実際のコストの支払いでなく、コスト支払いの予約のみが行われる。
【0034】認証機関21は、5)で払い出し証明付電子証明書を有責任者20に対して発行し、有責任者20が6)でその証明書を製品22に添付されているメモリに格納して、処理を終了する。なお払い出し証明付電子証明書は、その有責任者がきちんとリサイクル処理を行ったことに加えて、そのリサイクル処理に対する対価の支払い、または支払い予約が既に行われたことを証明するものである。
【0035】図8は、リサイクルコストを電子マネーとして製品に添付されているメモリに格納する場合の、処理の説明図である。同図において有責任者20は、1)で決済機関23に対してリサイクルコストを支払い、2)で電子マネーの発行を受け、3)で製品に添付されているメモリにその電子マネーを格納する。
【0036】そして電子マネーを格納したことを含め、リサイクルの処理を適切に行ったことの証明を4)で認証機関21に送り、認証機関21から5)で電子証明書の発行を受け、6)でその証明書を製品22に添付されているメモリに格納する。
【0037】図8において有責任者20は、3)で電子マネーを格納し、それに対して製品22側で発行された電子マネー格納証明書を、4)で処理証明に付け加えて認証機関21に通知することもできる。この場合、製品22側では電子マネー格納証明書を発行することが必要であり、製品22においては、単なるデータの格納用のメモリだけでなく、証明書発行などの処理を行うデータ処理装置が必要となる。
【0038】なお、このように電子マネーを製品22に添付されているメモリに格納する代わりに、例えばネットワークを介して遠隔地のサーバ上にある電子マネー格納装置に格納することもできる。この場合、メモリにはサーバ内に電子マネーが格納されていることを示す証明書のみが格納される。
【0039】図9は製品の製造から購入までの、製品に添付されているメモリ内の証明書の情報と、リサイクルコスト積立額の推移の説明図である。同図において、まずメーカにおいてはメーカに対して認証機関から発行された証明書がメモリ内の証明書格納部内に格納され、その証明書はリサイクルコストAを拠出したことも示している。
【0040】販売業者の段階では、メーカに対する証明書に加えて、販売業者に対して認証機関から発行された証明書も格納され、リサイクルコストの積立額はメーカの拠出したAに加えて、販売会社が拠出したBを加えた額となる。
【0041】消費者の段階では、消費者に対して認証機関から発行された証明書も格納され、リサイクルコストの積立額は消費者が拠出したコストCを加えた額となる。図10は製品の廃棄、またはリサイクル時におけるメモリ内の証明書格納部に格納されている情報、およびリサイクルコスト積立額の推移の説明図である。消費者の段階では、図9におけると同じであり、回収業者の段階では回収業者に対して認証機関から発行された証明書が証明書格納部内に格納され、その証明書には回収業者に対してコストDが支払われることが証明され、この段階でリサイクルコストの積立額はA+B+C−Dとなる。
【0042】廃棄業者の段階では、更に廃棄業者に対して発行された証明書が格納され、その証明書内にはコストEが廃棄業者に支払われることが証明されており、リサイクルコストの積立額はA+B+C−D−Eとなる。
【0043】図11は製品に添付されている記憶装置、例えば強誘電体メモリ内にリサイクル情報を格納する場合の、その内容の説明図である。同図においては、メーカのリサイクル情報として、例えばメーカによって推薦される回収業者や廃棄業者の名称、廃却コストの金額、部品種類などが格納されている。
【0044】図11における消費者のリサイクル情報としては、例えば消費者が居住する地方の行政によって定められたリサイクル情報などがある。製品の廃却時に、消費者は製品22に添付されたメモリからこのようなリサイクル情報を読み出して最適なリサイクル情報、例えば最も値段の安い情報に基づいて廃棄処理を開始することができる。
【0045】図12は製品22に添付された記憶装置25、例えば強誘電体メモリに格納されたリサイクル情報の表示例である。例えば消費者はこのような表示結果から回収業者などを知ることができる。
【0046】図13は記憶装置25内に格納されたデータの例であり、例えばメーカA自身が生成したリサイクル情報と、リサイクル実施証がメーカAのデータとして格納されている。
【0047】リサイクル情報は図11で説明した製品のリサイクルに必要な情報であり、リサイクル実施証は定められたリサイクルを実施したことを示すドキュメントであり、リサイクルコストの負担額や、リサイクル費用の拠出先などのデータが格納されている。
