説明

リチウムイオン電気化学セル及び電池用金属酸化物負極

金属酸化物と、高分子結合剤と、を含むリチウムイオン電気化学セル用負極組成物が提供される。これらの組成物で作製された電極を含む電気化学セル及び電池パックも提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
金属酸化物及び高分子結合剤を含むリチウムイオン電気化学セル用負極組成物が提供される。これらの組成物で作製された電極を含む電気化学セル及び電池パックも提供される。
【背景技術】
【0002】
粉末状活性成分をポリフッ化ビニリデンのような高分子結合剤と共に混合することを伴うプロセス内にて、リチウムイオンセル用負極を製造するために、主族元素の粉末状金属酸化物及びカーボンブラックなどの導電性粉末が使用されてきた。混合成分は、高分子結合剤用溶媒中の分散体として調製され、金属箔基材又は集電体上へと被覆される。得られた複合電極は、金属基材に付着した結合剤中に粉末状活性成分を含有する。
【0003】
ポリフッ化ビニリデンなどのポリマーが、金属、金属合金、金属酸化物及びグラファイト系リチウムイオンセル電極のための結合剤として使用されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、得られたセル内の第1サイクル不可逆容量損失は、受け入れ難いほど大きい場合があり、例えば、粉末状金属酸化物材料系電極について、300mAh/g程度又はそれ以上である。加えて、容量損失は、受け入れ難いほど大きい場合があり、例えば、粉末状金属酸化物材料系電極について、50サイクルにおいて70%程度又はそれ以上の容量損失であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述したことを考慮すると、出願者らは、第1サイクル容量損失(不可逆容量損失)が小さく、そして容量減退が小さい電極が必要とされていると考える。加えて、高い熱的安定性及び向上した安全特性を有する電極が必要とされている。
【0006】
一態様では、粉末状材料と、高分子結合剤と、を含む負極用の電極組成物であって、この粉末状材料は、非インターカレーション性金属酸化物を含み、この金属酸化物は、リチオ化及び脱リチオ化を受けることができ、この高分子結合剤は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸リチウム又はポリイミドのうちの少なくとも1つを含む、組成物が提供される。
【0007】
別の態様では、粉末状材料と、高分子結合剤と、を含む負極用の電極組成物であって、この粉末状材料はインターカレーション性金属酸化物を含み、この金属酸化物はリチオ化及び脱リチオ化を受けることができ、この高分子結合剤は、ポリアクリル酸リチウムを含む、組成物が提供される。
【0008】
他の実施形態は、提供された負極のうちの1つ以上を組み込む電気化学セル及び提供された電池化学セルのうちの少なくとも1つを含む電池パックを含む。更なる実施形態は、提供された電気化学セル又は電池パックを含む電子デバイスを含む。
【0009】
提供された負極材料及び電極、電気化学セル並びにこれらから作製された電池パックの使用は、不可逆的な容量低減及び減退をもたらし得る。提供された結合剤を使用して電極を形成させることによって、これらの電極における不可逆第1サイクル容量損失を大幅に低下させることができる。提供された結合剤を使用して、従来の高分子結合剤を用いて調製した電極又はセルと比較して、減少した第1サイクル不可逆容量損失を示す電極及びセルを作製することができる。
【0010】
この出願では:
「a」、「an」「the」は、「少なくとも1つの」と交換可能に使用されて、記載されている要素の1つ以上を意味する。
「活性物質」は、リチオ化及び脱リチオ化を受けることができる材料を指す。
「充電する」及び「充電」は、電気化学エネルギーを電池に供給するためのプロセスを指す。
「脱リチオ化する」及び「脱リチオ化」は、リチウムを電極材料から除去するためのプロセスを指す。
「放電」及び「放電している」は、例えば、セルを使用して所望の動作を実行するとき、電気化学エネルギーをセルから除去するためのプロセスを指す。
「インターカレーション性金属酸化物」は、その中でリチウムが、開始時のホスト材料の結晶構造を有意に変えることなく、室温で電気化学的に可逆的に挿入する及び取り出すことができるホストとして作用する金属酸化物を指す。
「リチオ化する」及び「リチオ化」は、リチウムを電極材料に加えるためのプロセスを指す。
「金属酸化物」は、式MOを有する、少なくとも1つの金属元素を含む化合物を指す。
「負極」は、放電プロセス中に電気化学酸化及び脱リチオ化が発生する電極(しばしばアノードと呼ばれる)を指す。
「非インターカレーション性金属酸化物」は、その中でリチウムが室温で電気化学的に可逆的に挿入する及び取り出すことができるホストとして作用し、このプロセス中にホスト材料の構造が実質的に変化する、金属酸化物を指す。
「正極」は、そこで電気化学還元及びリチオ化が放電プロセス中に発生する、電極(しばしばカソードと呼ばれる)を指す。
【0011】
