説明

リモコン装置

【課題】 衛生洗浄装置の各機能を操作する手段として、リモコンによる遠隔操作が用いられているが、衛生洗浄装置の多機能化に伴い、リモコンには多数のスイッチが設けられている。そのため、特に高齢者には、スイッチの数が多いためどのスイッチを押して良いか分からずリモコンが使いづらいといった問題がある。
【解決手段】 衛生洗浄装置15に信号を送信する送信部3と、使用頻度の高い衛生洗浄装置の基本機能を操作するメインスイッチ2を備えたメインリモコン1と、使用頻度の低い衛生洗浄装置の応用機能を操作するサブスイッチ8を備えたサブリモコン7とを接続して構成されたリモコン装置であって、サブリモコン7を取外してもメインリモコン1のメインスイッチ2により衛生洗浄装置15にリモコン信号を送信可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体局部洗浄用の衛生洗浄装置の各機能部を遠隔操作するリモコン装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
衛生洗浄装置の各機能を操作する手段として、リモコン装置による遠隔操作が用いられている。近年では、衛生洗浄装置は多機能化する傾向にあり、便蓋のオート開・閉、オート便器洗浄、節電機能など、多数の便利な機能が備えられており、リモコン装置にはこれらの機能を操作するするためのスイッチが多数設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−324065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような場合、特に衛生洗浄装置を使い慣れない初心者や高齢者には、スイッチの数が多いためどのスイッチを押して良いか分からずリモコン装置が使いづらいといった問題があった。
また、スイッチの数が多いと公共施設に設置される場合にいたずらされることも多かった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、第一には高齢者等にも使い易いリモコン装置を提供することにある。さらに、第二には公共施設に設置してもいたずらされにくいリモコン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、衛生洗浄装置に信号を送信する送信部と、使用頻度の高い衛生洗浄装置の基本機能を操作するメインスイッチを備えたメインリモコンと、使用頻度の低い衛生洗浄装置の応用機能を操作するサブスイッチを備えたサブリモコンとを接続して構成されたリモコン装置であって、前記サブリモコンを取外しても前記メインリモコンのメインスイッチにより衛生洗浄装置にリモコン信号を送信可能としたことにより、リモコン装置のスイッチの数が少なくて見易くなるので、使用経験が少ない者や高齢者にも使い易くなる。
【0005】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明に加え、前記基本機能が衛生洗浄装置の局部洗浄及び/または局部乾燥であり、前記応用機能が衛生洗浄装置の温度設定機能、節電機能等の状態設定機能としたことにより、公共施設で使用する衛生洗浄装置においては、洗浄水や便座の温度を設定することができないので、例えば、真冬に故意に洗浄水を冷たくするといったいたずらを防止することができ、常に施設の管理者が設定した適正温度で衛生洗浄装置を使用することができる。
【0006】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明に加え、前記メインリモコンは電源用の電力供給部と外部へ電力を出力する電力出力部を有し、前記サブリモコンは外部からの電力を入力する電力入力部を有しており、前記電力出力部と前記電力入力部とを接続して、前記メインリモコンからサブリモコンに電力を供給することにより、前記サブリモコンに電力供給部を設ける必要がなくなるため電池交換をする手間が省ける。
【0007】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明に加え、前記メインリモコンは外部からの信号を入力する信号入力部とリモコンの動作を制御する制御部を有し、前記サブリモコンは外部へ信号を出力する信号出力部を有しており、前記信号入力部と前記信号出力部とを接続して、前記サブリモコンからの信号を前記制御部へ送信して前記送信部へリモコン信号を送信し、前記送信部から衛生洗浄装置へ前記リモコン信号を送信することにより、前記サブリモコンに制御部と送信部を設ける必要がなくなるため低コスト化が図れる。
【0008】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の発明に加え、メインリモコンに、前記サブリモコンを直接固定する装着部を設けたことにより、前記サブリモコンを固定するためのリモコンハンガーが必要なくなるため壁面に余分な穴を開けなくて済む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リモコンのスイッチの数が少なくて見易くなるので、高齢者にも使い易くなるという効果がある。
【0010】
また、公共施設において、洗浄水や便座の温度を設定することができないので、例えば、真冬に故意に洗浄水を冷たくするといったいたずらを防止するという効果がある。
【0011】
また、サブリモコンに電力供給部を設ける必要がなくなるため、電池交換をする手間が省けるという効果がある。
【0012】
また、サブリモコンに制御部と送信部を設ける必要がなくなるため、低コスト化が図れるという効果がある。
【0013】
また、サブリモコンを固定するためのリモコンハンガーが必要なくなるため、壁面に余分な穴を開けなくて済むという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき具体的に説明する。図1、図2は本発明のリモコン装置を構成するメインリモコンとサブリモコンとリモコンハンガーとキャップの外観を示し、図3は本発明のリモコン装置の実使用時の外観を示し、図4は本発明のリモコン装置の基本ブロック図を示す。
【0015】
本発明のリモコン装置は、図1、図2、図3に示すように、メインリモコン1とサブリモコン7とリモコンハンガー11とキャップ12で構成されている。
【0016】
