説明

リニアリティ検査装置及びリニアリティ検査方法

【課題】ソーラシミュレータ等の強い光の分光放射スペクトルを測定する分光放射計等のディテクタのリニアリティを検査するリニアリティ検査装置及びリニアリティ検査方法を提供すること。
【解決手段】波長毎に切り替え可能であって複数種類の波長毎のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源2と、光源2からの光出力を透過する動的透過率が確定している複数種類の動的透過率を有する回転円板9又は開口板と、回転円板9又は開口板を透過した光を受光する前記波長毎の切り替えに対応して切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタ12とを備え、波長毎の、基準ディテクタ12において検出された受光量に対する、回転円板9又は開口板を透過した光を受光する未知ディテクタ16で検出された受光量を取得して、未知ディテクタ16のリニアリティを検査することを特徴とするリニアリティ検査装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアリティ検査装置及びリニアリティ検査方法に係わり、具体的には、ソーラシミュレータ等の強い光の分光放射スペクトルを測定する分光放射計等のディテクタのリニアリティを検査するリニアリティ検査装置及びリニアリティ検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池の開発用に、ソーラシミュレータのスペクトルや太陽光スペクトルを測定する必要性が増えてきているが、太陽電池の変換効率などの性能を正確に評価するためには、ソーラシミュレータから放射される分光放射スペクトルを正確に測定することのできる分光放射計等のディテクタが必要とされている。
【0003】
更に、最近のソーラシミュレータは、従来の定常光型に替わりパルス光型が多く使用されるようになり、パルス光型ソーラシミュレータについても、その分光分布をパルスが発光する短時間の内に正確に測定することのできる分光放射計が必要とされている。すなわち、パルス光型ソーラシミュレータのスペクトル測定には、従来の定常光型ソーラシミュレータにおける分光放射計のスペクトル測定のリニアリティ検査の他に、パルス応答性、パルス点灯時の光強度リニアリティ、露光時間リニアリティなどの検査が必要である。
【0004】
しかし、従来は、パルス光型ソーラシミュレータにおいて、分光放射計のリニアリティを検査するリニアリティ検査装置は存在していなかった。つまり、分光放射計自体が正確に測定できているか否かを、検査できる装置が今まで無く、このような分光放射計評価のための検査装置の実現が待ち望まれていた。
【0005】
特許文献1には、分光ではない一般光の光量計測装置及びその方法が提案されている。同装置及び方法によれば、一般光の光量の定量評価のために値付けされたアッテネータを既存のものとし、これを用いて入射光の値付けを行うことが記載されている。一方、分光放射測定においては、波長特性が無く広い減衰範囲において減衰率が把握されたアッテネータやパルス光にも対応できるアッテネータが必要とされるが、そのようなアッテネータについては記載されていない。
また、特許文献2には、可変光減衰器を用いて、細い光路中に置かれたカムの回転角を変えることによって減衰率を変えることが記載されているが、この減衰器は基本的に細い光路を持つ平行光線には適用できても、本発明が対象とする試料光源とディテクタが共に一定の広がりを持つような光学系には適用することはできない。
【0006】
また、従来の分光放射計測システムは、通常太陽光に比べて非常に弱い試料光源を用いて行われてきた。そのため、計測対象をソーラシミュレータの光とした場合に、太陽光と同程度の強い光の範囲においても、分光放射計がリニアリティを持って計測される否かの検証は不十分であった。
【0007】
従来の波長毎の分光放射計のリニアリティの検査方法としては、透過率が違う複数のNDフィルタやバンドパスフィルタを使用する方法があるが、いずれも次に示す欠点があった。まず、NDフィルタを使用する方法は、NDフィルタの透過率に波長依存性があり、また、面内分布の斑があるために高精度の測定には適していない。また、バンドパスフィルタを使用する方法は、リファレンスと成りうるハロゲン光の様なブロードな光源については、リニアリティは計測できるが、狭い波長範囲に輝線があるキセノン光源のリニアリティ計測には、不適当である。しかし、ソーラシミュレータにおける分光放射計による正確な測定を行うためには、定常光型又はパルス光型のソーラシミュレータの双方について、分光放射計のリニアリティ等の特性を把握しておくことは、不可欠である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−093249号公報
【特許文献2】特開2002−174781号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】A Photocel Linearity Tester C.L.Sanders 1962 PLIED OPTICS
【非特許文献2】メッシュ型減光フィルタによる低放射照度分光標準光源の検討照明学会誌 Vol.93 No.2 2009 論文号p91