提供された負極組成物は、ポリアクリル酸リチウム、ポリアクリル酸又はポリイミドを含む結合剤と組み合わされたときに、例えば、従来プロセスを使用して製造されたものよりも高い容量、第1サイクル不可逆的損失の低減、及び長い耐用年数などの1つ以上の利点を有することができるリチウムイオンセル用負極の形成に有用な組成物を提供することができる。特に対象となるものは、本明細書に記載されるように好適な結合剤と共にインターカレーション性又は非インターカレーション性金属酸化物を含む負極材料である。
【0012】
1つ以上の実施形態の詳細は、以下の明細書に記載される。他の特徴、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明において、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態を想到し実施し得ることが、理解されるべきである。したがって、以下の「発明を実施するための形態」は、限定する意味で理解すべきではない。
【0014】
他に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴の大きさ、量、物理特性を表す数字は全て、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。端点による数値範囲の使用には、その範囲内に含まれる全ての数(例えば1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が包含される)及びその範囲内のあらゆる範囲が包含される。
【0015】
粉末状材料と、高分子結合剤と、を含む負極用の電極組成物であって、この粉末状材料は、非インターカレーション性金属酸化物を含み、この金属酸化物は、リチオ化及び脱リチオ化を受けることができ、この高分子結合剤は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸リチウム又はポリイミドのうちの少なくとも1つを含む、組成物が提供される。提供された電極組成物は、非インターカレーション性金属酸化物を含む。非インターカレーション性金属酸化物は、その中でリチウムが室温で電気化学的に可逆的に挿入する及び取り出すことができ、このプロセス中に材料の構造が実質的に変化する、金属酸化物である。すなわち、リチウム挿入前とリチウム挿入時の金属酸化物含有材料の原子構造は異なる。結晶質非インターカレーション性金属酸化物は、リチウム挿入時にナノサイズの金属粒子とナノサイズのLiO粒子との複合体に変形することができる。有用な非インターカレーション性金属酸化物材料の例には、Fe、CoO、Co、NiO、CuO、MnO及びLiFeOが挙げられる。提供された電極組成物はまた、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、ニオビウム又はタングステンの酸化物のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0016】
インターカレーション性金属酸化物について、リチウム挿入前並びにリチウム挿入サイクル後及びリチウム完全除去後の原子構造は、本質的に同一である。更に、リチウム挿入/除去プロセス時、ホスト材料の構造は、格子変形を除けば、変化しない。インターカレーション性金属酸化物負極材料の例には、LiVO、LiTi12、TiO、WO及びMoOが挙げられる。このような材料は、好適な元素でのドープにより性能において改善することができる。例えば、米国特許出願公開第2005/0079417号、同第2005/0164090号及び同第2006/0088766号(全てKim et al.)に記載のように、LiVO電極の容量は、バナジウムの一部を他の元素と置換することにより、実質的に改善することができる。この目的のために、別の態様では、粉末状材料と、高分子結合剤と、を含む負極用の電極組成物であって、この粉末状材料はインターカレーション性金属酸化物を含み、この金属酸化物はリチオ化及び脱リチオ化を受けることができ、この高分子結合剤は、ポリアクリル酸リチウムを含む、組成物が提供される。インターカレーション性金属酸化物は、その中でリチウムが、開始時のホスト材料の原子構造を有意に変えることなく、室温で可逆的に挿入する及び取り出すことができる金属酸化物である。本開示では、LiTi12、TiO、WO及びMoOなどの化学量論的に記載されている組成物は、Li1.10.85Mo0.05(式中、バナジウムの一部はモリブデン及びリチウムに置換されている)などのドープされた変種も含む。
【0017】
代表的な粉末状材料は、60μm以下、40μm以下、20μm以下又は更に小さい寸法での最大の長さを有し得る。粉末は、例えば、サブミクロン(すなわち、ナノ粒子)、少なくとも1μm、少なくとも2μm、少なくとも5μm、少なくとも10μm又は更に大きいものであり得る最大粒直径を有する。例えば、好適な粉末は、多くの場合、1μm〜60μm、10μm〜60μm、20μm〜60μm、40μm〜60μm、1μm〜40μm、2μm〜40μm、10μm〜40μm、5μm〜20μm又は10μm〜20μmの最大寸法を有する。粉末状材料は、粉末粒子内に任意のマトリックス形成剤を含有することができる。