メインリモコン1は、図1(A)に示すように、局部洗浄機能、乾燥機能の開始及び停止を指令するスイッチ、あるいは便器洗浄機能の開始を指令するスイッチを群としたメインスイッチ群2を表面に設けている。さらに、衛生洗浄装置に制御信号を送る送信部3、スイッチの操作状態や各種機能の設定状態を表示する表示部4、リモコン装置の電源となる電力供給部14を設けている。また、メインリモコン1の右側面部には凹部状のサブリモコン装着部16が形成され、そのサブリモコン装着部16内に、電力を外部へ出力する電力出力部5および後述するサブリモコン7からの信号を入力する信号入力部6を設けている。さらに、メインリモコン1は、メインスイッチ群2、送信部3、表示部4、電力供給部14、電力出力部5、信号入力部6は、リモコンの動作を制御する制御部13に電気的に接続されている。
【0017】
サブリモコン7は、図1(B)に示すように、温度設定機能、オート設定機能(オート便器洗浄機能、オート便蓋開閉機能、等)、節電設定機能、室暖設定機能等の衛生洗浄装置の状態を設定するスイッチを群としたサブスイッチ群8を表面に設けている。また、左側面部には、メインスイッチ1のサブリモコン装着部16に装着される凸部が形成され、その凸部に、信号入力部6に接続されて電力の供給を受ける電力入力部9及びメインリモコン1にリモコン信号を出力する信号出力部10を設けている。電力入力部9から得た電力は、サブスイッチ群8や信号出力部10に供給される。
【0018】
以上説明したメインリモコン1とサブリモコン7とは、図4に示すブロック図のごとく構成されて、一つのリモコン装置として機能する。
すなわち、メインリモコン1の電力供給部14は、メインリモコン1及びサブリモコン7の双方の電力を賄い、メインリモコン1の制御部13はメインスイッチ群2の操作及びサブスイッチ群8の操作の双方を受け付けて、衛生洗浄装置15に制御信号を送信する。そして、衛生洗浄装置15の諸機能を作動させる。
【0019】
図2はリモコン装置の付属品を示す図で、(A)はリモコンハンガー、(B)はキャップを示す。
リモコンハンガー11は、表面上部に爪を形成しており、メインリモコン1の背部側の爪を引掛けて係止するものである。このリモコン装置は、サブリモコン7の凸部をメインリモコンの装着部16に嵌合させれば、脱落しない構成となっているので、リモコンハンガー11にはメインリモコン1のみを係合するようにしている。
【0020】
このリモコン装置は、通常は、図3(A)のようにメインリモコンにサブリモコンを装着した状態で使用するが、公共施設に設けるように衛生洗浄装置15の基本機能だけを操作したい場合は、図3(B)のように、サブリモコン7を取外し、装着部16内の電力出力部5と信号入力部6に埃が溜まらないようにするためにキャップ12を取付けて使用すればよい。こうすれば、衛生洗浄装置の機能設定を操作するサブスイッチ群8を外した状態でリモコンを構成できるので、いたづら防止に効果的である。
さらに、衛生洗浄装置を使い慣れない場合や高齢者に対しては、各種のスイッチが表面に露出しているとどのスイッチを押していいのかわからず使いにくくなるため、そのような場合には通常はメインリモコン1のみを壁に設置しておき、季節が変わって温度変更を要する場合等にサブリモコン7を装着して機能設定を変更するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のリモコン装置を構成するメインリモコンとサブリモコンの外観を示す図である。
【図2】本発明のリモコン装置の付属品を説明する図で、(A)リモコンハンガーと(B)キャップの外観を示す図である
【図3】本発明のリモコン装置の実使用時の外観を示す正面図である。
【図4】本発明のリモコン装置の基本ブロック図を示す。
【符号の説明】
【0022】
1…メインリモコン
2…メインスイッチ群
3…送信部
4…表示部
5…電力出力部
6…信号入力部
7…サブスイッチ
8…サブスイッチ群
8a…切替スイッチ
8b…設定スイッチ
9…電力入力部
10…信号出力部
11…リモコンハンガー
12…キャップ
13…制御部
14…電力供給部
15…衛生洗浄装置
16…装着部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生洗浄装置に信号を送信する送信部と、使用頻度の高い衛生洗浄装置の基本機能を操作するメインスイッチを備えたメインリモコンと、使用頻度の低い衛生洗浄装置の応用機能を操作するサブスイッチを備えたサブリモコンとを接続して構成されたリモコン装置であって、前記サブリモコンを取外しても前記メインリモコンのメインスイッチにより衛生洗浄装置にリモコン信号を送信可能としたことを特徴とするリモコン装置。
【請求項2】
前記基本機能が衛生洗浄装置の局部洗浄及び/または局部乾燥であり、前記応用機能が衛生洗浄装置の温度設定機能、節電機能等の状態設定機能であることを特徴とする請求項1に記載のリモコン装置。
【請求項3】
前記メインリモコンは電源用の電力供給部と外部へ電力を出力する電力出力部を有し、前記サブリモコンは外部からの電力を入力する電力入力部を有しており、前記電力出力部と前記電力入力部とを接続して、前記メインリモコンからサブリモコンに電力を供給することを特徴とする請求項1または2記載のリモコン装置。
【請求項4】
前記メインリモコンは外部からの信号を入力する信号入力部とリモコンの動作を制御する制御部を有し、前記サブリモコンは外部へ信号を出力する信号出力部を有しており、前記信号入力部と前記信号出力部とを接続して、前記サブリモコンからの信号を前記制御部へ送信して前記送信部へリモコン信号を送信し、前記送信部から衛生洗浄装置へ前記リモコン信号を送信することを特徴とする請求項3記載のリモコン装置。
【請求項5】
前記メインリモコンに、前記サブリモコンを直接固定する装着部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリモコン装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−104753(P2006−104753A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292153(P2004−292153)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】