【0048】図14は、例えば図12の記憶装置25の構成例である。同図において記憶装置25は認証機関によって発行された電子証明書を保持する証明書保持部26、証明書保持部26へのデータのリード/ライトを行う証明書R/W部27、証明書保持部26に保持されている証明書の消去を行う消去部28、証明書の消去を行うにあたって必要となる初期化鍵を保持する初期化鍵保持部29、外部から証明書の消去のために入力される初期化鍵を受け取る初期化鍵入力部30、入力された初期化鍵と初期化鍵保持部29に保持されている鍵とを比較し、両者が一致したとき、消去部28に対する初期化信号を出力する比較部31を備えている。
【0049】図14において初期化鍵は有責任者のいずれか、例えばメーカによって生成されるものであり、製品がメーカによって製造され、廃棄業者によって最終的に廃棄されてそのライフサイクルが終了した後に、記憶装置だけはメーカに戻り、初期化されて新たに別の製品に用いることが可能となる。
【0050】続いてリサイクル管理サーバを用いるリサイクルシステムを本発明の第2の実施形態として説明する。第2の実施形態では、図15に示すようにシステム内にリサイクル管理サーバ40が置かれ、リサイクル業者41、すなわち回収業者や廃棄業者によるリサイクル処理が統一的に管理される。このリサイクル管理サーバは、決済のシステムも含めたサービスも提供するアプリケーション・サービス・プロバイダのサービスとして提供可能である。
【0051】リサイクル管理サーバ40の内部には、以上に述べてきた製品22に添付されている記憶装置(メモリ)とは別に、リサイクルのステップや手順、およびコストなどを格納するリサイクルステップ記憶装置42が備えられる。このリサイクルステップ記憶装置42には、一般にそれぞれの複数の手順からなる1つ以上の廃棄ステップが、各製品に対応して有責任者、例えばメーカ20によって格納されると同時に、リサイクル業者41によって、そのリサイクル業者が対応することができる廃棄ステップに対応するIDと、その廃棄ステップに対応するリサイクルコストとが格納される。また製品22に添付されているメモリには、その製品の1つ以上の廃棄ステップと対応づけられたIDが格納される。
【0052】図16は、図15における消費者からの廃棄連絡から、リサイクル業者へのリサイクル依頼までの処理の説明図である。同図において、製品22に対応して、消費者からの廃棄連絡に加えて、メモリからリサイクル処理の1つ以上のステップと対応づけられたIDが読み出され、そのIDがリサイクル管理サーバ40に与えられる。
【0053】リサイクル管理サーバ40では、図15で説明したようにリサイクル業者41によってあらかじめ格納されている対応可能な廃棄ステップのIDと、そのリサイクルコストの格納内容を用いて、消費者から通知されたIDに対応するコストが、例えば最も安いリサイクル業者を選択し、そのリサイクル業者41に対してリサイクルを依頼する。実際には回収や運搬などの物流コストも必要であり、単に廃棄のコストだけでなく物流などのコストも含めてトータルのコストにもとづいて業者の選択を行う必要がある。
【0054】図17は、図15および図16において、製品22に添付されているメモリに格納される廃棄ステップと対応づけられたIDの例である。この例では、ある製品の廃棄のためにステップ1からステップ3までの3つの廃棄ステップが必要であり、各ステップは右側のIDの値に対応づけられていることが示されている。
【0055】図18は、図17のステップ、すなわちIDに対応するリサイクル処理手順の説明図であり、図17R>7に示した各ステップに対応するIDのそれぞれに対して、一般に1つ以上の処理手順がリサイクル管理サーバ40の内部のリサイクルステップ記憶装置42に格納されている。
【0056】図19は、リサイクル業者41によって対応可能な廃棄ステップとして格納された内容の例である。例えば○○リサイクルというリサイクル業者が、対応可能な廃棄ステップに対応するIDと、その処理コストとがペアとして格納されている。
【0057】図20はリサイクル管理サーバの構成例のブロック図である。同図においてリサイクル管理サーバ40は、図15において有責任者20、例えばメーカによって格納された各廃棄ステップの処理手順、すなわち図18の内容を格納する廃棄ステップ格納部45、リサイクル業者41によって格納された対応可能な廃棄ステップ、すなわち図19の内容を格納するリサイクル業者保持部46、リサイクル業者保持部46の格納内容から適当なリサイクル業者を対象業者として選別する対象業者選別部47、一般に複数の対象業者から、例えば最も処理コストの安い業者を決定する業者決定部48、そのリサイクル業者に対するリサイクル依頼を行う通知部49を備えている。
【0058】図21は第2の実施形態におけるリサイクルシステムの全体構成ブロック図である。同図においてシステムはメーカ(製造業者)51、販売業者52、消費者53、リサイクル業者54、認証機関55、決済機関56、図15などで説明したリサイクル管理サーバに相当するリサイクル管理者57、これらを接続するネットワーク58、および製品59から構成されている。