【0018】
本発明の負極を製造するのに有用な代表的な粉末状材料には、米国特許出願公開第2005/0079417号、同第2005/0164090号及び同第2006/0088766号(全てKim et al.)及び米国特許出願公開第2007/0166615号(Takamuku et al.)に記載のものなどのバナジウムを含む金属酸化物粉末、米国特許出願公開2007/0298321号(Larbi et al.)及び米国特許第6,489,062号(Shunji et al.)に記載のものなどのチタンを含む金属酸化物粉末、米国特許第6,489,062号(Shunji et al.)に記載のものなどのモリブデンを含む金属酸化物粉末、米国特許第5,015,547号(Koshiba et al.)に記載のものなどのニオビウムを含む金属酸化物粉末、J.Electrochem.Soc.,134(3),pg.638〜41(1987)(Auborn et al.)に記載のものなどのモリブデン又はタングステンを含む金属酸化物粉末、J.Electrochem.Soc.148,pg.A576(2001)(Obrovac et al.)に記載のものなどの鉄又はコバルトを含む金属酸化物粉末、並びに、これらの組み合わせ及び当業者に周知の他の粉末状材料が挙げられる。
【0019】
粉末状合金粒子は、導電性被覆を含むことができる。例えば、金属酸化物を含有する粒子は、導電性材料層と共に被覆することができる(例えば、粒子コア内の金属酸化物組成物及び粒子シェル内の導電性材料にて)。好適な導電性材料としては、例えば、炭素、銅、銀又はニッケルが挙げられる。
【0020】
例示的な粉末状酸化物アノード材料は、任意の既知の手段により、例えば、典型的には300℃超で炉内で前駆体材料を加熱することにより、調製することができる。加熱プロセス時の雰囲気は限定されないが、典型的には、加熱プロセス時の雰囲気は、空気、不活性雰囲気、水素ガスを含有するものなどの還元性雰囲気又はガスの混合物であることができる。前駆体材料もまた限定されない。好適な前駆体材料は、1つ以上の金属酸化物、金属炭酸塩、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属塩化物又はこれらの組み合わせであることができる。このような前駆体材料は、研削、機械的粉砕、溶液からの沈殿により、又は当該技術分野において既知の他の方法により、組み合わせることができる。前駆体材料はまた、ゾル−ゲル形状であることもできる。焼成後、酸化物は、更なる加工で、例えば、非晶質又はナノ結晶質構造を達成するための機械的粉砕、研削及び粒子寸法化、表面コーティングにより、及び当該技術分野において既知の他の方法により、処理することができる。例示的な粉末状酸化物アノード材料はまた、焼成なしで前駆体材料の機械的粉砕により調製することができる。この方法で調製される粉末状酸化物材料は、多くの場合、ナノ結晶質又は非晶質ミクロ構造を有する。好適な粉砕は、垂直型ボールミル、水平型ボールミル又は当業者に既知のその他粉砕技術などの各種技術を使用することにより行うことができる。
【0021】
電極組成物は、当業者によく知られている添加剤を含有することができる。電極組成物は、粉末状材料から集電体への電子移動を促進するための導電性希釈剤を含むことができる。導電性希釈剤としては、炭素(例えば、負極用カーボンブラック及び正極用のカーボンブラック、一次黒鉛など)、金属、金属窒化物、金属炭化物、金属シリサイド及び金属ホウ化物が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な導電性炭素希釈剤には、SUPER P及びSUPER Sカーボンブラック(共にMMM Carbon(ベルギー))などのカーボンブラック、SHAWANIGAN BLACK(Chevron Chemical Co.(Houston,TX))、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、グラファイト、炭素繊維、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0022】
電極組成物は、粉末状材料又は導電性希釈剤の結合剤への接着性を促進する接着促進剤を含むことができる。接着促進剤と結合剤との組み合わせは、リチオ化/脱リチオ化のサイクルの繰り返し中に、粉末状材料内に発生することがある体積変化に、電極組成物がより適切に適応する手助けをすることができる。提供された結合剤は、接着促進剤の添加を必要としないように、金属、合金及び金属酸化物への十分に良好な接着性を提供することができる。使用する場合、接着促進剤は結合剤の一部とすることができ(例えば、追加された官能基の形態である)、粉末状材料上の被覆であることができ、導電性希釈剤に加えることができ又はこのような手段の組み合わせであることができる。接着促進剤の例としては、米国特許第7,341,804号(Christensen)に記載されているようなシラン、チタン酸塩及びホスホン酸塩が挙げられる。
【0023】
