説明

リモコンブラケット

【課題】別部材を用いることなく、リモコンを保持した状態で説明書を視認できるリモコンブラケットを提供すること。
【解決手段】リモコンブラケット20に、リモコン1を保持することができる保持部24と、弾力性を有することにより、保持部24に対して一体に形成される固定側部材22に対する距離を変化させることができると共に、保持部24でリモコン1を保持する場合には、リモコン1が当接して固定側部材22との距離が小さくなることにより、固定側部材22とによって被挟持物である説明書40を挟持することができる開閉部30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコンブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のトイレやテレビ、ルームエアコン、照明等の家庭用電気製品では、遠隔操作を行うことができるようになっているものが多く、遠隔操作に用いる遠隔操作手段であるリモコンが多用されている。このようなリモコンによって操作可能な電気製品は、多機能化が進んでおり、このため、リモコンによって行うことができる操作の種類も多くなり、リモコンの操作も複雑になっている。これにより、従来のリモコンでは、取扱説明書をすぐに確認できるようになっているものがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された空気調和装置では、リモコンを保持するリモコンブラケットにおけるリモコンとリモコンブラケットとの間にスペースを設け、リモコンの簡易取扱い説明書を、このスペース内に収容できるようにしている。これにより、リモコンの操作方法を確認したい場合には、リモコンの背面側に収容されている簡易取扱い説明書を取り出して確認することにより、取扱い説明書を確認しながらリモコン操作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−41491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、電気製品やリモコンの種類によっては、リモコンをリモコンブラケットで保持した状態でリモコンの操作を行うものも多く、このようなリモコンにおいて、取扱い説明書がリモコンの背面側に収容されている場合、取扱い説明書を取り出す動作が煩わしくなる場合がある。
【0006】
一方、リモコンをリモコンブラケットで保持した状態で操作する場合には、取扱い説明書を引っ掛けることができるフックをリモコンブラケットの近傍に設けることにより、取扱い説明書を確認しながらリモコンの操作を行うことができるが、この場合には、リモコンブラケットとは別に、壁にフックを取り付ける必要がある。このため、壁にリモコンブラケットを取り付ける施工者、またはユーザーの手間が、フックを取り付ける分、多くなる。また、リモコンブラケットの他にフックも製造する必要があるため、製造コストの上昇の要因になる場合がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、別部材を用いることなく、リモコンを保持した状態で説明書を視認できるリモコンブラケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係るリモコンブラケットは、リモコンを保持することができるリモコン保持部と、弾力性を有することにより、前記リモコン保持部に対して一体に形成される固定側部材に対する距離を変化させることができると共に、前記リモコン保持部で前記リモコンを保持する場合には、前記リモコンが当接して前記固定側部材との距離が小さくなることにより、前記固定側部材とによって被挟持物を挟持することができる開閉部材と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明では、リモコン保持部でリモコンを保持した場合には、開閉部材にリモコンが当接することにより、開閉部材と固定側部材とによって被挟持物を挟持することができる。このため、被挟持物としてリモコンの説明書を用いた場合には、リモコンを保持しつつ、説明書を挟持し、保持することができる。この結果、別部材を用いることなく、リモコンを保持した状態で説明書を視認することができる。
【0010】
また、上記リモコンブラケットにおいて、前記固定側部材には、前記被挟持物を引掛けることができる突起部が設けられていることが好ましい。
【0011】