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ソーラシミュレータ等の強い光の分光放射スペクトルを測定する分光放射計等のディテクタのリニアリティを検査するリニアリティ検査装置及びリニアリティ検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、波長毎に切り替え可能であって複数種類の波長毎のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、該光源からの光出力を透過する動的透過率が確定している複数種類の動的透過率を有する回転円板又は開口板と、該回転円板又は開口板を透過した光を受光する前記波長毎の切り替えに対応して切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタとを備え、波長毎の、前記基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記回転円板又は開口板を透過した光を受光する未知ディテクタで検出された受光量を取得して、前記未知ディテクタのリニアリティを検査することを特徴とするリニアリティ検査装置である。
請求項2記載の発明は、複数種類の波長の光を有し、光量が可変のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、波長毎に前記光源からの光を透過可能なバンドパスフィルタと、該バンドパスフィルタを透過した光を受光する前記波長毎に切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタとを備え、波長毎の、前記基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記バンドパスフィルタを透過した光を受光する未知ディテクタで検出された受光量を取得して、前記未知ディテクタのリニアリティを検査することを特徴とするリニアリティ検査装置である。
請求項3記載の発明は、前記基準ディテクタは、発光源からの光出力を動的透過率が確定した複数種類の動的透過率を有する回転円板又は開口板を透過して受光したディテクタのうち、リニアリティを有するディテクタを基準ディテクタの候補ディテクタとし、前記候補ディテクタのうち、前記動的透過率に対する動的平均透過率がリニアリティを有するディテクタであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のリニアリティ検査装置である。
請求項4記載の発明は、前記光源が、パルス光源型ソーラシミュレータ又は定常光源型ソーラシミュレータであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つの請求項に記載のリニアリティ検査装置である。
請求項5記載の発明は、波長毎に切り替え可能であって複数種類の波長毎のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、該光源からの光出力を透過する動的透過率が確定している複数種類の動的透過率を有する回転円板又は開口板と、該回転円板又は開口板を透過した光を受光する前記波長毎の切り替えに対応して切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタと、前記回転円板又は開口板を透過した光を受光する未知ディテクタとを有し、前記光源からある波長の光を出力し、前記ある波長の光をある動的透過率を有する前記回転円板又は開口板を透過し、前記ある波長に対応するある基準ディテクタで受光検出する第1の工程と、前記光源から前記ある波長の光を出力し、前記ある波長の光を前記ある動的透過率を有する前記回転円板又は開口板を透過し、前記ある波長の光を未知ディテクタで受光検出する第2の工程と、前記第1の工程及び第2の工程において、前記ある動的透過率を他の異なる動的透過率を有する回転円板又は開口板に逐次代えて、前記第1の工程及び第2の工程を繰り返す第3の工程と、前記第1及び第3の工程において得られた基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記第2及び第3の工程において得られた前記未知ディテクタにおいて検出された受光量を取得し、前記未知ディテクタのリニアリティを検査する第4の工程と、前記光源から出力されるある波長の光を他の異なる波長の光に逐次代えて、前記第1ないし第4の工程を繰り返す第5の工程とからなることを特徴とするリニアリティ検査方法である。
請求項6記載の発明は、波長毎に切り替え可能であって複数種類の波長毎のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、該光源からの光出力を透過する動的透過率が確定している複数種類の動的透過率を有する回転円板又は開口板と、該回転円板又は開口板を透過した光を受光する前記波長毎の切り替えに対応して切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタと、前記回転円板又は開口板を透過した光を受光する未知ディテクタとを有し、前記光源からある波長の光を出力し、前記ある波長の光をある動的透過率を有する前記回転円板又は開口板を透過し、前記ある波長に対応するある基準ディテクタと前記未知ディテクタとで同時に受光検出する第1の工程と、前記第1の工程において、前記ある動的透過率を他の異なる動的透過率を有する回転円板又は開口板に逐次代えて、前記第1の工程を繰り返す第2の工程と、前記第1及び第2の工程において得られた基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記第1及び第2の工程において得られた前記未知ディテクタにおいて検出された受光量を取得し、前記未知ディテクタのリニアリティを検査する第3の工程と、前記光源から出力されるある波長の光を他の異なる波長の光に逐次代えて、前記第1ないし第3の工程を繰り返す第4の工程とからなることを特徴とするリニアリティ検査方法である。