提供された結合剤は、リチウムポリ塩を含む。リチウムポリ塩としては、ポリアクリル酸リチウム(ポリメタクリレル酸塩を含む)、ポリスチレンスルホン酸リチウム及びリチウムポリスルホネートフルオロポリマーが挙げられる。リチウムポリ塩は、対応するアクリル酸又はスルホン酸から、酸性基を塩基性リチウムによって中和することによって入手可能である。酸性基を中和するためには、一般に水酸化リチウムが使用される。ナトリウムなどのその他カチオンを、イオン交換によってリチウムと置き換えることもまた、本出願の範囲内である。例えば、SKT10L(商標名DIANIONにてMitsubishi Chemical Industriesから入手可能)などのイオン交換樹脂を使用して、ナトリウムイオンをリチウムイオンと置換することができる。
【0024】
理論に束縛されるものではないが、リチウムポリ塩は、粉末状活性材料を被覆し、そしてイオン導電性である層を形成させることができると考えられている。リチウムイオン電気化学セルは、リチウムイオン伝導度に依存するため、このことは、これらの結合剤を用いて作製した電極の寿命延長及び減退低減の能力を向上させる。更に、提供されたリチウムポリ塩は、電気伝導が幾分維持されるように十分に薄く、粉末状活性材料を被覆すると考えられている。最後に、リチウムポリ塩は、サイクルを繰り返した際に、リチウムイオン電極の早期故障に繋がることが当業者に知られている絶縁性のSEI(固体電解質界面)(solvent electrolyte interface)層の形成を抑制することができると考えられている。
【0025】
ポリアクリル酸リチウム結合剤は、酸(そこからポリ塩が誘導される)の酸性基(末端又はペンダント基にある)のモル当量を基準にして、少なくとも約50モル%、少なくとも約60モル%、少なくとも約70モル%、少なくとも約80モル%、少なくとも約90モル%又はそれよりも多くのリチウムを含む。中和可能な酸性基としては、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸及び任意のその他の酸性基(ポリマー上に一般的に見出される、置換のための1個のプロトンを有する)が挙げられる。本発明にて有用な市販材料の例には、ペルフルオロスルホン酸ポリマー、例えば、NAPHION(Dupont(Wilmington,DE)から入手可能)及び熱可塑性アイオノマーポリマー、例えば、SURLYN(これもまたDuPontから入手可能)が挙げられる。対象とする他の材料には、米国特許第6,287,722号(Barton et al.)に記載されるもののようなリチウムポリイミドが挙げられる。
【0026】
リチウムポリアクリレートは、水酸化リチウムによって中和したポリ(アクリル酸)から作製することができる。本明細書では、ポリ(アクリル酸)はアクリル酸若しくはメタクリル酸若しくはこれらの誘導体の任意のポリマー又はコポリマーを包含し、少なくとも約50モル%、少なくとも約60モル%、少なくとも約70モル%、少なくとも約80モル%、又は少なくとも約90モル%のコポリマーがアクリル酸又はメタクリル酸を使用して製造される。これらのコポリマーを形成させるために使用可能な有用なモノマーとしては、例えば、1〜12個の炭素原子を持つアルキル基(分枝又は非分枝)、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、ヒドロキシアルキルアクリレート、マレイン酸、プロパンスルホネート、などを有するアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。特別な関心のあるものは、特に中和後又は部分的な中和後に、水溶性であるアクリル酸又はメタクリル酸のポリマー又はコポリマーである。水溶性は通常、ポリマー若しくはコポリマーの分子量及び/又は組成物の関数である。ポリ(アクリル酸)は、高度に水溶性であり、そしてアクリル酸を大きなモル分率で含有するコポリマーと一緒であることが好ましい。ポリ(メタクリル)酸は、特に分子量が大きい場合、水溶性が低い。
【0027】
結合剤として有用なアクリル酸及びメタクリル酸のホモポリマー及びコポリマーは、約10,000g/モル超、約75,000g/モル超、又は約450,000g/モル超、あるいは更にはより大きな分子量(M)を有することができる。本発明にて有用なホモポリマー及びコポリマーは、約3,000,000g/モル未満、約500,000g/モル未満、約450,000g/モル未満、又はより小さな分子量(M)を有する。ポリマー又はコポリマー上のカルボン酸酸性基(Carboxylic acidic groups)は、ポリマー又はコポリマーを水又は別の好適な溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド又は水と混和性の、その他の双極性非プロトン性溶媒の1種以上中に溶解させることによって中和することができる。ポリマー又はコポリマー上のカルボン酸基(アクリル酸又はメタクリル酸)は、水酸化リチウム水溶液にて滴定することができる。例えば、ポリ(アクリル酸)34重量%の水溶液は、水酸化リチウム20重量%の水溶液による滴定によって中和することができる。通常は、モル基準で、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、100%以上、107%以上のカルボン酸基が、リチオ化される(水酸化リチウムで中和される)。100%超のカルボン酸基が中和される場合、これは、十分な水酸化リチウムがポリマー又はコポリマーへ添加されて、存在する過剰水酸化リチウムによって、全ての基が中和されることを意味する。