【0059】メーカ51、販売業者52、消費者53、およびリサイクル業者54の内部にはそれぞれパソコン(PC)62、および製品59に電子証明書を格納したり、証明書の読み込みを行うための非接触型メモリリーダ/ライタ63がそれぞれ備えられている。
【0060】認証機関55は、ネットワーク58を介する通信の処理を行う通信処理部70、有責任者に対して証明書を発行する証明書発行部71、例えば前段の有責任者に対して発行され、製品59内のメモリに格納された証明書の認証などを行う証明書認証部72、証明書の発行や認証にあたって必要とされる証明鍵を保持する証明鍵保持部73を備えている。
【0061】ここで認証機関55によって使用される証明鍵は、電子文書や電子署名の認証などを行う公的に認められた認証局における秘密鍵に相当する。例えば消費者は、秘密鍵を用いて作られた電子証明書に対して、公開鍵を使ってその証明書が認証機関55によって発行されたものであることを確認する。
【0062】決済機関56は、通信を処理する通信処理部75、リサイクルのための電子証明書の認証を、例えば認証機関55に依頼するリサイクル証明書認証依頼部76、図18などで説明したリサイクル手順の処理が正しく行われたか否かなどを確認するリサイクル手順確認部77、リサイクル手順確認部77の確認結果に応じてリサイクル業者へのコスト支払いなどを行う決済処理部78、その処理結果を格納する決済データベース79を備えている。
【0063】リサイクル管理者57は、通信処理部81、決済機関56の内部におけると同様のリサイクル証明書認証依頼部82、およびリサイクル手順確認部83、図20の廃棄ステップ格納部45に相当するリサイクル手順保持部84、図20と同様のリサイクル業者保持部85、図15でリサイクル業者41が対応可能な廃棄ステップを登録するためのリサイクル業者登録部86、図20の対象業者選別部47、および業者決定部48に相当するリサイクル業者選択部87を備えている。
【0064】更に製品59内の記憶装置60は、ここでは単なるメモリではなく、データ処理装置としての構成を備えており、図14の証明書R/W部27と初期化鍵入力部30とに対応し、例えばメーカの非接触型メモリリーダ/ライタ63との間でデータの送受信を行うためのアンテナ65、実際に電子証明書や電子マネーなどを格納する記憶素子(証明書保持部26に対応)、例えば強誘電体メモリ66、記憶装置60内のデータ処理を制御するMPU67(消去部28と比較部31に対応)、およびMPU67によって使用されるプログラムなどを格納するRAM/ROM68(初期化鍵保持部29に対応)を備えている。
【0065】ここで、例えば製造業者51によってリサイクルコストの支払いが電子マネーで行われる場合の処理についてさらに説明する。まず製造業者51は図21に図示しない電子マネー管理機関にリサイクルコスト分の送金を行い、それに対して電子マネー管理機関から図示しない電子財布への電子マネーの送信を受ける。
【0066】製造業者51は、電子財布から電子マネーを除去し、同額の電子マネーを製品59の記憶装置60(記憶素子66)に格納し、記憶装置60(のMPU67)から電子マネー格納証明書の発行を受ける。
【0067】製造業者51はこの格納証明書と、自身がリサイクル処理を適切に行ったことを示す(自己証明)書類とを認証機関55に送付し、認証機関55はこれらの書類の内容を確認後に製造業者51に電子証明書を発行し、製造業者51はこの電子証明書を製品59内の記憶素子66に格納する。
【0068】次に本発明における処理のフローチャートについて説明する。図22は、メーカによるリサイクル処理のフローチャートである。同図において処理が開始されると、ステップS1でメーカとしてのリサイクル処理、例えばリサイクル可能部品での製造や、リサイクルコストの支払いなどの処理が実施され、ステップS2でその処理を実施したことの証明が認証機関(認証局)に依頼され、ステップS3で認証機関から電子証明書が発行され、ステップS4でその電子証明書が記憶装置、例えば製品に添付されたメモリに格納される。
【0069】続いてステップS5〜S7で、図11で説明したようなリサイクル情報が記憶装置、すなわちメモリ内に格納される。まずステップS5でリサイクル処理内容、すなわち部品の種類などが格納され、ステップS6でそのメーカを特定する情報として企業名などが格納され、更にステップS7で機器、すなわち製品を特定する情報として型名や、シリアル番号などが格納されて、リサイクル処理が終了し、製品の出荷が行われる。