請求項7記載の発明は、複数種類の波長の光を有し、光量が可変のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、波長毎に前記光源からの光を透過可能なバンドパスフィルタと、該バンドパスフィルタを透過した光を受光する前記波長毎に切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタと、前記バンドパスフィルタを透過した光を受光する未知ディテクタとを有し、前記光源からある光量の光を出力し、前記ある光量の光を前記バンドパスフィルタによってある波長の光を透過し、前記ある波長に対応するある基準ディテクタで受光検出する第1の工程と、前記光源からある光量の光を出力し、前記ある光量の光を前記バンドパスフィルタによって前記ある波長の光を透過し、前記ある波長の光を前記未知ディテクタで受光検出する第2の工程と、前記第1の工程及び第2の工程において、前記光源から出力される前記ある光量を他の異なる光量に逐次代えて、前記第1の工程及び第2の工程を繰り返す第3の工程と、前記第1及び第3の工程において得られた基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記第2及び第3の工程において得られた前記未知ディテクタにおいて検出された受光量を取得し、前記未知ディテクタのリニアリティを検査する第4の工程と、前記バンドパスフィルタを他の波長を透過させるバンドパスフィルタに逐次代えて、前記第1ないし第4の工程を繰り返す第5の工程とからなることを特徴とするリニアリティ検査方法である。
請求項8記載の発明は、複数種類の波長の光を有し、光量が可変のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、波長毎に前記光源からの光を透過可能なバンドパスフィルタと、該バンドパスフィルタを透過した光を受光する前記波長毎に切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタと、前記バンドパスフィルタを透過した光を受光する未知ディテクタとを有し、前記光源からある光量の光を出力し、前記ある光量の光を前記バンドパスフィルタによってある波長の光を透過し、前記ある波長に対応するある基準ディテクタと未知ディテクタとで同時に受光検出する第1の工程と、前記第1の工程において、前記光源から出力される前記ある光量を他の異なる光量に逐次代えて、前記第1の工程を繰り返す第2の工程と、前記第1及び第2の工程において得られた基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記第1及び第2の工程において得られた前記未知ディテクタにおいて検出された受光量を取得し、前記未知ディテクタのリニアリティを検査する第3の工程と、前記バンドパスフィルタを他の波長を透過させるバンドパスフィルタに逐次代えて、前記第1ないし第3の工程を繰り返す第4の工程とからなることを特徴とするリニアリティ検査方法である。
請求項9記載の発明は、前記光源が、パルス光源型ソーラシミュレータ又は定常光源型ソーラシミュレータであることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1つの請求項に記載のリニアリティ検査方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ソーラシミュレータの分光放射計等の未知ディテクタのリニアリティを正確に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係わる、分光放射計などのディテクタ(以下、未知ディテクタという)のリニアリティを検査するリニアリティ検査装置の構成を示す図である。
【図2】高精度のリニアリティを有する基準ディテクタ12を確定するための装置である。
【図3】図2と同一の装置である。
【図4】設定開口率と測定して得られた静的開口率との関係を示す表である。
【図5】測定された動的透過率を示す表である。
【図6】あるディテクタにおける静的開口率に対して動的透過率の関係を示すグラフである。
【図7】複数の動的透過率候補の平均値から確定した動的透過率を示す表である。
【図8】確定した動的透過率に対する基準ディテクタの候補となるディテクタの動的平均透過率を示すグラフである。
【図9】実際に回転円板を回転して得られる時間的な動的透過率の変化を示す図である。
【図10】複数の未知ディテクタについて、回転円板を回転した時の基準ディテクタの平均出力値に対する未知ディテクタの平均出力値の関係を示すグラフである。
【図11】回転円板の開孔の配置例を示す図である。
【図12】移動ステージ上に設置し左右に動かして光を透過させる均一な開口板の構成を示す図である。
【図13】複数の未知ディテクタについて、開口板を左右に移動した時の基準ディテクタの平均出力値に対する未知ディテクタの平均出力値の関係を示すグラフである。
【図14】第2の実施形態に係わる、未知ディテクタのリニアリティを検査するリニアリティ検査装置の構成を示す図である。
【図15】第3の実施形態に係わる、未知ディテクタのリニアリティを検査するリニアリティ検査装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態を図1〜図13を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係わる、分光放射計などのディテクタ(以下、未知ディテクタという)のリニアリティを検査するリニアリティ検査装置の構成を示す図である。
このリニアリティ検査装置は、ソーラシミュレータ等の強い光の各波長の光量の変化に対して比例した出力が得られるか、つまり、リニアリティを有するかを検査する装置である。