この発明では、固定側部材に突起部が設けられているため、開閉部材と固定側部材とによって挟持する力が弱い場合でも、より確実に被挟持物である説明書を保持することができる。また、説明書を挟持する前に、説明書を突起部に引掛けてからリモコン保持部でリモコンを保持し、説明書を挟持することができるので、容易に説明書を保持することができる。この結果、より容易に、且つ、確実に、別部材を用いることなく、リモコンを保持した状態で説明書を視認することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るリモコンブラケットは、リモコンの当接によって開閉する開閉部材と固定側部材とによって被挟持物を挟持することができるため、別部材を用いることなく、リモコンを保持した状態で説明書を視認することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施形態に係るリモコンブラケットに保持されるリモコンの斜視図である。
【図2】図2は、図1のA−A矢視図である。
【図3】図3は、実施形態に係るリモコンブラケットの斜視図である。
【図4】図4は、図3のB−B断面図である。
【図5】図5は、リモコンの操作方法が記載された説明書の斜視図である。
【図6】図6は、リモコンブラケットでリモコンを保持する場合における説明図である。
【図7】図7は、リモコンブラケットでリモコンを保持する状態を示す説明図である。
【図8】図8は、図7のC−C断面図である。
【図9】図9は、図7のD−D断面図である。
【図10】図10は、実施形態に係るリモコンブラケットの変形例を示す斜視図である。
【図11】図11は、実施形態に係るリモコンブラケットの更なる変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係るリモコンブラケットの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係るリモコンブラケットに保持されるリモコンの斜視図である。図2は、図1のA−A矢視図である。なお、以下の説明では、通常の使用態様でリモコンブラケットによってリモコンを保持した場合における上下方向を、本実施形態に係るリモコンブラケットの上下方向とし、このように保持した状態でリモコンを使用者に対面させた場合における左右方向を、本実施形態に係るリモコンブラケットの左右方向として説明する。さらに、リモコンブラケットでリモコンを保持した場合における通常の使用態様で、リモコンが使用者に対面する側を前側とし、使用者から離れる側を後ろ側として説明する。
【0016】
図1に示すリモコン1は、当該リモコン1から離れた位置に設置される電気製品を遠隔操作が可能な遠隔操作手段として設けられており、このリモコン1は、電気製品の一例として、トイレの洗浄や便座の温度設定等を行うことができるトイレ用のリモコン1として用いられる。このリモコン1は、前面の形状が略矩形状に形成されており、前後方向に所定の厚みを有する、略直方体の形状で形成されている。
【0017】
このように設けられるリモコン1は、前面に、各種の遠隔操作を行う際に操作をする操作部4と、遠隔操作の内容や、遠隔操作によって調節できる設定状態等を表示できる表示部6と、が設けられている。また、このリモコン1は、左右方向における両側面に、当該リモコン1をリモコンブラケット20(図3参照)に装着する際にリモコンブラケット20で保持する部分である被保持部10が形成されている。
【0018】
この被保持部10は、リモコン1の側面に対して、左右方向における内方側に段差を有することにより形成されており、リモコン1の両側面における下端側から上方に向かった所定の位置まで設けられている。また、被保持部10の上端部分は、リモコン1の下方側に面して形成されており、この部分は当接部14として設けられている。さらに、被保持部10は、溝深さがリモコン1の左右方向になると共に、左右方向の端部側に開口して形成される溝部12を有している。この溝部12は、被保持部10が形成される範囲に被保持部10に沿って形成されており、即ち、溝部12は、上下方向に延在している。
【0019】
図3は、実施形態に係るリモコンブラケットの斜視図である。図4は、図3のB−B断面図である。本実施形態に係るリモコンブラケット20は、略矩形状の板状の形状で形成される固定側部材22を有しており、この固定側部材22の左右方向における両側に、リモコン1を保持することができるリモコン保持部である保持部24を有している。これらの固定側部材22と保持部24とは、一体に形成されている。
【0020】