【0070】図23は販売業者によるリサイクル処理のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップS10で記憶装置、例えば製品に添付されたメモリに格納されている電子証明書が読み出され、それが認証機関(認証局)に送られ、ステップS11で認証機関から電子証明書の認証結果が得られ、その認証結果に対応してステップS12でメーカ側で適切なリサイクル処理が行われいるか否かが判定され、いない場合にはその製品がメーカに返品されて処理を終了する。
【0071】適切なリサイクル処理が行われていると判定された場合には、ステップS13で記憶装置内に、例えばメーカによって設定されたリサイクルコストの負担、すなわちコストの認証機関への支払いなどが行われ、ステップS14で認証機関から電子証明書が発行され、ステップS15でその電子証明書がメモリ内に格納され、ステップS16で販売業者を特定する情報、例えば企業名などがメモリ内に格納され、製品の販売が行われる。
【0072】図24は消費者によるリサイクル処理のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップS21で記憶装置、例えば製品に添付されたメモリ内に格納された電子証明書が読み出され、認証機関に送られ、ステップS22で認証機関からの電子証明書の認証結果を受け取り、ステップS23でメーカや販売業者などが適切なリサイクル処理を行っていたか否かが判定され、適切なリサイクル処理が行われていない場合には、その製品の購入を拒否して処理を終了する。
【0073】適切なリサイクル処理が行われていた場合には、ステップS24で、例えばメーカによって設定され、メモリに格納された消費者が行うべきリサイクル処理の内容に従って、リサイクルコストの認証機関への支払いなどが行われ、ステップS25でそれに対応して認証機関から電子証明書が発行され、ステップS26でその電子証明書がメモリ内に格納され、ステップS27で消費者を特定する情報として住所、氏名、電話番号などがメモリ内に格納されて、商品の購入が行われる。
【0074】なお図24のステップS27で消費者を特定する情報がメモリ内に格納されるが、これは盗難防止などについても効果がある。消費者のプライバシを尊重する場合には、消費者を特定する情報の格納は省略してもよいし、消費者が認めた機関のみが読み出せるよう暗号化してもよい。またメモリ内への電子証明書の格納などは消費者個人が行ってもよく、製品の購入時に販売業者が行ってもよい。
【0075】図25はリサイクル業者、すなわち回収業者や廃棄業者によるリサイクル処理のフローチャートである、同図において処理が開始されると、まずステップS31で記憶装置内の電子証明書が認証機関に送られ、ステップS32で認証機関において電子証明書の認証が行われ、ステップS33でその結果に応じて今まで適切なリサイクル処理が行われていたか否かが判定され、行われていない場合には廃棄すべき製品の引き取りが拒否されて処理を終了する。
【0076】適切な処理が行われていた場合には、ステップS34で記憶装置内に、例えばメーカなどによってあらかじめ格納されたそのリサイクル業者が行うべきリサイクルの処理内容に従って処理が実施され、ステップS35でその処理に対して認証機関から電子証明書が発行され、ステップS36でその証明書が記憶装置内に格納され、ステップS37でそのリサイクル業者を特定する情報として、企業名やIDなどが記憶装置内に格納され、そのリサイクル業者における処理を終了する。
【0077】例えば回収業者の場合には、図25の処理の後に回収した製品を廃棄業者に渡し、廃棄業者によって図25の処理が行われ、製品の廃却が行われる。廃棄業者によって製品が廃却されると、その製品は一般に原形をとどめないことになるが、この場合には製品から記憶装置、すなわち製品に添付されていたメモリが分離されて、その保存が行われる。
【0078】図26は決済業者による決済実行処理のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップS41で記憶装置内の電子証明書が認証機関に送付される。図21では決済機関56は、製品59内の記憶装置60に格納された電子証明書を直接に読み取るための非接触型メモリリーダ/ライタを備えていないが、記憶装置内の電子証明書は、例えばリサイクル業者54によって読み取られ、ネットワーク58を介して決済機関に送られる。
【0079】続いてステップS42で認証機関によって電子証明書の認証が行われ、コスト支払いの予約が正しく行われていることが確認され、ステップS43でリサイクル業者情報が読み出され、ステップS44でそのリサイクル業者情報の中のコスト情報分の代価が決済されて、処理を終了する。
【0080】図27は、リサイクルコストに残額が出る場合の、決済業者による決済処理のフローチャートである。同図においては、図26と同様にステップS41〜S44の処理が行われた後に、ステップS45でリサイクルコスト積立額に残高があるか否かが判定され、ない場合には直ちに処理を終了する。