同図において、リニアリティ検査装置における、分光放射計やフォトダイオードアレー、CCDカメラなどのディテクタを、正しく評価するために必要な光源(1〜n)2の条件は、測定したい波長毎に安定で、光強度も調節でき、パルス光型ソーラシミュレータの様なパルス発光も検査できることが必要である。また、基準ディテクタ(1〜n)12に必要な条件としては、分光放射計やフォトダイオードアレー、CCDカメラなどのディテクタと比較できる、安定で、強い光に対するリニアリティが有り、パルス光に対しても十分な応答性を有することが不可欠である。
【0015】
同図に示すように、光源選択ステージ1には、強い光の必要な波長帯の発光が可能なLED又はLD(レーザーダイオード)からなる光源(1〜n)2が載せられている。光源(1〜n)2は、各波長に対応して設けられ、従来の光量安定性の良いとされていたハロゲンランプに代えて、現在、光源中では最も安定でかつ発光効率に優れ、消費電力の少ないLEDを用い、波長帯によってはこれに替わるものとしてLDを用いる。光源(1〜n)2の中から、光源選択ステージ1を移動して検査に必要な波長帯の光源を選ぶ。LEDやLDは、点灯時の通電による温度上昇によって、光の出力や波長が変動しないように、温度コントローラ3によって付属の温調器(1〜n)4で温度を一定に保ち、強い光出力を、LED又はLDコントローラ5を用いて、必要な値に調節する。また、光源(1〜n)2の発光時間は、パルス信号発生装置6を用いて、光強度を一定に保ちつつ必要な時間だけ発光させる。パルス光を用いる検査の場合は、基準ディテクタ(1〜n)12の前の光路中に設置した高速光シャッタ7の開閉時間をシャッタコントローラ8で制御して必要なパルス幅を得ることもできる。また、光源(1〜n)2と高速光シャッタ7との間には、光源(1〜n)2からの光量を可変するために、異なる既知の減衰率毎に取り替え可能な回転円板9または開口板を配置する。回転円板9または開口板は回転円板または開口板コントローラ10によって回転または移動制御される。
【0016】
基準ディテクタ12は、受光部切替えステージ11に載せた波長感度領域毎の複数の基準ディテクタ(1〜n)12の中から選択し、受光部切替えステージ11の移動により、高速シャッタ7の後に置く。各基準ディテクタ(1〜n)12は、それぞれプリアンプ(1〜n)13と温度コントローラ14によって温度を一定に保つためのディテクタ用温調器(1〜n)15を備え、応答の安定性、リニアリティ性、パルス応答性において、検査対象である分光放射計などの未知ディテクタ16に比べて数倍の性能を持つものを用意する。例えば、測定時間安定性を調べる場合、基準ディテクタ(1〜n)12の求められる測定仕様は、時間安定性についていえば、1時間での変動が1%以内である場合、基準ディテクタ(1〜n)12として5倍の性能を取るとすれば、5時間での変動が0.2%以内のものを用意する。
【0017】
選択された基準ディテクタ(1〜n)12の出力は、A/D変換器17を介してコンピュータ18に入力され、記録される。なお、迷光を遮断するために、装置全体を破線で示した暗箱19で覆う。更に、温度を一定に保つために必要に応じて、装置全体に温調を掛けるか装置全体を恒温槽に入れて、検査を行なう。
【0018】
基準ディテクタ(1〜n)12としては、リニアリティ特性が未知の未知ディテクタ16のリニアリティを検査するためには、強い光に対して極めて高精度のリニアリティを有する基準ディテクタを準備しなければならない。基準ディテクタ12を準備するために必要なものは、光源、異なる既知の減衰率を持つ減光板としての回転円板または開口板、基準ディテクタ12として確定されるべきディテクタの3つである。これらが、それぞれ満たすべき要件は、次の通りである。(1)光源は、検査したい波長において光の強度が一定であることである。これに適した光源としてはLEDやLDを用いる。(2)回転円板または開口板は、均一な穴が明けられ、等速回転又は等速移動させられることである。(3)基準ディテクタ12として確定されるべきディテクタは、波長毎にある光量範囲において高精度のリニアリティを有することである。
【0019】
図2及び図3は、高精度のリニアリティを有する基準ディテクタ12を確定するための装置である。なお、図2と図3は同じ装置を示しており、図3は図2に示した回転円板が見やすいよう傾斜して示したものである。図2に示すように、この装置は、強い光が出力可能なLED、LD等からなる光源20、回転円板21、基準ディテクタ12として確定されるべきディテクタ22相互の位置関係を示しており、これら3者は一定距離を隔てて設置される。
【0020】
次に、高精度のニアリティを有する基準ディテクタ12の確定法について説明する。
まず、均一な分布を有する複数種類の開口率を有する回転円板21を用意する。例えば、設定開口率(開口面積比の%)が、1、2、5、10、20、50、70%の回転円板21を用意する。ここで、設定開口率とは、回転円板21に穴を開ける場合の目標とする開口率である。これらの異なる設定開口率を有する回転円板21に平行光を当てて、スキャナで開口率を測り、これを静的開口率とする。図4は、設定開口率と測定して得られた静的開口率との関係を示す表である。
【0021】
次に、各種のディテクタ22(紫外、可視光用はSi、ホトマル、赤外用はInGaAs、Ge、パイロ、HgCdTeなど)の中から1つのディテクタ22を選び、回転円板21を静的開口率の低い方から1つずつ選ぶ。図2において、光源20から放射された光を、回転円板21を等速に回転し、ディテクタ22において光強度を複数回測定して、回転円板無しの光強度に対する回転円板ありの場合の光強度の比から動的透過率を求める。同様にして、同一のディテクタ22における全ての静的開口率の異なる回転円板21の動的透過率を求める。図5は、測定された動的透過率を示す表である。
