説明

リヤウインドーオープンカー

【課題】 有蓋オープンカーと言ったもの即ちセミオープンカーの開発。
【解決手段】 乗用車のリヤウインドー(後窓)もサイドウインドー(横窓)のように埋没式に開閉するようにしてオープンカー性にした、セミ(準)オープンカーと通称さねるべき、リヤウインドーオープンカー。

【考案の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
乗用車に関する考案である。
【従来の技術】
爽やかな初夏を迎えた。もう日差しは真夏そのものであるが、まだ空気は過熱しておらず、自然も新緑に萌え、一年中で最もオープンカーの恋しい季節である。半年前にMG社から新「MGF」が出、本日又三菱から「エクリプススパイダー」が出た。RV車と共にオープンカーは乗用車市場に新しい流れを作らんとするものであろう。オープンカーの価格は6年くらい前のマツダの「ロードスター」の出現以来急激に低下して、まだ一般車よりは少し高いとはいえ、相当大衆的となっている。誰もが一度はオープンカーに乗って見たいと思っているようで、これに実用性が高まれば、急速な普及を見ると思われているようである。
この課題に今日まで世界の自動車メーカーはずっと挑戦し続けて来た。この前もトヨタの店で知ったのであるが、「MRJ」と言う幌に替えてプラスチックかのルーフやリヤウイド一体の納まるやに見えるイメージカーを試作して写真に撮って印刷している。しかし今日に至っても実用化は成っておらず、その困難性は不可能性に近いものであるらしい。私もこのテーマにずっと以前から何度となく挑戦して来たが、未だ妙案は浮かばない。
【考案が解決しようとする課題】
そこで私はルーフを外すと言う考えは捨てた。ルーフはあっても宜しい。フロントウインドー以外の窓を総て開けば好いのである。この前クーラーが故障して横窓を総て開けて走って見て、それをもう一歩進めて後窓も開ければ好ましいことが判った。そうすれば風は十分に車内に流れ込み後へ抜けて行く。爽風を一杯に受けて走れるので、一応の解放感は満喫できるのである。このことは以前から気付いていたのであるが、改めてその有用性を認識した。その本考案の構成は「実用新案登録請求の範囲」に簡潔に述べてある。
【作用】
従って走行に従って風が吹き込んでリヤに流れる。正に準(セミ)オープンカーとなる。
【実施例】
この風の流れを出来るだけ妨げないように色々な工夫がされねばならない。
先ず現在のハードトップ車などはオープンカーのように横窓ガラスが完全に沈みうるように車全体をデザインしなくてはならない。
サイドピラーはルーフの取り付け構造を改善強化して無くても済むようにしたい。その場合の窓ガラスと窓ガラスの接続は両ガラスのどららか一方の接触縁にゴムの縁取りを設けて防水性にしたい。
リヤウインドーガラスは今のような円錐形の一部分的なものとしては、納め難いので、平板的や円筒形の一部分的や角筒形の一部分的なもの等にしなくてはならない。
リヤピラーは出来るだけ細くするのが好ましい。この場合ドアウインドーの他にリヤピラーウインドーを設けても宜しい。その窓ガラスの水防方法は先述のようにすると宜しかろう。
現在のオープンカーには昔のような風採り用の三角窓は設けられていない。これは是非設けて風が十分にドライバーに当たるようにしたい。サイドミラーとの関係があるが、十分調和的に設けることが出来よう。
斯くて風は十分採れ流れて、一応の解放感は達成できるが、まだ十分ではない。そこでルーフをガラスとして、より解放感を出したい。ガラスルーフからも外の景色が十分に飛び込めば、オープンカー性はより高まろう。天井に付いているライトなどはドアに付け換えると宜しかろう。
本考案は勿論4ドアより2ドアの方が製造しやすい。本考案の座席などには強風が当たるので、物は置けず、それだけ4ドアに対する要求は弱まる。この場合出来るだけトランク 大きくなるよう車全体をデザインする必要がある。
10数年前にも考えたが、2ドアの場合どうしてもドアが大きくなり、それだけ広い駐車場がいることなるので、既存の駐車場向きにするには何か対策がいる。そこでドアを少し外に押し出して片開きするようにしたい。その外へ押し出す機構には「たすき連結(リンク)機構」を以ってするのが好いと判っている。このような2ドア対策がなされゝば、2ドア車は使い易くなり、恰好は2ドア車の方がずっと好くなるのであるから、2ドア車に対する要求即ち人気は急激に高まることになるに違いない。
【考案の効果】
セミオープンカーと聞いただけでも、どんな車かと聴き返して見たくなろう。早く実物を見たくもなる。RVが勢を得ているとは言え、現在の主流はやはりハードトップ車である。その殆ど総てが本考案のセミオープンカーとなりうるので、車作りの夢は無限に近く拡大する。昔は車は用途に応じて型(デザイン)が決っていた。しかし車が大衆化するに連れて、多目的的となって来た。そして今のハードトップ車の時代を迎えているのである。そこへRV車が新しさを開拓しているが、フォーマルな生活が主な人にはやはり向かない。勤労者で車は週末などの休日に主として用いる所謂日曜ドライバー向けのものであろう。そこでフォーマル用途中心の人向けにもう一段の多目的化を図りたいところであった。本考案は正にその要求に応えた。その夢を叶えたのである。
世界的に乗用車産業は酷い頭打ち現象に見舞われている。何か大々的に大衆的に購買欲をそゝる新製品が欲しいところであった。若し本考案が自動車業界の目に適うならば、是非採用して貰って、乗用車市場にイノベーションをもたらして貰いたい。J.A.シュンペーターの言うイノベーションと言うのは商品市場特に耐久消費財市場と言うものは又サービス業と言うものは可成り短期間にやがては普及率が実質的に100%に達して頭打ち現象を迎えるので、市場経済を常に隆盛に保つには恒常的に企業は新製品や新しい手を出し続けなくてはならないと言うにある。その新製品には二つの場合がある。一つは全く新しい文化であり、もう一つは既文化を革新することである。前者は新しい市場を創造し、後者は既市場を新しくする。勿論経済全体を拡大するのは前者である。しかし後者でもそれは新しい需要を喚び起し、普及率は改めて零に戻ったと見做しうる。その業界は改めて新しいスタート地点に立つことになり、活性化する。即ち潜在需要が拡大したのである。そうであれば、J.B.セーの言うように「供給は需要を生み出す」の状態となるのであるから、本考案はどんどん生産されゝば宜しいことになる。
現在の国産車市場はユーザーに明らかに飽きられており、外車が注目を溶びている。殆どの国民が一度は外車にも乗って見たいと思っており、その潜在需要は広大である。国産車はじりじりとシェアーを喰われている。若し私の言う「太陽熱風力発電」や「空中炭酸ガスのアルコール燃料化」などによる「太陽の時代」
が来ることとなって、経済が全般的に大活性化するようなことになっても、即ち景気が本格的に好転しても、否好転すればする程、国産車に余程の新製品がない限り、外車にどんどんシェアーを拡大されることになろう。
大不況の現在でも車のように値の張らない、例えば洋品類や化粧品類や洋酒類などはどんどん外国産が国産を駆逐している。
我国日本は今や工業先進国の最大手となっているが、それはその後発国であり、国産品に対する潜在需要が飽和していた外国に我国産品が莫大な潜在需要を以って新規製品として迎えられたからである。
今やそれも一巡した。我輸出製品においても矢張りどうしても新製品をもっと好くは新文化を出さねばならないところである。
その新製品も新文化も最早や大衆的で幼稚なものは殆ど発明出来なくなっている。より高度化の中にしかそれは発明されない。消費者と言う者は程度の差こそあれ、程々の中に安住する。飛び抜けた高級生活には殆ど飛び付かない。
ステレオコンポならそれを出来るだけ高級品で普及させたい。より質の良い音に対する需要を創りたい訳である。訳の判からない機能面だけの即ちメカだけの高度化だけでなく、性能的に高級なものへの憧憬を創り出したい。そういう潜在需要が所有分野に脈打つように本格的な啓蒙運動を進めねばならない。今や完全にそう言う時代に差し掛かっている。
この整理が一応確定しさえしたなら、いよいよ今度こそは本格的な「太陽の時代」が発進することになろう。総ての国民は将来の長きに亘っての日本経済の歩むべき途がそこにあるを宜く認識し、その土地争奪戦に結末が付くまでの目くらまし的商売例えば太陽電池とか電気自動車などに残り少ない資金と貴重な時間とを吸い盗られてはならない。国民の誰もが揃って本命にぶち当たろう。今は土地を除いてはまだかも判からない。しかし本命の時代は必らず来る。それ迄は隠忍自重して、頭と腕と出来るだけの資金を蓄えることに全力を傾けるべきである。
本考案はその時代を待たずとも実用化されようが、その時代が来ても空中の二酸化炭素と水とを反応させて作り出すエタノールを悪くてもメタノールを燃料とした本考案が第二次モータリゼーションの花形として全国の道路と言う道路を流れることであろう。
自動車というものは石油を燃料とする内燃機関の出現を見て始めて開発された。今以ってしてもその内燃機関以外では絶対に実用的なものは開発出来ない。内燃機関程体に似合わず大きな回転動力を出しうるものは他にないからである。
従って石油枯渇後の自動車産業はどんなことがあっても石油に代わる内燃機関用の燃料を人造的に開発する以外には全く生きる途はないのである。このことを肝に銘じて私の発明した空中の炭酸ガスと地上地下中の水とからアルコールを製造すると言う提案を満腔の期待と万雷の拍手を以って是非とも歓迎して貰い、私に官民挙げての出資をして貰い、このアルコール開発に着手させて欲しい。是が非でもどうしてもそうさせて貰いたい。政官財にこの白眉の急務の正しく理解出来る賢者の多からんことを祈っている。
本考案が残り少ない石油時代の内に実用化されるかどうか判らないが、次の人造アルコール燃料時代には必らずやその時代の花形として都市に田園に流れるようになると信じて疑わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の簡単な側面図(リヤウインドーガラスが降没しうる形となっている)である。
【図2】本考案の簡単な正面図(三等分割を採用し、グリルはロールス・ロイスのものがベースとなっている。使えるかどうかは其社と相談してみないと判らない)である。
【図3】本考案の簡単な背面図(トランクリッドをテールランプがそのリッド(蓋)のみに設けられるように車幅一杯に設ける新案がしてある)である。

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】乗用車のリヤウインドー(後窓)もサイドウインドー(横窓)のように埋没式に開閉するようにしてオープンカー性にした、セミ(準)オープンカーと通称されるべき、リヤウインドーオープンカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】第3032263号
【登録日】平成8年(1996)10月2日
【発行日】平成8年(1996)12月17日
【考案の名称】リヤウインドーオープンカー
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平8−6700
【出願日】平成8年(1996)6月8日
【出願人】(594052526)