【0081】残高がある場合には、ステップS46でリサイクルコストを支払った人、一般にはメーカ、販売業者、および消費者の情報が読み出され、ステップS47でそれらの人々に適当な割合で残額が返金されて、処理を終了する。この場合の割合としては、負担額に応じた比例配分でもよいが、例えば消費者の協力をできるだけ得るという目的のためには、残額の全額を消費者に返金することも可能である。
【0082】図28は、リサイクルコストに不足がある場合の、決済処理のフローチャートである。同図において、図26,図27と同様にステップS41〜S43の処理が行われた後に、ステップS51でリサイクルコストに不足があるか否かが判定され、不足がない場合にはステップS44でリサイクル業者情報内のコスト情報分の代価が決済されて、処理を終了する。
【0083】リサイクルコストに不足がある場合には、ステップS52で図27のステップS46と同様に、リサイクルコストを支払った人の情報が読み出され、ステップS53でリサイクルコストを支払った人に対して適当な比率で不足分が請求され、ステップS44で代価の決済が行われて、処理を終了する。ステップS53における不足分の請求は、前述のように有責任者の間で負担額に応じた比例配分でもよく、例えばメーカの責任を重視する意味で、全額をメーカに請求することも考えられる。
【0084】図29は、図21のリサイクル管理者の処理を含む、第2の実施形態におけるリサイクル処理の全体フローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップS61で図22で詳細を説明したように、メーカによるリサイクル処理が実施され、ステップS62で図23で説明した販売業者によるリサイクル処理が実施され、ステップS63で図24で説明した消費者によるリサイクル処理が実施され、ステップS64で図25で説明したリサイクル業者によるリサイクル処理が実施される。
【0085】続いてステップS65で記憶装置、例えば製品に添付されたメモリに格納されている電子証明書が認証機関に送付され、ステップS66で認証機関においてその電子証明書の認証が行われる。
【0086】その認証結果は図21のリサイクル管理者57、すなわちリサイクル管理サーバに送られ、ステップS67で有責任者の各自が正しくリサイクル処理を行っていることの確認が行われ、ステップS68で認証機関にリサイクル管理者に対する電子証明書の発行が依頼され、ステップS69で決済機関56に決済が依頼され、ステップS70で認証機関によってリサイクル管理者の電子証明の認証が行われ、その認証結果が正しくない場合には決済が拒否され、正しい場合にはステップS71で決済が実行されて処理を終了する。
【0087】以上において、本発明のリサイクル方法およびリサイクルシステムについてその詳細を説明したが、例えば図15のリサイクル管理サーバなどは当然一般的なコンピュータシステムとして構成することが可能である。図30はそのようなコンピュータシステム、すなわちハードウエア環境の構成ブロック図である。
【0088】図30においてコンピュータシステムは中央処理装置(CPU)80、リードオンリメモリ(ROM)81、ランダムアクセスメモリ(RAM)82、通信インタフェース83、記憶装置84、入出力装置85、可搬型記憶媒体の読み取り装置86、およびこれらの全てが接続されたバス87によって構成されている。
【0089】記憶装置84としてはハードディスク、磁気ディスクなど様々な形式の記憶装置を使用することができ、このような記憶装置84、またはROM81に図2222〜図29などのフローチャートに示されたプログラムなどが格納され、そのようなプログラムがCPU80によって実行されることにより、本実施形態におけるリサイクル方法やリサイクルシステムの実現が可能となる。
【0090】このようなプログラムは、プログラム提供者88側からネットワーク89、および通信インタフェース83を介して、例えば記憶装置84に格納されることも、また市販され、流通している可搬型記憶媒体90に格納され、読み取り装置86にセットされて、CPU80によって実行されることも可能である。可搬型記憶媒体90としてはCD−ROM、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど様々な形式の記憶媒体を使用することができ、このような記憶媒体に格納されたプログラムが読み取り装置86によって読み取られることにより、本実施形態におけるリサイクル方法の実行が可能となる。