この保持部24は、固定側部材22から、当該固定側部材22の板厚方向にほぼ直角に折り曲げられることにより、固定側部材22の板厚方向に突出して形成されており、上下方向における長さが、リモコン1の被保持部10の上下方向における長さと同程度の長さで形成されている。このように形成される保持部24の上端部分は、リモコン1をリモコンブラケット20で保持する際に、リモコン1の被保持部10に形成される当接部14に当接する係止部28となっている。
【0021】
また、保持部24の前後方向における固定側部材22側の端部の反対側の端部は、さらに、左右方向における内側方向に折り曲げられており、この部分は、リモコン1の溝部12に係合する係合部26となっている。この係合部26は、上下方向における所定の範囲に形成されつつ、左右方向における内側方向に突出しており、溝深さがリモコン1の左右方向になる溝部12に入り込むことにより、溝部12に係合することが可能になっている。
【0022】
また、リモコンブラケット20には、固定側部材22に対して開閉可能な開閉部材である開閉部30が設けられている。この開閉部30は、略矩形状の板状の形状で形成されると共に、固定側部材22における保持部24が突出している側の面に、1辺が接続されている。固定側部材22に対する開閉部30の接続部分は、左右方向に向かって接続されており、開閉部30は、この接続部分よりも下方側に位置している。さらに、開閉部30は、固定側部材22との接続部分から下方に向うに従って固定側部材22から離れる向きで形成されている。つまり、開閉部30は、固定側部材22に対して所定の距離で離間して形成されている。
【0023】
また、この開閉部30は、弾力性を有しており、この弾力性によって固定側部材22に対する距離が変化することができるように設けられている。
【0024】
リモコンブラケット20は、このように形成される開閉部30を2つ有しており、2つの開閉部30は、左右方向に並んで配設されると共に、2つの開閉部30は離間して設けられている。2つの開閉部30は、このように左右方向に離間して形成されているが、開閉部30同士の間の部分には、突起部32が設けられている。この突起部32は、固定側部材22における開閉部30が位置している側の面に設けられると共に、略円柱形状の形状で固定側部材22の板厚方向に突出して形成されている。
【0025】
また、このように形成されるリモコンブラケット20は、スクリュー36によって、壁面等の所望の位置に取り付けることが可能になっている。即ち、リモコンブラケット20は、開閉部30や突起部32が位置している側が前面になる向きで、壁面等に取り付ける。
【0026】
図5は、リモコンの操作方法が記載された説明書の斜視図である。リモコン1の操作方法が記載された説明書40は、紙などに、リモコン1によってトイレを遠隔操作する際における操作方法が簡易的に記載されており、説明書40の両面に、説明書きが記載されている。この説明書40の両面の記載は、例えば、一方の面には、トイレの通常使用時における操作方法の説明が記載されており、他方の面には、各種の設定を行う際における操作方法の説明が記載されている。このように、リモコン1の操作方法が記載された説明書40は、説明書40の記載を読むことができる向きにした場合における左右方向中央の上端近傍に、説明書40を貫通する引掛け穴42が形成されている。この引掛け穴42は、円柱状の形状でリモコンブラケット20に形成される突起部32の径よりも若干大きい径の穴となって形成されている。
【0027】
また、リモコンブラケット20に形成される突起部32は、説明書40に形成される引掛け穴42が、当該突起部32の径よりも若干大きい径の穴となって形成されていることにより、説明書40を引掛けることが可能になっている。
【0028】
この実施形態に係るリモコンブラケット20は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。図6は、リモコンブラケットでリモコンを保持する場合における説明図である。本実施形態に係るリモコンブラケット20でリモコン1を保持する場合には、まず、説明書40の引掛け穴42に、リモコンブラケット20が有する突起部32を通すことにより、突起部32に説明書40を引掛ける。このように、突起部32に説明書40を引掛ける場合には、説明書40は、引掛け穴42側が上方側になる向きで、リモコンブラケット20の下方側から固定側部材22と開閉部30との間に説明書40を入り込ませ、説明書40の引掛け穴42に突起部32を通す。これにより、突起部32に説明書40を引掛ける。
【0029】
リモコン1は、このように説明書40を引掛けた状態のリモコンブラケット20に対して上方側から、操作部4や表示部6が前方側になる向きで、リモコンブラケット20の左右方向における両端に配設されている保持部24間に、被保持部10が入り込むように差し込む。具体的には、リモコン1の被保持部10に形成される溝部12に、リモコンブラケット20の保持部24に形成される係合部26を入り込ませる。