【0022】
図6は、あるディテクタ22に対し、横軸に回転円板21の静的開口率を、縦軸に動的透過率を取りプロットしたグラフの例である。
このグラフの例は、あるディテクタ22における静的開口率に対する動的透過率が99.5%以上の直線状にプロットでき、1次相関が高いことを示している。
このように横軸の静的開口率と縦軸の動的透過率間の1次相関が高い時は、そのディテクタ22による回転円板21の動的透過率として採用し、1次相関が低ければ、そのディテクタ22の結果は、採用しない。
【0023】
図7は、上記と同様の測定を、全ての各種のディテクタ22について行い、複数の動的透過率候補の平均値から確定した動的透過率を示す表である。これによって、全ての各種のディテクタ22に対応する全ての回転円板21の動的透過率が確定する。
【0024】
次に、動的透過率が確定した回転円板21を回転し、基準ディテクタ12の候補となる全てのディテクタ22を用いて、動的平均透過率を求める。
図8は、横軸に確定した動的透過率、縦軸に基準ディテクタ12の候補となるディテクタ22の動的平均透過率を示すグラフである。直線上に乗っているディテクタを基準ディテクタ12の候補として採用する。ここで、動的平均透過率とは、実際に回転円板21を回転して動的透過率を測定した場合、図9に示すように、ディテクタで測定される出力は波打つ様に変化するため、ある一定時間における波打って変化する動的透過率の平均値である。ここで、1%、10%の双方とも、透過率が一定でなく変化する理由は、回転円板内の個々の穴径がばらついていること、および各瞬間に光路中に存在する穴の数が回転により変化することにある。しかし、光源が安定で時間を十分に取る限り、これらの透過率の時間平均値は一定になる。つまり、正確な穴径の円板を作ること、さらに各瞬間における光路中に存在する穴の数を一定に保つことは難しいが、回転円板を回転させた時の透過率を時間を十分に取り平均した値を平均透過率として採用すれば、その値は正確かつ再現性があるものとなる。さらに、ディテクタを何種も設け、上記の方法で回転円板の平均透過率を測定すれば、多くのディテクタ出力値から、十分な精度で透過率を決定できるから、これを回転円板の平均透過率として採用することができる。
【0025】
図8に示す結果から、基準ディテクタ12の候補となる全てのディテクタ22のうち、動的透過率の平均値が回転円板21の動的透過率に1番近いディテクタを基準ディテクタ12として採用する。図8においては、ディテクタ1とディテクタ3を基準ディテクタ12として採用し、ディテクタ2は採用しない。ディテクタ4は、ディテクタ3のリニアリティに比べて微小なずれがある。このように、動的回転透過率が動的透過率よりずれていても、ずれ量が許容できる範囲の場合は、測定値の補正表を作る。実際の分光放射測定時に、この測定値の補正表を用いて測定値を校正する。その結果、ディテクタ4についても、入射光強度に対して補正された出力はリニアリティを有することになる。このような一連の処理を行うことによって、基準ディテクタ(1〜n)12を確定する。
【0026】
次に、図1に戻って、確定した基準ディテクタ(1〜n)12を用いて、未知ディテクタ16のリニアリティを測定する。
【0027】
図1において、任意の測定波長に対応する光源(1〜n)2の中から、例えば、光源(1)2を選択する。次に、受光部切り替えステージ11を切り替えて、確定した基準ディテクタ(1〜n)12の中から、測定波長に対応する基準ディテクタ(1)12を選択し、高速光シャッタ7の背後に基準ディテクタ(1)12を配置する。光源(1)2からの入射光強度を変化させるために、異なる動的透過率を有する回転円板9または開口板を取り替えながら、基準ディテクタ(1)12において、基準ディテクタ(1)12の平均出力値を検出する。ここで、回転円板や開口板は先に基準ディテクタを確定する際に使用したもの使用する。次に、受光部切り替えステージ11を動かして、未知ディテクタ16を高速光シャッタ7の背後に配置する。基準ディテクタ(1)12における測定時と同様にして、未知ディテクタ16の平均出力値を検出する。次に、測定された結果から、基準ディテクタ(1)12の平均出力値に対する未知ディテクタ16の平均値とから、未知ディテクタ16のリニアリティ、つまり入射光強度に対する平均出力値のリニアリティ(直線性)を検査する。
【0028】
図10は、例えば、複数の未知ディテクタ(1〜3)16について、回転円板9を回転した時の基準ディテクタ(1)12の平均出力値に対する未知ディテクタ(1〜3)16の平均出力値の関係を示すグラフである。
同図に示すように、未知のディテクタ(1)16及び(2)16は、リニアリティを有すると考えられるが、未知のディテクタ(3)16は、光強度が増すにつれて飽和しており、リニアリティ測定用のディテクタとしては不適であることが分かる。
【0029】
他の波長についても、光源(2〜n)2の中から、任意の測定波長に対応する光源を選択し、それに対応する基準ディテクタを基準ディテクタ(2〜n)12の中から選択して、上記と同様の処理を行うことにより、全ての波長について、未知ディテクタ16のリニアリティを検査することができる。
【0030】
図11は、回転円板9、21の一例を示す図である。同図に示すように、回転円板9、21上の複数の穴の中心を、回転円板9、21と中心を共有する正六角形を基にして稠密に並べた複数の正六角形の中心に置き、また正六国形の内接円径および穴径を円板径より十分に小さく取ることにより円板状の複数の穴を通過してディテクタに到達する光の量を回転円板の回転角によらぬ一定値近くに保つことができる。
同図に示すように、実際の回転円板9、21では、穴はより高密度に開けられており、光源からディテクタへの光路中に含まれる穴は数多く存在するので、回転円板の回転角が変わっても、光を通過させる穴面積の総和は、ほぼ一定となる。即ち、回転円板を減光板と見るとき、その減衰率は、ほぼ一定の値を持つことになる。
【0031】
なお、図1及び図2において、光源からの光強度を調節するために、回転円板9、21、を用いる場合について説明したが、回転円板9、21に代えて、図12に示すように、左右移動ステージ23を用いて、均一に開口された開口板24を左右に動かして透過光を測定するようにしてもよい。

【0032】
図13は、例えば、複数の未知ディテクタ(4〜5)16について、均一に開口された開口板24を左右に移動した時の基準ディテクタ(1)12の平均出力値に対する未知ディテクタ(4〜5)16の平均出力値の関係を示すグラフである。
同図に示すように、未知のディテクタ(4)16は、リニアリティを有すると考えられるが、未知のディテクタ(5)16は、光強度が増すにつれて飽和しており、リニアリティ測定用のディテクタとしては不適であることが分かる。
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態を図14を用いて説明する。
図14は、本実施形態に係わる、分光放射計などのディテクタ(以下、未知ディテクタという)のリニアリティを検査するリニアリティ検査装置の構成を示す図である。このリニアリティ検査装置も、未知ディテクタが、ソーラシミュレータ等の強い光の各波長の光量の変化に対して1次的に比例した出力が得られるか、つまり、リニアリティを有するかを検査する装置である。
同図に示すように、ランプ電源25によって電力が供給されるランプ光源26は、ハロゲン光の様なブロードな光を放射する光源であり、基準ディテクタ(1〜n)12や未知ディテクタ16における光強度を調節するために、ランプ前後移動用ステージ27の移動によりランプ光源25と基準ディテクタ(1〜n)12及び未知ディテクタ16との間の距離を調節する。波長の異なる光を選択するために、高速光シャッタ7と基準ディテクタ12及び未知ディテクタ16との間にフィルタ切換え器28によって切り替え可能なバンドパスフィルタ29を配置する。なお、その他の構成は、図1に示した同符号の構成に対応するので、説明を省略する。
【0034】
図14に示したリニアリティ検査装置を用いて、未知のディテクタ16のリニアリティを検査する方法について説明する。
基準ディテクタ12は、第1の実施形態において説明したと同様の方法によって、確定されている。測定波長を決定し、それに対応するバンドパスフィルタ29を選定する。次に、受光部切り替えステージ11を切り替えて、選定されたバンドパスフィルタ29の背後に、決定された波長に対応する基準ディテクタ(1)12を配置し、ランプ光源26からの入射光強度を変化させるために、ランプ前後移動用ステージ27を基準ディテクタ(1)12から遠く離れた位置から次第に接近するように移動して、基準ディテクタ(1)12において、基準ディテクタ(1)12の平均出力値を検出する。次に、受光部切り替えステージ11を動かして、未知ディテクタ16をバンドパスフィルタ29の背後に配置する。基準ディテクタ(1)12における測定と同様にして、未知ディテクタ16の平均出力値を検出する。次に、測定された結果から、未知ディテクタ16のリニアリティを測定する。つまり入射光強度に対する平均出力値のリニアリティ(直線性)の測定を行う。他の波長についても、バンドパスフィルタ29を代えて、それに対応する基準ディテクタ12を基準ディテクタ(2〜n)12の中から選択して、上記と同様の処理を行うことにより、全ての波長について、未知ディテクタ16のリニアリティを検査することができる。
【0035】
図1に示したリニアリティ検査装置において、定常光によるリニアリティ検査は、光源(1〜n)2から一定の光を出力して検査する。パルス光によるリニアリティ検査は、光源(1〜n)2から出力される一定の光を高速光シャッタ7を所定時間開いて検査する。ただし、機械シャッタは高速開閉時間に限界があって、1msec以下の短パルス光発生には向かない場合があるので、これに代わるものとして、LEDやLDからなる光源(1〜n)2をパルス点灯させて、短パルス光を発生させて検査を行うことがある。
また、図14に示したリニアリティ検査装置において、定常光によるリニアリティ検査は、光源26から一定の光を出力して検査する。パルス光によるリニアリティ検査は、光源26から出力される一定の光を高速光シャッタ7を所定時間開いて検査する。
【0036】
次に、本発明の第3の実施形態を図15を用いて説明する。
図15は、本実施形態に係わる、分光放射計などのディテクタ(以下、未知ディテクタという)のリニアリティを検査するリニアリティ検査装置の構成を示す図である。このリニアリティ検査装置も、ソーラシミュレータ等の強い光の各波長の光量の変化に対して1次的に比例した出力が得られるか、つまり、リニアリティを有するかを検査する装置である。なお、図15に示した符号の構成は、図1に示した同符号の構成に対応するので説明を省略する。
第1の実施形態(図1)及び第2の実施形態(図14)に示したリニアリティ検査装置においては、基準ディテクタ(1〜n)12と未知ディテクタ16の測定を交互に行い、同時測定は行っていない例である。これは光源2(1〜n)の時間的安定性が確保されていることが前提となっているからである。しかし、パルス型レーザ光源のように、光強度に時間的変動がある場合は、このような方法でリニアリティ検査を行うことができない場合がある。そのため、図15に示すように、光源(1〜n)2の均一性が十分ある場合は、基準ディテクタ(1)12と未知ディテクタ16、基準ディテクタ(2)12と未知ディテクタ16、・・・基準ディテクタ(n)12と未知ディテクタ16というように、均一な光の範囲内に基準ディテクタと未知ディテクタとを同時に並べて配置して検査を行う。こうすることにより、時間的に変動のある光源に対しても、同時に測定することにより、基準ディテクタの測定値で規格化することにより未知ディテクタのリニアリティを検査することができる。なお、図14のリニアリティ検査装置においても、図15の検査装置と同様の検査装置が適用できることはいうまでもない。
なお、本実施形態において、光源として、パルス型ソーラシミュレータを用いる場合、パルス波形が、時間的に徐々に上昇又は下降する波形(例えば、3角形状に上昇・下降する波形)の場合は、1回の点灯で上昇と下降の2方向に光強度を変化させることができるので、リニアリティ検査を往復の2回分行うことができる。そのため、検査の信頼性を増すことができると共に、1回の発光で光強度を変化させる検査ができるため、検査の所要時間を大幅に短縮することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 光源選択ステージ
2 光源(1〜n)
3 温度コントローラ
4 温調器(1〜n)
5 LED又はLDコントローラ
6 パルス信号発生装置
7 高速光シャッタ
8 シャッタコントローラ
9 回転円板
10 回転円板コントローラ
11 受光部切替えステージ
12 基準ディテクタ(1〜n)
13 プリアンプ(1〜n)
14 温度コントローラ
15 ディテクタ用温調器(1〜n)
16 未知ディテクタ
17 A/D変換器
18 コンピュータ
19 暗箱
20 光源
21 回転円板
22 ディテクタ
23 左右移動ステージ
24 開口板
25 ランプ電源
26 ランプ光源
27 ランプ前後移動用ステージ
28 フィルタ切換え器
29 バンドパスフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長毎に切り替え可能であって複数種類の波長毎のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、
該光源からの光出力を透過する動的透過率が確定している複数種類の動的透過率を有する回転円板又は開口板と、
該回転円板又は開口板を透過した光を受光する前記波長毎の切り替えに対応して切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタとを備え、
波長毎の、前記基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記回転円板又は開口板を透過した光を受光する未知ディテクタで検出された受光量を取得して、前記未知ディテクタのリニアリティを検査する
ことを特徴とするリニアリティ検査装置。
【請求項2】
複数種類の波長の光を有し、光量が可変のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、
波長毎に前記光源からの光を透過可能なバンドパスフィルタと、
該バンドパスフィルタを透過した光を受光する前記波長毎に切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタとを備え、
波長毎の、前記基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記バンドパスフィルタを透過した光を受光する未知ディテクタで検出された受光量を取得して、前記未知ディテクタのリニアリティを検査する
ことを特徴とするリニアリティ検査装置。
【請求項3】
前記基準ディテクタは、発光源からの光出力を動的透過率が確定した複数種類の動的透過率を有する回転円板又は開口板を透過して受光したディテクタのうち、リニアリティを有するディテクタを基準ディテクタの候補ディテクタとし、前記候補ディテクタのうち、前記動的透過率に対する動的平均透過率がリニアリティを有するディテクタである
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のリニアリティ検査装置。
【請求項4】
前記光源が、パルス光源型ソーラシミュレータ又は定常光源型ソーラシミュレータである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つの請求項に記載のリニアリティ検査装置。
【請求項5】
波長毎に切り替え可能であって複数種類の波長毎のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、
該光源からの光出力を透過する動的透過率が確定している複数種類の動的透過率を有する回転円板又は開口板と、
該回転円板又は開口板を透過した光を受光する前記波長毎の切り替えに対応して切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタと、
前記回転円板又は開口板を透過した光を受光する未知ディテクタとを有し、
前記光源からある波長の光を出力し、前記ある波長の光をある動的透過率を有する前記回転円板又は開口板を透過し、前記ある波長に対応するある基準ディテクタで受光検出する第1の工程と、
前記光源から前記ある波長の光を出力し、前記ある波長の光を前記ある動的透過率を有する前記回転円板又は開口板を透過し、前記ある波長の光を未知ディテクタで受光検出する第2の工程と、
前記第1の工程及び第2の工程において、前記ある動的透過率を他の異なる動的透過率を有する回転円板又は開口板に逐次代えて、前記第1の工程及び第2の工程を繰り返す第3の工程と、
前記第1及び第3の工程において得られた基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記第2及び第3の工程において得られた前記未知ディテクタにおいて検出された受光量を取得し、前記未知ディテクタのリニアリティを検査する第4の工程と、
前記光源から出力されるある波長の光を他の異なる波長の光に逐次代えて、前記第1ないし第4の工程を繰り返す第5の工程とからなる
ことを特徴とするリニアリティ検査方法。
【請求項6】
波長毎に切り替え可能であって複数種類の波長毎のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、
該光源からの光出力を透過する動的透過率が確定している複数種類の動的透過率を有する回転円板又は開口板と、
該回転円板又は開口板を透過した光を受光する前記波長毎の切り替えに対応して切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタと、
前記回転円板又は開口板を透過した光を受光する未知ディテクタとを有し、
前記光源からある波長の光を出力し、前記ある波長の光をある動的透過率を有する前記回転円板又は開口板を透過し、前記ある波長に対応するある基準ディテクタと前記未知ディテクタとで同時に受光検出する第1の工程と、
前記第1の工程において、前記ある動的透過率を他の異なる動的透過率を有する回転円板又は開口板に逐次代えて、前記第1の工程を繰り返す第2の工程と、
前記第1及び第2の工程において得られた基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記第1及び第2の工程において得られた前記未知ディテクタにおいて検出された受光量を取得し、前記未知ディテクタのリニアリティを検査する第3の工程と、
前記光源から出力されるある波長の光を他の異なる波長の光に逐次代えて、前記第1ないし第3の工程を繰り返す第4の工程とからなる
ことを特徴とするリニアリティ検査方法。
【請求項7】
複数種類の波長の光を有し、光量が可変のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、
波長毎に前記光源からの光を透過可能なバンドパスフィルタと、
該バンドパスフィルタを透過した光を受光する前記波長毎に切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタと、
前記バンドパスフィルタを透過した光を受光する未知ディテクタとを有し、
前記光源からある光量の光を出力し、前記ある光量の光を前記バンドパスフィルタによってある波長の光を透過し、前記ある波長に対応するある基準ディテクタで受光検出する第1の工程と、
前記光源からある光量の光を出力し、前記ある光量の光を前記バンドパスフィルタによって前記ある波長の光を透過し、前記ある波長の光を前記未知ディテクタで受光検出する第2の工程と、
前記第1の工程及び第2の工程において、前記光源から出力される前記ある光量を他の異なる光量に逐次代えて、前記第1の工程及び第2の工程を繰り返す第3の工程と、
前記第1及び第3の工程において得られた基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記第2及び第3の工程において得られた前記未知ディテクタにおいて検出された受光量を取得し、前記未知ディテクタのリニアリティを検査する第4の工程と、
前記バンドパスフィルタを他の波長を透過させるバンドパスフィルタに逐次代えて、前記第1ないし第4の工程を繰り返す第5の工程とからなる
ことを特徴とするリニアリティ検査方法。
【請求項8】
複数種類の波長の光を有し、光量が可変のソーラシミュレータ級の強い光が出力可能な光源と、
波長毎に前記光源からの光を透過可能なバンドパスフィルタと、
該バンドパスフィルタを透過した光を受光する前記波長毎に切り替え可能に設けられた複数種類の波長毎の基準ディテクタと、
前記バンドパスフィルタを透過した光を受光する未知ディテクタとを有し、
前記光源からある光量の光を出力し、前記ある光量の光を前記バンドパスフィルタによってある波長の光を透過し、前記ある波長に対応するある基準ディテクタと前記未知ディテクタとで同時に受光検出する第1の工程と、
前記第1の工程において、前記光源から出力される前記ある光量を他の異なる光量に逐次代えて、前記第1の工程を繰り返す第2の工程と、
前記第1及び第2の工程において得られた基準ディテクタにおいて検出された受光量に対する、前記第1及び第2の工程において得られた前記未知ディテクタにおいて検出された受光量を取得し、前記未知ディテクタのリニアリティを検査する第3の工程と、
前記バンドパスフィルタを他の波長を透過させるバンドパスフィルタに逐次代えて、前記第1ないし第3の工程を繰り返す第4の工程とからなる
ことを特徴とするリニアリティ検査方法。
【請求項9】
前記光源が、パルス光源型ソーラシミュレータ又は定常光源型ソーラシミュレータである
ことを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1つの請求項に記載のリニアリティ検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−128089(P2011−128089A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288546(P2009−288546)
【出願日】平成21年12月20日(2009.12.20)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(507104016)オーケーラボ有限会社 (5)
【Fターム(参考)】