【0091】(付記1)製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で該製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者が、自己の責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書を記憶手段内に格納することを特徴とするリサイクル方法。
【0092】(付記2)前記記憶手段が前記製品に添付されることを特徴とする付記1記載のリサイクル方法。
(付記3)前記電子証明書が公的に認められた認証機関によって発行されることを特徴とする付記1記載のリサイクル方法。
【0093】(付記4)前記認証機関が、秘密鍵としての証明鍵を用いて、前記電子証明書を発行することを特徴とする付記3記載のリサイクル方法。
(付記5)前記有責任者からの要求に対応して、前記記憶手段内に格納済みの他の有責任者に対して発行された電子証明書の認証を前記認証機関が行うことを特徴する付記3記載のリサイクル方法。
【0094】(付記6)前記有責任者が前記自己の責任に対応する処理としてのリサイクルコストの支払いを決済機関に対して行った時、該決済機関からの通知に応じて前記認証機関が該リサイクルコストの額を前記電子証明書内に格納することを特徴とする付記3の記載のリサイクル方法。
【0095】(付記7)前記有責任者が前記自己の責任に対応する処理を行って、該処理への対価としてのリサイクルコストの支払いを前記認証機関に要求した時、該認証機関は該リサイクルコストを決済機関に通知し、該決済機関が該有責任者に該リサイクルコスト分の支払いを行うことを特徴とする付記3記載のリサイクル方法。
【0096】(付記8)前記有責任者が前記自己の責任に対応する処理としてのリサイクルコストの支払いを決済機関に対して行った時、該決済機関は該リサイクルコスト分の電子マネーを発行し、前記有責任者は該電子マネーを前記記憶手段内に格納することを特徴とする付記1記載のリサイクル方法。
【0097】(付記9)前記電子マネーの格納に対して、前記記憶手段に接続されたデータ処理手段が電子マネー格納証明書を該有責任者に対して発行することを特徴とする付記8記載のリサイクル方法。
【0098】(付記10)前記製品の消費者による購入の前の段階で、前記有責任者が該製品の廃棄時の有責任者に関するデータを前記記憶手段内に格納することを特徴とする付記1記載のリサイクル方法。
【0099】(付記11)前記記憶手段内に格納された廃棄時の有責任者に関するデータを前記有責任者に対して表示することを特徴とする付記10記載のリサイクル方法。
【0100】(付記12)前記有責任者は、非接触のメモリアクセス装置を用いて、前記記憶手段に対するデータのリード/ライトを行うことを特徴とする付記1記載のリサイクル方法。
【0101】(付記13)前記有責任者のうちのあらかじめ定められた有責任者が、初期化鍵を用いて、前記記憶手段の記憶内容を初期化することを特徴とする付記1記載のリサイクル方法。
【0102】(付記14)製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で該製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者にそれぞれ備えられる計算機によって構成されるシステムにおいて、前記製品に添付されたメモリに格納済みの1つ以上の識別子にそれぞれ対応して、該製品の製造業者によって格納される廃棄のステップを記憶すると共に、製品のリサイクル業者によって格納され、それぞれのリサイクル業者が対応可能な廃棄のステップを記憶する廃棄ステップ記憶手段を有するリサイクル管理サーバを備えることを特徴とするリサイクルシステム。
【0103】(付記15)前記リサイクル管理サーバが、前記製品の廃棄を決断した消費者からの通知に対応して、前記メモリに格納された1つ以上の識別子に基づいて、製品のリサイクル業者を選択するリサイクル業者選択手段を更に備えることを特徴とする付記14記載のリサイクルシステム。
【0104】(付記16)前記廃棄ステップ記憶手段が、前記製品のリサイクル業者によって格納される前記廃棄のステップに対応するリサイクルのコストを記憶し、前記リサイクル業者選択手段が、更に該リサイクルのコストに基づいて、リサイクル業者の選択を行うことを特徴とする付記15記載のリサイクルシステム。
【0105】(付記17)前記製品に添付されたメモリが、製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で該製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者によって格納され、該有責任者が自己の責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書を更に記憶することを特徴とする付記14記載のリサイクルシステム。