【0030】
溝部12は、上下方向に延在しており、また、係合部26は、上下方向における所定の範囲に設けられているため、溝部12に係合部26を入り込ませた場合、溝部12と係合部26とは、相対的に上下方向に移動させることができる。このため、この状態でリモコン1を下方に移動させた場合には、溝部12は係合部26が入り込んだ状態を維持したまま、下方に移動し、被保持部10の当接部14は、保持部24の係止部28に近付く。
【0031】
図7は、リモコンブラケットでリモコンを保持する状態を示す説明図である。リモコン1を下方に移動させた場合、リモコン1の被保持部10に形成されている当接部14は、リモコンブラケット20の保持部24が有する係止部28に当接する。これにより、リモコン1は、それ以上は下方へは移動しなくなり、また、溝部12に係合部26が入り込んでいるため、前後方向にも移動しなくなる。また、リモコン1は、リモコンブラケット20の左右方向における両端に配設されている保持部24間に、被保持部10が入り込むように差し込むため、左右方向にも移動しなくなる。これにより、リモコン1は、リモコンブラケット20に保持された状態になる。
【0032】
図8は、図7のC−C断面図である。リモコンブラケット20は、このようにリモコン1を保持部24間に差し込むことにより、リモコン1を保持することができるが、リモコンブラケット20の前後方向における保持部24が位置している側の面には、開閉部30が設けられている。このため、溝部12に係合部26を入り込ませた状態でリモコン1を下方に移動させた場合、リモコン1は、後方側の面が開閉部30に当接する。この開閉部30は、固定側部材22に対する接続部分から下方に向かうに従って固定側部材22から離れる向きで形成されており、また、開閉部30は、弾力性を有している。従って、リモコン1を下方に移動させることによりリモコン1が開閉部30に当接し、さらにリモコン1を下方に移動させた場合、開閉部30は、固定側部材22との距離が小さくなる方向に弾性変形をする。
【0033】
ここで、リモコンブラケット20における固定側部材22と開閉部30との間には、突起部32に説明書40が引掛けられることにより、説明書40が配置されている。このため、開閉部30が弾性変形をして、固定側部材22との距離が近付いた場合には、開閉部30は説明書40に接触し、開閉部30と固定側部材22とによって説明書40を挟み込む状態になる。つまり、開閉部30は、保持部24でリモコン1を保持する場合には、リモコン1が当接して固定側部材22との距離が小さくなることにより、固定側部材22とによって、被挟持物である説明書40を挟持することができる。
【0034】
図9は、図7のD−D断面図である。また、開閉部30と固定側部材22とによって挟持する状態では、リモコン1は、突起部32の先端に近接している。このため、説明書40は、引掛け穴42が突起部32から外れることなく、突起部32が引掛け穴42に通った状態が維持され、説明書40が突起部32に引掛けられている状態が維持される。これらにより、説明書40は、リモコン1を保持するリモコンブラケット20によって保持される。
【0035】
また、このように開閉部30と固定側部材22とによって説明書40を挟持した場合に、説明書40の挟持部分は、説明書40の上方部分になっているため、説明書40は、大部分がリモコンブラケット20の下方に位置している。従って、説明書40は、当該説明書40に記載されている説明書きの読み取りが可能な状態で保持される。
【0036】
説明書40は、このようにしてリモコンブラケット20によって保持することができるが、この説明書40には、両面に説明書きが記載されている。このため、現在保持されている状態の説明書40の後ろ側の面の記載を確認する場合には、まず、リモコン1を上方に移動させることにより、リモコンブラケット20からリモコン1を引き抜く。これにより、リモコン1は、リモコンブラケット20の開閉部30から離間するので、開閉部30は、当該開閉部30が有する弾性力により、リモコン1を装着する前の状態になる。つまり、開閉部30は、固定側部材22との接続部分以外の部分が固定側部材22から離れ、固定側部材22との距離が大きくなる。
【0037】