【0028】
提供された電極組成物の実施形態に含むこともできる高分子結合剤には、ポリイミド結合剤が挙げられる。有用なポリイミド結合剤には、芳香族、脂肪族又は脂環式ポリイミド結合剤が挙げられる。従来のポリイミド結合剤は、芳香族二無水物とジアミンとを反応させることにより、調製することができる。この反応により、芳香族ポリアミン酸が形成され、それに続く化学的又は熱的環化によりポリイミドとなる。脂肪族又は脂環式ポリイミド結合剤もまた、提供された電極組成物のいくつかの実施形態で使用することができ、この電極組成物は下式:
【化1】



を有する繰り返し単位を含み、式中、Rは、脂肪族又は脂環式であり、Rは、芳香族、脂肪族、脂環式又はこれらの組み合わせである。ポリイミド結合剤は、例えば、米国特許出願公開第2006/099506号(Krause et al.)に開示されている。
【0029】
提供された結合剤は、その他の高分子材料と混合して、材料のブレンドを作製することができる。これは、例えば、結合剤の、接着性を向上させるために、伝導性を向上させるために、熱的特性を変化させるために、あるいは、他の物理的性質に影響を与えるために実施してよい。しかしながら、本発明の結合剤は、非エラストマー系であり得る。非エラストマー系とは、結合剤が相当量の天然又は合成ゴムを含有しないことを意味する。合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムのラテックスが挙げられる。例えば、本発明の結合剤は、20重量パーセント(重量%)未満、10重量%未満、5重量%未満、2重量%未満又はそれよりも少ない天然若しくは合成ゴムを含有する。
【0030】
開示されているリチウムイオン電池に種々の電解質を使用することができる。代表的な電解質は、1種類以上のリチウム塩及び固体、液体又はゲルの形態の電荷運搬媒体を含有する。代表的なリチウム塩は、セル電極が稼動できる電気化学的帯域及び温度範囲(例えば、約−30℃〜約70℃)内において安定しており、選択した電荷保持媒体に可溶であり、選択したリチウムイオンセル内で良好に機能する。代表的なリチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、リチウムビス(オキサラト)ボレート、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiAsF、LiC(CFSO、及びこれらの組み合わせが挙げられる。代表的な電荷担持媒体は、セルの電極が稼動する電気化学的帯域及び温度範囲内において、凍結又は沸騰することなく安定しており、適した量の電荷が正極から負極へ運搬されることが可能なだけの十分な量のリチウム塩を可溶化し、選択したリチウムイオンセル内で良好に機能することができる。代表的固体電荷担持媒体としては、高分子媒体、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素含有コポリマー、ポリアクリロニトリル、これらの組み合わせ及び当業者によく知られているその他の固体媒体が挙げられる。例示的な液体電荷保持媒質には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、フルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチルロラクトン、ジフルオロ酢酸メチル、ジフルオロ酢酸エチル、ジメトキシエタン、ジグリム(ビス(2−メトキシエチル)エーテル)、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、これらの組み合わせ及び当業者に周知である他の媒質が挙げられる。例示的な電荷保持媒体ゲルには、米国特許第6,387,570号(Nakamura et al.)及び同第6,780,544号(Noh)に記載されるものが挙げられる。電荷担持媒体の可溶化力は、好適な共溶媒を添加することによって向上することができる。代表的共溶媒としては、選択した電解質を含有するリチウムイオンセルと適合する芳香性物質が挙げられる。代表的な共溶媒としては、トルエン、スルホラン、ジメトキシエタン、これらの組み合わせ及び当業者によく知られているその他の共溶媒が挙げられる。電解質は、当業者によく知られているその他の添加剤を含むことができる。例えば、電解質は、米国特許第5,709,968号(Shimizu)、同第5,763,119号(Adachi)、同第5,536,599号(Alamgir et al.)、同第5,858,573号(Abraham et al.)、同第5,882,812号(Visco et al.)、同第6,004,698号(Richardson et al.)、同第6,045,952号(Kerr et al.)及び同第6,387,571号(Lain et al.)、並びに米国特許出願公開第2005/0221168号、同第2005/0221196号、同第2006/0263696号及び同第2006/0263697号(全て、Dahn et al.)に記載されるもののような、酸化還元を繰り返す化学物質(a redox chemical shuttle)を含有することができる。
【0031】
提供された電気化学セルは、正極及び負極の各々の少なくとも1つを前述したように作製し、そしてそれらを電解質内に配置することによって作製することができる。通常は、微多孔性セパレータ、例えば、Celgard 2400微多孔性材料(Celgard LLC(Charlotte,N.C.)から入手可能)を使用して、負極が正極に直接接触するのを防止することができる。提供された負極及び結合剤を用いて作製した電気化学セルは、従来の結合剤を用いた負極を収容した類似のセルよりも、不可逆容量損失及び減退が減少した。
【0032】
提供される電気化学セルにおいて有用な正極は、例えば、LiCo0.2Ni0.8、LiNiO、LiFePO、LiMnPO、LiCoPO、LiMn及びLiCoO、米国特許第6,964,828号及び同第7,078,128号(Lu et al.)に記載されているもののようなコバルト、マンガン及びニッケルの混合金属酸化物を含むカソード組成物、並びに米国特許第6,680,145号(Obrovac et al.)に記載されているもののようなナノコンポジットカソード組成物を含むことができる。他の例示的な正極は、LiNi0.5Mn1.5及びLiVPOFを含むことができる。
【0033】
提供されたセルは、携帯型コンピュータ、タブレット型表示器、携帯情報端末、携帯電話、モータ駆動装置(例えば、個人用又は家庭電化製品及び乗り物)、機器、照明装置(例えば、懐中電灯)及び加熱装置を含む様々なデバイスに使用することができる。1つ以上の提供された電気化学セルを組み合わせて、電池パックを提供することができる。充電式リチウムイオンセル及び電池パックの構成及び用途に関する更なる詳細は当業者によく知られている。
【0034】
本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に、本発明を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0035】
ポリ(アクリル酸)(LiOHで中和されたPAA)溶液の調製
出発物質A:LiOHO(Sigma−Aldrich)15.258gを、電磁攪拌器を使用して蒸留水137.610gと混合した。形成されたLiOHO溶液は、9.98重量%LiOHであった。
【0036】
出発物質B:25重量%のPAA溶液(Alfa Aesar、M240,000)。材料A128.457gを材料B88.045g中へ添加した。混合物を終夜撹拌した。形成された溶液は11重量%PAA(100%Li塩−酸は全て中和済み)結合剤溶液であった。
【0037】
電極製作−実施例1〜7及び比較例1〜5
80重量%の活性物質(AM)、12重量%のカーボンブラック及び8重量%の結合剤のコーティング組成物を使用して、負極を制作した。Fe、FeO、Co及びCoOを含む活性物質(AM)を試験した。ボールミルされた材料を以下のように処理した:12mm直径硬化ステンレス鋼ボールを混合媒体として用いてSpex 8000高エネルギーボールミリング機を使用して4gの活性物質粉末(Fe粉末又はCo粉末のいずれか)をアルゴン保護下で2時間にわたって粉砕した。使用したカーボンブラックは、スーパーSカーボンブラック(SS)(MMM Carbon(Belgium))であった。使用された結合剤は、ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)、ポリ(アクリル酸)Li塩(PAA−100%中和)、ポリイミド(PI)及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)を含んだ。試験された電極の組成を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
電極調製−実施例1〜7及び比較例1〜5
実施例1
AM 0.592g、SS0.089g、PAA(−100% Li塩)溶液(11重量%水溶液、上述の方法にて作製した)0.538g及び水1.389gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を0.5時間、毎分500回で、低エネルギーボールミル(改良型Spex 8000ミル)を使用して振盪させた。次に、形成させたスラリーを、75μm高さのノッチバーで銅箔上にキャストし、90℃で空気中にて一晩乾燥させた。典型的な活性物質使用量は、1.58mg/cmであった。
【0040】
実施例2
AM 0.503g、SS0.075g、PAA(100% Li塩)溶液(11重量%水溶液、上述の方法にて作製した)0.457g及び水1.313gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。典型的な活性物質使用量は、1.32mg/cmであった。
【0041】
実施例3
AM 0.518g、SS0.077g、PI溶液(HDマイクロPI2525、19.6固形物重量%NMP溶液)0.263g及びNMP 1.400gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。典型的な活性物質使用量は、1.38mg/cmであった。
【0042】
実施例4
AM0.608g、SS0.091g、PI溶液0.310g(HDマイクロPI2525、固形物19.6重量%NMP溶液)及びNMP 1.545gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。典型的な活性物質使用量は、1.45mg/cmであった。
【0043】
実施例5〜7
AM 0.484g、SS0.073g、PI溶液(HDマイクロPI2525、19.6固形物重量%NMP溶液)0.247g及びNMP 1.242gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。典型的な活性物質使用量は、1.65mg/cmであった。
【0044】
比較例1
AM0.590g、SS0.088g、PVDF溶液0.655g(N−メチルピロリジノン(NMP)中KYNAR 461の9重量%溶液)及びNMP 1.545gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。典型的な活性物質使用量は、1.19mg/cmであった。
【0045】
比較例2
AM 0.500g、SS0.075g、CMC粉末(Daicel CMC2200)0.050g及び水2.485gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。典型的な活性物質使用量は、1.00mg/cmであった。
【0046】
比較例3
AM 0.515g、SS0.077g、PVDF溶液0.572g(N−メチルピロリジノン(NMP)9重量%溶液、NRC(カナダ))及びNMP 1.562gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。典型的な活性物質使用量は、1.07mg/cmであった。
【0047】
比較例4
AM 0.500g、SS0.075g、CMC粉末(Daicel CMC2200)0.050g及び水2.565gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。典型的な活性物質使用量は、0.94mg/cmであった。
【0048】
比較例5
AM 0.484g、SS0.073g、PI溶液(HDマイクロPI2525、19.6固形物重量%NMP溶液)0.247g及びNMP 1.242gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。典型的な活性物質使用量は、1.65mg/cmであった。
【0049】
実施例1〜7及び比較例1〜5のための試験セルの調製
上記電極は、対極及び参照電極としてのリチウム箔(FMC)ディスクを使用した2325型コインセル内で作用電極としての役割を果たした。 各コインセルのために、ミクロ孔質ポリプロピレン(PP)セパレータ(Celgard 2500)の2つの層を使用した。使用した電解質は、エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)(容積比1:2、Grant Chemical Ferro Division)90重量%:フルオロエチレンカーボネート(FEC,Fujian Chuangxin,China)10重量%の混合液中1MのLiPF(Stella、日本)であった。コインセルは、アルゴンで充たされたグローブボックス内で、組み立てかつクリンプシールした。セルは、最初の2サイクルは、C/20でサイクルを実施し、続いて、サイクルの残りをC/5でサイクルを実施した。C率は、比容量1007mAh/gに基づいて計算した。サイクル結果(mAh/g対サイクル数)を表2に列挙する。
【0050】
【表2】

【0051】
Li1.10.85Mo0.05の合成−実施例8及び比較例6
(Aldrich 98%)4.500g、LiCO(Alfa Aesar 99.0%)2.871g及びMoO(BDH Chemicals Ltd.99.5%)0.507gを一緒にまず手で研削することにより、Li1.10.85Mo0.05を調製した。次に、研削した混合物をグラファイト坩堝中に配置し、管状炉内でアルゴンガス流下において1000℃で12時間にわたって加熱した。
【0052】
実施例8
上記のように調製したLi1.10.85Mo0.052.4g、SS0.36g、PAA(100% Li塩)溶液(11重量%水溶液、上述の方法により作製した)2.18g及び水2.86gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。
【0053】
比較例6
上記のように調製したLi1.10.85Mo0.052.58g、SS0.21g、PVDF溶液(N−メチルメチルピロリジノン(NMP)中9重量%溶液、NRC Canada)2.33g及びNMP0.5gを卵形硬化鋼バイアル瓶内に加えた。混合物を振盪させてスラリーを形成させ、次に実施例1に記載されているようにして被覆し、そして乾燥させた。
【0054】
実施例8及び比較例6のための試験セル調製
上記電極は、対極及び参照電極としてのリチウム箔(FMC)ディスクを使用した2325型コインセル内で作用電極としての役割を果たした。各コインセルのために、ミクロ孔質ポリプロピレン(PP)セパレータ(Celgard 2500)の2つの層を使用した。使用した電解質は、エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)(容積比1:2、Grant Chemical Ferro Division)90重量%:フルオロエチレンカーボネート(FEC,Fujian Chuangxin,China)10重量%の混合液中1MのLiPF(Stella、日本)であった。コインセルは、アルゴンで充たされたグローブボックス内で、組み立てかつクリンプシールした。セルを2V〜0.025VのC/20率でサイクルにかけた。C率は、比容量300mAh/gに基づいて計算した。サイクル結果(mAh/g対サイクル数)を表3に列挙する。
【0055】
【表3】

【0056】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する特許請求の範囲によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状材料と、
高分子結合剤と、を含む負極用電極組成物であって、
前記粉末状材料は、非インターカレーション性金属酸化物を含み、前記金属酸化物は、リチオ化及び脱リチオ化を受けることができ、前記高分子結合剤は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸リチウム又はポリイミドのうちの少なくとも1つを含む、組成物。
【請求項2】
前記粉末状材料が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo又はWの酸化物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記金属酸化物がFe、CoO又はCoのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記粉末状材料が非晶質相を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
粉末状材料と、
高分子結合剤と、を含む負極用電極組成物であって、
前記粉末状材料は、インターカレーション性金属酸化物を含み、前記金属酸化物は、リチオ化及び脱リチオ化を受けることができ、前記高分子結合剤は、ポリアクリル酸リチウムを含む、組成物。
【請求項7】
前記粉末状材料が、LiVO、LiTi12、TiO、WO又はMoOのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記粉末状材料がLiVOを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
正極と、
電解質と、
請求項1に記載の組成物を含む負極と、を含む、リチウムイオン電気化学セル。
【請求項10】
前記負極が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo又はWの酸化物のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載のセル。
【請求項11】
請求項9に記載のセルを少なくとも1つ含む、電池パック。
【請求項12】
正極と、
電解質と、
請求項6に記載の組成物を含む負極と、を含む、リチウムイオン電気化学セル。
【請求項13】
前記負極が、LiVO、LiTi12、TiO、WO又はMoOのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のセル。
【請求項14】
請求項9に記載の電気化学セルを少なくとも1つ含む、電池パック。
【請求項15】
請求項12に記載の電気化学セルを少なくとも1つ含む、電池パック。
【請求項16】
請求項14に記載の電池パックを含む、電子デバイス。
【請求項17】
請求項15に記載の電池パックを含む、電子デバイス。

【公表番号】特表2011−522378(P2011−522378A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511763(P2011−511763)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/045217
【国際公開番号】WO2009/148890
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【出願人】(309038971)
【Fターム(参考)】