【0106】(付記18)製品のリサイクル処理を管理するリサイクル管理装置において、製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で該製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者に対して発行され、該各有責任者が自己の責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書の内容を確認する手段と、該電子証明書の内容を確認済みであることを示す電子証明書を認証機関から受け取る手段と、該受け取った電子証明書を決済機関に送り、リサイクルコストの決済を依頼する手段とを備えることを特徴するリサイクル管理装置。
【0107】(付記19)製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で該製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者が使用する計算機によって実行されるプログラムにおいて、該有責任者が自己の責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書の発行を認証機関から受ける手順と、該発行された電子証明書を記憶手段に格納する手順とを計算機に実行させるプログラム。
【0108】(付記20)製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で該製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者が備える計算機によって使用される記憶媒体において、該有責任者が、自己の責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書の発行を認証機関から受けるステップと、該発行された電子証明書を記憶手段に格納するステップとを計算機に実行させるためのプログラムを格納した計算機読み出し可能可搬型記憶媒体。
【0109】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば製品のメーカ、販売業者、消費者など、各有責任者のコスト負担が明確になり、また製品に添付されたメモリに電子マネーを格納しておくことにより、違法投棄による公害の発生などを抑制することができる。
【0110】また例えば最終的に廃棄を行う廃棄業者の処理が終わった時点で、実際にリサイクルコストの支払い、すなわち電子マネーの決済などが行われることによって、中間業者が電子マネーだけを集めて適切な廃棄処理を行わずに、リサイクルコストの決済を行うようなことを防止することができる。
【0111】更に製品に添付されたメモリ内にあらかじめ廃棄の流れを登録しておくことにより、廃棄のサイクルを製品の製造時に制御することができ、また違法投棄などが行われた場合には、メモリに格納された電子証明書や認証機関に備えられている認証サーバの処理履歴などから、どの段階で不正が行われたかを知ることができ、リサイクル問題の解決に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリサイクル方法の原理的な説明図である。
【図2】本発明における製造/購入時におけるリサイクル処理の説明図である。
【図3】製品の廃棄またはリサイクル時の基本的な処理の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における電子証明書発行処理の説明図である。
【図5】すでにメモリに格納されている電子証明書の認証を含む処理の説明図である。
【図6】リサイクルコストの支払いを含めた電子証明書格納処理の説明図である。
【図7】リサイクル業者へのコスト払い出しを含めた処理の説明図である。
【図8】リサイクルコストを電子マネーとしてメモリに格納する場合の処理の説明図である。
【図9】製品の製造から購入までのリサイクルコスト積立額の推移の説明図である。
【図10】製品の廃棄またはリサイクル時におけるコスト積立額の推移の説明図である。
【図11】強誘電体メモリにリサイクル情報を格納する場合の説明図である。
【図12】強誘電体メモリに格納されたリサイクル情報の読み出し表示例を示す図である。
【図13】リサイクル情報を含む強誘電体メモリ内データの構成例を示す図である。
【図14】強誘電体メモリを含む記憶装置の構成例を示す図である。
【図15】リサイクル管理サーバを含む本発明の第2の実施形態としてのリサイクルシステムの構成を示す図である。
【図16】第2の実施形態におけるリサイクル管理サーバへの廃棄連絡からリサイクル依頼までの処理の説明図である。
【図17】メモリに格納される廃棄ステップと対応づけられたIDの例を示す図である。
【図18】ステップに対応するリサイクル処理手順を示す図である。
【図19】リサイクル業者によって対応可能な廃棄ステップの格納内容の例である。
【図20】リサイクル管理サーバの構成例のブロック図である。
【図21】第2の実施形態におけるリサイクルシステムの全体構成ブロック図である。
【図22】製造業者によるリサイクル処理のフローチャートである。
【図23】販売業者によるリサイクル処理のフローチャートである。
【図24】消費者によるリサイクル処理のフローチャートである。
【図25】リサイクル業者による処理のフローチャートである。
【図26】決済業者による決済処理のフローチャート(その1)である。
【図27】決済業者による決済処理のフローチャート(その2)である。
【図28】決済業者による決済処理のフローチャート(その3)である。
【図29】リサイクル管理者の処理を中心とするリサイクル全体処理のフローチャートである。
【図30】本発明のプログラムのコンピュータへのローディングを説明する図である。
【符号の説明】
1,20 有責任者
2 記憶手段
3,10,22 製品
11 メーカ
12 決済機関および認証機関
13 販売業者
14 消費者
15 廃棄業者
21 認証機関
23 決済機関
25 記憶装置
40 リサイクル管理サーバ
41 リサイクル業者
42 リサイクルステップ記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で該製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者が、自己の責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書を記憶手段内に格納することを特徴とするリサイクル方法。
【請求項2】 前記記憶手段が前記製品に添付されることを特徴とする請求項1記載のリサイクル方法。
【請求項3】 製品のリサイクル処理を管理するリサイクル管理装置において、製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で該製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者に対して発行され、該各有責任者が自己の責任に対応する処理を適切に行ったことを示す電子証明書の内容を確認する手段と、該電子証明書の内容を確認済みであることを示す電子証明書を認証機関から受け取る手段と、該受け取った電子証明書を決済機関に送り、リサイクルコストの決済を依頼する手段とを備えることを特徴するリサイクル管理装置。
【請求項4】 製品の製造から廃棄までのライフサイクル内で該製品の廃棄に対して責任を持つべき個人、または組織としての有責任者にそれぞれ備えられる計算機によって構成されるシステムにおいて、前記製品に添付されたメモリに格納済みの1つ以上の識別子にそれぞれ対応して、該製品の製造業者によって格納される廃棄のステップを記憶すると共に、製品のリサイクル業者によって格納され、それぞれのリサイクル業者が対応可能な廃棄のステップを記憶する廃棄ステップ記憶手段を有するリサイクル管理サーバを備えることを特徴とするリサイクルシステム。
【請求項5】 前記リサイクル管理サーバが、前記製品の廃棄を決断した消費者からの通知に対応して、前記メモリに格納された1つ以上の識別子に基づいて、製品のリサイクル業者を選択するリサイクル業者選択手段を更に備えることを特徴とする請求項4記載のリサイクルシステム。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図17】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図9】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図11】
image rotate


【図14】
image rotate


【図10】
image rotate


【図12】
image rotate


【図18】
image rotate


【図19】
image rotate


【図13】
image rotate


【図30】
image rotate


【図15】
image rotate


【図16】
image rotate


【図20】
image rotate


【図21】
image rotate


【図22】
image rotate


【図23】
image rotate


【図24】
image rotate


【図25】
image rotate


【図26】
image rotate


【図27】
image rotate


【図28】
image rotate


【図29】
image rotate