これにより、リモコンブラケット20の突起部32に引掛けられている説明書40を取り外すことができるので、一旦突起部32から取り外した後、説明書40の向きを変えて再び突起部32に引掛ける。その後、リモコンブラケット20の保持部24間にリモコン1を再び差し込み、リモコンブラケット20でリモコン1を保持することにより、向きを変えた説明書40をリモコンブラケット20で保持する状態になる。これにより、当初視認可能だった説明書40の面の反対側の面の記載を確認しながら、リモコン1を操作することが可能になる。
【0038】
以上のリモコンブラケット20は、弾力性を有することにより、リモコン1が当接した場合に固定側部材22との距離が小さくなる開閉部30を有している。このため、保持部24でリモコン1を保持した場合には、開閉部30にリモコン1が当接することにより、相対的な距離が小さくなる開閉部30と固定側部材22とによって説明書40を挟持することができ、説明書40を保持することができる。この結果、別部材を用いることなく、リモコン1を保持した状態で説明書40を視認することができる。
【0039】
また、固定側部材22に突起部32が設けられているため、開閉部30と固定側部材22とによって説明書40を挟持する力が弱い場合でも、より確実に説明書40を保持することができる。また、開閉部30と固定側部材22とによって説明書40を挟持する前に、説明書40を突起部32に引掛けてから、保持部24でリモコン1を保持することによって説明書40を挟持することができるので、容易に説明書40を保持することができる。この結果、より容易に、且つ、確実に、別部材を用いることなく、リモコン1を保持した状態で説明書40を視認することができる。
【0040】
なお、上述したリモコンブラケット20では、説明書40はリモコンブラケット20の下方に位置した状態で保持しているが、リモコン1を保持した状態のリモコンブラケット20で保持する説明書40の位置は、リモコンブラケット20の下方以外でもよい。リモコンブラケット20に対する説明書40の位置は、リモコン1を保持した状態で、例えば、リモコンブラケット20の上方に位置していてもよい。保持部24でリモコン1を保持した際に、リモコン1が開閉部30に当接することにより開閉部30と固定側部材22とで説明書40を挟持ことができれば、リモコンブラケット20で保持する説明書40が位置する方向は、リモコンブラケット20の下方以外でもよい。
【0041】
また、上述したリモコンブラケット20では、保持部24が有する係合部26が、リモコン1に形成された溝部12に入り込んだ状態でリモコン1をスライドさせ、リモコン1の当接部14と保持部24の係止部28とが当接することにより、リモコン1を保持しているが、リモコン1を保持する形態は、これ以外でもよい。リモコン1を保持する保持部24は、リモコン1を確実に保持することができ、且つ、リモコン1を保持した際にリモコン1を開閉部30に当接させ、開閉部30と固定側部材22とで説明書40を挟持させることができれば、リモコン1を保持する形態は上述した形態以外でもよい。
【0042】
また、上述したリモコンブラケット20では、開閉部30と固定側部材22とによって挟持する被挟持物として説明書40を用いて説明しているが、被挟持物は、説明書40以外のものでもよい。被挟持物は、リモコン1で遠隔操作をする電気製品やリモコン1が設置されている空間を使用する上での注意書きや各種の掲示など、開閉部30と固定側部材22とによって挟持することができ、リモコンブラケット20でリモコン1を保持した状態で視認可能にする必要があるものであれば、説明書40以外のものでもよい。
【0043】
また、上述したリモコンブラケット20では、開閉部30と固定側部材22とによって説明書40を挟持することによって説明書40を保持しているが、説明書40は、これらで挟持する以外の手法で保持してもよい。図10は、実施形態に係るリモコンブラケットの変形例を示す斜視図である。例えば、図10に示すように、リモコンブラケット20に、J字状に形成することにより説明書40を引掛けることができるフック50を設けることにより、説明書40を保持してもよい。この場合、フック50は、説明書40を保持する場合における安定性を確保するために、リモコンブラケット20の左右方向における両端付近の2箇所に設け、説明書40には、引掛け穴42をフック50と同様に2つ形成し(図示省略)、2つの引掛け穴42の間隔は、フック50同士の間隔と同程度にする。また、2つのフック50は、リモコンブラケット20の下方側に突出するように設けることにより、リモコンブラケット20でリモコン1を保持した場合でも、リモコンブラケット20の下方側で説明書40を引掛けることができるようにする。
【0044】
さらに、この場合、フック50は、固定側部材22に対して回動可能に設け、固定側部材22にフック50を収納する収納部52を形成するのが好ましい。これにより、フック50を使用しない場合には、フック50を回動させて収納部52に収納することができる。これらのように、リモコンブラケット20に収納可能なフック50を設けることにより、別部材を用いることなく、リモコン1を保持した状態で説明書40を視認することが可能になると共に、説明書40を保持しない場合にはフック50を収納することにより、美観を確保することができる。
【0045】
図11は、実施形態に係るリモコンブラケットの更なる変形例を示す斜視図である。また、説明書40を保持する手法として、固定側部材22に弾力性を有する開閉部30を設けるのではなく、図11に示すように、固定側部材22と一体に形成される説明書保持部60を設け、この説明書保持部60と突起部32とによって説明書40を保持してもよい。この場合、説明書保持部60は、開閉部30と同様に突起部32の左右両側に配設する。また、説明書保持部60は、固定側部材22に対して所定の距離で離間し、固定側部材22に対して平行な平面部を有して形成することにより、固定側部材22との間に空隙62を設ける。さらに、説明書保持部60は、上端のみを固定側部材22に対して接続することにより、空隙62は、下側と左右両側を開口させる。なお、この場合における空隙62の大きさは、突起部32の高さよりも小さくなっているのが好ましい。
【0046】
この説明書保持部60と突起部32とによって説明書40を保持する場合について説明すると、説明書40には、上述した実施形態に係るリモコンブラケット20で用いられる説明書40と同様に、左右方向中央の上端近傍に、引掛け穴42を形成する。また、説明書40は、紙などの可撓性の材料によって形成されているので、引掛け穴42が形成されている位置付近を中心に撓ませ、説明書40を空隙62に挿入しつつ、空隙62の大きさよりも高さが高い突起部32を説明書40で覆う状態にする。この状態で、さらに説明書40を空隙62に挿入することにより、説明書40の引掛け穴42に突起部32を通す。これにより、説明書40を突起部32に引掛ける。
【0047】
この場合、突起部32の高さは、空隙62の大きさよりも高くなっているので、説明書40は説明書保持部60によって厚み方向の移動が規制されることにより、説明書40の引掛け穴42は、突起部32から外れ難くなっている。これらにより、リモコンブラケット20は、説明書40を保持することができる。このように、リモコンブラケット20に、固定側部材22との間に空隙62を形成する説明書保持部60を設けて説明書40を保持することにより、別部材を用いることなく、リモコン1を保持した状態で説明書40を視認することが可能な構造を、より容易に形成することができる。
【0048】
また、上述したリモコンブラケット20は、当該リモコンブラケット20で保持するリモコン1の一例として、トイレ用のリモコン1を用いて説明しているが、リモコンブラケット20で保持するリモコン1は、トイレ用以外のリモコン1でもよい。例えば、室内外の照明用や、浴室内での各種設定や操作用、台所の給湯用、エアコン用など、電気製品を遠隔操作する際に用いるリモコン1であれば、その用途は問わない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明に係るリモコンブラケットは、電気製品を遠隔操作する際に用いるリモコンを保持するブラケットに有用であり、特に、リモコンの説明書を確認しながら操作するリモコンを保持するブラケットに適している。
【符号の説明】
【0050】
1 リモコン
10 被保持部
12 溝部
14 当接部
20 リモコンブラケット
22 固定側部材
24 保持部
26 係合部
28 係止部
30 開閉部
32 突起部
40 説明書
42 引掛け穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモコンを保持することができるリモコン保持部と、
弾力性を有することにより、前記リモコン保持部に対して一体に形成される固定側部材に対する距離を変化させることができると共に、前記リモコン保持部で前記リモコンを保持する場合には、前記リモコンが当接して前記固定側部材との距離が小さくなることにより、前記固定側部材とによって被挟持物を挟持することができる開閉部材と、
を備えることを特徴とするリモコンブラケット。
【請求項2】
前記固定側部材には、前記被挟持物を引掛けることができる突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のリモコンブラケット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate